(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/10 20060101AFI20231010BHJP
F24F 13/15 20060101ALI20231010BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20231010BHJP
F24F 1/0011 20190101ALI20231010BHJP
【FI】
F24F13/10 A
F24F13/15 B
F24F1/0007 401C
F24F1/0011
(21)【出願番号】P 2022111783
(22)【出願日】2022-07-12
【審査請求日】2022-10-20
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薄田 健太
(72)【発明者】
【氏名】下沢 一仁
(72)【発明者】
【氏名】大石 剛久
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-040409(JP,A)
【文献】特開2022-037367(JP,A)
【文献】国際公開第2016/139729(WO,A1)
【文献】特開2022-114746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/10
F24F 13/15
F24F 13/20
F24F 1/0011
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調された空気を室内に吹き出す吹出口が設けられた筐体と、
前記吹出口の幅方向に並べられ、それぞれが、前記吹出口を開放する開位置と、前記吹出口の一部を塞ぐ閉位置と、で切り替え可能な複数の通風部材と、
前記室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能であるとともに、前記吹出口を、前記吹出口の幅方向に直交する面内方向において上下方向に並ぶ二つの分流路に区画し、前記複数の通風部材に対応して前記幅方向に並べられた複数の第1の風向板と、
前記複数の第1の風向板と並べられ、前記複数の第1の風向板との間に前記二つの分流路のうち下側の前記分流路を形成し、前記下側の前記分流路を開閉可能な一つの第2の風向板と、
を備え、
前記複数の通風部材は、それぞれに複数の通風口が開口され、それぞれの前記閉位置が前
記面内方向において、揃えられて
おり、
前記二つの分流路のうち上側の前記分流路に、前記通風部材が設けられ、
前記通風部材が前記閉位置に切り替えられ、前記上側の前記分流路を塞ぎ、前記下側の前記分流路を塞がないで空気が吹き出すことができる状態と、前記通風部材が前記開位置に切り替えられ、前記二つの分流路を塞がないで空気が吹き出すことができる状態とに、前記通風部材毎に設定可能であり、
前記複数の通風部材のうち少なくとも1つが前記閉位置に移動して前記上側の前記分流路を塞いだ場合、前記第2の風向板は、前記下側の前記分流路を開放した状態である、
空気調和装置。
【請求項2】
前記第1の風向板は、揺動することにより前記風向を変更可能であり、
前記通風部材は、当該通風部材と対応する前記第1の風向板が揺動する場合には、前記第1の風向板と干渉しない位置に移動する、
請求項
1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記複数の第1の風向板は、互いに位相が同じになるように揺動する、
請求項
2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記複数の第1の風向板は、互いに位相が異なるように揺動する、
請求項
2に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記第2の風向板は、揺動することにより、前記室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能であ
り、
前記第2の風向板は、前記第1の風向板が揺動する場合には、揺動しない、
請求項
3または
4に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記第2の風向板は、揺動することにより、前記室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能であ
り、
前記第2の風向板は、前記第1の風向板の揺動と位相が同じになるように揺動する、
請求項
3に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内機によって空調された空気を室内に吹き出す空気調和装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、空気調和装置から吹き出される風の希望の態様が異なる複数の人間が室内いる場合、それら複数の人間の希望に合う態様の風を送ることができない。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、異なる態様の風を同時に室内に送ることができる新規な構成の空気調和装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る空気調和装置は、筐体と、複数の通風部材と、複数の第1の風向板と、一つの第2の風向板と、を備える。前記筐体には、空調された空気を室内に吹き出す吹出口が設けられている。前記複数の通風部材は、前記吹出口の幅方向に並べられ、それぞれが、前記吹出口を開放する開位置と、前記吹出口の一部を塞ぐ閉位置と、で切り替え可能である。前記複数の第1の風向板は、前記室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能であるとともに、前記吹出口を、前記吹出口の幅方向に直交する面内方向において上下方向に並ぶ二つの分流路に区画し、前記複数の通風部材に対応して前記幅方向に並べられている。前記第2の風向板は、前記複数の第1の風向板と並べられ、前記複数の第1の風向板との間に前記二つの分流路のうち下側の前記分流路を形成し、前記下側の前記分流路を開閉可能である。前記複数の通風部材は、それぞれに複数の通風口が開口され、それぞれの前記閉位置が前記吹出口の幅方向に直交する面内方向において、揃えられている。前記二つの分流路のうち上側の前記分流路に、前記通風部材が設けられている。前記通風部材が前記閉位置に切り替えられ、前記上側の前記分流路を塞ぎ、前記下側の前記分流路を塞がないで空気が吹き出すことができる状態と、前記通風部材が前記開位置に切り替えられ、前記二つの分流路を塞がないで空気が吹き出すことができる状態とに、前記通風部材毎に設定可能である。前記複数の通風部材のうち少なくとも1つが前記閉位置に移動して前記上側の前記分流路を塞いだ場合、前記第2の風向板は、前記下側の前記分流路を開放した状態である。
【0009】
前記空気調和装置では、例えば、前記第1の風向板は、揺動することにより前記風向を変更可能である。前記通風部材は、当該通風部材と対応する前記第1の風向板が揺動する場合には、前記第1の風向板と干渉しない位置に移動する。
【0010】
前記空気調和装置では、例えば、前記複数の第1の風向板は、互いに位相が同じになるように揺動する。
【0011】
前記空気調和装置では、例えば、前記複数の第1の風向板は、互いに位相が異なるように揺動する。
【0012】
前記空気調和装置では、例えば、前記第2の風向板は、揺動することにより、前記室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能である。前記第2の風向板は、前記第1の風向板が揺動する場合には、揺動しない。
【0013】
前記空気調和装置では、例えば、前記第2の風向板は、揺動することにより、前記室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能である。前記第2の風向板は、前記第1の風向板の揺動と位相が同じになるように揺動する。
【0014】
以上の空気調和装置によれば、異なる態様の風を同時に室内に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、上下風向板が閉状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、上下風向板が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が閉状態の場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【
図7】
図7は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が閉状態の場合を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【
図8】
図8は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態における空気調和装置の通風部材を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態における空気調和装置の通風部材により乱流が発生することを説明する例示的かつ模式的な断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る空気調和装置の室内機制御部の詳細を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る空気調和装置の実施形態について説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0017】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0018】
図1は、室内機10及び室外機100で構成される実施形態に係る空気調和装置1の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0019】
空気調和装置1は、操作端末94a、室内機10、及び室外機100を有する。室内機10は、室内に配され、室外機100は、室外に配される。操作端末94aは、室内に存在する生体CRから操作指示を受け付け、受け付けられた操作指示に応じて、室内機10に指令を送信する。生体CRは、例えば人間、ペット等である。操作端末94aは、例えばリモートコントローラである。なお、操作端末94aは、専用のアプリケーションで動作するスマートフォン等でもよい。
【0020】
本実施形態の空気調和装置1の室内機10は、レーダー2を備え、室内機10が設置された室内に存在する検知対象の検知を行う。本実施形態において、検知対象は、特に生体CRの他、その生体CRが利用可能な家具(椅子やソファ、ベッド等)や壁等も含むものとする。すなわち、レーダー2によって、室内機10が設置されている部屋の大きさ(室内)や容積等も検知可能である。生体CRは、人間、ペット等である。レーダー2は、生体センサの一例である。なお、生体センサは、レーダー2に限られない。
【0021】
本実施形態において、空気調和装置1(室内機10)は、レーダー2によって検知された検知対象のうち特に生体CRに関する情報を取得し、室内に存在する生体CRに適した風(空調空気)の提供するように制御態様を決定する。例えば、レーダー2の検知結果に基づき、室内機10の制御部(後述する室内機制御部80)は、検知対象が動く場合、その検知対象を「生体CR」と見なす(判定する)ことができる。室内機10(レーダー2)は、検知対象が部屋に進入してきた場合、その進入動作の検知により、生体CRであると認識し、室内機10の制御に反映させる。また、室内機10(レーダー2)は、検知対象が、室内(部屋)の中で移動しない場合(検知位置に変化がない場合)でも、その検知対象が動いた場合、例えば検知対象の移動動作や検知対象の一部の挙動を検知した場合、生体CRであると認識して室内機10の制御に反映させる。一方、室内機10(レーダー2)は、継続的に静止状態を保つもの(例えば家具や壁等)は、非生体であると見なし、室内機10の制御の反映対象から除く。なお、生体CRか否かの判定は、これには限られず、検知対象の形状や脈動等を検知してもよい。また、その他のセンサ、例えば、赤外線センサ等を備え、この検知結果と合わせて、生体CRか否かの判定を行ってもよい。
【0022】
室内機10は、レーダー2の他、室内機制御部80、上下風向板25、左右風向板29、室温センサ3A,3Bを有する。室温センサ3Aは、例えば、室内機10の吸込口32近傍の空気の温度を検知する。室内機制御部80は、例えば、室温センサ3Aによって検知される温度が、設定温度となるように各部を制御する。また、室温センサ3Bは、室内の温度(温度分布)及び室の壁の温度(温度分布)を検知する。室温センサ3Bは、例えば、赤外線センサである。室内機制御部80は、例えば、室温センサ3Bの検知結果に基づいて、室内機10から吹き出される空気の風向を制御する。室内機制御部80は、操作端末94aから受信された指令に応じて、空気調和処理を行うとともに、レーダー2を用いて検知された生体CRに応じた制御を行う。室内機10は、レーダー2による検知結果に基づく、実質的な自動制御である「レーダー制御モード」と、ユーザが操作端末94aを用いた操作において、レーダー2を利用せず、室内機10の制御(設定)行う「通常制御モード」とを備える。
【0023】
「レーダー制御モード」において、レーダー2は、室内機制御部80による制御の下、室内における検知対象(生体CR)の位置を連続的または断続的に検知する。室内機制御部80は、検知される生体CRの位置を追跡しながら、生体CRに向かう風や逆に生体CRを避ける位置に向かう風を送るように、上下風向板25や左右風向板29、通風部材26等の制御を行う。室内機制御部80は、室内機10から吹き出す風(空調空気)の向きの制御を上下風向板25や左右風向板29の動作制御によって行う。
【0024】
これにより、室内機10からの空調空気の吹き出し方を、検知領域内に存在する生体CRの移動に応じて動的に変更することができるので、室内に存在する生体CRの快適性を動的に向上することができる。
【0025】
具体的には、室内機10は、吸込口を介して室内から吸い込んだ空気に対して空気調和処理を行い、空気調和処理が施された空調空気を室内に向けて吹き出す。空気調和処理は、例えば、吸熱処理(冷房)、加熱処理(暖房)、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理等を含む。吸熱処理、加熱処理、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理は、それぞれ、空気調和装置1の運転モード(主運転モード)としての、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードに対応する。
【0026】
なお、主運転モードは、制御モード(レーダー制御モード、通常制御モード)と適宜組み合わせ可能である。空気調和装置1(室内機10)は、レーダー制御モードにおいて、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードのいずれも取り得る。なお、レーダー制御モードにおいて、組み合わせられる運転モードは上記に限られず、他の運転モードも組み合わせられ得る。通常制御モードについても同様である。
【0027】
空気調和処理において、加湿処理は、省略されてもよい。このとき、空気調和装置1の運転モードとして、加湿運転モードは、省略されてもよい。
【0028】
室内機10は、補助運転モードとして、空調空気を吹き出す際に2種類の流速の風を混在させることで広範囲に拡散する乱流を発生させて、放出される風を全体的に緩やかな風流(いわゆる無風感(登録商標)の風)にする、無風感モードを有する。補助運転モードは、制御モード(レーダー制御モード、通常制御モード)と適宜組み合わせ可能であり、主運転モードと適宜組み合わせ可能である。
【0029】
室内機10は、運転モードとして、自動運転モードを有してもよい。室内機10は、室温センサ3Aで室内及び壁の温度を検知する。室内機10(室内機制御部80)は、自動運転モードにおいて、検知温度が設定温度より高ければ、暖房運転モードで動作し、検知温度が設定温度より低ければ、暖房運転モードで動作するようにしてもよい。
【0030】
空気清浄処理は、例えば、空気中にイオンを放出するイオン放出方式、紫外線を室内機10の内部に照射し、除菌を行う紫外線照射方式、室内の空気を室内機10内に吸い込んだ際に集塵を行う集塵方式等により実行される。なお、集塵方式には、例えば、フィルタ集塵方式や電気集塵方式等がある。フィルタ集塵方式では、HEPAフィルタなどの目の細かいフィルタに空気を通し、フィルタで埃等の汚れ物質をろ過することで、空気中から除去する。電気集塵方式では、吸い込んだ空気に含まれる埃等の汚れ物質を高圧放電で帯電させて、集塵部(例えば、熱交換器22や反対極性に帯電させたフィルタ)に吸着させることで捕集する。なお、熱交換器22に吸着された汚れ物質は、例えば、熱交換器の表面に結露した結露水を排出する際に、一緒に屋外に自動的に排出することができる。
【0031】
図1に示されるように、空気調和装置1において、室内機10は、レーダー2、室内機制御部80、室温センサ3の他、熱交換器22、ファン23、フィルタ24(後述)、上下風向板25、左右風向板29、通風部材26、受信装置94等を含む。室内機制御部80は、室外機100の室外機制御部180とともに制御部200を構成している。また、熱交換器22は、冷媒が流通する冷媒回路201に含まれる。また、室内機10は、室内機制御部80によって制御される、第1制御回路81、第2制御回路82、第3制御回路83、及びフォンモータ84、上下風向板モータ85、左右風向板モータ86、切替モータ87等を含む。なお、
図1に示す構成の場合、空気清浄処理として、電気集塵方式を実行する空気清浄ユニット4が室内機制御部80によって制御される例が示されている。
【0032】
また、室外機100は、熱交換器122、ファン123、四方弁124、圧縮機125、室外機制御部180、第4駆動回路181、第5駆動回路182、第6駆動回路183、ファンモータ184、弁切替モータ185、圧縮機モータ186等を含む。
【0033】
室内機10において、ファン23は、熱交換器22付近に配される。ファン23は、室内機10の吸込口を介して室内から吸い込んだ空気を熱交換器22へ導くとともに、熱交換器22で熱交換された空調空気を室内機10の吹出口へ導く。室内機制御部80は、第1制御回路81でフォンモータ84を駆動し、ファン23を回転軸周りに回転させる。室内機制御部80は、ファン23の回転数を変更可能である。
【0034】
熱交換器22は、例えば冷媒配管に接続される流路と複数のフィンとを有する。熱交換器22は、室内から吸い込まれた空気に対して流路を通る冷媒との間で熱交換を行う。
【0035】
室外機100において、ファン123は、熱交換器122の付近に配される。ファン123は、室外機制御部180による制御に応じて、回転する。これにより、ファン123は、外気を吸い込み熱交換器122へ導くとともに、熱交換器122で熱交換された外気を室外機100外へ排出する。室外機制御部180は、第4駆動回路181でファンモータ184を駆動し、ファン123を回転軸周りに回転させる。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、ファン123の回転数を変更可能である。
【0036】
熱交換器122は、例えば流路と複数のフィンとを有する。熱交換器122は、近くを通る冷媒回路に熱的に接触する。熱交換器122は、外気に対して流路を通る冷媒との間で熱交換を行う。
【0037】
四方弁124は、冷媒回路201に含まれる。四方弁124は、室外機制御部180による制御に応じて、冷媒回路201における冷媒の流路を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。室外機制御部180は、第5駆動回路182で弁切替モータ185を駆動し、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。
【0038】
圧縮機125は、冷媒回路201に含まれる。圧縮機125は、室内機制御部80による制御に応じて室外機制御部180により、冷媒を圧縮して送り出す。室外機制御部180は、第6駆動回路183で圧縮機モータ186を駆動し、圧縮機125に冷媒の圧縮のサイクル動作を行わせる。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、圧縮機125のサイクル数(単位時間当たりの圧縮サイクルの実行回数)を変更可能である。
【0039】
例えば、空気調和装置1は、制御部200(室内機制御部80及び室外機制御部180)により、冷房運転モードにおいて、四方弁124を冷房側に切り替える。そして、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内の空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内へ吹き出す。そして、熱交換器122で放熱処理を行い、冷媒に吸収された熱を外気へ放出させる。
【0040】
あるいは、空気調和装置1は、制御部200(室内機制御部80及び室外機制御部180)により、暖房運転モードにおいて、四方弁124を暖房側に切り替える。そして、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。そして、熱交換器22で加熱処理を行い、冷媒に吸収された熱で室内の空気を加熱し、加熱された空調空気を室内へ吹き出す。
【0041】
上下風向板25、左右風向板29は、それぞれ、室内に吹き出される空調空気の風向を設定(調整)する。風向とは、風の向きを意味する。本明細書では、室内機制御部80は直接的に上下風向板25、左右風向板29が向く方向を制御するが、上下風向板25、左右風向板29が向く方向と、室内機10の吹出口から吹き出された直後の風の向き(風向)とは、おおむね一致するものとして扱う。すなわち、上下風向板25、左右風向板29は、その向きで風向を設定(調整)可能であり、室内機制御部80は、上下風向板25、左右風向板29の向きを制御することで、風向を制御可能である。なお、上下風向板25、左右風向板29は、それぞれ個別にその向きを制御することができる。これにより、室内機10の吹出口全体から風向が一方向に揃えられた風を吹き出すこともできるし、室内機10の吹出口のうち上下風向板25、左右風向板29等で区画される2以上の領域からそれぞれ風向が異なる2以上の風を吹き出すこともできる。
【0042】
上下風向板25は、閉位置と開位置とで切り替え可能である。上下風向板25は、閉位置に切り替えられた状態で、吹出口を閉塞する。上下風向板25は、開位置に切り替えられた状態で、吹出口を開口する。上下風向板25の動作により吹出口が開口された状態で、上下風向板25、左右風向板29は、室内に吹き出される空調空気の風向を設定(調整)する。上下風向板25は、空調空気の風向を上下方向に設定(調整)する。左右風向板29は、空調空気の風向を左右方向に設定(調整)する。
【0043】
図2から
図10を用いて、室内機10のより具体的な構造を説明する。
図2は、室内機10の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【0044】
室内機10は、筐体21の内部に、上述したように、熱交換器22と、ファン23と、フィルタ24と、複数の上下風向板25(25A,25B)と、複数の左右風向板29(
図1、
図4参照)、通風部材26等を有する。上下風向板25、左右風向板29及び通風部材26は、ルーバーとも称され得る。
【0045】
図2以降の各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、室内機10の幅に沿って設けられる。Y軸は、室内機10の奥行に沿って設けられる。Z軸は、室内機10の高さに沿って設けられる。
【0046】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。本実施形態において、+Z方向は上方向であり、-Z方向は下方向である。
【0047】
筐体21は、X方向に延びた略直方体状に形成される。なお、筐体21は、他の形状に形成されてもよい。筐体21は、例えば、建造物(室内)の壁等に架けられる。筐体21は、上面21aと、下面21bと、二つの側面21e,21fと、を有する。上面21aは、筐体21の上方向の端部またはその近傍に設けられ、略上方向に向く。下面21bは、筐体21の下方向の端部またはその近傍に設けられ、略下方向に向く。また、筐体21は、側面21e,21fを含む二つの側壁21hと、二つの側壁21hに亘った亘部21iと、を有する。亘部21iは、上面21a及び下面21bを含む。
【0048】
筐体21に、通風路31、吸込口32、及び吹出口33が設けられる。通風路31は、筐体21の内部に設けられる。吸込口32は、例えば、筐体21の上面21aに開口する。吹出口33は、例えば、筐体21の下面21bに開口する。吹出口33の幅方向は、X方向に沿う。また、吹出口33の幅方向は、吹出口33に流入する空気の流れ方向と交差(直交)する。吸込口32及び吹出口33は、筐体21の他の部分に開口してもよい。
【0049】
室内機10は、通風路31に風を通すことができる。風は、空気のような気体の流れである。吸込口32は、通風路31の一方の端に設けられ、通風路31を室内機10の外部に連通する。吹出口33は、通風路31の他方の端に設けられ、通風路31を室内機10の外部に連通する。言い換えると、通風路31は、筐体21の内部において、吸込口32と吹出口33との間に設けられる。
【0050】
熱交換器22は、通風路31に設けられる。熱交換器22は、通風路31において周囲の気体と熱交換を行う。これにより、熱交換器22は、冷房運転時に通風路31を流れる風を冷却し、暖房運転時に通風路31を流れる風を加熱する。
【0051】
ファン23は、通風路31に設けられる。ファン23は、X方向に延びる回転軸Axfまわりに回転することで、通風路31において吸込口32から吹出口33へ風を送る。これにより、室内機10は、吸込口32から室内の空気を通風路31へ吸い込み、吹出口33から通風路31の空気(風)を吹き出す。このため、本明細書では、通風路31において吸込口32に近い側を上流、吹出口33に近い側を下流と称する。
【0052】
ファン23は、熱交換器22の下流に位置する。このため、ファン23が風を生じさせると、吸込口32から吸い込まれた空気が熱交換器22のフィンを通過する。これにより、通風路31を流れる空気が熱交換器22と熱交換を行う。
【0053】
フィルタ24は、吸込口32、または通風路31における吸込口32の近傍に設けられる。フィルタ24は、熱交換器22の上流に位置する。フィルタ24は、筐体21の内部から吸込口32を覆う。フィルタ24は、例えば、吸込口32から吸い込まれた空気を濾過し、当該空気中の塵埃を捕捉する。上述したように、フィルタ24をHEPAフィルタ等で構成することにより、より高品質の空気清浄処理を実現することができる。
【0054】
上下風向板25、左右風向板29は、
図2~
図10に示すように構成され得る。
図2は、上下風向板25が閉位置Pc1にある状態を示す。
図3は、室内機10の構成及び動作を示す断面図であり、上下風向板25が開位置Po1にある状態を示す。
図4は、室内機10の構成及び動作を示す斜視図であり、上下風向板25が開位置にあり、左右風向板29が見えている状態を示す。
図5は、室内機10の構成を示す図であり、通風部材26が閉状態の場合(閉位置Pc2にある状態)を例示的かつ模式的な斜視図である。
図6は、室内機10の構成を示す図であり、通風部材26が開状態の場合(開位置Po2にある状態)を示す例示的かつ模式的な正面図である。
図7は、室内機10の構成を示す図であり、通風部材26が閉状態の場合(閉位置Pc2にある状態)を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【0055】
上下風向板25は、複数の上下風向板25A,25Bを含んでもよい。上下風向板25A,25Bは、それぞれ、空調空気の風向を上下方向に設定(調整)する部材であり、上下ルーバーとも呼ばれる。上下風向板25Aは、空調空気の第1の流路C1を形成し、上下風向板25Bは、空調空気の第2の流路C2を形成する。上下風向板25A,25Bは、それぞれ、軸部41と板部42とを有する。第1の流路C1及び第2の流路C2は、吹出口33に含まれる。すなわち、吹出口33は、複数の上下風向板25A,25Bによって第1の流路C1及び第2の流路C2に区画されている。換言すると、吹出口33は、当該吹出口33の幅方向(X方向)に直交する面(YZ面)内方向において、区画された複数の流路(第1の流路C1及び第2の流路C2)を有する。上下風向板25Aは、第1の風向板の一例であり、上下風向板25Bは、第2の風向板の一例である。第1の流路C1及び第2の流路C2は、分流路の一例である。
【0056】
軸部41は、X方向に延びる略円柱状に形成される。軸部41は、X方向に延びる回転軸Axlまわりに回転可能に筐体21に支持される。なお、上下風向板25A,25Bはそれぞれ、個別の回転軸Axlを有する。板部42は、軸部41から回転軸Axlと略直交する方向に突出する。板部42は、X方向に延びる略矩形の板状に形成される。
【0057】
上下風向板25Aは、回転軸Axlによって支持され、第2制御回路82によって上下風向板モータ85が制御され、
図2に示される閉位置Pc1と、
図3に示される開位置Po1との間で移動可能である。上下風向板25Bは、回転軸Axlによって支持され、第2制御回路82によって上下風向板モータ85が制御され、
図2に示される閉位置Pc1と、
図3に示される開位置Po1との間で移動可能である。
【0058】
図2に示すように、上下風向板25Aは、閉位置Pc1に切り替えられた状態で、第1の流路C1の出口となる吹出口33を閉塞する。上下風向板25Bは、閉位置Pc1に切り替えられた状態で、第2の流路C2の出口となる吹出口33を閉塞する。第1の流路C1及び第2の流路C2は、室内機10の吹出口33を形成する。
【0059】
図3及び
図4に示すように、上下風向板25Aは、開位置Po1に切り替えられた状態で、第1の流路C1を開口する。上下風向板25Bは、開位置Po1に切り替えられた状態で、第2の流路C2を開口する。
【0060】
開位置Po1は、上下風向板25A,25Bが吹出口33の一部を開放する種々の位置を含む。例えば、開位置Po1は、
図3のように上下風向板25A,25Bが略水平方向に向く位置と、上下風向板25A,25Bが下方に向く位置と、これら二つの位置の間の複数の位置とを含む。すなわち、上下風向板25A,25Bは、略水平方向に向く位置と、下方に向く位置との間で回動可能である。
【0061】
開位置Po1に位置する上下風向板25A,25Bは、当該上下風向板25A,25Bの向きにより、吹出口33から放出された風の上下方向(+Z方向、-Z方向)における向きを設定する。すなわち、
図3のように上下風向板25A,25Bが略水平方向に向くことで、室内機10は略水平方向に風を放出する。一方、上下風向板25A,25Bが下方に向くことで、室内機10は下方向に風を放出する。上下風向板25A,25Bは、回転軸Ax1まわりに揺動することで風向を変更可能である。
【0062】
また、本実施形態では、
図4~6に示すように、上下風向板25Aは、複数(一例として、二つ)の上下風向板25A1,25A2を含む。二つの上下風向板25A1,25A2は左右方向、すなわちX方向に並ぶ。二つの上下風向板25Aは、互いに独立して回転軸Axlまわりに回転可能(移動可能)である。二つの上下風向板25Aは、別々の左右風向板モータ86によって駆動される。詳細には、本実施形態では、二つの上下風向板25A1,25A2と一つの上下風向板25Bに対してそれぞれ別々の左右風向板モータ86が設けられている。すなわち、左右風向板モータ86は、複数(一例として三つ)設けられている。
【0063】
図4に示されるように、左右風向板29は、X方向に延設される回転軸Ax2(図示せず)によって支持され、第2制御回路82によって左右風向板モータ86が制御され、-X側端に向かう回動位置と+X側端に向かう回動位置との間で移動可能である。
【0064】
左右風向板29は、複数の左右風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kを含んでもよい。複数の左右風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kは、それぞれ、空調空気の風向を左右方向(-X方向、+X方向)に設定(調整)する部材であり、左右ルーバーとも呼ばれる。本実施形態では、-X側の左右風向板29-1~29-kと+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kとは、別々の左右風向板モータによって独立して駆動される。すなわち、-X側の左右風向板29-1~29-kと+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kとは、その向きが室内機制御部80により独立に制御可能である。-X側の左右風向板29-1~29-kは、上下風向板25A1とともに吹出口33の-X側(左側)の領域から吹き出された直後の風の向き(風向)を設定(調整)し、+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kは、上下風向板25A2とともに吹出口33の+X側(右側)の領域から吹き出された直後の風の向き(風向)を設定(調整)する。
【0065】
-X側の左右風向板29-1~29-kは、共通の回転軸Ax2(不図示)に連結され、第2制御回路82によって86が制御され、-X側端の開位置と+X側端の開位置との間で一括して移動可能であってもよい。+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kは、共通の回転軸Ax2(不図示)に連結され、第2制御回路82によって左右風向板モータ86が制御され、-X側端の開位置と+X側端の開位置との間で一括して移動可能であってもよい。
【0066】
また、本実施形態では、
図4に示すように、複数の風向設定機構202が設けられている。複数の風向設定機構202は、風向設定機構202Aと風向設定機構202Bを含む。風向設定機構202Aは、-X側の上下風向板25A1と、-X側の左右風向板29-1~29-kと、それらを駆動する上下風向板モータ85及び左右風向板モータ86と、を有する。風向設定機構202Bは、+X側の上下風向板25A2と、+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kと、それらを駆動する上下風向板モータ85及び左右風向板モータ86と、を有する。このような構成の複数の風向設定機構202は、室内に吹き出される空調された空気の風向をそれぞれが設定可能である。
【0067】
図2に示す通風部材26は、閉位置Pc2と開位置Po2とで切り替え可能である。具体的には、通風部材26は、閉位置Pc2と開位置Po2との間で、回転軸Axc回りに揺動可能である。閉位置Pc2は、通風部材26が、開位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出口33(第1の流路C1)の少なくとも一部を覆う(遮る)位置である。閉位置Pc2は、通風部材26が、開位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出口33(第1の流路C1)のYZ面における開口全体を覆う位置である。開位置Po2は、通風部材26が、開位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出口33(第1の流路C1)の上記一部を覆わない位置である。すなわち、開位置Po2は、通風部材26が、吹出口33(第1の流路C1)を開放する位置である。通風部材26は、閉位置Pc2において通風路31に向く内面と、閉位置Pc2において外部に向く外面と、を有し、内面及び外面に開口する少なくとも一つ(一例として複数)の通風口56が設けられている。通風部材26は、閉位置Pc2において、ファン23により送られてくる風が通風口56を通って外部に放出される第1の吹出流路(第1の流路C1)と、通風口56を通らずに第1の吹出流路(第1の流路C1)に隣接して外部に放出される第2の吹出流路(第2の流路C2)を形成できる。つまり、通風部材26は、閉位置Pc2に切り替えられた状態で、室内に吹き出される空調空気の流路の一部に挿入され、流路の一部の開口率を変更する。
【0068】
通風部材26は、開位置Po2に切り替えられた状態で、流路の一部への挿入が解除され(例えば、流路の一部から退避され)、流路の一部の開口率がもとに戻される。
【0069】
また、本実施形態では、
図5,7に示すように、通風部材26は、複数(一例として、二つ)の通風部材26A,26Bを含む。二つの通風部材26A,26Bは左右方向すなわち吹出口33の幅方向(X方向)に並べられている。換言すると、二つの通風部材26A,26Bは吹出口33の幅方向(X方向)に並列に設けられている。二つの通風部材26A,26Bは、互いに独立して回転軸Axcまわりに回転可能(移動可能)である。二つの通風部材26A,26Bは、別々の切替モータ87によって駆動される。詳細には、本実施形態では、二つの二つの通風部材26A,26Bに対してそれぞれ別々の切替モータ87が設けられている。すなわち、切替モータ87は、複数(一例として三つ)設けられている。
【0070】
通風部材26A,26Bは、上下風向板25A1,25A2ごとに設けられている。換言すると、上下風向板25A1,25A2は、通風部材26A,26Bごとに設けられている。すなわち、上下風向板25A1,25A2は、複数の通風部材26A,26Bに対応して吹出口33の幅方向(X方向)に並べられている。なお、本実施形態では、上下風向板25A1,25A2、左右風向板29、及び通風部材26A,26Bは、吹出口33の幅方向の左右二つに分かれているが、これに限定されない。上下風向板25A1,25A2、左右風向板29、及び通風部材26A,26Bは、吹出口33の幅方向に三つ以上に分かれていてもよい。
【0071】
空気調和装置1において、室内機制御部80は、補助運転モードとしての無風感モードになると、通風部材26を閉位置Pc2に切り替える。通風部材26は、閉位置Pc2に切り替えられた状態で、第1の流路C1に選択的に挿入され第1の流路C1の開口率を変更する。一方、通風部材26が存在しない上下風向板25Bで開閉される第2の流路C2の開口率は元のまま維持される。室内機制御部80は、補助運転モードとしての無風感モードが解除されると、通風部材26を開位置Po2に切り替える。通風部材26は、開位置Po2に切り替えられた状態で、第1の流路C1から退避され、第1の流路C1の開口率がもとに戻される。
【0072】
例えば、通風部材26は、
図3に示される開位置Po2から
図8に示される閉位置Pc2との間で開閉可能である。
図9は、通風部材26の構成を示す斜視図である。
【0073】
図3に示すように、通風部材26は、開位置Po2に切り替えられた状態で、吹出口33の近傍に設けられた筐体21の窪み21cに収容される。窪み21cは、通風路31の一部を形成する筐体21の内面21dから窪んでいる。開位置Po2に位置する通風部材26は、窪み21cに収容されることで、第1の流路C1を流れる風を妨げることを抑制される。
【0074】
図8に示すように、通風部材26は、閉位置Pc2に切り替えられた状態で、第1の流路C1に挿入され、当該第1の流路C1の開口率を変更する。言い換えると、切替モータ87は、ファン23が送風した風の第1の流路C1の一部を覆う(遮る)位置である閉位置Pc2に通風部材26を配置させる。これにより、第1の流路C1の開口率は、通風部材26が挿入される前に比べて小さくなる。通風部材26は、
図9に示すように、板状の板部52に複数の通風口56が配列された部材である。通風部材26は、軸部51によって支持され、第3制御回路83によって切替モータ87が制御され、閉位置Pc2と開位置Po2との間で移動可能である。軸部51は、X方向に延びる回転軸Axcまわりに回転可能に筐体21に支持される。すなわち、通風部材26は、回転軸Axcまわりに回転可能である。そして、閉位置Pc2に移動した場合に、
図10に示すように、ファン23によって通風路31内を移動する風は通風口56を通り、風W2aに変化する。
【0075】
一方、第2の流路C2を形成する吹出口33には、通風部材26が設けられない。第2の流路C2の開口率は、元のまま維持されている。つまり、第2の流路C2から放出される風は、通風部材26を通過しない風W1a(層流)となる。その結果、第1の流路C1に設けられた通風部材26を通過する風W2aと通風部材26が設けられない第2の流路C2を通過した風W1aが隣接して形成されることになる。
【0076】
この場合、第1の流路C1の開口率が小さくなったことに応じて、風W2aの流速が早くなる。このため、風W2aは、風W1aを引き込む。これにより、風W1aが風W2aに当たる。また、乱流に遷移した風W2aは拡散することで、当該風W2aに隣接して流れる風W1aに当たる。このように、流速や状態(層流または乱流)が異なる風W1a及び風W2aは、隣り合って流れることで、互いに当たる。すなわち、通風部材26(通風口56)を通過しない風W1aと、通風部材26(通風口56)を通過した風W2aとが互いに干渉する。
【0077】
風W1aと風W2aとが互いに当たることで、例えば、風W1a及び風W2aの塊が砕かれ、乱流である風W2aが風W1aに運ばれる。風W1a及び風W2aは、このような種々の相互作用を生じて、広範囲に拡散する乱流Ws(混合風)を発生させる。その結果、室内機10から放出される乱流Wsは、吹出口33から放出された直後の風よりも自然の風(いわゆる、無風感の風)に近い状態になる。この場合、通風部材26は、第1の流路C1と第2の流路C2のいずれか一方に形成すればよいので、部品点数の増加、室内機10の構成の複雑化、コスト上昇の抑制に寄与することができる。また、通風部材26は、通風口56のみを備えるシンプルな構造になり、コストの上昇や通風部材26の強度低下等の抑制に寄与することができる。
【0078】
図1に戻り、レーダー2は、室内における検知対象(例えば生体CR)の位置及び移動速度、角度、形状(床面からの高さ等)を検知可能である。レーダー2は、超音波レーダー、ミリ波レーダー、マイクロ波レーダー、ライダーなどのドップラーレーダである。レーダー2は、送信部2a、受信部2b、信号処理部2cを有する。レーダー2は、ミリ波・マイクロ波などの電波、音波、光を信号処理部2cで生成して送信部2aから室内に送信し、室内に存在し得る検知対象(生体CR)等によって反射した反射波を受信部2bで受信して信号処理部2cへ渡す。レーダー2は、室内機10の筐体21の前面のいずれかの位置に設けられるが、室内における検知対象(生体CR)の位置等を検知しやすい位置に設けられることが望ましい。レーダー2は、
図2~
図4に点線で示すように、筐体21の+Y側の部分におけるX方向中央近傍の位置に埋め込まれていてもよい。なお、送信部2a及び受信部2bは、
図4に示されるように、筐体21の表面から露出することが望ましい。レーダー2による検知処理の詳細は、後述する。
【0079】
図11は、以上のように構成される室内機10(空気調和装置1)の室内機制御部80の詳細を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0080】
室内機制御部80を構成するCPUは、ROM等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶された制御プログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって各種制御や演算処理を実行するモジュールを実現する。室内機制御部80は、運転モード制御部80a、駆動回路制御部80b、レーダー制御部80c、空気清浄制御部80f、風制御部80g、温度監視部80h等のモジュールを備える。なお、これらの各モジュールは、ハードウエアで構成されてもよい。また、各モジュールは、機能ごとに統合や分割されてもよい。
【0081】
運転モード制御部80aは、室内機10の運転モードとして上述した、「レーダー制御モード」と「通常制御モード」との切り替えや、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モード等の切り替えを行う。これらの切り替え動作は、ユーザが操作する操作端末94aからの指令信号に基づいて実行されたり、レーダー2の検知結果に基づいて自動的に行われたりする。
【0082】
駆動回路制御部80bは、運転モード制御部80aで切り替えた運転モード及び室内に存在する検知対象に含まれる生体CRの位置等に基づき、第1制御回路81、第2制御回路82、第3制御回路83の制御を行い、ファン23、上下風向板25、左右風向板29、通風部材26の動作制御を行う。
【0083】
レーダー制御部80cは、レーダー2(送信部2a、受信部2b)の送受信を制御するとともに、信号処理部2cを制御して、送信波及び受信波の解析結果(検知結果)を取得する。なお、レーダー2は、室内機10が操作端末94aの操作によって起動した後に検知処理を有効としてもよいし、室内機10の起動に拘わらず、常時スタンバイモードで待機して、例えば初期設定された室内で物体(検知対象)の移動(動き)を検知した場合、検知対象の有無、検知対象の数、検知対象の形状情報等を取得する通常起動するようにしてもよい。
【0084】
空気清浄制御部80fは、室内における生体CRの検知状況に応じて室内の空気清浄処理の実行の有無や空気清浄の効率等を制御する。空気清浄制御部80fは、空気清浄ユニット4を制御し、例えば電気集塵方式の空気制御処理を実行する。前述したように、空気清浄ユニット4は、吸込口32から吸い込んだ空気に含まれる埃等の汚れ物質を帯電させるため、高圧放電部等を備える。この場合、空気清浄制御部80fは、第1制御回路81を介してフォンモータ84を制御しファン23の能力を強弱調整することで、吸込口32から吸い込む空気の量を調整して空気清浄効率の調整を行うことができる。
【0085】
風制御部80gは、レーダー2によって検知可能な室内内における検知対象(生体CR)の存在状況に応じて、吹出口33から吹き出す風(例えば冷房風や暖房風等)の方向や吹き出す風の質を制御する。風制御部80gは、第2制御回路82を介して上下風向板モータ85を制御して上下風向板25の左右方向の位置制御を行う。また、風制御部80gは、左右風向板モータ86を介して左右風向板モータ86を制御して左右風向板29の左右方向の位置制御を行う。風制御部80gは、上下風向板25と左右風向板29の方向制御を組み合わせて行うことにより、吹出口33から吹き出される風の方向(到達位置)を適宜変更することができる。すなわち、風制御部80gは、複数の風向設定機構202を制御して、吹出口33から吹き出される空気の風向を設定することができる。
【0086】
例えば、風制御部80gは、レーダー2(生体センサ)の検知結果に基づいて、風向が生体CRに向かう方向または生体CRを避ける方向となるように、複数の風向設定機構202の他の一部(風向設定機構202A,202Bの他方)を制御する。例えば、風制御部80gは、生体CRに常に風が当たるように風向設定機構202を制御して、例えば、冷房制御時には、清涼感を向上させることができる。逆に、風制御部80gは、生体CRに風が当たらないように、生体CRが存在しない位置(不在領域)を見付けて風向設定機構202を制御して、直接風が当たる違和感を軽減させることができる。なお、風制御部80gは、周期的に風の方向を変化させ、風が当たる状態と風が当たらない状態を交互に形成するようにしてもよい。
【0087】
また、例えば、室内に複数の生体CR(一例として二人の人間)が存在する場合、風制御部80gは、二つの風向設定機構202の一方(例えば風向設定機構202A)によって一方の人間に向ける風を通常の強さ(勢い)にし、二つの風向設定機構202の他方(例えば風向設定機構202B)によって他方の人間に向ける風を弱くする(緩やかにする)ことが可能である。具体的には、風制御部80gは、二つの風向設定機構202の一方(例えば風向設定機構202A)に設けられた通風部材26(例えば通風部材26A)を開位置Po2に移動させ、二つの風向設定機構202の他方(例えば風向設定機構202B)に設けられた通風部材26(例えば通風部材26B)を閉位置Pc2に移動させる。これにより、風向設定機構202の一方(例えば風向設定機構202A)から吹き出される風よりも、風向設定機構202の他方(例えば風向設定機構202B)から吹き出される風の方が緩やかになる。すなわち、空気調和装置1は、異なる態様の風を室内に送ることができる。
【0088】
また、室内に複数の生体CR(一例として二人の人間)が存在する場合、風制御部80gは、二つの風向設定機構202の一方(例えば風向設定機構202A)によって一方の人間を追跡して当該一方の人間に向けて風を送り、二つの風向設定機構202の他方(例えば風向設定機構202B)によって他方の人間を追跡して当該他方の人間に風を送ることができる。すなわち、別々の位置にいる複数(一例として二人)の人間にそれぞれ風を送ることができる。
【0089】
また、風制御部80gは、上下風向板25を閉位置Pc1に移動させ、複数の通風部材26A,26Bの全てを閉位置Pc2に移動させることができる。また、風制御部80gは、上下風向板25を閉位置Pc1に移動させ、複数の通風部材26A,26Bの一部(例えば、通風部材26A)を閉位置Pc2に移動させ、複数の通風部材26A,26Bの一部(例えば、通風部材26B)を開位置Po1に移動させることができる。
【0090】
また、風制御部80gは、上下風向板25A1,25A2を回転軸Ax1回りに揺動(スイング)させる場合には、通風部材26A,26Bを上下風向板25A1,25A2と干渉しない開位置Po2、すなわち筐体21の窪み21cに移動させる。このとき、風制御部80gは、複数の上下風向板25A1,25A2の位相が互いに同じになるように、複数の上下風向板25A1,25A2を揺動させる。換言すると、風制御部80gは、複数の上下風向板25A1,25A2の角度(揺動角度)が互いに同じになるように、複数の上下風向板25A1,25A2を揺動させる。これにより、複数の上下風向板25A1,25A2は、閉位置Pc1と、開位置Po1との間で、周期的に往復運動する。また、風制御部80gは、上下風向板25A1,25A2が揺動する場合には、上下風向板25Bを揺動させない。このとき、上下風向板25Bは、所定の位置に位置が固定される。所定の位置は、例えば上下風向板25Bは、厚さ方向がY方向に沿う位置であるが、これに限定されない。
【0091】
温度監視部80hは室温センサ3から提供される温度(室温)に基づき、運転モード制御部80aを制御し、操作端末94aの操作に拘わらず、少なくとも冷房制御(熱交換態様の制御)を実行することができる。例えば、レーダー2によって室内内に生体CRが検知され、かつ温度監視部80hによって室内温度が所定の温度から外れた場合、例えば、32℃以上になった場合、操作端末94aの操作に拘わらず、室内機10による冷房制御を開始する。例えば、生体CRが子供や幼児、ペッド等で、適切な室温の判断や操作端末94aの操作ができない場合、また、大人の生体CRでも病気等により適切な室温の判断や操作端末94aの操作ができない場合でも、室内(室内)の温度を適切に維持することができる。特に、冷房制御を自動で行うことで、熱中症等の防止(生体CRへの負担の抑制)に有効となる。なお、温度監視部80hは、生体CRが検知され、室温が所定温度以上になった場合、風制御部80gと連携し、冷房制御開始から所定時間は、検知した生体CRに向けて風を吹き出し、効率的に体温を下げ、所定期間経過後に、生体CRが存在しない方向に風の吹き出し方向を変更したり、無風感制御に切り替えたりするようにしてもよい。この場合、効果的に生体CRへの温度負担を軽減することができるとともに、生体CRへの負担が軽減されたと見なされた後は、生体CRに対して、より心地よい室内の環境が提供し易くなる。
【0092】
なお、温度監視部80hは、室温が所定温度以下になった場合には、自動で暖房制御(熱交換態様の制御)を実行するようにしてもよい。この場合も冷房制御と同様に、快適な室温に自動維持が可能である。
【0093】
以上のように、本実施形態の空気調和装置1は、筐体21と、複数の通風部材26A,26Bと、を備える。筐体21には、空調された空気を室内に吹き出す吹出口33が設けられている。複数の通風部材26A,26Bは、吹出口33の幅方向(X方向)に並べられ、それぞれが、吹出口33を開放する開位置Po2と、吹出口33の一部を塞ぐ閉位置Pc2と、の間で移動可能である。複数の通風部材26A,26Bは、それぞれに複数の通風口56が開口されている。
【0094】
このような構成によれば、複数の通風部材26A,26Bの位置を個別に設定することにより、異なる態様の風を同時に室内に送ることができる。したがって、空気調和装置1から吹き出される風の希望の態様が異なる複数(一例として二人)の人間がいる場合、それら両方の人間の希望に合う態様の風をそれぞれの人間に送ることができる。
【0095】
また、吹出口33は、当該吹出口33の幅方向に直交する面内方向において、区画された複数の流路(第1の流路C1及び第2の流路C2)を有する。複数の第1の流路C1及び第2の流路C2のうち一つ以上に、複数の通風部材26A,26Bが設けられている。通風部材26A,26Bは、閉位置Pc2において、複数の第1の流路C1及び第2の流路C2のうち当該通風部材26A,26Bが設けられた第1の流路C1の一部だけを塞ぐ。
【0096】
このような構成によれば、通風部材26A,26Bによって一部が塞がれた第1の流路C1からの風と、通風部材26A,26Bによって塞がれていない第2の流路C2からの風とをぶつけることにより、柔らかい風を作ることができる。
【0097】
また、空気調和装置1は、複数の上下風向板25A1,25A2(第1の風向板)を備える。複数の上下風向板25A1,25A2は、室内に吹き出される空気の風向を変更可能であるとともに吹出口33を第1の流路C1及び第2の流路C2に区画し、複数の通風部材26A,26Bに対応して吹出口33の幅方向(X方向)に並べられている。
【0098】
このような構成によれば、上下風向板25A1,25A2によって室内に吹き出される空気の風向を変更することができる。
【0099】
また、上下風向板25A1,25A2は、揺動することにより風向を変更可能である。通風部材26A,26Bは、当該通風部材26A,26Bと対応する上下風向板25A1,25A2が揺動する場合には、上下風向板25A1,25A2と干渉しない位置に移動する。
【0100】
このような構成によれば、上下風向板25A1,25A2が揺動する場合に、上下風向板25A1,25A2と通風部材26A,26Bとの干渉を避けることができる。よって、上下風向板25A1,25A2の揺動の角度を大きくしやすい。
【0101】
また、複数の上下風向板25A1,25A2は、互いに位相が同じになるように揺動する。
【0102】
このような構成によれば、室内の空気を攪拌させることができる。
【0103】
また、空気調和装置1は、上下風向板25B(第2の風向板)を備える。上下風向板25Bは、複数の上下風向板25A1,25A2と並べられ、第2の流路C2を形成する。上下風向板25Bは、揺動することにより、室内に吹き出される前記空気の風向を変更可能である。上下風向板25Bは、上下風向板25A1,25A2が揺動する場合には、揺動しない。
【0104】
このような構成によれば、室内の空気を攪拌しつつ、上下風向板25Bによって風向を制御することができる。
【0105】
次に、実施形態の変形例を説明する。
【0106】
第1の変形例では、風制御部80gは、複数の上下風向板25A1,25A2の位相が互いに異なるように、複数の上下風向板25A1,25A2を揺動させる。すなわち、複数の上下風向板25A1,25A2が、互いに位相が異なるように揺動する。換言すると、複数の上下風向板25A1,25A2の揺動角度が互いに異なる。このとき、特に、左右二つの上下風向板25A1,25A2で位相が逆転していることが望ましい。換言すると、左右二つの上下風向板25A1,25A2のうち一方が上方に向けて揺動する際、他方は下方に向けて揺動することが望ましい。
【0107】
このような構成によれば、室内の空気をより一層攪拌させることができる。
【0108】
第2の変形例では、風制御部80gは、上下風向板25Bの揺動の移動と、上下風向板25A1,25A2の揺動と位相とが同じになるように、上下風向板25B及び上下風向板25A1,25A2を揺動させる。すなわち、上下風向板25Bが、上下風向板25A1,25A2の揺動と位相が同じになるように揺動する。
【0109】
このような構成によれば、室内の空気をより一層攪拌させることができる。また、上下風向板25Bの揺動の位相と上下風向板25A1,25A2の揺動の位相とを合わせることで、両者がぶるかることを抑制することができる。
【0110】
なお、上記実施形態では、吹出口33が二つの流路(第1の流路C1、第2の流路C2)に区画された例が示されたが、これに限定されない。例えば、吹出口33は、三つ以上の流路に区画されていてもよく、それらのうち一つ以上の流路に通風部材26が設けられている構成であってもよい。
【0111】
また、上述した実施形態では、例えば住宅用の空気調和装置1を想定して説明したが、各種の空気調和装置1についても同様に本実施形態の構成が適用可能である。例えば、業務用(店舗用等)の空気調和装置についても本実施形態の構成が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0112】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1…空気調和装置、21…筐体、25A,25A1,25A2…上下風向板(第1の風向板)、25B…上下風向板(第2の風向板)、26、26A,26B…通風部材、33…吹出口、56…通風口、C1…第1の流路(分流路)、C2…第2の流路(分流路)、Pc2…閉位置、Po2…開位置。
【要約】
【課題】異なる態様の風を同時に室内に送ることができる新規な構成の空気調和装置を得る。
【解決手段】空気調和装置は、筐体と、複数の通風部材と、を備える。筐体には、空調された空気を室内に吹き出す吹出口が設けられている。複数の通風部材は、吹出口に流入する空気の流れ方向に対して交差する第1の方向に並べられ、それぞれが、吹出口を開放する開位置と、吹出口の一部を塞ぐ閉位置と、の間で移動可能である。複数の通風部材は、それぞれに複数の通風口が開口されている。
【選択図】
図5