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特許7362892風力タービンの接合ロータブレードを整備するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】風力タービンの接合ロータブレードを整備するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 80/50 20160101AFI20231010BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
F03D80/50
F03D1/06 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022505551
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 US2019044366
(87)【国際公開番号】W WO2021021160
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ヤーブロー,アーロン・アルフェウス
(72)【発明者】
【氏名】ヒュース,スコット・ジェイコブ
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0254813(US,A1)
【文献】独国実用新案第202004016460(DE,U1)
【文献】国際公開第2018/050195(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0093627(US,A1)
【文献】特開2010-059884(JP,A)
【文献】特開2012-087753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/06
F03D 7/02
F03D 13/00
F03D 80/00
F03D 80/50
F03B 3/14
B66D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(100)の接合ロータブレード(112)を整備する方法であって、
前記接合ロータブレード(112)を6時の位置に位置決めすることと、
前記接合ロータブレード(112)の先端部(118)にブレード先端支持要素(202)を固定することと、
前記ブレード先端支持要素(202)の上方の取り付け位置(206)に少なくとも1つのリフト支持要素(204)を固定することと、
前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)と前記ブレード先端支持要素(202)との間に持ち上げライン(208)を結合することと、
前記先端部(118)が前記ブレード先端支持要素(202)および前記持ち上げライン(208)を介して前記風力タービン(100)の支持面(104)の上方に懸架されるように、前記接合ロータブレード(112)の根元部(120)から前記接合ロータブレード(112)の前記先端部(118)を分離することと、
前記接合ロータブレード(112)の前記先端部(118)を整備することと
を含み、
前記ブレード先端支持要素(202)の上方の前記取り付け位置(206)に前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)を固定することが、
前記接合ロータブレード(112)の前記根元部(120)内に補強隔壁(228)を位置決めすることをさらに含み、前記リフト支持要素(204)が、前記補強隔壁(228)と一体的に形成された、または前記補強隔壁(228)に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイント(220)をさらに備える、風力タービン(100)の接合ロータブレード(112)を整備する方法。
【請求項2】
前記ブレード先端支持要素(202)がット、メッシュ、またはリングうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記先端部(118)に前記ブレード先端支持要素(202)を結合することが、前記先端部(118)の翼長の5%以上および前記先端部(118)の前記翼長の90%以下を包囲することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ブレード先端支持要素(202)が、一体的な持ち上げポイント(220)および関連する持ち上げストラップ(222)を有する前記先端部(118)の補強領域(218)を備え、前記補強領域(218)が前記接合ロータブレード(112)の隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ブレード先端支持要素(202)の上方の前記取り付け位置(206)に前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)を固定することが、前記風力タービン(100)のハブ(110)、前記風力タービン(100)のナセル(106)、前記風力タービン(100)の追加的なロータブレード、または前記接合ロータブレード(112)の前記根元部(120)のうちの少なくとも1つに前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)を結合することをさらに含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記先端部(118)および前記根元部(120)はそれぞれ、ジョイントセグメントから反対方向に延び、
前記ブレード先端支持要素(202)の上方の前記取り付け位置(206)に前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)を固定することが、
前記ジョイントセグメントと前記ハブ(110)との間の翼長方向位置で前記接合ロータブレード(112)に取り付けリング(226)を結合することをさらに含み、前記取り付けリング(226)が、前記翼長方向位置での前記接合ロータブレード(112)の断面プロファイルに対応する断面プロファイルを有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記接合ロータブレード(112)の前記根元部(120)から前記接合ロータブレード(112)の前記先端部(118)を分離することが、
前記接合ロータブレード(112)の前記先端部(118)と前記根元部(120)との間のジョイントにアクセスすることと、
前記接合ロータブレード(112)の前記根元部(120)に前記先端部(118)を結合する内部支持構造体(128)から少なくとも1つの固定部材(160)を取り外すことと
をさらに含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記接合ロータブレード(112)の前記先端部(118)を整備することが、新しい先端部を設置すること、前記先端部(118)を検査すること、または前記先端部(118)を修理することのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記接合ロータブレード(112)の前記先端部を前記支持面(104)まで降下させることをさらに含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記持ち上げライン(208)を動力源(238)に結合することと、
前記動力源(238)を介して前記持ち上げライン(208)に力を加えることと
をさらに含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
風力タービン(100)の接合ロータブレード(112)を整備するシステム(200)であって、
前記接合ロータブレード(112)の先端部(118)に固定するためのブレード先端支持要素(202)と、
前記ブレード先端支持要素(202)の上方の取り付け位置(206)に固定するための少なくとも1つのリフト支持要素(204)と、
前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)と前記ブレード先端支持要素(202)との間に結合するための持ち上げライン(208)と
を備え、
前記先端部(118)が前記ブレード先端支持要素(202)および前記持ち上げライン(208)を介して前記風力タービン(100)の支持面(104)の上方に懸架され、
前記ブレード先端支持要素(202)が、前記ブレード先端支持要素(202)と一体的に形成され、または前記ブレード先端支持要素(202)に結合された少なくとも1つの持ち上げポイント(220)と、関連する持ち上げストラップ(222)とを有する前記先端部(118)の補強領域(218)を備え、前記補強領域(218)が前記接合ロータブレード(112)の隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応する、システム。
【請求項12】
接合風力タービンブレードの設置された根元部(120)に接合ロータブレード(112)の先端部(118)を設置する方法であって、
前記根元部(120)を6時の位置に位置決めすることであって、前記根元部(120)が、前記根元部(120)内に配置された補強隔壁(228)である少なくとも1つのリフト支持要素(204)を有し、前記補強隔壁(228)と一体的に形成された、または前記補強隔壁(228)に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイント(220)を有する、位置決めすることと、
前記先端部(118)にブレード先端支持要素(202)を固定することと、
前記少なくとも1つのリフト支持要素(204)と前記ブレード先端支持要素(202)との間に持ち上げライン(208)を結合することと、
前記持ち上げライン(208)を用いて前記根元部(120)へ向かって前記接合ロータブレード(112)の前記先端部(118)を持ち上げることと、
前記先端部(118)を前記根元部(120)に結合することと
を含む、接合風力タービンブレードの設置された根元部(120)に接合ロータブレード(112)の先端部(118)を設置する方法。
【請求項13】
前記先端部(118)に前記ブレード先端支持要素(202)を固定することが、
スリング、ネット、メッシュ、リング、またはソックのうちの少なくとも1つの内部に前記先端部(118)の少なくとも一部を位置決めすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記先端部(118)に前記ブレード先端支持要素(202)を固定することが、前記先端部(118)の翼長の50%以上および前記先端部(118)の前記翼長の90%以下を包囲することをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記ブレード先端支持要素(202)が、持ち上げポイント(220)および関連する持ち上げストラップ(222)を有する前記先端部(118)の補強領域(218)を備え、前記補強領域(218)が前記接合ロータブレード(112)の隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応する、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に風力タービンに関し、より詳細には、風力タービンのセグメント化されたロータブレードを整備するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電は、現在利用可能な最もクリーンで最も環境に優しいエネルギー源のうちの1つと考えられ、風力タービンはこの点で注目を集めている。最新の風力タービンは、典型的には、タワー、発電機、ギアボックス、ナセル、および1つまたは複数のロータブレードを含む。ナセルは、ギアボックスおよび発電機に結合されたロータアセンブリを含む。ロータアセンブリおよびギアボックスは、ナセル内に配置されたベッドプレート支持フレームに取り付けられる。1つまたは複数のロータブレードは、既知の翼形原理を使用して風の運動エネルギーを捕捉する。ロータブレードは、ロータブレードをギアボックスに、またはギアボックスが使用されていない場合には直接発電機に、結合するシャフトを回転させるように、回転エネルギーの形態で運動エネルギーを伝達する。次いで、発電機は、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーは、タワー内に収容された変換器および/または変圧器に伝達され、その後、電力網に展開され得る。
【0003】
近年において、風力発電用の風力タービンは、発電効率の改善を達成するとともに、発電量を増加させるために、大型化している。風力発電量の増加に伴い、風力タービンのロータブレードも大型化している。より大きなロータブレードでは、いくつか例を挙げると、製造、輸送、および取り扱いの困難など、追加的な困難も生じる。その結果、より大きなロータブレードがセグメントとして製造されることが多い。
【0004】
しかしながら、セグメント化されたロータブレードの1つの結果は、様々なジョイントが定期的な整備を必要とする可能性が高いことである。例えば、ロータブレードの先端部を設置、検査、整備、および/または交換するために、先端部は、一般に、風力タービンのタワーの上に設置されたロータから取り外されなければならない。これは、典型的には大型の地上クレーンを使用することによって達成されるが、それは複雑で高価で時間がかかる可能性がある。
【0005】
したがって、当技術分野は、前述の問題に対処する新しい改良されたシステムおよび方法を絶えず求めている。よって、本開示は、風力タービンのセグメント化されたロータブレードを整備するシステムおよび方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2015/232307(A1)号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されており、またはその説明から明らかであり、または本発明の実践により学ぶことができる。
【0008】
一態様において、本開示は、風力タービンの接合ロータブレードを整備する方法に関する。本方法は、接合ロータブレードを6時の位置に位置決めすることを含むことができる。本方法はまた、接合ロータブレードの先端部にブレード先端支持要素を固定することを含むことができる。さらに、本方法は、ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置に少なくとも1つのリフト支持要素を固定することを含むことができる。本方法は、リフト支持要素とブレード先端支持要素との間に持ち上げラインを結合することを含むことができる。さらに、本方法は、先端部がブレード先端支持要素および持ち上げラインを介して風力タービンの支持面の上方に懸架されるように、ロータブレードの根元部から接合ロータブレードの先端部を分離することを含むことができる。本方法はまた、接合ロータブレードの先端部を整備することを含むことができる。
【0009】
実施形態では、ブレード先端支持要素がスリング、ネット、メッシュ、リング、またはソックのうちの少なくとも1つを含むことができる。追加的な実施形態では、先端部にブレード先端支持要素を結合することはまた、先端部の翼長の5%以上および先端部の翼長の90%以下を包囲することを含むことができる。
【0010】
実施形態では、ブレード先端支持要素が、一体的な持ち上げポイントおよび関連する持ち上げストラップを有する先端部の補強領域を含むことができる。そのような実施形態では、補強領域は、ロータブレードの隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応することができる。
【0011】
実施形態では、ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置にリフト支持要素を固定することはまた、風力タービンのハブ、風力タービンのロータブレード、またはロータブレードの根元部のうちの少なくとも1つにリフト支持要素を結合することを含むことができる。さらに、実施形態では、ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置にリフト支持要素を固定することはまた、ジョイントセグメントとハブとの間の翼長方向位置で接合ロータブレードに取り付けリングを結合することを含むことができる。そのような実施形態では、取り付けリングが、翼長方向位置での接合ロータブレードの断面プロファイルに対応する断面プロファイルを有することができる。さらに、実施形態では、ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置にリフト支持要素を固定することはまた、ロータブレードの根元部内に補強隔壁を位置決めすることを含むことができる。リフト支持要素は、補強隔壁と一体的に形成された、または補強隔壁に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイントを含むことができる。
【0012】
実施形態では、ロータブレードの根元部から接合ロータブレードの先端部を分離することはまた、ロータブレードの先端部と根元部との間のジョイントにアクセスすることと、接合ロータブレードの根元部に先端部を結合する内部支持構造体から少なくとも1つの固定部材を取り外すこととを含むことができる。
【0013】
追加的な実施形態では、接合ロータブレードの先端部を整備することはまた、新しい先端部を設置すること、先端部を検査すること、および/または先端部を修理することを含むことができる。
【0014】
実施形態では、本方法は、接合ロータブレードの先端部を支持面まで降下させることを含むことができる。
【0015】
さらなる実施形態では、本方法は、持ち上げラインを動力源に結合することと、動力源を介して持ち上げラインに力を印加することとを含むことができる。
【0016】
別の態様では、本開示は、接合ロータブレードの設置された根元部に接合ロータブレードの先端部を設置する方法に関する。本方法は、接合ロータブレードの根元部を6時の位置に位置決めすることを含むことができる。根元部は、少なくとも1つのリフト支持要素と、根元部内に配置された補強隔壁と、補強隔壁と一体的に形成された、または補強隔壁に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイントとを有することができる。したがって、本方法はまた、ロータブレードの先端部にブレード先端支持要素を固定することを含むことができる。本方法は、リフト支持要素とブレード先端支持要素との間に持ち上げラインを結合することをさらに含むことができる。さらに、本方法は、持ち上げラインを用いて根元部へ向かってロータブレードの先端部を持ち上げることと、先端部を根元部に結合することとを含むことができる。本方法は、本明細書に記載される追加的なステップおよび/または特徴のいずれかをさらに含み得ることを理解されたい。
【0017】
別の態様において、本開示は、風力タービンの接合ロータブレードを整備するシステムに関する。本システムは、ロータブレードの先端部に固定するためのブレード先端支持要素を含むことができる。本システムはまた、ブレード先端部支持要素の上方の取り付け位置に固定するための少なくとも1つのリフト支持要素と、リフト支持要素とブレード先端部支持要素との間に結合するための持ち上げラインとを含むことができる。したがって、先端部は、ブレード先端支持要素および持ち上げラインを介して風力タービンの支持面の上方に懸架することができる。本システムは、本明細書に記載される追加的な特徴のいずれかをさらに含み得ることを理解されたい。
【0018】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することによってよりよく理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、明細書とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0019】
本発明の完全かつ有効な開示は、その最良の態様を含み、当業者に向けられて、本明細書に記載されており、それは以下の添付の図を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示による風力タービンの一実施形態の斜視図である。
図2】本開示による根元部および先端部を有するロータブレードの一実施形態の平面図である。
図3】本開示による先端部の一部の一実施形態の斜視図である。
図4】本開示による翼弦方向ジョイントにおける根元部の一部の一実施形態の斜視図である。
図5】本開示による先端部と接合された根元部を有する風力タービンの接合ロータブレードの一実施形態の組立図である。
図6】本開示による風力タービンに設置された接合ロータブレードを整備するシステムの一実施形態の斜視図である。
図7】本開示による風力タービンのハブの正面図であり、特にハブに結合された複数のリフト支持要素を示す。
図8】本開示による接合ロータブレードに設置された接合ロータブレードを整備するシステムの一実施形態の簡略図である。
図9】本開示による先端部に結合された図8の接合ロータブレードを整備するシステムのブレード先端支持要素の簡略図である。
図10図8のシステムのブレード先端部支持要素の簡略図である。
図11】本開示によるロータブレードセグメントの断面図であり、特に持ち上げポイントを有する補強領域を示す。
図12】本開示による先端部の斜視図であり、特にロータブレードの外板の補強領域として構成されたブレード先端支持要素を示す。
図13図12の補強領域のうちの1つの拡大図である。
図14】接合風力タービンロータブレードを整備する方法の一実施形態の流れ図である。
図15】本開示による接合風力タービンブレードの設置された根元部に接合ロータブレードの先端部を設置する方法の一実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、本発明の限定としてではなく、本発明の例示として提供される。実際、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変更が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または記載された特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、別の実施形態とともに使用することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるそのような修正および変更を包含することを意図している。
【0022】
一般に、本開示は、風力タービンの接合ロータブレードを整備するシステムおよび方法に関する。特に、本開示は、接合ロータブレードの先端部を支持し、接合ロータブレードの設置された根元部に対する先端部の昇降を容易にするシステムを含むことができる。接合ロータブレードを整備する方法は、設置された根元部分を6時の位置に位置決めすることと、ブレード先端支持要素を先端部に結合することとを含むことができる。本方法はまた、ハブなどのブレード先端支持要素の上方の位置に少なくとも1つのリフト支持要素を取り付けることを含むことができる。持ち上げラインは、先端部を根元部から分離することができるように、リフト支持要素とブレード先端支持要素との間に結合されてもよい。
【0023】
ここで図面を参照すると、図1は、本開示による風力タービン100の一実施形態の斜視図を示している。図示のように、風力タービン100は、一般に、支持面104から延在するタワー102と、タワー102に取り付けられたナセル106と、ナセル106に結合されたロータ108とを含む。ロータ108は、回転可能なハブ110と、ハブ110に結合され、ハブ110から外側に延びるピッチ軸116を有する少なくとも1つのロータブレード112とを含む。例えば、図示した実施形態では、ロータ108は、3つのロータブレード112を含む。しかし、代替的な実施形態では、ロータ108は、3つよりも多いまたは少ないロータブレード112を含んでもよい。図示のように、各ロータブレード112は、接合ロータブレードであってもよく、先端部118および根元部120を含んでもよい。各ロータブレード112は、ロータ108の回転を容易にし、運動エネルギーが風から使用可能な機械的エネルギー、続いて電気エネルギーに変換され得るように、ハブ110の周りに離間して配置され得る。例えば、ハブ110は、ナセル106内に位置決めされた発電機(図示せず)に回転可能に結合され、電気エネルギーを発生することができる。
【0024】
ここで図2を参照すると、図1の接合ロータブレード112のうちの1つの平面図が示されている。図示のように、接合ロータブレード112は、少なくとも、先端部118および根元部120を含んでもよい。さらに、図示のように、先端部118および根元部120はそれぞれ、翼弦方向ジョイント122から反対方向に延びることができる。先端部118は、先端部118の遠位端119と翼弦方向ジョイント122との間の距離であり得る先端翼長(S)を有することができる。さらに、図示のように、ブレード部118、120のそれぞれは、圧力側124(図3)および吸引側126(図3)を含んでもよい。先端部118および根元部120は、ブレード部118、120の接合を容易にするために両方のブレード部118、120内に延在する内部支持構造体128によって接続される。矢印130は、図示の例の接合ロータブレード112が2つのブレード部118、120を含むこと、およびこれらのブレード部118、120が内部支持構造体128を根元部120に挿入することによって接合されることを示している。さらに、図示のように、根元部120は、接合ロータブレード112のブレード根元部120および先端部118のビーム構造体134(図3)と接続するために長さ方向に延在する複数の翼桁構造体132(図5)(本明細書では翼桁キャップとも呼ばれる)を含むことができる。
【0025】
ここで図3を参照すると、本開示による先端部118の一部分の斜視図が示されている。図示のように、先端部118は、内部支持構造体128の一部を形成し、かつ根元部120と構造的に接続するために長さ方向に延在するビーム構造体134を含む。さらに、図示のように、ビーム構造体134は、翼桁部136から突出する延長部を有する先端部118の一部を形成し、それによって延長翼桁部を形成する。ビーム構造体134は、吸引側翼桁キャップ140および圧力側翼桁キャップ142と接続された剪断ウェブ138を含む。
【0026】
さらに、図示のように、先端部118は、ビーム構造体134の端部144に1つまたは複数のピンジョイントを含んでもよい。一実施形態では、ピンジョイントは、ブッシングと緊密に締まり嵌めされたピンを含んでもよい。より具体的には、図示のように、ピンジョイントは、ビーム構造体134上に位置する1つのピン管146を含むことができる。したがって、図示のように、ピン管146は、翼長方向に配向され得る。さらに、先端部118は、翼弦方向ジョイント122においてビーム構造体134上に位置するピンジョイントスロット148も含んでもよい。さらに、図示のように、ピンジョイントスロット148は、翼弦方向に配向され得る。
【0027】
ここで図4を参照すると、本開示による翼弦方向ジョイント122における根元部120の一部分の斜視図が示されている。図示のように、根元部120は、先端部118のビーム構造体134を受け入れるために、根元部120内で長さ方向に延在する受入部150を有する。さらに、図示のように、受入部150は、先端部118のビーム構造体134と接続するために長さ方向に延在する翼桁構造体132を含んでもよい。
【0028】
ここで図5を参照すると、本開示による根元部120と接合された先端部118を有する接合ロータブレード112のアセンブリ152が示されている。図示のように、アセンブリ152は、根元部120と接合され少なくとも1つの固定部材160で固定された先端部118を有する接合ロータブレード112の外側シェル部材の下の複数の支持構造体を示している。さらに、図示のように、受入部150は、長さ方向に延在しビーム構造体134を支持する複数の翼桁構造体132を含む。受入部150はまた、翼長方向にビーム構造体134のピン管146と接続する矩形締結要素154を含む。さらに、先端部118および根元部120はまた、翼弦方向ジョイント122においてそれぞれ翼弦方向部材156、158を含むことができる。別の実施形態では、翼桁構造体132、矩形締結要素154、および翼弦方向部材156、158のそれぞれを、ガラス強化繊維で構成することができる。
【0029】
図1に戻り、図6図13も参照すると、本明細書に記載の風力タービン100の接合ロータブレード112を整備するシステム200の実施形態が示されている。図示のように、システム200は、接合ロータブレード112の先端部118に固定するためのブレード先端支持要素202を含むことができる。システム200はまた、ブレード先端支持要素202の上方の取り付け位置206に固定するための少なくとも1つのリフト支持要素204を含むことができる。システム200は、リフト支持要素204とブレード先端支持要素202との間に結合するための1つまたは複数の持ち上げライン208を含むことができる。したがって、一般的に示すように、先端部118は、ブレード先端支持要素202および持ち上げライン208を介して風力タービン100の支持面104の上方に懸架することができる。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、システム200は、接合ロータブレード112を整備するために利用することができる。そのような実施形態では、接合ロータブレード112を6時の位置に位置決めすることができ、システム200を風力タービンに設置することができる。次いで、システム200を使用して、接合ロータブレード112の先端部118を整備することができる。例えば、一実施形態では、システム200が風力タービン100に設置された状態で、接合ロータブレード112の先端部118は、翼弦方向ジョイント122にアクセスし、固定部材160を取り外すことによって、根元部120から分離することができる。先端部118が根元部120から分離された状態で、先端部118は、ブレード先端支持要素202によって支持されてもよく、持ち上げライン208を介して支持面104まで降下されてもよい。代替的な実施形態では、システム200を使用して、既に設置された根元部120に新しい先端部118を設置することができる。そのような実施形態では、先端部118は、ブレード先端支持要素202内に位置決めされ、および/またはブレード先端支持要素202に固定されてもよい。ブレード先端支持要素202によって支持されている先端部118は、根元部120に向かって持ち上げられてもよく、根元部120は6時の位置に位置決めされてもよく、先端部118に結合されてもよい。接合ロータブレード112の先端部118を整備することは、新しい先端部118を設置すること、先端部118を検査すること、および/または先端部118を修理することを含むことができると理解されるべきである。
【0031】
さらに図1および図6図13を参照すると、ブレード先端支持要素202がスリング、ネット、メッシュ、ウェブ、リング、またはソックのうちの少なくとも1つを含むことができる。ブレード先端支持要素202は、実施形態では、先端翼長(S)の5%以上を包囲してもよい。ブレード先端支持要素202は、実施形態では、先端翼長(S)の90%以下を包囲してもよい。例えば、ブレード先端支持要素202は、先端翼長(S)の10%以下を包囲してもよい。追加的な実施形態では、ブレード先端支持要素202は、先端翼長(S)の50%以上を包んでもよい。例えば、ブレード先端支持要素202は、先端翼長(S)の75%以上を包んでもよい。ブレード先端支持要素202はまた、実施形態では、先端翼長(S)の90%以下を包囲してもよい。
【0032】
図1に示すような実施形態では、ブレード先端支持要素202は、スリングまたはリングとして構成されてもよく、近位リング210を含んでもよい。近位リング210は、先端部118の最大周囲長よりも小さい周囲長を有することができる。本体部212は、周縁エッジに沿って近位リング210に結合され、そこから遠位に延在することができる。本体部212は、先端部118の包囲された部分の断面プロファイルに対応する断面プロファイルを有することができる。そのような実施形態では、図示のように、ブレード先端支持要素202は、先端部118の一部を包囲することができる。
【0033】
図6図9、および図10に示すようないくつかの実施形態では、ブレード先端支持要素202は、ネット、メッシュ、ウェブ、またはソックとして構成されてもよい。そのような実施形態では、ブレード先端支持要素202は、近位リング210、本体部212、および遠位支持部214を含むことができる。遠位支持部214は、近位リング210の反対側の本体部212に結合されてもよい。遠位支持部214は、先端部118の遠位端119を包むことができる。
【0034】
実施形態では、ブレード先端支持要素202は、図9および図10に示すように、複数のウェブ要素216を含むことができる。複数のウェブ要素216は、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、綿、および/またはアクリルウェビングまたはコードから形成されてもよい。ウェブ要素216は、ブレード先端支持要素202を形成するように互いに織り合わされ、および/または縫合されてもよい。
【0035】
代替的な実施形態では、ブレード先端支持要素202は、織布を含むことができる。さらなる実施形態では、ブレード先端支持要素202は、プラスチックおよび/または複合シートを含むことができる。例えば、本体部212および遠位支持部214は、少なくとも1つの実施形態では、開放近位端および閉鎖遠位端を有する単一本体としてプラスチックから形成されてもよい。上述した実施形態の様々な組合せを組み合わせて、ブレード先端支持要素202を形成することができることを理解されたい。例えば、ブレード先端支持要素202は、ウェビング要素から形成された部分と、織布から形成された別の部分とを有することができる。
【0036】
図8および図11図13に示すような実施形態では、ブレード先端支持要素202は、少なくとも1つの持ち上げポイント220および関連する持ち上げストラップ222を有する補強領域218を含むことができる。持ち上げポイント220は、補強領域218と一体的に形成されてもよく、またはそれに結合されてもよい。例えば、持ち上げポイント220は、フック、リング、ストラップまたはブラケットなど、補強エリアに取り付けられた任意の適切なハードウェアであってもよい。持ち上げポイント220が補強領域218と一体的に形成される実施形態では、持ち上げポイント220は、ストラップ222または持ち上げライン208を通過させて固定することができる開口部を含むことができる。
【0037】
ブレード先端支持要素202が補強領域218として構成される実施形態では、補強領域218は、図11に示すように、先端部118の遠位端119の反対側の先端部118内に配置された翼弦方向の補強隔壁228であってもよい。図12および図13に示すように、代替的な実施形態では、補強領域218は、ロータブレード112の1つまたは複数の外板に対応することができる。例えば、そのような実施形態では、持ち上げポイント220は、先端部118の近位部分の先端部118の外面によって画定されてもよい。ブレード先端支持要素202はまた、持ち上げポイント220に隣接する先端部118に結合された少なくとも1つの補強要素224を含むことができる。
【0038】
再び図1および図6図13を参照すると、リフト支持要素204のための取り付け位置206は、ハブ110、ナセル106、風力タービン100の少なくとも1つのロータブレード112、接合ロータブレード112の根元部120、または風力タービン100内またはその周りの任意の他の適切な取り付け位置であってもよい。図1に示すような少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの取り付けリング226が、ジョイントセグメント122とハブ110との間の翼長方向位置で整備されるように、接合ロータブレード112に結合されてもよい。取り付けリング226は、翼長方向位置での接合ロータブレード112の断面プロファイルに対応する断面プロファイルを有することができる。取り付けリング226は、接合ロータブレード112の周りに取り付けリング226を固定するように構成されたターンバックルなどの締め付け装置を含むことができる。リフト支持要素204は、プーリブロック、リング、ローラ、ホイスト、固定バー、またはリールであってもよいことを理解されたい。
【0039】
追加的な実施形態では、取り付け位置206は、接合ロータブレード112の根元部120内に位置決めされた補強隔壁228であってもよい。リフト支持要素204は、持ち上げポイント220を含むことができる。
【0040】
図7を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、取り付け位置206はハブ110であってもよい。リフト支持要素204は、取り付けブロック232に結合された少なくとも1つのプーリブロック230を含むことができる。取り付けブロック232は、ロータブレード112のピッチベアリングフランジ162に関連するスタッドに固定することができる。
【0041】
再び図1および図6図13を参照すると、実施形態では、持ち上げライン208は、リフト支持要素204とブレード先端支持要素202との間に結合されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、持ち上げライン208は、ブレード先端支持要素202に結合された第1の端部234を有することができる。持ち上げライン208は、リフト支持要素204に動作可能に結合されてもよい。例えば、図7に示すような実施形態では、持ち上げライン208は、プーリブロック230を通過することができる。持ち上げライン208は、動力源238に結合された第2の端部236を有してもよい。少なくとも1つの実施形態では、動力源238は、支持面104上に配置されてもよい。例えば、動力源238は、地上ウインチ、クレーン、車両、または複数の技術者であってもよい。代替的な実施形態では、動力源238は、ブレード先端支持要素202とリフト支持要素204との間にインラインで位置決めされたホイストまたはウインチなどの機械的張力装置であってもよい。
【0042】
ここで図14を参照すると、接合風力タービンロータブレードを整備する方法300の一実施形態の流れ図が示されている。方法300は、例えば、図1図13を参照して上述したシステム200を使用して実施することができる。図14は、図示および説明の目的のために特定の順序で実行されるステップを示している。当業者であれば、本明細書で提供される開示を使用して、方法300または本明細書に開示される方法のいずれかの様々なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく様々な方法で適合、修正、再配置、同時実行または修正することができることを理解するであろう。
【0043】
(302)に示すように、方法300は、接合ロータブレードを6時の位置に位置決めすることを含むことができる。(304)に示すように、方法300は、接合ロータブレードの先端部にブレード先端支持要素を固定することを含むことができる。さらに、(306)に示すように、方法300は、ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置に少なくとも1つのリフト支持要素を固定することを含むことができる。(308)に示すように、方法300は、リフト支持要素とブレード先端支持要素との間に持ち上げラインを結合することを含むことができる。(310)に示すように、方法300はまた、先端部がブレード先端支持要素および持ち上げラインを介して風力タービンの支持面の上方に懸架されるように、接合ロータブレードの根元部から接合ロータブレードの先端部を分離することを含むことができる。さらに、(312)に示すように、方法300はまた、接合ロータブレードの先端部を整備することを含むことができる。
【0044】
追加的な実施形態では、方法300はまた、本開示によれば、持ち上げラインを動力源に結合することと、動力源を介して持ち上げラインに力を加えることとを含むことができる。
【0045】
図15を参照すると、接合風力タービンロータブレードを整備する方法400の一実施形態の流れ図が示されている。方法400は、例えば、図1図13を参照して上述したシステム200を使用して実施することができる。図15は、図示および説明の目的のために特定の順序で実行されるステップを示している。当業者であれば、本明細書で提供される開示を使用して、方法400または本明細書に開示される方法のいずれかの様々なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく様々な方法で適合、修正、再配置、同時実行または修正することができることを理解するであろう。
【0046】
(402)に示すように、方法400は、根元部を6時の位置に位置決めすることを含むことができる。根元部は、根元部内に配置された補強隔壁である少なくとも1つのリフト支持要素を有し、補強隔壁と一体的に形成された、または補強隔壁に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイントとを有することができる。(404)に示すように、方法400は、先端部にブレード先端支持要素を固定することを含むことができる。(406)に示すように、方法400は、少なくとも1つのリフト支持要素とブレード先端支持要素との間に持ち上げラインを結合することを含むことができる。(408)に示すように、方法400は、持ち上げラインを用いて根元部へ向かってロータブレードの先端部を持ち上げることを含むことができる。さらに、(410)に示すように、方法400は、先端部を根元部に結合することを含むことができる。
【0047】
さらに、当業者には、異なる実施形態の様々な特徴を相互に交換できることを認識するであろう。同様に、記載された様々な方法ステップおよび特徴、ならびにそれぞれのそのような方法および特徴の他の既知の均等物は、本開示の原理に従って追加的なシステムおよび技術を構築するために、当業者によって混合および適合させることができる。当然のことながら、上述のそのような目的または利点のすべてが、任意の特定の実施形態に従って必ずしも達成され得るとは限らないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者には認識されるように、本明細書に記載されたシステムおよび技術は、本明細書で教示または示唆されるように他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点もしくは一群の利点を達成または最適化する態様で具現化または実施してもよい。
【0048】
本明細書は、最良の形態を含む本発明を開示するため、および任意の当業者が任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践をも可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者であれば想到できる他の実施例を含んでもよい。このような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差異を有さない均等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図している。
【0049】
完全を期すために、本開示の様々な態様を以下の番号付きの条項に記載する。
条項1.風力タービンの接合ロータブレードを整備する方法であって、
前記接合ロータブレードを6時の位置に位置決めすることと、
前記接合ロータブレードの先端部にブレード先端支持要素を固定することと、
前記ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置に少なくとも1つのリフト支持要素を固定することと、
前記少なくとも1つのリフト支持要素と前記ブレード先端支持要素との間に持ち上げラインを結合することと、
前記先端部が前記ブレード先端支持要素および前記持ち上げラインを介して前記風力タービンの支持面の上方に懸架されるように、前記接合ロータブレードの根元部から前記接合ロータブレードの前記先端部を分離することと、
前記接合ロータブレードの前記先端部を整備することと
を含む、風力タービンの接合ロータブレードを整備する方法。
条項2.前記ブレード先端支持要素がスリング、ネット、メッシュ、リング、またはソックのうちの少なくとも1つを備える、条項1に記載の方法。
条項3.前記先端部に前記ブレード先端支持要素を結合することが、前記先端部の翼長の5%以上および前記先端部の前記翼長の90%以下を包囲することをさらに含む、条項1または2に記載の方法。
条項4.前記ブレード先端支持要素が、一体的な持ち上げポイントおよび関連する持ち上げストラップを有する前記先端部の補強領域を備え、前記補強領域が前記接合ロータブレードの隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応する、条項1に記載の方法。
条項5.前記ブレード先端支持要素の上方の前記取り付け位置に前記少なくとも1つのリフト支持要素を固定することが、前記風力タービンのハブ、前記風力タービンのナセル、前記風力タービンの追加的なロータブレード、または前記接合ロータブレードの前記根元部のうちの少なくとも1つに前記少なくとも1つのリフト支持要素を結合することをさらに含む、条項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
条項6.前記ブレード先端支持要素の上方の前記取り付け位置に前記少なくとも1つのリフト支持要素を固定することが、
ジョイントセグメントと前記ハブとの間の翼長方向位置で前記接合ロータブレードに取り付けリングを結合することをさらに含み、前記取り付けリングが、前記翼長方向位置での前記接合ロータブレードの断面プロファイルに対応する断面プロファイルを有する、条項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
条項7.前記ブレード先端支持要素の上方の前記取り付け位置に前記少なくとも1つのリフト支持要素を固定することが、
前記接合ロータブレードの前記根元部内に補強隔壁を位置決めすることをさらに含み、前記リフト支持要素が、前記補強隔壁と一体的に形成された、または前記補強隔壁に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイントをさらに備える、条項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
条項8.前記接合ロータブレードの前記根元部から前記接合ロータブレードの前記先端部を分離することが、
前記接合ロータブレードの前記先端部と前記根元部との間のジョイントにアクセスすることと、
前記接合ロータブレードの前記根元部に前記先端部を結合する内部支持構造体から少なくとも1つの固定部材を取り外すことと
をさらに含む、条項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
条項9.前記接合ロータブレードの前記先端部を整備することが、新しい先端部を設置すること、前記先端部を検査すること、または前記先端部を修理することのうちの少なくとも1つをさらに含む、条項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
条項10.前記接合ロータブレードの前記先端部を前記支持面まで降下させることをさらに含む、条項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
条項11.前記持ち上げラインを動力源に結合することと、
前記動力源を介して前記持ち上げラインに力を加えることと
をさらに含む、条項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
条項12.接合風力タービンブレードの設置された根元部に接合ロータブレードの先端部を設置する方法であって、
前記根元部を6時の位置に位置決めすることであって、前記根元部が、前記根元部内に配置された補強隔壁である少なくとも1つのリフト支持要素を有し、前記補強隔壁と一体的に形成された、または前記補強隔壁に結合された、少なくとも1つの持ち上げポイントを有する、位置決めすることと、
前記先端部にブレード先端支持要素を固定することと、
前記少なくとも1つのリフト支持要素と前記ブレード先端支持要素との間に持ち上げラインを結合することと、
前記持ち上げラインを用いて前記根元部へ向かって前記接合ロータブレードの前記先端部を持ち上げることと、
前記先端部を前記根元部に結合することと
を含む、接合風力タービンブレードの設置された根元部に接合ロータブレードの先端部を設置する方法。
条項13.前記先端部に前記ブレード先端支持要素を固定することが、
スリング、ネット、メッシュ、リング、またはソックのうちの少なくとも1つの内部に前記先端部の少なくとも一部を位置決めすることをさらに含む、条項12に記載の方法。
条項14.前記先端部に前記ブレード先端支持要素を固定することが、前記先端部の翼長の50%以上および前記先端部の前記翼長の90%以下を包囲することをさらに含む、条項12または13に記載の方法。
条項15.前記ブレード先端支持要素が、持ち上げポイントおよび関連する持ち上げストラップを有する前記先端部の補強領域を備え、前記補強領域が前記接合ロータブレードの隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応する、条項12に記載の方法。
条項16.風力タービンの接合ロータブレードを整備するシステムであって、
前記接合ロータブレードの先端部に固定するためのブレード先端支持要素と、
前記ブレード先端支持要素の上方の取り付け位置に固定するための少なくとも1つのリフト支持要素と、
前記少なくとも1つのリフト支持要素と前記ブレード先端支持要素との間に結合するための持ち上げラインと
を備え、
前記先端部が前記ブレード先端支持要素および前記持ち上げラインを介して前記風力タービンの支持面の上方に懸架される、風力タービンの接合ロータブレードを整備するシステム。
条項17.前記ブレード先端支持要素がスリング、ネット、メッシュ、リング、またはソックのうちの少なくとも1つを備える、条項16に記載のシステム。
条項18.前記ブレード先端支持要素が、前記ブレード先端支持要素と一体的に形成され、または前記ブレード先端支持要素に結合された少なくとも1つの持ち上げポイントと、関連する持ち上げストラップとを有する前記先端部の補強領域を備え、前記補強領域が前記接合ロータブレードの隔壁または1つまたは複数の外板のうちの少なくとも1つに対応する、条項16に記載のシステム。
条項19.前記少なくとも1つのリフト支持要素が、前記風力タービンのハブ、前記風力タービンのナセル、前記風力タービンの接合ロータブレード、または前記接合ロータブレードの根元部のうちの少なくとも1つに結合される、条項16乃至18のいずれか1項に記載のシステム。
条項20.前記持ち上げラインに結合された少なくとも1つの動力源をさらに備える、条項16乃至19のいずれか1項に記載のシステム。
【符号の説明】
【0050】
100 風力タービン
102 タワー
104 支持面
106 ナセル
108 ロータ
110 ハブ
112 接合ロータブレード
116 ピッチ軸
118 先端部、ブレード部
119 遠位端
120 ブレード根元部、ブレード部
122 翼弦方向ジョイント、ジョイントセグメント
124 圧力側
126 吸引側
128 内部支持構造体
130 矢印
132 翼桁構造体
134 ビーム構造体
136 翼桁部
138 剪断ウェブ
140 吸引側翼桁キャップ
142 圧力側翼桁キャップ
144 端部
146 ピン管
148 ピンジョイントスロット
150 受入部
152 アセンブリ
154 矩形締結要素
156 翼弦方向部材
158 翼弦方向部材
160 固定部材
162 ピッチベアリングフランジ
200 システム
202 ブレード先端支持要素
204 リフト支持要素
206 取り付け位置
208 持ち上げライン
210 近位リング
212 本体部
214 遠位支持部
216 ウェブ要素
218 補強領域
220 持ち上げポイント
222 持ち上げストラップ
224 補強要素
226 取り付けリング
228 補強隔壁
230 プーリブロック
232 取り付けブロック
234 第1の端部
236 第2の端部
238 動力源
300 方法
400 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15