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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
H05K13/02 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022567943
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2020045832
(87)【国際公開番号】W WO2022123683
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】柳田 勉
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-33301(JP,A)
【文献】特開2018-56153(JP,A)
【文献】特開2016-182668(JP,A)
【文献】国際公開第2018/070047(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が収納された収納部と前記収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、
前記テープ送り部により送られるテープのカバーテープを切り開く刃部と、
前記刃部の寿命を確認するための目印部と、を備える、部品供給装置。
【請求項2】
前記刃部は、前記テープ送り部によるテープの送り方向において、下流側から上流側に沿って先細り形状に形成されているとともに、使用によりカバーテープを切り開く位置が前記送り方向における上流側から下流側に移るように構成されており、
前記目印部は、前記刃部によりカバーテープが切り開かれる前記送り方向の位置と比較されることにより、前記刃部の寿命を識別可能に構成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記目印部は、前記刃部によりカバーテープが切り開かれる前記送り方向の位置について、前記刃部の寿命の位置を示すように配置されている、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記目印部は、前記刃部の寿命の位置を示すように線状に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記目印部は、前記刃部の上面に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記刃部により切り開かれたカバーテープを幅方向に押し広げるようにガイドするカバーテープガイドをさらに備え、
前記目印部は、前記カバーテープガイドの上面に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記テープ送り部のテープの送り状態を検査するための画像を撮像する検査撮像部を含む検査部をさらに備え、
前記検査部は、前記目印部および前記刃部を前記検査撮像部により撮像して、撮像した画像に基づいて、前記刃部の寿命を確認するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記検査部は、前記刃部の寿命であると判断した場合に、前記刃部の交換を促す通知を行うように構成されている、請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
部品供給装置と、
前記部品供給装置から供給される部品を基板に実装する実装ヘッドとを備え、
前記部品供給装置は、
部品が収納された収納部と前記収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、
前記テープ送り部により送られるテープのカバーテープを切り開く刃部と、
前記刃部の寿命を確認するための目印部と、を含む、部品実装装置。
【請求項10】
前記実装ヘッドとともに水平方向に移動可能なようにヘッドユニットに設けられ、前記部品供給装置の部品供給位置を撮像する部品撮像部と、
制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記目印部および前記刃部を前記部品撮像部により撮像して、撮像した画像に基づいて、前記刃部の寿命を確認するように構成されている、請求項9に記載の部品実装装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記刃部の寿命であると判断した場合に、前記刃部の交換を促す通知を行うように構成されている、請求項10に記載の部品実装装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記部品供給装置の前記テープ送り部によるテープの送り回数、前記部品供給装置の前記テープ送り部によるテープの送り距離、および、前記実装ヘッドによるテープからの部品の吸着のミス、のうち少なくとも1つに基づいて、前記部品撮像部により前記目印部を撮像する制御を行うように構成されている、請求項10または11に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品供給装置および部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給装置が知られている。部品供給装置は、たとえば、国際公開第2018/070047号に開示されている。
【0003】
上記国際公開第2018/070047号には、部品が収納された収納部と収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、テープ送り部により送られるテープのカバーテープを切り開く刃部と、を備える部品供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/070047号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記国際公開第2018/070047号のような従来の部品供給装置では、刃部が使用により鈍ってきてカバーテープを切り開くことが困難となり、カバーテープがキャリアテープから剥がれて詰まることにより、刃部が寿命であることが認識される。このため、刃部の状態を認識することができないので、刃部が寿命となり、カバーテープを切り開くことができなくなることにより、部品供給装置により部品を供給することができなくなる場合がある。そこで、カバーテープが切り開かれなくなるのを抑制して、部品を確実に供給することが可能な部品供給装置および部品実装装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、カバーテープが切り開かれなくなるのを抑制して、部品を確実に供給することが可能な部品供給装置および部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による部品供給装置は、部品が収納された収納部と収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、テープ送り部により送られるテープのカバーテープを切り開く刃部と、刃部の寿命を確認するための目印部と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面による部品供給装置では、上記のように構成することにより、目印部により刃部の寿命を確認することができるので、刃部によりカバーテープを切り開くことができなくなる前に刃部を交換することができる。これにより、カバーテープが切り開かれなくなるのを抑制して、部品を確実に供給することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、刃部は、テープ送り部によるテープの送り方向において、下流側から上流側に沿って先細り形状に形成されているとともに、使用によりカバーテープを切り開く位置が送り方向における上流側から下流側に移るように構成されており、目印部は、刃部によりカバーテープが切り開かれる送り方向の位置と比較されることにより、刃部の寿命を識別可能に構成されている。このように構成すれば、刃部によりカバーテープを切り開く位置と、目印部とを比較することにより、刃部の寿命の確認および寿命までの期間を推測することができるので、刃部の交換のタイミングを容易に判断することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、目印部は、刃部によりカバーテープが切り開かれる送り方向の位置について、刃部の寿命の位置を示すように配置されている。このように構成すれば、刃部によりカバーテープを切り開く位置と、目印部とを比較することにより、刃部の寿命をより容易に確認することができる。
【0011】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、目印部は、刃部の寿命の位置を示すように線状に設けられている。このように構成すれば、線状の目印部を確認することにより、刃部の寿命を容易に確認することができる。
【0012】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、目印部は、刃部の上面に配置されている。このように構成すれば、刃部の上方から目印部を容易に確認することができる。
【0013】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、刃部により切り開かれたカバーテープを幅方向に押し広げるようにガイドするカバーテープガイドをさらに備え、目印部は、カバーテープガイドの上面に配置されている。このように構成すれば、カバーテープの下側に刃部を挿入してカバーテープを切断している場合でも、刃部に目印部を設ける場合と異なり、カバーテープにより目印部が覆われることがないので、目印部を上方から確実に確認することができる。
【0014】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、テープ送り部のテープの送り状態を検査するための画像を撮像する検査撮像部を含む検査部をさらに備え、検査部は、目印部および刃部を検査撮像部により撮像して、撮像した画像に基づいて、刃部の寿命を確認するように構成されている。このように構成すれば、検査撮像部による目印部および刃部の撮像により刃部の寿命を自動的に確認するので、作業者が目視により目印部を確認する必要がない。これにより、作業者の作業負担が増大するのを抑制しながら、刃部の寿命を確認することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、検査部は、刃部の寿命であると判断した場合に、刃部の交換を促す通知を行うように構成されている。このように構成すれば、検査部からの刃部の交換の通知により、作業者が刃部の交換のタイミングを容易に認識することができる。
【0016】
この発明の第2の局面による部品実装装置は、部品供給装置と、部品供給装置から供給される部品を基板に実装する実装ヘッドとを備え、部品供給装置は、部品が収納された収納部と収納部の上方を覆うカバーテープとを含むテープを送るテープ送り部と、テープ送り部により送られるテープのカバーテープを切り開く刃部と、刃部の寿命を確認するための目印部と、を含む。
【0017】
この発明の第2の局面による部品実装装置では、上記のように構成することにより、目印部により刃部の寿命を確認することができるので、刃部によりカバーテープを切り開くことができなくなる前に刃部を交換することができる。これにより、カバーテープが切り開かれなくなるのを抑制して、部品を確実に供給することが可能な部品実装装置を提供することができる。
【0018】
上記第2の局面による部品実装装置において、好ましくは、実装ヘッドとともに水平方向に移動可能なようにヘッドユニットに設けられ、部品供給装置の部品供給位置を撮像する部品撮像部と、制御部と、をさらに備え、制御部は、目印部および刃部を部品撮像部により撮像して、撮像した画像に基づいて、刃部の寿命を確認するように構成されている。このように構成すれば、制御部により、部品撮像部による目印部および刃部の撮像により刃部の寿命を自動的に確認するので、作業者が目視により目印部を確認する必要がない。これにより、作業者の作業負担が増大するのを抑制しながら、刃部の寿命を確認することができる。
【0019】
この場合、好ましくは、制御部は、刃部の寿命であると判断した場合に、刃部の交換を促す通知を行うように構成されている。このように構成すれば、制御部からの刃部の交換の通知により、作業者が刃部の交換のタイミングを容易に認識することができる。
【0020】
上記第2の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、部品供給装置のテープ送り部によるテープの送り回数、部品供給装置のテープ送り部によるテープの送り距離、および、実装ヘッドによるテープからの部品の吸着のミス、のうち少なくとも1つに基づいて、部品撮像部により目印部を撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、部品撮像部により目印部を撮像する回数が過度に多くなるのを抑制することができるので、部品撮像部による目印部の撮像に起因して、部品実装作業の時間が増大するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、カバーテープが切り開かれなくなるのを抑制して、部品を確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による部品実装装置の全体構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態による部品供給装置の概略を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による部品供給装置の刃部によるカバーテープの切り開きを説明するための平面図である。
図4】本発明の一実施形態による部品供給装置の刃部によるカバーテープの切り開きを説明するための側面図である。
図5】本発明の一実施形態による部品供給装置のテープガイドを取り外した状態を示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による部品供給装置の通常時の刃部によるカバーテープの切り開き状態の一例を示した平面図である。
図7】本発明の一実施形態による部品供給装置の寿命を過ぎた刃部によるカバーテープの切り開き状態の一例を示した平面図である。
図8】本発明の一実施形態による部品供給装置の検査部を示した図である。
図9】本発明の一実施形態の変形例による目印部を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。
【0026】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。
【0027】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0028】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数の部品供給装置10が配置されている。部品供給部3の複数の部品供給装置10は、それぞれ、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。
【0029】
部品供給装置10は、図2に示すように、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープ32が巻き付けられたリール33を保持している。つまり、部品供給装置10は、テープフィーダにより構成されている。部品供給装置10は、部品31を保持するテープ32を送出することによりリール33を回転させて、部品供給装置10のY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を含む。なお、部品供給装置10の詳細な説明については、後述する。
【0030】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。
【0031】
実装ヘッド42は、部品供給装置10から供給される部品31を基板Pに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Pに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、部品供給装置10から供給される部品31を吸着して保持し、基板Pにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0032】
基板認識カメラ43は、実装ヘッド42とともに水平方向(XY方向)に移動可能なようにヘッドユニット4に設けられている。また、基板認識カメラ43は、基板Pの位置および姿勢を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。また、基板認識カメラ43は、部品供給装置10の部品供給位置(部品取出し部132)を撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ43は、部品供給装置10の露出部131を撮像可能に構成されている。なお、基板認識カメラ43は、請求の範囲の「部品撮像部」の一例である。
【0033】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0034】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0035】
部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0036】
制御部8は、CPU、メモリを含んでおり、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識カメラ43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、部品供給装置10の制御部11(図2参照)と通信可能に構成されている。制御部8は、複数の部品供給装置10の各々の制御部11と連携して、実装動作を制御するように構成されている。
【0037】
(部品供給装置の構成)
図2図8を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10の構成について説明する。
【0038】
図2に示すように、部品供給装置10は、制御部11と、テープ送り部12aおよび12bと、テープガイド13と、を備えている。テープガイド13には、露出部131と、部品取出し部132が設けられている。部品供給装置10は、自動でテープ32をローディング可能なフィーダである。
【0039】
テープ32は、図3および図4に示すように、キャリアテープ321と、カバーテープ322とを含む。キャリアテープ321には、部品31が収納された収納部321aと、テープ送り部12a、12bに係合する係合穴321bとが設けられている。収納部321aは、部品31のサイズよりも大きい空間を有している。収納部321aの上方は、カバーテープ322により覆われている。これにより、部品供給前に収納部321aから部品31が出るのを防止することが可能である。部品供給時には、カバーテープ322が切り開かれて、収納部321aの上方が露出される。これにより、部品取出し部132において、部品31を収納部321aから実装ヘッド42により取り出すことが可能である。複数の係合穴321bは、互いに一定の間隔を隔てて配置されている。また、係合穴321bは、収納部321aに対して所定の相対位置に配置されている。
【0040】
制御部11は、部品供給装置10の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部11は、テープ送り部12a、12bの駆動を制御して、テープ32の送り動作を制御するように構成されている。制御部11は、制御回路を有する基板を含む。また、制御部11は、部品供給装置10に設けられたセンサ(図示せず)によるテープ32の検知結果に基づいて、テープ32の送り動作を制御するように構成されている。
【0041】
テープ送り部12aおよび12bは、各々スプロケットを含んでいる。テープ送り部12aおよび12bのスプロケットは、テープ32の係合穴321bに係合して、テープ32をテープ送り方向Aに沿って送るように構成されている。テープ送り部12aは、テープ送り方向Aにおいて、露出部131の下流側に設けられている。テープ送り部12bは、テープ送り方向Aにおいて、部品供給装置10のテープ32の入口側(上流側)に設けられている。
【0042】
テープ送り部12aは、テープ32の搬送路の下方に設けられている。テープ送り部12bは、テープ32の搬送路の上方に設けられている。テープ送り部12aおよび12bは、制御部11により制御されて駆動するように構成されている。また、テープ送り部12aおよび12bは、回転する最小の量が設定されている。これにより、テープ32を送る最少のピッチが設定される。
【0043】
テープガイド13は、テープ32を上方から押さえるとともに、テープ送り方向Aに沿ってガイドするように構成されている。また、テープガイド13は、部品取出し部132を含むテープ送り方向Aにおける下流領域に配置されている。テープガイド13により、テープ32の搬送路の上下方向の大きさを必要最小限にすることができるので、テープ送り方向Aにおける下流領域において、テープ32が上下にぶれるのを抑制することが可能である。
【0044】
露出部131は、カバーテープ322による収納部321aの覆いを解除して、収納部321aの上方を露出させる(開放する)ように構成されている。露出部131は、図3および図4に示すように、刃部131a(カッター)と、カバーテープガイド131bとを含んでいる。
【0045】
刃部131aは、刃先をキャリアテープ321とカバーテープ322との間に挿入させてカバーテープ322を切断するように構成されている。つまり、刃部131aは、テープ32の移動に伴って、カバーテープ322を順次切り開くように構成されている。カバーテープガイド131bは、刃部131aにより切り開かれたカバーテープ322を幅方向(X方向)の両側に押し広げるように構成されている。つまり、カバーテープガイド131bは、テープ32の移動に伴って、カバーテープ322を順次幅方向(X方向)に開け広げるように構成されている。
【0046】
また、刃部131aは、テープ送り部12a、12bによるテープ32の送り方向Aにおいて、下流側から上流側に沿って先細り形状に形成されている。つまり、刃部131aは、図3に示すように、送り方向Aにおいて、下流側から上流側に沿って、幅方向(X方向)の大きさが先細るように形成されている。また、刃部131aは、図4に示すように、送り方向Aにおいて、下流側から上流側に沿って、上下方向(Z方向)の大きさが先細るように形成されている。
【0047】
部品取出し部132は、テープガイド13のテープ送り方向Aにおける下流部分に設けられている。具体的には、部品取出し部132は、テープ送り方向Aにおいて、露出部131よりも下流側に設けられている。部品取出し部132には、上下方向(Z方向)に貫通する矩形形状の穴が設けられている。これにより、収納部321aに収納された部品31の上方が開放され、実装ヘッド42により部品31を取り出すことが可能となる。
【0048】
テープガイド13は、図5に示すように、部品供給装置10の本体から取り外すことが可能に構成されている。また、刃部131aが使用により鈍って寿命となった場合には、テープガイド13が取り外されて刃部131aが交換される。
【0049】
ここで、本実施形態では、図6および図7に示すように、部品供給装置10は、目印部14を備えている。目印部14は、刃部131aの寿命を確認するために設けられている。
【0050】
刃部131aは、使用によりカバーテープ322を切り開く位置が送り方向Aにおける上流側から下流側に移るように構成されている。つまり、刃部131aが鈍っておらず、通常時には、図6に示すように、送り方向Aにおける上流側の位置A1において、カバーテープ322が切り開かれる。また、刃部131aが鈍り、鋭さがなくなってくると、カバーテープ322が切り開かれる位置が下流側に移る。そして、寿命時には、図7に示すように、送り方向Aにおける下流側の位置A2において、カバーテープ322が切り開かれる。
【0051】
また、本実施形態では、目印部14は、刃部131aによりカバーテープ322が切り開かれる送り方向Aの位置と比較されることにより、刃部131aの寿命を識別可能に構成されている。これにより、適切なタイミングにおいて刃部131aを交換して、カバーテープ322が切り開かれなくなるのを抑制することができる。その結果、部品31が露出されなくなるのを抑制することができるので、実装ヘッド42による部品31の吸着ミスに起因して部品実装装置100の実装動作が停止されるのを未然に抑制することが可能である。これにより、生産性を向上させることが可能である。
【0052】
また、目印部14は、刃部131aによりカバーテープ322が切り開かれる送り方向Aの位置について、刃部131aの寿命の位置を示すように配置されている。たとえば、刃部131aによりカバーテープ322が切り開かれる送り方向Aの位置が目印部14に到達したら刃部131aの寿命である。また、刃部131aの寿命位置は、カバーテープ322とキャリアテープ321との接着テープによる接着が剥がれる状態となる限界の高さに対応する刃部131aの送り方向Aの位置である。つまり、刃部131aの高さ方向の大きさ(刃の厚み)は下流に向かって大きくなるため、カバーテープ322が刃部131aに切断されずに下流に送られると、キャリアテープ321からカバーテープ322が剥がれることになる。この場合、カバーテープガイド131bにより剥がれたカバーテープ322を幅方向に押し広げることができなくなるため、剥がれたカバーテープ322のジャムが発生する。
【0053】
また、目印部14は、刃部131aの寿命の位置を示すように線状に設けられている。具体的には、目印部14は、幅方向(X方向)に延びる直線状に形成されている。また、目印部14は、刃部131aの上面に配置されている。また、目印部14は、刃部131aとは異なる色を有している。これにより、目印部14を容易に認識することが可能である。
【0054】
また、本実施形態では、制御部8は、目印部14および刃部131aを基板認識カメラ43により撮像して、撮像した画像に基づいて、刃部131aの寿命を確認するように構成されている。具体的には、制御部8は、基板認識カメラ43により撮像した画像に基づいて、刃部131aによりカバーテープ322を切り開く位置が目印部14よりも送り方向Aにおける上流側であるか否かを判断する。そして、制御部8は、刃部131aによりカバーテープ322を切り開く位置が目印部14よりも送り方向Aにおける上流側であれば、刃部131aはまだ使用可能であると判断する。一方、制御部8は、刃部131aによりカバーテープ322を切り開く位置が目印部14よりも送り方向Aにおける上流側でなければ(目印部14に達していれば)、刃部131aは寿命であると判断する。
【0055】
また、制御部8は、刃部131aの寿命であると判断した場合に、刃部131aの交換を促す通知を行うように構成されている。具体的には、制御部8は、該当する部品供給装置10(テープフィーダ)の刃部131aを交換するよう表示部(図示せず)にメッセージを表示させる制御を行う。
【0056】
また、制御部8は、部品供給装置10のテープ送り部12a、12bによるテープ32の送り回数、部品供給装置10のテープ送り部12a、12bによるテープ32の送り距離、および、実装ヘッド42によるテープ32からの部品31の吸着のミス、のうち少なくとも1つに基づいて、基板認識カメラ43により目印部14を撮像する制御を行うように構成されている。
【0057】
たとえば、制御部8は、テープ32の送り回数が所定回数以上となった場合に、基板認識カメラ43により、目印部14を撮像して、刃部131aの状態を確認する。また、制御部8は、テープ32の送り距離が所定距離以上となった場合に、基板認識カメラ43により、目印部14を撮像して、刃部131aの状態を確認する。また、制御部8は、実装ヘッド42により部品31の吸着ミスが発生した場合に、基板認識カメラ43により、目印部14を撮像して、刃部131aの状態を確認する。
【0058】
また、刃部131aの寿命の確認は、メンテナンス時に作業者が目視、または、基板認識カメラ43による撮像画像を確認することにより行われてもよい。
【0059】
また、刃部131aの寿命の確認は、図8に示すように、部品供給装置10を検査部15により検査する際に行ってもよい。
【0060】
検査部15は、部品供給装置10による部品31の所定回数(たとえば、500万回)供給毎に、部品供給装置10のテープ32の送り状態を検査するために設けられている。検査部15は、部品実装装置100から部品供給装置10を取り外した状態のオフラインにおいて部品供給装置10を検査する。
【0061】
検査部15は、制御部151と、検査撮像部152と、を含んでいる。制御部151は、接続された部品供給装置10の検査を行うための制御を行うように構成されている。
【0062】
検査部15は、テープ32の代わりに金属製のマスターテープを部品供給装置10により送りながら、部品供給装置10のテープ送り部12a、12bの送り状態を検査する。
【0063】
また、検査部15は、部品31が収容されていないカバーテープ322が付いたダミーテープを部品供給装置10に送りながら、部品供給装置10の刃部131aの状態を確認する。
【0064】
検査撮像部152は、部品供給装置10の検査時に、テープ送り部12a、12bのテープの送り状態を検査するための画像を撮像する。また、検査撮像部152は、部品供給装置10の検査時に、刃部131aの状態を検査するための画像を撮像する。
【0065】
また、検査部15の制御部151は、目印部14および刃部131aを検査撮像部152により撮像して、撮像した画像に基づいて、刃部131aの寿命を確認するように構成されている。また、検査部15の制御部151は、刃部131aの寿命であると判断した場合に、刃部131aの交換を促す通知を行うように構成されている。
【0066】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0067】
本実施形態では、上記のように、テープ32のカバーテープ322を切り開く刃部131aの寿命を確認するための目印部14を設ける。これにより、目印部14により刃部131aの寿命を確認することができるので、刃部131aによりカバーテープ322を切り開くことができなくなる前に刃部131aを交換することができる。これにより、カバーテープ322が切り開かれなくなるのを抑制して、部品31を確実に供給することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、刃部131aを、テープ送り部12a、12bによるテープ32の送り方向Aにおいて、下流側から上流側に沿って先細り形状に形成する。また、刃部131aは、使用によりカバーテープ322を切り開く位置が送り方向Aにおける上流側から下流側に移るように構成されている。また、目印部14を、刃部131aによりカバーテープ322が切り開かれる送り方向Aの位置と比較されることにより、刃部131aの寿命を識別可能に構成する。これにより、刃部131aによりカバーテープ322を切り開く位置と、目印部14とを比較することにより、刃部131aの寿命の確認および寿命までの期間を推測することができるので、刃部131aの交換のタイミングを容易に判断することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、目印部14を、刃部131aによりカバーテープ322が切り開かれる送り方向Aの位置について、刃部131aの寿命の位置を示すように配置する。これにより、刃部131aによりカバーテープ322を切り開く位置と、目印部14とを比較することにより、刃部131aの寿命をより容易に確認することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、目印部14を、刃部131aの寿命の位置を示すように線状に設ける。これにより、線状の目印部14を確認することにより、刃部131aの寿命を容易に確認することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、目印部14を、刃部131aの上面に配置する。これにより、刃部131aの上方から目印部14を容易に確認することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、テープ送り部12a、12bのテープ32の送り状態を検査するための画像を撮像する検査撮像部152を含む検査部15を設ける。また、検査部15を、目印部14および刃部131aを検査撮像部152により撮像して、撮像した画像に基づいて、刃部131aの寿命を確認するように構成する。これにより、検査撮像部152による目印部14および刃部131aの撮像により刃部131aの寿命を自動的に確認するので、作業者が目視により目印部14を確認する必要がない。これにより、作業者の作業負担が増大するのを抑制しながら、刃部131aの寿命を確認することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、検査部15を、刃部131aの寿命であると判断した場合に、刃部131aの交換を促す通知を行うように構成する。これにより、検査部15からの刃部131aの交換の通知により、作業者が刃部131aの交換のタイミングを容易に認識することができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、目印部14および刃部131aを基板認識カメラ43により撮像して、撮像した画像に基づいて、刃部131aの寿命を確認するように構成する。これにより、制御部8により、基板認識カメラ43による目印部14および刃部131aの撮像により刃部131aの寿命を自動的に確認するので、作業者が目視により目印部14を確認する必要がない。これにより、作業者の作業負担が増大するのを抑制しながら、刃部131aの寿命を確認することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、刃部131aの寿命であると判断した場合に、刃部131aの交換を促す通知を行うように構成する。これにより、制御部8からの刃部131aの交換の通知により、作業者が刃部131aの交換のタイミングを容易に認識することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、制御部8を、部品供給装置10のテープ送り部12a、12bによるテープ32の送り回数、部品供給装置10のテープ送り部12a、12bによるテープ32の送り距離、および、実装ヘッド42によるテープ32からの部品31の吸着のミス、のうち少なくとも1つに基づいて、基板認識カメラ43により目印部14を撮像する制御を行うように構成する。これにより、基板認識カメラ43により目印部14を撮像する回数が過度に多くなるのを抑制することができるので、基板認識カメラ43による目印部14の撮像に起因して、部品実装作業の時間が増大するのを抑制することができる。
【0077】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0078】
たとえば、上記実施形態では、刃部の上面に目印部が配置されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図9に示す変形例のように、カバーテープガイド131bの上面に目印部14aを配置してもよい。これにより、カバーテープ322の下側に刃部131aを挿入してカバーテープ322を切断している場合でも、刃部131aに目印部14を設ける場合と異なり、カバーテープ322により目印部14aが覆われることがないので、目印部14aを上方から確実に確認することができる。
【0079】
また、上記実施形態では、刃部の幅方向に延びる直線状に目印部が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、刃部の長手方向(テープの送り方向)に線状に延びるように目印部を設けてもよい。たとえば、刃部の稜線に沿って目印部を設け、刃部の鈍りとともに目印部が消えていくことにより、刃部の状態を確認するようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、刃部によりカバーテープを幅方向の両側に切り開く構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、刃部によりカバーテープを幅方向における一方端側の位置で切断し、片側に切り開く構成でもよい。
【0081】
また、本発明では、カバーテープとキャリアテープとの間に露出部に設けられた刃部を挿入し、刃部によりカバーテープの接着剤を切断し、カバーテープを幅方向の片側に切り開いてキャリアテープから剥がす構成でもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、部品供給位置に部品供給装置が配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給位置に部品供給装置に加えて部品を載置したトレイなどを配置してもよい。
【符号の説明】
【0083】
4 ヘッドユニット
8 制御部
10 部品供給装置
12a、12b テープ送り部
14、14a 目印部
15 検査部
31 部品
32 テープ
42 実装ヘッド
43 基板認識カメラ(部品撮像部)
100 部品実装装置
131a 刃部
321a 収納部
322 カバーテープ
P 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9