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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】電動車両用懸架装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 9/04 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
B60G9/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019217195
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021084603
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(74)【代理人】
【識別番号】100111143
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 枝里
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真樹
(72)【発明者】
【氏名】ハリハラン チョッカリンガム
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-025440(JP,A)
【文献】特開2018-155311(JP,A)
【文献】特開平09-111892(JP,A)
【文献】特開2019-010970(JP,A)
【文献】特開2013-071496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00 - 99/00
F16B 5/00 - 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたモータの駆動力が伝達される動力伝達機構と、前記動力伝達機構に伝達された前記駆動力を一対の車輪にそれぞれ伝達する一対のドライブシャフトと、を備える電動車両用懸架装置であって、
前記車両の車体を懸架する弾性体に接続され、前記一対のドライブシャフトの一部を内部空間にそれぞれ収容する一対の中空部材と、
前記一対の中空部材とボルト締結により接合するビーム部材と、
を含み、
前記中空部材の側面である中空部材接合部と前記ビーム部材の端部の側面であるビーム部材接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と係合する埋没部が形成され
前記突出部及び前記埋没部は、車両側方視における断面形状が矩形断面形状である電動車両用懸架装置。
【請求項2】
車両に搭載されたモータの駆動力が伝達される動力伝達機構と、前記動力伝達機構に伝達された前記駆動力を一対の車輪にそれぞれ伝達する一対のドライブシャフトと、を備える電動車両用懸架装置であって、
前記車両の車体を懸架する弾性体に接続され、前記一対のドライブシャフトの一部を内部空間にそれぞれ収容する一対の中空部材と、
前記一対の中空部材とボルト締結により接合するビーム部材と、
を含み、
前記中空部材の側面である中空部材接合部と前記ビーム部材の端部の側面であるビーム部材接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と係合する埋没部が形成され、
前記突出部及び前記埋没部は、車両側方視における断面形状が台形断面形状である電動車両用懸架装置。
【請求項3】
車両に搭載されたモータの駆動力が伝達される動力伝達機構と、前記動力伝達機構に伝達された前記駆動力を一対の車輪にそれぞれ伝達する一対のドライブシャフトと、を備える電動車両用懸架装置であって、
前記車両の車体を懸架する弾性体に接続され、前記一対のドライブシャフトの一部を内部空間にそれぞれ収容する一対の中空部材と、
前記一対の中空部材とボルト締結により接合するビーム部材と、
を含み、
前記中空部材の側面である中空部材接合部と前記ビーム部材の端部の側面であるビーム部材接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と係合する埋没部が形成され、
前記突出部は、突出部形状の長手方向が車両の車両幅方向に延びるように形成され、
前記埋没部は、埋没部形状の長手方向が車両の車両幅方向に延びるように形成される電動車両用懸架装置。
【請求項4】
車両に搭載されたモータの駆動力が伝達される動力伝達機構と、前記動力伝達機構に伝達された前記駆動力を一対の車輪にそれぞれ伝達する一対のドライブシャフトと、を備える電動車両用懸架装置であって、
前記車両の車体を懸架する弾性体に接続され、前記一対のドライブシャフトの一部を内部空間にそれぞれ収容する一対の中空部材と、
前記一対の中空部材とボルト締結により接合するビーム部材と、
を含み、
前記中空部材の側面である中空部材接合部と前記ビーム部材の端部の側面であるビーム部材接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と係合する埋没部が形成され、
前記ビーム部材と前記中空部材を接合するための複数のボルトは、第1の車高位置において車両幅方向に沿って所定間隔で配置される複数の第1ボルト締結部群と、前記第1の車高位置よりも高い第2の車高位置において車両幅方向に沿って所定間隔で配置される複数の第2ボルト締結部群と、前記第1の車高位置と前記第2の車高位置の間の第3の車高位置において車両幅方向に沿って所定間隔で配置される複数の第3ボルト締結部群と、を備え、前記第3ボルト締結部群は、前記突出部及び前記埋没部を通るように配置される電動車両用懸架装置。
【請求項5】
車両に搭載されたモータの駆動力が伝達される動力伝達機構と、前記動力伝達機構に伝達された前記駆動力を一対の車輪にそれぞれ伝達する一対のドライブシャフトと、を備える電動車両用懸架装置であって、
前記車両の車体を懸架する弾性体に接続され、前記一対のドライブシャフトの一部を内部空間にそれぞれ収容する一対の中空部材と、
前記一対の中空部材とボルト締結により接合するビーム部材と、
を含み、
前記中空部材の側面である中空部材接合部と前記ビーム部材の端部の側面であるビーム部材接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と係合する埋没部が形成され、
前記ビーム部材は、前記一対の中空部材にそれぞれ接合する一対のアクスル端部と、前記一対のアクスル端部からそれぞれ車両後方内側に延在する一対の延在部と、前記一対の延在部を連結する連結部と、が所定幅を有する板状の一体の鍛造物として形成されることにより前記一対の車輪を支持する電動車両用懸架装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記中空部材の側面に形成される請求項1からのいずれか一項に記載の電動車両用懸架装置。
【請求項7】
前記第1ボルト締結部群と前記第2ボルト締結部群は、車両幅方向において同じ位置に配置され、前記第3ボルト締結部群は、車両幅方向において前記第1ボルト締結部群と前記第2ボルト締結部群との間に位置に配置され、前記複数のボルト締結部のうち最も前記車両の前記車輪側のボルト締結部は、前記第3ボルト締結部群を構成するボルト締結部である請求項に記載の電動車両用懸架装置。
【請求項8】
前記ビーム部材と前記中空部材を接合するためのボルトは、前記第2ボルト締結部群に属するボルトの径が、前記第1ボルト締結部群及び前記第2ボルト締結部群に属するボルトの径よりも大きい請求項又は7に記載の電動車両用懸架装置。
【請求項9】
前記延在部と前記連結部の境界領域においては、車両高さ方向の下方側に、前記所定幅よりも幅が大きい肉厚部が設けられ、前記肉厚部には、懸架装置関連部品の支持部が設けられる請求項に記載の電動車両用懸架装置。
【請求項10】
前記連結部は、車両幅方向において延在し、かつ、前記所定幅よりも幅が小さい肉薄部と、前記肉薄部よりも車両高さ方向の上方である上方連結部と、前記肉薄部よりも車両高さ方向の下方である下方連結部と、からなり、前記上方連結部の車両高さ方向の幅は前記下方連結部の車両高さ方向の幅よりも小さい請求項又はに記載の電動車両用懸架装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両用懸架装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、乗用車の分野においては、電気自動車の懸架装置として、例えばドディオン式懸架装置を用いることが知られている(例えば特許文献1参照)。このような懸架装置を適用することによってバネ下の重量を車軸式より軽くできることから、車両の操縦安定性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-25440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、環境負荷低減の観点から、トラック等の商用車の分野においても内燃機関を備えない電動トラック等の電動商用車の開発が行われている。しかしながら、このような電動商用車は、乗用車と比して車両重量が大きく、特に貨物積載時には車両重量がより増大する。よって、懸架装置に非常に大きな入力が生じることから、乗用車用の懸架装置に比して、より高い信頼性が要求される。
【0005】
このような懸架装置のリジッドアクスルタイプとして、一対のサドルをアクスルビームで連結するドディオン式懸架装置が知られているが、ドディオン式懸架装置においても、製造コスト低減の要求が高い。このような懸架装置を構成するサドルとアクスルビームを、溶接等を行わずに部材一体化し鍛造等で製造すると信頼性は向上するが、様々な車格が存在する電動商用車においては、製造コストが著しく上昇する。
【0006】
製造コスト低減を目的として、サドルとアクスルビームとを別体で製造し、これらをボルト締結することが考えられる。しかしながら、サドルとアクスルビームをボルト締結する場合、その接合部には非常に大きな入力が生じることから、接合面の信頼性を担保することが難しい。
【0007】
加えて、サドルとアクスルビームの接合面は、左右のサドルでずれが生じると不具合となることから、信頼性確保のために接合面においては高い位置合わせ精度が要求される。これにより、製造上の作業効率が悪化する虞もある。
【0008】
本発明はこのような問題の少なくとも一部を解決するためになされたもので、その目的とするところは、より信頼性および製造効率を向上させることができる電動商用車用等の電動車両用懸架装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
【0010】
(1)本適用例に係る電動車両用懸架装置は、車両に搭載されたモータの駆動力が伝達される動力伝達機構と、前記動力伝達機構に伝達された前記駆動力を一対の車輪にそれぞれ伝達する一対のドライブシャフトと、を備える電動車両用懸架装置であって、前記車両の車体を懸架する弾性体に接続され、前記一対のドライブシャフトの一部を内部空間にそれぞれ収容する一対の中空部材と、前記一対の中空部材とボルト締結により接合するビーム部材と、を含み、前記中空部材の側面である中空部材接合部と前記ビーム部材の端部の側面であるビーム部材接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には前記突出部と係合する埋没部が形成される。
【0011】
このように、中空部材接合部およびビーム部材端接合部の少なくとも一方には突出部が形成され、他方には突出部と係合する埋没部が形成されることにより、中空部材とビーム部材の接合部の強度を高めることができるため、懸架装置の信頼性を向上させることができる。また、中空部材とビーム部材の接合における位置精度を高めることができる。これにより製造工程におけるアクスルビームとサドルとの位置合わせが容易になることから、製造効率を向上させることができる。
【0012】
(2)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(1)において、前記突出部及び前記埋没部は、車両側方視における断面形状が矩形断面形状であってもよい。これにより、突出部と埋没部を精度よく係合可能に製造することを実現し、また、接合部の曲げ応力に対する強度を高めることができる。
【0013】
(3)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(1)において、前記突出部及び前記埋没部は、車両側方視における断面形状が台形断面形状であってもよい。これにより、突出部と埋没部の接触面積を増加させ、接合強度の信頼性を高めることができる。
【0014】
(4)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記突出部は、突出部形状の長手方向が車両の車両幅方向に延びるように形成され、前記埋没部は、埋没部形状の長手方向が車両の車両幅方向に延びるように形成されてもよい。これにより、中空部材とビーム部材を接合する際に、突出部と埋没部をガイドとして利用することで、かみ合わせながらスライドさせ、位置合わせを行いやすくすることができる。これにより、製造工程におけるアクスルビームとサドルとの位置合わせがより容易になることから、製造効率を更に向上させることができる。さらに、接合部の上下方向(重力方向)の曲げ応力に対する強度を高めることができる。したがって、懸架装置の信頼性を更に向上させることができる。
【0015】
(5)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記突出部は、前記中空部材の側面に形成されてもよい。これにより、中空部材の肉厚を確保することができる。そのため、中空部材の大きさを大きくすることなく、弾性体を接続する際のU字ボルト等を挿通するための貫通穴を構成することができる。
【0016】
(6)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記ビーム部材と前記中空部材を接合するための複数のボルトは、第1の車高位置において車両幅方向に沿って所定間隔で配置される複数の第1ボルト締結部群と、前記第1の車高位置よりも高い第2の車高位置において車両幅方向に沿って所定間隔で配置される複数の第2ボルト締結部群と、前記第1の車高位置と前記第2の車高位置の間の第3の車高位置において車両幅方向に沿って所定間隔で配置される複数の第3ボルト締結部群と、を備え、前記第3ボルト締結部群は、前記突出部及び前記埋没部を通るように配置されてもよい。
【0017】
(7)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(6)において、前記第1ボルト締結部群と前記第2ボルト締結部群は、車両幅方向において同じ位置に配置され、前記第3ボルト締結部群は、車両幅方向において前記第1ボルト締結部群と前記第2ボルト締結部群との間に位置に配置され、前記複数のボルト締結部のうち最も前記車両の前記車輪側のボルト締結部は、前記第3ボルト締結部群を構成するボルト締結部であってもよい。これにより、ビーム部材と中空部材の接合部の接合面圧を均一化することができる。また、前記第3の車高位置の穴が、車両幅方向において最も外側、すなわち車輪側に配置されるため、車輪側に発生する応力に対する強度を高めることができる。
【0018】
(8)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(6)又は(7)において、前記ビーム部材と前記中空部材を接合するためのボルトは、前記第2ボルト締結部群に属するボルトの径が、前記第1ボルト締結部群及び前記第2ボルト締結部群に属するボルトの径よりも大きくてもよい。ボルトの本数の少ない第3の車高位置に径の大きいボルトを用いることで、締め付けトルクを向上させ、接合部全体の接合面圧を均一にすることができる。
【0019】
(9)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(1)乃至(8)のいずれかにおいて、前記ビーム部材は、前記一対の中空部材にそれぞれ接合する一対のアクスル端部と、前記一対のアクスル端部からそれぞれ車両後方内側に延在する一対の延在部と、前記一対の延在部を連結する連結部と、が所定幅を有する板状の一体の鍛造物として形成されることにより前記一対の車輪を支持してもよい。
(10)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(9)において、前記ビーム部材は、前記一対の中空部材にそれぞれ接合する一対のアクスル端部と、前記一対のアクスル端部からそれぞれ車両後方内側に延在する一対の延在部と、前記一対の延在部を連結する連結部と、が所定幅を有する板状の一体の鍛造物として形成されることにより前記一対の車輪を支持し、前記延在部と前記連結部の境界領域においては、車両高さ方向の下方側に、前記所定幅よりも幅が大きい肉厚部が設けられ、前記肉厚部には、懸架装置関連部品の支持部が設けられてもよい。このように、アクスルビームの延在部と連結部の境界領域においては、車両の車高方向下方側に、所定幅よりも幅が大きい肉厚部が設けられ、肉厚部には、懸架装置関連部品の支持部が設けられることにより、肉厚部によりアクスルビームの強度を高め信頼性を向上させることができる。また、肉厚部にショックアブソーバ等の懸架装置関連部品の支持部を設けることで、懸架装置関連部品の搭載性を確保して設計自由度を担保することができる。
【0020】
(11)また、本適用例に係る電動車両用懸架装置は、上記(9)又は(10)において、前記連結部は、車両幅方向において延在し、かつ、前記所定幅よりも幅が小さい肉薄部と、前記肉薄部よりも車両高さ方向の上方である上方連結部と、前記肉薄部よりも車両高さ方向の下方である下方連結部と、からなり、前記上方連結部の車両高さ方向の幅は前記下方連結部の車両高さ方向の幅よりも小さくてもよい。そのため、肉薄部によりアクスルビーム全体の軽量化を図ることができる。また、下方連結部の幅よりも上方連結部の幅を小さくする、すなわち上方連結部の幅よりも下方連結部の幅sを大きくすることにより、アクスルビーム31に入力される曲げ応力に対して強度を確保することができるため、より信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る懸架装置の概略を示す上視図(a)及び側視図(b)である。
図2】懸架装置を構成するアクスルビームを示す斜視図である。
図3】アクスルビームとサドルを示す斜視図である。
図4】アクスルビームとサドルが接合したアクスル構造体を示す斜視図である。
図5】アクスルビームの端部とサドルの接合状態を示す部分正面図と平均面圧を示すグラフ(a)及び、比較例に係る部分正面図及び平均面圧を示すグラフ(b)である。
図6図4のアクスルビームの端部とサドルを示すC-C断面の端部のみを示す断面図である。
図7図2のアクスルビームの延在部のB-B断面の端面のみを示す断面図である。
図8図4のアクスルビームの連結部のD-D断面の端面のみを示す断面図である。
図9図4のアクスルビームの端部とサドルのバリエーションを示すC-C断面の端部のみを示す断面図である。
図10図4のアクスルビームの連結部のバリエーションに係るD-D断面の端面のみを示す断面図である。
図11図4のアクスルビームの連結部の他のバリエーションに係るD-D断面の端面のみを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る懸架装置の概略を示す上視図(a)及び側視図(b)である。なお図1(b)の側視図は、図1(a)のA-A線に沿った断面を一部簡略化して示している。この懸架装置1は、ドディオン式懸架装置であり、例えば、電動トラック等の電動商用車(以下、車両)の後部に設けられるリヤアクスルである。
【0023】
車両には走行駆動源としてのモータ2が搭載され、モータ2の駆動力は、複数の減速ギアからなる減速機と当該減速機に連結されるディファレンシャルギアを含む動力伝達機構4、一対のドライブシャフト6L、6Rを順に介して左右の車輪8L、8Rにそれぞれ伝達される。車輪8L、8Rは、懸架装置1を介して車両前後方向Yに亘って延設されるサイドレール(車体)10L、10Rに支持されている。また、モータ2及びディファレンシャルギアを含む動力伝達機構4は図示しない車体側に支持される。これら部材は、例えば、フレームのクロスメンバや、サイドレール10L、10Rを介して車体側に支持されることができる。
【0024】
懸架装置1は、一対のスピンドル12L、12R、一対のサドル(中空部材)41L、41R、一対のリーフスプリング(弾性体)16L、16R、及びアクスルビーム(ビーム部材)31等から構成されている。スピンドル12L、12Rは、車両幅方向Xの両端に設けられる一対の部材である。
【0025】
ハブ20L、20Rはスピンドル12L、12Rの車両外側における端部に連結され、これらハブ20L、20Rに車輪8L、8R内に設けられた図示しないホイールが取り付けられる。
【0026】
各ドライブシャフト6L、6Rの車両幅方向Xの車両内側に位置する内端はフレキシブルジョイント22L、22Rからなり、動力伝達機構4のギアに接続される。また、フレキシブルジョイント22L、22Rの一部は、ブーツ24L、24Rにより覆われる。
【0027】
サドル41L、41Rは、各スピンドル12L、12Rの車両幅方向Xの内端に接合される一対の中空部材である。各サドル41L、41Rは、スピンドル12L、12Rと内部が連通され、各ドライブシャフト6L、6Rが内部空間に収容される。各サドル41L、41Rは、リーフスプリング16L、16Rと、U字ボルトにより連結されている。
【0028】
リーフスプリング16L、16Rは、車両前後方向Yに延設され、各サイドレール10L、10Rに接続されること(不図示)により車体を弾性的に支持している。
【0029】
アクスルビーム31は、各サドル41L、41Rに接続される部材であって、各スピンドル12L、12R、各サドル41L、41Rと接合され、アクスル構造体30を形成している。アクスルビーム31は、ショックアブソーバ14L、14Rを介してサイドレール10L、10Rに支持され、アクスル構造体30の剛性を確保しながら各車輪8L、8Rを支持している。アクスルビーム31は、肉厚部38L、38Rでショックアブソーバ14L、14Rと接続される。
【0030】
このように、上述した懸架装置1は、各リーフスプリング16L、16Rがバネ下においてアクスル構造体30、各ドライブシャフト6L、6R、及び各車輪8L、8Rを懸架し、弾性的に支持している。
【0031】
なお、本実施形態においては、サドル41L、41Rの上面の座面においてリーフスプリング16L、16Rと連結する形態を用いて説明するが、本発明はこれに限定されず、サドル41L、41Rの下面の座面においてリーフスプリング16L、16Rと連結する形態に適用することができる。また、弾性体として、リーフスプリング16L、16Rに変えてエアスプリングを用いても構わない。
【0032】
図2は、懸架装置1を構成するアクスルビーム31を示す斜視図である。アクスルビーム31は、車両幅方向Xに延設される連結部32と、連結部32から車両幅方向X及び車両前後方向Y、すなわち車両後方内側に延設される一対の延在部33L、33Rと、延在部33L、33Rから車両幅方向Xに延設される一対のアクスル端部34L、34Rが所定幅を有する板状の一体の鍛造物として形成される部材である。
【0033】
アクスル端部34L、34Rは、サドル41L、41Rと接合されるアクスル側接合部(ビーム部材接合部)35L、35Rを有する。アクスル側接合部35L、35Rは、車両高さ方向Zの中央の領域に埋没部が形成されている。埋没部は、長手方向が車両幅方向Xに延設されるスリットとして形成される。
【0034】
またアクスル端部34L、34Rは、それぞれ、ボルトを挿通するための複数の貫通穴36aL~36hL、36aR~36hR及び、位置決め用のノックピン(不図示)を挿入するための貫通穴37L、37Rが形成されている。複数の貫通穴36aL~36hL、36aR~36hRは、車両高さ方向に第1の車高位置と第2の車高位置と第3の車高位置の3列となるように形成される。第1の車高位置には車両幅方向Xに沿って所定間隔で配置される貫通穴36aL~36cL、36aR~36cR、第2の車高位置には車両幅方向Xに沿って所定間隔で配置される貫通穴36dL~36fL、36dR~36fR、第3の車高位置には車両幅方向Xに沿って所定間隔で配置される貫通穴36gL、36hL、36gR、36hRが形成される。第2の車高位置は、第1の車高位置よりも車両高さ方向Zに対して高い位置であり、第3の車高位置は、第1の車高位置と第2の車高位置の間の位置である。第3の車高位置に配置される貫通穴36gL、36hL、37L及び貫通穴36gR、36hR、37Rは、埋没部を貫通するように形成されている。また、第3の車高位置の貫通穴36hL、36dRは、複数の貫通穴のうち最も車両の各車輪8L、8R側に配置されて形成される。貫通穴36gL、36hLの穴径は、貫通穴36aL~36cL、36dL~36fLの穴径よりも大きく、貫通穴36gL、36hLを挿通するボルトは、貫通穴36aL~36cL、36dL~36fLを挿通するボルトよりも太い径のものを使用することができる。同様に、貫通穴36gR、36hRの穴径は、貫通穴36aR~36cR、36dR~36fRの穴径よりも大きく、貫通穴36gR、36hRを挿通するボルトは、貫通穴36aR~36cR、36dR~36fRを挿通するボルトよりも太い径のものを使用することができる。
【0035】
さらに、アクスル端部34Lに形成される貫通穴36aL~36hLは、第1の車高位置に配置される貫通穴36aL~36cLと第2の車高位置に配置される貫通穴36dL~36fLはそれぞれ車両幅方向Xに同じ位置に形成されている。しかし、第3の車高位置に配置される貫通穴36gL、36hLは、オフセットした位置に形成されている。同様に、アクスル端部34Rに形成される貫通穴36aR~36hRは、第1の車高位置に配置される貫通穴36aR~36cRと第2の車高位置に配置される貫通穴36dR~36fRはそれぞれ車両幅方向Xに同じ位置に形成されている。しかし、第3の車高位置に配置される貫通穴36gR、36hRは、オフセットした位置に形成されている。
【0036】
また、延在部33L、33Rは、車両高さ方向Zの下方の領域であって連結部32との境界領域にまたがるように、肉厚部38L、38Rが形成されている。肉厚部38L、38Rには、ショックアブソーバ14L、14Rを係止するためのボルトを螺合させるためのボルト穴39L、39Rが形成されている。
【0037】
図3は、懸架装置1を構成するアクスルビーム31及びサドル41L、41Rを示す斜視図である。サドル41L、41Rは、アクスルビーム31のアクスル側接合部35L、35Rと接合されるサドル側接合部(中空部材接合部)42L、42Rを有する。サドル側接合部42L、42Rは、車両高さ方向Zの中央の領域に突出部が形成されている。突出部は、長手方向が車両幅方向Xに延設される突起部として形成される。
【0038】
サドル側接合部42L、42Rは、それぞれ、アクスル側接合部35L、35Rに対応する位置に、ボルトを螺合するための穴43aL~43hL、43aR~43hR及び、位置決め用のノックピン(不図示)を挿入するための穴44L、44Rが形成されている。穴43gL、43hL、44L及び穴43gR、43hR、44Rは、サドル側接合部42L、42Rの突出部を通るように形成されている。また、サドル41L、41Rは、リーフスプリング16L、16Rを連結するためのU字ボルトを挿通するための貫通穴45aL~45dL、45aR~45dRがサドル41L、41Rの上下面を貫通するように形成されている。
【0039】
図4は、アクスルビーム31とサドル41L、41Rが接合したアクスル構造体30を示す斜視図である。アクスル構造体30は、アクスルビーム31のアクスル側接合部35L、35Rと、サドル41L、41Rのサドル側接合部42L、42Rが、それぞれに形成されている突出部と埋没部が係合するようにボルト51aL~51hL、51aR、51hRにより係止されることで接合されて構成される。すなわち、アクスル側接合部35L、35Rと、サドル側接合部42L、42Rの接触部が接合部となる。さらに、図2で説明したように、アクスル端部34Lに形成される貫通穴36aL~36cLと貫通穴36dL~36fLが、それぞれ車両幅方向Xに同じ位置に形成されているが、貫通穴36gL、36hLは、それに対してオフセットした位置に形成されている。そのため、ボルトの位置は、第1ボルト締結部群52aLに属するボルト51aL~51cL、第2ボルト締結部群52bLに属するボルト51dL~51fLは、車両幅方向Xにおいて同じ位置に配置される。また、第3ボルト締結部群52cLに属する51gLは、第1ボルト締結部群52aLに属するボルト、第2ボルト締結部群52bLに属するボルトに対して最も車輪8L側に配置される。同様に、第1ボルト締結部群52aRに属するボルト51aR~51cR、第2ボルト締結部群52bRに属するボルト51dR~51fRは、車両幅方向Xにおいて同じ位置に配置される。また、第3ボルト締結部群52cRに属する51gRは、第1ボルト締結部群52aRに属するボルト、第2ボルト締結部群52bRに属するボルトに対して最も車輪8R側に配置される。すなわち、ボルト51aL~51hL、51aR~51hRは非格子上に配置されることになる。また、図2で説明したように、第3の車高位置の貫通穴36gL、36gRは、他の貫通穴に対して、アクスルビーム31の車両幅方向Xにおいて最も外側に配置されて形成される。そのため、ボルト51gL、51gRは、他のボルトに対して車両幅方向Xにおいて最も外側、すなわちそれぞれ車輪8L、8R側に配置されるため、車輪側に発生する応力に対する強度を高めることができる。
【0040】
図5(a)はアクスル端部34Rとサドル41Rの接合状態を示す部分正面図と、アクスル側接合部35Rとサドル側接合部42Rの接合面に係る平均面圧を示すグラフを示している。グラフは横軸に車両幅方向Xの位置を、縦軸に、X方向位置における接合面の平均面圧を示している。図5(b)は比較例に係るアクスル端部34R‘とサドル41R’の接合状態を示す部分正面図と、アクスル側接合面35R‘とサドル側接合面42R’の接合面に係る平均面圧を示すグラフを示している。
【0041】
図5(a)では、第1ボルト締結部群52aRに属するボルト51aR~51cR、第2ボルト締結部群52bRに属するボルト51dR~51fRは、車両幅方向Xにおいて同じ位置に配置される。また、第3ボルト締結部群52cRに属する51gR、51hRは、第1ボルト締結部群52aRに属するボルト、第2ボルト締結部群52bRに属するボルトと車両幅方向Xにおいてオフセットして配置されている。これに対して比較例の図5(b)では、第1ボルト締結部群52aR‘に属するボルト51aR’、51cR‘、第2ボルト締結部群52bR’に属するボルト51dR‘、51fR’は、第3ボルト締結部群52cR‘に属する51gR’、51hR‘と車両幅方向Xにおいて同じ位置に配置される。
【0042】
ここで、図5(a)の本実施形態に係るグラフと図5(b)の比較例に係るグラフを比較すると、本実施形態に係るグラフは、比較例のグラフに比較して平均面圧の変動が少ない。すなわち、本実施形態に係るボルト締結部群の配置は、接合部全体の接合面圧を均一にすることができる。
【0043】
さらに、ボルトの種類は、例えば、第1ボルト締結部群52aLに属するボルト51aL~51cL、第2ボルト締結部群52bLに属するボルトR51dL~51fL、第1ボルト締結部群52aRに属するボルト51aR~51cRと、第2ボルト締結部群52bRに属するボルト51dR~51fRはM18であり、第3ボルト締結部群52cLに属するボルト51gL、51hL、第3ボルト締結部群52cRに属するボルト51gR、51hRはM20を用いることができる。すなわち、第1ボルト締結部群52aL、52aR及び第2ボルト締結部群52bL、52bRで用いるボルトよりも第3ボルト締結部群52cL、52cRで用いるボルトの径を大きいものとすることができる。ボルトの本数の少ない第3ボルト締結部群52cL、52cRに径の大きいボルトを用いることで、締め付けトルクを向上させ、接合部全体の接合面圧を均一にすることができる。これにより、アクスルビーム31とサドル41L、41Rの接合面におけるスリップを抑制することができ、接合部の強度を高めることができる。
【0044】
図6は、図4のC-C断面を示す、アクスル端部34Lとサドル41Lを示す断面図である。アクスル端部34Lのアクスル側接合部35Lに形成される埋没部は、車両側方視における断面形状が矩形断面形状である。それに係合するサドル41Lのサドル側接合部42Lに形成される凸形状である突出部も、車両側方視における断面形状が矩形断面形状である。これにより、突出部と埋没部を精度よく係合可能に製造することを実現し、また、接合部の曲げ応力に対する強度を高めることができる。
【0045】
図7は、図2のアクスルビーム31の延在部33LのB-B断面の端面のみを示す断面図である。延在部33Lは、所定幅mであり、肉厚部38Lは、その最大の幅(厚み)nは、mよりも大きい。また、肉厚部38Lには、支持部であるボルト穴39Lが形成されている。さらに、肉厚部38Lは、図2で示すように延在部33Lと連結部32の境界領域において車両高さ方向Zの下方側に形成されている。そのため、延在部33Lと連結部32の間にかかる剪断応力や曲げ応力に対する強度を高めることができる。そのため、延在部33L,33Rと連結部32の境界領域においては、車両高さ方向Zの下方側に、所定幅mよりも幅が大きい幅(厚み)nの肉厚部38L、38Rが設けられ、肉厚部によりアクスルビームの強度を高め信頼性を向上させることができる。また、肉厚部38L,38Rには、ショックアブソーバ14L、14Rのような懸架装置関連部品を係止するためのボルト穴(支持部)39L、39Rが設けられることにより、懸架装置関連部品の搭載性を確保して設計自由度を担保することができる。
【0046】
図8は、図4のアクスルビーム31の連結部32のD-D断面の端面のみを示す断面図である。連結部32は、基本肉厚が所定の厚みpであり、部分的にqの厚みの肉薄部32aが形成されている。肉薄部32aは、連結部32の両面が埋没する形状として形成される。肉薄部32aよりも車両高さ方向Zの上方は上方連結部32b、肉薄部32aよりも車両高さ方向Zの下方は下方連結部32cである。上方連結部32bの車両高さ方向Zの幅をrとし、下方連結部32cの車両高さ方向Zの幅をsとすると、sはrよりも小さい。
【0047】
このような構成により、肉薄部32aによりアクスルビーム31全体の軽量化を図ることができる。また、下方連結部32cの幅sよりも上方連結部32bの幅rを小さくする、すなわち上方連結部32bの幅rよりも下方連結部32cの幅s大きくすることにより、アクスルビーム31に入力される曲げ応力に対して強度を確保することができるため、より信頼性を向上させることができる。
【0048】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る電動車両用懸架装置によれば、サドル側接合部(中空部材接合部)42L、42Rに突出部が形成され、他方であるおよびアクスル側接合部(ビーム部材端接合部)35L、35Rに突出部と係合する埋没部が形成されることにより、サドル(中空部材)41L、41Rとアクスルビーム(ビーム部材)31の接合部の強度を高めることができるため、懸架装置の信頼性を向上させることができる。また、サドル41L、41Rとアクスルビーム31の接合における位置精度を高めることができる。これにより製造工程におけるアクスルビームとサドルとの位置合わせが容易になることから、製造効率を向上させることができる。
【0049】
また、アクスル側接合部35L、35Rに形成される突出部は、突出部形状の長手方向が車両の車両幅方向Xに延びるように形成され、また、サドル側接合部42L,42Rに形成される埋没部は、埋没部形状の長手方向が車両の車両幅方向Xに延びるように形成されている。そのため、サドル41L、41Rとアクスルビーム31を接合する際に、突出部と埋没部をガイドとして利用することで、かみ合わせながらスライドさせ、位置合わせを行いやすくすることができる。さらに、接合部の上下方向(重力方向、車両高さ方向Z)の剪断応力や、曲げ応力に対する強度を高めることができる。
【0050】
以上で本発明に係る懸架装置1の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
【0051】
上記実施形態において、突出部、埋没部は矩形断面形状として説明したが、その形状に限られるものではない。図9は、図4のアクスル端部34Lとサドル41Lのバリエーションを示すC-C断面の端部のみを示す断面図である。アクスル端部34Lのアクスル側接合部35Lに形成される埋没部は、車両側方視における断面形状が台形断面形状である。それに係合する、サドル41Lのサドル側接合部42Lに形成される凸形状も、断面形状が台形断面形状である。これにより、これにより、突出部と埋没部の接触面積を増加させ、接合強度の信頼性を高めることができる。
【0052】
また、埋没部をサドル側接合部42L、42Rに形成し、突出部をアクスル側接合部35L、35Rに形成しても構わない。
【0053】
また、アクスルビーム31と、サドル41L、41Rを締結するボルトの本数や配置は適宜変更して構わない。
【0054】
また、突出部は、長手方向が車両高さ方向Zに延設される突起部として形成され、埋没部は、長手方向が車両高さ方向Zに延設されるスリットとして形成されても構わない。
【0055】
また、図10は、図4のアクスルビーム31の連結部32のバリエーションに係るD-D断面の端面のみを示す断面図である。図10に示すように、連結部32は、肉薄部32aは、連結部32の車両前後方向Yの車両前方側の面が埋没する形状として形成されてもよい。
【0056】
また、図11は、図4のアクスルビーム31の連結部32の他のバリエーションに係るD-D断面の端面のみを示す断面図である。図11に示すように、連結部32は、肉薄部32aは、連結部32の車両前後方向Yの車両後方側の面が埋没する形状として形成されてもよい。
【0057】
また、アクスルビーム31は、図で示す角断面形状に限らず、アクスル構造体30の剛性を確保可能であれば、円筒状を含む柱状断面形状であっても良い。
【0058】
また、本実施形態の懸架装置1は、電動トラック等の電動商用車に限らず、車両重量が大きい乗用車を含む電動車両に適用しても、上述した作用効果を得ることができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
1 懸架装置
2 モータ
4 動力伝達機構(ディファレンシャルギア)
6L、6R ドライブシャフト
8L、8R 車輪
10L、10R サイドレール
12L、12R スピンドル
14L、14R ショックアブソーバ
16L、16R リーフスプリング(弾性体)
20L、20R ハブ
22L、22R フレキシブルジョイント
24L、24R ブーツ
30 アクスル構造体
31 アクスルビーム(ビーム部材)
32 連結部
33L、33R 延存部
34L、34R アクスル端部
35L、35R アクスル側接合部
38L、38R 肉厚部
41L、41R サドル(中空部材)
42L、42R サドル側接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11