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  • 特許-重荷重用空気入りタイヤ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】重荷重用空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 9/18 20060101AFI20231011BHJP
   B60C 9/22 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B60C9/18 G
B60C9/18 N
B60C9/22 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019049686
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020152136
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 義明
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-196866(JP,A)
【文献】国際公開第2012/017399(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平比の呼びが65以下の重荷重用空気入りタイヤであって、
軸方向に並列した3本以上の周方向溝を有するトレッドと、
前記トレッドの径方向内側に位置し、並列した多数の金属製のベルトコードを含むベルトと、
径方向において前記トレッドと前記ベルトとの間に位置し、螺旋状に巻かれた金属製のバンドコードを含む一対のエッジバンドと
を備え、
前記3本以上の周方向溝のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝がショルダー周方向溝であり、
前記ベルトが径方向に積層された複数の層で構成され、これら層のうち、前記トレッドに近い層が第一層であり、前記第一層の径方向内側に位置する層が第二層であり、前記第二層の径方向内側に位置する層が、第三層であり、
前記第一層が最小の軸方向幅を有し、前記第三層が最大の軸方向幅を有し、
前記第二層の端部と前記第三層の端部との間にエッジ部材が構成され、
前記エッジ部材により、前記第二層の端部が前記第三層の端部から引き離して配置され、
軸方向において、前記ショルダー周方向溝が前記第一層の端と前記第二層の端との間に位置し、
前記エッジバンドが、前記第二層の端部に積層され、
軸方向において、前記エッジバンドの内端が前記第一層の端よりも外側に位置し、
軸方向において、前記エッジバンドの外端が前記ショルダー周方向溝の外側エッジよりも外側に位置し、
径方向において、前記エッジバンドが前記ショルダー周方向溝と重複し、
前記バンドコードの切断伸度が1%以上6%以下である、重荷重用空気入りタイヤ。
【請求項2】
軸方向において、前記エッジバンドの内端が前記ショルダー周方向溝の内側エッジよりも内側に位置する、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【請求項3】
軸方向において、前記エッジバンドの外端が前記第二層の端よりも内側に位置する、請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記エッジ部材の厚さが2.5mm以上5.0mm以下であり、
前記エッジ部材の厚さが、前記第三層の外面の法線に沿って計測される前記第二層の端から前記第三層までの距離で表される、請求項1からのいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤのトレッドとカーカスとの間には、ベルトやバンドが設けられる。ベルトは、複数の層で構成される。それぞれの層は、並列した多数のベルトコードを含む。ベルトコードには通常、スチールコードが用いられる。バンドは、螺旋状に巻かれたバンドコードを含む。バンドコードには、ナイロン繊維等の有機繊維からなるコードや、スチールコードが用いられる。タイヤにおいては、ベルト又はバンドの構成を調整することにより、トレッド部分の剛性がコントロールされる(例えば、下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-105084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重荷重用空気入りタイヤ(以下、タイヤ)は、トラック・バス等の車両に装着される。このタイヤの内圧は高く、このタイヤには大きな荷重が作用する。このタイヤのベルトは、トレッド部分の剛性確保の観点から、3枚又は4枚の層で構成される。
【0005】
タイヤの製造では、トレッド、サイドウォール等の部材を組み合わせて未架橋状態のタイヤ(以下、生タイヤ)が準備される。この生タイヤはモールドに投入され、内側からモールドに押し付けられる。このとき、生タイヤは周方向に引き伸ばされる。ベルトには、トレッド部分の剛性確保の観点から高い剛性を有することが求められる一方で、タイヤの成形時にはある程度の引き伸ばしが可能であることが求められる。
【0006】
車両においては、低床化とともに積載能力の向上が進められている。タイヤにおいては、低偏平化と負荷能力の向上とが求められている。
【0007】
偏平比が65以下である、低偏平なタイヤでは、走行状態においてショルダー部分が膨らみ、ショルダー陸部における接地圧が高まる傾向にある。このタイヤでは、段差摩耗や、肩落ち摩耗等の偏摩耗の発生が懸念される。偏摩耗は、タイヤの外観はもちろんのこと、タイヤの接地圧分布に変化を招来するため、走行性能や耐久性に影響する。
【0008】
例えば、タイヤの赤道におけるトレッドを厚くすれば、ショルダー陸部における接地圧の高まりを抑制できる。厚いトレッドの採用は、耐偏摩耗性の向上に貢献できる。その一方で厚いトレッドはタイヤの質量を増加させるので、転がり抵抗が増加することが懸念される。そこで、トレッド部分の剛性をコントロールして、成形性を確保しつつ、耐偏摩耗性の向上を図ることができる技術の確立が求められている。
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、成形性を確保しつつ、耐偏摩耗性の向上を図った、重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る重荷重用空気入りタイヤは、偏平比の呼びが65以下の重荷重用空気入りタイヤである。このタイヤは、軸方向に並列した3本以上の周方向溝を有するトレッドと、前記トレッドの径方向内側に位置し、並列した多数の金属製のベルトコードを含むベルトと、径方向において前記トレッドと前記ベルトとの間に位置し、螺旋状に巻かれた金属製のバンドコードを含む一対のエッジバンドとを備える。前記3本以上の周方向溝のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝がショルダー周方向溝である。前記ベルトが径方向に積層された複数の層で構成され、これら層のうち、前記トレッドに近い層が第一層であり、前記第一層の径方向内側に位置する層が第二層である。軸方向において、前記ショルダー周方向溝は前記第一層の端と前記第二層の端との間に位置する。前記エッジバンドは前記第二層の端部に積層され、軸方向において、前記エッジバンドの内端は前記第一層の端よりも外側に位置し、径方向において、前記エッジバンドは前記ショルダー周方向溝と重複する。
【0011】
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記バンドコードの切断伸度は1%以上6%以下である。
【0012】
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、軸方向において、前記エッジバンドの内端は前記ショルダー周方向溝の内側エッジよりも内側に位置する。
【0013】
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、軸方向において、前記エッジバンドの外端は前記第二層の端よりも内側に位置する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、成形性が確保されるとともに、耐偏摩耗性の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部が示された断面図である。
図2図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
【0017】
本発明においては、タイヤを正規リムに組み込み、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。本発明では、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
【0018】
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
【0019】
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
【0020】
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤ2(以下、単に「タイヤ2」と称することがある。)の一部を示す。このタイヤ2は、トラック、バス等の車両に装着される。このタイヤ2の偏平比の呼びは65以下である。このタイヤ2は、低偏平タイヤである。
【0022】
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面の一部を示す。この図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
【0023】
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード8、一対のチェーファー10、カーカス12、ベルト14、一対のクッション層16、インナーライナー18、一対のスチール補強層20及び一対のエッジバンド22を備える。
【0024】
トレッド4は、その外面において路面と接触する。この外面は、トレッド面24である。図1において符号PCは、トレッド面24と赤道面との交点である。この交点PCはタイヤ2の赤道である。両矢印Tは、この赤道PCにおけるトレッド4の厚さである。この厚さTは、赤道面に沿って計測されるベルト14の外面から赤道PCまので径方向距離により表される。
【0025】
図1において、符号PEはトレッド面24の端である。両矢印TWは、トレッド面24の幅である。この幅TWは、一方のトレッド面24の端PEから他方のトレッド面24の端PEまでの軸方向距離により表される。なお、タイヤ2において、外観上、トレッド面24の端PEが識別不能な場合には、正規状態のタイヤ2に正規荷重を負荷して、キャンバー角を0゜としタイヤ2を平面に接触させて得られる接地面の軸方向外側端がトレッド面24の端PEとして定められる。
【0026】
このトレッド4は、ベース部26と、このベース部26の径方向外側に位置するキャップ部28とを備える。ベース部26は、低発熱性の架橋ゴムからなる。キャップ部28は、耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。図1に示されるように、ベース部26はベルト14全体を覆う。キャップ部28は、ベース部26全体を覆う。
【0027】
このタイヤ2では、軸方向に並列した3本以上の周方向溝30がトレッド4に刻まれる。言い換えれば、このトレッド4は軸方向に並列した3本以上の周方向溝30を有する。これら周方向溝30は、周方向に連続して延びる。図1に示されたタイヤ2では、4本の周方向溝30がトレッド4に刻まれている。
【0028】
4本の周方向溝30のうち、軸方向において内側に位置する周方向溝30、すなわち赤道PCに近い周方向溝30がセンター周方向溝30cである。軸方向において最も外側に位置する周方向溝30、すなわち、トレッド面24の端PEに近い周方向溝30がショルダー周方向溝30sである。なお、トレッド4に刻まれた周方向溝30に、赤道PC上に位置する周方向溝が含まれる場合には、この赤道PC上に位置する周方向溝がセンター周方向溝とされる。さらにセンター周方向溝30cとショルダー周方向溝30sとの間に周方向溝が存在する場合には、この周方向溝がミドル周方向溝とされる。
【0029】
このタイヤ2では、排水性及びトラクション性能への貢献の観点から、センター周方向溝30cの軸方向幅はトレッド面24の幅TW(以下、トレッド面幅TW)の2~10%程度が好ましい。センター周方向溝30cの深さは、13~25mmが好ましい。ショルダー周方向溝30sの軸方向幅はトレッド面幅TWの1~7%程度が好ましい。ショルダー周方向溝30sの深さは、13~25mmが好ましい。
【0030】
前述したように、トレッド4には3本以上の周方向溝30が刻まれる。これにより、このトレッド4には4本以上の陸部32が構成される。これら陸部32は、軸方向に並列され、周方向に連続して延びる。図1に示されたタイヤ2では、4本の周方向溝30がトレッド4に刻まれることにより、5本の陸部32が構成されている。
【0031】
5本の陸部32のうち、軸方向において内側に位置する陸部32、すなわち赤道PC上に位置する陸部32がセンター陸部32cである。軸方向において最も外側に位置する陸部32、すなわち、トレッド面24の端PEを含む陸部32がショルダー陸部32sである。センター陸部32cとショルダー陸部32sとの間に位置する陸部32が、ミドル陸部32mである。なお、トレッド4に構成された陸部32のうち、軸方向において内側に位置する陸部が赤道PC上でなく、赤道PCの近くに位置する場合には、この赤道PCの近くに位置する陸部、すなわち赤道PC側に位置する陸部がセンター陸部とされる。
【0032】
このタイヤ2では、センター陸部32cの軸方向幅は、トレッド面幅TWの10%以上18%以下の範囲で設定される。ミドル陸部32mの軸方向幅は、トレッド面幅TWの10%以上18%以下の範囲で設定される。ショルダー陸部32sの軸方向幅は、トレッド面幅TWの15%以上25%以下の範囲で設定される。
【0033】
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端に連なる。サイドウォール6は、トレッド4の端から径方向内向きに延びる。サイドウォール6は、架橋ゴムからなる。
【0034】
それぞれのビード8は、サイドウォール6よりも径方向内側に位置する。ビード8は、コア34と、エイペックス36とを備える。
【0035】
コア34は、周方向に延びる。コア34は、巻き回されたスチール製のワイヤを含む。コア34は略六角形の断面形状を有する。
【0036】
エイペックス36は、コア34の径方向外側に位置する。エイペックス36は、内側エイペックス36uと外側エイペックス36sとを備える。内側エイペックス36uはコア34から径方向外向きに延びる。外側エイペックス36sは内側エイペックス36uよりも径方向外側に位置する。内側エイペックス36u及び外側エイペックス36sは架橋ゴムからなる。外側エイペックス36sは内側エイペックス36uに比して軟質である。
【0037】
それぞれのチェーファー10は、ビード8の軸方向外側に位置する。このチェーファー10は、サイドウォール6よりも径方向内側に位置する。チェーファー10は、リム(図示されず)と接触する。チェーファー10は、架橋ゴムからなる。
【0038】
カーカス12は、トレッド4、サイドウォール6及びチェーファー10の内側に位置する。カーカス12は、少なくとも1枚のカーカスプライ38を備える。このタイヤ2のカーカス12は、1枚のカーカスプライ38からなる。このタイヤ2では、カーカスプライ38はそれぞれのコア34の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。
【0039】
図示されないが、カーカスプライ38は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードは、トッピングゴムで覆われる。それぞれのカーカスコードは、赤道面と交差する。このタイヤ2では、カーカスコードが赤道面に対してなす角度は70°以上90°以下である。このカーカス12は、ラジアル構造を有する。このタイヤ2では、カーカスコードとしてスチールコードが用いられる。
【0040】
ベルト14は、トレッド4の径方向内側に位置する。このベルト14は、カーカス12の径方向外側に位置する。
【0041】
ベルト14は、径方向に積層された複数の層40で構成される。このタイヤ2のベルト14は、4枚の層40で構成される。このタイヤ2では、ベルト14を構成する層40の数に特に制限はない。ベルト14の構成は、タイヤ2の仕様が考慮され適宜決められる。
【0042】
図示されないが、それぞれの層40は並列した多数のベルトコードを含む。これらベルトコードはトッピングゴムで覆われる。ベルトコードは赤道面に対して傾斜する。このタイヤ2では、一の層40のベルトコードは、この一の層40に積層される他の層40のベルトコードと交差するように、ベルト14は構成される。ベルトコードは金属製である。金属製のベルトコードとしては、スチールコードが挙げられる。
【0043】
このタイヤ2では、径方向に積層された4枚の層40のうち、トレッドに近い層40が第一層40Aである。この第一層40Aの径方向内側に位置する層40が、第二層40Bである。この第二層40Bの径方向内側に位置する層40が、第三層40Cである。そして、この第三層40Cの径方向内側に位置する層40が、第四層40Dである。
【0044】
このタイヤ2では、4枚の層40のうち、径方向において最も外側に位置する第一層40Aが、最小の軸方向幅を有する。第二層40Bと第四層40Dとの間に位置する第三層40Cが最大の軸方向幅を有する。図1に示されるように、この第一層40Aの端42Aは、軸方向において、センター周方向溝30cとショルダー周方向溝30sとの間に位置する。第四層40Dの端42Dは、軸方向において、ショルダー周方向溝30sよりも外側に位置する。第二層40Bの端42Bは、軸方向において、第四層40Dの端42Dよりも外側に位置する。
【0045】
図1において、両矢印W1は第一層40Aの軸方向幅である。この軸方向幅W1は、第一層40Aの一方の端42Aから他方の端42Aまでの軸方向距離により表される。両矢印W2は、第二層40Bの軸方向幅である。この軸方向幅W2は、第二層40Bの一方の端42Bから他方の端42Bまでの軸方向距離により表される。両矢印W3は、第三層40Cの軸方向幅である。この軸方向幅W3は、第三層40Cの一方の端42Cから他方の端42Cまでの軸方向距離により表される。両矢印W4は第四層40Dの軸方向幅である。この軸方向幅W4は、第四層40Dの一方の端42Dから他方の端42Dまでの軸方向距離により表される。
【0046】
このタイヤ2では、トレッド4の部分の剛性確保の観点から、トレッド面幅TWに対する第一層40Aの軸方向幅W1の比は0.25以上が好ましく、0.65以下が好ましい。トレッド面幅TWに対する第二層40Bの軸方向幅W2の比は0.80以上が好ましく、0.90以下が好ましい。トレッド面幅TWに対する第三層40Cの軸方向幅W3の比は0.85以上が好ましく、0.95以下が好ましい。トレッド面幅TWに対する第四層40Dの軸方向幅W4の比は0.75以上が好ましく、0.85以下が好ましい。
【0047】
このタイヤ2では、第二層40Bの端42Bの部分(以下、第二層40Bの端部)及び第三層40Cの端42Cの部分(以下、第三層40Cの端部)はそれぞれゴム層44で覆われる。ゴム層44で覆われた第二層40Bの端部と第三層40Cの端部との間には、さらに2枚のゴム層44が配置される。このタイヤ2では、第二層40Bの端部と第三層40Cの端部との間に、計4枚のゴム層44からなるエッジ部材46が構成される。これにより、第二層40Bの端部は、径方向外向きに迫り上げられ、第三層40Cの端部から引き離して配置される。このエッジ部材46は架橋ゴムからなる。
【0048】
それぞれのクッション層16は、ベルト14の端の部分、すなわち、ベルト14の端部において、このベルト14とカーカス12との間に位置する。クッション層16は、架橋ゴムからなる。
【0049】
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置する。インナーライナー18は、タイヤ2の内面を構成する。このインナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
【0050】
それぞれのスチール補強層20は、ビード8の部分に位置する。スチール補強層20は、カーカスプライ38に沿って、コア34の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。
【0051】
図示されないが、スチール補強層20は並列した多数のフィラーコードを含む。スチール補強層20においてフィラーコードはトッピングゴムで覆われる。このタイヤ2では、フィラーコードとしてスチールコードが用いられる。
【0052】
図2は、図1に示された、このタイヤ2の断面の一部を示す。この図2において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。この図2の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。
【0053】
このタイヤ2では、一対のエッジバンド22は、赤道面を挟んで軸方向に離間して配置される。それぞれのエッジバンド22は、径方向において、トレッド4とベルト14との間に位置する。このタイヤ2では、エッジバンド22はベルト14の端部を覆う。
【0054】
図2に示されるように、エッジバンド22はバンドコード48を含む。バンドコード48は、トッピングゴム50で覆われる。バンドコード48は金属製である。金属製のバンドコード48としては、スチールコードが挙げられる。バンドコード48としてスチールコードを用いる場合、このスチールコードの外径は1mm以上2mm以下が好ましい。
【0055】
このタイヤ2では、バンドコード48は螺旋状に巻かれている。エッジバンド22は、螺旋状に巻かれたバンドコード48を含む。このエッジバンド22はジョイントレス構造を有する。バンドコード48が周方向に対してなす角度は、好ましくは5°以下、より好ましくは2°以下である。バンドコード48は、実質的に周方向に延びる。このタイヤ2では、螺旋状に巻かれたバンドコード48のループの外径はタイヤの外径の90%以上97%以下の範囲で設定されるのが好ましい。
【0056】
このタイヤ2では、エッジバンド22におけるバンドコード48の密度は、15エンズ/5cm以上25エンズ/5cm以下の範囲で設定される。なお、このバンドコード48の密度は、エッジバンド22の5cm幅あたりに含まれるバンドコード48の断面数により表される。
【0057】
このタイヤ2では、軸方向において、ショルダー周方向溝30sは第一層40Aの端42Aと第二層40Bの端42Bとの間に位置する。図2に示されるように、この第一層40Aの端42Aから軸方向外側に突出する第二層40Bの端部に、エッジバンド22は積層される。そして、軸方向において、エッジバンド22の内端52は第一層40Aの端42Aよりも外側に位置し、径方向において、エッジバンド22がショルダー周方向溝30sと重複するように、エッジバンド22は配置される。
【0058】
前述したように、エッジバンド22は、ジョイントレス構造を有する。このエッジバンド22は、ショルダー周方向溝30s付近における、ベルト14の端部を拘束する。このタイヤ2では、走行状態における、径方向外向きへのベルト14の端部のせり上がりが抑制されるので、ショルダー部分Sにおけるタイヤ2の外径が適切に維持される。このタイヤ2では、ショルダー陸部32sにおける局所的な接地圧の高まりが抑えられるので、段差摩耗、肩落ち摩耗等の偏摩耗が生じにくい。このエッジバンド22は、耐偏摩耗性の向上に貢献する。
【0059】
前述したように、このタイヤ2の偏平比の呼びは65以下である。このタイヤ2では、走行状態において、ベルト14の端部のせり上がりが生じやすい。しかし、前述したように、このタイヤ2では、ジョイントレス構造を有するエッジバンド22が、ショルダー周方向溝30s付近における、ベルト14の端部を拘束するので、ベルト14の端部のせり上がりが効果的に抑えられる。
【0060】
例えば、タイヤサイズが385/55R22.5であるタイヤ2について、寸法成長後のタイヤ2の接地形状が調査されている。
【0061】
寸法成長後のタイヤ2は、新品のタイヤ2をドラム試験機において80km/hの速度で1000km走行させることにより準備されている。なお、タイヤ2は正規リムに組み込まれ、内圧は正規内圧に調整されている。走行時のタイヤ2には、正規荷重の85%の荷重が付与されている。
【0062】
この調査では、接地面の輪郭形状において、タイヤの赤道面相当位置から接地面の最大半幅の70%の軸方向距離を隔てる位置での接地長さに対する、赤道面相当位置における接地長さの比により表される、指数Fと、タイヤの赤道面相当位置から接地面の最大半幅の70%の軸方向距離を隔てる位置での接地長さに対する、タイヤの赤道面相当位置から接地面の最大半幅の97%の軸方向距離を隔てる位置での接地長さの比により表される、指数Dとが、確認されている。なお、この指数F及び指数Dは、寸法成長後のタイヤ2を正規リムに組み込み、内圧を正規内圧に調整した後、タイヤ2に正規荷重を付与してこのタイヤ2を平面に接触させて得られる接地面により特定されている。
【0063】
以上の調査により、このタイヤ2では、指数Fが1.05以上1.15以下の範囲にあり、指数Dが0.95以上1.05以下の範囲にあることが確認されている。エッジバンド22が設けられていない従来のタイヤにおける指数Fは0.75以上1.05以下の範囲にあり、指数Dは1.05以上2.00以下の範囲にある。このことからも、エッジバンド22がベルト14の端部のせり上がりを効果的に抑えることは明らかである。このエッジバンド22は、特に、偏平比の呼びが65以下にあるタイヤ2において、耐偏摩耗性の向上に効果的に貢献する。
【0064】
このタイヤ2では、左右のエッジバンド22の間に、ジョイントレス構造を有するバンドは設けられない。このタイヤ2の製造において、モールド内に投入された未架橋状態のタイヤ、すなわち、生タイヤは、周方向に効果的に引き延ばされ、内側からモールドに十分に押し付けられる。生タイヤがモールド内で適切に加圧及び加熱されるので、高品質なタイヤ2が得られる。このタイヤ2の製造では、エッジバンド22の成形工程が追加されるので、タイヤ2の成形性の点で、エッジバンド22を含まない従来のタイヤよりも幾分劣る。しかし、小さな切断伸度を有するバンドコード48をエッジバンド22に採用しても、生産性への影響を最小限に抑えた、タイヤ2の製造が可能である。このタイヤ2では、良好な成形性が維持される。このタイヤ2では、成形性が確保されるとともに、耐偏摩耗性の向上が達成される。
【0065】
このタイヤ2では、耐偏摩耗性の向上のために、赤道PCにおけるトレッド4を厚くする必要はない。このタイヤ2では、耐偏摩耗性の向上のために赤道PCにおけるトレッドを厚く設定した従来のタイヤよりも、この赤道PCにおけるトレッド4の厚さTを薄く設定できる。薄いトレッド4は質量の低減に貢献する。このタイヤ2では、転がり抵抗の低減も図ることができる。
【0066】
前述したように、このタイヤ2は、エッジバンド22のバンドコード48に、小さな切断伸度を有する金属製のバンドコード48を用いることができる。このバンドコード48は、ショルダー周方向溝30s付近における、ベルト14の端部の拘束に貢献する。小さな切断伸度を有するバンドコード48を含むエッジバンド22は、特に、偏平比の呼びが65以下にあるタイヤ2において、耐偏摩耗性の向上に効果的に貢献する。この観点から、このバンドコード48の切断伸度は、6%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。バンドコード48の切断伸度が過剰に小さいと、タイヤ2の成形性に影響することが懸念される。成形性の確保の観点から、この切断伸度は1%以上が好ましく、2%以上がより好ましい。
【0067】
バンドコード48の切断伸度は、JIS G3510に規定される「スチールタイヤコード試験方法」に準拠して測定される。なお、このバンドコード48の切断伸度は、JIS G3510における「切断時全伸び」である。
【0068】
このタイヤ2では、エッジバンド22の内端52は、軸方向において、ショルダー周方向溝30sの内側エッジ54よりも内側に位置する。このタイヤ2では、径方向において、エッジバンド22はショルダー周方向溝30sと十分に重複する。このエッジバンド22とショルダー周方向溝30sとの重複がショルダー周方向溝30sにおける剛性確保に貢献するので、ベルト14の端部のせり上がりが効果的に抑えられる。このタイヤ2では、耐偏摩耗性の向上が図れる。この観点から、エッジバンド22の内端52は、軸方向において、ショルダー周方向溝30sの内側エッジ54よりも内側に位置するのが好ましい。なお、エッジバンド22が径方向においてショルダー周方向溝30sと重複していない状態とは、このエッジバンド22の内端52が、軸方向において、ショルダー周方向溝30sの外側エッジ56よりも外側に位置している状態である。
【0069】
図2において、両矢印DGは、ショルダー周方向溝30sの内側エッジ54からエッジバンド22の内端52までの軸方向距離である。
【0070】
このタイヤ2では、距離DGは3mm以上が好ましく、7mm以下が好ましい。この距離DGが3mm以上に設定されることにより、走行状態における、径方向外向きへのベルト14の端部のせり上がりをエッジバンド22が効果的に抑制する。この観点から、この距離DGは4mm以上がより好ましい。この距離DGが7mm以下に設定されることにより、エッジバンド22によるタイヤ2の成形性への影響が抑えられる。この観点から、この距離DGは6mm以下がより好ましい。
【0071】
このタイヤ2では、エッジバンド22の外端58は、軸方向において、第二層40Bの端42Bよりも内側に位置する。このタイヤ2では、第二層40Bの端42Bに対するエッジバンド22の外端58の位置に特に制限はない。このエッジバンド22の外端58が、軸方向において、第二層40Bの端42Bよりも外側に位置してもよい。しかしこの場合、エッジバンド22の外端58の部分とベルト14の端部との間にエアが残留し、ベア等の外観不良が生じることが懸念されるので、例えば、第二層40Bと同等の厚さを有するゴム層を別に準備して、このゴム層を第二層40Bの端42Bに突き合わせて配置させる必要がある。したがって、新たな部材を追加することなくエアの残留を効果的に抑制できる観点から、このタイヤ2では、エッジバンド22の外端58は、軸方向において、第二層40Bの端42Bよりも内側に位置するのが好ましい。
【0072】
図2において、両矢印DEは、第二層40Bの端42Bからエッジバンド22の外端58までの軸方向距離である。
【0073】
このタイヤ2では、距離DEは3mm以上が好ましく、7mm以下が好ましい。この距離DEが3mm以上に設定されることにより、エッジバンド22に起因したベルト14の端部におけるエアの残留が抑えられる。このタイヤ2では、良好な成形性が維持される。この観点から、この距離DEは4mm以上がより好ましい。この距離DEが7mm以下に設定されることにより、走行状態における、径方向外向きへのベルト14の端部のせり上がりをエッジバンド22が効果的に抑制する。この観点から、この距離DEは6mm以下がより好ましい。
【0074】
前述したように、このタイヤ2では、第二層40Bの端部と第三層40Cの端部との間には、エッジ部材46が介在する。このエッジ部材46は、第三層40Cの端部がトレッド面24に近接することにより生じる接地圧の上昇を抑える。このエッジ部材46は、耐偏摩耗性の向上に貢献する。このタイヤ2では、第二層40Bの端部と第三層40Cの端部との間にエッジ部材46が設けられているので、エッジバンド22の外端58を軸方向において第二層40Bの端42Bよりも内側に配置させても、耐偏摩耗性の向上を図ることができる。この場合、エアの残留が効果的に抑制されるので、良好な成形性が確保される。このエッジ部材46は、成形性の確保と、耐偏摩耗性の向上とを達成することに効果的に貢献する。
【0075】
図2において、両矢印Yはエッジ部材46の厚さである。このエッジ部材46の厚さYは、第二層40Bの端42Bから、第三層40Cまでの距離により表される。この距離は、第三層40Cの外面の法線に沿って計測される。
【0076】
このタイヤ2では、第三層40Cの端部がトレッド面24に近接することにより生じる接地圧の上昇が抑えられ、耐偏摩耗性の向上が図れる観点から、エッジ部材46の厚さYは、2.5mm以上が好ましく、3.0mm以上がより好ましい。エッジ部材46により第三層40Cの端部に対して第二層40Bの端部が適正な位置に配置され、第二層40Bの端部への歪の集中が効果的に抑えられる観点から、このエッジ部材46の厚さYは、5.0mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましい。
【0077】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、成形性を確保しつつ、耐偏摩耗性の向上を図った、重荷重用空気入りタイヤ2が得られる。
【0078】
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【実施例
【0079】
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0080】
[実施例1]
図1及び2に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた重荷重用空気入りタイヤ(タイヤサイズ=385/55R22.5)を得た。この表1には、第一層が設けられていることが「第一層」の欄に「Y」で表されており、エッジバンドが採用されていることが「バンド」の欄に「E」で表されており、そして、エッジバンドは、径方向において、ショルダー周方向溝と重複していることが「重複」の欄に「Y」で表されている。
【0081】
この実施例1では、ショルダー周方向溝の内側エッジからエッジバンドの内端までの軸方向距離DGは5mmであった。第二層の端からエッジバンドの外端までの軸方向距離DEは、5mmであった。
【0082】
この実施例1では、エッジバンドの金属製のバンドコードにはスチールコードが用いられた。このスチールコードの切断伸度は、3.0%であった。
【0083】
この実施例1では、赤道PCにおけるトレッドの厚さTが、後述する比較例1のタイヤよりも薄く設定された。このことが、比較例1におけるトレッド厚さTを100とした指数で、表1の「T」の欄に示されている。
【0084】
[比較例1]
比較例1は従来のタイヤである。この比較例1には、エッジバンドは設けられていない。この比較例1では、耐偏摩耗性の向上の観点から、赤道PCにおけるトレッドの厚さTが厚く設定されている。この比較例1のベルトの構成は、実施例1のベルトの構成と同等である。
【0085】
[比較例2]
赤道PCにおけるトレッドの厚さTを実施例1と同じ厚さに設定した他は比較例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
【0086】
[実施例2-5]
スチールコードの切断伸度を下記の表1に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-5のタイヤを得た。
【0087】
[比較例3]
エッジバンドの内端を軸方向においてショルダー周方向溝の外側エッジよりも外側に配置させた他は実施例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。この比較例3では、ショルダー周方向溝の外側エッジからエッジバンドの内端までの軸方向距離は5mmに設定された。エッジバンドとショルダー周方向溝とは径方向において重複していないので、このことが表1の「重複」の欄に「N」で表されている。
【0088】
[比較例4]
第一層を設けずベルトを第二層、第三層及び第四層の3層で構成し、そしてエッジバンドに代えてフルバンドを採用した他は実施例1と同様にして、比較例4のタイヤを得た。フルバンドを採用したことが表1の「バンド」の欄に「F」で表されており、第一層が設けられていないことが表1の「第一層」の欄に「N」で表されている。
【0089】
[耐偏摩耗性]
試作タイヤを正規リムに組み込み空気を充填しタイヤの内圧を正規内圧に調整した。このタイヤをドラム試験機において80km/hの速度で1000km走行させ、偏摩耗の発生状況を確認した。その結果が、下記の表1に指数で表されている。数値が大きいほど、偏摩耗の発生は抑えられ、耐偏摩耗性に優れていることを表す。なお、この走行試験においてタイヤには、正規荷重の85%の荷重が付与された。
【0090】
[成形性]
生タイヤ(ローカバーとも称される。)の成形に要する時間を計測した。その結果が、下記の表1に指数で表されている。数値が大きいほど、成形時間が短く、成形性に優れることを表す。エッジバンドの成形工程が含まれるため、エッジバンドが設けられていないタイヤに比べて成形性が低下することが考慮され、この成形性を表す指数が90以上であることが目標に設定された。
【0091】
[総合評価]
各評価で得た指数の合計を求めた。この結果が、総合評価として、下記の表1に示されている。数値が大きいほど好ましい。
【0092】
【表1】
【0093】
表1に示されるように、実施例では、成形性が確保されているとともに、耐偏摩耗性の向上が図られている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上説明された成形性を確保しつつ耐偏摩耗性の向上を図る技術は、種々のタイヤに適用されうる。
【符号の説明】
【0095】
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
22・・・エッジバンド
24・・・トレッド面
30、30c、30s・・・周方向溝
32、32c、32m、32s・・・陸部
40、40A、40B、40C、40D・・・層
42A・・・第一層40Aの端
42B・・・第二層40Bの端
42C・・・第三層40Cの端
42D・・・第四層40Dの端
46・・・エッジ部材
48・・・バンドコード
52・・・エッジバンド22の内端
54・・・ショルダー周方向溝30sの内側エッジ
56・・・ショルダー周方向溝30sの外側エッジ
58・・・エッジバンド22の外端




図1
図2