IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-制御システム 図1
  • 特許-制御システム 図2
  • 特許-制御システム 図3
  • 特許-制御システム 図4
  • 特許-制御システム 図5
  • 特許-制御システム 図6
  • 特許-制御システム 図7
  • 特許-制御システム 図8
  • 特許-制御システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231011BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231011BHJP
   H05B 47/00 20200101ALI20231011BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 V
G08G1/09 F
H05B47/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019083316
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020181340
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】大澤 祐也
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-120510(JP,A)
【文献】特開2019-020992(JP,A)
【文献】特表2013-520723(JP,A)
【文献】特開2012-048523(JP,A)
【文献】特開2016-197314(JP,A)
【文献】特開2011-154610(JP,A)
【文献】国際公開第2018/167891(WO,A1)
【文献】特開2011-170479(JP,A)
【文献】特開2017-220151(JP,A)
【文献】特開2011-034466(JP,A)
【文献】特開2010-092221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
G09B 23/00 - 29/14
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を複数の検出ブロックに分割して、前記複数の検出ブロックの各々について人の存在、不在を検出する画像センサと、
車両に対して警告動作を行う警報装置と、
前記複数の検出ブロックと前記警報装置との対応関係を記憶し、前記警報装置が人の存在が検出された検出ブロックに対応する場合に前記警報装置に前記警告動作を実施させる管理装置と、
を備え
前記警報装置は、前記警告動作により、前記車両が人の存在が検出された前記検出ブロックに侵入する前に、前記車両の運転者に人の存在を報知できるように配置されていることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記警報装置を複数備え、
前記管理装置は、前記複数の警報装置のうち人の存在が検出された前記検出ブロックに対応する警報装置に前記警告動作を実施させることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記画像センサは、人の移動方向を検出し、
前記管理装置は、人の存在が検出された前記検出ブロックに対応する複数の警報装置のうち、前記検出ブロックに対して前記移動方向に設けられた警報装置を動作させ、前記検出ブロックに対して前記移動方向とは別の方向に設けられた警報装置を動作させないことを特徴とする請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記複数の警報装置の少なくとも1つは、前記警告動作として前記車両に対して光または音で警告を行う第1警報装置を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記第1警報装置を動作させた後、前記検出ブロックで人の不在が検出されると、前記第1警報装置を停止させることを特徴とする請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
空間を複数の検出ブロックに分割して、前記複数の検出ブロックの各々について人の存在、不在を検出する画像センサと、
車両に対して警告動作を行う複数の警報装置と、
前記複数の検出ブロックと前記複数の警報装置との対応関係を記憶し、前記複数の警報装置のうち人の存在が検出された検出ブロックに対応する警報装置に前記警告動作を実施させる管理装置と、
を備え、
前記複数の警報装置の少なくとも1つは、前記警告動作として前記車両に自動運転指令を送信する第2警報装置を含むことを特徴とする制御システム。
【請求項7】
前記自動運転指令は、停止指令であることを特徴とする請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記管理装置は、前記第2警報装置が前記自動運転指令を送信した後、前記検出ブロックで人の不在が検出されると、前記第2警報装置に前記自動運転指令を解除させることを特徴とする請求項6または7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記検出ブロックで人の不在が検出された後、予め定められた保持時間が経過した後、前記第2警報装置に前記自動運転指令を解除させることを特徴とする請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記自動運転指令が到達する範囲は前記第2警報装置から設定されることを特徴とする請求項6から9の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記複数の警報装置の少なくとも1つは、前記警告動作として前記車両に対して光または音で警告を行う第1警報装置を含むことを特徴とする請求項6から10の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記管理装置は、前記検出ブロックで人の存在が検出されると、前記検出ブロックに対応する前記第2警報装置を介して前記車両に確認信号を送信し、前記車両から前記第2警報装置を介して前記確認信号に対する応答信号を受信すると、前記第2警報装置に前記自動運転指令を送信させ、前記車両から前記第2警報装置を介して前記応答信号を受信しないと、前記第1警報装置を動作させることを特徴とする請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記空間は曲がった道を含み、前記複数の警報装置の少なくとも1つは、前記道の曲がった部分に設けられることを特徴とする請求項2から12の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項14】
前記空間に設けられた照明器具を備え、
前記管理装置は、前記複数の検出ブロックと前記照明器具との対応関係を記憶し、前記画像センサの検出した情報に基づき、前記照明器具の点灯状態を制御することを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信部と、光電変換部と、制御部とを有する信号機が開示されている。制御部は、光電変換部によって取得された画像に基づいて歩行者の有無を判断する。制御部は、光電変換部によって取得された画像データに基づいて画像処理または画像解析を行い、解析した情報に基づいてメッセージを通信部から通信対象車両へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6451332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように信号機から車両にメッセージを送信する場合、信号機の通信範囲によっては、メッセージを必要とする車両にメッセージが届かないおそれがある。また、メッセージを不要とする車両にメッセージが届くおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、人の検出情報に応じた警告動作を車両に対して効率よく実施できる制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示に係る制御システムは、空間を複数の検出ブロックに分割して、前記複数の検出ブロックの各々について人の存在、不在を検出する画像センサと、車両に対して警告動作を行う警報装置と、前記複数の検出ブロックと前記警報装置との対応関係を記憶し、前記警報装置が人の存在が検出された検出ブロックに対応する場合に前記警報装置に前記警告動作を実施させる管理装置と、を備え、前記警報装置は、前記警告動作により、前記車両が人の存在が検出された前記検出ブロックに侵入する前に、前記車両の運転者に人の存在を報知できるように配置されている。
本開示に係る制御システムは、空間を複数の検出ブロックに分割して、前記複数の検出ブロックの各々について人の存在、不在を検出する画像センサと、車両に対して警告動作を行う複数の警報装置と、前記複数の検出ブロックと前記複数の警報装置との対応関係を記憶し、前記複数の警報装置のうち人の存在が検出された検出ブロックに対応する警報装置に前記警告動作を実施させる管理装置と、を備え、前記複数の警報装置の少なくとも1つは、前記警告動作として前記車両に自動運転指令を送信する第2警報装置を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る制御システムでは、管理装置が人の存在が検出された検出ブロックに対応する警報装置に警告動作を実施させる。このため、例えば人の存在する位置が死角となるような警告を行うことが好ましい位置において、警告動作を実施できる。従って、人の検出情報に応じた警告動作を車両に対して効率よく実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る制御システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る画像センサの検出範囲を説明する図である。
図3】実施の形態1に係る検出ブロックに割り付けられた番号を説明する図である。
図4】実施の形態1に係る照明器具の配置を示す図である。
図5】実施の形態1に係る検出ブロックと照明器具の対応関係を説明する図である。
図6】実施の形態2に係る制御システムの構成を示す図である。
図7】実施の形態2に係る画像センサの検出範囲を説明する図である。
図8】実施の形態3に係る制御システムの構成を示す図である。
図9】実施の形態3に係る画像センサの検出範囲を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る制御システム100の構成を示す図である。制御システム100はコントローラ1を備える。コントローラ1は、照明制御盤内または天井に設置される。コントローラ1は、制御システム100内の端末機器からの情報収集および照明器具2の点灯状態の制御を行う。また、コントローラ1は、上位システムへ情報を伝送し、上位システムからの制御指令を実行する。
【0011】
端末機器には複数の種類がある。図1では一例として、コントローラ1に照明器具2、照度センサ3、壁スイッチ4および画像センサ5が接続されている。図1では、照明器具2、照度センサ3、壁スイッチ4および画像センサ5はそれぞれ1台のみ表示されているが、各端末機器はコントローラ1に複数台接続されて使用されても良い。
【0012】
照明器具2は、コントローラ1と通信線で接続される。照明器具2はコントローラ1から制御指令を受信することで照明状態を変化させる。制御指令には、例えばON、OFF、調光率、色温度の指令が含まれる。照明器具2は、光源と、電源装置を備える。電源装置は、スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる。光源は、例えばLEDから構成される。照明器具2は、受信した通信データを変換して電源装置に伝送する制御ユニットを内部に搭載しても良い。また、照明器具2において、電源装置に含まれる制御部が直接通信データの送受信をしてもよい。制御部は、制御ユニットを介して、または直接受信した通信データに基づき、スイッチング素子を駆動させる。
【0013】
照度センサ3は例えば天井に設置される。照度センサ3は、対象エリアの反射光を受光部で検出する。対象エリアは例えば床面である。照度センサ3は、検出した光の量を電気信号に変換し、相対的な照度値を測定する。照度センサ3は、測定した照度値データをコントローラ1へ送信する。
【0014】
コントローラ1は、照度値データと予め設定された目標照度とを照合する。コントローラ1は、照度値データと目標照度とが合致するように、照明器具2に調光指令を送信する。照度センサ機能は画像センサ5に搭載されても良い。
【0015】
壁スイッチ4は壁面に設置される。壁スイッチ4は、一般ユーザーの手が届く位置に設置される。壁スイッチ4は複数のスイッチを有する。複数のスイッチの各々には、照明器具2のアドレス、グループ番号または調光率のパターン制御が設定されている。ユーザーが壁スイッチ4のスイッチを押下することで、スイッチに設定されたアドレスまたはグループ番号の照明器具2のON、OFFが制御される。また、スイッチを押下することで、スイッチに設定されたパターン制御が実行される。
【0016】
画像センサ5は例えば天井に設置される。画像センサ5はカメラ5aを有する。一般に人感センサとして用いられる焦電センサは、熱源体の移動のみを検出する。これに対し、本実施の形態の画像センサ5は、カメラ5aによって画像データを取得し、対象のエリア内に人が存在するかを判定する。画像センサ5は、独自の検出アルゴリズムによって、人の存在、不在を判別する。画像センサ5は、ベースとなる背景画像と、撮影した画像データとを比較する。画像センサ5は、比較結果に基づき人の対象エリアへの進入、対象エリアからの移動、滞在および通過を識別する。また、画像センサ5は、対象エリア内の人数をカウントすることができる。
【0017】
画像センサ5は、検出した情報のうち必要な情報のみをコントローラ1に伝送する。画像センサ5から情報を受信したコントローラ1は、人体検出情報のあった検出ブロック61と関連付けられた照明器具2を調光制御する。検出ブロック61については後述する。
【0018】
設定器6は、コントローラ1とゲートウェイ装置7を接続する通信ラインに接続される。設定器6はパソコン設定器とも呼ばれる。設定器6を用いて、コントローラ1の照明制御の設定およびコントローラ1の上位設備への通信設定が実施される。ユーザーは、設定器6から各端末機器のアドレスおよびグループ番号の設定を行う。また、ユーザーは設定器6からコントローラ1が保持する自動制御用パラメータの設定を行う。自動制御用パラメータは、目標照度、上限調光率、下限調光率、壁スイッチ4の割付設定等である。
【0019】
設定器6は端末機器およびコントローラ1と通信する。通信は、例えばコントローラ1とゲートウェイ装置7との通信ラインに接続することで行われる。また、通信はゲートウェイ装置7が接続されるBACnet(Building Automation and Control Networking Protocol)に接続することで行われても良い。BACnetは、ビルディングネットワークのための通信プロトコル規格である。BACnetは、ゲートウェイ装置7と管理装置8との間の通信に用いられる。また、設定器6は、赤外線通信等の無線通信または有線通信によって端末機器との間でデータを送受信しても良い。設定器6の通信プロトコルは問わない。
【0020】
ゲートウェイ装置7は、コントローラ1との通信とBACnet通信との間でのゲートウェイ機能を有する。ゲートウェイ装置7は、コントローラ1との通信とBACnet通信との間で、通信データを変換する。
【0021】
管理装置8は、Ethernet(登録商標)を使用したBACnet通信によって、ゲートウェイ装置7と通信する。管理装置8は、ゲートウェイ装置7を介して、端末機器またはコントローラ1からの情報を取得する。管理装置8は、制御部8aと記憶部8bを有する。記憶部8bには、制御部8aで実施される制御に用いられる各種データおよびプログラムが記憶されている。
【0022】
管理装置8は、画像センサ5が人の存在または不在を検出した検出ブロック61に対応する警報表示装置9に対して情報を伝送する。管理装置8は、画像センサ5から人の滞在または移動を示す在情報を受信している期間は警報表示装置9を起動させる。また、管理装置8は、画像センサ5から人の不在情報を受信している期間には、警報表示装置9を停止させる。
【0023】
警報表示装置9は、警告動作として車両に対して光または音で警告を行う第1警報装置である。警報表示装置9において、回転灯が起動して警告動作が実施されても良く、LED照明が点灯または点滅して警告動作が実施されても良い。また、警報表示装置9はスピーカを有しても良い。この場合、スピーカからの警告音により警告動作が実施される。また、光による警告と音による警告を連動させてもよい。これに限らず、警報表示装置9は車両に対して警告動作を行うものであれば良い
【0024】
なお、上述のデータ通信の手段としては、有線通信または無線通信のどちらを採用してもよい。また、通信の種類および通信を仲介する機器の台数は問わない。また、コントローラ1は、画像センサ5が検出する人の存在、不在情報の管理装置8への伝送と、存在、不在情報に基づく照明器具2の制御を並行して実施できるものとする。
【0025】
図2は、実施の形態1に係る画像センサ5の検出範囲60を説明する図である。図2において、検出範囲60は太枠で囲まれる範囲である。図2は、天井に設置された画像センサ5に搭載されたカメラ5aで、床面方向を撮像する場合の検出範囲60の一例である。ここでは、画像センサ5は大型商業施設などに併設されている大型の立体駐車場または屋根付きの屋内駐車場の天井に設置される。
【0026】
画像センサ5は、例えば検出範囲60の中央に配置される。本実施の形態の画像センサ5の検出範囲60は、床面のうち7.2m四方の正方形の領域である。検出範囲60の面積および形状はこれに限らない。検出範囲60は、画像センサ5に使用するカメラ5aの種類、性能および検出の精度によって異なる。
【0027】
画像センサ5は、検出範囲60である空間を複数の検出ブロック61に分割して、複数の検出ブロック61の各々について人の存在、不在を検出する。画像センサ5は、各々の検出ブロック61について画像を取得し、取得した画像と予め記憶したベース画像とを比較して、人の存在、不在を検出する。
【0028】
1つの検出ブロック61は、0.9m四方の正方形である。検出ブロック61は、検出範囲60の1辺に8列並ぶ。検出範囲60は64個の検出ブロック61を有する。検出ブロック61の面積、形状および複数の検出ブロック61の配列は、これに限らない。また、1つの検出範囲60に含まれる検出ブロック61は複数であれば良い。
【0029】
画像センサ5に搭載されたカメラ5aの撮像範囲は広角である。画像センサ5の撮像範囲の外周部において、検出をマスクしても良い。つまり、任意に検出範囲を絞ってカメラ5aを使用しても良い。また、さらに高性能の画像センサ5を使用してもよい。例えば7.2m四方の検出範囲60を、1辺を16列とする256ブロックに分けて検出しても良い。
【0030】
検出範囲60は曲がった道20を含む。図2において、道20は車両11および歩行者12が通行する駐車場内の通路である。車両11の進行方向の曲がり角の先に歩行者12が存在する。
【0031】
制御システム100は、複数の警報表示装置9を備える。複数の警報表示装置9は警報表示装置9a、9bを含む。警報表示装置9は、それぞれ道20の曲がり角に設けられる。ここでは、道20はL字型に曲がっている。これに限らず、道20は曲がっていれば良く、湾曲していても良い。また、警報表示装置9は、道20の曲がった部分、曲がった部分の近傍または曲がった部分の手前に設けられれば良い。また、複数の警報表示装置9の一部が、曲がり角に設けられても良い。
【0032】
画像センサ5は、侵入、移動または滞在という動作状態に関わらず、検出範囲60に人が存在していることを検出して管理装置8に通知する。
【0033】
また、非検出エリア13は、検出範囲60において画像センサ5の検出対象外のエリアである。非検出エリア13は例えば壁等で構成された道20以外のエリアである。非検出エリア13は歩行者12が通行しない車両専用のエリアまたは車両11が通行しない歩行者専用のエリアであっても良い。非検出エリア13は壁または柵で車道と区切られたエリアであっても良い。非検出エリア13は、画像センサ5の機能であるマスク処理設定により設定される。
【0034】
画像センサ5は、検出範囲60のうち人体検出エリア14に歩行者12が存在することを検出する。画像センサ5は、コントローラ1、ゲートウェイ装置7を介して、管理装置8に検出した情報を送信する。画像センサ5が管理装置8に送信する情報には、人が検出された検出ブロック61の情報が含まれる。
【0035】
管理装置8には、予め複数の検出ブロック61と複数の警報表示装置9a、9bを紐付けるデータベースが設定されている。管理装置8は、記憶部8bに複数の検出ブロック61と複数の警報表示装置9a、9bとの対応関係を記憶している。ここでは、人体検出エリア14に対応する検出ブロック61と警報表示装置9aとが対応しているものとする。管理装置8は、データベースを参照し、複数の警報表示装置9a、9bのうち、人の存在が検出された検出ブロック61に対応する警報表示装置9aに警告動作を実施させる。管理装置8は、警報表示装置9aに対して起動指令を発信する。これにより、警報表示装置9aから光または音で車両11に対して警告動作が行われる。
【0036】
また、管理装置8は、人の存在が検出された検出ブロック61に対応する警報表示装置9a以外の警報表示装置9bには、警告動作を実施させない。
【0037】
車両11に対し、人体検出エリア14は死角である。本実施の形態によれば、警報表示装置9aの警告動作により、車両11が人体検出エリア14に接近または侵入する前に、車両11の運転者に歩行者12の存在を報知できる。運転者は警報表示装置9aを目視することで、近辺または死角になっている位置に人が存在していることを認識できる。これにより、運転者に車両11の減速または停止を促すことができ、歩行者12の安全を確保できる。
【0038】
また、管理装置8は、警報表示装置9aを動作させた後、人体検出エリア14で人の不在が検出されると、警報表示装置9aを停止させる。
【0039】
図3は、実施の形態1に係る検出ブロック61に割り付けられた番号を説明する図である。複数の検出ブロック61には、管理のため1~64の識別番号が割り付けられる。識別番号は例えば通し番号である。コントローラ1または管理装置8は、検出ブロック61の数を任意に設定する機能を持つ。これにより、カメラの性能等によって検出ブロック61の数が変わった場合にも、自動で識別番号を変更できる。
【0040】
検出ブロック61の識別番号はグループ化される。また、複数の警報表示装置9の各々には、互いを識別できるアドレスが設定される。識別番号のグループは、警報表示装置9のアドレスに割り付けられる。これにより、画像センサ5と警報表示装置9とを連動させることができる。
【0041】
図2に示される人体検出エリア14は、検出ブロック61のグループの一例である。図2では、識別番号3、4、5、11、12、13の6ブロックがグループ化されている。例えば、警報表示装置9aのアドレスが1であるとする。人体検出エリア14は、アドレス1と紐付けられている。これにより、識別番号3、4、5、11、12、13のいずれかの検出ブロック61で歩行者12が検出されると、警報表示装置9aを動作させることができる。
【0042】
このような対応関係は、管理装置8または下位の設定器6から設定できる。また、上記のような対応関係は複数設定できる。つまり、検出ブロック61のグループを複数作成し、複数のグループと複数の警報表示装置9をそれぞれ紐付けできる。このような対応関係は、例えばテーブルとして管理装置8の記憶部8bに記憶される。
【0043】
複数の検出ブロック61と複数の警報表示装置9との対応関係はこれに限らない。例えば、個々の検出ブロック61と警報表示装置9とが紐づけられていても良い。
【0044】
また、制御システム100は、複数の画像センサ5を備えても良い。この場合、複数の画像センサ5の検出範囲60を跨いで、検出ブロック61のグループ設定が行われても良い。また、管理装置8は複数の画像センサ5の検出情報に基づき、人が検出された検出ブロック61に対応する警報表示装置9に警告動作を実施させても良い。
【0045】
複数の検出ブロック61と複数の警報表示装置9との対応関係は、管理装置8から容易に設定または変更できる。管理装置8は例えばパソコンである。制御システム100の管理者は、管理装置8の入力部を操作することで、対応関係を入力できる。入力部は例えばキーボード、マウス等である。管理装置8はタッチパネルを有し、タッチパネルから対応関係を入力できるものとしても良い。
【0046】
図4は、実施の形態1に係る照明器具2の配置を示す図である。本実施の形態では、検出範囲60の天井に照明器具2が6台設置されている。制御システム100では、照明器具2が保有するアドレスに対して、コントローラ1から制御指令を送信することで、照明器具2を個別に制御できる。
【0047】
コントローラ1は、照明器具2が保有するユニークなアドレスに対して、ショートアドレスを割り付けても良い。ショートアドレスは、コントローラ1台毎に管理される。これにより、照明器具2のアドレスを管理し易くできる。また、コントローラ1は、複数の照明器具2のショートアドレスをグルーピングし、グループ毎に制御しても良い。図4の例では、複数の照明器具2にショートアドレスとして、1から6の通し番号が割り付けられている。
【0048】
図5は、実施の形態1に係る検出ブロック61と照明器具2の対応関係を説明する図である。図5のデータベースでは、検出ブロック61の識別番号と、照明器具2のショートアドレスとが関連付けられている。本実施の形態では、各々の照明器具2のショートアドレスと、照明器具2の周辺の複数の検出ブロック61とが紐付けられる。
【0049】
また、照明器具2と検出ブロック61はグルーピングされる。本実施の形態では、グループ化された照明器具2と検出ブロック61に、共通のグループ番号が設定される。これにより、照明器具2と検出ブロック61を関連付けることができる。
【0050】
以上から、画像センサ5と照明器具2とを連動して動作させることができる。図5に示されるような複数の検出ブロック61と複数の照明器具2との対応関係は、管理装置8の記憶部8bに記憶される。管理装置8は、画像センサ5の検出した情報に基づき、コントローラ1を介して複数の照明器具2の点灯状態を制御する。
【0051】
管理装置8は、人の存在または不在が検出された検出ブロック61に対応する照明器具2の点灯状態を制御する。管理装置8は、例えば人の存在が検出された検出ブロック61に対応する照明器具2を点灯させる。また、管理装置8は、人の不在が検出された検出ブロック61に対応する照明器具2を消灯させても良い。管理装置8は、コントローラ1に制御指令を送信させることで、照明器具2を制御する。
【0052】
また、複数の検出ブロック61と複数の照明器具2との対応関係は、コントローラ1に記憶されても良い。コントローラ1は、人の存在または不在が検出された検出ブロック61に対応する照明器具2に制御指令を送信し、点灯状態を制御しても良い。
【0053】
また、照明器具2と検出ブロック61のグループには、壁スイッチ4または照度センサ3が含まれても良い。これにより、例えば壁スイッチ4を操作することにより、グループ内の機器を一括してON、OFF制御できる。また、グループ内の照明器具2を、照度センサ3が検出する明るさに応じて一括してフィードバック制御できる。
【0054】
次に、本実施の形態の効果を説明する。人の検出情報に応じて車両に警告を行う場合、適した位置から警告を行わないと、車両に警告が到達しないおそれがある。また、警告を必要としない車両に警告が行われるおそれがある。警告を必要としない車両は、例えば人が検出された位置から遠ざかる車両である。
【0055】
これに対し本実施の形態では、管理装置8は、人の存在が検出された検出ブロック61に対応する警報表示装置9に警告動作を実施させる。管理装置8には、予め人の検出位置と、人の検出位置に対して警告動作を行うべき位置に配置された警報表示装置9との対応関係が記憶されている。このため、人が検出された位置に対して、警告を行うことが好ましい位置に設けられた警報表示装置9から警告動作を実施できる。警告を行うことが好ましい位置とは、例えば人が検出された位置が死角となる位置である。従って、警告を必要とする車両に警告が到達しない可能性を抑制できる。また、警告が不要な位置で警告動作が行われることを防止できる。従って、人の検出情報に応じた警告を車両に対して効率よく実施できる。なお、検出範囲60に設けられる警報表示装置9の数は、1つでも複数でも良い。
【0056】
また、本実施の形態では、画像センサ5が人の存在または不在を検出したときのみ、通信が発生する。このため、例えば人の検出情報に関わらず、画像センサからの画像データを常に上位機器または車両に送信する場合と比較して、データ伝送頻度を低減できる。
【0057】
また、車両に搭載されたカメラで歩行者を検出する場合、一般に死角に居る歩行者は検出できない。本実施の形態では、画像センサ5により、死角となるエリアでの人の存在を確実に検出でき、歩行者の安全を確保できる。
【0058】
本実施の形態の変形例として、画像センサ5は、人の移動方向を検出しても良い。ここでは、一例として図2の警報表示装置9a、9bが人体検出エリア14に紐付けられているものとする。また、歩行者12は、図2における警報表示装置9aに向かって移動しているものとする。変形例において管理装置8は、人の存在が検出された人体検出エリア14に対応する複数の警報表示装置9a、9bのうち、人体検出エリア14に対して人の移動方向に設けられた警報表示装置9aを動作させる。また、管理装置8は、人体検出エリア14に対して人の移動方向とは別の方向または反対方向に設けられた警報表示装置9bを動作させない。
【0059】
本変形例によれば、動作させる警報表示装置9をさらに適切に設定できる。従って、さらに効率良く警告動作を実施できる。
【0060】
また、本実施の形態では、屋内駐車場等の天井がある空間を検出範囲60とした。これに限らず、検出範囲60は屋外でも良い。この場合、画像センサ5は、例えば建物の側面、屋上または電柱等に設けられる。また、画像センサ5は床面に代えて地面を撮像することとなる。また、検出範囲60が屋外である場合、照明器具2は街灯であっても良い。
【0061】
また、画像センサ5は、横断歩道または車道と歩道とが分離されていない道路で、人の存在を検出するものとしても良い。これらの道では、歩行者と車両とが同じ領域を通行する可能性がある。従って、警告動作が特に必要となることが考えられる。
【0062】
また、制御システム100は、道に限らず、駐車スペースで使用されても良い。この場合、画像センサ5は駐車スペースにおける人の存在を検出する。また、警報表示装置9は駐車スペースまたは駐車スペースの周囲に設けられる。これにより、駐車のため車両11を後進させる際に、駐車スペースに人がいる場合に運転者に警告を行うことができる。従って、歩行者の安全を保つことができる。
【0063】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る制御システムについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る制御システムについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0064】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る制御システム200の構成を示す図である。本実施の形態の制御システム200は、警報表示装置9に代えて、第2警報装置である発信装置16を備える。発信装置16は、警告動作として車両11に自動運転指令を送信する。自動運転指令は、例えば停止指令である。
【0065】
また、制御システム200は車両制御装置15を備える。車両制御装置15は、管理装置8に対して1台または複数台接続される。車両制御装置15は、任意の区画毎に設置される。区画は、例えばフロアまたは建物である。発信装置16は1つの車両制御装置15に対して複数台接続される。車両制御装置15と発信装置16は、それぞれアドレスで管理される。
【0066】
管理装置8は、発信装置16の情報を含む自動運転指令を車両制御装置15に送信する。管理装置8は、車両制御装置15と発信装置16のアドレスの組合せを送信データに付して、自動運転指令を送信する。画像センサ5が歩行者12を検出した場合、自動運転指令は停止指令である。また、画像センサ5が、歩行者12がいなくなったことを検出した場合、自動運転指令は停止解除指令である。
【0067】
車両制御装置15は、管理装置8から受信した自動運転指令を、管理装置8から受信したデータに含まれる発信装置16のアドレスに対して送信する。発信装置16は、車両制御装置15から受信した自動運転指令を無線通信手段によって送信する。
【0068】
発信装置16の無線通信手段として、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)または赤外線通信などが使用できる。無線通信の規格は問わない。無線到達距離が比較的長い通信方式では、出力を抑えることで通信距離を短くして使用しても良い。
【0069】
発信装置16は、車両制御装置15から受信した自動運転指令を車両11に送信する。発信装置16は無線出力レベルを任意に変更できる。つまり、自動運転指令が到達する範囲は発信装置16から設定される。無線出力レベルは、発信装置16の設置位置に対して、自動運転指令を伝達したい範囲に応じて調整される。自動運転指令が到達する範囲は、設定器6または管理装置8から設定されても良い。
【0070】
また、車両11は受信装置18を備える。受信装置18は無線受信機である。受信装置18は、車両11の中央または進行方向の先端部等に設置される。受信装置18は、例えば無線信号を受信するアンテナを搭載する。
【0071】
発信装置16の半径3mの範囲に信号が到達するように、無線出力レベルが設定された場合を説明する。この場合、発信装置16の半径3mの範囲内に車両11が進入すると、車両11に搭載された受信装置18が自動運転指令を受信する。自動運転指令が停止指令である場合、受信装置18から車両11の自動制御システムに停止指令が送信される。これにより、車両11において自動ブレーキ機能が作動し、車両11は停止する。また、自動運転指令が停止解除指令である場合、車両11の自動制御システムに解除指令が送信される。これにより、自動ブレーキ機能が解除され、運転が開始できる状態になる。
【0072】
図7は、実施の形態2に係る画像センサ5の検出範囲60を説明する図である。制御システム200は複数の発信装置16を備える。複数の発信装置16は、発信装置16a、16bを含む。図7に示される例では、人体検出エリア14が死角となる道20が2つある。このため、人体検出エリア14に対応する発信装置16a、16bが2台設置される。1つの人体検出エリア14に対応する発信装置16は1台以上であれば良い。
【0073】
また、人体検出エリア14を2つの隣接する検出エリアに分割し、それぞれの人体検出エリア14に1台ずつの発信装置16を紐付けても良い。
【0074】
画像センサ5は、人体検出エリア14に歩行者12が移動または滞在していることを検出する。画像センサ5は、コントローラ1、ゲートウェイ装置7を介して、管理装置8に検出した情報を送信する。画像センサ5が管理装置8に送信する情報には、人が検出された検出ブロック61の情報が含まれる。
【0075】
管理装置8は、データベースを参照し、車両制御装置15を介して、複数の発信装置16のうち人体検出エリア14に対応する発信装置16a、16bに自動運転指令を送信する。この自動運転指令は停止指令である。
【0076】
発信装置16は予め設定された無線出力レベルに応じて無線信号として自動運転指令を出力する。図7の例では、無線出力レベルは半径2mに設定されている。図7において、発信装置16からの無線信号が到達する範囲が無線到達範囲17として図示されている。
【0077】
道20を走行してきた車両11aは、受信装置18が無線到達範囲17に進入することで、停止指令を受信する。これにより、受信装置18は、車両11aの自動制御システムに停止指令を伝送する。従って、車両11aは停止する。また、自動運転指令は徐行または減速の指令であっても良い。この場合、車両11aは、自動運転指令に応じて徐行または減速を行う。
【0078】
また、無線到達範囲17外を走行する車両11bは停止指令を受信しない。このため、車両11bは走行を継続する。
【0079】
また、管理装置8は、発信装置16が車両11に自動運転指令を送信した後、人体検出エリア14で人の不在が検出されると、発信装置16から停止解除指令を送信させる。つまり、管理装置8は発信装置16に自動運転指令を解除させる。
【0080】
これにより、無線到達範囲17の停止中の車両11aは受信装置18によって停止解除指令を受信する。従って、車両11aの自動停止状態は解除され、運転者の意思による走行が可能となる。
【0081】
ここで、管理装置8は、検出ブロック61で人の不在が検出された後、予め定められた保持時間が経過した後、発信装置16に自動運転指令を解除させても良い。これにより、歩行者12が人体検出エリア14から車両11の進行方向となるエリアに移動する場合にも、歩行者の安全を確保できる。
【0082】
保持時間は、道20の形状、無線到達範囲17の広さまたは発信装置16の設置位置等に応じて設定される。保持時間を長く設定すると、歩行者12の安全性を向上できる一方で、車両11の停止時間が長くなる。このため、渋滞の発生および運転者のストレスの増大のおそれがある。これらを考慮して、保持時間は、道路の混雑状況、時刻による明るさまたは視認性に応じて、変更できるものとする。
【0083】
本実施の形態では、進行方向の曲がり角の先などに歩行者12がいる場合に、事前に危険を察知して、車両11を自動停止させることができる。また、図7の人体検出エリア14では、多方向から車両11が近づく可能性がある。このような場所においても、複数の発信装置16を用いることで、複数の位置を起点として車両11の自動運転制御を行うことができる。発信装置16は交差点等に設けられても良い。
【0084】
また、本実施の形態では、予め死角となる箇所を想定し、歩行者12の安全が確保されるように、発信装置16の設置位置および無線出力レベルが設定される。管理装置8は、人の存在が検出された検出ブロック61に対応する発信装置16から自動運転指令を送信する。これにより、死角となる検出ブロック61の近傍の車両11に、確実に自動運転指令を送信することができる。
【0085】
また、停止する必要がない車両11bが自動運転指令を受信して、強制的に停止することを防止できる。従って、人の検出情報に応じた警告動作を車両に対して効率よく実施できる。
【0086】
また、人の存在を運転者に警告する別の方法として、例えば車両11のスピーカから音声により警告を行うことが考えられる。しかし、交通量の多い交差点では、他の車両の走行音、クラクションまたは自車両のスピーカから流れる音楽等によって、音声が聞き取れないおそれがある。またスピーカから流れる音楽を止めて警告を行う場合にも、警告動作のたびに音楽が止まり、音楽再生機としてのスピーカの機能が果たせないおそれがある。
【0087】
これに対し、本実施の形態は自動運転機能と制御システム200の連動により、自動で車両11が停止する。このため、人の検出に応じて確実に車両11を停止させることができる。また、スピーカの機能を維持できる。
【0088】
また、人の存在を運転者に警告する別の方法として、撮像装置で撮影した画像データを車両の表示装置に表示させることが考えられる。この場合、運転者が運転中に表示装置を目視する必要があり、危険が生じる可能性がある。また、注意の対象となる他の車両または人が存在しない場合でも画像データの通信が発生する。このため、不要な通信が多く発生するおそれがある。
【0089】
これに対し、本実施の形態では、運転者が運転中に表示装置を目視する必要がない。このため、運転者は、安全に運転操作に集中できる。また、本実施の形態では、人を検出した場合のみ警告動作が実施される。このため、不要な通信を抑制できる。
【0090】
発信装置16が行う警告動作は自動運転指令の送信に限らない。本実施の形態の変形例として、発信装置16は無線信号により車両11に対して人の存在を報知する警告メッセージを送信しても良い。警告メッセージは、例えば車両11のナビゲーションシステムから音声により運転者に報知される。この場合も、発信装置16から規定の範囲内を走行する車両11に警告動作を行うことができる。
【0091】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る制御システム300の構成を示す図である。制御システム300は、複数の警報表示装置9、車両制御装置15および複数の発信装置16を共に備える。本実施の形態の管理装置8は、自動制御システムによって制御される車両11に対しては、発信装置16からの自動運転指令により警告動作を行う。また、管理装置8は、自動制御システムを搭載していない車両10に対しては、警報表示装置9を起動することで、警告動作を行う。
【0092】
制御システム300の動作の一例を説明する。図9は、実施の形態3に係る画像センサ5の検出範囲を説明する図である。人体検出エリア14には、警報表示装置9a、9bと発信装置16a、16bとが紐付けられているものとする。
【0093】
画像センサ5が人体検出エリア14に歩行者12が存在することを検出すると、管理装置8は、車両制御装置15を介して人体検出エリア14に対応する発信装置16a、16bに車両確認信号を送信する。発信装置16a、16bは、車両確認信号を受信すると、無線到達範囲17内の車両11に車両確認信号を送信する。
【0094】
車両11は、車両確認信号を受信すると車両確認応答信号を発信装置16に対して応答する。車両11に搭載された受信装置18は、車両確認応答信号を発信する機能を併せ持つ。同様に、発信装置16は、車両確認応答信号を受信する機能を併せ持つ。つまり、発信装置16および受信装置18は無線信号を送受信できるものとする。
【0095】
図9の例では、複数の発信装置16a、16bのうち発信装置16aは、車両11から車両確認応答信号を受信する。一方で、発信装置16bの無線到達範囲17に侵入した車両10は自動制御システムを搭載していないため、車両確認応答信号を送信しない。従って、発信装置16bは、車両確認応答信号を受信しない。
【0096】
車両確認応答信号は、発信装置16aから車両制御装置15を介して、管理装置8へ送信される。発信装置16aから車両確認応答信号を受信した管理装置8は、自動運転指令を受信できる車両11が発信装置16aの無線到達範囲17に進入してきたことを認識する。管理装置8は、車両確認応答信号を受信すると、車両確認応答信号を受信した発信装置16aに自動運転指令を送信させる。これにより、車両11は自動停止する。
【0097】
このように管理装置8は、検出ブロック61で人の存在が検出されると、検出ブロック61に対応する発信装置16a、16bを介して車両11に車両確認信号を送信する。管理装置8は、車両11から発信装置16aを介して車両確認信号に対する車両確認応答信号を受信すると、車両確認応答信号を受信した発信装置16aに自動運転指令を送信させる。
【0098】
また、管理装置8は、発信装置16bからは車両確認応答信号を受信しない。この場合、管理装置8は、発信装置16bに対応する位置に設けられた警報表示装置9bを起動する。これにより、運転者は警報表示装置9bからの光または音により、歩行者12の存在を認識できる。このように、管理装置8は、車両11から発信装置16bを介して車両確認応答信号を受信しない場合、警報表示装置9bを動作させる。
【0099】
発信装置16aと警報表示装置9aおよび発信装置16bと警報表示装置9bは、それぞれ同じ位置または隣接して設けられる。人体検出エリア14で人が検出された際、発信装置16aから自動運転指令を送信しない場合は警報表示装置9aを動作させる。同様に、発信装置16bから自動運転指令を送信しない場合は警報表示装置9bを動作させる。
【0100】
本実施の形態では、無線到達範囲17に自動運転指令の受信機能が搭載された車両11がない発信装置16bでは、不要な無線通信を止める。また、無線到達範囲17に侵入した車両11を自動運転指令で制御できる場合には、不要な警告表示を実施しない。本機能により、不要な無線信号の送信を抑制し、警報表示装置9の起動回数を減らすことができる。従って、制御システム300を構成する機器の負荷および消費電力を抑えることができる。
【0101】
また、管理装置8は、人体検出エリア14に歩行者12が存在している間は、車両確認信号を発信装置16から定期的に送信しても良い。これにより、無線到達範囲17に進入した車両11を直ちに検出して、速やかに自動運転指令を送信できる。
【0102】
また、管理装置8は、歩行者12を検出した時点で、まず警報表示装置9a、9bを起動させても良い。管理装置8は、その後車両確認信号によって車両11の進入を検出すると、警報表示装置9aによる警告動作を、発信装置16aからの自動運転指令に切り替える。つまり、警報表示装置9aが起動した状態で発信装置16aから自動運転指令を送信する場合、管理装置8は警報表示装置9aを起動状態から停止状態に切り替えても良い。
【0103】
また、管理装置8は、歩行者12の検出に応じて、警報表示装置9aと発信装置16aの両方を動作させても良い。
【0104】
また、本実施の形態では、1つの人体検出エリア14に複数の発信装置16a、16bと複数の警報表示装置9a、9bが紐付けられる。管理装置8は、車両確認応答信号が何れの発信装置16により受信されたものかを識別し、複数の発信装置16のうち、車両確認応答信号を受信した発信装置16から自動運転指令を送信する。
【0105】
これに限らず、管理装置8は、車両確認応答信号が何れの発信装置16により受信されたものかを識別しなくても良い。この場合、何れか1つの発信装置16から車両確認応答信号を受信すると、人体検出エリア14と紐付けられた全ての発信装置16a、16bから自動運転指令が送信される。
【0106】
各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 コントローラ、2 照明器具、3 照度センサ、4 壁スイッチ、5 画像センサ、5a カメラ、6 設定器、7 ゲートウェイ装置、8 管理装置、8a 制御部、8b 記憶部、9、9a、9b 警報表示装置、10、11、11a、11b 車両、12 歩行者、13 非検出エリア、14 人体検出エリア、15 車両制御装置、16、16a、16b 発信装置、17 無線到達範囲、18 受信装置、20 道、60 検出範囲、61 検出ブロック、100、200、300 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9