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特許7363088画像形成装置および画像形成装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231011BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G03G21/00 390
B41J29/38 201
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019086068
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020181163
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-12-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 亮介
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-147314(JP,A)
【文献】特開2010-217742(JP,A)
【文献】特開2017-170858(JP,A)
【文献】特開2007-187713(JP,A)
【文献】特開2018-058300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字する印字部と、
前記印字部に給紙される用紙種別を検知する用紙種別検知部と、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定する用紙設定部と、
前記ジョブ中に前記用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知する切替検知部と、
前記ジョブ中に前記切替検知部により前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、前記用紙設定部の設定情報に基づいて前記印字部の印字処理の許可/不許可を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて前記判定部の判定を変更する判定変更部と、
前記判定変更部の変更結果に基づいて前記印字部に対して印字/停止動作を指示する動作指令部とを備え、
前記判定変更部は、
前記判定部の判定結果に対応する変更判定テーブルを設定するためのテーブル設定部と、
前記変更判定テーブルの情報と、前記ジョブの情報とに基づいて前記判定部の判定の変更の可否を判断する条件判定部とを含み、
前記テーブル設定部は、前記判定部の判定結果が許可判定である場合に対応する第1変更判定テーブルおよび前記判定部の判定結果が不許可判定である場合に対応する第2変更判定テーブルの少なくとも一方を設定する、画像形成装置。
【請求項2】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字する印字部と、
前記印字部に給紙される用紙種別を検知する用紙種別検知部と、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定する用紙設定部と、
前記ジョブ中に前記用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知する切替検知部と、
前記ジョブ中に前記切替検知部により前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、前記用紙設定部の設定情報に基づいて前記印字部の印字処理の許可/不許可を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて前記判定部の判定を変更する判定変更部と、
前記判定変更部の変更結果に基づいて前記印字部に対して印字/停止動作を指示する動作指令部とを備え、
前記判定変更部は、
前記判定部の判定結果に対応する変更判定テーブルを設定するためのテーブル設定部と、
前記変更判定テーブルの情報と、前記ジョブの情報とに基づいて前記判定部の判定の変更の可否を判断する条件判定部とを含み、
前記変更判定テーブルは、前記判定部の判定を変更する複数の条件を含み、
前記複数の条件のそれぞれには、前記条件判定部による判断の順序の優先順位が割り当てられる、画像形成装置。
【請求項3】
各条件は、予め登録された複数の条件情報の中から選択受け付け可能に設けられる、請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字する印字部と、
前記印字部に給紙される用紙種別を検知する用紙種別検知部と、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定する用紙設定部と、
前記ジョブ中に前記用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知する切替検知部と、
前記ジョブ中に前記切替検知部により前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、前記用紙設定部の設定情報に基づいて前記印字部の印字処理の許可/不許可を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて前記判定部の判定を変更する判定変更部と、
前記判定変更部の変更結果に基づいて前記印字部に対して印字/停止動作を指示する動作指令部とを備え、
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が不許可判定である場合には、前記ジョブが所定情報を含む場合には、前記判定部の判定結果を許可に変更し、
前記動作指令部は、前記判定変更部の許可の変更に従って前記印字部に対して印字動作を指示する、画像形成装置。
【請求項5】
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が不許可判定である場合には、前記ジョブが時間的制約に関連する原稿画像を含む場合には、前記判定部の判定結果を許可に変更する、請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が不許可判定である場合には、前記ジョブの進捗状況が所定の割合以上である場合には、前記判定部の判定結果を許可に変更する、請求項4記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が不許可判定である場合には、前記ジョブの受付時刻が所定期間内である場合には、前記判定部の判定結果を許可に変更する、請求項4記載の画像形成装置。
【請求項8】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字する印字部と、
前記印字部に給紙される用紙種別を検知する用紙種別検知部と、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定する用紙設定部と、
前記ジョブ中に前記用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知する切替検知部と、
前記ジョブ中に前記切替検知部により前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、前記用紙設定部の設定情報に基づいて前記印字部の印字処理の許可/不許可を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて前記判定部の判定を変更する判定変更部と、
前記判定変更部の変更結果に基づいて前記印字部に対して印字/停止動作を指示する動作指令部とを備え、
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が許可判定である場合には、前記ジョブが所定情報を含む場合には、前記判定部の判定結果を不許可に変更し、
前記動作指令部は、前記判定変更部の不許可の変更に従って前記印字部に対して停止動作を指示する、画像形成装置。
【請求項9】
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が許可判定である場合には、前記ジョブが特殊用紙に印字する設定情報を含む場合には、前記判定部の判定結果を不許可に変更する、請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が許可判定である場合には、前記ジョブが外部に提出される資料に関する原稿画像である場合には、前記判定部の判定結果を不許可に変更する、請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字する印字部と、
前記印字部に給紙される用紙種別を検知する用紙種別検知部と、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定する用紙設定部と、
前記ジョブ中に前記用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知する切替検知部と、
前記ジョブ中に前記切替検知部により前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、前記用紙設定部の設定情報に基づいて前記印字部の印字処理の許可/不許可を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて前記判定部の判定を変更する判定変更部と、
前記判定変更部の変更結果に基づいて前記印字部に対して印字/停止動作を指示する動作指令部とを備え、
前記判定変更部は、前記判定部の判定結果が許可判定である場合には、前記ジョブの進捗状況が所定の割合以下である場合には、前記判定部の判定結果を不許可に変更し、
前記動作指令部は、前記判定変更部の不許可の変更に従って前記印字部に対して停止動作を指示する、画像形成装置。
【請求項12】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字するステップと、
給紙される用紙種別を検知するステップと、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定するステップと、
前記ジョブ中に検知した用紙種別の切り替わりを検知するステップと、
前記ジョブ中に前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、設定された用紙種別の設定情報に基づいて印字処理の許可/不許可を判定するステップと、
判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて判定を変更するステップと、
変更結果に基づいて印字/停止動作を指示するステップとを含み、
前記判定を変更するステップは、
判定結果に対応する変更判定テーブルを設定するステップと、
前記変更判定テーブルの情報と、前記ジョブの情報とに基づいて判定の変更の可否を判断するステップとを含み、
前記変更判定テーブルを設定するステップは、判定結果が許可判定である場合に対応する第1変更判定テーブルおよび判定結果が不許可判定である場合に対応する第2変更判定テーブルの少なくとも一方を設定する、画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字するステップと、
給紙される用紙種別を検知するステップと、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定するステップと、
前記ジョブ中に検知した用紙種別の切り替わりを検知するステップと、
前記ジョブ中に前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、設定された用紙種別の設定情報に基づいて印字処理の許可/不許可を判定するステップと、
判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて判定を変更するステップと、
変更結果に基づいて印字/停止動作を指示するステップとを含み、
前記判定を変更するステップは、
判定結果に対応する変更判定テーブルを設定するステップと、
前記変更判定テーブルの情報と、前記ジョブの情報とに基づいて判定の変更の可否を判断するステップとを含み、
前記変更判定テーブルは、判定を変更する複数の条件を含み、
前記複数の条件のそれぞれには、判断の順序の優先順位が割り当てられる、画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字するステップと、
給紙される用紙種別を検知するステップと、
ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定するステップと、
前記ジョブ中に検知した用紙種別の切り替わりを検知するステップと、
前記ジョブ中に前記用紙種別の切り替わりを検知した際に、設定された用紙種別の設定情報に基づいて印字処理の許可/不許可を判定するステップと、
判定結果に対して、前記ジョブの情報に基づいて判定を変更するステップと、
変更結果に基づいて印字/停止動作を指示するステップとを含み、
前記判定を変更するステップは、判定結果が不許可判定である場合には、前記ジョブが所定情報を含む場合には、判定結果を許可に変更するステップを含み、
前記印字/停止動作を指示するステップは、許可の変更に従って印字動作を指示するステップを含む、画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の種別の用紙を印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(MFP:Multi-Functional Peripheral)で使用できる紙種は多種多様である。用紙一枚あたりの値段も紙種ごとに異なる。MFPの仕様環境によってはユーザや部門ごとに使用できる紙に制限を設けて運用する。
【0003】
しかしながら、一般的な用紙制限は、使用者がパネルで設定した用紙種別情報と、ユーザが使用できる用紙種別情報とを比較し判断する。使用者がパネル上の設定を、使用許可されている用紙種別とすれば、用紙の使用制限を容易に回避することが可能である。
【0004】
特許文献1は、この点に関し、あらかじめユーザやPC毎に使用できる紙情報を設定しする。印刷用紙には、RFIDタグを埋め込み、RFIDタグ内にある用紙情報を読み取る。印字開始を指示したユーザが対象用紙を使用できない場合、パネルに警告を出して印刷をさせない方式を提案している。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、用紙種別の判断のためにはRFIDタグを使用する。RFIDタグの埋め込みがなされていない一般的な用紙の判断は行えないという課題がある。
【0006】
特許文献2には、一般的な用紙種別を判別する手法の一例が開示されている。MFP内部の搬送経路中に設けられた光学センサや超音波センサ等で構成されるメディア検知センサによって取得した記録材の光の透過率、反射率、厚み、表面状態等の情報により、用紙種別を判別する。
【0007】
当該技術を用いて、自動で用紙種別を判断(オートメディア検知機能)する。特許文献2には、ユーザの設定を省略して、自動で紙の特性に適した印刷制御パラメータにより印刷を行う機能の提案がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2007-98596号公報
【文献】特開2010-217742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、一般的な用紙を使用して印刷を行う環境下において、オートメディア検知機能を用いて用紙種別を行いつつ、ユーザの使用用紙の制限を行う場合、用紙1枚1枚ごとに搬送しながら用紙種別を判定する。ユーザがその用紙を使用できるかの判定タイミングは既に給紙した後となる。対象のユーザが使用できる用紙が紙切れ等の理由により無くなり、他種別の用紙で代替しようとした際、給紙して初めて使用が制限されている用紙と分かる。
【0010】
この点で、一律に使用制限されている用紙の使用は不許可として、印字停止としてしまうと、給紙済みの用紙は無駄となる。
【0011】
この場合、MFPの使用環境、印刷状況によって、理想とするMFPの印字挙動は異なることが考えられる。
【0012】
例えば、多種別の用紙で代替した際に使用不許可の用紙を使用したとしても、給紙済みの用紙で印字が完了するのであれば、再印刷の手間・コストを嫌い、使用用紙の制限を解除して印字を継続したいというMFPの使用環境もある。
【0013】
また、多種別の用紙で代替した際に使用許可の用紙を使用する場合であっても、顧客に提示する重要書類を印刷する場合には、一つの印刷物に対して種別が異なる複数の用紙種別が混入することを避けたいというMFPの使用環境もある。
【0014】
本開示は、上述のような背景に鑑みてなされたものであって、一般的な用紙を使用して印刷を行う環境下において、オートメディア検知機能を用いて用紙種別を行いつつ、ユーザの使用用紙の制限を行う場合、使用用紙の種別の切り替わりを見つけた際には印字を継続するか、停止するかを、使用環境に合わせ設定可能な画像形成装置および画像形成装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
ある実施の形態に従うと、画像形成装置は、ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字する印字部と、印字部に給紙される用紙種別を検知する用紙種別検知部と、ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定する用紙設定部と、ジョブ中に用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知する切替検知部と、ジョブ中に切替検知部により用紙種別の切り替わりを検知した際に、用紙設定部の設定情報に基づいて印字部の印字処理の許可/不許可を判定する判定部と、判定部の判定結果に対して、ジョブの情報に基づいて判定部の判定を変更する判定変更部と、判定変更部の変更結果に基づいて印字部に対して印字/停止動作を指示する動作指令部とを備える。
【0016】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果に対応する変更判定テーブルを設定するためのテーブル設定部と、変更判定テーブルの情報と、ジョブの情報とに基づいて判定部の判定の変更の可否を判断する条件判定部とを含む。
【0017】
好ましくは、テーブル設定部は、判定部の判定結果が許可判定である場合に対応する第1変更判定テーブルおよび判定部の判定結果が不許可判定である場合に対応する第2変更判定テーブルの少なくとも一方を設定する。
【0018】
好ましくは、変更判定テーブルは、判定部の判定を変更する複数の条件を含む。複数の条件のそれぞれには、条件判定部による判断の順序の優先順位が割り当てられる。
【0019】
好ましくは、各条件は、予め登録された複数の条件情報の中から選択受け付け可能に設けられる。
【0020】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が不許可判定である場合には、ジョブが所定情報を含む場合には、判定部の判定結果を許可に変更し、動作指令部は、判定変更部の許可の変更に従って印字部に対して印字動作を指示する。
【0021】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が不許可判定である場合には、ジョブが時間的制約に関連する原稿画像を含む場合には、判定部の判定結果を許可に変更する。
【0022】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が不許可判定である場合には、ジョブの進捗状況が所定の割合以上である場合には、判定部の判定結果を許可に変更する。
【0023】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が不許可判定である場合には、ジョブの受付時刻が所定期間内である場合には、判定部の判定結果を許可に変更する。
【0024】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が許可判定である場合には、ジョブが所定情報を含む場合には、判定部の判定結果を不許可に変更し、動作指令部は、判定変更部の不許可の変更に従って印字部に対して停止動作を指示する。
【0025】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が許可判定である場合には、ジョブが特殊用紙に印字する設定情報を含む場合には、判定部の判定結果を不許可に変更する。
【0026】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が許可判定である場合には、ジョブが外部に提出される資料に関する原稿画像である場合には、判定部の判定結果を不許可に変更する。
【0027】
好ましくは、判定変更部は、判定部の判定結果が許可判定である場合には、ジョブの進捗状況が所定の割合以下である場合には、判定部の判定結果を不許可に変更し、動作指令部は、判定変更部の不許可の変更に従って印字部に対して停止動作を指示する。
【0028】
ある実施の形態に従うと、画像形成装置の制御方法は、ジョブに含まれる原稿画像を用紙に印字するステップと、給紙される用紙種別を検知するステップと、ユーザ毎に使用可能な用紙種別を設定するステップと、ジョブ中に用紙種別検知部で検知した用紙種別の切り替わりを検知するステップと、ジョブ中に用紙種別の切り替わりを検知した際に、設定された用紙種別の設定情報に基づいて印字処理の許可/不許可を判定するステップと、判定結果に対して、ジョブの情報に基づいて判定を変更するステップと、変更結果に基づいて印字/停止動作を指示するステップとを含む。
【0029】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成システム1の概要を説明する図である。
図2】画像形成装置100の構成を説明する図である。
図3】画像形成装置100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】画像形成装置100の操作パネル105を説明する図である。
図5】実施形態に従う用紙種別検知装置42の構成を説明する図である。
図6】実施形態に従う用紙の透過率について説明する図である。
図7】実施形態に基づく制御装置101の機能ブロックを説明する図である。
図8】実施形態に基づく用紙種別テーブルを説明する図である。
図9】実施形態に従う用紙種別の切り替わりを検知した場合の使用許可判定テーブルについて説明する図である。
図10】実施形態に従う用紙種別の切り替わりを検知した場合の使用不許可テーブルについて説明する図である。
図11】実施形態に従うテーブル条件を設定する追加設定画面(その1)について説明する図である。
図12】実施形態に従うテーブル条件を設定する追加設定画面(その2)について説明する図である。
図13】実施形態に従う制御装置101の処理フローを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0032】
以下の実施形態では、画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミリなどが挙げられる。
【0033】
[1.画像形成システム1の構成]
図1は、画像形成システム1の概要を説明する図である。
【0034】
図1を参照して、画像形成システム1は、画像形成装置100と、ネットワーク2と、端末5とを含む。
【0035】
画像形成装置100は、端末5とネットワーク2を介して通信接続可能に接続される。画像形成装置100は、端末5からの印刷ジョブ等を受信して印字処理を実行することが可能である。なお、本例においては、端末5から送信される印刷ジョブを実行する場合について説明するが、特にこれに限られず画像形成装置100を直接操作して設定された印刷ジョブを実行するようにする場合にも同様に適用可能である。
【0036】
画像形成装置100は、カラープリンターとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンターとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンターに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンターであってもよいし、モノクロプリンターまたはカラープリンターとファクシミリとの複合機(所謂MFP(Multi Functional Peripheral))であってもよい。
【0037】
画像形成装置100は、画像読取部としてのスキャナー20と、プリンター25とを備える。スキャナー20には、ADF(Auto Document Feeder)24が設けられている。
【0038】
画像形成装置100は、操作パネル105を備える。
図2は、画像形成装置100の構成を説明する図である。
【0039】
図2を参照して、画像形成装置100の上部には、スキャナー20が設けられている。スキャナー20は、カバー21と、用紙台22と、トレー23と、ADF24とを含む。カバー21の一端は、用紙台22に固定されており、カバー21は、当該一端を支点として開閉可能に構成されている。操作者は、カバー21を開くことで、原稿を用紙台22にセットすることができる。画像形成装置100は、原稿が用紙台22にセットされた状態でスキャン指示を受け付けると、用紙台22にセットされた原稿のスキャンを開始する。また、画像形成装置100は、原稿がトレー23にセットされた状態でスキャン指示を受け付けると、ADF24によって1枚ずつ自動的に原稿を読み取る。
【0040】
プリンター25は、画像形成部90Y,90M,90C,90Kと、IDC(Image Density Control)センサー19と、転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、転写駆動機32と、二次転写ローラー33と、カセット37A~37Cと、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、クリーニングユニット43と、定着器70と、用紙種別検知装置42とを備える。
【0041】
画像形成部90Y,90M,90C,90Kは、転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成部90Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成部90Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成部90Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成部90Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
【0042】
画像形成部90Y,90M,90C,90Kは、それぞれ、転写ベルト30に沿って転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成部90Y,90M,90C,90Kはそれぞれ、回転可能に構成されている感光体10と、帯電装置11と、露光装置13と、現像器14と、クリーニングユニット17と、トナーセンサ18とを備える。
【0043】
画像形成部90Y,90M,90C,90Kがそれぞれ、上述したように作動した後に、転写駆動機32の転写によって、イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が転写ベルト30上に形成される。
【0044】
IDCセンサー19は、転写ベルト30上に形成されるトナー像35の濃度を検知する。典型的には、IDCセンサー19は、反射型フォトセンサーからなる光強度センサーであり、転写ベルト30の表面からの反射光強度を検知する。
【0045】
転写ベルト30は、従動ローラー38と駆動ローラー39とに張架されている。駆動ローラー39はモーター(図示しない)に接続されている。当該モーターを制御することにより、駆動ローラー39は回転する。転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、転写ベルト30上のトナー像35が二次転写ローラー33に送られる。
【0046】
カセット37A~37Cのそれぞれには、異なる大きさの用紙がセットされる。用紙は、記録媒体の一例である。用紙は、カセット37A~37Cのいずれかから1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。用紙が送り出されるタイミングに合わせて、二次転写ローラー33に印加する転写電圧を制御する。
【0047】
二次転写ローラー33は、トナー像35の帯電極性と逆極性の転写電圧を搬送中の用紙に印加する。その結果、トナー像35は、転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、転写ベルト30上のトナー像35が転写される。二次転写ローラー33への用紙の搬送タイミングは、転写ベルト30上のトナー像35の位置に合わせてタイミングローラー40によって制御される。その結果、転写ベルト30上のトナー像35は、用紙の適切な位置に転写される。
【0048】
定着器70は、定着器70を通過する用紙を加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙に定着する。その後、用紙は、トレー49に排紙される。
【0049】
クリーニングユニット43は、転写ベルト30から用紙へのトナー像の転写後に転写ベルト30の表面に残留するトナーを回収する。回収されたトナーは、搬送スクリュー(図示しない)で搬送され、廃トナー容器(図示しない)に貯められる。
【0050】
用紙種別検知装置42は、カセット37A~37Cのそれぞれから給紙された複数の用紙の種別を検知する。用紙種別検知装置42は、検知結果を制御装置101に出力する。
【0051】
[2.ハードウェア構成]
図3は、画像形成装置100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
【0052】
図3を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成の一例について説明する。
画像形成装置100は、スキャナー20およびプリンター25に加え、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークインターフェイス104と、操作パネル105と、記憶装置110とを含む。
【0053】
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0054】
制御装置101は、画像形成装置100の制御パラメーターを調整するためのプログラム112などの各種プログラムを実行することで画像形成装置100の動作を制御する。
【0055】
制御装置101は、プログラム112の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置110からRAM103にプログラム112を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、プログラム112の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0056】
ネットワークインターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。画像形成装置100は、アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信端末、サーバーなどを含む。画像形成装置100は、プログラム112をアンテナを介してサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
【0057】
操作パネル105は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイおよびタッチパネルは互いに重ねられており、画像形成装置100に対する操作をタッチ操作で受け付ける。一例として、操作パネル105は、各種の設定の操作などを受け付ける。
【0058】
記憶装置110は、たとえば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)その他の記憶装置である。記憶装置110は、内蔵式、外付け式のいずれであってもよい。記憶装置110は、本実施形態に従うプログラム112などを格納する。ただし、プログラム112の格納場所は記憶装置110に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0059】
なお、本例における各種テーブル(用紙種別テーブル、使用許可判定テーブル、使用不許可判定テーブル)は、記憶装置110に格納されるようにしても良い。
【0060】
プログラム112は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施形態に従うプログラム112の趣旨を逸脱するものではない。
【0061】
さらに、プログラム112によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーがプログラム112の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で画像形成装置100が構成されてもよい。
【0062】
図4は、画像形成装置100の操作パネル105を説明する図である。
図4を参照して、操作パネル105は、スタートキー130と、ストップキー132と、パネルリセットキー134と、ログイン/ログアウトボタン128と、操作ディスプレイ120と、テーブル設定ボタン125とを含む。
【0063】
スタートキー130は、コピー/スキャン等の動作を開始させるために用いられる。ストップキー132は、コピー/スキャン動作の停止を指示するために用いられる。パネルリセットキー134は、設定されているモードおよびジョブを破棄するために用いられる。ログイン/ログアウトボタン128は、操作パネル105を操作する際のログイン入力あるいはログアウト入力するために用いられる。
【0064】
テーブル設定ボタン125は、各種のテーブルを設定するために用いられる。具体的には、管理者は、テーブル設定ボタン125を選択して、一例として、ユーザが利用可能な用紙の種別に関する情報を設定する用紙種別テーブル、用紙の切り替わりの際に、切り替わった用紙が使用許可の用紙である場合に、使用許可の判定の変更の可否を判断する条件を設定する使用許可判定テーブル、用紙の切り替わりの際に、切り替わった用紙が使用不許可である場合に、使用不許可の判定の変更の可否を判断する条件を設定する使用不許可判定テーブルを設定する。
【0065】
また、操作ディスプレイ120は、各種モードの表示や設定等を実行するためにタッチパネルが取付けられている。
【0066】
このタッチパネルによって、操作者は操作ディスプレイ120内の表示内容に従った各種設定を行なうことができる。また、タッチパネルにおける設定画面領域には、通常はコピー動作やスキャン動作を実行する際に行なう基本的/応用的な設定のためのボタンが配置されている。各ボタンを押下するとその詳細設定を行なうための階層画面が表示される。
【0067】
本例においては、一例として、コピー動作を実行するための各種詳細設定領域が示されており、当該領域内において、倍率を調整するためのアイコン140、濃度を調整するためのアイコン142、画像調整のためのアイコン144、用紙を設定するためのアイコン146がそれぞれ設けられている。
【0068】
本例においては、コピー動作を実行する場合の各種詳細設定のためのアイコンについて説明したが、スキャン動作についても同様の詳細設定領域が表示される。
【0069】
また、左側のジョブ情報画面領域にはその時点で画像形成装置100に投入されているジョブ情報が表示される。表示は実行されるべきジョブの順序で並んでいる。特定のジョブに対して消去変更等の操作を行なう場合は、ジョブ操作ボタンを選択した後、操作対象となるジョブ番号ボタンを押下する。それらの操作によってジョブ操作画面が表示され、特定のジョブに対する操作が可能となる。
【0070】
コピー(Copy)キー122、およびスキャン(Scan)キー124は、画像形成装置100をコピー/スキャナのいずれのモードで動作させるかを設定するための選択キーである。
【0071】
コピーキー122を押下した場合、画像形成装置100はコピー機として使用可能となる。この状態ではスキャナ動作は実行することはできない。
【0072】
また、スキャンキー124を押下した場合、画像形成装置100はスキャナとなる。この状態ではコピー動作を実行することはできない。
【0073】
なお、コピーキー122とスキャンキー124とは排他的動作となり、一方を選択すると自動的に他方は非選択状態となる。
【0074】
また、操作ディスプレイ120には、設定確認ボタン126が設けられている。
設定確認ボタン126は、各種の設定に従うプレビュー画像を表示するためのボタンである。
【0075】
[3.用紙種別検知]
実施形態に従う用紙種別検知装置42は、給紙される用紙の種別を検知する。
【0076】
図5は、実施形態に従う用紙種別検知装置42の構成を説明する図である。
図5を参照して、用紙種別検知装置42は、発光部42Aと、受光部42Bと、RFIDタグ読取装置42Cとを含む。
【0077】
発光部42Aは、給紙される用紙に対して所定の波長の光を投光する。
受光部42Bは、発光部42Aから投光される光を受光する。受光部42Bで受光される光の透過率に基づいて給紙される用紙を判別する。
【0078】
RFIDタグ読取装置42Cは、給紙される用紙(例えば特殊紙)に設けられているRFIDタグを読み取ることが可能な装置である。
【0079】
図6は、実施形態に従う用紙の透過率について説明する図である。
図6を参照して、本例においては、3種類(普通紙、フォト光沢紙、印画紙)の用紙の透過率が示されている。
【0080】
透過率の高い順番に普通紙、フォト光沢紙、印画紙の順番になっている。
透過率を検知することにより用紙の種別を判別することが可能である。
【0081】
用紙種別検知装置42は、透過率の検知に従って普通紙、フォト光沢紙、印画紙を判別し、用紙に設けられたRFIDタグを読み取ることにより特殊紙を判別することが可能である。用紙種別検知装置42は、検知した用紙種別を制御装置101に出力する。
【0082】
なお、用紙種別検知装置42の構成は一例であり、他の方式に従って用紙の種別を判別するようにしてもよい。
【0083】
[4.機能ブロック]
図7は、実施形態に基づく制御装置101の機能ブロックを説明する図である。
【0084】
図7を参照して、制御装置101は、用紙設定部151と、切替検知部152と、判定部154と、判定変更部156と、動作指令部158とを含む。
【0085】
用紙設定部151は、ユーザ毎に印刷ジョブとして使用可能な用紙種別テーブルを設定する。用紙種別テーブルは、記憶装置110に格納される。
【0086】
切替検知部152は、用紙種別検知装置42からの検知結果に基づいて印刷ジョブの実行中の用紙の種別の切り替わりを検知する。例えば、切替検知部152は、用紙種別検知装置42からの検知結果に基づいて給紙される用紙が普通紙からフォト光沢紙に用紙の種別が切り替わったことを検知する。
【0087】
判定部154は、印刷ジョブの実行中に用紙種別の切り替わりを検知した際に、記憶装置110に格納されている用紙種別テーブルの設定情報に基づいて印字処理の許可/不許可を判定する。
【0088】
判定変更部156は、判定部154の判定結果に対して、印刷ジョブの情報に基づいて判定部154の判定を変更する。
【0089】
動作指令部158は、判定変更部156の変更結果に基づいてプリンター25に対して印字/停止動作を指示する。
【0090】
判定変更部156は、テーブル設定部156Aと、条件判定部156Bとを含む。
テーブル設定部156Aは、判定部154の判定結果に対応する変更判定テーブル(使用許可判定テーブル、使用不許可判定テーブル)を設定する。変更判定テーブルは、記憶装置110に格納される。
【0091】
条件判定部156Bは、記憶装置110に格納される変更判定テーブルの情報と、印刷ジョブの情報とに基づいて判定部154の判定の変更の可否を判断する。
【0092】
[5.各種テーブル]
図8は、実施形態に基づく用紙種別テーブルを説明する図である。
【0093】
図8を参照して、用紙設定部151は、各ユーザA、B、C、Dにそれぞれ対応して設けられる使用可能な用紙の種別を示す情報である用紙種別テーブルを設定する。
【0094】
具体的には、一例として普通紙は、ユーザA、B、C、Dについて使用可能に設定されている。
【0095】
フォト光沢紙は、ユーザA、B、Dについて使用可能に設定されている。
印画紙は、ユーザA、Dについて使用可能に設定されている。
【0096】
特殊紙は、ユーザDについて使用可能に設定されている。
管理者は、テーブル設定ボタン125を操作して、ユーザ毎に各用紙の種別に関して使用可能か否かを設定する。本例においては、管理者は、各ユーザについて、使用可を示す「〇」、使用不許可を示す「X」をそれぞれ設定することにより、使用可能な用紙の種別を設定する。
【0097】
実施形態においては、用紙種別検知装置42は、給紙された用紙の種別を検知する。用紙種別検知装置42は、制御装置101に検知結果を出力する。
【0098】
制御装置101は、用紙種別検知装置42から出力される検知結果に従って給紙された用紙が使用許可の用紙か、使用不許可の用紙か否かを判定する。
【0099】
具体的には、制御装置101は、図7で説明されている用紙種別テーブルを用いて、使用許可の用紙か、使用不許可の用紙か否かを判定する。
【0100】
例えば、ユーザAの印刷ジョブにおいて、用紙種別を普通紙で設定した場合に、印字を開始した後、用紙が紙切れとなる場合について考える。ユーザAの印刷ジョブの印字を開始した後、用紙が紙切れとなった場合には、用紙を補給して印字を再開する。その際、例えば、用紙を普通紙からフォト光沢紙に変更する可能性がある。
【0101】
制御装置101は、用紙種別検知装置42からの検知結果に基づいて用紙の種別が変更されたか否かを判定する。
【0102】
制御装置101は、用紙の種別が変更されたことを検知した場合には、変更された用紙の種別が使用許可の用紙か、使用不許可の用紙かを判定する。
【0103】
制御装置101は、使用許可の用紙である場合には、使用許可判定テーブルに基づいて、当該使用許可の判定の変更の可否を判断する。制御装置101は、使用不許可の用紙である場合には、使用不許可判定テーブルに基づいて、当該使用不許可の判定の変更の可否を判断する。
【0104】
制御装置101は、必要に応じて判定を変更し、用紙に対する印字動作の継続あるいは、印字動作の停止を指示する。
【0105】
図9は、実施形態に従う用紙種別の切り替わりを検知した場合の使用許可判定テーブルについて説明する図である。
【0106】
図9を参照して、テーブル設定部156Aは、判定部154の判定結果に対応する変更判定テーブルとして使用許可判定テーブルを設定する。
【0107】
条件判定部156Bは、使用許可判定テーブルに基づいて判定部154の判定結果の変更の可否を判定する。
【0108】
使用許可判定テーブルは、用紙の種別が変更されたことを検知した場合に、変更された用紙の種別が使用許可の用紙である場合に用いられるテーブルである。用紙の種別が変更されたことを検知した場合に、変更された用紙の種別が使用許可の用紙と判定された場合に判定の変更の可否を判断する条件が示されている。
【0109】
デフォルト設定としては、印字許可に設定されている。
追加設定としては、複数の条件(一例として3つの条件)が設けられている。
【0110】
各条件には、判断する際の優先順位がそれぞれ割り当てられている。
優先順位「1」として、用紙種別の切り替わり後の用紙が「特殊紙」である場合には、印字を停止(禁止)する。用紙種別が普通紙、フォト光沢紙、印画紙から特殊紙に切り替わる場合には質感が大きく異なるため許可の判定を不許可に変更する。すなわち、印字を停止する。
【0111】
優先順位「2」として、印刷ジョブのドキュメントタイトルに「提案資料」の文言を含む場合には、印字を停止する。印刷ジョブのドキュメントタイトルに「提案資料」の文言が含まれている場合には、外部に提出される資料である可能性が高い。当該文言が含まれている印刷ジョブについては、質感の異なる用紙を使用することは望ましくないため許可の判定を不許可に変更する。すなわち、印字を停止する。
【0112】
優先順位「3」として、印刷ジョブの進捗が5%未満である場合には、印字を停止する。印刷ジョブの進捗が5%未満の場合には、印刷ジョブのやり直しを優先することが好ましいため許可の判定を不許可に変更する。すなわち、印字を停止する。
【0113】
図10は、実施形態に従う用紙種別の切り替わりを検知した場合の使用不許可テーブルについて説明する図である。
【0114】
図10を参照して、テーブル設定部156Aは、判定部154の判定結果に対応する変更判定テーブルとして使用不許可判定テーブルを設定する。
【0115】
条件判定部156Bは、使用許可判定テーブルに基づいて判定部154の判定結果の変更の可否を判定する。
【0116】
使用不許可判定テーブルは、用紙の種別が変更されたことを検知した場合に、変更された用紙の種別が使用不許可の用紙である場合に用いられるテーブルである。用紙の種別が変更されたことを検知した場合に、変更された用紙の種別が使用不許可の用紙と判定された場合に判定の変更の可否を判断する条件が示されている。
【0117】
デフォルト設定としては、印字停止に設定されている。
追加設定としては、複数の条件(一例として5つの条件)が設けられている。
【0118】
各条件には、判断する際の優先順位がそれぞれ割り当てられている。
優先順位「1」として、用紙種別の切り替わり後の用紙が「特殊紙」である場合には、印字を停止する。用紙種別が普通紙、フォト光沢紙、印画紙から特殊紙に切り替わる場合には質感が大きく異なるため印字を停止する。この場合には、不許可の判定を維持する。
【0119】
優先順位「2」として、印刷ジョブのドキュメントタイトルに「至急」の文言を含む場合には、印字を継続する。印刷ジョブの情報として、ドキュメントタイトルに「至急」の文言が含まれている場合には、印刷ジョブの完了を優先するために不許可の判定を許可に変更する。すなわち、印字を継続する。「至急」により時間的制約が推定されるため当該文言が含まれている印刷ジョブについては、印字を停止するのではなく印字を継続することにより、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
【0120】
優先順位「3」として、印刷ジョブのドキュメントタイトルに「提案資料」の文言を含む場合には、印字を停止する。印刷ジョブの情報として、ドキュメントタイトルに「提案資料」の文言が含まれている場合には、外部に提出される資料である可能性が高い。当該文言が含まれている印刷ジョブについては、質感の異なる用紙を使用することは望ましくないため不許可の判定を維持する。すなわち、印字を停止する。
【0121】
優先順位「4」として、印刷ジョブの進捗が90%以上である場合には、印字を継続する。印刷ジョブの進捗が90%以上の場合には、印刷ジョブの完了を優先することが望ましい。本例においては、不許可の判定を許可に変更する。すなわち、印字を継続する。
【0122】
優先順位「5」として、使用時間が「20:00~翌日8:00」の場合には、印字を継続する。画像形成装置100の使用時間(ジョブの受付時間)が20時から翌日8時までの間の所定時間である場合には、ユーザの利便性を考慮して印字を継続することが望ましい。本例においては、不許可の判定を許可に変更する。すなわち、印字を継続する。
【0123】
図11は、実施形態に従うテーブル条件を設定する追加設定画面(その1)について説明する図である。
【0124】
図11を参照して、テーブル設定部156Aは、管理者によるテーブル設定ボタン125の操作に従って追加設定画面を表示する。
【0125】
当該追加設定画面において、優先順位、用紙種別判断結果、個別条件、条件値、印字挙動を設定する項目が表示されている。
【0126】
優先順位は、条件の優先順位を設定する項目である。本例においては、「2」が設定されている。
【0127】
用紙種別判断結果は、用紙の種別が変更されたことを検知した場合に、変更された用紙の種別が使用許可の用紙である場合の条件か、あるいは変更された用紙の種別が使用不許可の用紙である場合の条件かを設定する項目である。本例においては、変更された用紙の種別が使用不許可の用紙である場合の条件として、「使用不許可用紙の使用」が設定される。これにより、使用不許可判定テーブルに登録される。
【0128】
個別条件は、具体的な条件の内容を設定する項目である。本例においては、「ドキュメントタイトルに条件値の文言を含む」が設定される。
【0129】
条件値は、条件の値を設定する項目である。本例においては、「至急」が設定される。
印字挙動は、条件が満たされる場合に、判定を変更あるいは維持することにより印字の継続あるいは印字の禁止を設定する項目である。
【0130】
したがって、この場合、変更された用紙の種別が使用不許可の用紙である場合の使用不許可判定テーブルが設定される。使用不許可判定テーブルにおいて、ドキュメントタイトルに至急の文言を含む場合の条件が設定され、当該条件が満たされる場合に使用不許可の判定が許可に変更されて印字が継続される。
【0131】
当該処理を繰り返すことにより使用許可判定テーブルおよび使用不許可判定テーブルの各種の条件が設定される。
【0132】
図12は実施形態に従うテーブル条件を設定する追加設定画面(その2)について説明する図である。
【0133】
図12を参照して、テーブル設定部156Aは、管理者によるテーブル設定ボタン125の操作に従って追加設定画面を表示する。
【0134】
当該追加設定画面において、優先順位、用紙種別判断結果、個別条件、条件値、印字挙動を設定する項目が表示されている。
【0135】
各項目は、予め選択可能な条件項目がプルダウン形式により設定することが可能に設けられている。これにより設定操作が容易となる。
【0136】
当該操作を繰り返すことにより図9および図10等のテーブルの設定を簡易に実行することが可能である。
【0137】
(処理フロー)
図13は、実施形態に従う制御装置101の処理フローを説明するフロー図である。
【0138】
当該処理フローを実行するプログラムは、記憶装置110に格納されている。
図13を参照して、制御装置101は、用紙種別の切り替わりが有るか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、切替検知部152は、用紙種別検知装置42からの情報に基づいて用紙種別の切り替わりが有るか否かを判定する。例えば、切替検知部152は、普通紙からフォト光沢紙への用紙の種別の変更があるか否かを判定する。
【0139】
次に、制御装置101は、用紙種別の切り替わりが無いと判定した場合(ステップS2においてNO)には、ステップS2を維持する。
【0140】
一方、制御装置101は、用紙種別の切り替わりが有ると判定した場合(ステップS2においてYES)には、切り替わった用紙が、使用許可か使用不許可かを判定する(ステップS6)。判定部154は、印刷ジョブを実行するユーザに関して、用紙種別テーブルに基づいて用紙種別検知装置42からの情報に従って当該切り替わった用紙の使用許可あるいは使用不許可を判定する。
【0141】
ステップS6において、制御装置101は、用紙の使用が許可判定であると判定した場合(ステップS6においてYES)には、使用許可判定テーブルに基づいて判定の変更の可否を判定する(ステップS8)。条件判定部156Bは、図9で説明した使用許可判定テーブルに基づいて判定部154により判定された用紙の許可の判定を変更するべきか否かを判定する。
【0142】
ステップS8において、制御装置101は、使用許可判定テーブルに基づいて判定の変更をすると判定した場合(ステップS8においてYES)には、印字を禁止する(ステップS10)。条件判定部156Bは、判定部154の判定を変更すると判定した場合には、用紙の使用を不許可判定に変更して、判定結果を動作指令部158に出力する。動作指令部158は、変更された判定結果に従って印字動作を中止するようにプリンター25に指示する。
【0143】
そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS8において、制御装置101は、使用許可判定テーブルに基づいて判定の変更をしないと判定した場合(ステップS8においてNO)には、印字を継続する(ステップS12)。条件判定部156Bは、判定部154の判定を変更しないと判定した場合には、判定部154の判定結果を動作指令部158に出力する。動作指令部158は、判定結果に従って印字動作を継続するようにプリンター25に指示する。
【0144】
そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS6において、制御装置101は、用紙の使用が許可判定でないと判定した場合(不許可判定である場合)(ステップS6においてNO)には、使用不許可判定テーブルに基づいて判定の変更の可否を判断する(ステップS14)。条件判定部156Bは、図10で説明した使用不許可判定テーブルに基づいて判定部154により判定された用紙の不許可の判定を変更するべきか否かを判定する。
【0145】
ステップS14において、制御装置101は、使用不許可判定テーブルに基づいて判定の変更をすると判定した場合(ステップS14においてYES)には、印字を継続する(ステップS12)。条件判定部156Bは、判定部154の判定を変更すると判定した場合には、用紙の使用を許可判定に変更して、判定結果を動作指令部158に出力する。動作指令部158は、変更された判定結果に従って印字動作を継続するようにプリンター25に指示する。
【0146】
そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS14において、制御装置101は、使用不許可判定テーブルに基づいて判定の変更をしないと判定した場合(ステップS14においてNO)には、印字を禁止する(ステップS10)。条件判定部156Bは、判定部154の判定を変更しないと判定した場合には、判定部154の判定結果を動作指令部158に出力する。動作指令部158は、判定結果に従って印字動作を中止するようにプリンター25に指示する。
【0147】
そして、処理を終了する(エンド)。
一般的な用紙を使用して印刷を行う環境下において、オートメディア検知機能を用いて用紙種別を行いつつ、ユーザの使用用紙の制限を行う場合、使用用紙の種別の切り替わりを見つけた際には印字を継続するか、停止するかを、使用環境に合わせ設定することが可能である。
【0148】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成装置、10 感光体、11 帯電装置、13 露光装置、14 現像器、15C,15K,15M,15Y トナーボトル、17,43 クリーニングユニット、18 トナーセンサ、20 スキャナー、21 カバー、22 用紙台、23,49 トレー、25 プリンター、90C,90K,90M,90Y 画像形成部、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 ネットワークインターフェイス、105 操作パネル、110 記憶装置、112 プログラム、120 操作ディスプレイ、151 用紙設定部、152 切替検知部、154 判定部、156 判定変更部、156A テーブル設定部、156B 条件判定部、158 動作指令部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13