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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】画像形成装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
G03G21/00
G03G21/00 512
G03G21/00 386
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019109560
(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公開番号】P2020201427
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 正安
(72)【発明者】
【氏名】吉山 次人
(72)【発明者】
【氏名】森田 さや香
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 國智
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-052400(JP,A)
【文献】特開2015-081969(JP,A)
【文献】特開2013-130798(JP,A)
【文献】特開2013-020232(JP,A)
【文献】特開2016-102997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、
押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材への交換を促す案内表示をする表示手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示手段は、さらに、前記固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材を示す識別情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、
押圧部材により固形の潤滑剤を、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシである潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、回転ブラシの回転数の変更を促す案内表示をする表示手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、
押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、
利用者からの応答を受け付ける入力受付手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、画像形成ジョブの実行を待機している待機時間帯において、画像形成中よりも多くの潤滑剤を供給するよう、前記塗布手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体は、回転し、
前記潤滑剤供給部材は、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシであり、
前記制御手段は、前記応答を受けなかった場合、前記待機時間帯において、画像形成中よりも遅い周速度で前記像担持体を回転させ、画像形成中と同じ周速度で前記回転ブラシを回転させる
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、
押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、
利用者からの応答を受け付ける入力受付手段を備え、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、前記表示手段は、さらに、潤滑剤塗布を促す案内表示をする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
さらに、潤滑剤塗布を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、潤滑剤塗布を実施する旨の応答を受け付けなかった場合、画像形成の条件を変更するよう制御する制御手段を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体は、回転し、
前記潤滑剤供給部材は、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシであり、
前記制御手段は、潤滑剤塗布を実施する旨の応答を受けなかった場合、画像形成中において、変更前の画像形成中よりも遅い周速度で前記像担持体を回転させ、変更前の画像形成中と同じ周速度で回転ブラシを回転させる
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
潤滑剤塗布を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、潤滑剤塗布を実施する旨の応答を受けなかった場合、前記表示手段は、さらに、画像形成の条件の変更を促す案内表示をする
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、
押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、
利用者からの応答を受け付ける入力受付手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、画像形成の条件を変更するよう制御する制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、
押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、
利用者からの応答を受け付ける入力受付手段とを備え、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、前記表示手段は、さらに、画像形成の条件の変更を促す案内表示をする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記表示手段は、前記押圧部材による前記潤滑剤供給部材に対する押圧力の修復を促す案内表示をする
ことを特徴とする請求項4、6、10、11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記表示手段は、前記押圧部材の交換を促す案内表示をする
ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記パラメーターは、前記画像形成装置の累積の印刷枚数、回転する前記像担持体の累積の回転数又は回転する前記像担持体の累積の使用時間のいずれかである
ことを特徴とする請求項1、3、4、6、10、11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記塗布手段は、
固形の潤滑剤と、
潤滑剤供給部材と、
前記固形の潤滑剤を前記潤滑剤供給部材に押圧する押圧部材とを備え、
前記潤滑剤供給部材は、前記押圧部材による押圧力に応じて、固形の潤滑剤の表層を削り取り、削り取った潤滑剤を前記像担持体に供給する
ことを特徴とする請求項1、3、4、6、10、11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記固形の潤滑剤、前記潤滑剤供給部材及び前記押圧部材は、ハウジング内部に収容され、前記ハウジングの壁面には、前記押圧部材を前記ハウジング内から外に出して交換するための貫通孔が開設され、前記貫通孔は、着脱可能な蓋部により、覆われており、装着されている前記蓋部と前記固形の潤滑剤との間に、前記押圧部材が介挿されている
ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記押圧部材は、弾性体である
ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記押圧部材は、圧縮バネである
ことを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、
前記画像形成装置は、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、
前記制御方法は、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材への交換を促す案内表示をする表示ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項20】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、
前記画像形成装置は、押圧部材により固形の潤滑剤を、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシである潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、
前記制御方法は、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、回転ブラシの回転数の変更を促す案内表示をする表示ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項21】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、
前記画像形成装置は、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、
前記制御方法は、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示ステップと、
利用者からの応答を受け付ける入力受付ステップと、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、画像形成ジョブの実行を待機している待機時間帯において、画像形成中よりも多くの潤滑剤を供給するよう、前記塗布手段を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項22】
電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、
前記画像形成装置は、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、
前記制御方法は、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、
取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、
前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示ステップと、
利用者からの応答を受け付ける入力受付ステップとを含み、
前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、前記表示ステップは、さらに、潤滑剤塗布を促す案内表示をする
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体の周面に潤滑剤を塗布する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンターなどの画像形成装置は、感光体ドラムを帯電させて、帯電された感光体ドラムを露光して静電潜像を形成し、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を記録シートに転写すると共に、記録シートに転写されずに感光体ドラム上に残ったトナーなどの残留物をクリーナーにより清掃する構成になっている。
【0003】
このような画像形成装置では、転写性やクリーニング性などの向上のために感光体ドラムにステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布する構成がとられていることが多い。
【0004】
特許文献1によると、ブラシローラーで固形の潤滑剤を削り取って感光体ドラムの表面に供給する潤滑剤塗布手段において、潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材の変位を距離センサーで測定し、感光体ドラムの走行距離における単位距離あたりの潤滑剤の実消費量を求め、予め設定された単位距離あたりの基準消費量と比較し、実消費量が基準消費量の範囲を超える場合にはブラシローラーの回転数を小さくし、実消費量が基準消費量の範囲を下回る場合にはブラシローラーの回転数を大きくする制御を行う。これにより、感光体ドラムに対する潤滑剤の供給量の均一化を実現している。
【0005】
特許文献2及び3においても、固形の潤滑剤の残量を検知し、その検知結果に基づいて、潤滑剤の供給量を制御している。
【0006】
また、特許文献1、3~6においては、ブラシローラーによる削り取り量が一定となるように、固形の潤滑剤がバネ等の押圧部材により、ブラシローラーに付勢されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-9988号公報
【文献】特開2007-225847号公報
【文献】特開2013-20232号公報
【文献】特許第3406099号公報
【文献】特開2007-193263号公報
【文献】特開2008-180789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、例えば、固形の潤滑剤をブラシローラーに付勢するバネ等の押圧部材は、長年の使用により劣化し、潤滑剤をブラシローラーに付勢する付勢力が低下する。このため、感光体ドラムに対して供給される潤滑剤が減少し、感光体ドラム上に残存するトナーを十分にクリーニングすることができず、クリーニングできずに感光体ドラム上に残存するトナーにより、次に形成する画像の画質が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するため、長年の使用により潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部の塗布能力が低下する場合であっても、次に形成する画像の画質の低下を防ぐことができる画像形成装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材への交換を促す案内表示をする表示手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記表示手段は、さらに、前記固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材を示す識別情報を表示してもよい。
【0012】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、押圧部材により固形の潤滑剤を、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシである潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、回転ブラシの回転数の変更を促す案内表示をする表示手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、利用者からの応答を受け付ける入力受付手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、画像形成ジョブの実行を待機している待機時間帯において、画像形成中よりも多くの潤滑剤を供給するよう、前記塗布手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
ここで、前記像担持体は、回転し、前記潤滑剤供給部材は、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシであり、前記制御手段は、前記応答を受けなかった場合、前記待機時間帯において、画像形成中よりも遅い周速度で前記像担持体を回転させ、画像形成中と同じ周速度で前記回転ブラシを回転させる、としてもよい。
【0015】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、利用者からの応答を受け付ける入力受付手段を備え、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、前記表示手段は、さらに、潤滑剤塗布を促す案内表示をすることを特徴とする。
【0016】
ここで、さらに、潤滑剤塗布を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、潤滑剤塗布を実施する旨の応答を受け付けなかった場合、画像形成の条件を変更するよう制御する制御手段を備える、としてもよい。
【0017】
ここで、前記像担持体は、回転し、前記潤滑剤供給部材は、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシであり、前記制御手段は、潤滑剤塗布を実施する旨の応答を受けなかった場合、画像形成中において、変更前の画像形成中よりも遅い周速度で前記像担持体を回転させ、変更前の画像形成中と同じ周速度で回転ブラシを回転させる、としてもよい。
【0018】
ここで、潤滑剤塗布を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、潤滑剤塗布を実施する旨の応答を受けなかった場合、前記表示手段は、さらに、画像形成の条件の変更を促す案内表示をしてもよい。
【0019】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、利用者からの応答を受け付ける入力受付手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、画像形成の条件を変更するよう制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置であって、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得手段と、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較手段と、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示手段と、利用者からの応答を受け付ける入力受付手段とを備え、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、前記表示手段は、さらに、画像形成の条件の変更を促す案内表示をすることを特徴とする。
【0021】
ここで、前記表示手段は、前記押圧部材による前記潤滑剤供給部材に対する押圧力の修復を促す案内表示をしてもよい。
【0022】
ここで、前記表示手段は、前記押圧部材の交換を促す案内表示をしてもよい。
【0023】
ここで、前記パラメーターは、前記画像形成装置の累積の印刷枚数、回転する前記像担持体の累積の回転数又は回転する前記像担持体の累積の使用時間のいずれかである、としてもよい。
【0024】
ここで、前記塗布手段は、固形の潤滑剤と、潤滑剤供給部材と、前記固形の潤滑剤を前記潤滑剤供給部材に押圧する押圧部材とを備え、前記潤滑剤供給部材は、前記押圧部材による押圧力に応じて、固形の潤滑剤の表層を削り取り、削り取った潤滑剤を前記像担持体に供給してもよい。
【0025】
ここで、前記固形の潤滑剤、前記潤滑剤供給部材及び前記押圧部材は、ハウジング内部に収容され、前記ハウジングの壁面には、前記押圧部材を前記ハウジング内から外に出して交換するための貫通孔が開設され、前記貫通孔は、着脱可能な蓋部により、覆われており、装着されている前記蓋部と前記固形の潤滑剤との間に、前記押圧部材が介挿されている、としてもよい。
【0026】
ここで、前記押圧部材は、弾性体である、としてもよい。
【0027】
ここで、前記押圧部材は、圧縮バネである、としてもよい。
【0028】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、前記画像形成装置は、押圧部材により固形の潤滑剤を潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、前記制御方法は、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材への交換を促す案内表示をする表示ステップとを含むことを特徴とする。
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、前記画像形成装置は、押圧部材により固形の潤滑剤を、円筒周面にブラシ毛を植設した回転ブラシである潤滑剤供給部材に押圧することにより、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、前記制御方法は、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、回転ブラシの回転数の変更を促す案内表示をする表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0029】
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、前記画像形成装置は、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、前記制御方法は、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示ステップと、利用者からの応答を受け付ける入力受付ステップと、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、画像形成ジョブの実行を待機している待機時間帯において、画像形成中よりも多くの潤滑剤を供給するよう、前記塗布手段を制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
また、本開示の一態様は、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において用いられる制御方法であって、前記画像形成装置は、像担持体に潤滑剤を塗布する塗布手段を備え、前記制御方法は、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターを取得する取得ステップと、取得した前記パラメーターと所定閾値とを比較する比較ステップと、前記パラメーターが前記所定閾値を超える場合、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示をする表示ステップと、利用者からの応答を受け付ける入力受付ステップとを含み、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力の修復を促す案内表示がされた後、所定時間経過後に、前記塗布手段による潤滑剤の塗布能力を修復した旨の応答を受けなかった場合、前記表示ステップは、さらに、潤滑剤塗布を促す案内表示をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
この構成によると、長年の使用により潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部の塗布能力が低下する場合であっても、次に形成する画像の画質の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一の実施の形態としての画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。
図2】(a)プリントエンジン13の画像形成ユニット41における潤滑剤塗布部200の構成を拡大して示す図である。(b)潤滑剤塗布部200において、カバー207を取り外して、圧縮バネ203xが突出している様子を示す図である。
図3】制御回路14の構成を示すブロック図である。
図4】圧縮バネを交換する前の潤滑剤の塗布性能を示すグラフである。
図5】圧縮バネを交換した後の潤滑剤の塗布性能を示すグラフである。
図6】操作パネル20に表示される画面301を示す。
図7】画像形成装置1における動作を示すフローチャートである。
図8】(a)~(c)変形例(1)の潤滑剤塗布部200において、カバー207を取り外して、圧縮バネ203a~203cが突出している様子を示す図である。
図9】圧縮バネの突出量に応じて、交換すべき圧縮バネの識別情報を示すテーブル451である。
図10】操作パネル20に表示される画面311を示す。
図11】圧縮バネを交換した後の潤滑剤の塗布性能を示すグラフである。
図12】変形例(2)の操作パネル20に表示される画面321を示す。
図13】操作パネル20に表示される画面331を示す。
図14】操作パネル20に表示される画面341を示す。
図15】変形例(2)において、警告を含む画面321を生成し表示する動作を示すフローチャートである。
図16】変形例(2)において、潤滑剤塗布モードを強制的に実施する動作を示すフローチャートである。
図17】変形例(2)において、潤滑剤塗布モードの案内表示をした後に、潤滑剤塗布モードを実施する動作を示すフローチャートである。
図18】変形例(2)において、潤滑剤塗布モードの案内表示をした後に、利用者の承諾が得られなかった場合に、画像形成条件を変更する動作を示すフローチャートである。
図19】変形例(2)において、潤滑剤塗布モードの案内表示をし、画像形成条件の変更の案内表示をし、利用者の承諾が得られた場合に、画像形成条件を変更する動作を示すフローチャートである。
図20】変形例(2)において、画像形成条件を強制的に変更する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
1 実施の形態
本発明に係る一の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0033】
1.1 画像形成装置1
画像形成装置1は、スキャナー、プリンター及びコピー機等の機能を有するタンデム型のカラー複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)である。
【0034】
画像形成装置1においては、図1に示すように、筐体底部に、シートを収容し搬送するシート搬送部50が設けられている。シート搬送部50の上方には、電子写真方式により画像を形成するプリントエンジン13及び画像形成装置1の各ブロックを統合的に制御する制御回路14が設けられ、プリントエンジン13及び制御回路14の上方には、原稿を読み取って入力画像データを生成するスキャナー10及び操作用の画面を表示し、利用者から入力操作を受け付ける操作パネル20が設けられている。
【0035】
(1)スキャナー10
スキャナー10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12等を備えて構成される。
【0036】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。
【0037】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。スキャナー10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。スキャナー10は、生成した入力画像データを画像メモリ104(図3)に書き込む。
【0038】
(2)プリントエンジン13
プリントエンジン13は、電子写真方式により画像を形成する画像形成部40及びトナー像をシートに融着する定着部60から構成されている。
【0039】
画像形成部40は、画像メモリ104に記憶されている入力画像データに基づいて、Y(イエロー)成分、M(マゼンタ)成分、C(シアン)成分、K(ブラック)成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
【0040】
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素を同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号を付し、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号を省略している。以下、画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kを代表して、画像形成ユニット41Yについて、画像形成ユニット41として説明する。
【0041】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414及びドラムクリーニング装置415等を備える。
【0042】
感光体ドラム413(像担持体)は、制御回路14が感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(不図示)に供給される駆動電流を制御することにより、一定の周速度で回転する。
【0043】
帯電装置414は、感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
【0044】
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。レーザー光の照射により、感光体ドラム413の表面には、各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
【0045】
現像装置412は、例えば、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
【0046】
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
【0047】
転写残トナー等の残留物が除去された後の感光体ドラム413の周面には、図2に示すように、潤滑剤塗布部200(塗布手段)により潤滑剤が塗布される。塗布された潤滑剤は、感光体ドラム413の回転により、その周方向に沿って帯電装置414や現像装置412などの各部の位置を通過した後、クリーニング部244に至り、クリーニングブレード241の、感光体ドラム413との接触部分に供給される。
【0048】
これにより、クリーニングブレード241と感光体ドラム413間の摩擦が低減され、クリーニングブレード241の早期の摩耗を防止して、クリーニング性を長期に亘って向上することができ、感光体ドラム413の周面の磨耗の抑制により長寿命化を実現できる。また、感光体ドラム413において感光体ドラム413の周面と現像後のトナー像のトナー粒子との間に潤滑剤被膜が介在することにより、転写性についても長期に亘って向上することができる。
【0049】
潤滑剤塗布部200の詳細については、後述する。
【0050】
図1に戻って、中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、複数の一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423A~423D、二次転写ローラー424A、424B及びベルトクリーニング装置426等を備える。
【0051】
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423A~423Dにより、ループ状に張架される。複数の支持ローラー423A~423Dのうち、支持ローラー423Aは、駆動ローラーである。支持ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は、矢印A方向に一定速度で周回走行する。
【0052】
各色成分の一次転写ローラー422は、当該色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0053】
二次転写ローラー424A及び424Bは、中間転写ベルト421の内周面側に配置される支持ローラー423A及び423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424A及び424Bがそれぞれ支持ローラー423A及び423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421からシートSへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0054】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。
【0055】
その後、シートSが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像がシートSに二次転写される。トナー像が転写されたシートSは定着部60に向けて搬送される。
【0056】
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
【0057】
定着部60は、二次転写ニップから、シートSの搬送方向、下流側に設けられている。定着部60は、シートSの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する定着部材60A、シートSの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する加圧部材60B及び定着部材60Aに熱量を付与する加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、シートSを狭持して搬送する定着ニップNPが形成される。
【0058】
定着部60は、二次転写ニップから搬送されてきたシートSを定着ニップNPで加熱、加圧する。定着ニップNPを通過したシートSは、排紙部52に向けて搬送される。
【0059】
(3)シート搬送部50
シート搬送部50は、給紙部51、搬送経路部53及び排紙部52等を備える。シート搬送部50は、制御回路14の指示に従って制御される。
【0060】
給紙部51は、画像形成装置1の筐体底部に設けられ、搬送経路部53は、給紙部51から給紙されるシートの搬送方向、下流側に、設けられている。
【0061】
給紙部51は、3つの給紙トレイユニット51a~51cを備える。給紙トレイユニット51a~51cには、それぞれ、シートが収容される。給紙トレイユニット51a~51cに収容されているシートSは、搬送経路部53に搬送される。
【0062】
搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。給紙部51から、シートSが搬送経路部53に搬送されると、レジストローラー対53aにより、シートSの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。その後、シートSは、二次転写ニップに向けて搬送される。
【0063】
排紙部52は、排紙ローラー52aを備える。定着部60から搬送されたシートSは、排紙ローラー52aにより、機外に排紙される。
【0064】
(4)ドラムクリーニング装置415
図2は、画像形成ユニット41のドラムクリーニング装置415が備える潤滑剤塗布部200の構成を拡大して示す図であり、その周辺に配されている感光体ドラム413やクリーニングブレード241などの他の部材も合わせて示している。
【0065】
同図に示すように、ドラム回転方向Bに沿って、感光体ドラム413の周囲に、クリーニング部244、潤滑剤塗布部200及び均しブレード204がこの順序で配置されている。クリーニング部244、潤滑剤塗布部200及び均しブレード204は、一つのユニット(ドラムクリーニング装置415)としてハウジング290に収容された状態で装置本体に着脱自在に支持されている。
【0066】
(クリーニング部244)
クリーニング部244のクリーニングブレード241は、ポリウレタンゴムを板状に加工したものであり、保持板金242に、ここではホットメルト接着剤により接着されており、クリーニングブレード241の先端が感光体ドラム413の周面にドラム回転方向Bとは逆方向(カウンター方向)に当接して、感光体ドラム413上の残留トナーを含む残留物を掻き取る。掻き取られた残留物は、ハウジング290内において回収スクリュー243まで落下して、回収スクリュー243により廃トナー回収ボックス(不図示)に搬送されて回収される。
【0067】
(潤滑剤塗布部200)
潤滑剤塗布部200は、ブラシローラー201(潤滑剤供給部材)と、固形潤滑剤202と、圧縮バネ203(押圧部材)と、ブラシモーター205などを備える。
【0068】
なお、ブラシローラー201、固形潤滑剤202、均しブレード204、クリーニングブレード241及びこれらを収容するハウジング290は、感光体ドラム413の軸方向(ドラム軸方向)に沿って長尺状であり、その軸方向長さが感光体ドラム413上における画像形成領域の主走査方向の幅(印字幅)よりも長くなっている。圧縮バネ203は、ドラム軸方向に沿って間隔をおいて複数個が配置されている。
【0069】
ハウジング290の底面には、圧縮バネ203を交換するための孔208(貫通孔)が開設されている。孔208は、着脱可能なカバー207(蓋部)により下方から塞がれ、カバー207は、ハウジング290にねじ止めされている。
【0070】
ハウジング290にねじ止めされたカバー207は、圧縮バネ203の一端側の底面を支持している。カバー207がハウジング290から取り外されると、図2(b)に示すように、自然長に戻った圧縮バネ203xは、孔208から下方に突出する。カバー207を取り外した状態で、孔208から圧縮バネ203xを取り出し、圧縮バネ203xを交換することができる。新しい圧縮バネは、孔208から、ハウジング290の内部に装着される。
【0071】
ブラシローラー201は、金属製の導電性材料、ここでは鉄製の芯金211の周面に、導電性の多数本のブラシ毛からなるブラシ(以下、「ブラシ繊維」という。)212が植設されてなり、感光体ドラム413と固形潤滑剤202との間に介在し、ブラシ繊維212の、感光体ドラム413の周面に対向する部分が感光体ドラム413の周面に当接して感光体ドラム413の周面に潤滑剤を塗布(供給)する。ブラシローラー201の、感光体ドラム413の周面との接触位置が感光体ドラム413への潤滑剤の塗布位置206になる。
【0072】
芯金211は、ブラシモーター205の駆動力により、塗布位置206においてドラム回転方向とは逆方向(矢印Cで示す方向)に回転する。画像形成動作中には、ブラシ繊維212を構成するブラシ毛の先端の、芯金211の回転方向に沿った周速度が、感光体ドラム413の周面の一定速度(周速度)に対して所定の倍率、例えば、0.5倍になるように、ブラシローラー201の回転速度が規定されている。
【0073】
ブラシ繊維212は、ここでは直毛ブラシが用いられてなる。直毛ブラシは、その材質が導電性のアクリルであり、電気抵抗値が106〔Ω〕、繊維太さが3T〔デシテックス〕、繊維密度が150〔KF/平方インチ〕である。
【0074】
芯金211の径は、6〔mm〕、ブラシ繊維212を構成する直毛ブラシのブラシ毛の高さは、約2.5〔mm〕である。ブラシ繊維212は、ここでは芯金211に巻き付けられた導電性の基布(不図示)に織られており、基布の厚みが0.5〔mm〕程度なので、ブラシローラー201の直径は、約12〔mm〕になっている。
【0075】
固形潤滑剤202は、金属石鹸の粉体を溶融成型したものであり、脂肪酸金属塩からなり、ここでは負の摩擦帯電性を有するステアリン酸亜鉛が用いられている。
【0076】
このステアリン酸亜鉛は、離型性が高く(純水接触角が高いことに相当)、摩擦係数が小さいことが特徴であり、転写性、クリーニング性が高いことから、潤滑剤として好適であるが、これに限られることもない。
【0077】
例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属塩、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウムなどのオレイン酸金属塩、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウムなどのパルチミン酸金属塩、リノール酸亜鉛などのリノール酸金属塩、リシノール酸亜鉛、リシノール酸リチウムなどのリシノール酸金属塩などを潤滑剤に用いることもできる。
【0078】
圧縮バネ203は、固形潤滑剤202をブラシローラー201に押圧させるための付勢力を付与する弾性体である。ブラシローラー201に押圧された固形潤滑剤202の表層は、ブラシローラー201の回転によってブラシ繊維212の各ブラシ毛により掻き取られる。掻き取られた潤滑剤は、ブラシローラー201の回転によって感光体ドラム413への塗布位置206まで搬送されて、感光体ドラム413に供給される。
【0079】
(均しブレード204)
均しブレード204は、ポリウレタンゴムをシート状に加工して形成されている。均しブレード204の先端209が感光体ドラム413の周面にカウンター方向に当接し、感光体ドラム413上に供給された潤滑剤を、先端209と感光体ドラム413の周面との間に生じる隙間を通過させることにより、感光体ドラム413の周面上で均して、感光体ドラム413上に均一の厚みからなる潤滑剤の被膜を形成させる。
【0080】
(5)制御回路14
制御回路14は、図3に示すように、主制御部100、画像メモリ104、記憶部105、画像処理部106、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110、表示制御部111等から構成されている。
【0081】
(5-1)主制御部100
主制御部100は、CPU101、ROM102及びRAM103等から構成されている。
【0082】
RAM103は、半導体メモリから構成され、各種の制御変数などを一時記憶すると共に、CPU101によるプログラム実行時のワークエリアを提供する。
【0083】
ROM102は、半導体メモリから構成され、予め、スキャンジョブ、コピージョブ又はプリントジョブ等の各種ジョブを実行させるための制御プログラムなどを記憶している。
【0084】
CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0085】
上記の通り、CPU101、ROM102及びRAM103等から構成されているので、主制御部100は、スキャンジョブ、コピージョブ又はプリントジョブ等に従って、画像メモリ104、記憶部105、画像処理部106、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108、スキャナー制御部109、入出力部110及び表示制御部111等を統一的に制御する。
【0086】
例えば、主制御部100は、制御プログラムに従って動作することにより、ネットワーク通信部107によりプリントジョブを受信すると、エンジン制御部108に指示して、そのプリントジョブに基づき、プリントエンジン13に、画像形成動作を実行させる。
【0087】
(5-2)画像メモリ104及び記憶部105
画像メモリ104は、半導体メモリから構成され、プリントジョブ等の入力画像データを一時的に記憶する。
【0088】
記憶部105は、不揮発性の半導体メモリから構成されている。もちろん、記憶部105は、ハードディスクドライブから構成されていてもよい。
【0089】
(5-3)画像処理部106
画像処理部106は、画像メモリ104に記憶されている入力画像データに対して、デジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部106は、制御回路14の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部106は、画像メモリ104に記憶されている入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。さらに、画像処理部106は、例えば、外部の端末装置から受信したプリントジョブに含まれ、又は、スキャナー10によるスキャンにより生成した、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の多値デジタル信号からなる入力画像データに対して、各種のデータ処理を実行して、Y、M、C、Kの各色成分の入力画像データに変換する。これらの処理が施された入力画像データに基づいて、プリントエンジン13が制御される。
【0090】
(5-4)ネットワーク通信部107及びスキャナー制御部109
ネットワーク通信部107は、ネットワークを介して、外部の端末装置からプリントジョブを受信する。また、ネットワーク通信部107は、必要に応じて、外部の端末装置に対して、メッセージ等を出力する。
【0091】
スキャナー制御部109は、スキャナー10による原稿面のスキャンを制御する。例えば、スキャナー制御部109は、スキャナー10による原稿面のスキャンの際に、解像度を指定する。スキャナー制御部109は、スキャナー10から受け取った画像データを、画像メモリ104に書き込む。
【0092】
(5-5)エンジン制御部108
エンジン制御部108は、図3に示すように、エンジン主制御部108a、記憶部108b及び計時部108cから構成されている。記憶部108b及び計時部108cには、画像形成装置1の電源がオフとなっている場合であっても、常時、電力が供給されている。
【0093】
(記憶部108b)
記憶部108bは、不揮発性の半導体メモリから構成されている。記憶部108bは、画像形成ユニット毎に、バネ装着時間108dを記憶するための領域を備えている。バネ装着時間108dは、圧縮バネ203が潤滑剤塗布部200に装着されてから、現在までの経過時間(累積時間)を示す。圧縮バネ203が交換されると、バネ装着時間108dは、リセットされ、初期値である「0秒」に戻される。
【0094】
(計時部108c)
計時部108cは、時間の経過を測定する。計時部108cは、計測した経過時間を記憶部108bに記憶されているバネ装着時間108dに加算する。具体的には、計時部108cは、1秒が経過する都度、1秒をバネ装着時間108dに加算する。
【0095】
記憶部108b及び計時部108cには、常時、電力が供給されているので、画像形成装置1の電源がオフとなっている場合であっても、バネ装着時間108dには、常に、時間が加算される。
【0096】
(エンジン主制御部108a)
エンジン主制御部108aは、CPU、ROM及びRAM等から構成されている。RAMは、半導体メモリから構成され、各種の制御変数などを一時記憶すると共に、CPUによるプログラム実行時のワークエリアを提供する。ROMは、半導体メモリから構成され、予め、エンジン制御部108を稼働させるための制御プログラムなどを記憶している。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムに従って動作する。
【0097】
エンジン主制御部108aは、シート搬送部50からの給送動作やプリントエンジン13の色成分毎の画像形成ユニットの作像動作などを統一的に制御し、画像形成動作を実行させる。
【0098】
また、エンジン主制御部108a(取得手段)は、記憶部108bからバネ装着時間108dを読み出す。エンジン主制御部108a(比較手段)は、読み出したバネ装着時間108dと閾値とを比較する。ここで、閾値は、潤滑剤塗布部200に装着された圧縮バネ203を交換すべき時間を示す。閾値は、例えば、画像形成ユニットの寿命時間の50%である。
【0099】
図4は、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能を示すグラフである。この図において、横軸は、画像形成装置1の各画像形成ユニットにおける印刷枚数の寿命印刷枚数に対する比率(%)を示し、縦軸は、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布量を示す。この図に示すように、印刷枚数が増加するにつれて、塗布量501は、低下している。この図の印刷枚数を時間の経過に置き換えることができ、塗布量501の低下は、圧縮バネの経年劣化に依存していると考えられる。
【0100】
つまり、バネ装着時間108dが閾値より大きくなると、圧縮バネには劣化が生じており、劣化した圧縮バネを使用し続けると、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能が低下すると考えられる。
【0101】
そこで、バネ装着時間108dが閾値より大きくなった時点において、劣化した圧縮バネを、新しい圧縮バネに交換することにより、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能を復活させることができる。
【0102】
なお、上記において、塗布量の低下は、圧縮バネの経年劣化に依存すると説明しているが、塗布量の低下は圧縮バネの劣化のみではなく、潤滑剤の供給により固形潤滑剤の表層が掻き取られて、固形潤滑剤が小さくなり、圧縮バネから固形潤滑剤までの距離が遠くなるため、結果的に圧縮バネの付勢力が弱くなり、塗布量が低下してしまうという原因がある。このような場合、もともとの圧縮バネを、より長い圧縮バネ(より強い圧縮バネ)に交換することにより、塗布量の低下を改善する。
【0103】
ここで、バネ装着時間108dは、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターであると言うことができる。
【0104】
図5は、劣化した圧縮バネを新しい圧縮バネに交換した場合における、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能を示すグラフである。この図において、横軸及び縦軸は、図4と同様に、それぞれ、印刷枚数の比率及び潤滑剤の塗布量を示す。この図に示すように、印刷枚数が増加するにつれて、塗布量511は、低下している。印刷枚数512(交換時点)において、圧縮バネを新しい圧縮バネに交換すると、塗布量513は、復活している。また、新しい圧縮バネに交換した後においても、時間の経過に応じて、新しい圧縮バネの劣化が進み、塗布量513は、徐々に低下していく。
【0105】
図3に戻って、エンジン主制御部108aは、バネ装着時間108dと閾値とを比較し、バネ装着時間108dが閾値を超える場合、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を指示する。
【0106】
エンジン主制御部108aは、操作パネル20から、入出力部110を介して、圧縮バネの交換の通知を受ける。圧縮バネの交換の通知を受けると、エンジン主制御部108aは、記憶部108bに記憶されているバネ装着時間108dをリセットして、初期値である「0秒」に戻す。続いて、エンジン主制御部108aは、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を消去するよう指示する。
【0107】
(5-6)入出力部110及び表示制御部111
入出力部110は、表示制御部111等と操作パネル20との間で、データを中継する。
【0108】
例えば、入出力部110は、表示制御部111等から、メニュー画面、画像、メッセージ等を受け取り、受け取ったメニュー画面、画像、メッセージ等を操作パネル20に対して出力する。
【0109】
また、入出力部110は、操作パネル20から、画像形成装置1におけるジョブの実行指示及び実行条件を受け取り、受け取った実行指示及び実行条件を、主制御部100を介して、ネットワーク通信部107、エンジン制御部108及びスキャナー制御部109等に対して、出力する。これにより、画像形成装置1は、操作パネル20により受け付けたジョブを実行する。
【0110】
表示制御部111は、操作パネル20に表示されるべき画面の遷移を制御する。また、表示制御部111は、操作パネル20に表示されるべき画面を生成し、生成した画面を、入出力部110を介して、操作パネル20に対して出力する。
【0111】
表示制御部111は、エンジン主制御部108aから、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示の指示を受け取る。また、表示制御部111は、エンジン主制御部108aから、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を消去する指示を受け取る。表示制御部111は、エンジン主制御部108aの指示に従って、圧縮バネの交換の案内表示を含む画面、又は、圧縮バネの交換の案内表示を含まない画面を生成する。
【0112】
次に、表示制御部111により生成される画面の例を、図6に示す。
【0113】
(画面301)
図6は、利用者に対して潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換を促す旨のメッセージを含むとともに、コピージョブを実行するための条件を設定する画面301である。
【0114】
画面301は、メッセージ部302及びボタン308、309を含む。
【0115】
メッセージ部302は、メッセージ303、ボタン304及びコピージョブの条件設定のボタン等を含む。
【0116】
メッセージ303は、利用者に対して圧縮バネの交換を促す情報である。
【0117】
ボタン304は、圧縮バネを交換したサービスマンが画像形成装置1に対して、圧縮バネの交換が完了した旨を通知するためのアイコン(指示画像)である。ボタン304に対する操作がされると、エンジン主制御部108aは、記憶部108bに記憶されているバネ装着時間108dをリセットして、初期値である「0秒」に戻す。
【0118】
ボタン308は、利用者が画像形成装置1に対して、ファックス送信を実行するための画面への遷移を指示するアイコンである。ボタン309は、利用者が画像形成装置1に対して、スキャンを実行するための画面への遷移を指示するアイコンである。ボタン308及びボタン309に対する操作がされると、それぞれ、ファックス送信を実行するための画面及びスキャンを実行するための画面へ遷移する。
【0119】
このように、画面301は、圧縮バネ203によるブラシローラー201に対する押圧力の修復を促す案内表示を含んでいる。
【0120】
なお、圧縮バネが交換された後には、図6に示す画面301から、メッセージ303及びボタン304が消去された画面が表示される。
【0121】
(6)操作パネル20
操作パネル20(表示手段)は、表示部21及び操作部22から構成される(不図示)。
【0122】
表示部21は、表示制御部111から出力される表示制御信号及び画面に従って、各種操作画面、各機能の動作状況等の表示を行う。表示部21は、例えば、図6に示す画面301を表示する。
【0123】
操作部22は、ユーザーの接触操作を受け付けるタッチパネル及びテンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御回路14に出力する。操作パネル20は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)により構成される。
【0124】
1.2 画像形成装置1における動作
画像形成装置1における動作について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0125】
エンジン主制御部108aは、記憶部108bからバネ装着時間108dを読み出すことにより、取得する(ステップS101)。次に、エンジン主制御部108aは、読み出したバネ装着時間108dと閾値とを比較する(ステップS102)。
【0126】
バネ装着時間108dが閾値を超えない場合(ステップS102で「≦」)、ステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0127】
バネ装着時間108dが閾値を超える場合(ステップS102で「>」)、エンジン主制御部108aは、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を指示する(ステップS103)。表示制御部111は、圧縮バネの交換の案内表示を含む画面を生成する(ステップS104)。操作パネル20は、生成された画面を表示する(ステップS105)。
【0128】
操作パネル20が、所定時間、例えば、24時間、圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、ステップS105に戻って、操作パネル20は、画面を表示する。
【0129】
操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けた場合(ステップS106で「YES」)、操作パネル20は、エンジン主制御部108aに対して、圧縮バネ交換を通知する(ステップS107)。エンジン主制御部108aは、記憶部108bに記憶されているバネ装着時間108dをリセットする(ステップS108)。続いて、エンジン主制御部108aは、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を消去するよう指示する(ステップS109)。表示制御部111は、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を含まない画面を生成し(ステップS110)、操作パネル20は、圧縮バネの交換の案内表示を含まない画面を表示する(ステップS111)。次に、ステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0130】
1.3 まとめ
以上説明したように、バネ装着時間108dが閾値を超える場合、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示がされる。案内表示に従って、潤滑剤塗布部200の圧縮バネが交換されれば、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能を修復させることができる。
【0131】
なお、圧縮バネの交換は、画像形成装置1の利用者がサービスマンに依頼して行われる。
【0132】
2 変形例(1)
実施の形態の変形例(1)について説明する。
【0133】
図8に、カバー207をハウジング290から取り外した場合、圧縮バネが孔208から下方に突出している様子を示す。
【0134】
図8(b)は、固形潤滑剤202bの消費量が、印刷枚数に応じて、標準的な場合を示し、固形潤滑剤202bの残量及び圧縮バネ203bの突出量Lbは、標準値となっている。これに対し、図8(a)は、固形潤滑剤202aの消費量が少ない場合を示し、固形潤滑剤202aの残量及び圧縮バネ203aの突出量Laは、図8(b)の場合と比較して、大きくなっている。逆に、図8(c)は、固形潤滑剤202cの消費量が多い場合を示し、固形潤滑剤202cの残量及び圧縮バネ203cの突出量Lcは、図8(b)の場合と比較して、小さくなっている。
【0135】
図8(a)~(c)は、それぞれ、例えば、印刷枚数が画像形成ユニットの寿命印刷枚数の50パーセントに達した場合を示している。このように、それぞれの場合において、それぞれの画像形成ユニットの固有の状況、例えば、圧縮バネの固有の弾性係数等に依存して、固形潤滑剤の消費量が異なると考えられる。
【0136】
図9は、図8に示す圧縮バネの突出量に応じて、交換すべき圧縮バネの識別情報を示すテーブル451である。つまり、テーブル451は、図8に示す圧縮バネの突出量と、交換すべき圧縮バネを示す識別情報とを対応付けている。
【0137】
具体的には、テーブル451は、圧縮バネの突出量が大きい場合、例えば、突出量が23mmより長い場合、バネ長(自然長)が「10mm」の「バネ1」(圧縮バネを識別するバネ識別子)を選択すべきことを示している。また、テーブル451は、圧縮バネの突出量が標準的である場合、例えば、突出量が19mmから23mmまでの場合、バネ長が「15mm」の「バネ2」を選択すべきことを示している。さらに、テーブル451は、圧縮バネの突出量が小さい場合、例えば、突出量が19mmより短い場合、バネ長が「20mm」の「バネ3」を選択すべきことを示している。
【0138】
このように、テーブル451は、交換後に選択すべき圧縮バネとして、固形の潤滑剤の残量に応じた押圧特性(弾性係数)を有する圧縮バネを示す識別情報を含んでいる。
【0139】
表示制御部111は、図6に示す画面301に代えて、図10に示す画面311を生成し、操作パネル20は、画面311を表示する。
【0140】
画面311は、メッセージ部312及びボタン318、319を含む。メッセージ部312は、メッセージ313、ボタン314、水準表315及びコピージョブの条件設定のボタン等を含む。
【0141】
メッセージ313は、利用者に対して圧縮バネの交換を促す情報である。
【0142】
ボタン314は、図6に示すボタン304と同様に、サービスマンが画像形成装置1に対して、圧縮バネの交換が完了した旨を通知するためのアイコンである。
【0143】
水準表315は、テーブル451に示す圧縮バネの突出量と、これに対応する交換すべき圧縮バネを示す識別情報とを含んでいる。
【0144】
ボタン318及び319は、図6に示すボタン308及び309と同様に、利用者が画像形成装置1に対して、ファックス送信を実行するための画面への遷移を指示するアイコン及びスキャンを実行するための画面への遷移を指示するアイコンである。
【0145】
このように、画面311は、圧縮バネ203によるブラシローラー201に対する押圧力の修復を促す案内表示を含んでいる。また、画面311は、交換後に選択すべき押圧部材として、固形潤滑剤の残量に応じた押圧特性を有する押圧部材を示す識別情報を含んでいる。
【0146】
なお、圧縮バネが交換された後には、画面311から、メッセージ313、ボタン314及び水準表315が消去された画面が表示される。
【0147】
画面311が表示されると、サービスマンは、図8に示すように、カバー207をハウジング290から取り外し、孔208から下方に突出する圧縮バネの突出量を測定する。次に、サービスマンは、画面311の水準表315に従って、測定した突出量に対応する圧縮バネを選択する。サービスマンは、孔208から下方に突出した圧縮バネを取り外し、取り外した圧縮バネを、水準表315に従って選択した圧縮バネに交換する。
【0148】
図11は、劣化した圧縮バネを選択した新しい圧縮バネに交換した場合における、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能を示すグラフである。この図において、横軸及び縦軸は、図4と同様に、それぞれ、印刷枚数の比率及び潤滑剤の塗布量を示す。この図に示すように、印刷枚数が増加するにつれて、塗布量521、522、523は、それぞれ、低下している。印刷枚数524(交換時点)において、劣化した圧縮バネを選択した新しい圧縮バネに交換すると、塗布量525、526、527は、復活している。また、新しい圧縮バネに交換した後においても、時間の経過に応じて、新しい圧縮バネの劣化が進み、塗布量525、526、527は、徐々に低下していく。
【0149】
ここで、塗布量521、522、523は、それぞれ、上記において説明したように、画像形成ユニットのそれぞれの固有の状況、例えば、圧縮バネの固有の弾性係数等に依存して、ばらついている。しかし、圧縮バネを交換した後には、塗布量525、526、527に示すように、そのばらつきが小さくなっている。これは、画面311に示す水準表315により、それぞれの圧縮バネの突出量に応じて、選択された適切な圧縮バネに交換されたからである。
【0150】
以上説明したように、画面311に示す圧縮バネの交換の案内に従い、圧縮バネを選択して交換することにより、図11に示すように交換後の塗布量のばらつきが小さくなり、交換後の滑剤塗布量が過剰になることに伴う不具合も防止できるようになる。
【0151】
3 変形例(2)
実施の形態の変形例(2)として、圧縮バネの交換の案内表示に従わない場合の対応として、潤滑剤塗布モードの実施及び画像形成条件の変更等について、説明する。
【0152】
(1)潤滑剤塗布モード
潤滑剤塗布モードでは、画像形成装置1が画像形成を行っていない時間帯、つまり、画像形成ジョブの実行を待機している状態において、エンジン主制御部108aの制御により、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413及び潤滑剤塗布部200は、例えば、1分間、駆動する。その場合、ブラシローラー201は、画像形成を行う場合と同じ周速度で回転するが、感光体ドラム413は、画像形成を行う場合の、例えば、1/2の周速度で回転する。これにより、感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0153】
この場合、感光体ドラム413は、画像形成を行う場合と同じ周速度で回転し、ブラシローラー201は、画像形成を行う場合の、例えば、2倍の周速度で回転してもよい。これによっても、感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0154】
このように、感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができるように、ブラシローラー201の回転数を変更してもよい。
【0155】
なお、圧縮バネの交換の案内表示に従わない場合に、潤滑剤塗布モードを強制的に実施してもよい。また、圧縮バネの交換の案内表示に従わない場合に、操作パネル20が潤滑剤塗布モードの案内表示をした後に、潤滑剤塗布モードを実施してもよい。
【0156】
また、操作パネル20は、ブラシローラー201の回転数の変更を促す案内表示をしてもよい。
【0157】
(2)画像形成条件の変更
画像形成条件の変更では、画像形成装置1が画像形成を行う場合において、エンジン主制御部108aの制御により、プリントエンジン13及びシート搬送部50のシステム速度を、通常のシステム速度の、例えば、1/2の速度に変更する。この場合、感光体ドラム413は、通常の1/2の周速度で回転することとなる。一方、各色成分の画像形成ユニットの潤滑剤塗布部200のブラシローラー201のみ、通常の周速度とする。この変更された画像形成条件で、少なくとも、例えば、1分間、画像形成を実行する。これにより、潤滑剤塗布モードを実施した場合と同様の効果が得られる。
【0158】
なお、圧縮バネの交換の案内表示に従わない場合に、画像形成条件の変更を強制的に実施してもよい。また、圧縮バネの交換の案内表示に従わない場合に、画像形成条件の変更の案内表示をした後に、画像形成条件を変更してもよい。
【0159】
(3)表示制御部111により生成され、操作パネル20により表示される画面の例
表示制御部111は、図12図14にそれぞれ示す画面321、331及び341を生成し、操作パネル20は、画面321、331及び341を表示してもよい。
【0160】
ここで、画面321、331及び341は、それぞれ、圧縮バネ203によるブラシローラー201に対する押圧力の修復を促す案内表示を含んでいる。
【0161】
(画面321)
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、表示制御部111は、図12に示す画面321を生成し、操作パネル20は、画面321を表示してもよい。
【0162】
画面321は、利用者に対して圧縮バネの交換を促し、圧縮バネの交換しない場合に画質が低下する可能性がある旨を示す警告のメッセージを含むとともに、コピージョブを実行するための条件を設定する画面である。
【0163】
画面321は、メッセージ部322及びボタン328、329を含む。メッセージ部322は、メッセージ323、ボタン324、メッセージ325及びコピージョブの条件設定のボタン等を含む。
【0164】
メッセージ323は、利用者に対して圧縮バネの交換を促す情報である。
【0165】
ボタン324は、画面301におけるボタン304と同様に、圧縮バネを交換したサービスマンが画像形成装置1に対して、圧縮バネの交換が完了した旨を通知するためのアイコンである。
【0166】
メッセージ325は、圧縮バネを交換しない場合に画質が低下する可能性がある旨を示す警告の情報である。
【0167】
ボタン328及び329は、それぞれ、画面301におけるボタン308及び309と同様に、ファックス送信を実行するための画面への遷移を指示するアイコン及びスキャンを実行するための画面への遷移を指示するアイコンである。
【0168】
なお、圧縮バネが交換された後には、画面321から、メッセージ323、ボタン324、メッセージ325が消去された画面が表示される。
【0169】
(画面331)
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、表示制御部111は、図13に示す画面331を生成し、操作パネル20は、画面331を表示してもよい。
【0170】
画面331は、利用者に対して圧縮バネの交換を促し、圧縮バネの交換しない場合に潤滑剤塗布モードの実施を促すメッセージを含むとともに、コピージョブを実行するための条件を設定する画面である。
【0171】
画面331は、メッセージ部332及びボタン338、339を含む。メッセージ部332は、メッセージ333、ボタン334、メッセージ335、ボタン336a、ボタン336b及びコピージョブの条件設定のボタン等を含む。
【0172】
メッセージ333は、利用者に対して圧縮バネの交換を促す情報である。
【0173】
ボタン334は、画面301におけるボタン304と同様に、圧縮バネを交換したサービスマンが画像形成装置1に対して、圧縮バネの交換が完了した旨を通知するためのアイコンである。
【0174】
メッセージ335は、潤滑剤塗布モードの実施を促す情報である。
【0175】
ボタン336aは、サービスマンが画像形成装置1に対して、潤滑剤塗布モードを実施する旨を通知するためのアイコンである。
【0176】
ボタン336bは、サービスマンが画像形成装置1に対して、潤滑剤塗布モードを実施しない旨を通知するためのアイコンである。
【0177】
ボタン338及び339は、それぞれ、画面301におけるボタン308及び309と同様に、ファックス送信を実行するための画面への遷移を指示するアイコン及びスキャンを実行するための画面への遷移を指示するアイコンである。
【0178】
なお、圧縮バネが交換された後、画面331から、メッセージ333、ボタン334、メッセージ335、ボタン336a及びボタン336bが消去された画面が表示される。また、潤滑剤塗布モードが実施された後、画面331から、メッセージ335、ボタン336a及びボタン336bが消去された画面が表示される。
【0179】
また、画面331は、ボタン336bを含まないとしてもよい。この場合、所定時間が経過するまで、ボタン336aの操作が受け付けられないとき、エンジン主制御部108aは、ボタン336aの操作がされなかったとみなしてもよい。
【0180】
(画面341)
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、表示制御部111は、図14に示す画面341を生成し、操作パネル20は、画面341を表示してもよい。
【0181】
画面341は、利用者に対して圧縮バネの交換を促し、圧縮バネの交換しない場合に画像形成条件の変更を促すメッセージを含むとともに、コピージョブを実行するための条件を設定する画面である。
【0182】
画面341は、メッセージ部342及びボタン348、349を含む。メッセージ部342は、メッセージ343、ボタン344、メッセージ345、ボタン346a、ボタン346b及びコピージョブの条件設定のボタン等を含む。
【0183】
メッセージ343は、利用者に対して圧縮バネの交換を促す情報である。
【0184】
ボタン344は、画面301におけるボタン304と同様に、圧縮バネを交換したサービスマンが画像形成装置1に対して、圧縮バネの交換が完了した旨を通知するためのアイコンである。
【0185】
メッセージ345は、画像形成条件の変更を促す情報である。
【0186】
ボタン346aは、サービスマンが画像形成装置1に対して、画像形成条件の変更を通知するためのアイコンである。
【0187】
ボタン346bは、サービスマンが画像形成装置1に対して、画像形成条件を変更しない旨を通知するためのアイコンである。
【0188】
ボタン348及び349は、それぞれ、画面301におけるボタン308及び309と同様に、ファックス送信を実行するための画面への遷移を指示するアイコン及びスキャンを実行するための画面への遷移を指示するアイコンである。
【0189】
なお、圧縮バネが交換された後、画面341から、メッセージ343、ボタン344、メッセージ345、ボタン346a及びボタン346bが消去された画面が表示される。また、画像形成条件が変更された後、画面341から、メッセージ345、ボタン346a及びボタン346bが消去された画面が表示される。
【0190】
また、画面341は、ボタン346bを含まないとしてもよい。この場合、所定時間が経過するまで、ボタン346aの操作が受け付けられないとき、エンジン主制御部108aは、ボタン346aの操作がされなかったとみなしてもよい。
【0191】
(4)変形例(2)の画像形成装置1における動作
変形例(2)の画像形成装置1における動作について、フローチャートを用いて説明する。
【0192】
(4-1)警告を含む画面の生成と表示
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、表示制御部111が図12に示す画面321を生成し、操作パネル20が画面321を表示する際における画像形成装置1における動作について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、図7に示すフローチャートとの相違点を中心として、解説する。
【0193】
図7に示すフローチャートのステップS106において、所定時間、操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、表示制御部111は、警告を含む画面321を生成する(ステップS131)。次に、ステップS105に戻って、操作パネル20は、画面321を表示する。
【0194】
このように、所定時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、画面321に示すように、警告のメッセージ325が表示されるので、利用者に対して、圧縮バネの交換を強く促すことができる。
【0195】
(4-2)潤滑剤塗布モードの強制的な実施
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードが実施される。つまり、エンジン主制御部108aの制御により、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413及び潤滑剤塗布部200は、例えば、1分間、駆動する。この際における画像形成装置1における動作について、図16に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、図7に示すフローチャートとの相違点を中心として、解説する。
【0196】
図7に示すフローチャートのステップS106において、所定時間、操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、潤滑剤塗布モードが強制的に実施される。つまり、エンジン主制御部108aの制御により、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413及び潤滑剤塗布部200は、例えば、1分間、駆動する(ステップS141)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0197】
このように、所定時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードが強制的に実施されるので、圧縮バネが交換されない場合であっても、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0198】
(4-3)潤滑剤塗布モードの案内表示及び潤滑剤塗布モードの実施
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードの案内表示がされ、その後、潤滑剤塗布モードが実施される。この際における画像形成装置1における動作について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、図7に示すフローチャートとの相違点を中心として、解説する。
【0199】
図7に示すフローチャートのステップS106において、所定時間、操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、表示制御部111は、図13に示す潤滑剤塗布モードの案内表示を含む画面331を生成し、操作パネル20は、画面331を表示する(ステップS151)。
【0200】
次に、操作パネル20が潤滑剤塗布モードを実施するボタン336aを受け付けた場合(ステップS152で「YES」)、潤滑剤塗布モードが実施される。つまり、エンジン主制御部108aの制御により、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413及び潤滑剤塗布部200は、例えば、1分間、駆動する(ステップS153)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0201】
一方、操作パネル20が潤滑剤塗布モードを実施しないボタン336bを受け付けた場合(ステップS152で「NO」)、表示制御部111は、図12に示す警告を含む画面321と同様の警告画面を生成する(ステップS154)。次に、ステップS105に戻って、操作パネル20は、警告画面を表示する。
【0202】
このように、所定時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードの案内表示がされ、その後、利用者の承諾を得た場合に、潤滑剤塗布モードが実施されるので、圧縮バネが交換されない場合であっても、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0203】
(4-4)潤滑剤塗布モードの案内表示、潤滑剤塗布モードの実施及び画像形成条件の変更
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードの案内表示がされ、利用者の承諾を得た場合に、潤滑剤塗布モードが実施される。一方、利用者の承諾が得られなかった場合に、画像形成条件が変更される。この際における画像形成装置1における動作について、図18に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、図7に示すフローチャートとの相違点を中心として、解説する。
【0204】
図7に示すフローチャートのステップS106において、所定時間、操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、表示制御部111は、図13に示す潤滑剤塗布モードの案内表示を含む画面331を生成し、操作パネル20は、画面331を表示する(ステップS161)。
【0205】
次に、操作パネル20が潤滑剤塗布モードを実施するボタン336aを受け付けた場合(ステップS162で「YES」)、潤滑剤塗布モードが実施される。つまり、エンジン主制御部108aの制御により、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413及び潤滑剤塗布部200は、例えば、1分間、駆動する(ステップS163)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0206】
一方、操作パネル20が潤滑剤塗布モードを実施しないボタン336bを受け付けた場合(ステップS162で「NO」)、画像形成条件が変更される。つまり、画像形成を行う場合において、エンジン主制御部108aの制御により、プリントエンジン13及びシート搬送部50のシステム速度を、通常のシステム速度の、例えば、1/2の速度に変更する。一方、各色成分の画像形成ユニットの潤滑剤塗布部200のブラシローラー201のみ、通常の周速度とする(ステップS164)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0207】
このように、所定時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードの案内表示がされ、その後、利用者の承諾が得られなかった場合に、画像形成条件が変更されて、画像形成が実行されるので、圧縮バネが交換されない場合であっても、感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0208】
(4-5)潤滑剤塗布モードの案内表示、潤滑剤塗布モードの実施、画像形成条件の変更の案内表示及び画像形成条件の変更
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードの案内表示がされ、利用者の承諾を得た場合に、潤滑剤塗布モードが実施される。一方、利用者の承諾が得られなかった場合に、画像形成条件の変更の案内表示がされ、利用者の承諾を得た場合に、画像形成条件が変更される。この際における画像形成装置1における動作について、図19に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、図7に示すフローチャートとの相違点を中心として、解説する。
【0209】
図7に示すフローチャートのステップS106において、所定時間、操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、表示制御部111は、図13に示す潤滑剤塗布モードの案内表示を含む画面331を生成し、操作パネル20は、画面331を表示する(ステップS171)。
【0210】
次に、操作パネル20が潤滑剤塗布モードを実施するボタン336aを受け付けた場合(ステップS172で「YES」)、潤滑剤塗布モードが実施される。つまり、エンジン主制御部108aの制御により、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413及び潤滑剤塗布部200は、例えば、1分間、駆動する(ステップS173)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0211】
一方、操作パネル20が潤滑剤塗布モードを実施しないボタン336bを受け付けた場合(ステップS172で「NO」)、表示制御部111は、図14に示す画像形成条件の変更の案内表示を含む画面341を生成し、操作パネル20は、画面341を表示する(ステップS174)。
【0212】
次に、操作パネル20が画像形成条件の変更を実施するボタン346aを受け付けた場合(ステップS175で「YES」)、画像形成条件が変更される。つまり、画像形成を行う場合において、エンジン主制御部108aの制御により、プリントエンジン13及びシート搬送部50のシステム速度を、通常のシステム速度の、例えば、1/2の速度に変更する。一方、各色成分の画像形成ユニットの潤滑剤塗布部200のブラシローラー201のみ、通常の周速度とする(ステップS176)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0213】
次に、操作パネル20が画像形成条件を変更しないボタン346bを受け付けた場合(ステップS175で「NO」)、表示制御部111は、図12に示す警告を含む画面321と同様の警告画面を生成する(ステップS177)。次に、ステップS105に戻って、操作パネル20は、警告画面を表示する。
【0214】
このように、所定時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、潤滑剤塗布モードの案内表示がされ、利用者の承諾が得られなかった場合に、画像形成条件の変更の案内表示がされ、利用者の承諾が得られた場合に、画像形成条件が変更されて、画像形成が実行されるので、圧縮バネが交換されない場合であっても、感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0215】
(4-6)画像形成条件の強制的な変更
表示制御部111が図6に示す画面301を生成し、操作パネル20が画面301を表示した後、所定時間、例えば、24時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、画像形成条件が変更される。この際における画像形成装置1における動作について、図20に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、図7に示すフローチャートとの相違点を中心として、解説する。
【0216】
図7に示すフローチャートのステップS106において、所定時間、操作パネル20が圧縮バネ交換のボタン304を受け付けない場合(ステップS106で「NO」)、画像形成条件が強制的に変更される。つまり、つまり、画像形成装置1が画像形成を行う場合において、エンジン主制御部108aの制御により、プリントエンジン13及びシート搬送部50のシステム速度を、通常のシステム速度の、例えば、1/2の速度に変更する。一方、各色成分の画像形成ユニットの潤滑剤塗布部200のブラシローラー201のみ、通常の周速度とする(ステップS181)。次に、図7に示すフローチャートのステップS101に戻って、処理を繰り返す。
【0217】
このように、所定時間、交換完了のボタン304が操作されない場合、画像形成条件が強制的に変更されるので、圧縮バネが交換されない場合であっても、各色成分の画像形成ユニットの感光体ドラム413の周面に、適切な厚みの潤滑剤の被膜を形成することができる。
【0218】
4 その他の変形例
本発明について、上記の実施の形態に基づいて説明しているが、上記の実施の形態に限定されない。以下に示すようにしてもよい。
【0219】
(1)上記の実施の形態においては、潤滑剤塗布部200において、ブラシローラー201による削り取り量が一定となるように、固形潤滑剤202が、複数の圧縮バネにより、ブラシローラー201に付勢されている。この構成により、長尺の固形潤滑剤202が、長尺のブラシローラー201に対して、均一に付勢される。
【0220】
この場合、複数の圧縮バネのそれぞれについて、カバー207を外して、圧縮バネの突出量を測定し、測定して得られた突出量を用いて、図9のテーブル451により、交換すべき圧縮バネを選択し、圧縮バネを交換してもよい。
【0221】
(2)上記の実施の形態においては、記憶部108bは、色成分の画像形成ユニット毎に、累積のバネ装着時間108dを記憶するための領域を備え、計時部108cは、計測した経過時間をバネ装着時間108dに加算する。圧縮バネが交換されると、エンジン主制御部108aは、バネ装着時間108dをリセットして、初期値である「0秒」に戻す。エンジン主制御部108aは、バネ装着時間108dと閾値とを比較し、バネ装着時間108dが閾値を超える場合、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を指示している。
【0222】
しかし、この構成には限定されない。次に示すようにしてもよい。
【0223】
(a)記憶部108bは、色成分の画像形成ユニット毎に、感光体ドラム413の累積の回転数を記憶するための領域を備える、としてもよい。また、各画像形成ユニットは、感光体ドラム413の一回転を検出する回転センサーを備える、としてもよい。さらに、エンジン主制御部108aは、回転センサーにより検出された回転数を、記憶部108bの回転数に加算する加算部を備える、としてもよい。圧縮バネが交換されると、エンジン主制御部108aは、回転数をリセットして、初期値である「0」に戻す。エンジン主制御部108aは、回転数と閾値とを比較し、回転数が閾値を超える場合、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を指示してもよい。
【0224】
感光体ドラム413の累積の回転数は、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化の進み具合に比例していると考えられるので、この構成により、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化を検出することができる。
【0225】
ここで、感光体ドラム413の累積の回転数に代えて、感光体ドラム413の累積の使用時間を用いてもよい。
【0226】
(b)感光体ドラム413の回転数に代えて、潤滑剤塗布部200のブラシローラー201の累積の回転数を用いて、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化を検出してもよい。
【0227】
記憶部108bは、色成分の画像形成ユニット毎に、ブラシローラー201の累積の回転数を記憶するための領域を備える、としてもよい。また、各画像形成ユニットは、ブラシローラー201の一回転を検出する回転センサーを備える、としてもよい。さらに、エンジン主制御部108aは、回転センサーにより検出された回転数を、記憶部108bの回転数に加算する加算部を備える、としてもよい。圧縮バネが交換されると、エンジン主制御部108aは、回転数をリセットして、初期値である「0」に戻す。エンジン主制御部108aは、回転数と閾値とを比較し、回転数が閾値を超える場合、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を指示してもよい。
【0228】
ブラシローラー201の回転数は、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化の進み具合に比例していると考えられるので、この構成により、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化を検出することができる。
【0229】
(c)画像形成装置1による累積の印刷枚数を用いて、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化を検出してもよい。
【0230】
記憶部108bは、画像形成装置1による累積の印刷枚数を記憶するための領域を備える、としてもよい。また、画像形成装置1は、画像形成されたシートの枚数を検出するセンサーを備える、としてもよい。さらに、エンジン主制御部108aは、センサーにより検出されたシートの枚数を、記憶部108bの累積の印刷枚数に加算する加算部を備える、としてもよい。圧縮バネが交換されると、エンジン主制御部108aは、累積の印刷枚数をリセットして、初期値である「0」に戻す。エンジン主制御部108aは、累積の印刷枚数と閾値とを比較し、累積の印刷枚数が閾値を超える場合、表示制御部111に対して、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示を指示してもよい。
【0231】
画像形成装置1による累積の印刷枚数は、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化の進み具合に比例していると考えられるので、この構成により、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの劣化を検出することができる。
【0232】
以上述べたように、感光体ドラム413の累積の回転数、潤滑剤塗布部200のブラシローラー201の累積の回転数及び画像形成装置1による累積の印刷枚数は、それぞれ、バネ装着時間108dと同様に、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターであると言うことができる。
【0233】
(3)上記の実施の形態において説明したように、画像形成ユニット毎に、ボタン304(図6)に対する操作がされると、エンジン主制御部108aは、記憶部108bに記憶されているバネ装着時間108dをリセットして、初期値である「0秒」に戻す。
【0234】
この場合、つまり、ボタン304に対する操作を受け付けると、エンジン主制御部108aは、画像形成ユニット毎に、圧縮バネが交換されたことを示す交換済情報を記憶部108bに書き込む、としてもよい。
【0235】
エンジン主制御部108aは、記憶部108bに、画像形成ユニット毎の交換済情報が記憶されているか判断する。交換済情報が発見できない場合、エンジン主制御部108aは、図7に示すフローチャートに従って、圧縮バネの交換を促す案内表示等を行う。
【0236】
一方、交換済情報を発見した場合、エンジン主制御部108aは、図7のフローチャートの手順を実施しない。つまり、一度、圧縮バネが交換されると、この後、当該画像形成ユニットにおいて、圧縮バネの交換を促す案内表示を行わない。画像形成ユニットの寿命期間内に、圧縮バネは、一度だけ交換されれば、十分であり、二度めの交換は必要ないからである。
【0237】
(4)上記の実施の形態及び各変形例においては、バネ装着時間108dが閾値を超える場合、感光体ドラム413の累積の回転数が閾値を超える場合、ブラシローラー201の累積の回転数が閾値を超える場合、又は、画像形成装置1による累積の印刷枚数が閾値を超える場合、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示がされる。しかし、これには、限定されない。
【0238】
バネ装着時間108dが閾値を超える場合、感光体ドラム413の累積の回転数が閾値を超える場合、ブラシローラー201の累積の回転数が閾値を超える場合、又は、画像形成装置1による累積の印刷枚数が閾値を超える場合、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示に代えて、又は、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示とともに、表示制御部111は、ブラシローラー201の回転数の変更を促す案内表示を表した画面を生成し、操作パネル20は、生成された画面を表示してもよい。この画面には、ブラシローラー201の回転数の変更を指示するためのアイコンが表示される。サービスマン又は利用者により、このアイコンが操作されると、エンジン主制御部108aは、画像形成中において、又は、画像形成ジョブの実行を待機している時間帯において、通常よりも、ブラシローラー201の回転数が多くなるように、ブラシモーター205を制御する。
【0239】
これにより、感光体ドラム413に対して、より多くの潤滑剤を供給することができる。
【0240】
(5)上記の実施の形態及び各変形例では、潤滑剤塗布部200が感光体ドラム413に潤滑剤を供給する構成例について説明したが、ドラム状に限られない。
【0241】
例えば、潤滑剤塗布部200がベルト状の感光体(像担持体)に潤滑剤を供給するものなどであってもよい。
【0242】
また、中間転写ベルト421などの中間転写体を像担持体と捉えて、潤滑剤塗布部200が中間転写体に潤滑剤を供給してもよい。ここで、画像形成装置は、中間転写ベルトに代えて、中間転写体として中間転写ドラムを備えているとしてもよく、この場合、潤滑剤塗布部200が中間転写ドラムに潤滑剤を供給してもよい。
【0243】
また、中間転写体を備えていない画像形成装置の場合、感光体ドラムが像担持体であり、感光体ドラム上の画像が記録用のシートに転写される。この場合においても、潤滑剤塗布部200が感光体ドラムに潤滑剤を供給してもよい。
【0244】
以上説明した場合においても、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布能力を指標するパラメーターが閾値を超える場合、潤滑剤塗布部200の圧縮バネの交換の案内表示がされる。案内表示に従って、潤滑剤塗布部200の圧縮バネが交換されれば、潤滑剤塗布部200による潤滑剤の塗布性能を修復させることができる。
【0245】
(6)上述したように、画像形成装置には、マイクロプロセッサーとメモリとを備えたコンピューターシステムが組み込まれている。メモリは、コンピュータープログラムを記憶しており、マイクロプロセッサーは、コンピュータープログラムに従って動作するとしてもよい。
【0246】
マイクロプロセッサーは、フェッチ部、解読部、実行部、レジスタファイル、命令カウンターなどから構成されている。フェッチ部は、メモリに記憶されているコンピュータープログラムから、コンピュータープログラムに含まれる各命令コードを1個ずつ読み出す。解読部は、読み出した命令コードを解読する。実行部は、解読結果に従って動作する。このように、マイクロプロセッサーは、メモリに記憶されているコンピュータープログラムに従って動作する。
【0247】
ここで、コンピュータープログラムは、所定の機能を達成するために、コンピューターに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0248】
また、コンピュータープログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、半導体メモリなどに記録されているとしてもよい。
【0249】
また、コンピュータープログラムを、有線又は無線の電気通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
【0250】
(7)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0251】
本発明にかかる画像形成装置は、長年の使用により潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部の塗布能力が低下する場合であっても、次に形成する画像の画質の低下を防ぐことができ、像担持体の周面に潤滑剤を塗布する画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0252】
1 画像形成装置
10 スキャナー
11 自動原稿給紙装置
12 原稿画像走査装置
13 プリントエンジン
14 制御回路
20 操作パネル
21 表示部
22 操作部
40 画像形成部
41、41Y~41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
50 シート搬送部
51 給紙部
52 排紙部
60 定着部
100 主制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 画像メモリ
105 記憶部
106 画像処理部
107 ネットワーク通信部
108 エンジン制御部
108a エンジン主制御部
108b 記憶部
108c 計時部
109 スキャナー制御部
110 入出力部
111 表示制御部
200 潤滑剤塗布部
201 ブラシローラー
202 固形潤滑剤
203、203a~203c、203x 圧縮バネ
204 ブレード
205 ブラシモーター
207 カバー
208 孔
209 先端
211 芯金
212 ブラシ繊維
241 クリーニングブレード
242 保持板金
243 回収スクリュー
244 クリーニング部
290 ハウジング
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
421 中間転写ベルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20