(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】電子機器及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0487 20130101AFI20231011BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231011BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231011BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20231011BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20231011BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G06F3/0487
B41J29/00 T
B41J29/00 Z
B41J29/38 201
B41J29/38 203
G06F21/31
G06F21/62
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2019121757
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】小西 浩平
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198055(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106919337(CN,A)
【文献】特開平09-034579(JP,A)
【文献】特開2013-254037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
B41J 29/00
B41J 29/38
G06F 21/31
G06F 21/62
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
折り畳み可能に構成されている表示部と、
前記表示部の折り畳まれている状態又は開かれている状態を検出する開閉検出部と、
ユーザーを特定するためのユーザー情報と、前記ユーザー情報に対応付けられている第1情報と、を予め記憶している記憶部と、
ユーザーによって情報が入力される入力部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記開閉検出部によって前記開かれている状態が検出されている場合であって、前記記憶部に記憶されている前記ユーザー情報と、前記入力部を介して受付けている前記情報とが一致している場合に、前記表示部に、前記ユーザー情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1情報を、前記開かれている状態で露出している第1表示面に表示させ、
前記開閉検出部によって前記開かれている状態が検出されている場合であって、前記ユーザー情報と、前記入力部を介して受付けている前記情報とが一致していない場合、及び、前記開閉検出部によって前記折り畳まれている状態が検出されている場合には、前記表示部に、前記第1情報を表示させ
ず、
前記記憶部は、前記ユーザー情報に対応付けられていない第2情報として、前記電子機器によって実行可能な複数の機能のうちのいずれかを選択するためのホーム画面と、前記電子機器が実行可能な複数の機能のうち、対応付けられた機能の設定を行うための設定画面とをさらに記憶しており、
前記制御部は、
前記開閉検出部によって前記折り畳まれている状態が検出されたとき、
前記電子機器において実行可能な複数の機能のうちのいずれかを選択するための選択指示が前記入力部に受け付けられている場合には、前記選択指示により選択された機能に対応付けられている前記設定画面を、前記記憶部から読み出して、前記折り畳まれている状態で露出している前記表示部の第2表示面に表示させ、
前記選択指示が前記入力部に受け付けられていない場合には、前記ホーム画面を、前記記憶部から読み出して、前記折り畳まれている状態で露出している前記表示部の第2表示面に表示させる電子機器。
【請求項2】
前記記憶部は、前記ユーザー情報として、第1パスワード及び第2パスワードを記憶しているとともに、前記第1情報を、セキュリティレベルの高い情報と、セキュリティレベルの低い情報とに区別して記憶しており、
前記制御部は、
前記開閉検出部によって前記開かれている状態が検出されている場合であって、前記記憶部に記憶されている前記第1パスワードと、前記入力部を介して受付けている前記情報とが一致している場合に、前記表示部に、前記第1情報のうち、前記セキュリティレベルの低い情報のみを、前記第1表示面に表示させ、
前記開閉検出部によって前記開かれている状態が検出されている場合であって、前記記憶部に記憶されている前記第2パスワードと、前記入力部を介して受付けている前記情報とが一致している場合に、前記表示部に、前記第1情報のうち、前記セキュリティレベルの高い情報及び前記セキュリティレベルの低い情報の両方を、前記第1表示面に表示させる、請求項
1に記載の電子機器。
【請求項3】
画像を記録媒体に形成する画像形成部を備えている画像形成装置と、ネットワークを介して通信を行なう通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部を介して、前記入力部を介して受付けている情報を前記画像形成装置に対して送信する、請求項1
又は請求項
2に記載の電子機器。
【請求項4】
請求項1
又は請求項
2に記載の電子機器と、
画像を記録媒体に形成する画像形成部と、を備えている、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び画像形成装置に関し、特に、予め登録されている情報を表示させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み可能に構成されているディスプレイを利用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、折り畳まれている状態又は開かれている状態に応じて、通話モードを切り替える技術が開示されている。特許文献2には、折り曲げ姿勢に応じて表示領域を選択し、選択された表示領域に対して表示制御を行なう技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2014-511524号公報
【文献】特開2018-31884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の機能を実行可能な装置において、ユーザーは、頻繁に使用している機能、設定内容、及び電子メールアドレス等の情報を予め登録しておき、必要に応じて登録されている情報を呼出してディスプレイに表示させる場合がある。
【0005】
このような場合、ユーザーは、ユーザーに応じて予め登録されている情報をディスプレイに表示させたり、登録されている情報の表示を終了させたりするために、例えばタッチパネルに対するタッチ操作を行なう必要があり、手間がかかる。また、ユーザーが、登録されている情報の表示を終了させるためのタッチ操作を行なうことなく、登録されている情報を表示させている状態でディスプレイから離れると、ユーザーとは異なる第三者に、登録されている情報が閲覧されてしまうおそれがある。
【0006】
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、ユーザーに応じて予め登録されている情報を表示させるための技術ではなく、上記した問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ユーザーに応じて予め登録されている情報を表示させるため、及び登録されている情報の表示を終了させるために要するユーザーの手間を省くとともに、登録されている情報が第三者に閲覧されてしまうことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る電子機器は、折り畳み可能に構成されている表示部と、表示部の折り畳まれている状態又は開かれている状態を検出する開閉検出部と、ユーザーを特定するためのユーザー情報と、ユーザー情報に対応付けられている第1情報と、を予め記憶している記憶部と、ユーザーによって情報が入力される入力部と、制御部と、を備えている。制御部は、開閉検出部によって開かれている状態が検出されている場合であって、記憶部に記憶されているユーザー情報と、入力部を介して受付けている情報とが一致している場合に、表示部に、ユーザー情報に対応付けて記憶部に記憶されている第1情報を、開かれている状態で露出している第1表示面に表示させる。制御部は、開閉検出部によって開かれている状態が検出されている場合であって、記憶部に記憶されているユーザー情報と、入力部を介して受付けている情報とが一致していない場合、及び、開閉検出部によって折り畳まれている状態が検出されている場合には、表示部に、第1情報を表示させない。
【0009】
本発明の他の一局面に係る画像形成装置は、上記した電子機器と、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザーは、表示部を開くという簡単な操作によって、ユーザーに応じて予め登録されている第1情報を、第1表示面に表示させることができるので、第1情報を容易に確認できる。また、表示部が開いている場合であっても、記憶部に記憶されているユーザー情報と、入力部を介して受付けている情報とが一致していない場合には、第1情報は表示されないので、第1情報がユーザーとは異なっている第三者に閲覧されてしまうことを確実に防ぐことができる。さらに、ユーザーは、表示部を折り畳むという簡単な操作によって、表示部に第1情報を表示させないようにできるので、第三者に第1情報が閲覧されてしまうことを容易に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3A】表示部が開かれているときの状態を示す図である。
【
図3B】表示部が折り畳まれているときの状態を示す図である。
【
図4A】個別情報表示処理を示すフローチャートである。
【
図4B】個別情報表示処理を示すフローチャートである。
【
図7】ホーム画面と認証画面とが表示されているときの表示部の状態を示す図である。
【
図8】ホーム画面と第1個別画面とが表示されているときの表示部の状態を示す図である。
【
図9】設定画面と第2個別画面とが表示されているときの表示部の状態を示す図である。
【
図10】端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図11A】表示部が開かれているときの状態を示す図である。
【
図11B】表示部が折り畳まれているときの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施形態に係る電子機器を備えている画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図2は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図1及び
図2を参照して、画像形成装置1は、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンター機能、及び送信機能等の複数の機能を備えているカラー複合機である。
【0013】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含んでいる。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含んでいる。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0014】
制御ユニット100は、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)17に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。例えば、制御部10は、表示部15の折り畳まれている状態又は開かれている状態に応じて、ユーザーに応じて予め登録されている個別情報を表示部15に表示させたり、個別情報の表示を終了させたりする処理を行なう。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ハード回路によって構成されていてもよい。
【0015】
制御ユニット100は、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、HDD17、搬送機構18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。制御ユニット100、表示部15、操作部16、及びHDD17は、本発明の一実施形態に係る電子機器2として機能する。
【0016】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部と、原稿搬送部によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラスに載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含んでいるADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読み取って画像データを生成する。
【0017】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含んでいる。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ等に基づいて、給紙部14から搬送されてくる記録紙に、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0018】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙に定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙は、排出トレイ8に排出される。
【0019】
給紙部14は、手差しトレイと、給紙カセットとを備えている。給紙部14は、給紙カセットに収容されている記録紙、又は手差しトレイに載置されている記録紙を一枚ずつ引出して、画像形成部12に向けて給紙する。
【0020】
図3Aは、表示部15が開かれているときの状態を示す図である。
図3Bは、表示部15が折り畳まれているときの状態を示す図である。
図3Aを参照して、表示部15は、略直方体形状の第1筐体31と、略直方体形状の第2筺体32とを含んでいる。第1筺体31の一面には、第1表示装置31Aが設けられている。第2筺体32の一面(以下「第1面」と記す。)には、第2表示装置32Aが設けられている。
図3Bを参照して、第2筺体32における第1面とは反対側の面(以下「第2面」と記す。)には、第3表示装置32Bが設けられている。
【0021】
第1筺体31及び第2筺体32は、第1筐体31及び第2筺体32の長手方向に沿って延びている回転軸33を介して、第1表示装置31Aの表示面と、第2表示装置32Aの表示面とが向かい合うように折り畳み可能に連結されている。以下、第1筺体31と第2筺体32とが成す角度が90度を超えている場合を、表示部15が開かれている状態(以下、「開状態」と記す。)とする。第1筺体31と第2筺体32とが成す角度が90度以下である場合を、表示部15が折り畳まれている状態(以下、「閉状態」と記す。)とする。
【0022】
第1表示装置31A、第2表示装置32A、及び第3表示装置32Bは、例えば、液晶ディスプレイによって構成されている。
図3Aに示すように、表示部15が開状態である場合、第1表示装置31Aの表示面及び第2表示装置32Aの表示面が、画像形成装置1の上方、すなわち、ユーザー側に露出している状態となる。
図3Bに示すように、表示部15が閉状態である場合、第3表示装置32Bの表示面が、表示部15の鉛直方向上方、すなわち、ユーザー側に露出している状態となる。
【0023】
制御部10は、第1表示装置31Aの表示面及び第2表示装置32Aの表示面を、「第1表示面」として予め設定している。制御部10はまた、第3表示装置32Bの表示面を、「第2表示面」として予め設定している。制御部10は、表示部15に対し、画像形成装置1によって実行可能な機能等に関する各種の画面を、第1表示面又は第2表示面に表示させる。
【0024】
表示部15は、表示部15の閉状態又は開状態を検出するための開閉検出部34を含んでいる。開閉検出部34は、第1筺体31に設けられているホールIC(Integrated Circuit)34Aと、第2筺体32に設けられている磁石34Bによって構成されている。ホールIC34Aは、磁石34Bから発生している磁束密度の大きさを検出するホール素子を含んでいる。
【0025】
ホールIC34Aは、ホール素子によって検出されている磁束密度の大きさを示す値が予め定められている値以下である場合、表示部15が開状態であることを示す第1信号を出力する。ホールIC34Aは、検出された磁束密度の大きさを示す値が予め定められている値を超えている場合、表示部15が閉状態であることを示す第2信号を出力する。
【0026】
操作部16は、第1表示面及び第2表示面にそれぞれ重ねて配置されているタッチパネル16Aを含んでいる。操作部16はまた、各種機能の実行の開始を指示するためのスタートキー16B等の複数のハードキーを含んでいる。ユーザーは、操作部16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各種機能を実行するための指示等の各種の情報を入力する。操作部16は、特許請求の範囲における入力部の一例である。
【0027】
HDD17は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD17は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶している。HDD17は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る個別情報表示処理を実行するための変更プログラムを記憶している。HDD17は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。
【0028】
HDD17は、ユーザーを特定するためのユーザー情報として、ユーザー名とパスワードとを対応付けて予め記憶している。本実施形態において、HDD17は、ユーザー名及びパスワードの1つとして、「0123」を示す文字列によって構成されているユーザー名と、「ABCD」を示す文字列によって構成されているパスワードとを対応付けて予め記憶しているものとする。ユーザーは、操作部15を介した入力等によって、ユーザー名及びパスワードを予め登録している。
【0029】
HDD17は、ユーザー名に対応付けて、第1個別情報を記憶している。第1個別情報は、画像形成装置1において実行可能な複数の機能のうち予め定められている機能を示す情報、電子メールアドレスを示すアドレス帳データ、覚書等を示す文字列を示すメモ帳データ、及び、電子ファイルを特定するための電子ファイル名を示す情報等を含んでいる。HDD17は、上記予め定められている機能を示す情報として、ユーザーによって頻繁に使用されている機能である、コピー機能、送信機能、及びファクシミリ機能を示す情報を記憶しているものとする。
【0030】
HDD17は、ユーザー名に対応付けて、第2個別情報を記憶している。第2個別情報は、画像形成装置1において実行可能な複数の機能のうちの少なくとも1つの機能について予め定められている設定内容を示す情報、及び、覚書等を示す文字列を示すメモ帳データ等を含んでいる。HDD17は、上記設定内容を示す情報として、コピー機能についての、ユーザーによって頻繁に使用されている複数の設定内容を示す情報を記憶しているものとする。第1個別情報及び第2個別情報は、ユーザーによる操作部15を介した入力等によって、予め登録されている。第1個別情報及び第2個別情報は、特許請求の範囲における第1情報の一例である。
【0031】
HDD17は、ホーム画面を表示するための画像(以下、単に「ホーム画面」と記す。)を記憶している。ホーム画面は、画像形成装置1によって実行可能な複数の機能のうちのいずれかを選択するための選択画面である。HDD17は、認証画面を表示するための画像(以下、単に「認証画面」と記す。)を記憶している。認証画面は、ユーザー名及びパスワードを入力するための画面である。
【0032】
HDD17は、設定画面を表示するための画像(以下、単に「設定画面」と記す。)を、画像形成装置1において実行可能な複数の機能のそれぞれに対応付けて記憶している。設定画面は、対応付けられている機能についての設定を行なうための画面である。ホーム画面、認証画面、及び設定画面は、ユーザー名に対応付けられてHDD17に記憶されていない。ホーム画面、認証画面、及び設定画面は、特許請求の範囲における第2情報の一例である。
【0033】
搬送機構18は、搬送ローラー対及び排出ローラー対等から構成されている。搬送機構18は、排出先として設定されている排出トレイに向けて、記録紙を搬送路に沿って搬送する。
【0034】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。
【0035】
画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された出力対象の画像データを一時的に記憶する領域を含む。
【0036】
ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0037】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含んでいる。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)等の外部装置23とデータ通信を行なう。
【0038】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、この電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0039】
[動作]
図4A及び
図4Bは、個別情報表示処理を示すフローチャートである。以下、
図4A及び
図4B等を参照して、個別情報表示処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。以下、画像形成装置1の電源が投入されていないときは、表示部15は閉状態であるものとする。
【0040】
ユーザーは、表示部15が閉じられている状態で、画像形成装置1の電源を投入したものとする。制御部10は、画像形成装置1の電源が投入されると、個別情報表示処理の実行を開始する。
図4Aを参照して、個別情報表示処理において、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる信号に基づいて、表示部15が閉状態であるか否かを判定する(ステップS10)。
【0041】
(1)表示部15が閉状態である場合
この場合、表示部15は閉じられているので、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる第2信号に基づいて、表示部15が閉状態であると判定し(ステップS10にてYES)、第1表示装置31A及び第2表示装置32Aに画面を表示させているか否かを判定する(ステップS11)。
【0042】
この場合、制御部10は、第1表示装置31A及び第2表示装置32Aに何も表示させていないので、画面を表示させていないと判定し(ステップS11にてNO)、画像形成装置1によって実行可能な複数の機能のうちのいずれかを選択するための選択指示を受付けているか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
一方、制御部10は、第1表示装置31A及び第2表示装置32Aに画面を表示させている場合(ステップS11にてYES)、第1表示装置31A及び第2表示装置32Aに、画面の表示を終了させる(ステップS13)。表示の終了後、制御部10は、ステップS12の処理に進む。
【0044】
(1-1)選択指示を受付けていない場合
この場合、画像形成装置1の電源が投入された直後であり、ユーザーによる機能の選択が行なわれていないので、制御部10は、選択指示を受付けていないと判定し(ステップS12にてNO)、第3表示装置32Bに、ホーム画面を表示させているか否かを判定する(ステップS14)。この場合、制御部10は、第3表示装置32Bに何も表示させていないので、ホーム画面を表示させていないと判定し(ステップS14にてNO)、HDD17から、ホーム画面を読出す(ステップS15)。
【0045】
ホーム画面の読出し後、制御部10は、第3表示装置32Bに対し、読出されたホーム画面を第2表示面に表示させる(ステップS16)。
図5は、ホーム画面の一例を示す図である。
図5を参照して、制御部10は、ホーム画面50に、ソフトキーとして、コピー機能を選択するための選択指示を入力するためのキー52、及び、送信機能を選択するための選択指示を入力するためのキー54等を表示させている。
【0046】
ホーム画面50の表示後、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる信号に基づいて、表示部15が開状態であるか否かを判定する(ステップS17)。この場合、表示部15は閉じたままであるので、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる第2信号に基づいて、表示部15が開状態ではないと判定し(ステップS17にてNO)、ステップS12の処理に進む。
【0047】
制御部10は、選択指示を受付けるまで、又は、表示部15が開かれるまで、選択指示を受付けていないと判定する処理(ステップS12にてNO)、ホーム画面を表示させていると判定する処理(ステップS14にてYES)、並びに、ステップS15の処理及びステップS16の処理を実行することなく、表示部15が開状態ではないと判定する処理(ステップS17にてNO)を繰返す。
【0048】
(1-2)選択指示を受付けている場合
ユーザーは、ホーム画面50を確認し、キー52をタッチしたものとする。タッチパネル16Aを介してキー52に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、コピー機能を選択するための選択指示を受付けていると判定し(ステップS12にてYES)、第3表示装置32Bに、選択された機能に対応付けられている設定画面を表示させているか否かを判定する(ステップS18)。
【0049】
この場合、制御部10は、第3表示装置32Bに、ホーム画面50を表示させているので、設定画面を表示させていないと判定し(ステップS18にてNO)、HDD17から、選択されている機能に対応付けられている設定画面を読出す(ステップS19)。この場合、制御部10は、HDD17から、コピー機能に対応付けられている設定画面を読出す。設定画面の読出し後、制御部10は、第3表示装置32Bに対し、読出された設定画面を第2表示面に表示させる(ステップS20)。
【0050】
図6は、設定画面の一例を示す図である。
図6を参照して、制御部10は、設定画面60に、ソフトキーとして、「用紙選択」という設定項目を選択するための指示を入力するためのキー61、及び、「両面印刷」という設定項目を選択するための指示を入力するためのキー62等を表示させている。例えば、ユーザーによってキー62がタッチされ、タッチパネル16Aを介してキー62に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、第3表示装置32Bに対し、選択されている「両面印刷」という設定項目についての詳細な設定を行なうための画面を、第2表示面に表示させる。
【0051】
制御部10はまた、ソフトキーとして、コピー機能の選択を解除するための解除指示を入力するためのキー63、及び、設定内容を確定するための確定指示を入力するためのキー64を表示させている。設定画面60の表示後、制御部10は、ステップS17の処理に進む。この場合、表示部15は閉じたままであるので、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる第2信号に基づいて、表示部15が開状態ではないと判定し(ステップS17にてNO)、ステップS12の処理に進む。
【0052】
制御部10は、表示部15が開かれるまで、又は、解除指示を受付けるまで、選択指示を受付けていると判定する処理(ステップS12にてYES)、設定画面60を表示させていると判定する処理(ステップS18にてYES)、及び、ステップS19及びステップS20の処理を実行することなく、表示部15が開状態ではないと判定する処理(ステップS17にてNO)を繰返す。
【0053】
ユーザーは、設定画面60を確認して、キー63をタッチしたものとする。制御部10は、タッチパネル16Aを介してキー63に対するタッチ操作を受付けることによって解除指示を受付けると、選択指示を受付けていないと判定するとともに(ステップS12にてNO)、ホーム画面を表示させていないと判定し(ステップS14にてNO)、上記と同様にして、ステップS15からステップS16までの処理を実行して、第3表示装置32Bに対し、ホーム画面50を第2表示面に表示させる。
【0054】
(2)表示部15が開状態である場合
ユーザーは、第2表示面に表示されているホーム画面50を確認して、表示部15を開いたものとする。制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる第1信号に基づいて、表示部15が開状態であると判定し(ステップS17にてYES)、
図4Bに示すように、HDD17から、ホーム画面及び認証画面を読出す(ステップS21)。ホーム画面及び認証画面の読出し後、制御部10は、第1表示装置31A及び第2表示装置32Aに対し、読出されたホーム画面及び認証画面を第1表示面に表示させる(ステップS22)。このとき、制御部10は、第3表示装置32Bに対し、ホーム画面50の表示を終了させる。
【0055】
図7は、ホーム画面と認証画面とが表示されているときの表示部の状態を示す図である。
図7を参照して、制御部10は、第1表示装置31Aに対し、ホーム画面50を第1表示装置31Aの表示面に表示させている。制御部10は、第2表示装置32Aに対し、認証画面70を第2表示装置32Aの表示面に表示させている。制御部10は、認証画面70において、ユーザー名を入力するための欄71と、パスワードを入力するための欄72とを表示させている。制御部10は、認証画面70において、ソフトキーとして、認証処理を実行するための認証指示を入力するためのキー73を表示させている。
【0056】
ホーム画面50及び認証画面70の表示後、制御部10は、認証指示を受付けるまで待機している(ステップS23にてNO)。ユーザーは、操作部16を介して、ユーザー名として「0123」を示す文字列を欄71に入力し、パスワードとして「ABCD」を示す文字列を欄72に入力したものとする。ユーザー名及びパスワードの入力後、ユーザーは、キー73をタッチしたものとする。
【0057】
制御部10は、タッチパネル16Aを介してキー73に対するタッチ操作を受付けると、認証指示を受付けていると判定し(ステップS23にてYES)、タッチパネル16Aを介して受付けているパスワードが、タッチパネル16Aを介して受付けているユーザー名に対応付けてHDD17に記憶されているパスワードと一致しているか否かを判定する(ステップS24)。この場合、制御部10は、受付けているパスワードと、HDD17に記憶されているパスワードとが一致していると判定し(ステップS24にてYES)、選択指示を受付けているか否かを判定する(ステップS25)。
【0058】
なお、例えば、ユーザー名として「0123」を示す文字列が欄71に入力され、パスワードとして「BCDE」を示す文字列が欄72に入力されており、制御部10が、受付けているパスワードと、HDD17に記憶されているパスワードとが一致していないと判定した場合(ステップS24にてNO)、制御部10は、ステップS23の処理に戻る。このとき、制御部10は、第2表示装置32Aに対し、例えば「パスワードが間違っています。入力し直して下さい。」等のメッセージを、認証画面70に表示させてもよい。
【0059】
(2-1)選択指示を受付けていない場合
この場合、機能の選択が解除されているので、制御部10は、選択指示を受付けていないと判定し(ステップS25にてNO)、第2表示装置32Aに、第1個別画面を表示させているか否かを判定する(ステップS26)。制御部10は、第2表示装置32Aに認証画面70を表示させているので、第1個別画面を表示させていないと判定し(ステップS26にてNO)、HDD17から、受付けているユーザー名に対応付けられている第1個別情報を読出す(ステップS27)。
【0060】
第1個別情報の読出し後、制御部10は、第2表示装置32Aに対し、読出された第1個別情報を示す第1個別画面を第1表示面に表示させる(ステップS28)。
図8は、ホーム画面と第1個別画面とが表示されているときの表示部の状態を示す図である。
図8を参照して、制御部10は、第1表示装置31Aに対し、ホーム画面50を第1表示装置31Aの表示面に表示させている。制御部10は、第2表示装置32Aに対し、認証画面70の表示を終了させて、第1個別画面80を第2表示装置32Aの表示面に表示させている。
【0061】
制御部10は、第1個別画面80に、ソフトキーとして、第1個別情報として登録されている機能に対応付けられているショートカットキー81A乃至81C等を表示させている。ここで、ショートカットキー81Aには、コピー機能が対応付けられているものとする。ショートカットキー81Bには、送信機能が対応付けられているものとする。ショートカットキー81Cには、ファクシミリ機能が対応付けられているものとする。
【0062】
制御部10は、第1個別画面80の領域82に、第1個別情報として登録されているアドレス帳データによって示されている電子メールアドレスを表示させている。制御部10は、第1個別画面80の領域83に、第1個別情報として登録されているメモ帳データによって示されている文字列を表示させている。制御部10は、ソフトキーとして、第1個別情報として登録されている電子ファイル名によって特定されている電子ファイルに対応付けられているキー84A及び84B等を表示させている。
【0063】
第1個別画面80の表示後、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる信号に基づいて、表示部15が閉状態であるか否かを判定する(ステップS29)。この場合、表示部15は開いたままであるので、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる第1信号に基づいて、表示部15が閉状態ではないと判定し(ステップS29にてNO)、ステップS25の処理に進む。
【0064】
制御部10は、選択指示を受付けるまで、又は、表示部15が閉じられるまで、選択指示を受付けていないと判定する処理(ステップS25にてNO)、第1個別画面を表示させていると判定する処理(ステップS26にてYES)、並びに、ステップS27の処理及びステップS28の処理を実行することなく、表示部15が閉状態ではないと判定する処理(ステップS29にてNO)を繰返す。
【0065】
なお、この状態において、ユーザーによって表示部15が閉じられ、開閉検出部34から出力されてくる信号に基づいて、表示部15が閉状態であると判定された場合(ステップS29にてYES)、制御部10は、ステップS11の処理に進む。
【0066】
(2-2)選択指示を受付けている場合
ユーザーは、第1個別画面80を確認し、ショートカットキー81Aをタッチしたものとする。タッチパネル16Aを介してショートカットキー81Aに対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、コピー機能を選択するための選択指示を受付けていると判定し(ステップS25にてYES)、第2表示装置32Aに、第2個別画面を表示させているか否かを判定する(ステップS30)。
【0067】
制御部10は、第2表示装置32Aに第1個別画面80を表示させているので、第2個別画面を表示させていないと判定し(ステップS30にてNO)、HDD17から、設定画面と、受付けているユーザー名に対応付けられている第2個別情報とを読出す(ステップS31)。
【0068】
第2個別情報等の読出し後、制御部10は、
第1表示装置31A及び第2表示装置32Aに対し、読出された設定画面60と、読出された第2個別情報を示す第2個別画面と、を第1表示面に表示させる。
図9は、設定画面と第2個別画面とが表示されているときの表示部の状態を示す図である。
図9を参照して、制御部10は、第1表示装置31Aに対し、設定画面60を第1表示装置31Aの表示面に表示させている。制御部10は、第2表示装置32Aに対し、第2個別画面90を第2表示装置32Aの表示面に表示させている。
【0069】
制御部10は、第2個別画面90に、ソフトキーとして、第2個別情報として登録されている複数の設定内容のそれぞれに対応付けられているショートカットキー91A及び91B等を表示させている。制御部10は、第2個別画面90の領域92に、第2個別情報として登録されているメモ帳データによって示されている文字列を表示させている。
【0070】
第2個別画面90の表示後、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる信号に基づいて、表示部15が閉状態であるか否かを判定する(ステップS29)。この場合、表示部15は開いたままであるので、制御部10は、開閉検出部34から出力されてくる第1信号に基づいて、表示部15が閉状態ではないと判定し(ステップS29にてNO)、ステップS25の処理に進む。
【0071】
制御部10は、選択指示が解除されるまで、又は、表示部15が閉じられるまで、選択指示を受付けていると判定する処理(ステップS25にてYES)、第2個別画面を表示させていると判定する処理(ステップS30にてYES)、並びに、ステップS31の処理及びステップS32の処理を実行することなく、表示部15が閉状態ではないと判定する処理(ステップS29にてNO)を繰返す。
【0072】
ユーザーは、第2個別画面90のショートカットキー91Aをタッチした後、設定画面60のキー64をタッチしたものとする。タッチパネル16Aを介してキー64に対するタッチ操作を受付けると、制御部10は、ショートカットキー91Aに対応付けられている設定内容を、確定されている設定内容として受付ける。キー64をタッチした後、ユーザーは、コピーを開始するために、画像読取部11のプラテンガラスに原稿を載置して、スタートキー16Bを押下したものとする。
【0073】
制御部10は、スタートキー16Bの押下を検知すると、画像読取部11に対し、プラテンガラスに載置されている原稿を読み取らせて画像データを生成させる。画像データの生成後、制御部10は、画像形成部12等に対し、生成された画像データに基づく画像を、確定されている設定内容にしたがって、記録紙に形成させる。
【0074】
上記第1の実施形態によれば、制御部10は、開閉検出部34によって開状態が検出されている場合であって、受付けているユーザー名に対応付けてHDD17に記憶されているパスワードと、操作部16を介して受付けているパスワードとが一致している場合に、第2表示装置32Aに対し、第1個別画面80又は第2個別画面90を、第1表示面に表示させる。制御部10はまた、開閉検出部34によって開状態が検出されている場合であって、パスワードが一致していない場合、及び、開閉検出部34によって閉状態が検出されている場合には、表示部15に、第1個別画面80及び第2個別画面90を表示させない。
【0075】
これによって、ユーザーは、表示部15を開くという簡単な操作によって、第1個別画面80又は第2個別画面90を第1表示面に表示させることができるので、ユーザーに応じて予め登録されている第1個別情報又は第2個別情報を容易に確認できる。また、表示部15が開いている場合であっても、パスワードが一致していない場合には、第1個別画面80及び第2個別画面90は表示されないので、第1個別情報及び第2個別情報が第三者に閲覧されてしまうことを確実に防ぐことができる。ユーザーはまた、表示部15を折り畳むという簡単な操作によって、表示部15に第1個別画面80又は第2個別画面90を表示させないようにできるので、第三者に第1個別情報及び第2個別情報が閲覧されてしまうことを、容易に防ぐことができる。
【0076】
また上記第1の実施形態によれば、制御部10は、開閉検出部34によって閉状態が検出されている場合には、表示部15に、ホーム画面50又は設定画面60を、第2表示面に表示させる。これによって、ユーザーは、表示部15を折り畳むという簡単な操作によって、ユーザー情報に対応付けられていない共通の情報を容易に確認できる。
【0077】
また上記第1の実施形態によれば、制御部10は、開閉検出部34によって開状態が検出されている場合であって、パスワードが一致しており、かつ、選択指示を受付けていない場合に、表示装置32Aに対し、第1個別画面80に、ショートカットキー81A乃至81Cを表示させる。これによって、ユーザーは、複数の機能のうちのいずれも選択していない場合に、表示部15を開くという簡単な操作によって、例えば、頻繁に使用している機能として予め登録されている機能を容易に確認できる。
【0078】
また上記第1の実施形態によれば、制御部10は、開閉検出部34によって開状態が検出されている場合であって、パスワードが一致しており、かつ、選択指示を受付けている場合に、第2表示装置32Aに対し、第2個別画面90に、ショートカットキー91A及び91B等を表示させる。これによって、ユーザーは、複数の機能のうちのいずれかを選択している場合に、表示部15を開くという簡単な操作によって、選択されている機能について、例えば、頻繁に使用している設定内容として予め定められている設定内容を、容易に確認できる。
【0079】
また上記第1の実施形態によれば、画像形成装置1は、電子機器2を備えているので、画像形成装置1を使用しているユーザーの利便性が向上する。
【0080】
(第1の変形例)
上記第1の実施形態では、ユーザー名に対応付けられているパスワードは1つのみが登録されていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。本発明の第1の変形例において、HDD17は、ユーザー情報として、第1パスワード及び第2パスワードを、ユーザー名に対応付けて記憶している。
【0081】
HDD17はまた、第1個別情報を、セキュリティレベルの高い情報(以下、「高レベル情報」と記す。)と、セキュリティレベルの低い情報(以下、「低レベル情報」と記す。)と、に区別して記憶している。本変形例において、HDD17は、第1個別情報のうち、アドレス帳データ、メモ帳データ、及び電子ファイル名を示す情報を高レベル情報として記憶し、予め定められている機能を示す情報を、低レベル情報として記憶しているものとする。
【0082】
HDD17は、第2個別情報を、高レベル情報と、低レベル情報と、に区別して記憶している。本変形例において、HDD17は、第2個別情報のうち、メモ帳データを高レベル情報として記憶し、予め定められている設定内容を示す情報を、低レベル情報として記憶しているものとする。
【0083】
第1の変形例において、制御部10は、開閉検出部34によって開状態が検出されている場合であって(ステップS10にてYES、又はステップS17にてYES)、HDD17に記憶されている第1パスワードと、タッチパネル16Aを介して受付けているパスワードとが一致している場合には(ステップS24にてYES)、HDD19から、タッチパネル16Aを介して受付けているユーザー名に対応付けられている第1個別情報又は第2個別情報のうちから低レベル情報のみを読出す(ステップS27又はステップS31)。
【0084】
制御部10は、第2表示装置32Aに対し、読出された低レベル情報のみを示す第1個別画面又は第2個別画面を第1表示面に表示させる(ステップS28又はステップS32)。この場合、制御部10は、第1個別画面に、ショートカットキー81A乃至81C等のみを表示させる。制御部10はまた、第2個別画面に、ショートカットキー91A及び91B等のみを表示させる。
【0085】
一方、制御部10は、開閉検出部34によって開状態が検出されている場合であって(ステップS10にてYES、又はステップS17にてYES)、HDD17に記憶されている第2パスワードと、タッチパネル16Aを介して受付けているパスワードとが一致している場合には(ステップS24にてYES)、HDD19から、タッチパネル16Aを介して受付けているユーザー名に対応付けられている第1個別情報又は第2個別情報の全ての情報、すなわち、高レベル情報及び低レベル情報の両方を読出す(ステップS27又はステップS31)。
【0086】
制御部10は、第2表示装置32Aに対し、読出された高レベル情報及び低レベル情報の両方を示す第1個別画面80又は第2個別画面90を第1表示面に表示させる(ステップS28又はステップS32)。
【0087】
第1の変形例によれば、ユーザーは、パスワードを使い分けることによって、表示させる個別情報を変更することができる。したがって、不必要な個別情報が第三者に閲覧されてしまうことを防ぐことができるので、ユーザーの利便性がより一層向上する。
【0088】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、電子機器2は画像形成装置1に備えられていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。本発明の第2の実施形態は、電子機器が画像形成装置1とは別個に設けられている点を除き、第1の実施形態と同じである。以下、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としての端末装置について図面を参照して説明する。
【0089】
図10は、端末装置の内部構成を示すブロック図である。
図10を参照して、端末装置3は、タブレット型の表示装置である。端末装置3は、制御ユニット200を含んでいる。制御ユニット200は、表示部101、タッチパネル102、開閉検出部103、記憶部104、及び通信部105等と電気的に接続されている。
【0090】
制御ユニット200は、プロセッサー、RAM、及びROM等を含んでいる。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット200は、ROM又は記憶部104に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部106として機能する。
【0091】
制御部106は、端末装置3の全体制御を司る。例えば、制御部106は、表示部101の折り畳まれている状態又は開かれている状態に応じて、ユーザーに応じて予め登録されている個別情報を表示部101に表示させたり、個別情報の表示を終了させたりする処理を行なう。制御部106はまた、ネットワークを介して接続されている画像形成装置1との通信を制御する。なお、制御部106は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ハード回路によって構成されていてもよい。
【0092】
図11Aは、表示部が開かれているときの状態を示す図である。
図11Bは、表示部が折り畳まれているときの状態を示す図である。
図11Aを参照して、表示部101は、略直方体形状の筐体111を含んでいる。筐体111の一面には、表示装置112が設けられている。表示装置112は、例えば、液晶ディスプレイによって構成されている。
【0093】
タッチパネル102は、表示装置112に重ねて配置されている。ユーザーは、タッチパネル102を介して、端末装置3によって実行可能な各種機能を実行するための指示等の各種の情報を入力する。タッチパネル102は、特許請求の範囲における入力部の一例である。
【0094】
図11Bを参照して、筐体111、表示装置112、及びタッチパネル102は、中心線113を中心として、表示装置112の表示面が外側に露出している状態で折り畳み可能に構成されている。表示装置112の表示面は、折り畳まれることによって、中心線113と直交する方向Yの一端側に位置している表示領域112Aと、方向Yの他端側に位置している表示領域112Bと、に分割される。
【0095】
以下、表示領域112Aと表示領域112Bとがなす角度が90度を超えている場合を、表示部101が開かれている状態(以下、「開状態」と記す。)とする。表示領域112Aと表示領域112Bとがなす角度が90度以下である場合を、表示部101が折り畳まれている状態(以下、「閉状態」と記す。)とする。
【0096】
制御部106は、表示装置112の表示面全体、すなわち表示領域112A及び表示領域112Bを「第1表示面」として予め設定している。例えば、
図11Aに示すように、表示部101が開状態である場合、第1表示面は、端末装置3の鉛直方向上方に露出している状態となる。
【0097】
制御部106はまた、表示部101が閉状態である場合において、端末装置3の鉛直方向上方に露出している表示領域112A又は表示領域112Bを「第2表示面」に設定する。例えば、
図11Bに示すように、表示部101が閉じられている場合、表示領域112Bが端末装置3の鉛直方向上方に露出しているので、制御部10は、表示領域112Bを「第2表示面」に設定する。
【0098】
制御部106は、表示部101に対し、画像形成装置1によって実行可能な各機能等に関する各種の画面を、第1表示面又は第2表示面に表示させる。
【0099】
開閉検出部103は、3軸加速度センサーを含んでいる。3軸加速度センサーは、3軸方向における表示部101の動きを加速度として検出し、検出された加速度を示す信号を出力する。
【0100】
記憶部104は、フラッシュメモリー等の記憶装置である。記憶部104は、端末装置3の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶している。記憶部104は、各種制御プログラムの1つとして、第1の実施形態と同じ個別情報表示処理を実行するための変更プログラムを記憶している。
【0101】
記憶部104は、ユーザー情報として、ユーザー名とパスワードとを対応付けて予め記憶している。本実施形態において、記憶部104は、ユーザー名及びパスワードの1つとして、「0123」を示す文字列によって構成されているユーザー名と、「ABCD」を示す文字列によって構成されているパスワードとを対応付けて予め記憶しているものとする。ユーザーは、タッチパネル102を介した入力等によって、ユーザー名及びパスワードを予め登録している。
【0102】
記憶部104は、ユーザー名に対応付けて、第1個別情報を記憶している。第1個別情報は、予め定められている機能を示す情報、アドレス帳データ、メモ帳データ、及び、電子ファイル名を示す情報等を含んでいる。記憶部104は、上記予め定められている機能を示す情報として、ユーザーによって頻繁に使用されている機能である、コピー機能、送信機能、及びファクシミリ機能を示す情報を記憶しているものとする。
【0103】
記憶部104は、ユーザー名に対応付けて、第2個別情報を記憶している。第2個別情報は、少なくとも1つの機能について予め定められている設定内容を示す情報、及び、メモ帳データ等を含んでいる。記憶部104は、上記設定内容を示す情報として、コピー機能についての、ユーザーによって頻繁に使用されている複数の設定内容を示す情報を記憶しているものとする。第1個別情報及び第2個別情報は、ユーザーによるタッチパネル102を介した入力等によって、予め登録されている。
【0104】
記憶部104は、ホーム画面、及び認証画面を記憶している。記憶部104はまた、設定画面を、画像形成装置1において実行可能な複数の機能のそれぞれに対応付けて記憶している。ホーム画面、認証画面、及び設定画面は、ユーザー名に対応付けられて記憶部104に記憶されていない。
【0105】
通信部105は、通信モジュールを含んでいる。端末装置3は、通信部105を介して、ネットワークを介して接続されている画像形成装置1とデータ通信を行なう。
【0106】
端末装置3の各部には電源が接続されており、この電源から電力が供給されることによって、端末装置3の各部が動作する。
【0107】
[動作]
以下、
図4A及び
図4B等を参照して、個別情報表示処理の実行時における端末装置3の動作について説明する。以下、端末装置3の電源が投入されていないときは、表示部101は閉状態であるものとする。
【0108】
ユーザーは、表示部101が閉じられている状態で、端末装置3の電源を投入したものとする。制御部106は、端末装置3の電源が投入されると、個別情報表示処理の実行を開始する。
図4Aを参照して、個別情報表示処理において、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態であるか否かを判定する(ステップS10)。
【0109】
具体的には、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて表示領域112Aと表示領域112Bとがなす角度を算出し、算出された角度が90度を超えている場合に、表示部101が開状態であると判定する。制御部106は、算出された角度が90度以下である場合に、表示部101が閉状態であると判定する。
【0110】
(1)表示部101が閉状態である場合
この場合、表示部101は閉じられているので、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態であると判定し(ステップS10にてYES)、表示装置112に画面を表示させているか否かを判定する(ステップS11)。
【0111】
この場合、制御部106は、表示装置112に何も表示させていないので、画面を表示させていないと判定し(ステップS11にてNO)、画像形成装置1によって実行可能な複数の機能のうちのいずれかを選択するための選択指示を受付けているか否かを判定する(ステップS12)。
【0112】
一方、制御部106は、表示装置112に画面を表示させている場合(ステップS11にてYES)、表示装置112に、画面の表示を終了させる(ステップS13)。表示の終了後、制御部106は、ステップS12の処理に進む。
【0113】
(1-1)選択指示を受付けていない場合
この場合、端末装置3の電源が投入された直後であり、ユーザーによる機能の選択が行なわれていないので、制御部106は、選択指示を受付けていないと判定し(ステップS12にてNO)、表示装置112に、ホーム画面を表示させているか否かを判定する(ステップS14)。この場合、制御部106は、表示装置112に何も表示させていないので、ホーム画面を表示させていないと判定し(ステップS14にてNO)、記憶部104から、ホーム画面を読出す(ステップS15)。
【0114】
ホーム画面の読出し後、制御部106は、表示装置112に対し、読出されたホーム画面50を第2表示面に表示させる(ステップS16)。具体的には、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示領域112A及び表示領域112Bのうち、端末装置3の鉛直方向上方に露出している表示領域112A又は表示領域112Bを特定し、特定された表示領域112A又は表示領域112Bを第2表示面に設定する。制御部106は、第2表示面として設定された表示領域112A又は表示領域112Bに、ホーム画面50を表示させる。
【0115】
ホーム画面50の表示後、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が開状態であるか否かを判定する(ステップS17)。この場合、表示部101は閉じたままであるので、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が開状態ではないと判定し(ステップS17にてNO)、ステップS12の処理に進む。
【0116】
制御部106は、選択指示を受付けるまで、又は、表示部101が開かれるまで、選択指示を受付けていないと判定する処理(ステップS12にてNO)、ホーム画面を表示させていると判定する処理(ステップS14にてYES)、並びに、ステップS15の処理及びステップS16の処理を実行することなく、表示部101が開状態ではないと判定する処理(ステップS17にてNO)を繰返す。
【0117】
(1-2)選択指示を受付けている場合
ユーザーは、ホーム画面50を確認し、キー52をタッチしたものとする。タッチパネル102を介してキー52に対するタッチ操作を受付けると、制御部106は、コピー機能を選択するための選択指示を受付けていると判定し(ステップS12にてYES)、表示装置112に、選択された機能に対応付けられている設定画面を表示させているか否かを判定する(ステップS18)。
【0118】
この場合、制御部106は、表示装置112に、ホーム画面50を表示させているので、設定画面を表示させていないと判定し(ステップS18にてNO)、記憶部104から、選択されている機能に対応付けられている設定画面を読出す(ステップS19)。この場合、制御部106は、記憶部104から、コピー機能に対応付けられている設定画面60を読出す。設定画面60の読出し後、制御部106は、表示装置112に対し、読出された設定画面60を第2表示面に表示させる(ステップS20)。
【0119】
設定画面60の表示後、制御部106は、ステップS17の処理に進む。この場合、表示部101は閉じたままであるので、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が開状態ではないと判定し(ステップS17にてNO)、ステップS12の処理に進む。
【0120】
制御部106は、表示部101が開かれるまで、又は、解除指示を受付けるまで、選択指示を受付けていると判定する処理(ステップS12にてYES)、設定画面60を表示させていると判定する処理(ステップS18にてYES)、及び、ステップS19及びステップS20の処理を実行することなく、表示部101が開状態ではないと判定する処理(ステップS17にてNO)を繰返す。
【0121】
ユーザーは、設定画面60を確認して、キー63をタッチしたものとする。制御部106は、タッチパネル102を介してキー63に対するタッチ操作を受付けることによって解除指示を受付けると、選択指示を受付けていないと判定するとともに(ステップS12にてNO)、ホーム画面を表示させていないと判定し(ステップS14にてNO)、上記と同様にして、ステップS15からステップS16までの処理を実行して、表示装置112に対し、ホーム画面50を第2表示面に表示させる。
【0122】
(2)表示部101が開状態である場合
ユーザーは、第2表示面に表示されているホーム画面50を確認して、表示部101を開いたものとする。制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が開状態であると判定し(ステップS17にてYES)、
図4Bに示すように、記憶部104から、ホーム画面及び認証画面を読出す(ステップS21)。ホーム画面及び認証画面の読出し後、制御部106は、表示装置112に対し、読出されたホーム画面及び認証画面を第1表示面に表示させる(ステップS22)。このとき、制御部106は、表示装置112に対し、ホーム画面50の表示を終了させる。
【0123】
ステップS22において、制御部106は、表示装置112に対し、ホーム画面50を表示領域112Aに表示させている。制御部106は、表示装置112に対し、認証画面70を表示領域112Bに表示させている。ホーム画面50及び認証画面70の表示後、制御部106は、認証指示を受付けるまで待機している(ステップS23にてNO)。ユーザーは、タッチパネル102を介して、ユーザー名として「0123」を示す文字列を欄71に入力し、パスワードとして「ABCD」を示す文字列を欄72に入力したものとする。ユーザー名及びパスワードの入力後、ユーザーは、キー73をタッチしたものとする。
【0124】
制御部106は、タッチパネル102を介してキー73に対するタッチ操作を受付けると、認証指示を受付けていると判定し(ステップS23にてYES)、タッチパネル102を介して受付けているパスワードが、タッチパネル102を介して受付けているユーザー名に対応付けて記憶部104に記憶されているパスワードと一致しているか否かを判定する(ステップS24)。この場合、制御部106は、受付けているパスワードと、記憶部104に記憶されているパスワードとが一致していると判定し(ステップS24にてYES)、選択指示を受付けているか否かを判定する(ステップS25)。
【0125】
なお、例えば、ユーザー名として「0123」を示す文字列が欄71に入力され、パスワードとして「BCDE」を示す文字列が欄72に入力されており、制御部106が、受付けているパスワードと、記憶部104に記憶されているパスワードとが一致していないと判定した場合(ステップS24にてNO)、制御部106は、ステップS23の処理に戻る。このとき、制御部106は、表示装置112に対し、例えば「パスワードが間違っています。入力し直して下さい。」等のメッセージを、認証画面70に表示させてもよい。
【0126】
(2-1)選択指示を受付けていない場合
この場合、機能の選択が解除されているので、制御部106は、選択指示を受付けていないと判定し(ステップS25にてNO)、表示装置112に、第1個別画面を表示させているか否かを判定する(ステップS26)。制御部106は、表示装置112に認証画面70を表示させているので、第1個別画面を表示させていないと判定し(ステップS26にてNO)、記憶部104から、受付けているユーザー名に対応付けられている第1個別情報を読出す(ステップS27)。
【0127】
第1個別情報の読出し後、制御部106は、表示装置112に対し、読出された第1個別情報を示す第1個別画面80を第1表示面に表示させる(ステップS28)。この場合、制御部106は、表示装置112に対し、ホーム画面50を表示領域112Aに表示させている。制御部106は、表示装置112に対し、認証画面70の表示を終了させて、第1個別画面80を表示領域112Bに表示させている。
【0128】
第1個別画面80の表示後、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態であるか否かを判定する(ステップS29)。この場合、表示部101は開いたままであるので、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態ではないと判定し(ステップS29にてNO)、ステップS25の処理に進む。
【0129】
制御部106は、選択指示を受付けるまで、又は、表示部101が閉じられるまで、選択指示を受付けていないと判定する処理(ステップS25にてNO)、第1個別画面を表示させていると判定する処理(ステップS26にてYES)、並びに、ステップS27の処理及びステップS28の処理を実行することなく、表示部101が閉状態ではないと判定する処理(ステップS29にてNO)を繰返す。
【0130】
なお、この状態において、ユーザーによって表示部101が閉じられ、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態であると判定された場合(ステップS29にてYES)、制御部106は、ステップS11の処理に進む。
【0131】
(2-2)選択指示を受付けている場合
ユーザーは、第1個別画面80を確認し、ショートカットキー81Aをタッチしたものとする。タッチパネル102を介してショートカットキー81Aに対するタッチ操作を受付けると、制御部106は、コピー機能を選択するための選択指示を受付けていると判定し(ステップS25にてYES)、表示装置112に、第2個別画面を表示させているか否かを判定する(ステップS30)。
【0132】
制御部106は、表示装置112に第1個別画面80を表示させているので、第2個別画面を表示させていないと判定し(ステップS30にてNO)、記憶部104から、設定画面と、受付けているユーザー名に対応付けられている第2個別情報とを読出す(ステップS31)。
【0133】
第2個別情報等の読出し後、制御部106は、表示装置112に対し、読出された設定画面60と、読出された第2個別情報を示す第2個別画面90とを、第1表示面に表示させる。この場合、制御部106は、表示装置112に対し、設定画面60を表示領域112Aに表示させている。制御部106は、表示装置112に対し、第2個別画面90を表示領域112Bに表示させている。
【0134】
第2個別画面90等の表示後、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態であるか否かを判定する(ステップS29)。この場合、表示部101は開いたままであるので、制御部106は、開閉検出部103から出力されてくる信号に基づいて、表示部101が閉状態ではないと判定し(ステップS29にてNO)、ステップS25の処理に進む。
【0135】
制御部106は、選択指示が解除されるまで、又は、表示部101が閉じられるまで、選択指示を受付けていると判定する処理(ステップS25にてYES)、第2個別画面を表示させていると判定する処理(ステップS30にてYES)、並びに、ステップS31の処理及びステップS32の処理を実行することなく、表示部101が閉状態ではないと判定する処理(ステップS29にてNO)を繰返す。
【0136】
ユーザーは、第2個別画面90のショートカットキー91Aをタッチした後、設定画面60のキー64をタッチしたものとする。タッチパネル102を介してキー64に対するタッチ操作を受付けると、制御部106は、ショートカットキー91Aに対応付けられている設定内容を受付ける。制御部106は、通信部105を介して、受付けた設定内容を画像形成装置1に送信する。画像形成装置1は、通信部22を介して、端末装置3から送信されてくる設定内容を受信すると、受信した設定内容を、確定されている設定内容として受付ける。
【0137】
キー64をタッチした後、ユーザーは、コピーを開始するために、画像読取部11のプラテンガラスに原稿を載置して、スタートキー16Bを押下したものとする。制御部106は、スタートキー16Bの押下を検知すると、画像読取部11に対し、プラテンガラスに載置されている原稿を読み取らせて画像データを生成させる。画像データの生成後、制御部106は、画像形成部12等に対し、生成された画像データに基づく画像を、確定されている設定内容にしたがって、記録紙に形成させる。
【0138】
上記第2の実施形態によれば、制御部106は、通信部105を介して、タッチパネル102を介して受け付けている情報を画像形成装置1に対して送信する。これによって、ユーザーは、携帯している端末装置3を用いて、画像形成装置1に対する指示等の情報を入力することができるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0139】
(その他の変形例)
上記第1の実施形態では、制御部10は、HDD17に記憶されているパスワードと、タッチパネル16Aを介して受付けているパスワードとを用いて認証処理を実行したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、制御部10は、HDD17にユーザー情報として記憶されている指紋情報と、例えば筺体31に設けられているカメラによって撮像されている画像から取得されている情報とを用いた指紋認証によって、上記認証処理を行なってもよい。
【0140】
また、制御部10は、制御部10は、HDD17にユーザー情報として記憶されている、ユーザーの顔の特徴を示す顔情報と、例えば筺体31に設けられているカメラによって撮像されている画像から取得されている情報とを用いた顔認証によって、上記認証処理を行なってもよい。
【0141】
また上記第1の実施形態では、開閉検出部34として、磁石34BとホールIC34Aとが用いられたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、開閉検出部34として、機械式のスイッチ機構が用いられてもよい。
【0142】
また上記第1の変形例では、HDD17に2つのパスワードが予め記憶されていたが、本発明はそのような実施形態に限定されず、例えば、HDD17が、3つのパスワードを記憶していてもよい。この場合、HDD17は、第1個別情報、及び、第2個別情報を、高レベル情報、中レベル情報、及び、低レベル情報に区別して記憶している。
【0143】
制御部10は、タッチパネル16Aを介して受付けているパスワードが第1パスワードと一致している場合には、第2表示装置32Aに対し、低レベル情報のみを示す個別画面を表示させる。制御部10は、受付けているパスワードが第2パスワードと一致している場合には、第2表示装置32Aに対し、低レベル情報及び中レベル情報のみを示す個別画面を表示させる。制御部10は、受付けているパスワードが第3パスワードと一致している場合には、第2表示装置32Aに対し、高レベル情報、中レベル情報、及び、低レベル情報の全てを示す個別画面を表示させる。
【0144】
また上記第1の変形例では、HDD17は、第1個別情報のうち、アドレス帳データ、メモ帳データ、及び電子ファイル名を示す情報を高レベル情報として記憶し、予め定められている機能を示す情報を、低レベル情報として記憶していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、アドレス帳データ、及び電子ファイル名を示す情報を高レベル情報として記憶し、メモ帳データ、及び予め定められている機能を示す情報を低レベル情報として記憶していてもよい。
【0145】
同様に、上記第1の変形例では、HDD17は、第2個別情報のうち、メモ帳データを高レベル情報として記憶し、予め定められている設定内容を示す情報を、低レベル情報として記憶していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、予め定められている設定内容を示す情報を高レベル情報として記憶し、メモ帳データを低レベル情報として記憶していてもよい。
【0146】
また上記第2の実施形態では、端末装置3は、折り畳み可能な表示部15を備えている画像形成装置1と通信を行なったが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、端末装置3は、折り畳み可能に構成されていない表示部を備えている画像形成装置、すなわち、本発明の個別情報表示処理を実行可能に構成されていない画像形成装置と通信を行なう構成であってもよい。
【0147】
また上記第1及び第2の実施形態では、画像形成部12等は、記録紙に画像を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成部12等は、記録紙に限らず、他の記録媒体に画像を形成してもよい。他の記録媒体としては、例えば、OHP(Overhead Projector)シートを例示できる。
【0148】
なお、本発明は上記第1及び第2の実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記第2の実施形態では、本発明に係る電子機器としてタブレット型の端末装置を用いているが、これは一例に過ぎず、例えば、スマートフォンが用いられてもよい。
【0149】
図1乃至
図11を用いて上記第1及び第2の実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0150】
1 画像形成装置
2 電子機器
3 端末装置
12 画像形成部
10,106 制御部
15,101 表示部
16 操作部
17 HDD
34,103 開閉検出部
102 タッチパネル
105 通信部