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特許7363130電動アクチュエータ、および電動アクチュエータの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ、および電動アクチュエータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20231011BHJP
   H02K 5/10 20060101ALI20231011BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20231011BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20231011BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K5/10 Z
H02K7/116
H02K11/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019122835
(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公開番号】P2021010237
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】雫 修通
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
(72)【発明者】
【氏名】姜 永大
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 芳雄
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一弘
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174639(JP,A)
【文献】特開2006-269207(JP,A)
【文献】特開2006-288137(JP,A)
【文献】特開2016-094113(JP,A)
【文献】特開2017-229240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
H02K 5/10
H02K 7/116
H02K 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ部と、
前記モータ部と電気的に接続された回路基板と、
前記モータ部および前記回路基板を収容するハウジングと、
前記ハウジングに固定されたコネクタアセンブリと、
を備え、
前記ハウジングは、前記ハウジングの壁部を所定の第1方向に貫通する貫通孔を有し、
前記コネクタアセンブリは、
前記貫通孔に通され、前記ハウジングに固定されたコネクタ部材と、
前記コネクタ部材に保持され、前記回路基板に電気的に接続された配線部材と、
前記コネクタ部材に取り付けられたシール部材と、
を有し、
前記コネクタ部材は、
前記ハウジングの壁部から前記第1方向の一方側に突出し、前記ハウジングの外部に位置する本体部と、
前記本体部から前記第1方向の他方側に突出した柱状であり、前記貫通孔に挿入されたシール保持部と、
前記シール保持部から前記第1方向の他方側に突出した柱状であり、前記ハウジングの内部に位置する端子保持部と、
を有し、
前記本体部は、前記本体部のうち前記第1方向の他方側の端部に設けられたフランジ部を有し、
前記フランジ部は、前記ハウジングの外側面に接触して前記ハウジングの壁部に固定され、
前記配線部材は、前記ハウジングの内部において前記端子保持部から突出して前記回路基板に接続された端子部を有し、
前記シール部材は、前記シール保持部の外周面に取り付けられ前記シール保持部を囲む環状であり、前記貫通孔の内周面と前記シール保持部の外周面との間を封止し、
前記端子部は、前記端子保持部から前記第1方向と直交する第2方向の一方側に突出し、
前記端子部のうち前記第2方向の一方側の端部は、前記シール保持部よりも前記第2方向の一方側に位置し、
前記端子保持部の中心軸は、前記シール保持部の中心軸に対して、前記第2方向の一方側に偏心し、
前記端子保持部うち前記端子部よりも前記第1方向の一方側に位置する部分の前記第1方向の寸法は、前記貫通孔の前記第1方向の寸法よりも大きい、電動アクチュエータ。
【請求項2】
前記端子保持部のうち前記第2方向の他方側の端部と前記端子部のうち前記第2方向の一方側の端部との間の前記第2方向の距離は、前記貫通孔の内径よりも小さい、請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記端子保持部うち前記端子部よりも前記第1方向の一方側に位置する部分の前記第1方向の寸法は、前記貫通孔の前記第1方向の寸法よりも大きい、請求項またはに記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1方向は、前記モータ部の軸方向と直交する方向であり、
前記第2方向は、前記モータ部の軸方向と平行な方向であり、
前記ハウジングは、
前記モータ部を径方向外側から囲む筒状のモータケース部と、
前記モータケース部を径方向外側から囲み、前記貫通孔が設けられた外壁部と、
を有し、
前記端子保持部は、前記モータケース部と前記外壁部との径方向の間に位置する、請求項からのいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記モータケース部は、円筒状であり、
前記端子保持部のうち前記第1方向の他方側の端部には、前記モータケース部の外周面に沿って傾斜した傾斜部が設けられる、請求項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記配線部材は、複数設けられ、
複数の前記配線部材のうちの少なくとも2つ以上の前記配線部材において、各前記端子部は、前記モータケース部の外周面に沿って並んで配置される、請求項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
前記シール部材は、Oリングである、請求項1からのいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項8】
前記モータ部に連結された減速機構と、
前記減速機構を介して前記モータ部の回転が伝達される出力部と、
をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項9】
前記モータ部は、軸方向に延びるモータシャフトを有し、
前記出力部は、軸方向に延びる出力シャフトを有し、
前記出力シャフトは、前記減速機構を介して前記モータシャフトに連結され、
前記モータシャフトと前記出力シャフトとは、前記モータシャフトの径方向に離れて配置される、請求項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項10】
請求項に記載の電動アクチュエータを製造する製造方法であり、
前記コネクタアセンブリを前記ハウジングに取り付けるコネクタ取付工程を含み、
前記端子保持部のうち前記第2方向の他方側の端部と前記端子部のうち前記第2方向の一方側の端部との間の前記第2方向の距離は、前記貫通孔の内径よりも小さく、
前記端子保持部うち前記端子部よりも前記第1方向の一方側に位置する部分の前記第1方向の寸法は、前記貫通孔の前記第1方向の寸法よりも大きく、
前記コネクタ取付工程は、
前記シール保持部の中心軸が前記貫通孔の中心軸よりも前記第2方向の他方側に偏心した状態で前記コネクタアセンブリを前記第1方向の他方側に移動させ、前記端子保持部および前記端子部を前記貫通孔に挿入しつつ、前記シール保持部を前記ハウジングの外側面に突き当てる工程と、
前記シール保持部の中心軸が前記貫通孔の中心軸と一致する位置まで前記コネクタアセンブリを前記第2方向の一方側に移動させる工程と、
前記コネクタアセンブリを前記第1方向の他方側に移動させ、前記シール保持部を前記貫通孔に挿入しつつ、前記フランジ部を前記ハウジングの外側面に突き当てる工程と、
前記フランジ部を前記ハウジングに固定する工程と、
を含む、電動アクチュエータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータ、および電動アクチュエータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジングに対して別部材のコネクタ部材を備える電動アクチュエータが知られている。例えば、特許文献1には、そのような電動アクチュエータとして、モータと、電子制御装置と、を備える駆動装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-207963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電動アクチュエータにおいては、ハウジングの内部に水等の液体が浸入することを抑制するために、ハウジングとコネクタ部材との間を、例えば液状ガスケット等によって封止することが考えられる。しかし、ハウジングとコネクタ部材との間を封止しつつ、コネクタ部材をハウジングに組み付ける作業は、工数および時間が掛かりやすく、電動アクチュエータの生産性が低下しやすい問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、ハウジングとコネクタ部材との間の封止性を確保しつつ、生産性が低下することを抑制できる構造を有する電動アクチュエータを提供することを目的の一つとする。また、本発明は、ハウジングとコネクタ部材との間の封止性を確保しつつ、生産性が低下することを抑制できる電動アクチュエータの製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動アクチュエータの一つの態様は、モータ部と、前記モータ部と電気的に接続された回路基板と、前記モータ部および前記回路基板を収容するハウジングと、前記ハウジングに固定されたコネクタアセンブリと、を備える。前記ハウジングは、前記ハウジングの壁部を所定の第1方向に貫通する貫通孔を有する。前記コネクタアセンブリは、前記貫通孔に通され、前記ハウジングに固定されたコネクタ部材と、前記コネクタ部材に保持され、前記回路基板に電気的に接続された配線部材と、前記コネクタ部材に取り付けられたシール部材と、を有する。前記コネクタ部材は、前記ハウジングの壁部から前記第1方向の一方側に突出し、前記ハウジングの外部に位置する本体部と、前記本体部から前記第1方向の他方側に突出した柱状であり、前記貫通孔に挿入されたシール保持部と、前記シール保持部から前記第1方向の他方側に突出した柱状であり、前記ハウジングの内部に位置する端子保持部と、を有する。前記本体部は、前記本体部のうち前記第1方向の他方側の端部に設けられたフランジ部を有する。前記フランジ部は、前記ハウジングの外側面に接触して前記ハウジングの壁部に固定される。前記配線部材は、前記ハウジングの内部において前記端子保持部から突出して前記回路基板に接続された端子部を有する。前記シール部材は、前記シール保持部の外周面に取り付けられ前記シール保持部を囲む環状であり、前記貫通孔の内周面と前記シール保持部の外周面との間を封止する。
【0007】
本発明の電動アクチュエータの製造方法の一つの態様は、前記コネクタアセンブリを前記ハウジングに取り付けるコネクタ取付工程を含む。前記端子部は、前記端子保持部から前記第1方向と直交する第2方向の一方側に突出する。前記端子部のうち前記第2方向の一方側の端部は、前記シール保持部よりも前記第2方向の一方側に位置する。前記端子保持部の中心軸は、前記シール保持部の中心軸に対して、前記第2方向の一方側に偏心している。前記端子保持部のうち前記第2方向の他方側の端部と前記端子部のうち前記第2方向の一方側の端部との間の前記第2方向の距離は、前記貫通孔の内径よりも小さい。前記端子保持部うち前記端子部よりも前記第1方向の一方側に位置する部分の前記第1方向の寸法は、前記貫通孔の前記第1方向の寸法よりも大きい。前記コネクタ取付工程は、前記シール保持部の中心軸が前記貫通孔の中心軸よりも前記第2方向の他方側に偏心した状態で前記コネクタアセンブリを前記第1方向の他方側に移動させ、前記端子保持部および前記端子部を前記貫通孔に挿入しつつ、前記シール保持部を前記ハウジングの外側面に突き当てる工程と、前記シール保持部の中心軸が前記貫通孔の中心軸と一致する位置まで前記コネクタアセンブリを前記第2方向の一方側に移動させる工程と、前記コネクタアセンブリを前記第1方向の他方側に移動させ、前記シール保持部を前記貫通孔に挿入しつつ、前記フランジ部を前記ハウジングの外側面に突き当てる工程と、前記フランジ部を前記ハウジングに固定する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、電動アクチュエータにおいて、ハウジングとコネクタ部材との間の封止性を確保しつつ、生産性が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態の電動アクチュエータを示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態の電動アクチュエータを示す断面図であって、図1におけるII-II断面図である。
図3図3は、本実施形態のハウジングの一部を示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態の電動アクチュエータの一部を示す断面図であって、図1におけるIV-IV断面図である。
図5図5は、本実施形態のコネクタアセンブリを示す斜視図である。
図6図6は、本実施形態のコネクタアセンブリを突出方向他方側から見た図である。
図7図7は、本実施形態の電動アクチュエータの一部を上側から見た図である。
図8図8は、本実施形態のコネクタ取付工程における第1移動工程の手順の一部を示す断面図である。
図9図9は、本実施形態のコネクタ取付工程における第2移動工程の手順の一部を示す断面図である。
図10図10は、本実施形態のコネクタ取付工程における第3移動工程の手順の一部を示す断面図である。
図11図11は、本実施形態の基板取付工程における手順の一部を示す断面図である。
図12図12は、本実施形態の蓋部材取付工程における手順の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図においてZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す仮想軸である中心軸J1の軸方向は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行である。以下の説明においては、中心軸J1の軸方向と平行な方向を単に「軸方向Z」と呼ぶ。また、特に断りのない限り、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0011】
各図においてX軸方向およびY軸方向は、Z軸方向と直交する水平方向である。X軸方向とY軸方向とは、互いに直交する方向である。Y軸方向は、本実施形態の電動アクチュエータ10のコネクタアセンブリ80が突出する方向である。以下の説明では、Y軸方向と平行な方向を「突出方向Y」と呼び、Y軸方向の正の側(+Y側)を「突出方向一方側」と呼び、Y軸方向の負の側(-Y側)を「突出方向他方側」と呼ぶ。また、X軸方向と平行な方向を「幅方向X」と呼ぶ。
【0012】
本実施形態において、突出方向Yは、第1方向に相当する。突出方向一方側は、第1方向の一方側に相当し、突出方向他方側は、第1方向の他方側に相当する。軸方向Zは、第2方向に相当する。上側は、第2方向の一方側に相当し、下側は、第2方向の他方側に相当する。本実施形態において、平面視とは、軸方向Zに沿って上側または下側から観察することを意味する。なお、上下方向、水平方向、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0013】
図1および図2に示す本実施形態の電動アクチュエータ10は、車両に取り付けられる。より詳細には、電動アクチュエータ10は、車両の運転者のシフト操作に基づいて駆動されるシフト・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載される。図2に示すように、電動アクチュエータ10は、モータ部40と、減速機構50と、出力部60と、ハウジング11と、バスバーユニット90と、回路基板70と、モータ部センサ71と、出力部センサ72と、を備える。
【0014】
モータ部40は、モータシャフト41と、第1ベアリング44aと、第2ベアリング44bと、第3ベアリング44cと、第4ベアリング44dと、ロータ本体42と、ステータ43と、モータ部用センサマグネット45と、マグネットホルダ46と、を有する。モータシャフト41は、軸方向Zに延びる。
【0015】
第1ベアリング44aと第2ベアリング44bと第3ベアリング44cと第4ベアリング44dとは、モータシャフト41を中心軸J1周りに回転可能に支持する。本実施形態において、第1ベアリング44a、第2ベアリング44b、第3ベアリング44c、および第4ベアリング44dは、例えば、ボールベアリングである。
【0016】
モータシャフト41のうち第3ベアリング44cに支持される部分である偏心軸部41aは、中心軸J1と平行で中心軸J1に対して偏心した偏心軸J2を中心として延びる円柱状である。モータシャフト41のうち偏心軸部41a以外の部分は、中心軸J1を中心として延びる円柱状である。
【0017】
ロータ本体42は、モータシャフト41に固定される。ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されるロータコアと、ロータコアの外周部に固定されるロータマグネットとを含む。
【0018】
ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側に隙間を介して配置される。ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側を囲む環状である。ステータ43は、例えば、ステータコアと、複数のインシュレータと、複数のコイルとを含む。各々のコイルは、インシュレータを介してステータコアのティースに装着される。
【0019】
マグネットホルダ46は、中心軸J1を中心とする円環状である。マグネットホルダ46は、モータシャフト41の上側の端部における外周面に固定される。モータ部用センサマグネット45は、中心軸J1を中心とする円環板状である。モータ部用センサマグネット45の板面は、軸方向Zと直交する。モータ部用センサマグネット45は、マグネットホルダ46の上面のうち径方向外周縁部に固定される。これにより、モータ部用センサマグネット45は、マグネットホルダ46を介してモータシャフト41に取り付けられる。本実施形態において、モータ部用センサマグネット45は、回路基板70の下側の面と隙間を介して軸方向Zに対向する。
【0020】
減速機構50は、モータ部40に連結される。本実施形態において減速機構50は、モータシャフト41の下側に連結される。減速機構50は、ロータ本体42およびステータ43の下側に配置される。減速機構50は、外歯ギア51と、内歯ギア52と、出力ギア53と、を有する。なお、減速機構50は、モータシャフト41の上側に連結されてもよい。
【0021】
外歯ギア51は、偏心軸部41aの偏心軸J2を中心として、偏心軸J2の径方向に拡がる円環板状である。外歯ギア51の径方向外側面には、歯車部が設けられる。外歯ギア51は、モータシャフト41に第3ベアリング44cを介して接続される。これにより、減速機構50は、モータシャフト41に連結される。外歯ギア51は、第3ベアリング44cの外輪に径方向外側から嵌め合わされる。これにより、第3ベアリング44cはモータシャフト41と外歯ギア51とを、偏心軸J2周りに相対的に回転可能に連結する。
【0022】
外歯ギア51は、外歯ギア51を軸方向Zに貫通する複数の孔51aを有する。図示は省略するが、複数の孔51aは、偏心軸J2を中心とする周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。孔51aの軸方向Zに沿って見た形状は、円形状である。
【0023】
内歯ギア52は、外歯ギア51の径方向外側を囲む。内歯ギア52の歯車部は、外歯ギア51の歯車部と噛み合う。内歯ギア52は、中心軸J1を中心とする円環状である。内歯ギア52の外周部は、例えば正十二角形などの多角形状とされ、後述する第2蓋部材14に回転止めされた状態で固定される。
【0024】
出力ギア53は、出力ギア本体53aと、複数のピン53bと、を有する。出力ギア本体53aは、外歯ギア51および内歯ギア52の上側に配置される。出力ギア本体53aは、中心軸J1を中心として径方向に拡がる円環板状である。出力ギア本体53aの径方向外側面には、歯車部が設けられる。出力ギア本体53aは、モータシャフト41に第4ベアリング44dを介して接続される。
【0025】
複数のピン53bは、出力ギア本体53aの下面から下側に突出する円筒状である。図示は省略するが、複数のピン53bは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。ピン53bの外径は、孔51aの内径よりも小さい。複数のピン53bは、複数の孔51aのそれぞれに上側から通される。ピン53bの外周面は、孔51aの内周面と内接する。孔51aの内周面は、ピン53bを介して、外歯ギア51を中心軸J1周りに揺動可能に支持する。
【0026】
出力部60は、電動アクチュエータ10の駆動力を出力する部分である。出力部60は、モータ部40の径方向外側に配置される。出力部60は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、出力部用センサマグネット63と、マグネットホルダ64と、を有する。
【0027】
出力シャフト61は、軸方向Zに延びる筒状である。このように、出力シャフト61がモータシャフト41と同じ方向に延びるため、モータシャフト41の回転を出力シャフト61に伝達する減速機構50の構造を簡単化できる。出力シャフト61は、減速機構50を介してモータシャフト41に連結される。本実施形態において出力シャフト61は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。出力中心軸J3は、中心軸J1と平行であり、中心軸J1から径方向に離れて配置される。すなわち、モータシャフト41と出力シャフト61とは、モータシャフト41の径方向に離れて配置される。そのため、モータシャフト41と出力シャフト61とが軸方向Zに並んで配置される場合に比べて、電動アクチュエータ10を軸方向Zに小型化できる。なお、モータシャフト41と出力シャフト61とは、軸方向Zに並んで配置されてもよい。
【0028】
出力シャフト61は、下側に開口する。出力シャフト61は、内周面に、スプライン溝を有する。出力シャフト61は、モータシャフト41の径方向においてロータ本体42と重なる位置に配置される。出力シャフト61には、下側から被駆動シャフトDSが挿入されて連結される。より詳細には、被駆動シャフトDSの外周面に設けられたスプライン部が、出力シャフト61の内周面に設けられたスプライン溝に嵌め合わされることで、出力シャフト61と被駆動シャフトDSとが連結される。被駆動シャフトDSには、出力シャフト61を介して電動アクチュエータ10の駆動力が伝達される。これにより、電動アクチュエータ10は、被駆動シャフトDSを出力中心軸J3周りに回転させる。
【0029】
駆動ギア62は、出力シャフト61に固定され出力ギア53と噛み合う。本実施形態において駆動ギア62は、出力シャフト61の外周面に固定される。駆動ギア62は、出力シャフト61から出力ギア53に向かって延びる。図示は省略するが、駆動ギア62は、平面視で扇形のギアである。駆動ギア62は、出力ギア53側の端部に歯車部を有する。駆動ギア62の歯車部は、出力ギア53の歯車部と噛み合う。
【0030】
マグネットホルダ64は、出力中心軸J3を中心として軸方向Zに延びる略円筒状の部材である。マグネットホルダ64は、軸方向両側に開口する。マグネットホルダ64は、出力シャフト61の上部に固定される。本実施形態の場合、マグネットホルダ64は、モータ部40の第2ベアリング44bの径方向外側に配置される。マグネットホルダ64は、軸方向Zに見て、回路基板70と部分的に重なる。マグネットホルダ64は、回路基板70よりも下側に配置される。出力シャフト61は、マグネットホルダ64を軸方向Zに貫通する。出力シャフト61は、マグネットホルダ64の内側に圧入される。
【0031】
出力部用センサマグネット63は、出力中心軸J3を中心とする円環状である。出力部用センサマグネット63は、マグネットホルダ64の上面の外周部に固定される。出力シャフト61にマグネットホルダ64が固定されることで、出力部用センサマグネット63は、マグネットホルダ64を介して出力シャフト61に固定される。出力部用センサマグネット63は、回路基板70の下側の面と隙間を介して対向する。
【0032】
出力シャフト61の上端部は、マグネットホルダ64の上側に突出する。出力シャフト61の上端部は、回路基板70の側端面を通過して回路基板70よりも上側に突出する。出力シャフト61の上端部には、工具を嵌合可能な操作部OPが設けられる。操作部OPは、例えば、出力中心軸J3に沿って延びる四角柱状または六角柱状である。
【0033】
モータシャフト41が中心軸J1周りに回転されると、偏心軸部41aは、中心軸J1を中心として周方向に公転する。偏心軸部41aの公転は第3ベアリング44cを介して外歯ギア51に伝達され、外歯ギア51は、孔51aの内周面とピン53bの外周面との内接する位置が変化しつつ、揺動する。これにより、外歯ギア51の歯車部と内歯ギア52の歯車部との噛み合う位置が、周方向に変化する。したがって、内歯ギア52に、外歯ギア51を介してモータシャフト41の回転力が伝達される。
【0034】
ここで、本実施形態では、内歯ギア52は固定されているため回転しない。そのため、内歯ギア52に伝達される回転力の反力によって、外歯ギア51が偏心軸J2周りに回転する。このとき外歯ギア51の回転する向きは、モータシャフト41の回転する向きと反対向きとなる。外歯ギア51の偏心軸J2周りの回転は、孔51aとピン53bとを介して、出力ギア53に伝達される。これにより、出力ギア53が中心軸J1周りに回転する。出力ギア53には、モータシャフト41の回転が減速されて伝達される。
【0035】
出力ギア53が回転すると、出力ギア53に噛み合う駆動ギア62が出力中心軸J3周りに回転する。これにより、駆動ギア62に固定された出力シャフト61が出力中心軸J3周りに回転する。このようにして、出力部60には、減速機構50を介してモータ部40の回転が伝達される。
【0036】
ハウジング11は、モータ部40、減速機構50、出力部60、回路基板70、およびバスバーユニット90を収容する。ハウジング11は、上側に開口する平面視多角形状のハウジング本体12と、ハウジング本体12の上側の開口部12aに固定される第1蓋部材13と、ハウジング本体12の下側の開口部12bに固定される第2蓋部材14と、を有する。
【0037】
ハウジング本体12は、電動アクチュエータ10の筐体を構成する角筒状の外壁部30と、外壁部30の下側の端部から径方向内側に広がる底壁部31と、底壁部31に設けられるモータケース部32および出力シャフト保持部33と、を有する。すなわち、ハウジング11は、外壁部30と、底壁部31と、モータケース部32と、出力シャフト保持部33と、を有する。
【0038】
図1に示すように、外壁部30は、本実施形態では、軸方向Zに見て五角形の角筒状である。図2に示すように、外壁部30は、モータケース部32を径方向外側から囲む。外壁部30の上側の開口部が、ハウジング本体12の上側の開口部12aである。図3に示すように、外壁部30のうち突出方向一方側(+Y側)に位置する壁部30aの外側面には、コネクタ取付部34が設けられる。壁部30aは、ハウジング11の壁部であり、幅方向Xに延びる壁部である。
【0039】
コネクタ取付部34は、突出方向一方側(+Y側)に突出する。本実施形態においてコネクタ取付部34は、幅方向Xに長い角丸の長方形状である。コネクタ取付部34のうち突出方向一方側の面は、後述するコネクタアセンブリ80が取り付けられる取付面34aである。取付面34aは、突出方向Yと直交する平坦面である。
【0040】
コネクタ取付部34には、壁部30aを突出方向Yに貫通する貫通孔35が設けられる。すなわち、ハウジング11は、ハウジング11の壁部30aを突出方向Yに貫通する貫通孔35を有し、貫通孔35は、外壁部30に設けられる。貫通孔35は、突出方向Yに見て、円形状の孔である。貫通孔35は、コネクタ取付部34の幅方向Xの中央部に設けられる。貫通孔35の突出方向一方側(+Y側)の縁部は、面取りされている。これにより、貫通孔35の突出方向一方側の端部は、突出方向一方側に向かうに従って内径が大きくなる拡径部となっている。
【0041】
コネクタ取付部34には、複数の雌ネジ穴34bが設けられる。雌ネジ穴34bには、コネクタアセンブリ80を固定するボルト88が締め込まれる。本実施形態において雌ネジ穴34bは、貫通孔35の幅方向Xの両側に軸方向Zに並んで2つずつ設けられる。雌ネジ穴34bの内径は、貫通孔35の内径よりも小さい。
【0042】
図4に示すように、外壁部30の上側の端部には、下側に窪むシール溝部36が設けられる。シール溝部36は、外壁部30の上側の開口を囲む環状である。シール溝部36の内部には、硬化した液状ガスケット37が設けられている。液状ガスケット37は、シール溝部36の溝底面と第1蓋部材13の下側の端部とに接触し、ハウジング本体12と第1蓋部材13との間を封止する。
【0043】
図2に示すように、底壁部31は、下側に開口する開口部を有する。底壁部31の開口部の周縁に、底壁部31から下側に突出する筒状の筒状壁31aが設けられる。筒状壁31aに囲まれる開口部が、ハウジング本体12の下側の開口部12bである。モータケース部32および出力シャフト保持部33は、底壁部31の上面に設けられる。
【0044】
モータケース部32は、モータ部40を径方向外側から囲む筒状である。本実施形態においてモータケース部32は、中心軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。モータケース部32は、モータ部40を内側に保持する。より詳細には、モータケース部32の内周面に、モータ部40のステータ43が固定される。モータケース部32は、底壁部31から上側に延びる筒状部32bと、筒状部32bの上側の端部から径方向内側に広がる円環板状の区画壁32aと、を有する。
【0045】
区画壁32aは、軸方向Zに見た中央に、ベアリング保持部32cを有する。ベアリング保持部32cは、軸方向Zに沿って延びる円筒状である。ベアリング保持部32cの内周面に、第2ベアリング44bが保持される。区画壁32aがベアリングホルダを兼ねることにより、電動アクチュエータ10が軸方向Zに大型化することを抑制できる。
【0046】
出力シャフト保持部33は、底壁部31から上側に延びる円筒状である。出力シャフト保持部33の側面の一部は、モータケース部32の側面に繋がっている。出力シャフト保持部33は、出力シャフト保持部33を軸方向Zに貫通する孔部33aを有する。孔部33aの内側には、円筒状のブッシュ65が嵌め合わされる。
【0047】
ブッシュ65は、下側の端部に出力中心軸J3を中心とする径方向の外側に突出するフランジ部を有する。ブッシュ65のフランジ部は、駆動ギア62の上面によって下側から支持される。ブッシュ65の内側には、出力シャフト61が嵌め合わされる。ブッシュ65は、出力シャフト61を出力中心軸J3周りに回転可能に支持する。
【0048】
第1蓋部材13は、下側に開口する収容凹部13bを有する容器状の金属部材である。第1蓋部材13とハウジング本体12とは、第1蓋部材13を軸方向Zに貫通する複数のボルトにより締結される。収容凹部13bには、回路基板70の上面に実装される電子部品および被駆動シャフトDSの操作部OPが収容される。収容凹部13bには、例えば、回路基板70に実装されるキャパシタ、トランジスタなどが収容される。
【0049】
第1蓋部材13は、出力シャフト61の上側に位置する開口部13cを有する。開口部13cには、取り外し可能なキャップ15が取り付けられる。キャップ15は、例えば外周面に設けられた雄ネジ部が開口部13cの内周面に設けられた雌ネジ部に締め込まれることで、開口部13cに取り付けられる。キャップ15を取り外すことにより、開口部13cを介して、電動アクチュエータ10の外部から操作部OPに工具を接続可能である。
【0050】
第2蓋部材14は、減速機構50を下側から覆う。第2蓋部材14は、本実施形態では金属製である。第2蓋部材14は、中心軸J1を中心とする円筒状の内側筒部14aと、中心軸J1を中心とする角筒状の外側筒部14bと、ハウジング本体12に固定される固定筒部14cと、内側筒部14aの下側の端部に位置する底壁部14dと、出力部60と軸方向Zに重なる開口部14eと、を有する。
【0051】
内側筒部14aは、外側筒部14bよりも内径が小さく、外側筒部14bよりも下側に位置する。内側筒部14aの径方向内側には、第1ベアリング44aが保持される。第1ベアリング44aと底壁部14dとの軸方向Zの間には、予圧部材47が配置される。すなわち、電動アクチュエータ10は、予圧部材47を備える。予圧部材47は、周方向に沿って延びる円環状のウェーブワッシャである。予圧部材47は、底壁部14dの上側の面と第1ベアリング44aの外輪の下側の端部とに接触する。予圧部材47は、第1ベアリング44aの外輪に対して上向きの予圧を加える。
【0052】
外側筒部14bの径方向内側には、内歯ギア52が保持される。固定筒部14cは、ハウジング本体12の筒状壁31aの外周面に固定される。これにより、第2蓋部材14がハウジング本体12に固定される。第2蓋部材14は、出力シャフト61の外周面から径方向外側に広がるシャフトフランジ部61bを下側から支持する。出力シャフト61の下側の端部は、第2蓋部材14の開口部14eを通じて下側に露出する。
【0053】
バスバーユニット90は、区画壁32aの上面に配置される。バスバーユニット90は、円環板状のバスバーホルダ91と、バスバーホルダ91に保持される複数のバスバー92と、を有する。バスバー92は、例えば、6本設けられる。本実施形態の場合、バスバーホルダ91は、バスバー92をインサート部材とするインサート成形によって作られる。
【0054】
バスバー92の一方側の端部92aは、バスバーホルダ91の上面から上側へ突出する。本実施形態では、バスバー92の一方側の端部92aは軸方向Zに延びる真っ直ぐな帯状であり、回路基板70を下側から上側に貫通する。端部92aは、回路基板70を貫通する位置で、はんだ付け、溶接、圧入などの接続方法によって回路基板70と電気的に接続される。図示は省略するが、バスバー92の他方側の端部は、ステータ43のコイルから引き出されるコイル引出線を把持し、半田付けまたは溶接によりコイルと接続される。これにより、ステータ43と回路基板70とが、バスバー92を介して電気的に接続される。
【0055】
本実施形態において回路基板70は、モータ部40およびバスバーユニット90の上側に配置される。回路基板70は、板面が軸方向Zと直交する板状である。図示は省略するが、回路基板70の軸方向Zに沿って見た形状は、概ね正方形状である。回路基板70は、バスバーユニット90を介して、ステータ43のコイルと電気的に接続される。すなわち、回路基板70は、モータ部40と電気的に接続される。本実施形態において回路基板70は、ハウジング本体12における開口部12aの内側に収容される。回路基板70は、第1蓋部材13によって上側から覆われる。
【0056】
本実施形態において回路基板70は、複数のボルト96により、モータケース部32の区画壁32aに締結される。ボルト96は、回路基板70と、バスバーホルダ91とを軸方向Zに貫通し、区画壁32aのネジ穴に締結される。この構成によれば、回路基板70とバスバーホルダ91とが共通のボルト96で共締めされ、一体化される。これにより、動作時の振動によって回路基板70とバスバーホルダ91との軸方向Zの間隔が変動することを抑制できる。その結果、バスバー92と回路基板70との接続部分に負荷が掛かることを抑制できる。ボルト96は、例えば、3つ設けられる。
【0057】
また、本実施形態では、バスバーホルダ91と回路基板70とを別々のボルトを用いて区画壁32aに固定する場合と比較して、バスバーホルダ91と回路基板70との軸方向Zにおける間隔を狭くできる。したがって、バスバーホルダ91を設けることによる電動アクチュエータ10の大型化を抑制できる。
【0058】
モータ部センサ71は、回路基板70の下面に固定される。より詳細には、モータ部センサ71は、回路基板70の下側の面のうちモータ部用センサマグネット45と隙間を介して軸方向Zに対向する部分に固定される。モータ部センサ71は、モータ部用センサマグネット45の磁界を検出する磁気センサである。モータ部センサ71は、例えば、ホールIC等のホール素子である。モータ部センサ71は、本実施形態では、周方向に沿って3つ設けられる。モータ部センサ71は、モータ部用センサマグネット45の磁界を検出することでモータ部用センサマグネット45の回転位置を検出してモータシャフト41の回転を検出する。
【0059】
出力部センサ72は、回路基板70の下面に固定される。より詳細には、出力部センサ72は、回路基板70の下側の面のうち出力部用センサマグネット63と隙間を介して軸方向Zに対向する部分に固定される。出力部センサ72は、出力部用センサマグネット63の磁界を検出する磁気センサである。出力部センサ72は、例えば、ホールIC等のホール素子である。出力部センサ72は、出力部用センサマグネット63の磁界を検出することで出力部用センサマグネット63の回転位置を検出して出力シャフト61の回転を検出する。
【0060】
図1に示すように、電動アクチュエータ10は、ハウジング11に固定されたコネクタアセンブリ80をさらに備える。本実施形態においてコネクタアセンブリ80は、外壁部30に固定される。より詳細には、コネクタアセンブリ80は、外壁部30に設けられたコネクタ取付部34に固定される。コネクタアセンブリ80には、電動アクチュエータ10を制御する図示しない制御装置が接続される。制御装置は、電動アクチュエータ10に電力を供給する電源を含む。図4から図7に示すように、コネクタアセンブリ80は、コネクタ部材81と、シール部材82と、配線部材83と、を有する。なお、図7においては、第1蓋部材13および回路基板70の図示を省略している。
【0061】
図4に示すように、コネクタ部材81は、貫通孔35に通され、ハウジング11に固定された部分である。本実施形態においてコネクタ部材81は、樹脂製である。コネクタ部材81は、例えば、インサート部材を配線部材83および後述する筒部材85bとしたインサート成形によって作られる。コネクタ部材81は、本体部81aと、シール保持部86と、端子保持部87と、を有する。
【0062】
本体部81aは、ハウジング11の壁部30aから突出方向一方側(+Y側)に突出し、ハウジング11の外部に位置する部分である。本体部81aは、接続部84と、フランジ部85と、を有する。接続部84は、図示しない制御装置が接続される部分である。図1に示すように、接続部84は、略角筒状である。
【0063】
図4に示すように、接続部84は、底部84aと、筒部84bと、を有する。底部84aは、接続部84のうち突出方向他方側(-Y側)の部分である。筒部84bは、接続部84のうち突出方向一方側(+Y側)の部分である。筒部84bは、底部84aから突出方向一方側に突出する。筒部84bは、突出方向一方側に開口する。図5に示すように、接続部84の上側の面には、突出方向Yに延びるリブ84cが設けられる。リブ84cは、幅方向Xに間隔を空けて一対設けられる。
【0064】
フランジ部85は、接続部84の突出方向他方側(-Y側)に繋がる。フランジ部85は、本体部81aのうち突出方向他方側(-Y側)の端部に設けられる。フランジ部85は、接続部84よりも幅方向Xおよび軸方向Zに突出して拡がる。フランジ部85は、幅方向Xに長く、突出方向Yに扁平な略直方体状である。フランジ部85は、フランジ部85を突出方向Yに貫通する複数の固定孔部85aを有する。固定孔部85aは、円形状の孔である。本実施形態において固定孔部85aは、フランジ部85の幅方向Xの両端部に、軸方向Zに並んで2つずつ設けられる。各固定孔部85aには、それぞれ筒部材85bが埋め込まれる。筒部材85bは、突出方向Yの両側に開口する円筒状の金属部材である。
【0065】
図1および図4に示すように、フランジ部85は、ハウジング11の外側面に接触してハウジング11の壁部30aに固定される。本実施形態においてフランジ部85は、取付面34aに突出方向一方側(+Y側)から接触する。フランジ部85は、突出方向一方側から筒部材85bに通されるボルト88がフランジ部85を貫通して各雌ネジ穴34bに締め込まれることで、コネクタ取付部34に固定される。フランジ部85の上側の部分には、リブ84cの突出方向他方側(-Y側)の端部が繋がる。
【0066】
図4および図5に示すように、シール保持部86は、本体部81aから突出方向他方側(-Y側)に突出した柱状である。より詳細には、シール保持部86は、フランジ部85から突出方向他方側に突出する。本実施形態においてシール保持部86は、円柱状である。シール保持部86の外周面には、溝部86aが設けられる。溝部86aは、シール保持部86の外周面の一周に亘って設けられた円環状の溝である。図4に示すように、シール保持部86は、貫通孔35に挿入されている。本実施形態においてシール保持部86は、貫通孔35に嵌め合わされている。
【0067】
端子保持部87は、シール保持部86から突出方向他方側(-Y側)に突出した柱状である。端子保持部87は、貫通孔35よりも突出方向他方側に位置し、ハウジング11の内部に位置する。本実施形態において端子保持部87は、ハウジング本体12の内部において、モータケース部32と外壁部30との径方向の間に位置する。これにより、コネクタアセンブリ80をモータ部40の径方向外側に配置することができ、電動アクチュエータ10を軸方向Zに小型化できる。端子保持部87は、回路基板70の下側に位置する。
【0068】
図5および図6に示すように、本実施形態において端子保持部87は、略四角柱状である。図6に示すように、端子保持部87を突出方向他方側(-Y側)から見た形状は、幅方向Xに長い長方形状である。端子保持部87の中心軸J5は、シール保持部86の中心軸J4に対して、上側に偏心している。端子保持部87の中心軸J5は、突出方向Yに延び、端子保持部87の幅方向Xの中心で、かつ、端子保持部87の軸方向Zの中心である位置を通る仮想軸である。シール保持部86の中心軸J4は、突出方向Yに延び、円柱状であるシール保持部86の中心を通る仮想軸である。中心軸J4と中心軸J5とは、互いに平行である。本実施形態において端子保持部87の全体は、突出方向他方側から見て、シール保持部86の内側に位置し、シール保持部86と重なる。
【0069】
図5および図7に示すように、端子保持部87のうち突出方向他方側(-Y側)の端部には、モータケース部32の外周面に沿って傾斜した傾斜部87aが設けられる。そのため、端子保持部87がハウジング11の内部においてモータケース部32と干渉することを抑制できる。本実施形態において傾斜部87aは、端子保持部87の突出方向他方側の端部のうち、幅方向一方側(+X側)の部分に設けられる。傾斜部87aの突出方向他方側の端面は、幅方向一方側に向かうに従って突出方向一方側(+Y側)に位置する平坦な傾斜面である。
【0070】
図4および図5に示すように、シール部材82は、コネクタ部材81に取り付けられている。シール部材82は、シール保持部86の外周面に取り付けられシール保持部86を囲む環状である。本実施形態においてシール部材82は、シール保持部86の中心軸J4を中心とする円環状である。シール部材82は、例えば、Oリングである。そのため、シール部材82を安価にしやすく、電動アクチュエータ10の製造コストを低減しやすい。本実施形態においてシール部材82は、溝部86aに嵌め込まれてシール保持部86に保持されている。
【0071】
図4に示すように、シール部材82は、貫通孔35に挿入されている。シール部材82は、貫通孔35の内周面と溝部86aの溝底面とに接触した状態で挟まれて、シール保持部86の径方向に圧縮弾性変形している。これにより、シール部材82は、貫通孔35の内周面とシール保持部86の外周面との間を封止する。したがって、貫通孔35を介してハウジング11の内部に水等の液体が浸入することを抑制できる。
【0072】
配線部材83は、コネクタ部材81に保持される。配線部材83は、一部がコネクタ部材81に埋め込まれて保持される。本実施形態において配線部材83は、金属製のバスバーである。配線部材83は、接続部84における筒部84bの内部から、底部84a、フランジ部85、シール保持部86、および端子保持部87をこの順に介して、ハウジング11の内部まで延びる。
【0073】
配線部材83の一端部83aは、接続部84の底部84aから突出方向一方側(+Y側)に突出する。一端部83aは、筒部84bの内部に露出している。一端部83aには、コネクタアセンブリ80に接続される制御装置が電気的に接続される。配線部材83の他端部は、ハウジング11の内部において端子保持部87から突出して回路基板70に接続された端子部83bである。端子部83bは、端子保持部87から上側に突出する。端子部83bは、回路基板70に設けられた孔70aに通されて、回路基板70よりも突出する。孔70aは、回路基板70を軸方向Zに貫通する。図示は省略するが、端子部83bは、例えば、はんだによって回路基板70に固定され、回路基板70と電気的に接続される。これにより、配線部材83は、回路基板70に電気的に接続される。
【0074】
端子部83bのうち上側の端部は、シール保持部86よりも上側に位置する。端子部83bのうち上側の端部は、フランジ部85よりも上側に位置する。本実施形態において端子部83bのうち上側の端部は、コネクタアセンブリ80において最も上側に突出する部分である。端子部83bのうち上側の端部は、第1蓋部材13の内部に位置する。
【0075】
本実施形態において配線部材83は、複数設けられる。図5および図7に示すように、配線部材83は、例えば、5つ設けられる。複数の配線部材83の端子部83bにおける上側の端部は、軸方向Zにおいて互いに同じ位置に配置される。複数の配線部材83のうちの少なくとも2つ以上の配線部材83において、端子部83bは、モータケース部32の外周面に沿って並んで配置される。
【0076】
本実施形態では、3つの配線部材83の端子部83bが、端子保持部87の突出方向他方側(-Y側)の端部において、モータケース部32の外周面、すなわち周方向に沿って並んで配置される。3つの配線部材83は、傾斜部87aに沿って並んで配置される。残りの2つの配線部材83の端子部83bは、他の3つの配線部材83の端子部83bの径方向外側において、モータケース部32の外周面、すなわち周方向に沿って並んで配置される。複数の配線部材83の端子部83bをこのように配置することで、傾斜部87aを有する端子保持部87に対して、複数の端子部83bを空間効率よく配置できる。
【0077】
図8に示すように、端子保持部87のうち下側の端部と端子部83bのうち上側の端部との間の軸方向Zの距離L1は、貫通孔35の内径Dよりも小さい。また、図9に示すように、端子保持部87うち端子部83bよりも突出方向一方側(+Y側)に位置する部分の突出方向Yの寸法L3は、貫通孔35の突出方向Yの寸法L2よりも大きい。なお、本実施形態のように端子部83bが複数設けられる場合、端子保持部87うち端子部83bよりも突出方向一方側に位置する部分とは、最も突出方向一方側に位置する端子部83bよりも突出方向一方側に位置する部分である。
【0078】
コネクタアセンブリ80に図示しない制御装置が接続されることで、制御装置の電源から、配線部材83および回路基板70を介して、モータ部40に電力が供給される。また、モータ部センサ71の出力および出力部センサ72の出力が、配線部材83および回路基板70を介して、制御装置に送られる。制御装置は、モータ部センサ71の出力および出力部センサ72の出力に基づいて、モータ部40に供給する電力を調整し、モータ部40を制御する。このようにして、図示しない制御装置は、電動アクチュエータ10を制御する。
【0079】
本実施形態の電動アクチュエータ10の製造方法は、コネクタ取付工程S1と、基板取付工程S2と、蓋部材取付工程S3と、を含む。コネクタ取付工程S1は、コネクタアセンブリ80をハウジング11に取り付ける工程である。コネクタ取付工程S1は、第1移動工程S1aと、第2移動工程S1bと、第3移動工程S1cと、固定工程S1dと、を含む。なお、コネクタ取付工程S1を開始する際において、モータ部40はハウジング本体12に収容された状態であり、回路基板70および第1蓋部材13は、組み付けられていない状態である。
【0080】
図8に示すように、電動アクチュエータ10を製造する作業者等は、第1移動工程S1aにおいて、シール保持部86の中心軸J4が貫通孔35の中心軸J6よりも下側に偏心した状態でコネクタアセンブリ80を突出方向他方側(-Y側)に移動させる。貫通孔35の中心軸J6は、突出方向Yに延び、円柱状である貫通孔35の中心を通る仮想軸である。中心軸J6は、中心軸J4,J5と平行である。第1移動工程S1aにおいて作業者等は、端子部83bの上側の端部が貫通孔35の上側の端部よりも下側に位置し、かつ、端子保持部87の下側の端部が貫通孔35の下側の端部よりも上側に位置する軸方向位置において、コネクタアセンブリ80を突出方向他方側に移動させる。
【0081】
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、装置のみによって行われてもよいし、作業者と装置とによって行われてもよい。
【0082】
上述したように本実施形態において、端子保持部87のうち下側の端部と端子部83bのうち上側の端部との間の軸方向Zの距離L1は、貫通孔35の内径Dよりも小さい。そのため、コネクタアセンブリ80を突出方向Yに沿ってまっすぐに貫通孔35に近づけることで、図9に示すように、端子保持部87および端子部83bを貫通孔35に挿入することができる。したがって、端子保持部87および端子部83bを貫通孔35に挿入する際に、コネクタアセンブリ80を斜めに傾ける等の必要がなく、端子保持部87および端子部83bを貫通孔35に容易に挿入できる。この効果は、装置を用いて作業を自動化する際に特に有用である。
【0083】
第1移動工程S1aにおいて作業者等は、シール保持部86が取付面34aに突き当たるまで、コネクタアセンブリ80を突出方向他方側(-Y側)に移動させる。このように、第1移動工程S1aにおいて作業者等は、シール保持部86の中心軸J4が貫通孔35の中心軸J6よりも下側に偏心した状態でコネクタアセンブリ80を突出方向他方側に移動させ、端子保持部87および端子部83bを貫通孔35に挿入しつつ、シール保持部86をハウジング11の外側面に突き当てる。
【0084】
上述したように本実施形態において、端子保持部87うち端子部83bよりも突出方向一方側(+Y側)に位置する部分の突出方向Yの寸法L3は、貫通孔35の突出方向Yの寸法L2よりも大きい。そのため、第1移動工程S1aが終了した時点において、端子部83bは、貫通孔35よりも突出方向他方側(-Y側)に位置し、外壁部30の内部に位置する。
【0085】
次に、第2移動工程S1bにおいて作業者等は、図9および図10に示すように、シール保持部86の中心軸J4が貫通孔35の中心軸J6と一致する位置までコネクタアセンブリ80を上側に移動させる。このとき、上述したように第1移動工程S1aが終了した時点において、端子部83bは貫通孔35よりも突出方向他方側(-Y側)に位置する。そのため、第2移動工程S1bにおいてコネクタアセンブリ80を上側にまっすぐ移動させても、端子部83bが貫通孔35に干渉することがない。したがって、端子保持部87における寸法L3を貫通孔35の突出方向Yの寸法L2よりも大きくすることで、第2移動工程S1bを容易に行うことができる。
【0086】
次に、第3移動工程S1cにおいて作業者等は、図10および図11に示すように、コネクタアセンブリ80を突出方向他方側(-Y側)に移動させ、シール保持部86を貫通孔35に挿入しつつ、フランジ部85をハウジング11の外側面に突き当てる。本実施形態の第3移動工程S1cにおいてフランジ部85は、取付面34aに突き当てられる。シール部材82が取り付けられたシール保持部86が貫通孔35に挿入されると、シール部材82が貫通孔35の内周面に接触して、圧縮弾性変形される。これにより、シール部材82によって、貫通孔35の内周面とシール保持部86の外周面との間を封止できる。
【0087】
次に、固定工程S1dにおいて作業者等は、フランジ部85をハウジング11に固定する。本実施形態の固定工程S1dにおいて作業者等は、固定孔部85aに嵌め込まれた筒部材85bに、フランジ部85の突出方向一方側(+Y側)からボルト88を通し、ボルト88を雌ネジ穴34bに締め込む。これにより、フランジ部85がハウジング11に固定される。以上により、コネクタ取付工程S1が終了し、コネクタアセンブリ80がハウジング11に固定される。
【0088】
基板取付工程S2は、回路基板70を取り付ける工程である。図11および図12に示すように、基板取付工程S2において作業者等は、ハウジング本体12の上側から、回路基板70を下側に移動させて、回路基板70をハウジング本体12の内部に収容する。このとき、作業者等は、回路基板70に設けられた孔70aに端子部83bを通す。基板取付工程S2において作業者等は、回路基板70に設けられた孔70aに通された端子部83bを、はんだによって回路基板70に固定する。
【0089】
蓋部材取付工程S3は、第1蓋部材13を取り付ける工程である。図12に示すように、蓋部材取付工程S3において作業者等は、塗布装置Cを用いて、未硬化の液状ガスケット37をシール溝部36内に塗布する。次に、蓋部材取付工程S3において作業者等は、第1蓋部材13をハウジング本体12の上側に固定する。これにより、未硬化の液状ガスケット37が硬化することで、ハウジング本体12と第1蓋部材13との間を封止できる。
【0090】
本実施形態によれば、上述したコネクタ取付工程S1のように、シール部材82が取り付けられたシール保持部86を貫通孔35に挿入することによって、容易に貫通孔35とコネクタアセンブリ80との間を封止できる。そのため、例えばコネクタアセンブリ80とハウジング11との間に液状ガスケットを塗布して封止する場合に比べて、封止作業の作業性を向上できる。したがって、電動アクチュエータ10の組立作業性を向上でき、電動アクチュエータ10の生産性が低下することを抑制できる。また、液状ガスケットのように塗布量によって封止性にバラつきが生じることがなく、封止性も容易に確保しやすい。以上により、電動アクチュエータ10において、ハウジング11とコネクタ部材81との間の封止性を確保しつつ、生産性が低下することを抑制できる。
【0091】
また、例えば、端子保持部87の中心軸J5がシール保持部86の中心軸J4と一致している場合、端子保持部87の軸方向位置が上述した位置よりも下側に位置する。この場合においてモータ部40等に対する回路基板70の軸方向Zの位置が変わらなければ、端子部83bを回路基板70に接続するために、端子保持部87から上側に突出する端子部83bの突出高さをより大きくする必要がある。しかし、この場合、端子保持部87のうち下側の端部と端子部83bのうち上側の端部との間の軸方向Zの距離L1が大きくなる。そのため、端子保持部87および端子部83bを貫通孔35に通すために、貫通孔35の内径Dが大きくなりやすい。貫通孔35の内径Dが大きくなると、貫通孔35が設けられる外壁部30の軸方向Zの寸法も大きくなり、電動アクチュエータ10全体が軸方向Zに大型化する虞があった。
【0092】
これに対して、本実施形態によれば、端子保持部87の中心軸J5は、シール保持部86の中心軸J4に対して、上側に偏心している。そのため、端子部83bの突出高さを小さく抑えつつ、端子部83bを回路基板70に接続することができる。これにより、端子保持部87のうち下側の端部と端子部83bのうち上側の端部との間の軸方向Zの距離L1を小さくすることができ、貫通孔35の内径Dを比較的小さくできる。したがって、電動アクチュエータ10が軸方向Zに大型化することを抑制できる。
【0093】
このように電動アクチュエータ10が軸方向Zに大型化することを抑制できる効果は、本実施形態のようにモータシャフト41と出力シャフト61とがモータシャフト41の径方向に離れて配置されることで小型化された電動アクチュエータ10において、特に有用に得られる。
【0094】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。シール部材の種類は、シール保持部の外周面に取り付けられシール保持部を囲む環状であれば、特に限定されない。シール部材は、例えば、Xリング等であってもよい。シール部材は、シール保持部の外周面に対してどのように取り付けられてもよい。
【0095】
端子保持部の中心軸は、シール保持部の中心軸に対して、偏心していなくてもよく、一致していてもよい。端子保持部のうち下側の端部と端子部のうち上側の端部との間の軸方向Zの距離L1は、貫通孔の内径Dと同じであってもよいし、貫通孔の内径Dより大きくてもよい。この場合であっても、例えば、コネクタアセンブリを傾けつつ貫通孔に挿入することで、端子保持部および端子部を貫通孔に挿入可能である。端子保持部うち端子部よりも突出方向一方側に位置する部分の突出方向Yの寸法は、貫通孔の突出方向Yの寸法と同じであってもよいし、貫通孔の突出方向Yの寸法より小さくてもよい。
【0096】
コネクタ取付工程S1の手順は、上述した実施形態の手順に限られず、コネクタアセンブリをハウジングに取り付けられるならば、特に限定されない。コネクタアセンブリを傾けて貫通孔に挿入し、一度の移動工程でシール保持部を貫通孔に挿入してもよい。
【0097】
上述した実施形態では、第1方向はモータ部の軸方向Zと直交する方向とし、第2方向はモータ部の軸方向Zと平行な方向としたが、これに限られない。第1方向および第2方向は、特に限定されない。第1方向は、モータ部の軸方向Zと平行な方向であってもよい。第2方向は、モータ部の軸方向Zと直交する方向であってもよい。
【0098】
本発明が適用される電動アクチュエータは、電力が供給されることで対象となる物体を動かすことができる装置であればよく、減速機構を備えないモータであってもよい。また、電動アクチュエータは、モータ部によって駆動されるポンプ部を備える電動ポンプであってもよい。電動アクチュエータの用途は、特に限定されず、車両以外に搭載されてもよい。また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0099】
10…電動アクチュエータ、11…ハウジング、30…外壁部、30a…壁部、32…モータケース部、35…貫通孔、40…モータ部、41…モータシャフト、50…減速機構、60…出力部、61…出力シャフト、70…回路基板、80…コネクタアセンブリ、81…コネクタ部材、81a…本体部、82…シール部材、83…配線部材、83b…端子部、85…フランジ部、86…シール保持部、87…端子保持部、87a…傾斜部、S1…コネクタ取付工程、Y…突出方向(第1方向)、Z…軸方向(第2方向)
図1
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図12