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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231011BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20231011BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 127A
H04N1/00 L
H04L67/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019151524
(22)【出願日】2019-08-21
(65)【公開番号】P2021034830
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】段床 卓志
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-034847(JP,A)
【文献】特開2006-018630(JP,A)
【文献】特開2007-286767(JP,A)
【文献】特開2007-013799(JP,A)
【文献】特開2017-204287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04L 67/02
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
原稿の画像を読取る画像読取部と、
前記画像読取部により読取られた原稿の画像及び該画像に含まれるテキストの文字列のいずれかを検索条件として選択する指示がユーザーから入力される操作部と、
前記操作部に前記画像を検索条件とする指示が入力された場合は、前記画像を検索条件とする検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させ、前記操作部に前記テキストの文字列を検索条件とする指示が入力された場合は、前記画像に含まれるテキストの文字列を検索条件とする検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させる制御部と、を備え
前記画像読取部は、プラテンガラスと、前記原稿を搬送する原稿搬送部と、前記プラテンガラス上に配置された前記原稿の画像を読取る第1読取機構と、前記原稿搬送部により前記原稿を搬送しつつ該原稿の画像を読取る第2読取機構とを有し、
前記制御部は、前記第1読取機構で前記原稿の画像が読取られ、当該第1読取機構の読取に起因して第1モードを設定している場合には、前記操作部を介して前記指示を受付けることなく前記画像を検索条件とする指示を受付けたと判定して、前記画像を検索条件とした前記検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記第2読取機構で前記原稿の画像が読取られ、当該第2読取機構の読取に起因して第2モードを設定している場合には、前記原稿の画像及び該画像に含まれる前記テキストの文字列のいずれかを検索条件として選択するための画面を前記表示部に表示させ、前記操作部に入力された、前記画像及び前記文字列のいずれかを前記検索条件として選択する指示に従って、当該指示が示す内容を検索条件とした前記検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させる画像読取装置。
【請求項2】
ネットワークを通じてデータ通信を行う通信部を備え、
前記検索エンジンは、ネットワーク上の検索エンジンであり、
前記制御部は、前記通信部のデータ通信により、ネットワーク上の検索エンジンに検索条件を送信し、当該検索エンジンから検索結果を取得して前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作部にモノクロ又はカラーのいずれかを選択する指示が入力されると、該選択されたモノクロ及びカラーのいずれかを前記画像の検索条件に加える請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作部により前記テキストの文字列を選択する指示が入力されると、該選択された文字列を該テキストの検索条件とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像読取部により読取られた原稿が複数である場合は、前記検索エンジンによる検索用のブラウザーを各原稿別にそれぞれ前記表示部に表示させ、前記検索エンジンによる検索結果を各原稿別に取得して、各原稿別のそれぞれの前記ブラウザーに表示させる請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像読取部により読取られた原稿が集約印刷によるものであるかを判別し、当該原稿が集約印刷によるものと判別した場合には、当該原稿の画像に含まれる各頁の画像別に前記ブラウザーをそれぞれ表示させ、前記検索エンジンによる検索結果を各頁の画像別に取得して、各頁の画像用のそれぞれの前記ブラウザーに表示させる請求項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像読取部により読取られた原稿が集約印刷によるものであるかの判別を、当該原稿の読取で得られた原稿画像に含まれる境界線を示す画像、余白、又はページ番号を示す画像に基づいて行う請求項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の画像読取装置と、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読取って記録紙に記録する画像形成装置に関し、特にネットワークを通じて画像又はテキストを取得して表示するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、画像読取部により原稿の画像を読取り、画像形成部により原稿の画像を記録紙に印刷する。一方、特許文献1に記載の装置では、ウェブページを、ネットワークを通じてアクセスして表示させ閲覧できるようにしており、閲覧したウェブページのURL(Uniform Resource Locator)をURLテーブルに記録し、また該ウェブページにおけるユーザーにより指定されたハイパーテキストの文字列を文字列テーブルに記録し、URLテーブルのURLに対応するウェブページ及び文字列テーブルのハイパーテキストの文字列にリンクしているウェブページを取得して、これらウェブページを結合して印刷している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-85376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のように画像形成装置では、原稿の画像を読取る画像読取部を備えているので、その読取られた原稿の画像に関連する他の画像やテキストをネットワーク上のデータベースから検索して取得できれば、利便性が向上する。
【0005】
上記特許文献1では、URLテーブルのURLに対応するウェブページ及び文字列テーブルのハイパーテキストの文字列にリンクしているウェブページを取得して、これらのウェブページを結合して印刷しているが、画像読取部により読取られた原稿の画像に関連する他の画像やテキストを取得するものではない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、画像及びテキストの検索時に検索対象を従来よりも簡単に指定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面にかかる画像形成装置は、表示部と、原稿の画像を読取る画像読取部と、前記画像読取部により読取られた原稿の画像及び該画像に含まれるテキストの文字列のいずれかを検索条件として選択する指示がユーザーから入力される操作部と、前記操作部に前記画像を検索条件とする指示が入力された場合は、前記画像を検索条件とする検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させ、前記操作部に前記テキストの文字列を検索条件とする指示が入力された場合は、前記操作部に前記画像に含まれるテキストの文字列を検索条件とする検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させる制御部と、を備え、前記画像読取部は、プラテンガラスと、前記原稿を搬送する原稿搬送部と、前記プラテンガラス上に配置された前記原稿の画像を読取る第1読取機構と、前記原稿搬送部により前記原稿を搬送しつつ該原稿の画像を読取る第2読取機構とを有し、前記制御部は、前記第1読取機構で前記原稿の画像が読取られ、当該第1読取機構の読取に起因して第1モードを設定している場合には、前記操作部を介して前記指示を受付けることなく前記画像を検索条件とする指示を受付けたと判定して、前記画像を検索条件とした前記検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させ、前記制御部は、前記第2読取機構で前記原稿の画像が読取られ、当該第2読取機構の読取に起因して第2モードを設定している場合には、前記原稿の画像及び該画像に含まれる前記テキストの文字列のいずれかを検索条件として選択するための画面を前記表示部に表示させ、前記操作部に入力された、前記画像及び前記文字列のいずれかを前記検索条件として選択する指示に従って、当該指示が示す内容を検索条件とした前記検索エンジンによる検索結果を取得して前記表示部に表示させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像及びテキストの検索時に検索対象を従来よりも簡単に指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置を示す断面図である。
図2】画像形成装置における画像読取部を示す断面図である。
図3】画像読取部の外観を示す斜視図である。
図4】画像形成装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図5】画像読取部により読取られた原稿の画像に関連する他の画像やテキストを、ネットワークを通じて検索して取得するための制御手順を示すフローチャートである。
図6】表示部に表示された初期画面を示す図ある。
図7】表示部に表示されたダイアログボックスの一例を示す図である。
図8】(A)~(C)は、原稿の画像が検索条件として設定されてから他の画像が検索されるまでの表示部の画面の遷移を示す図である。
図9】(A)~(C)は、原稿の画像に含まれるテキストの文字列が検索条件として設定されてから他のテキストが検索されるまでの表示部の画面の遷移を示す図である。
図10】複数の画像を含む原稿を例示する図である。
図11】複数の画像別に表示部に表示されたそれぞれのブラウザーを示す図である。
図12】複数の画像別に表示部に表示されたそれぞれのブラウザーを示す図である。
図13】(A)(B)及び(C)は、複数の画像別に表示部に表示されたそれぞれのブラウザーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る画像読取装置を、画像形成部を備える画像形成装置を例にして説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12とを備えている。
【0012】
画像読取部11は、原稿の画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、原稿の画像を示す画像データが生成される。
【0013】
画像形成部12は、上記画像データ又は外部から受信した画像データによって示される画像を記録用紙に印刷するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録用紙Pに2次転写される。
【0014】
この後、定着装置15で記録用紙Pが加熱及び加圧されて、記録用紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録用紙Pが排出ローラー16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0015】
次に、画像読取部11の概略構成を説明する。図2は、画像読取部11の機械構成を示す断面図である。また、図3は、画像読取部11の外観を示す斜視図であり、原稿搬送部20が開かれた状態を示している。
【0016】
図2及び図3に示すように、画像読取部11は、原稿搬送部20及び読取部30を備えている。原稿搬送部20は、原稿トレイ21、給紙ローラー22、レジストローラー23、複数の搬送ローラー26、排紙ローラー27、及び原稿排出トレイ28等を備えている。また、読取部30は、第1プラテンガラス31、第2プラテンガラス32、キャリッジ34、光学系ユニット35、集光レンズ36、及びCCDセンサー37等を備えている。
【0017】
読取部30の上面30aの一端部には、2つのヒンジ38が離間して設けられており、これらのヒンジ38により原稿搬送部20が開閉可能に支持されて、ユーザーによる原稿搬送部20の開閉操作が可能にされている。
【0018】
ここで、画像読取部11は、第2プラテンガラス32上に載置された原稿Mの画像を読取る第1読取機構と、原稿搬送部20により原稿Mを搬送しつつ該原稿Mの画像を読取る第2読取機構とを備えている。例えば、第2プラテンガラス32上に載置された原稿Mを検出する第1センサー(図示せず)、及び原稿搬送部20の原稿トレイ21に載置された原稿Mを検出する第2センサー(図示せず)が設けられている。制御部51(後述。図4)は、第1センサーにより原稿Mが検出されたときに、第1読取機構により原稿読取を行わせる原稿読取モードである第1モードを選択して設定し、また第2センサーにより原稿Mが検出されたときに、第2読取機構により原稿読取を行わせる原稿読取モードである第2モードを選択して設定する。
【0019】
第1モードにおいては、ユーザーにより、原稿搬送部20が開かれて、読取部30の第2プラテンガラス32が開放された状態で、第2プラテンガラス32上に原稿Mが載置され、更に原稿搬送部20が閉じられて、原稿搬送部20により第2プラテンガラス32上に載置された原稿Mが押さえられることが前提となる。そして、制御部51による制御の下、読取部30では、キャリッジ34及び光学系ユニット35を所定の速度関係を維持して副走査方向Xに移動させつつ、キャリッジ34の光源34Aの光を、第2プラテンガラス32を介して原稿Mに照射し、原稿Mで反射された光をキャリッジ34のミラー34Bで反射する。更に、この光は、光学系ユニット35のミラー35A及びミラー35Bで反射されて、集光レンズ36を通じてCCDセンサー37に入射する。CCDセンサー37は、原稿Mの画像を主走査方向Y(副走査方向Xと直交する方向)に繰り返し読取る。
【0020】
また、第2モードにおいては、原稿搬送部20が閉じられた状態で、制御部51による制御の下、原稿搬送部20の給紙ローラー22により原稿トレイ21に載置された原稿Mが1枚ずつ引出されて、レジストローラー23及び各搬送ローラー26により原稿Mが第1プラテンガラス31上を通じて副走査方向に搬送され、排紙ローラー27により原稿Mが原稿排出トレイ28に排出される。読取部30では、キャリッジ34及び光学系ユニット35をそれぞれの所定位置に位置決めし、キャリッジ34の光源34Aの光を、第1プラテンガラス31を介して原稿Mに照射し、原稿Mで反射された光を各ミラー34B、35A、35Bで反射させて、集光レンズ36を通じてCCDセンサー37に入射させ、CCDセンサー37により原稿Mの画像を主走査方向Yに繰り返し読取らせる。
【0021】
次に、画像形成装置10の制御に係る構成について説明する。図4は、画像形成装置10の主要内部構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12と、表示部41と、操作部42と、タッチパネル43と、ネットワーク通信部(NW通信部)45と、画像メモリー46と、記憶部48と、制御ユニット49とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0022】
表示部41は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0023】
操作部42は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。
【0024】
表示部41の画面には、タッチパネル43が配置されている。タッチパネル43は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル43に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット49の後述する制御部51などに出力する。このタッチパネル43は、操作部42と共に表示部41の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
【0025】
画像メモリー46には、画像読取部11により読取られた原稿の画像を示す画像データが記憶される。
【0026】
記憶部48は、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0027】
制御ユニット49は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット49は、上記のROM又は記憶部48に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部51として機能する。
【0028】
制御ユニット49は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御ユニット49は、画像読取部11、画像形成部12、表示部41、操作部42、タッチパネル43、ネットワーク通信部45、画像メモリー46、及び記憶部48などと接続されており、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0029】
制御部51は、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部51は、タッチパネル43から出力される検知信号あるいは操作部42の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受け付ける。更に、制御部51は、表示部41の表示動作を制御する機能、ネットワーク通信部45の通信動作を制御する機能を有する。また、制御部51は、画像メモリー46に記憶されている画像データに対して処理を施す。
【0030】
このような構成の画像形成装置10において、例えば、ユーザーが、原稿を画像読取部11にセットし、操作部42のスタートキーを操作すると、制御部51は、画像読取部11により原稿の画像を読取らせて、この画像を示す画像データを画像メモリー46に一旦記憶させ、この画像データを画像形成部12に入力させて、この画像データによって示される画像を画像形成部12により記録紙に印刷させる。
【0031】
また、本実施形態では、制御部51は、ユーザーによるタッチパネル43の操作で入力される指示に応じて検索機能を実行する。検索機能の実行指示を制御部51が受け付けた状態で、制御部51が画像読取部11により原稿の画像を読み取らせ、この画像を示す画像データを画像メモリー46に記憶させたとき、制御部51は、ユーザーによるタッチパネル43の操作で入力される選択指示により選択された、原稿の画像、又は該画像に含まれるテキストの文字列を、検索条件として設定する。
【0032】
制御部51は、上記選択指示に従って画像を検索条件として設定した場合、更に、ユーザーによるタッチパネル43の操作で入力される指示に応じて、カラー又はモノクロのいずれかを検索条件として設定する。制御部51は、ネットワーク通信部45を通じて、当該設定した画像と、設定したカラー又はモノクロのいずれかとを、検索条件としてネットワーク上の既存の検索エンジンにブラウザーを介して送信する。そして、制御部51は、ネットワーク通信部45を通じて、検索エンジンが当該検索条件を用いて該検索エンジンのデータベースを検索した検索結果を、該検索エンジンから受信し、この検索結果を、表示部41に表示させているブラウザーに表示させる。このデータベースは、インターネット上に存在する各ウェブページから収集された、各ウェブページが有するデータを記憶したものである。
【0033】
また、ユーザーによりテキストの文字列を検索条件として設定した場合、制御部51は、既知のOCR(Optical Character Recognition)機能により画像メモリー46内の原稿の画像に含まれるテキストを認識して抽出し、このテキストを表示部41の画面に表示させる。ユーザーによるタッチパネル43の操作で、当該表示されているテキストにおける任意の文字列を指定する指示が入力されると、制御部51は、当該指示に従って、ネットワーク通信部45を通じて、その指定された文字列を検索条件としてネットワーク上の既存の検索エンジンにブラウザーを介して送信する。制御部51は、ネットワーク通信部45を通じて、検索エンジンが該文字列を検索条件として該検索エンジンのデータベースを検索した検索結果を該検索エンジンから受信し、この検索結果を、表示部41に表示させているブラウザーに表示させる。
【0034】
このため、ユーザーは、画像読取部11により読取らせた原稿の画像に関連する他の画像及びテキストを検索対象として、ネットワークを通じて検索して取得することができる。
【0035】
なお、ネットワーク上の検索エンジンは、検索エンジン事業者が提供する既知のシステムを用いるものとする。
【0036】
次に、そのような画像読取部11により読取られた原稿の画像に関連する他の画像やテキストを、ネットワークを通じて検索して取得するための制御手順を、図5に示すフローチャートなどを参照して詳しく説明する。
【0037】
まず、制御部51は、図6に示すような初期画面G1を表示部41に表示させているものとする。この初期画面G1には、それぞれの機能に対応付けられた複数の機能キーK61a~61h等が表示されている。この初期画面が表示されているときに、ユーザーが検索機能を設定するための機能キー61hにタッチ操作すると、制御部51は、タッチパネル43を通じて、機能キー61hに対応する指示として検索機能の実行指示を受け付け、当該指示に基づいて検索機能を実行可能な状態に起ち上げる(S101)。
【0038】
そして、検索機能が起ち上がった状態で、ユーザーは、原稿を画像読取部11にセットし、操作部42のスタートキーを操作する。制御部51は、スタートキーの操作に対応付けられた原稿読取指示を受け付けると、第2プラテンガラス32上に載置された原稿を検出する第1センサーから検出出力があった場合には、第2プラテンガラス32上に載置された原稿の画像を読取る第1モードを設定し、一方、原稿搬送部20の原稿トレイ21に載置された原稿を検出する第2センサーから検出出力があった場合には、原稿搬送部20により原稿を搬送しつつ該原稿の画像を読取る第2モードを設定する(S102)。そして、制御部51は、設定した第1モード又は第2モードで、画像読取部11により原稿の画像を読取らせて、この画像を示す画像データを画像メモリー46に記憶させる(S103)。
【0039】
そして、制御部51は、第2モードで原稿読取を行った場合(S104「第2」)、図7に示すように原稿の画像又は該画像に含まれるテキストの文字列いずれかを検索条件として選択するためのダイアログボックスDB1を表示部41の画面に表示させる(S105)。制御部51は、このダイアログボックスDB1には、画像及びテキストのいずれかの選択を促すメッセージM1、画像を選択するための画像選択キーK1、テキストを選択するためのテキスト選択キーK2を表示させる。
【0040】
ここで、ユーザーがダイアログボックスDB1の画像選択キーK1にタッチ操作すると、制御部51は、タッチパネル43を通じて、画像選択キーK1に対応付けられた、画像を選択する指示を受け付ける(S106「画像」)。そして、制御部51は、図8(B)に例を示すように、画像メモリー46内の画像G1及び予め設定されたブラウザーBと、カラー又はモノクロのいずれかを検索条件としてユーザーに選択させるためのダイアログボックスDB2を表示部41の画面に表示させる(S107)。このダイアログボックスDB2には、カラー又はモノクロのいずれかの選択を促すメッセージM2、カラーを選択するためのカラー選択キーK3、モノクロを選択するためのモノクロ選択キーK4が表示されている。ユーザーは、ダイアログボックスDB2のカラー選択キーK3又はモノクロ選択キーK4にタッチ操作する。
【0041】
ユーザーが、カラー選択キーK3に対してタッチ操作を行った場合、制御部51は、タッチパネル43を通じて、カラー選択キーK3に対応付けられた、カラーを選択する指示を受け付ける。そして、制御部51は、表示部41の画面に表示されている画像G1及びカラー画像を選択する指示を、検索条件として、ネットワーク通信部45によりネットワーク上の検索エンジンに対してブラウザーBを介して送信する(S108)。
【0042】
一方、モノクロキーK4に対してタッチ操作を行った場合、制御部51は、タッチパネル43を通じて、モノクロキーK4に対応付けられた、モノクロを選択する指示を受け付ける。そして、制御部51は、表示部41の画面に表示されている画像G1及びモノクロ画像を選択する指示を、検索条件として、ネットワーク通信部45によりネットワーク上の検索エンジンに対してブラウザーBを介して送信する(S108)。
【0043】
検索エンジンでは、画像G1(あるいは画像G1に含まれる画像領域)とカラー又はモノクロを検索条件としてデータベースを検索し、検索結果を画像形成装置10に送信する。画像形成装置10の制御部51は、当該検索結果、すなわち、検索エンジンによる検索でヒットした画像を、ネットワーク通信部45を通じて受信すると、この検索結果としての画像を表示部41の画面のブラウザーBに表示させる(S109)。例えば、画像G1(あるいは画像G1に含まれる画像領域)とカラーを検索条件としてネットワーク上の検索エンジンに送信した場合は、検索エンジンにより検索されたカラーの画像が受信されてブラウザーBに表示され、また画像G1(あるいは画像G1に含まれる画像領域)とモノクロを検索条件としてネットワーク上の検索エンジンに送信した場合は、検索エンジンにより検索されたモノクロの画像が受信されてブラウザーBに表示される。この結果、図8(C)に示すように表示部41の画面には、画像メモリー46内の画像G1と共に、検索エンジンにより検索されたカラー又はモノクロの画像G2が配置されたブラウザーBが表示される。また、複数の画像G2が検索された場合は、これらの検索された画像G2がブラウザーBに配列して表示される。
【0044】
また、S106において、ユーザーが図7に示したダイアログボックスDB1のテキスト選択キーK2にタッチ操作すると、制御部51は、タッチパネル43を通じて、テキスト選択キーK2に対応付けられた、テキストを選択する指示を受け付ける(S106「テキスト」)。そして、制御部51は、既知のOCR技術により画像メモリー46内の原稿の画像に含まれるテキストを認識して抽出し、図9(A)に例を示すように、その抽出したテキストT1及びブラウザーBを表示部41の画面に表示させる(S110)。
【0045】
ユーザーは、例えば表示部41の画面上でテキストT1の文字列を表示する領域に接触してスライド操作をすることにより、タッチパネル43を通じて、検索対象とするテキストを指定する。制御部51は、タッチパネル43を通じて、このように指定された文字列を、図9(B)に例を示すように、文字列Cとして表示部41の画面に表示させる(S111)。このとき、タッチパネル43に対する上記スライド操作により複数の文字列が指定された場合、制御部51は、当該指定された複数の文字列Cを示すリストLCを表示部41の画面に表示させる。
【0046】
続いて、制御部51は、上記指定された全ての文字列を検索条件としてネットワーク通信部45から検索エンジンにブラウザーBを介してテキスト送信する(S112)。
【0047】
検索エンジンでは、当該文字列を検索条件としてデータベースを検索し、検索結果、すなわち、検索エンジンによる検索でヒットしたデータ(ここでは、当該データとしてテキストが結果として挙げられるものとする)を画像形成装置10に送信する。画像形成装置10の制御部51は、検索エンジンが当該文字列を検索条件としてデータベースを検索した検索結果がネットワーク通信部45で受信されると、この検索結果として送られてきたテキストを表示部41の画面のブラウザーBに表示させる(S113)。この結果、図9(C)に例を示すように、表示部41の画面には、画像メモリー46内の画像G1から抽出されたテキストT1と共に、検索エンジンにより検索されたテキストT2が配置されたブラウザーBが表示される。また、複数のテキストT2が検索された場合は、これらの検索されたテキストT2がブラウザーBに配列して表示される。
【0048】
一方、制御部51は、第1モードで原稿読取を行った場合には(S104「第1」)、検索条件として画像を用いる指示を受け付け(S114)、図8(A)に例を示すように、画像メモリー46内の画像G1及びブラウザーBを表示部41の画面に表示させ、上記に示したS107~S109の処理を行う。これは、ユーザーが第1モードを選択して原稿を1枚ずつ画像読取部11で読取らせる場合は、原稿の画像にテキストよりも画像領域が含まれる可能性が高いためである。例えば、写真、インクジェット用の用紙、光沢紙等に印刷された画像を読み込む場合、第2モードではなく第1モードで原稿を読み取ることが多いと想定される。写真、光沢紙、インクジェット用の用紙等の紙媒体は固く、原稿搬送時の紙詰まりを防止するために第1モードがユーザーにより選択されることが多いと思われる。その他、第1モードでの読み取りが必須な原稿として、ブック原稿があるが、ブック原稿は、図鑑又はデザイン画集等、画像を多く有する原稿であることが多い。このため、第1モードで原稿を読み取る場合は画像面積の多い原稿を読み取るケースが多いとし、第1モードで原稿が読み取られた場合は、検索条件として画像を用いる指示を受け付けることにより、ユーザーの利便性を向上させる。
【0049】
このように本実施形態では、画像読取部11により読取られた原稿の画像又は該画像に含まれるテキストを検索条件として、ネットワーク上の既存の検索エンジンにより該画像又はテキストに関連する他の画像やテキストを検索させ、この検索された他の画像やテキストを表示部41の画面に表示させることができる。このため、本実施形態によれば、画像及びテキストの検索時に検索対象を従来よりも簡単に指定することができる。なお、この検索された他の画像やテキストは、例えばタッチパネル43や操作部42の操作に応じて記憶部48に記憶させたり、画像形成部12により記録紙に形成させたりして利用可能である。
【0050】
また、本実施形態によれば、読み取られた画像の一部が欠けていたり、文字列の一部の文字が欠けていても、これらを検索対象として検索することで、当該検索により、一部が欠けていない完全な形での上記画像及び文字列を、検索結果として得ることも可能になる。
【0051】
なお、上記実施形態では、制御部51は、画像読取部11により読取られた原稿の単一の画像又は該画像に含まれる単一のテキストの少なくとも1つの文字列を検索条件として設定しているが、例えば、画像読取部11により読取られた1枚の原稿に複数の画像又は複数のテキストが含まれている場合、或いは、画像読取部11により複数の原稿が読取られて、原稿毎に画像又はテキストが含まれている場合は、各画像又は各テキスト別に、ブラウザーBを表示部41の画面上に逐一表示して、画像又はテキストの文字列を検索条件としてネットワーク上の検索エンジンにそれぞれのブラウザーBを介して送信し、それぞれの検索結果を検索エンジンからネットワーク通信部45を通じて個別に受信して、各ブラウザーBにそれぞれの検索結果を表示するようにしても構わない。
【0052】
例えば、図10に示すように1枚の原稿Jに3つの画像G1、G3、G4が記載されている場合、画像読取部11により原稿Jの全体画像が読取られて、原稿Jの全体画像が画像メモリー46に記憶されると、制御部51は、画像メモリー46内の原稿Jの全体画像から各画像G1、G3、G4を抽出する。例えば、制御部51は、原稿Jの全体画像における各画像G1、G3、G4間の余白を検出して、この検出した余白で区分されている各領域をそれぞれ画像G1、G3、G4として抽出する。そして、制御部51は、図11に例を示すように、各画像G1、G3、G4に対応するそれぞれのブラウザーB1、B2、B3を表示部41の一画面上に表示させる。制御部51は、各画像G1、G3、G4別に、検索条件とする画像をネットワーク上の検索エンジンに送信し、図12に例を示すように、それぞれの検索結果を個別に、各ブラウザーB1、B2、B3に表示させる。
【0053】
すなわち、この場合、制御部51は、画像読取部11により読取られた原稿が集約印刷によるものであるかを、原稿Jの全体画像における余白に基づいて判別し、当該原稿が集約印刷によるものと判別した場合には、当該原稿画像に含まれる各頁の画像G1、G3、G4別にブラウザーBをそれぞれ表示部41に表示させ、検索エンジンによる検索結果を各頁の画像別に取得して、各頁の画像用に表示されているそれぞれのブラウザーBに表示させている。
【0054】
また、制御部51は、図13(A)~(C)に例を示すように、表示部41の一画面にタブ形式で、画像G1、G3、G4別の各ブラウザーB1、B2、B3に表示させてもよい。この場合、ユーザーが各ブラウザーB1~B3のタブta1~ta3のいずれかにタッチ操作すると、制御部51は、タッチパネル43を通じて、タッチ操作されたタブに対応付けられたブラウザーを表示する指示を受け付け、当該指示が示すブラウザーの画像を表示部41の画面に表示させる。
【0055】
なお、上記のように1枚の原稿Jに3つの画像G1、G3、G4が記載されている場合に、制御部51は、原稿Jの全体画像における各画像G1、G3、G4間の余白に基づき、集約印刷か否かを判定して、該各画像G1、G3、G4を別個の頁として区別して抽出しているが、これに代えて、(1)各画像間の境界線を示す画像を抽出し、当該抽出した境界線を示す画像により区分されている各領域をそれぞれ画像G1、G3、G4として抽出し、或いは、(2)各画像別に付与されたそれぞれのページ番号を示す画像を抽出し、当該ページ番号を示す画像を一部に含み、当該ページ番号を示す画像から予め定められた範囲内にある画像を、ページ番号を示す画像毎にそれぞれ画像G1、G3、G4として抽出してもよい。この場合、制御部51は、抽出した画像G1、G3、G4をそれぞれ別個に検索条件として検索エンジンに送信し、画像G1、G3、G4別の検索結果を検索エンジンから受信する。また、制御部51が、上記(1)又は(2)により抽出された複数の画像、上記では画像G1、G3、G4の全てを1つの検索条件(画像G1、G3、G4をAND条件で結んだ検索条件)とし、この検索条件を検索エンジンに送信し、この検索条件についての検索結果を検索エンジンから受信するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、ネットワーク上の検索エンジン及びデータベースを例示しているが、画像形成装置10において、例えば、インターネット上に存在する各ウェブページから収集された、各ウェブページが有するデータを記憶部48に予め記憶させておき、制御部51は、上記のようにして設定された検索条件を用いて、記憶部48に記憶されているデータを検索エンジンとして検索するようにしてもよい。
【0057】
また、図1乃至図13を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0058】
10 画像形成装置
11 画像読取部
12 画像形成部
41 表示部
42 操作部
43 タッチパネル
45 ネットワーク通信部
46 画像メモリー
48 記憶部
49 制御ユニット
51 制御部


図1
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