(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
E03C 1/05 20060101AFI20231011BHJP
G10L 15/28 20130101ALI20231011BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20231011BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20231011BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
E03C1/05
G10L15/28 230K
G10L15/10 200W
G06F3/16 650
G06F3/16 630
A47K3/28
(21)【出願番号】P 2019154781
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下釜 佑介
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-136555(JP,A)
【文献】特開平06-027986(JP,A)
【文献】特開2006-143122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/05
A47K 3/28、4/00
G10L 15/28
G10L 15/10
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に設けられた吐水装置と、
前記吐水装置を音声に基づいて制御し、所定条件を満たす場合に、ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる制御装置と
を備え
、
前記制御装置は、
前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つに対する緊急停止閾値を記憶する緊急停止閾値記憶部と、
使用者の前記音声を取得する取得部と、
前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、前記緊急停止閾値よりも大きい場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる操作部と
を備え、
前記操作部は、
前記吐水装置によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、前記緊急停止閾値よりも大きい場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる
ことを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記操作部は、
前記吐水装置によって吐水を開始する前記音声が取得されてから第2所定時間以内に、前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、前記緊急停止閾値よりも大きい場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる
ことを特徴とする請求項
1に記載の浴室システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
緊急停止ワードを記憶する緊急停止ワード記憶部と、
使用者の前記音声を取得する取得部と、
前記緊急停止ワードを含む前記音声が取得された場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる操作部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の浴室システム。
【請求項4】
前記操作部は、
前記吐水装置によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、前記緊急停止ワードを含む前記音声が取得された場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる
ことを特徴とする請求項
3に記載の浴室システム。
【請求項5】
前記操作部は、
前記吐水装置によって吐水を開始する前記音声が取得されてから第2所定時間以内に、前記緊急停止ワードを含む前記音声が取得された場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる
ことを特徴とする請求項
3または
4に記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室内を乾燥、暖房あるいは換気などを行う空調機器を音声操作する浴室システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記する浴室システムにおいては、音声操作によって吐水装置を制御することが考えられる。
【0005】
しかし、音声操作によって吐水された湯、または水の吐水温度が使用者の所望する温度ではない場合がある。このような場合には、吐水装置の吐水を早期に停止可能とすることが望ましい。
【0006】
実施形態の一態様は、緊急時に吐水装置の吐水を早期に停止させる浴室システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る浴室システムは、吐水装置と、制御装置とを備える。前記吐水装置は、浴室に設けられる。前記制御装置は、前記吐水装置を音声に基づいて制御し、所定条件を満たす場合に、ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させることを特徴とする。
【0008】
浴室システムは、使用者の意図しない吐水が行われた場合に、吐水を素早く停止させることができる。すなわち、浴室システムは、緊急時に吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。そのため、浴室システムは、使用者の利便性を向上させることができる。
【0009】
また、前記制御装置は、前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つに対する緊急停止閾値を記憶する緊急停止閾値記憶部と、使用者の前記音声を取得する取得部と、前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、前記緊急停止閾値よりも大きい場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる操作部とを備えることを特徴とする。
【0010】
浴室システムは、緊急時に使用者から発話される音声に基づいて、吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。
【0011】
また、前記操作部は、前記吐水装置によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、前記緊急停止閾値よりも大きい場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させることを特徴とする。
【0012】
浴室システムは、緊急時に使用者から発話される音声に基づいて、吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システムは、緊急時ではない場合、例えば、使用者が通常の会話中に音声が大きくなった場合に、吐水装置の吐水が停止することを抑制することができる。すなわち、浴室システムは、使用者の意図しない吐水の停止を抑制することができる。
【0013】
また、前記操作部は、前記吐水装置によって吐水を開始する前記音声が取得されてから第2所定時間以内に、前記音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、前記緊急停止閾値よりも大きい場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させることを特徴とする。
【0014】
浴室システムは、緊急時に使用者から発話される音声に基づいて、吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システムは、緊急時ではない場合に、吐水装置の吐水が停止することを抑制することができる。
【0015】
また、前記制御装置は、緊急停止ワードを記憶する緊急停止ワード記憶部と、使用者の前記音声を取得する取得部と、前記緊急停止ワードを含む前記音声が取得された場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させる操作部とを備えることを特徴とする。
【0016】
浴室システムは、緊急時に使用者から発話される緊急停止ワードに基づいて、吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。
【0017】
また、前記操作部は、前記吐水装置によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、前記緊急停止ワードを含む前記音声が取得された場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させることを特徴とする。
【0018】
浴室システムは、緊急時に使用者から発話される緊急停止ワードに基づいて、吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システムは、緊急時ではない場合、例えば、使用者が通常の会話中に緊急ワードを発話した場合に、吐水装置の吐水が停止することを抑制することができる。すなわち、浴室システムは、使用者の意図しない吐水の停止を抑制することができる。
【0019】
また、前記操作部は、前記吐水装置によって吐水を開始する前記音声が取得されてから第2所定時間以内に、前記緊急停止ワードを含む前記音声が取得された場合に、前記ウェイクワード無しに前記吐水装置の吐水を停止させることを特徴とする。
【0020】
浴室システムは、緊急時に使用者から発話される緊急停止ワードに基づいて、吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システムは、緊急時ではない場合に、吐水装置の吐水が停止することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
実施形態の一態様によれば、緊急時に吐水装置の吐水を早期に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る浴室ユニットの一例を示す模式斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る浴室システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【
図10】
図10は、第5実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第5実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【
図12】
図12は、第6実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本開示による浴室システムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示による浴室システムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0024】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0025】
(第1実施形態)
<浴室ユニットの構成例>
まず、第1実施形態に係る浴室システム1が適用される浴室ユニット100の構成の一例について
図1を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る浴室ユニット100の一例を示す模式斜視図である。
【0026】
図1に示すように、第1実施形態に係る浴室ユニット100は、浴室101と、浴槽102と、シャワー103とを有する。浴室101は、複数の側壁パネル101a、天井パネル101bおよび床面パネル101cを有し、これらのパネル101a~101cによって六面体形状の浴室空間を形成している。浴槽102およびシャワー103は、かかる浴室空間に配置される。
【0027】
シャワー103は、散水板等を有するシャワーヘッドと、シャワーヘッドに水(湯)を供給するシャワーホースとを備える。シャワーヘッドは、側壁パネル101aに備え付けられたシャワーフックに保持される。
【0028】
<浴室システムの構成例>
次に、上述した浴室ユニット100に適用される浴室システム1の構成の一例について
図2を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る浴室システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、第1実施形態に係る浴室システム1は、マイク11と、スピーカ12と、リモコン13と、制御装置20と、浴室機器30とを備える。
【0030】
マイク11、スピーカ12、およびリモコン13は、浴室101の内部すなわち浴室空間に設けられる。たとえば、マイク11、およびリモコン13は、浴室101の側壁パネル101aに設けられ、スピーカ12は、浴室101の天井パネル101bに設けられる。なお、これらの配置は、上記の例に限定されない。たとえば、リモコン13は、持ち運び可能であってもよい。
【0031】
マイク11、スピーカ12、およびリモコン13は、有線または無線により制御装置20と電気的に接続される。
【0032】
マイク11は、使用者の音声を収集する音声収集部の一例である。マイク11によって収集された音声は、制御装置20へ入力される。
【0033】
スピーカ12は、制御装置20による制御に従って音声出力による情報提示を行う。また、スピーカ12は、後述するAV機器34による音声を出力する。スピーカ12は、使用者の音声操作に対する受付結果を音声により出力することができる。
【0034】
リモコン13は、物理ボタンあるいはタッチパネルに表示されたソフトボタン等のボタンを複数有しており、使用者による接触操作(押下操作、タッチ操作等)を受け付ける。リモコン13によって受け付けられた接触操作の情報は、制御装置20に入力される。
【0035】
制御装置20は、浴室ユニット100に関連する各種の浴室機器30と有線または無線により電気的に接続される。
【0036】
浴室機器30としては、吐水装置31、空調機器32、照明機器33およびAV機器34などの複数の機器が含まれる。
【0037】
吐水装置31は、シャワー103、シャワー103の水栓装置および水栓装置に接続される給湯器を含む。給湯器は、たとえば浴室101の外部に設けられ、シャワー103の水栓装置に対し、設定された温度の湯を供給する。水栓装置は、たとえば電磁弁等を含んで構成され、上述した給湯器および給水源に接続される。水栓装置は、給水源から供給される水や給湯源から供給される湯の流量、混合比率等を調整することにより、シャワー103の吐止水、吐水温度、吐水流量等を制御する。
【0038】
また、吐水装置31は、レバーやボタン等の操作部を備えている。操作部は、浴室101内に設けられており、使用者は、後述する音声操作以外に、かかる操作部を手動操作することによって、シャワー103の吐止水を切り替えたり、吐水温度や吐水流量を変更したりすることが可能である。
【0039】
空調機器32は、たとえば浴室101の天井パネル101bに設けられる。空調機器32は、たとえば浴室換気暖房乾燥機であり、温風を吹き出して浴室101内を暖める暖房機能、風(例えば温風)を吹き出して浴室101内に吊るされた衣類等を乾燥させる乾燥機能、浴室101内を換気する換気機能等を有する。なお、これに限らず、空調機器32は、たとえば換気機能のみを有する換気扇であってもよい。
【0040】
照明機器33は、たとえば浴室101の側壁パネル101aまたは天井パネル101bに設けられ、浴室101内を照明する。照明機器33は、調光機能を備えていてもよい。
【0041】
AV機器34は、オーディオ装置であり、音声の再生機能を有する。なお、AV機器34は、映像の再生機能を有していてもよい。
【0042】
浴室機器30としては、上記以外に、たとえば、マッサージ機器や洗浄機器等を含んでいてもよい。マッサージ機器は、たとえば浴槽102に設けられ、浴槽102内に水流や泡を発生させる。洗浄機器は、たとえば、浴室101の床面パネル101cに洗剤や水(湯)、除菌水等を散布する。
【0043】
制御装置20は、マイク11を介して入力された音声情報、または、リモコン13を介して入力された接触操作情報に基づいて、上述した浴室機器30の動作を制御することができる。
【0044】
たとえば、制御装置20は、使用者によってウェイクワードが発話された後に、「シャワーを出して」という音声に基づき、吐水装置31を制御してシャワー103から吐水を開始させることができる。このように、浴室システム1によれば、浴室機器30を音声で操作することができるため、使用者の利便性を向上させることができる。
【0045】
しかし、音声操作に基づいて吐水装置31から吐水された場合に、使用者の意図する吐水とは異なる吐水、例えば、吐水温度が高い、また低い吐水が行われるおそれがある。
【0046】
そこで、第1実施形態に係る浴室システム1では、使用者の意図する吐水とは異なる吐水が行われた場合に、吐水装置31を早期に停止させることとした。以下、この点について具体的に説明する。
【0047】
<制御装置の構成例>
まず、第1実施形態に係る制御装置20の構成例について
図3を参照して説明する。
図3は、第1実施形態に係る制御装置20の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図3では、制御装置20が備える構成のうち音声操作に関連する構成を記載し、その他の構成については省略している。
【0048】
図3に示すように、第1実施形態に係る制御装置20は、制御部21と、記憶部22とを備える。制御部21は、取得部21aと、認識部21bと、判定部21cと、操作部21dとを備える。なお、取得部21aと、認識部21bと、判定部21cと、操作部21dとは、統合されてもよく、複数に分けられてもよい。
【0049】
なお、制御装置20は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0050】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、制御部21の取得部21a、認識部21b、判定部21c、操作部21dとして機能する。取得部21a、認識部21b、判定部21c、操作部21dの少なくともいずれか一つまたは全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0051】
記憶部22は、たとえば、RAMやHDDに対応する。記憶部22は、緊急停止閾値記憶部22aを備える。緊急停止閾値記憶部22aは、音声の大きさ、速度、および抑揚に対する各緊急停止閾値を記憶する。各緊急停止閾値は、音声の大きさ、速度、および抑揚に対してそれぞれ設定されている。なお、緊急停止閾値は、音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つに対して記憶されてもよい。緊急停止閾値は、使用者の意図する吐水とは異なる吐水が行われた緊急時に、ウェイクワード無しで吐水装置31の吐水を停止させるための閾値である。
【0052】
制御装置20は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得してもよい。記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0053】
取得部21aは、マイク11によって収集された音を取得する。取得部21aは、使用者の音声を取得する。具体的には、取得部21aは、使用者の発話による音声データを取得する。また、取得部21aは、各浴室機器30の使用状態に関する信号を取得する。例えば、取得部21aは、吐水装置31、およびAV機器34の使用状態に関する信号を取得する。また、取得部21aは、リモコン13による接触操作に関する信号を取得する。
【0054】
認識部21bは、たとえば、記憶部22に記憶されている不図示の音声認識アプリケーションが制御部21によって実行されることにより実現される。認識部21bは、マイク11を介して取得された使用者の音声に対して音声認識処理を行うことによって音声の内容を特定する。たとえば、認識部21bは、使用者の音声をテキストデータに変換し、変換したテキストデータに基づき、操作の対象となる浴室機器30や操作の内容を特定する。また、認識部21bは、音声の大きさ、速度、および抑揚を特定する。
【0055】
なお、認識部21bは、使用者の音声データをネットワーク経由で音声認識サーバへ送信し、音声認識サーバによって音声データから変換されたテキストデータを音声認識サーバから受信してもよい。
【0056】
判定部21cは、使用者による音声操作が行われたか否かを判定する。判定部21cは、ウェイクワードが発話されたか否かを判定する。なお、以下において、ウェイクワードが発話された後に、吐水装置31を停止させる発話が行われることを「通常停止発話」と称する場合がある。
【0057】
判定部21cは、特定された音声の大きさ、速度、および抑揚と、音声の大きさ、速度、および抑揚に対応する各緊急停止閾値とをそれぞれ比較する。そして、判定部21cは、特定された音声の大きさ、速度、および抑揚のうち、少なくとも一つが、対応する各緊急停止閾値以上であるか否かを判定する。以下において、音声の大きさ、速度、および抑揚のうち、少なくとも一つが、対応する各緊急停止閾値以上である発話が行われることを「緊急停止発話」と称する場合がある。すなわち、判定部21cは、使用者によって緊急停止発話が行われたか否かを判定する。
【0058】
また、判定部21cは、手動操作による吐水装置31の操作の有無を判定する。例えば、判定部21cは、手動操作によって吐水装置31の吐水が開始されたか否かを判定する。また、判定部21cは、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されたか否かを判定する。
【0059】
操作部21dは、使用者による音声操作に基づいて浴室機器30を操作する。例えば、音声操作が吐水装置31から湯を出す操作である場合には、操作部21dは、吐水装置31を操作し、吐水装置31から湯を吐水させる。また、音声操作が湯の温度を調整する操作である場合には、操作部21dは、吐水装置31を操作し、湯の温度を調整する。また、音声操作がAV機器34の音量を小さくする操作である場合には、操作部21dは、AV機器34を操作し、スピーカ12から出力される音量を小さくする。
【0060】
また、操作部21dは、所定条件を満たす場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。具体的には、操作部21dは、音声の大きさ、速度、および抑揚のうち、少なくとも一つが、音声の大きさ、速度、および抑揚に対応する各緊急停止閾値よりも大きい場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。すなわち、操作部21dは、使用者によって緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0061】
例えば、使用者がウェイクワードを発話した後に、使用者が音声操作として「シャワーを出して。」と発話し、吐水装置31から吐水が開始された場合に、吐水装置31の温度設定が高く、使用者の意図した温度よりも高い吐水が行われることがある。
【0062】
このような場合には、使用者は、ウェイクワードを発話することを忘れ、例えば、大きな声で「止めて。」や、「熱い。」と発話したり、早口で「止めて。」や、「熱い。」と発話したりすることがある。
【0063】
操作部21dは、このような場合であっても、例えば、緊急停止閾値よりも大きい音量で「止めて。」や、「熱い。」などと発話されると、ウェイクワード無しに吐水装置31からの吐水を停止させる。
【0064】
なお、操作部21dは、使用者がウェイクワードを発話した後に、例えば、「止めて。」と発話した場合にも、吐水装置31の吐水を停止させる。
【0065】
<吐水処理>
次に、第1実施形態に係るに吐水処理について
図4を参照し説明する。
図4は、第1実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【0066】
制御装置20は、吐水が開始されたか否かを判定する(S100)。具体的には、制御装置20は、手動操作によって吐水装置31から吐水が開始されたか否かを判定する。また、制御装置20は、音声操作によって吐水装置31から吐水を開始したか否かを判定する。
【0067】
吐水が開始されていない場合には(S100:No)、制御装置20は、今回の処理を終了する。
【0068】
制御装置20は、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S101)。制御装置20は、使用者によって発話が行われていない場合には(S101:No)、手動停止操作の有無を判定する(S102)。
【0069】
吐水装置31の吐水を停止させる手動操作が行われると(S102:Yes)、吐水装置31の吐水が停止される(S103)。
【0070】
制御装置20は、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されていない場合には(S102:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S101)。
【0071】
制御装置20は、使用者によって発話が行われた場合には(S101:Yes)、緊急停止発話が行われたか否かを判定する(S104)。
【0072】
制御装置20は、緊急停止発話が行われた場合には(S104:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S103)。
【0073】
制御装置20は、使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S104:No)、通常停止発話が行われたか否かを判定する(S105)。
【0074】
制御装置20は、通常停止発話が行われていない場合には(S105:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S101)。
【0075】
制御装置20は、通常停止発話が行われた場合には(S105:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S103)。
【0076】
<効果>
浴室システム1は、吐水装置31と、制御装置20とを備える。吐水装置31は、浴室101に設けられる。制御装置20は、吐水装置31を音声に基づいて制御し、所定条件を満たす場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31からの吐水を停止させる。
【0077】
これにより、浴室システム1は、使用者の意図しない吐水が行われた場合に、吐水を素早く停止させることができる。すなわち、浴室システム1は、緊急時に吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。そのため、浴室システム1は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0078】
制御装置20は、緊急停止閾値記憶部22aと、取得部21aと、操作部21dとを備える。緊急停止閾値記憶部22aは、音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つに対する緊急停止閾値を記憶する。取得部21aは、使用者の音声を取得する。操作部21dは、音声の大きさ、速度、および抑揚のうち少なくとも一つが、緊急停止閾値よりも大きい場合に、ウェイクワード無しに吐水を停止させる。
【0079】
これにより、浴室システム1は、緊急時に使用者から発話される音声に基づいて、吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。
【0080】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る浴室システム1について説明する。ここでは、第1実施形態に係る浴室システム1とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態に係る浴室システム1と同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0081】
<制御装置の構成例>
第2実施形態に係る制御装置20の制御部21は、
図5に示すように、取得部21a、認識部21b、判定部21c、および操作部21dに加え、計測部21eを備える。
図5は、第2実施形態に係る制御装置20の構成の一例を示すブロック図である。
【0082】
計測部21eは、吐水装置31から吐水が開始されると、吐水時間のカウントを開始する。なお、計測部21eは、吐水装置31の吐水が停止されると、吐水時間をリセットする。
【0083】
判定部21cは、吐水時間が第1所定時間以下であるか否かを判定する。第1所定時間は、予め設定された時間であり、吐水装置31によって吐水が開始された場合に、使用者が緊急停止を実行する時間である。
【0084】
操作部21dは、吐水装置31によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。すなわち、操作部21dは、吐水装置31によって吐水が開始されてから第1所定時間が経過し、緊急停止発話が行われた場合であっても、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させない。
【0085】
<吐水処理>
次に、第2実施形態に係る吐水処理について
図6を参照し説明する。
図6は、第2実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【0086】
制御装置20は、吐水が開始されたか否かを判定する(S200)。吐水が開始されていない場合には(S200:No)、制御装置20は、今回の処理を終了する。
【0087】
制御装置20は、吐水が開始された場合には(S200:Yes)、吐水時間のカウントを開始する(S201)。
【0088】
制御装置20は、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S202)。制御装置20は、使用者によって発話が行われていない場合には(S202:No)、手動停止操作の有無を判定する(S203)。
【0089】
制御装置20は、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されていない場合には(S203:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S202)。
【0090】
吐水装置31の吐水を停止させる手動操作が行われると(S203:Yes)、吐水装置31の吐水が停止される(S204)。なお、吐水装置31の吐水が停止されることによって、吐水時間はリセットされる。
【0091】
制御装置20は、使用者によって発話が行われた場合には(S202:Yes)、吐水時間が第1所定時間以下であるか否かを判定する(S205)。制御装置20は、吐水時間が第1所定時間以下である場合には(S205:Yes)、緊急停止発話が行われたか否かを判定する(S206)。
【0092】
制御装置20は、緊急停止発話が行われた場合には(S206:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S204)。
【0093】
制御装置20は、吐水時間が第1所定時間よりも大きい場合(S205:No)、または使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S206:No)、通常停止発話が行われたか否かを判定する(S207)。
【0094】
制御装置20は、通常停止発話が行われていない場合には(S207:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S202)。
【0095】
制御装置20は、通常停止発話が行われた場合には(S207:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S204)。
【0096】
<効果>
制御装置20の操作部21dは、吐水装置31によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0097】
これにより、浴室システム1は、緊急時に使用者から発話される音声に基づいて、吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システム1は、緊急時ではない場合、例えば、通常の会話中に使用者の音声が大きくなった場合に、吐水装置31の吐水が停止することを抑制することができる。すなわち、浴室システム1は、使用者の意図しない吐水の停止を抑制することができる。
【0098】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る浴室システム1について説明する。ここでは、上記実施形態に係る浴室システム1とは異なる箇所を中心に説明し、上記実施形態に係る浴室システム1と同じ構成については、上記実施形態に係る浴室システム1と同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0099】
<制御装置の構成例>
第3実施形態に係る制御装置20の制御部21は、
図5に示すように、取得部21a、認識部21b、判定部21c、および操作部21dに加え、計測部21eを備える。
【0100】
計測部21eは、吐水を開始する音声操作が行われた後の吐水時間をカウントする。すなわち、計測部21eは、吐水装置31から吐水を開始するための音声操作が行われると、吐水時間のカウントを開始する。吐水時間は、実際に吐水装置31によって吐水が行われる時間と、吐水を開始する音声操作が行われてから吐水装置31によって吐水が開始されるまでの時間を含む。なお、計測部21eは、吐水装置31の吐水が停止されると、吐水時間をリセットする。
【0101】
判定部21cは、吐水時間が第2所定時間以下であるか否かを判定する。第2所定時間は、予め設定された時間であり、吐水開始に対し、使用者が緊急停止を実行する時間である。なお、第2所定時間は、第1所定時間と同じ時間であってもよい。
【0102】
操作部21dは、吐水を開始する音声操作が行われてから第2所定時間以内に、緊急停止発話が行われた場合には、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0103】
<吐水処理>
次に、第3実施形態に係る吐水処理について
図7を参照し説明する。
図7は、第3実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【0104】
制御装置20は、吐水を開始する音声操作が行われたか否かを判定する(S300)。制御装置20は、吐水を開始する音声操作が行われた場合には(S300:Yes)、吐水時間のカウントを開始する(S301)。
【0105】
制御装置20は、吐水を開始する音声操作が行われていない場合(S300:No)、またはカウントを開始した場合には(S301)、吐水が開始されたか否かを判定する(S302)。
【0106】
吐水が開始されていない場合には(S302:No)、制御装置20は、今回の処理を終了する。
【0107】
制御装置20は、吐水が開始された場合には(S302:Yes)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S303)。制御装置20は、使用者によって発話が行われていない場合には(S303:No)、手動停止操作の有無を判定する(S304)。
【0108】
制御装置20は、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されていない場合には(S304:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S303)。
【0109】
吐水装置31の吐水を停止させる手動操作が行われると(S304:Yes)、吐水装置31の吐水が停止される(S305)。
【0110】
制御装置20は、使用者によって発話が行われた場合には(S303:Yes)、吐水時間が第2所定時間以下であるか否かを判定する(S306)。制御装置20は、吐水時間が第2所定時間以下である場合には(S306:Yes)、緊急停止発話が行われたか否かを判定する(S307)。
【0111】
制御装置20は、緊急停止発話が行われた場合には(S307:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S305)。
【0112】
制御装置20は、吐水時間が第2所定時間よりも大きい場合(S306:No)、または使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S307:No)、通常停止発話が行われたか否かを判定する(S308)。
【0113】
なお、音声操作によって吐水装置31の吐水が開始されず、手動操作によって吐水装置31の吐水が開始された場合には、吐水時間のカウントが開始されない。そのため、手動操作によって吐水装置31の吐水が開始された場合には、制御装置20は、ステップS306、307を省略し、通常停止発話が行われたか否かを判定する。
【0114】
制御装置20は、通常停止発話が行われていない場合には(S308:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S303)。
【0115】
制御装置20は、通常停止発話が行われた場合には(S308:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S305)。
【0116】
<効果>
制御装置20の操作部21dは、吐水装置31によって吐水を開始する音声が取得されてから第2所定時間以内に、緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0117】
これにより、浴室システム1は、緊急時に使用者から発話される音声に基づいて、吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システム1は、緊急時ではない場合に、吐水装置31の吐水が停止することを抑制することができる。すなわち、浴室システム1は、使用者の意図しない吐水の停止を抑制することができる。
【0118】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る浴室システム1について説明する。ここでは、上記実施形態に係る浴室システム1とは異なる箇所を中心に説明し、上記実施形態と同じ構成については、上記実施形態に係る浴室システム1と同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0119】
<制御装置の構成例>
第4実施形態に係る制御装置20の記憶部22は、
図8に示すように、停止ワード記憶部22bを備える。
図8は、第4実施形態に係る制御装置20の構成の一例を示すブロック図である。
【0120】
停止ワード記憶部22bは、緊急停止ワードを記憶する。緊急停止ワードは、使用者の意図する吐水とは異なる吐水が行われた緊急時に、ウェイクワード無しで吐水装置31の吐水を停止させるためのワードである。緊急停止ワードは、「熱い。」や、「冷たい。」などの他に、使用者が驚いた場合に発話する感嘆詞である「うわっ。」などを含む。
【0121】
判定部21cは、取得した音声に緊急停止ワードが含まれるか否かを判定する。操作部21dは、音声に緊急停止ワードが含まれる場合には、吐水装置31の吐水を停止させる。以下において、音声に緊急停止ワードが含まれる発話が行われることを、「緊急停止発話」と称する場合がある。すなわち、操作部21dは、使用者によって緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0122】
なお、操作部21dは、使用者がウェイクワードを発話した後に、例えば、「止めて。」と発話した場合にも、吐水装置31の吐水を停止させる。
【0123】
<吐水処理>
次に、第4実施形態に係る吐水処理について
図9を参照し説明する。
図9は、第4実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【0124】
制御装置20は、吐水が開始されたか否かを判定する(S400)。吐水が開始されていない場合には(S400:No)、制御装置20は、今回の処理を終了する。
【0125】
制御装置20は、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S401)。制御装置20は、使用者によって発話が行われていない場合には(S401:No)、手動停止操作の有無を判定する(S402)。
【0126】
吐水装置31の吐水を停止させる手動操作が行われると(S402:Yes)、吐水装置31の吐水が停止される(S403)。
【0127】
制御装置20は、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されていない場合には(S402:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S401)。
【0128】
制御装置20は、使用者によって発話が行われた場合には(S401:Yes)、緊急停止発話が行われたか否かを判定する(S404)。具体的には、制御装置20は、音声に緊急停止ワードが含まれているか否かを判定する。
【0129】
制御装置20は、緊急停止発話が行われた場合には(S404:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S403)。
【0130】
制御装置20は、使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S404:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S401)。
【0131】
<効果>
制御装置20は、停止ワード記憶部22bと、取得部21aと、操作部21dとを備える。停止ワード記憶部22bは、緊急停止ワードを記憶する。取得部21aは、使用者の音声を取得する。操作部21dは、緊急停止ワードを含む音声が取得された場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0132】
これにより、浴室システム1は、緊急時に使用者から発話される緊急停止ワードに基づいて、吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。
【0133】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る浴室システム1について説明する。ここでは、上記実施形態に係る浴室システム1とは異なる箇所を中心に説明し、上記実施形態と同じ構成については、上記実施形態に係る浴室システム1と同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0134】
<制御装置の構成例>
第5実施形態に係る制御装置20の制御部21は、
図10に示すように、取得部21a、認識部21b、判定部21c、および操作部21dに加え、計測部21eを備える。
図10は、第5実施形態に係る制御装置20の構成の一例を示すブロック図である。
【0135】
計測部21eは、吐水装置31から吐水が開始されると、吐水時間のカウントを開始する。なお、計測部21eは、吐水装置31の吐水が停止されると、吐水時間をリセットする。
【0136】
判定部21cは、吐水時間が第1所定時間以下であるか否かを判定する。操作部21dは、吐水装置31によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0137】
<吐水処理>
次に、第5実施形態に係る吐水処理について
図11を参照し説明する。
図11は、第5実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【0138】
制御装置20は、吐水が開始されたか否かを判定する(S500)。吐水が開始されていない場合には(S500:No)、制御装置20は、今回の処理を終了する。
【0139】
制御装置20は、吐水が開始された場合には(S500:Yes)、吐水時間のカウントを開始する(S501)。
【0140】
制御装置20は、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S502)。制御装置20は、使用者によって発話が行われていない場合には(S502:No)、手動停止操作の有無を判定する(S503)。
【0141】
制御装置20は、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されていない場合には(S503:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S502)。
【0142】
吐水装置31の吐水を停止させる手動操作が行われると(S503:Yes)、吐水装置31の吐水が停止される(S504)。
【0143】
制御装置20は、使用者によって発話が行われた場合には(S502:Yes)、吐水時間が第1所定時間以下であるか否かを判定する(S505)。制御装置20は、吐水時間が第1所定時間以下である場合には(S505:Yes)、緊急停止発話が行われたか否かを判定する(S506)。
【0144】
制御装置20は、緊急停止発話が行われた場合には(S506:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S504)。
【0145】
制御装置20は、吐水時間が第1所定時間よりも大きい場合(S505:No)、または使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S506:No)、通常停止発話が行われたか否かを判定する(S507)。
【0146】
制御装置20は、通常停止発話が行われていない場合には(S507:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S502)。
【0147】
制御装置20は、通常停止発話が行われた場合には(S507:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S504)。
【0148】
なお、制御装置20は、使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S506:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定してもよい(S502)。
【0149】
<効果>
制御装置20の操作部21dは、吐水装置31によって吐水が開始されてから第1所定時間以内に、緊急停止ワードを含む音声が取得された場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0150】
これにより、浴室システム1は、緊急時に使用者から発話される緊急停止ワードに基づいて、吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システム1は、緊急時ではない場合、例えば、使用者が通常の会話中に緊急停止ワードを発話した場合に、吐水装置31の吐水が停止することを抑制することができる。すなわち、浴室システム1は、使用者の意図しない吐水の停止を抑制することができる。
【0151】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る浴室システム1について説明する。ここでは、上記実施形態に係る浴室システム1とは異なる箇所を中心に説明し、上記実施形態に係る浴室システム1と同じ構成については、上記実施形態に係る浴室システム1と同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0152】
<制御装置の構成例>
第6実施形態に係る制御装置20の制御部21は、
図10に示すように、取得部21a、認識部21b、判定部21c、および操作部21dに加え、計測部21eを備える。
【0153】
計測部21eは、吐水を開始する音声操作が行われた後の吐水時間をカウントする。すなわち、計測部21eは、吐水装置31から吐水を開始するための音声操作が行われると、吐水時間のカウントを開始する。
【0154】
判定部21cは、吐水を開始する音声操作が行われてから第2所定時間以内に、緊急停止発話が行われた場合には、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0155】
<吐水処理>
次に、第6実施形態に係る吐水処理について
図12を参照し説明する。
図12は、第6実施形態に係る吐水処理を説明するフローチャートである。
【0156】
制御装置20は、吐水を開始する音声操作が行われたか否かを判定する(S600)。制御装置20は、吐水を開始する音声操作が行われた場合には(S600:Yes)、吐水時間のカウントを開始する(S601)。
【0157】
制御装置20は、吐水を開始する音声操作が行われていない場合(S600:No)、またはカウントを開始した場合には(S601)、吐水が開始されたか否かを判定する(S602)。
【0158】
吐水が開始されていない場合には(S602:No)、制御装置20は、今回の処理を終了する。
【0159】
制御装置20は、吐水が開始された場合には(S602:Yes)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S603)。制御装置20は、使用者によって発話が行われていない場合には(S603:No)、手動停止操作の有無を判定する(S604)。
【0160】
制御装置20は、手動操作によって吐水装置31の吐水が停止されていない場合には(S604:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S603)。
【0161】
吐水装置31の吐水を停止させる手動操作が行われると(S604:Yes)、吐水装置31の吐水が停止される(S605)。
【0162】
制御装置20は、使用者によって発話が行われた場合には(S603:Yes)、吐水時間が第2所定時間以下であるか否かを判定する(S606)。制御装置20は、吐水時間が第2所定時間以下である場合には(S606:Yes)、緊急停止発話が行われたか否かを判定する(S607)。
【0163】
制御装置20は、緊急停止発話が行われた場合には(S607:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S605)。
【0164】
制御装置20は、吐水時間が第2所定時間よりも大きい場合(S606:No)、または使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S607:No)、通常停止発話が行われたか否かを判定する(S608)。
【0165】
制御装置20は、通常停止発話が行われていない場合には(S608:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定する(S603)。
【0166】
制御装置20は、通常停止発話が行われた場合には(S608:Yes)、吐水装置31の吐水を停止させる(S605)。
【0167】
なお、制御装置20は、使用者によって緊急停止発話が行われていない場合には(S607:No)、使用者によって発話が行われたか否かを判定してもよい(S603)。
【0168】
<効果>
制御装置20の操作部21dは、吐水装置31を操作する音声が取得されてから第2所定時間以内に、緊急停止ワードを含む音声が取得された場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0169】
これにより、浴室システム1は、緊急時に使用者から発話される緊急停止ワードに基づいて、吐水装置31の吐水を早期に停止させることができる。また、浴室システム1は、緊急時ではない場合に、吐水装置31の吐水が停止することを抑制することができる。
【0170】
(変形例)
浴室システム1は、使用者の音声を、例えば、記憶部22に記憶させてもよい。浴室システム1は、記憶させた使用者に音声と一致する緊急停止発話が行われた場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止させる。
【0171】
これにより、浴室システム1は、音声が記憶された使用者以外の音声によって緊急停止発話に対応する音声を取得した場合に、吐水装置31の吐水が停止することを抑制することができる。例えば、浴室システム1は、緊急停止発話に対応する音声がAV機器34によって再生された場合であっても、吐水装置31の吐水が停止することを防止することができる。
【0172】
上記実施形態に係る浴室システム1は、適宜組み合わせて適用されてもよい。例えば、浴室システム1は、音声の大きさ、速度、および抑揚のうち、少なくとも一つが、対応する各緊急停止閾値以上である場合、または、音声に緊急停止ワードが含まれる場合に、ウェイクワード無しに吐水装置31の吐水を停止してもよい。
【0173】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 浴室システム
11 マイク
13 リモコン
20 制御装置
21 制御部
21a 取得部
21c 判定部
21d 操作部
21e 計測部
22 記憶部
22a 緊急停止閾値記憶部
22b 停止ワード記憶部
30 浴室機器
31 吐水装置
100 浴室ユニット