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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/52 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
B65H3/52 330D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019174657
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021050077
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】大友 康平
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-093746(JP,A)
【文献】特開2016-101994(JP,A)
【文献】特開2010-078721(JP,A)
【文献】特開2000-253516(JP,A)
【文献】特開2017-210334(JP,A)
【文献】実開昭62-061094(JP,U)
【文献】特開2011-209431(JP,A)
【文献】特開2015-089649(JP,A)
【文献】特開2004-331380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体集積部を有し装置本体に対し挿抜方向に沿って挿抜可能な給紙カセットと、
前記給紙カセットから給紙された複数の媒体を分離するローラと前記ローラの回転軸を軸支する支持部とを有し、前記給紙カセットに対して着脱可能な着脱ユニットと
を有し、
前記給紙カセットは、
前記着脱ユニットを着脱可能に保持するロック部と、
前記着脱ユニットを前記給紙カセットの前記挿抜方向と異なる着脱方向にガイドするガイド部と
を有し、
前記着脱ユニットは、
前記媒体集積部側の面に形成され、前記ロック部と係合する係合部
を有し
前記係合部は、
前記着脱ユニットが前記給紙カセットに装着された状態において前記媒体集積部側に露出する根元部
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、
前記着脱ユニットを、前記挿抜方向と、前記ローラの前記回転軸の軸方向とに直交する前記着脱方向にガイドする
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記係合部は、
前記ロック部と係合し前記着脱方向に対し傾斜する第1の傾斜面を有し、前記第1の傾斜面が前記ロック部と係合することで、前記第1の傾斜面に沿って付勢される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、
前記着脱ユニットの装着位置に向かうにつれて、前記挿抜方向のガイド幅が狭くなるように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第1の傾斜面は、
前記着脱方向のうち前記着脱ユニットが前記給紙カセットから取り外される取外方向側において、前記着脱方向に対し傾斜する第1の面と、
前記取外方向とは逆方向の装着方向側において、前記着脱方向に対し傾斜する第2の面とにより構成される
ことを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記係合部は、
前記根元部を支点として弾性変形する
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は媒体搬送装置関し、用紙を収容する給紙カセットと、該給紙カセットに対し着脱可能なローラとが設けられた画像形成装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置においては、用紙がセットされる給紙カセットと、給紙カセットから用紙を分離するリタード部とを有するものがある。リタード部を構成する部品のひとつであるローラは、交換が必要な消耗部品であり、ローラの交換を可能にする着脱の機構が設けられていた。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-154490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の画像形成装置では、ローラは摩耗によって機能が低下するため、画像形成装置の寿命までに交換が必要な部品ではあるが、ローラの交換は容易ではなく、保守員による対応が必要な部品であった。また、ローラが正しく装着されない場合、用紙の送り不良が発生する等、交換による問題発生の可能性があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ローラの交換性を向上し得る媒体搬送装置提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の媒体搬送装置においては、装置本体に対し挿抜方向に沿って挿抜可能な給紙カセットと、給紙カセットから給紙された複数の媒体を分離するローラとローラの回転軸を軸支する支持部とを有し、給紙カセットに対して着脱可能な着脱ユニットとを設け、給紙カセットは、着脱ユニットを着脱可能に保持するロック部と、着脱ユニットを給紙カセットの挿抜方向と異なる着脱方向にガイドするガイド部とを有し、着脱ユニットは、着脱方向のうち着脱ユニットが給紙カセットから取り外される取外方向側において着脱方向に対し傾斜する第1の面と、取外方向とは逆方向の装着方向側において着脱方向に対し傾斜する第2の面とが形成された係合部を有し、係合部は、第1の面又は第2の面がロック部と係合した際に第1の面又は第2の面に沿って付勢されるようにした。
【0007】
また本発明の画像形成装置においては、媒体を搬送する搬送ローラを有する装置本体と、装置本体に対し挿抜方向に沿って挿抜可能な給紙カセットと、搬送路を挟んで搬送ローラと対向して配され、給紙カセットから給紙された複数の媒体を分離するローラと、ローラの回転軸を軸支する支持部とを有し、給紙カセットに対して着脱可能な着脱ユニットとを設け、給紙カセットは、着脱ユニットを着脱可能に保持するロック部と、着脱ユニットを給紙カセットの挿抜方向と異なる着脱方向にガイドするガイド部とを有し、着脱ユニットは、着脱方向のうち着脱ユニットが給紙カセットから取り外される取外方向側において着脱方向に対し傾斜する第1の面と、取外方向とは逆方向の装着方向側において着脱方向に対し傾斜する第2の面とが形成された係合部を有し、係合部は、第1の面又は第2の面がロック部と係合した際に第1の面又は第2の面に沿って付勢され、装置本体に給紙カセットが装着される際に搬送ローラがローラと当接し、着脱ユニットを装着位置に移動させるようにした。
【0008】
これにより本発明は、ローラと一体化した着脱ユニットを、着脱方向の一方向である取外方向に向かって移動させ、ユニット保持部から係合部を外すことができると共に、ガイド部によりガイドされながら着脱方向の他方向である装着方向に向かって移動させ、ユニット保持部に係合部を係合させ、給紙カセットに装着させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ローラの交換性を向上し得る媒体搬送装置提案しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の構成を示す左側面図である。
図2】着脱ユニット装着状態の給紙カセット及び着脱ユニットの構成(1)を示す斜視図である。
図3】着脱ユニット取外状態の給紙カセットの構成を示す斜視図である。
図4】着脱ユニットが給紙カセットに装着される様子(1)を示す斜視図である。
図5】着脱ユニット装着状態の給紙カセット及び着脱ユニットの構成(2)を示す斜視図である。
図6】ユニット装着部の構成を示す斜視図である。
図7】規制部の構成(1)を示す斜視図である。
図8】規制部の構成(2)を示す斜視図である。
図9】着脱ユニット装着状態における規制部及び位置決めポストの構成を示し、図5におけるX-X矢視断面図である。
図10】ロック部の構成を示す斜視図である。
図11】着脱ユニット装着状態の給紙カセット及び着脱ユニットの構成(3)を示す左側面図である。
図12】着脱ユニットが給紙カセットに装着される様子(2)を示す左側面図である。
図13】着脱ユニットが給紙カセットに装着される様子(3)を示す左側面図である。
図14】着脱ユニットの構成(1)を示し、(A)は後方からの斜視図、(B)は前方からの斜視図である。
図15】着脱ユニットの構成(2)を示す分解斜視図である。
図16】着脱ユニットの構成(3)を示す分解正面図である。
図17】給紙カセットが筐体に装着される様子を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0012】
[1.画像形成装置の構成]
図1に左側面図を示すように、画像形成装置1は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる1枚のシート状の紙である用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷する。画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
【0013】
筐体2内には、画像形成装置1全体を統括制御する制御部10が設けられている。制御部10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して印刷等の種々の処理を行う。
【0014】
筐体2内の最下部には、後部分に設けられた用紙集積部42の内部用紙Pが積層される給紙カセット12が設けられている。用紙集積部42の前上側には、用紙集積部42に載置された用紙Pを後上方向である搬送方向に沿って搬送する搬送路が形成されている。以下では、搬送される用紙Pの面に直交する方向を面方向とし、該面方向と搬送方向とに直交する左右方向を搬送幅方向とも呼ぶ。
【0015】
給紙カセット12は、水平方向に沿う前後方向である給紙カセット挿抜方向へ移動可能に構成されていることにより、筐体2に対し着脱可能になっている。すなわち給紙カセット12は、印刷動作時には筐体2内部に収容されることにより給紙カセット装着状態となる。一方、給紙カセット12は、用紙Pが補充される際やリタードローラ18(後述する)が交換される際等の保守時には、給紙カセット装着状態から、給紙カセット挿抜方向のうちの前方向である給紙カセット取外方向に向かって筐体2から引き出され、筐体2から外部へ取り外された給紙カセット取外状態となる。続いて給紙カセット12は、用紙Pが補充されたりリタードローラ18が交換されたりした後に、給紙カセット取外状態から、給紙カセット挿抜方向のうちの後方向である給紙カセット装着方向に向かって筐体2へ押し込まれ、給紙カセット装着状態となる。
【0016】
用紙集積部42の前上方には、用紙集積部42に集積された状態で収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して給紙する給紙部13が設けられている。給紙部13は主に、ピックアップローラ14、分離ローラ16及びリタードローラ18により構成されている。
【0017】
用紙集積部42の前端部よりも後方における上側には、左右方向に沿って延在するピックアップローラ回転軸が筐体2に回転可能に軸支されており、該ピックアップローラ回転軸には、搬送される用紙Pにおける搬送幅方向のほぼ中央部分に当接する1個のピックアップローラ14が図3中時計回り及び反時計回りに回転可能に取り付けられている。ピックアップローラ14は、内部に図示しないワンウェイクラッチ機構を内蔵しているため、回転駆動が停止した場合でも図1中反時計回りには空転可能となっている。このピックアップローラ14は、用紙集積部42上に載置された用紙Pを一枚毎に繰り出し、搬送方向に沿って給送する。
【0018】
ピックアップローラ14の前方であり用紙集積部42よりも前方には、左右方向に沿って延在する分離ローラ回転軸が筐体2に回転可能に軸支されており、該分離ローラ回転軸には、搬送される用紙Pにおける搬送幅方向のほぼ中央部分に当接する1個の搬送ローラとしての分離ローラ16が図1中時計回り及び反時計回りに回転可能に取り付けられている。分離ローラ16は、内部に図示しないワンウェイクラッチ機構を内蔵しているため、回転駆動が停止した場合でも図1中反時計回りには空転可能となっている。
【0019】
分離ローラ16の下側には、左右方向に沿って延在するリタードローラ軸が着脱ユニット70(後述する)に回転可能に軸支されており、該リタードローラ回転軸には、分離ローラ16と対向してローラ当接部RCA(図11)において接触するように、搬送される用紙Pにおける搬送幅方向のほぼ中央部分に当接する1個のリタードローラ18が取り付けられている。リタードローラ18は、内部に図示しないワンウェイクラッチ機構及びトルクリミッタ機構を内蔵しているため、用紙Pの搬送方向とは逆方向である図1中反時計回りにトルクを発生させ、用紙Pが2枚以上重なって繰り出された場合(重送された場合)、そのトルクによって1枚のみの用紙Pを繰り出すように他の用紙Pを抑止して用紙Pを分離すると共に、用紙集積部42から最後の1枚の用紙Pが繰り出される際は、図1中時計回りには空転可能となっている。このため分離ローラ16及びリタードローラ18は、給紙カセット12から繰り出された用紙Pを一枚毎に分離して搬送ローラ対20へ送り出す。搬送ローラ対20は、前後方向に沿って形成された用紙搬送路22へ用紙Pを搬送する。
【0020】
以下では、用紙集積部42から用紙Pが搬送ローラ対20へ向けて繰り出される繰出動作時におけるピックアップローラ14及び分離ローラ16の図1中反時計回りの回転方向を、繰出回転方向とも呼ぶ。
【0021】
トナー像形成部26は、中間転写ベルト28に沿って5種類が直列に配置されており、特色の白又はクリア用、シアン用、マゼンタ用、イエロー用及びブラック用が設けられている。トナー像形成部26は、帯電ローラにより感光ドラム30を帯電させ、光ヘッドにより感光ドラム30上に画像データを書き込み、その画像データをトナー剤で現像することにより、トナー像を感光ドラム30上に形成する。
【0022】
トナーカートリッジ32も同様に5種類が直列に配置され、特色の白又はクリア用、シアン用、マゼンタ用、イエロー用及びブラック用が設けられている。トナーカートリッジ32は、それぞれのトナーが充填されており、トナー像形成部26へトナーを供給する。中間転写ベルト28は、トナー像形成部26で形成されたトナー像を中間転写ベルト28上に転写する。二次転写ローラ34は中間転写ベルト28上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。定着部36は、用紙P上に転写されたトナー像を熱と圧力により定着する。排出ローラ対38は、定着部36においてトナー像が定着された用紙を排出する。積載部40は、排出口から排出された用紙Pを堆積する。
【0023】
かかる構成において、給紙カセット12から用紙Pを搬送ローラ対24等からなる用紙搬送路22へ繰り出す繰出動作を行う際、給紙部13は、制御部10の制御に基づき、最上位の用紙Pをピックアップローラ14に当接させた状態でピックアップローラ14及び分離ローラ16を繰出回転方向へ回転させることにより、給紙カセット12から用紙Pを搬送路へ向けて送り出す。このときリタードローラ18は図1中時計回りには回転しない。これにより分離ローラ16及びリタードローラ18は、最上位の用紙Pよりも下側の用紙Pをリタードローラ18によりその場に留めつつ、用紙Pを挟持して分離ローラ16により最上位の用紙Pのみを分離して搬送路へ送り出す。
【0024】
用紙搬送路22へ用紙Pを送り出した後、画像形成装置1は、搬送ローラ対24で用紙Pを搬送する。続いて画像形成装置1は、トナー像形成部26で形成されたトナー像を感光ドラム30を介して中間転写ベルト28に転写させる。続いて画像形成装置1は、中間転写ベルト28のトナー像を二次転写ローラ34で用紙Pに転写させる。二次転写後、画像形成装置1は、転写されたトナー像を定着部36で用紙Pに圧力と熱を加えて定着させる。定着後、画像形成装置1は、排出ローラ対38により用紙Pを搬送し、積載部40に排出する。
【0025】
[2.給紙カセットの構成]
図2図3及び図4に示すように給紙カセット12は、用紙集積部42と、用紙搬送ガイド44(用紙搬送ガイド44L及び44R)と、ユニット装着部46とが設けられている。用紙集積部42は、給紙カセット12の後側の大部分を占めており、水平方向に沿う状態の用紙P(図1)を上下方向に積層させるように内部に収納する。
【0026】
用紙搬送ガイド44Lは、用紙集積部42の前方に隣接しており、装着空間48の左側に設けられている。用紙搬送ガイド44Rは、用紙集積部42の前方に隣接しており、装着空間48の右側に設けられている。以下では用紙搬送ガイド44L及び44Rをまとめて用紙搬送ガイド44とも呼ぶ。用紙搬送ガイド44Lと用紙搬送ガイド44Rとは、装着空間48における左右方向の中央部を軸として左右対称に形成されている。このように用紙搬送ガイド44は、装着空間48を挟んで左右方向の両側に設けられている。
【0027】
図5及び図6に示すように、この用紙搬送ガイド44L及び44Rは、後側面において後側搬送ガイド面44BSが、上側面において上側搬送ガイド面44USが、用紙搬送ガイド44Lの右側面及び用紙搬送ガイド44Rの左側面において内側面44ISがそれぞれ形成されている。後側搬送ガイド面44BSは、上下方向に沿って延び後方を向く面であり、用紙集積部42に集積された用紙の前端部をガイドする。上側搬送ガイド面44USは、前方へ向かうに連れて上方へ傾斜するよう前上がりに形成された面であり、用紙集積部42から繰り出された用紙の下側をガイドする。内側面44ISは、上下方向に沿って延び装着空間48に対向するように左右方向の内側を向く面であり、ユニット装着部46の一部分であるガイド部54(ガイド部54L及び54R)が形成されている。
【0028】
ユニット装着部46は、用紙集積部42の前方における左右方向の中央部において、用紙搬送ガイド44Lと用紙搬送ガイド44Rとの間に設けられており、着脱ユニット70が給紙カセット12に装着される際に該着脱ユニット70を収容する装着空間48が形成されている。図6及び図10に示すように、装着空間48は、底面48D、前側面48F、後側面48B及び内側面44ISにより囲まれた空間である。底面48Dは、装着空間48の下側に形成され、水平方向に延びており、着脱ユニット70の底板であるカバー底板72D(図14)と上下方向に対向する。前側面48Fは、装着空間48の前側に形成され、底面48Dから鉛直方向に沿って上方へ延びており、着脱ユニット70の前面と前後方向に対向する。後側面48Bは、装着空間48の後側に形成され、底面48Dから鉛直方向に沿って前側面48Fよりも下側まで上方へ延びており、着脱ユニット70の後側板であるカバー後側板部72B(図14)と前後方向に対向し、上端部が用紙集積部42の前端と接続されている。内側面44ISは、装着空間48の左右両外側に形成され、底面48Dから鉛直方向に沿って上方へ延びており、着脱ユニット70の左右側板であるカバー左側板部72L及びカバー右側板部72R(図14)と左右方向に対向する。このユニット装着部46は、装着空間48に着脱ユニット70が配置された際に、ロック部60(後述する)により該着脱ユニット70を給紙カセット12から外れないように保持し、着脱ユニット装着状態とする。以下では、着脱ユニット70が着脱ユニット装着状態になる位置を装着位置とも呼ぶ。
【0029】
図4に示すように着脱ユニット70は、給紙カセット12に対し、鉛直方向に沿う上下方向である着脱ユニット着脱方向へ移動可能に構成されていることにより、給紙カセット12のユニット装着部46に対し着脱可能となっている。すなわち着脱ユニット70は、印刷動作時には給紙カセット12に装着されることにより図2に示す着脱ユニット装着状態となる。
【0030】
一方、着脱ユニット70は、該着脱ユニット70に取り付けられたリタードローラ18が交換される際の保守時には、着脱ユニット装着状態から、着脱ユニット着脱方向のうちの上方向である着脱ユニット取外方向へ持ち上げられ、給紙カセット12のユニット装着部46から外部へ取り外された、図3に示す着脱ユニット取外状態となる。続いて、新たなリタードローラ18が装着された着脱ユニット70は、図4に示すように、ユニット装着部46の上方から着脱ユニット着脱方向のうちの下方向である着脱ユニット装着方向へ降ろされ、図2及び図5に示す着脱ユニット装着状態となる。以下では、給紙カセット12と、給紙カセット12に取り付けられた着脱ユニット70とをまとめて、用紙集積部42から1枚ずつ用紙を搬送路へ繰り出す用紙給紙装置41とも呼ぶ。
【0031】
[2-1.ユニット装着部の構成]
図6及び図10に示すようにユニット装着部46は、装着空間48の周囲に形成されており、主に、規制部50及びロック部60により構成されている。
【0032】
[2-1-1.規制部の構成]
図7及び図8に示すように規制部50は、リブ52(リブ52L及び52R)と、ガイド部54(内側ガイド部54I及び外側ガイド部54O)とにより構成されている。
【0033】
リブ52Lは、用紙搬送ガイド44Lにおける内側面44ISから左右方向の内側である右方向へ突出しており、右側面において、前後上下方向に沿って延びる内側リブ面52ILSが形成されている。またリブ52Lは、前後方向のほぼ中央部において、鉛直方向、すなわち着脱ユニット着脱方向に沿って直線状に形成された溝部である内側ガイド部54Iが、内側リブ面52ILSから左方向へ凹設されている。内側ガイド部54Iは、上端部において前後方向の開口幅であるガイド幅が大きくなるよう、前側内側面及び後側内側面が上方向に向かうに連れてそれぞれ前方向及び後方向へ傾斜するように開口する内側ガイド開口部54IUが形成されている。またこの内側ガイド部54Iは、上端部から下端部へ向かうにつれて、すなわち着脱ユニット装着方向へ向かうにつれてガイド幅が狭くなっている。さらにこの内側ガイド部54Iは、下端部のガイド幅が、着脱ユニット70の位置決めポスト78D(後述する)の外形の大きさとほぼ同様に形成されている。
【0034】
またリブ52Lは、内側ガイド部54Iの左側において、内側リブ面52ILSと平行な外側リブ面52OLSが形成されている。またリブ52Lは、鉛直方向、すなわち着脱ユニット着脱方向に沿って直線状に形成された溝である外側ガイド部54Oが、外側リブ面52OLSから左方向へ凹設されている。外側ガイド部54Oは、上端部において前後方向の開口幅であるガイド幅が大きくなるよう前側内側面及び後側内側面が上方向に向かうに連れてそれぞれ前方向及び後方向へ傾斜するに連れてそれぞれ前方向及び後方向へ傾斜するように開口する外側ガイド開口部54OUが形成されている。またこの外側ガイド部54Oは、上端部から下端部へ向かうにつれて、すなわち着脱ユニット装着方向へ向かうにつれてガイド幅が狭くなっている。さらにこの外側ガイド部54Oは、下端部のガイド幅が、着脱ユニット70の位置決めポスト78U(後述する)の外形の大きさとほぼ同様に形成されている。
【0035】
外側ガイド部54LOは、着脱ユニット取外状態から着脱ユニット装着方向に沿って移動してきた着脱ユニット70における位置決めポスト78U(図14)を、外側ガイド開口部54OUにより前後方向への移動を徐々に規制しつつ内部へ挿入させる。続いて外側ガイド部54LOは、前後内側面により位置決めポスト78Uの着脱ユニット装着方向への移動をガイドしながら、図9に示すように下端部である外側ガイド位置決め部54OPに位置決めポスト78Uが到達するまで着脱ユニット70を下降させ、外側ガイド位置決め部54OPにおいて下内側面に位置決めポスト78Uを当接させることにより、着脱ユニット70の高さ方向(上下方向、すなわち着脱ユニット着脱方向)の位置決めをし、着脱ユニット装着状態とする。
【0036】
内側ガイド部54LIは、着脱ユニット取外状態から着脱ユニット装着方向に沿って移動してきた着脱ユニット70における位置決めポスト78D(図14)を、内側ガイド開口部54IUにより前後方向への移動を徐々に規制しつつ内部へ挿入させる。続いて内側ガイド部54LIは、前後内側面により位置決めポスト78Dの着脱ユニット装着方向への移動をガイドしながら、図9に示すように位置決めポスト78Uが外側ガイド位置決め部54OPに到達した際に、内側ガイド部54Iの下端部である内側ガイド位置決め部54IP近辺に位置決めポスト78Dが到達するまで着脱ユニット70を下降させ、内側ガイド位置決め部54IPにおいて前後内側面に位置決めポスト78Dを当接させることにより、着脱ユニット装着状態とし、側面視において着脱ユニット70が回転してしまうことを防止する(すなわち回転止めを行う)。
【0037】
リブ52L(図7)とリブ52R(図8)とは、装着空間48における左右方向の中央部を軸として左右対称に形成されているため、リブ52Rについては詳細な説明は省略する。リブ52Rは、リブ52Lの内側リブ面52ILS、外側リブ面52OLS、内側ガイド部54I及び外側ガイド部54Oとほぼ同様の、内側リブ面52IRS、外側リブ面52ORS、内側ガイド部54I及び外側ガイド部54Oが形成されている。
【0038】
以下では、リブ52L及び52Rをまとめてリブ52とも呼び、内側リブ面52ILS及び52IRSをまとめて内側リブ面52ISとも呼び、外側リブ面52OLS及び52ORSをまとめて外側リブ面52OSとも呼び、内側ガイド部54LI及び54RIをまとめて内側ガイド部54Iとも呼び、外側ガイド部54LO及び54ROをまとめて外側ガイド部54Oとも呼び、内側ガイド部54I及び外側ガイド部54Oをまとめてガイド部54とも呼ぶ。このようにリブ52は、装着空間48を挟んで左右方向の両側に設けられている。リブ52は、着脱ユニット装着状態において、着脱ユニット70(図14)における外側面70ISに内側リブ面52ISを当接させることにより、着脱ユニット70の左右方向の位置決めを行う。
【0039】
[2-1-2.ロック部の構成]
図10及び図12に示すようにロック部60は、後側面48Bの上端部から前方へ突出した、側面視で略台形状の部材であり、搬送幅方向に関し間隔を空けて2箇所に設けられている。このロック部60は、着脱ユニット70の爪部82に係止することにより、着脱ユニット装着状態にある着脱ユニット70が容易には着脱ユニット取外方向へ移動しないようにし、着脱ユニット70を給紙カセット12にロックする。それぞれのロック部60には、上側テーパ面60U、下側ロック面60D、前方垂直面60F及び係止角部60Cが形成されている。
【0040】
第2の傾斜面としての上側テーパ面60Uは、ロック部60の上側面であり、後側面48Bと接する上端部から下方へ向かうに連れて前方へ傾斜する前下がりの平面形状である。ここで、着脱ユニット着脱方向(鉛直方向)に対する上側テーパ面60Uの角度は、ロック部側テーパ角度Θ1となっている。前方垂直面60Fは、上側テーパ面60Uの下端部から鉛直方向に沿って下方向へ向かって延び前方を向く平面形状である。下側ロック面60Dは、前方垂直面60Fの下端部から水平方向に沿って後方向へ向かって後側面48Bまで延び下方を向く平面形状である。係止角部60Cは、下側ロック面60Dと前方垂直面60Fとが交わる90[°]の角部である。
【0041】
[3.着脱ユニットの構成]
図14図15及び図16に示すように着脱ユニット70は、カバー72、リタードローラ18、内側フレーム74、外側フレーム75及びばね76により構成されている。
【0042】
[3-1.カバーの構成]
カバー72は、前側面を開放させた略箱型形状であり、上側にカバー上側板部72Uが、後側にカバー後側板部72Bが、左側にカバー左側板部72Lが、右側にカバー右側板部72Rが、下側にカバー底板72Dがそれぞれ形成されており、リタードローラ18、内側フレーム74、外側フレーム75及びばね76を前方及び上方から覆っている。
【0043】
カバー上側板部72Uは、上面において上側搬送ガイド面70USが形成されていると共に、リタードローラ18を外部に露出させる開口であるローラ露出孔72UHが前後方向及び左右方向の中央部に穿設されている。上側搬送ガイド面70USは、着脱ユニット装着状態(図2及び図5)において、前方へ向かうに連れて上方へ傾斜するよう前上がりに形成された面であり、給紙カセット12における用紙搬送ガイド44の上側搬送ガイド面44USとほぼ面一になることにより、用紙集積部42から繰り出された用紙の下側をガイドする。
【0044】
カバー後側板部72Bは、後面において後側搬送ガイド面70BSが形成されている。後側搬送ガイド面70BSは、着脱ユニット装着状態(図2及び図5)において、上下方向に沿って延び後方を向く面であり、給紙カセット12における用紙搬送ガイド44の後側搬送ガイド面44BSとほぼ面一になることにより、用紙集積部42に集積された用紙の前端部をガイドする。
【0045】
カバー左側板部72Lは、左側面において外側面70ISが形成されている。カバー右側板部72Rは、右側面において外側面70ISが形成されている。外側面70ISは、着脱ユニット装着状態(図2及び図5)において、上下方向に沿って延び給紙カセット12における用紙搬送ガイド44の内側面44IS(図6)におけるリブ52に対向するように左右方向の外側を向く面である。またカバー左側板部72Lの右側面からは、外側フレームストッパ72LSが立設している。さらにカバー左側板部72L及びカバー右側板部72Rの左右内側面からは、外側フレーム回動軸72LAが立設している。カバー底板72Dは、ばね76の下端部を固定するばね固定部が形成されている。
【0046】
[3-2.リタードローラの構成]
リタードローラ18は、カバー72の下側に配されており、内側フレーム74に軸支された左右方向に沿うリタードローラ軸18Sを中心として回転する。またリタードローラ18は、カバー上側板部72Uのローラ露出孔72UHを介し後方上側を上側搬送ガイド面70USよりも上方へ露出させている。
【0047】
[3-3.内側フレームの構成]
内側フレーム74は、カバー72と外側フレーム75との間に配されており、左右方向中央部の前後両端部に設けられた、リタードローラ軸18Sに対し直交するよう前後方向に沿う内側フレーム回動軸74Aが、外側フレーム75の内側フレーム軸孔部75Aに挿入されることにより、外側フレーム75に軸支されている。このため内側フレーム74は、内側フレーム回動軸74Aを軸として外側フレーム75に対し前面視で時計回り及び反時計回りに回動する。このように画像形成装置1は、リタードローラ軸18Sに対し直交する内側フレーム回動軸74Aを軸として回動可能に設けることにより、内側フレーム回動軸74Aに軸支されたリタードローラ18を、搬送幅方向の一端から他端までに亘って均一に用紙に当接させることができる。また内側フレーム74は、左右両端部に形成されたリタードローラ軸孔部74Bにリタードローラ軸18Sを嵌め込みことにより、リタードローラ18を軸支する。さらに内側フレーム74は、ばね76の上端部を固定するばね固定部が左右方向の中央部に形成されている。内側フレーム74は、ばね固定部とカバー72のカバー底板72Dとの間に取り付けられたばね76により、リタードローラ18がローラ露出孔72UHから外部へ露出するように、上方へ向けて付勢される。
【0048】
[3-4.外側フレームの構成]
外側フレーム75は、内側フレーム74を挟んでカバー72とは逆側に配されており、左右両端部に穿設されたカバー軸孔部75Bが、カバー72のカバー左側板部72L及びカバー右側板部72Rの外側フレーム回動軸72LAに挿入されることにより、カバー72に軸支されている。このため外側フレーム75は、カバー72の外側フレーム回動軸72LAを軸としてカバー72に対し左側面視で時計回り及び反時計回りに回動する。また外側フレーム75は、内側フレーム74を軸支しているため、ばね76の付勢力が内側フレーム74を介し伝達され、外側フレーム回動軸72LAを軸として左側面視で時計回りに付勢される。また外側フレーム75の左側板部の左側面からは、ストッパ当接部75Cが立設している。
【0049】
外側フレーム75は、ばね76の付勢力に逆らってリタードローラ18が下方向へ向けて押圧されると、左側面視で反時計回りに回動し、ストッパ当接部75Cがカバー左側板部72Lの外側フレームストッパ72LSに当接することにより、それ以上の反時計回りへの回動が規制される。この状態においてさらにリタードローラ18が下方向へ向けて押圧されると、外側フレーム75を介しカバー72も下方向へ押し込まれ、結果として、着脱ユニット70全体が下方向へ押し込まれることとなる。
【0050】
[3-5.ばねの構成]
ばね76は、内側フレーム74とカバー72のカバー底板72Dとの間において圧縮状態で取り付けられており、自然状態に戻ろうとする際の復元力により、リタードローラ18がローラ露出孔72UHから外部へ露出するように、内側フレーム74を上方へ向けて付勢する。
【0051】
このように画像形成装置1は、リタードローラ18のリタードローラ軸18Sとばね76とを着脱ユニット70に設けるようにした。このため画像形成装置1は、給紙カセット12にリタードローラ軸18Sとばね76とを設ける場合と比較して、同一のユニット内に部材を収めることができ、位置精度を向上させ、安定した押圧力を得ることができる。
【0052】
[3-6.位置決めポストの構成]
カバー72の左右それぞれの外側面70ISからは、位置決めポスト78(位置決めポスト78U及び78D)と、連結部79とが、左右方向の外側に向かって突出している。以下では位置決めポスト78U及び78Dをまとめて位置決めポスト78とも呼ぶ。
【0053】
位置決めポスト78Uは、外側面70ISにおける前後方向のほぼ中央部であり上側に配され、着脱ユニット装着方向において外側ガイド部54Oの外側ガイド位置決め部54OPに位置し、略円筒形状の外周面から上下前後方向に向かって突起が突出している。この位置決めポスト78Uは、外側ガイド部54Oの外側ガイド位置決め部54OPにおけるガイド幅と同等の外形の大きさとなっている。
【0054】
この位置決めポスト78Uは、着脱ユニット取外状態から着脱ユニット装着方向に沿って着脱ユニット70が移動すると、外側ガイド開口部54OUにより前後方向への移動が徐々に規制されつつ外側ガイド部54Oの内部へ入り込み、外側ガイド部54Oの前後内側面により着脱ユニット装着方向への移動がガイドされながら、図9に示すように外側ガイド位置決め部54OPの下内側面に当接することにより、着脱ユニット70の高さ方向(上下方向)が位置決めされ、着脱ユニット装着状態となる。
【0055】
位置決めポスト78Dは、位置決めポスト78Uに対し着脱ユニット装着方向側(下側)に配され、着脱ユニット装着方向において内側ガイド部54Iの内側ガイド位置決め部54IPに位置し、略円筒形状であり、位置決めポスト78Uよりも左右方向の長さが短く左右方向の外側に向かって突出している。この位置決めポスト78Dは、内側ガイド部54Iの内側ガイド位置決め部54IPにおけるガイド幅と同等の外形の大きさとなっている。
【0056】
この位置決めポスト78Dは、着脱ユニット取外状態から着脱ユニット装着方向に沿って着脱ユニット70が移動すると、内側ガイド開口部54IUにより前後方向への移動が徐々に規制されつつ内側ガイド部54Iの内部へ入り込み、内側ガイド部54Iの前後内側面により着脱ユニット装着方向への移動がガイドされながら、図9に示すように内側ガイド位置決め部54IPの近辺まで到達し、内側ガイド位置決め部54IPにおいて前後内側面に当接することにより、着脱ユニット装着状態とし、側面視において着脱ユニット70が回転してしまうことを防止する。
【0057】
連結部79は、前後方向に薄い板形状であり、位置決めポスト78Uと位置決めポスト78Dを連結しており、位置決めポスト78Dと同等の高さだけ左右方向の外側に向かって突出している。
【0058】
[3-7.爪部の構成]
図14に示すように、カバー72のカバー後側板部72Bからは、搬送幅方向に関しロック部60と同様の間隔を空けて2箇所に爪部82が設けられている。図12に示すようにこの爪部82は、上端部である根元部82aから下方へ向かって本体部82bが突出しており本体部82bの下側に、ロック部60と係止する係止部82cが形成されている。また爪部82は、根元部82aを支点として係止部82cが前方へ移動するように撓むような弾性変形が可能となっている。この爪部82は、給紙カセット12のロック部60に係止することにより、着脱ユニット装着状態にある着脱ユニット70が容易には着脱ユニット取外方向へ移動しないようにし、着脱ユニット70を給紙カセット12にロックする。それぞれの係止部82cには、上側テーパ面82U、下側テーパ面82D及び後側上下面82Bが形成されている。
【0059】
第1の面としての上側テーパ面82Uは、係止部82cの上側面であり、上端部から下方へ向かうに連れて後方へ傾斜する後下がりの平面形状である。後側上下面82Bは、着脱ユニット装着状態において上側テーパ面82Uの後端部から鉛直方向に沿って下方向へ向かって延び後方を向く平面形状である。
【0060】
第2の面としての下側テーパ面82Dは、後側上下面82Bの下端部から下方へ向かうに連れて前方へ傾斜する平面形状である。ここで、着脱ユニット装着状態における着脱ユニット着脱方向(鉛直方向)に対する下側テーパ面82Dの角度は、ロック部側テーパ角度Θ1よりも鋭角な爪部側テーパ角度Θ2となっている。すなわち下側テーパ面82Dは、上側テーパ面60Uよりも鉛直に近くなっている。以下では、上側テーパ面82U及び下側テーパ面82Dをまとめて第1の傾斜面とも呼ぶ。
【0061】
[3-8.ローラの位置関係]
ここで、図11に示すように、着脱ユニット装着状態及び給紙カセット装着状態において、給紙カセット挿抜方向(水平方向)に対する、リタードローラ18の回転中心であるリタードローラ回転中心部18RCとローラ当接部RCAとを通過する直線である分離ローラ接触線L1の角度である分離ローラ当接角度Θ3は、45[°]<Θ3<90[°]に設定されている。換言すれば、給紙カセット装着状態において、給紙カセット挿抜方向(水平方向)に対する、ローラ当接部RCAを通過しリタードローラ18と分離ローラ16とに接する接線であるローラ接線L2の角度であるローラ接線角度Θ4は、0[°]<Θ3≦45[°]に設定されている。
【0062】
このため画像形成装置1は、着脱ユニット装着状態となった給紙カセット12が筐体2に挿入される際に、着脱ユニット70における爪部82の上側テーパ面82U(図2)が、ユニット装着部46におけるロック部60の下側ロック面60D(図2)よりも下側に位置しておらず、着脱ユニット70が給紙カセット12に対しロックしきれていない、ハーフロック状態であった場合に、分離ローラ16がリタードローラ18に当接すると、分離ローラ16からリタードローラ18に対し、前向きの力と共に下向きの力を印加でき、リタードローラ18が固定された着脱ユニット70を下方向へ押し込み、ハーフロック状態からロック状態へ遷移させることができる。
【0063】
[4.着脱ユニット装着動作]
以下では、新たなリタードローラ18が装着された着脱ユニット70が給紙カセット12のユニット装着部46に装着される着脱ユニット装着動作について説明する。この着脱ユニット装着動作は、リタードローラ18が交換される際に給紙カセット12のユニット装着部46から着脱ユニット70が一旦外されてから行われる。
【0064】
爪部82の下側テーパ面82Dがロック部60の上側テーパ面60Uと上下方向に対向した状態において、図12に示すように、着脱ユニット70は、給紙カセット12に対し、上方から着脱ユニット装着方向へ向かって降ろされていく。このとき、着脱ユニット70における爪部82の下側テーパ面82Dが、ユニット装着部46におけるロック部60の上側テーパ面60Uに当接することにより、爪部82は、係止部82cが前方へ向かうように装着空間48側へ撓む。さらに着脱ユニット70が着脱ユニット装着方向へ降ろされると、着脱ユニット70は、爪部82の後側上下面82Bをロック部60の前方垂直面60Fに当接させた状態で着脱ユニット装着方向へ移動する。
【0065】
引き続き着脱ユニット70が着脱ユニット装着方向へ降ろされると、図13に示すように爪部82の上側テーパ面82Uが、ロック部60の下側ロック面60Dの下側に入り込み始め、さらに着脱ユニット70が着脱ユニット装着方向へ降ろされると、爪部82は、上側テーパ面82Uが、ロック部60の下側ロック面60Dの下側に入り込むことにより、係止部82cが後方へ戻るように撓みが減っていき、上側テーパ面82Uが、ロック部60における係止角部60Cに当接した状態で、ロック部60に係止し、ロック状態となる。このロック状態において着脱ユニット70は、着脱ユニット装着状態となる。
【0066】
このように着脱ユニット70は、爪部82の下側テーパ面82Dがロック部60の上側テーパ面60Uに当接することにより装着空間48側へ誘い込まれつつ、爪部82の上側テーパ面82Uがロック部60の係止角部60Cに係止することにより、着脱ユニット装着状態においてロック状態となる。
【0067】
このロック状態において着脱ユニット70は、ユニット装着部46から容易に外れないように給紙カセット12にロックされるものの、爪部82の上側テーパ面82Uが水平方向に沿った状態でロック部60の水平方向に沿う下側ロック面60Dに当接しているわけではなく、後下がりの状態で上側テーパ面82Uがロック部60における係止角部60Cに当接している。このため着脱ユニット70は、着脱ユニット装着状態において着脱ユニット取外方向へ強く引っ張られると、爪部82の上側テーパ面82Uがロック部60の係止角部60Cに当接しつつ係止部82cが前方へ向かうように装着空間48側へ撓み、爪部82がロック部60から外れ、着脱ユニット取外方向へ移動する。因みに着脱ユニット70は、着脱ユニット装着状態において爪部82の一部分が用紙集積部42側に露出しているため、着脱ユニット取外方向へ引っ張られても爪部82がロック部60から外れない場合、用紙集積部42側から爪部82が前方へユーザにより押されることにより、爪部82がロック部60から外され、着脱ユニット取外方向へ移動する。
【0068】
また、上述したように給紙カセット12のユニット装着部46に着脱ユニット70が装着される場合、着脱ユニット70は、位置決めポスト78U及び78Dが、ユニット装着部46における外側ガイド部54O及び内側ガイド部54I(図9)に入り込むことにより前後方向の位置がガイドされつつ外側ガイド位置決め部54OP及び内側ガイド位置決め部54IPへ向かうように着脱ユニット装着方向へ向かって移動する。続いて、着脱ユニット70が給紙カセット12に対し装着され位置決めされた状態において、位置決めポスト78Uが外側ガイド位置決め部54OPに当接した状態となると共に、位置決めポスト78Dが内側ガイド位置決め部54IPよりも僅かに上側に位置した状態となる。
【0069】
これにより着脱ユニット70は、外側ガイド位置決め部54OPに位置決めポスト78Uが嵌まり込むことにより高さ方向(上下方向、すなわち着脱ユニット着脱方向)の位置が決めされ、内側ガイド位置決め部54IP近傍に位置決めポスト78Dが位置することにより、側面視において回転方向へ回転することが防止され回転止めされる。
【0070】
またこのロック状態において、ユニット装着部46の内側リブ面52IS(内側リブ面52ILS及び52IRS)(図7及び図8)に、着脱ユニット70の外側面70ISが当接することにより、着脱ユニット70は、搬送幅方向の位置が規制される。
【0071】
[5.給紙カセット挿入時動作]
以下では、給紙カセット12が筐体2に挿入される際の給紙カセット挿入時動作について説明する。ここで、着脱ユニット70は、図17(A)に示すように、爪部82の上側テーパ面82U(図12)がロック部60の下側ロック面60D(図12)よりも下側に位置しておらず、給紙カセット12に対しロックされきれていない、ハーフロック状態であるとする。このハーフロック状態において着脱ユニット70は、ユニット装着部46に対しロック状態よりも上方に位置した状態となっている。このハーフロック状態においては、ロック状態よりも、リタードローラ18が上側に位置することとなる。
【0072】
着脱ユニット70がハーフロック状態のまま給紙カセット12が給紙カセット装着方向へ移動し筐体2内部に押し込まれると、図17(B)に示すように、筐体2側に固定された分離ローラ16に、着脱ユニット70のリタードローラ18が当接する。このとき、リタードローラ18における後方上側の箇所に、分離ローラ16における前方下側の箇所が当接する。またこのように分離ローラ16とリタードローラ18とが当接した際に、少なくとも分離ローラ16又はリタードローラ18の何れか一方が回転することにより、画像形成装置1は、分離ローラ16とリタードローラ18同士の摩擦による摩耗を防いでいる。続いて給紙カセット12が給紙カセット装着方向へ移動すると、分離ローラ16からリタードローラ18に着脱ユニット装着方向へ押下する力が伝わる。このため、リタードローラ18からカバー72へ力が伝達し、着脱ユニット70全体がガイド部54にガイドされつつ着脱ユニット装着方向へ押し込まれる。
【0073】
引き続き給紙カセット12が給紙カセット装着方向へ移動すると、着脱ユニット70は分離ローラ16により徐々に着脱ユニット装着方向へ押し込まれ、やがて給紙カセット装着状態になると、図17(C)に示すように、ロック状態となる。
【0074】
画像形成装置1は、着脱ユニット70がロック状態になった状態で給紙カセット12が給紙カセット装着方向へ移動されると、分離ローラ16にリタードローラ18が当接した位置において給紙カセット装着状態とすることができる。一方画像形成装置1は、上述したように、着脱ユニット70がロック状態になっておらず、ハーフロック状態のままで給紙カセット12が給紙カセット装着方向へ移動されたとしても、分離ローラ16がリタードローラ18に当接することにより分離ローラ16で着脱ユニット70を着脱ユニット装着方向へ押し込み、給紙カセット装着状態になるときにはロック状態へ遷移させることができる。
【0075】
[6.効果等]
以上の構成において画像形成装置1は、リタードローラ18を支持する着脱ユニット70を、給紙カセット12に対し着脱可能にした。このため画像形成装置1は、リタードローラ18を含む着脱ユニット70ごとユーザにより交換させることができ、リタードローラ18を容易に交換させることができる。これによりに画像形成装置1は、リタードローラ18が摩耗した際や、用紙の種類に合わせてリタードローラ18を選択するとき等に、リタードローラ18を容易に交換させることができる。
【0076】
また例えば、搬送幅方向に沿い給紙カセットに設けられたリタードローラ支持軸の固定端側から自由端側に向かって、リタードローラを保持するホルダを含む分離ユニットをスライドさせることにより、給紙カセットからリタードローラを外し、リタードローラを交換することも考えられる。しかしながら、そのような構成の場合、リタードローラ支持軸の軸方向、すなわち搬送幅方向へ分離ユニットをスライドさせる必要があるため、搬送幅方向の空間が必要になってしまう。
【0077】
これに対し本実施の形態による画像形成装置1は、リタードローラ軸18Sを着脱ユニット70に設け、給紙カセット12に対し、給紙カセット挿抜方向及び搬送幅方向に直交する鉛直方向である着脱ユニット着脱方向に沿って着脱ユニット70を着脱させるようにした。このため画像形成装置1は、着脱ユニット70を搬送幅方向に移動させる必要がなくなり、リタードローラ18を交換する際に必要な搬送幅方向のスペースを削減できる。
これにより画像形成装置1は、着脱ユニット70の搬送幅方向の両側の広い範囲に亘って用紙搬送ガイド44L及び44Rを形成でき、安定的に用紙を搬送させ、信頼性を向上できる。
【0078】
また画像形成装置1は、給紙カセット12のロック部60を着脱ユニット70の爪部82に係止させてロックすることにより、位置決めされ着脱ユニット装着状態にある着脱ユニット70が容易には着脱ユニット取外方向へ移動しないようにできる。
【0079】
さらに画像形成装置1は、爪部82において、着脱ユニット着脱方向に対し着脱ユニット取外方向へ向かうに連れて装着空間48から離れるよう後方へ傾斜する下側テーパ面82Dを係止部82cの下端面に形成すると共に、着脱ユニット着脱方向に対し着脱ユニット装着方向へ向かうに連れて装着空間48から離れるよう後方へ傾斜する上側テーパ面82Uを係止部82cの上端面に形成するようにした。
【0080】
このため画像形成装置1は、着脱ユニット70が着脱ユニット装着方向へ移動する際にロック部60の上側テーパ面60Uに爪部82の下側テーパ面82Dが当接すると、下側テーパ面82Dに沿って装着空間48側(前方)へ爪部82の係止部82cを付勢することができる。また画像形成装置1は、着脱ユニット70が着脱ユニット取外方向へ移動する際にロック部60の係止角部60Cに爪部82の上側テーパ面82Uが当接し、上側テーパ面82Uに沿って装着空間48側(前方)へ爪部82の係止部82cを付勢することができる。
【0081】
このため画像形成装置1は、着脱ユニット着脱方向に沿って着脱ユニット70を移動させるだけで、係止部82cが前方へ移動するように爪部82を変形させ、ロック部60に対し爪部82を係合させると共に外すことができる。
【0082】
さらに画像形成装置1は、給紙カセット12に着脱ユニット着脱方向に沿う溝であるガイド部54を設け、位置決めポスト78をガイド部54内部に入れた状態で、着脱ユニット70を着脱ユニット装着方向へ移動させるようにした。このため画像形成装置1は、着脱ユニット70における着脱ユニット着脱方向に対し直交する前後方向への移動を規制しつつ、着脱ユニット装着方向への移動をガイドできる。
【0083】
さらに画像形成装置1は、着脱ユニット装着状態において、外側ガイド部54Oの外側ガイド位置決め部54OPに着脱ユニット70の位置決めポスト78Uを位置させ、それ以上の位置決めポスト78Uの着脱ユニット装着方向への移動を規制することにより、着脱ユニット着脱方向に関する着脱ユニット70の位置決めを行うようにした。またさらに画像形成装置1は、着脱ユニット装着状態において、内側ガイド部54Iの内側ガイド位置決め部54IP近傍に着脱ユニット70の位置決めポスト78Dを位置させ、位置決めポスト78Dの前後方向への移動を規制することにより、着脱ユニット70の回転止めを行うようにした。
【0084】
さらに画像形成装置1は、内側ガイド部54Iに、上端部において内側ガイド位置決め部54IPよりもガイド幅が大きくなるよう内側ガイド開口部54IUを形成すると共に、外側ガイド部54Oに、上端部において外側ガイド位置決め部54OPよりもガイド幅が大きくなるよう外側ガイド開口部54OUを形成するようにした。このように画像形成装置1は、着脱ユニット取外方向側から着脱ユニット装着方向へ向かうに連れて、ガイド部54のガイド幅を狭くするようにした。
【0085】
このため画像形成装置1は、着脱ユニット70交換時において着脱ユニット装着方向に向かって着脱ユニット70をユーザが下ろす際に、給紙カセット12に対する着脱ユニット70の前後方向の位置がある程度の範囲内であれば、位置ずれしていたとしても、内側ガイド開口部54IU及び外側ガイド開口部54OUにより、位置決めポスト78U及び78Dの前後方向の位置を誘導できる。これにより画像形成装置1は、ユーザに対し着脱ユニット70を給紙カセット12に容易に取り付けさせることができる。
【0086】
さらに画像形成装置1は、分離ローラ当接角度Θ3を45[°]<Θ3<90[°]とし、給紙カセット12が給紙カセット装着方向へ移動して筐体2に挿入される際に、リタードローラ18の後上側に分離ローラ16を当接させるようにした。このため画像形成装置1は、着脱ユニット70がハーフロック状態のまま給紙カセット12が筐体2に挿入されたとしても、分離ローラ16により着脱ユニット70を着脱ユニット装着方向へ装着位置まで押し込んで着脱ユニット装着状態にさせることができる。これにより画像形成装置1は、着脱ユニット70が交換される際に、給紙カセット12に着脱ユニット70をロック状態までユーザがしっかりと押し込まなくても、ある程度押し込めば、給紙カセット12を筐体2に挿入させるだけで着脱ユニット70を正しく着脱ユニット装着状態にさせることができ、ユーザに対し煩雑な作業なく、リタードローラ18を交換させることができる。
【0087】
以上の構成によれば用紙給紙装置41は、装置本体としての筐体2に対し給紙カセット挿抜方向に沿って挿抜可能な給紙カセット12と、給紙カセット12から給紙された複数の媒体としての用紙Pを分離するローラとしてのリタードローラ18とリタードローラ18の回転軸であるリタードローラ軸18Sを軸支する支持部としての内側フレーム74とを有し給紙カセット12に対して着脱可能な着脱ユニット70とを有し、給紙カセット12は、着脱ユニット70を着脱可能に保持するロック部60と、着脱ユニット70を給紙カセット12の挿抜方向である給紙カセット挿抜方向と異なる着脱方向である着脱ユニット着脱方向にガイドするガイド部54とを有し、着脱ユニット70は、ロック部60と係合する爪部82を有するようにした。
【0088】
これにより画像形成装置1は、リタードローラ18と一体化した着脱ユニット70を、着脱ユニット着脱方向の一方向である着脱ユニット取外方向に向かって移動させ、ロック部60から爪部82を外すことができると共に、ガイド部54によりガイドされながら着脱ユニット着脱方向の他方向である着脱ユニット装着方向に向かって移動させ、ロック部60に爪部82を係合させ、給紙カセット12に装着させることができる。
【0089】
[7.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、着脱ユニット着脱方向を鉛直方向に沿うようにし、給紙カセット装着方向を水平方向に沿うようにする場合について述べた。本発明はこれに限らず、着脱ユニット着脱方向を鉛直方向に対し傾斜させたり、給紙カセット装着方向を水平方向に対し傾斜させたりして良い。
【0090】
また上述した実施の形態においては、分離ローラ当接角度Θ3を45[°]<Θ3<90[°]とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、リタードローラ回転中心部18RCよりも着脱ユニット取外方向側においてリタードローラ18に当接し、給紙カセット装着方向に給紙カセット12を移動させた際にハーフロック状態である着脱ユニット70を着脱ユニット装着状態まで下方向へ押し付けることができれば、分離ローラ当接角度Θ3を他の種々の角度としても良い。
【0091】
さらに上述した実施の形態においては、内側ガイド部54Iに内側ガイド開口部54IUを、外側ガイド部54Oに外側ガイド開口部54OUをそれぞれ形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、内側ガイド部54Iの内側ガイド開口部54IUか又は外側ガイド部54Oの外側ガイド開口部54OUかの少なくとも何れか一方を省略し、形成しなくても良い。
【0092】
さらに上述した実施の形態においては、内側ガイド部54Iにより着脱ユニット70の高さの位置決めを行い、外側ガイド部54Oにより着脱ユニット70の回転止めを行う場合について述べた。本発明はこれに限らず、外側ガイド部54Oにより着脱ユニット70の高さの位置決めを行い、内側ガイド部54Iにより着脱ユニット70の回転止めを行っても良い。
【0093】
さらに上述した実施の形態においては、ロック部60の上側テーパ面60Uを前下がりにする場合について述べた。本発明はこれに限らず、ロック部60の上側テーパ面60Uを水平方向に沿う方向等、種々の形状にしても良い。
【0094】
さらに上述した実施の形態においては、搬送される用紙Pにおける搬送幅方向のほぼ中央部分に1個のピックアップローラ14、分離ローラ16及びリタードローラ18を配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、搬送幅方向の長さよりも短い間隔を空けて、複数個のピックアップローラ14、分離ローラ16及びリタードローラ18を配置しても良い。
【0095】
さらに上述した実施の形態においては、用紙に画像を形成する画像形成装置1の給紙部13に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば用紙に画像を形成せずに、ラベルを貼り付ける装置のフィーダー等に本発明を適用しても良い。
【0096】
さらに上述した実施の形態においては、給紙カセット12から用紙を給紙する給紙部13に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばマルチパーパストレイから用紙を給紙する給紙部に本発明を適用しても良い。
【0097】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ファクシミリ機、MFP(MultiFunction Printer:複合機)、複写機等の装置にも本発明を適用して良い。
【0098】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0099】
さらに上述した実施の形態においては、ユニット保持部としてのロック部60と、ガイド部としてのガイド部54とを有する給紙カセットとしての給紙カセット12と、係合部としての爪部82を有する着脱ユニットとしての着脱ユニット70とによって、媒体搬送装置としての用紙給紙装置41を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるユニット保持部と、ガイド部とを有する給紙カセットと、係合部を有する着脱ユニットとによって、媒体搬送装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、画像形成装置に画像を印刷させるコンピュータの他、イメージスキャナやファクシミリ装置、或いは複写機等、画像に関する種々の処理を行う種々の電子機器でも利用できる。
【符号の説明】
【0101】
1……画像形成装置、2……筐体、10……制御部、12……給紙カセット、13……給紙部、14……ピックアップローラ、16……分離ローラ、18……リタードローラ、18S……リタードローラ軸、18RC……リタードローラ回転中心部、RCA……ローラ当接部、20……搬送ローラ対、22……用紙搬送路、24……搬送ローラ対、26……トナー像形成部、28……中間転写ベルト、30……感光ドラム、32……トナーカートリッジ、34……二次転写ローラ、36……定着部、38……排出ローラ対、40……積載部、41……用紙給紙装置、42……用紙集積部、44……用紙搬送ガイド、44BS……後側搬送ガイド面、44US……上側搬送ガイド面、44IS……内側面、46……ユニット装着部、48……装着空間、48D……底面、48F……前側面、48B……後側面、50……規制部、52、52L、52R……リブ、52IS、52ILS、52IRS……内側リブ面、52OS、52OLS、52ORS……外側リブ面、54……ガイド部、54I、54LI、54RI……内側ガイド部、54IU……内側ガイド開口部、54IP……内側ガイド位置決め部、54O、54LO、54RO……外側ガイド部、54OU……外側ガイド開口部、54OP……外側ガイド位置決め部、60……ロック部、60U……上側テーパ面、60D……下側ロック面、60F……前方垂直面、60C……係止角部、70……着脱ユニット、70BS……後側搬送ガイド面、70US……上側搬送ガイド面、70IS……外側面、72……カバー、72U……カバー上側板部、72UH……ローラ露出孔、72B……カバー後側板部、72L……カバー左側板部、72LA……外側フレーム回動軸、72LS……外側フレームストッパ、72R……カバー右側板部、72D……カバー底板、74……内側フレーム、74A……内側フレーム回動軸、74B……リタードローラ軸孔部、75……外側フレーム、75A……内側フレーム軸孔部、75B……カバー軸孔部、75C……ストッパ当接部、76……ばね、78U、78D……位置決めポスト、79……連結部、82……爪部、82a……根元部、82b……本体部、82c……係止部、82U……上側テーパ面、82B……後側上下面、82D……下側テーパ面、Θ1……ロック部側テーパ角度、Θ2……爪部側テーパ角度、Θ3……分離ローラ当接角度、Θ4……ローラ接線角度、L1……分離ローラ接触線、L2……ローラ接線。

図1
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