(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】画像形成装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 3/54 20060101AFI20231011BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231011BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B41J3/54 Z
B41J29/38 201
B41J29/38 301
G03G21/14
B41J29/38 501
(21)【出願番号】P 2019202022
(22)【出願日】2019-11-07
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】西潟 拓未
(72)【発明者】
【氏名】藤田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】和井田 瑛一
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-184686(JP,A)
【文献】特開2013-024891(JP,A)
【文献】特開2019-078942(JP,A)
【文献】特開平08-160693(JP,A)
【文献】特開2012-066468(JP,A)
【文献】特開2015-098101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0215240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/54
B41J 29/38
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサと、
前記搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサと、
を備え、
前記第1プロセッサは、
前記第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合に、当該第2プロセッサに対して送信した当該第2画像形成部の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの通知を受けてから、前記第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、前記搬送装置に用紙を搬送させ、
当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がない場合に、当該第2プロセッサから当該通知を受けることなく、当該第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、当該搬送装置に用紙を搬送させる
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1プロセッサは、外部から受けた画像形成指示が、前記第2画像形成部が有する色材を用いることなく、前記第1画像形成部が有する色材を用いて画像を形成する指示である場合に、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1プロセッサは、前記画像形成指示を解析することで、前記第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、前記第2画像形成部に異常が生じている場合に、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2プロセッサは、前記第2画像形成部に異常が生じている場合には、異常が生じている旨を前記第1プロセッサに通知し、
前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサから前記異常が生じている旨の通知を受信した場合に前記第2画像形成部に異常が生じていると判断する
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサと通信不可能である場合には、当該第2プロセッサに前記準備指示を出すことなく、前記第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、前記搬送装置に用紙を搬送させる
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1プロセッサは、起動時に、前記第2プロセッサとの間で通信確認を実施し、通信確認が出来なかった場合に当該第2プロセッサと通信不可能であると判断する
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2プロセッサは、前記準備指示を受信した後に、前記第2画像形成部の画像形成準備が完了した場合に前記第1プロセッサに対して前記通知を送信し、
前記第1プロセッサは、前記通知を受信した後に、前記第1画像形成部の画像形成準備を行う
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサに、
前記第1画像形成部とは異なる画像を形成する第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合に、当該第2画像形成部を制御する第2プロセッサに対して送信した当該第2画像形成部の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの通知を受けてから、当該第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、前記搬送装置に用紙を搬送させ、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がない場合に、当該第2プロセッサから当該通知を受けることなく、当該第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、当該搬送装置に用紙を搬送させる機能、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、以下のように構成された印刷制御装置が記載されている。すなわち、印刷手段を分担して制御する複数の印刷制御装置と、前記印刷制御装置からのコマンドに基づいて印刷用のメカニカル機構を駆動制御する駆動制御手段とを備えた印刷装置における印刷制御装置であって、第1のコマンドを入力する入力手段と、前記印刷制御装置の内部で第2のコマンドを生成するコマンド生成手段と、前記第1及び第2のコマンドを取得した順番に管理する管理手段と、前記第1及び第2のコマンドを前記管理された順番で出力する指示手段と、前記指示手段から受け付けたコマンドを前記駆動制御手段へ出力するための出力手段と、前記複数の印刷制御装置の各出力手段にコマンドが揃うと、前記出力手段に当該コマンドを出力させる同期手段と、を備え、前記出力手段は、前記指示手段から受け付けたコマンドが第1コマンドであるか第2コマンドであるかを判定し、前記第1のコマンドであれば前記同期手段による同期をとって当該第1のコマンドを出力し、一方、前記第2のコマンドであれば前記同期手段による同期をとらずに当該第2のコマンドを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、1つの筐体を有する1台の画像形成装置において、1つの筐体の中に、1の用紙にともに画像を形成する2つの画像形成部と、これら2つの画像形成部それぞれを制御する2つの制御部と、を備え、一方の制御部で用紙を搬送する制御を行う構成とすることが考えられる。かかる構成である場合、2つの画像形成部で画像を形成する必要がある画像形成指示が来た場合には、2つの画像形成部による画像形成の準備(以下、「画像形成準備」と称する場合がある。)を行う必要がある。また、前記一方の制御部は、用紙の搬送を開始するにあたり、他方の制御部から、例えば画像形成準備が完了したことの通知を受け取ることが考えられる。
しかしながら、前記一方の画像形成部でのみ画像を形成すれば足りる画像形成指示が来た場合に、用紙の搬送を開始するにあたって前記他方の画像形成部の画像形成準備が必要となると、当該画像形成準備に伴う電力が無駄に消費されてしまう。
本発明は、2つの画像形成部の内の1つの画像形成部において画像を形成する必要がない場合に、2つの画像形成部がともに画像形成準備を行う構成と比較して、当該画像形成準備に伴う消費電力を低減できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサと、前記搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部を制御する第2プロセッサと、を備え、前記第1プロセッサは、前記第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合に、当該第2プロセッサに対して送信した当該第2画像形成部の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの通知を受けてから、前記第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、前記搬送装置に用紙を搬送させ、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がない場合に、当該第2プロセッサから当該通知を受けることなく、当該第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、当該搬送装置に用紙を搬送させる画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記第1プロセッサは、外部から受けた画像形成指示が、前記第2画像形成部が有する色材を用いることなく、前記第1画像形成部が有する色材を用いて画像を形成する指示である場合に、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断する請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記画像形成指示を解析することで、前記第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断する請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記第2画像形成部に異常が生じている場合に、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断する請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第2プロセッサは、前記第2画像形成部に異常が生じている場合には、異常が生じている旨を前記第1プロセッサに通知し、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサから前記異常が生じている旨の通知を受信した場合に前記第2画像形成部に異常が生じていると判断する請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサと通信不可能である場合には、当該第2プロセッサに前記準備指示を出すことなく、前記第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、前記搬送装置に用紙を搬送させる請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第1プロセッサは、起動時に、前記第2プロセッサとの間で通信確認を実施し、通信確認が出来なかった場合に当該第2プロセッサと通信不可能であると判断する請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記第2プロセッサは、前記準備指示を受信した後に、前記第2画像形成部の画像形成準備が完了した場合に前記第1プロセッサに対して前記通知を送信し、前記第1プロセッサは、前記通知を受信した後に、前記第1画像形成部の画像形成準備を行う請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、用紙を搬送する搬送装置と、当該搬送装置が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部とを制御する第1プロセッサに、前記第1画像形成部とは異なる画像を形成する第2画像形成部にて画像を形成する必要がある場合に、当該第2画像形成部を制御する第2プロセッサに対して送信した当該第2画像形成部の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた当該第2プロセッサからの通知を受けてから、当該第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、前記搬送装置に用紙を搬送させ、当該第2画像形成部にて画像を形成する必要がない場合に、当該第2プロセッサから当該通知を受けることなく、当該第1画像形成部の画像形成準備を行うとともに、当該搬送装置に用紙を搬送させる機能、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、第2画像形成部にて画像を形成する必要がない場合に、第2画像形成部の画像形成準備を行う構成と比較して、当該画像形成準備に伴う消費電力を低減できる。
請求項2の発明によれば、色材以外の要素を用いて判断する場合と比較して、精度高く判断することができる。
請求項3の発明によれば、例えば第2プロセッサからの通知を受ける場合と比較して、精度高く第2画像形成部にて画像を形成する必要がないと判断することができる。
請求項4の発明によれば、異常が解消し、第2プロセッサから通知を受けるまで待機するよりも早期に画像形成装置にて画像形成が完了される。
請求項5の発明によれば、第1プロセッサは、自身で第2画像形成部に異常が生じているか否かを確認するよりも、確度高く判断することができる。
請求項6の発明によれば、第2プロセッサと通信可能となり、第2プロセッサから通知を受けるまで待機するよりも早期に画像形成装置にて画像形成が完了される。
請求項7の発明によれば、第1プロセッサは、自身のみの処理で第2プロセッサと通信可能であるか否かを確認するよりも、確度高く判断することができる。
請求項8の発明によれば、通知を受信する前に、第1画像形成部の画像形成準備を行うのと比較して、第1画像形成部が待機状態である期間が短くて済む。
請求項9の発明によれば、第2画像形成部にて画像を形成する必要がない場合に、第2画像形成部の画像形成準備を行う構成と比較して、当該画像形成準備に伴う消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係る画像形成装置の内部構造の概略構成の一例を示す図である。
【
図2】第1制御部及び第2制御部のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【
図3】第1制御部及び第2制御部が行う処理手順の一例を示す図である。
【
図4】第1制御部と第2制御部とが通信を行うことができる場合の処理手順の一例を示す図である。
【
図5】第1制御部と第2制御部とが通信を行うことができない場合の処理手順の一例を示す図である。
【
図6】第2画像形成部で画像を形成する必要がない場合の処理手順の一例を示す図である。
【
図7】第2画像形成部にエラーが発生している場合の処理手順の一例を示す図である。
【
図8】第1主制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1主制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2主制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態に係る画像形成装置1の内部構造の概略構成の一例を示す図である。
画像形成装置1は、記録材の一例としての用紙に画像を形成する第1画像形成部10と、用紙に画像を形成する第2画像形成部20と、を備えている。また、画像形成装置1は、用紙を保持する用紙保持部30と、用紙保持部30に保持された用紙を第1画像形成部10等に搬送する用紙搬送装置40と、を備えている。また、画像形成装置1は、用紙上に形成されたトナー像を加熱及び加圧して定着する定着装置50と、定着装置50にてトナー像が定着されることで画像が形成された用紙を積載する用紙積載部60と、情報の表示等を行うユーザインタフェース(以下、「UI」と称する場合がある。)70と、を備えている。また、画像形成装置1は、第1画像形成部10、用紙搬送装置40、定着装置50等を制御する第1制御部100と、第2画像形成部20を制御する第2制御部200と、を備えている。
【0009】
第1画像形成部10は、一定の間隔をおいて並列的に配置され、収納されたトナーの色のトナー像を形成する4つの画像形成ユニット11を備えている。各画像形成ユニット11は、トナー像を保持する感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を帯電する帯電器13と、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を各色画像データに基づき露光して感光体ドラム12上に静電潜像を形成するLED(Light Emitting Diode)プリントヘッド14と、を備えている。また、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12を清掃するドラムクリーナ16と、を備えている。本実施の形態に係る4つの画像形成ユニット11は、それぞれ現像器15が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナーを収納しており、それぞれの色のトナー像を形成する。
【0010】
さらに、第1画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト17を備えている。また、第1画像形成部10は、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト17に順次転写(一次転写)する一次転写ロール18と、中間転写ベルト17上に重畳して転写された各色トナー像を用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール19と、を備えている。
【0011】
第2画像形成部20は、第1画像形成部10と同様に、4つの画像形成ユニット21と、中間転写ベルト27と、一次転写ロール28と、二次転写ロール29と、を備えている。各画像形成ユニット21は、画像形成ユニット11と同様に、感光体ドラム22と、帯電器23と、LEDプリントヘッド24と、現像器25と、ドラムクリーナ26と、を備えている。本実施の形態に係る4つの画像形成ユニット21は、それぞれ現像器25が、白、金、銀、クリアのトナーを収納しており、それぞれの色のトナー像を形成する。なお、各画像形成ユニット21の現像器25が収納するトナーの色は、上記色に限定されない。例えば、赤、青、緑であっても良い。
【0012】
用紙搬送装置40は、上下方向に離れて配置された上ロール41及び下ロール42と、上ロール41及び下ロール42に架け渡された搬送ベルト43と、を備えている。また、用紙搬送装置40は、用紙保持部30に保持された用紙を搬送ベルト43の方へ供給する供給ロール44と、供給ロール44と搬送ベルト43との間に配置された搬送ロール45と、を備えている。また、用紙搬送装置40は、搬送する用紙の通過を検出するセンサ46を複数備えている。
定着装置50は、搬送されてきた用紙を加熱する加熱ロール51と、加熱ロール51に押し当てられ加熱ロール51との間に加圧部を形成するベルトモジュール52と、を備えている。定着装置50は、トナー像が形成された用紙を加圧部にて加圧及び加熱することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。
また、UI70は、表示パネル等により構成され、ユーザからの情報を受け付けるとともに、ユーザに対して情報を表示する。
【0013】
以上のように構成された画像形成装置1は以下のように作動する。
第1画像形成部10の画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された4色のトナー像は、一次転写ロール18によって、中間転写ベルト17上に一次転写され、中間転写ベルト17上には、4色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。そして、中間転写ベルト17上のこの重畳トナー像は、中間転写ベルト17の移動に伴って二次転写ロール19が配置された二次転写部に搬送される。
第1画像形成部10の重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、そのタイミングに合わせて用紙保持部30から用紙が二次転写部に供給される。そして、重畳トナー像は、二次転写部にて、二次転写ロール19が形成する転写電界により、搬送されてきた用紙上に一括して二次転写される。
【0014】
一方、第2画像形成部20の画像形成ユニット21の感光体ドラム22に形成された、他の4色のトナー像は、一次転写ロール28によって、中間転写ベルト27上に一次転写され、中間転写ベルト27上には、他の4色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。そして、中間転写ベルト27上のこの重畳トナー像は、中間転写ベルト27の移動に伴って二次転写ロール29が配置された二次転写部に搬送される。
第2画像形成部20の重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、そのタイミングに合わせて、第1画像形成部10にて重畳トナー像が静電転写された用紙がこの二次転写部に供給される。そして、第2画像形成部20の重畳トナー像は、二次転写部にて、二次転写ロール29が形成する転写電界により、搬送されてきた第1画像形成部10にて重畳トナー像が静電転写された用紙における重畳トナー像上に一括して二次転写される。
【0015】
その後、第1画像形成部10の重畳トナー像と、第2画像形成部20の重畳トナー像とが重畳された重畳トナー像が静電転写された用紙は、定着装置50まで搬送される。定着装置50に搬送された用紙上のトナー像は、定着装置50によって加熱及び加圧され、用紙上に定着される。そして、定着画像が載った用紙は、画像形成装置1の用紙積載部60へ搬送される。
【0016】
図2は、第1制御部100及び第2制御部200のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
(第1制御部100)
第1制御部100は、第1画像形成部10、用紙搬送装置40、定着装置50等の動作を制御する第1主制御部110と、第1主制御部110の制御のもとこれらの装置の動作を制御する第1従制御部120と、を備えている。
【0017】
第1主制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、半導体メモリ等の記憶部114と、外部装置との通信に用いられる通信部115と、を備えている。通信部115は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
ROM112には、CPU111により実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPU111は、RAM113を作業エリアに使用し、ROM112や記憶部114から読み出したプログラムを実行する。CPU111がプログラムを実行することにより、以下に述べる、第1主制御部110の機能が実現される。
【0018】
第1主制御部110は、通信部115を介して、第1従制御部120、第2制御部200及びUI70と、情報の送受信を行う。
また、第1主制御部110は、通信部115を介して、例えばユーザが使用するユーザ端末(例えばPC(Personal Computer))からの画像形成指示を受信する。第1主制御部110は、受信した画像形成指示を解析する。画像形成指示は、形成すべき画像のデータである画像データ及び指示された画像形成の設定が含まれる。なお、画像形成の設定は、画像を形成すべき用紙のサイズや材質、使用する色材の色の指定であることを例示することができる。
【0019】
また、第1主制御部110は、受信した画像データに対し予め定めた画像処理を施す。第1主制御部110は、第1画像形成部10の再現色、つまり、第1画像形成部10の色材であるトナーの色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K))であるYMCKデータに変換して出力する。このYMCKデータは、色毎に分離されたY色データ、M色データ、C色データ、K色データで構成される。
また、第1主制御部110は、受信した画像形成指示に係る用紙のサイズや材質を第1従制御部120に通知する。
【0020】
第1従制御部120は、第1主制御部110と同様に、CPU121と、ROM122と、RAM123と、記憶部124と、通信部125と、を備えている。CPU121は、RAM123を作業エリアに使用し、ROM122や記憶部124から読み出したプログラムを実行することにより、以下に述べる、第1従制御部120の機能が実現される。
第1従制御部120は、第1主制御部110との間で制御情報の受け渡しを行って、第1画像形成部10における露光、現像、転写の各プロセスや、用紙搬送装置40による転写タイミングに合わせた用紙の繰出し及び搬送、定着装置50によるトナー画像の定着等の制御を行う。
【0021】
また、第1従制御部120は、第1画像形成部10が有するトナーのトナー切れや、用紙搬送装置40における紙詰まりの発生等の、エラーが発生していることの情報を取得する。第1従制御部120は、これらのエラー情報を、第1主制御部110に通知する。第1主制御部110は、これらのエラー情報を、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。そして、例えば、エラーがトナー切れである場合には、トナーが補充されると、第1従制御部120は、発生していたエラーが解消したことの情報を取得する。また、例えば、エラーが紙詰まりである場合には、紙詰まりが解消されると、第1従制御部120は、発生していたエラーが解消したことの情報を取得する。そして、第1従制御部120は、エラーが解消したことを、第1主制御部110に通知する。第1主制御部110は、エラーが解消したことを、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。
【0022】
(第2制御部200)
第2制御部200は、第2画像形成部20の動作を制御する第2主制御部210と、第2主制御部210の制御のもと第2画像形成部20の動作を制御する第2従制御部220と、を備えている。
【0023】
第2主制御部210は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、半導体メモリ等の記憶部214と、外部装置との通信に用いられる通信部215と、を備えている。
ROM212には、CPU211により実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPU211は、RAM213を作業エリアに使用し、ROM212や記憶部214から読み出したプログラムを実行する。CPU211がプログラムを実行することにより、以下に述べる、第2主制御部210の機能が実現される。
【0024】
第2主制御部210は、通信部215を介して、第2従制御部220、第1制御部100及びUI70と、情報の送受信を行う。
また、第2主制御部210は、通信部215を介して、例えばユーザ端末(例えばPC)からの画像形成指示を受信する。第2主制御部210は、受信した画像形成指示を解析する。画像形成指示には、形成すべき画像のデータである画像データや、指示された画像形成の設定などが含まれている。
【0025】
また、第2主制御部210は、受信した画像データに対し予め定めた画像処理を施す。第2主制御部210は、第2画像形成部20の再現色、つまり、第2画像形成部20の色材であるトナーの色(白、金、銀、クリア)である、白色データ、金色データ、銀色データ、クリアデータに変換して出力する。
また、第2主制御部210は、受信した画像形成指示に係る用紙のサイズや材質を第2従制御部220に通知する。
【0026】
第2従制御部220は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、記憶部224と、通信部225と、を備えている。CPU221は、RAM223を作業エリアに使用し、ROM222や記憶部224から読み出したプログラムを実行することにより、以下に述べる、第2従制御部220の機能が実現される。
第2従制御部220は、第2主制御部210との間で制御情報の受け渡しを行って、第2画像形成部20における露光、現像、転写等の制御を行う。
【0027】
また、第2従制御部220は、第2画像形成部20が有するトナーのトナー切れのエラーが発生していることの情報を取得する。第2従制御部220は、エラー情報を、第2主制御部210に通知する。第2主制御部210は、これらのエラー情報を、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。そして、例えば、エラーがトナー切れである場合には、トナーが補充されると、第2従制御部220は、発生していたエラーが解消したことの情報を取得する。そして、第2従制御部220は、エラーが解消したことを、第2主制御部210に通知する。第2主制御部210は、エラーが解消したことを、UI70の表示パネルに表示させることでユーザに報知する。
【0028】
また、本実施の形態においては、第2主制御部210は、第2従制御部220から、第2画像形成部20にエラーが発生している旨のエラー情報を取得した場合には、そのエラー情報を第1主制御部110に送信する。また、第2主制御部210は、第2従制御部220から、第2画像形成部20に発生していたエラーが解消した旨の情報を取得した場合には、解消した情報を第1主制御部110に送信する。
【0029】
(第1制御部100と第2制御部200との連携について)
第1制御部100と第2制御部200とは、起動後、相互に情報を送受信し、第1制御部100の制御のもと作動する用紙搬送装置40が搬送する用紙に対して、第1画像形成部10が4色の重畳トナー像を二次転写させるとともに、第2画像形成部20が他の4色の重畳トナー像を二次転写させる。以下、第1画像形成部10が用紙に4色の重畳トナー像を二次転写することを、「第1画像形成部10が画像を形成する」と称する場合がある。また、以下、第2画像形成部20が用紙に他の4色の重畳トナー像を二次転写することを、「第2画像形成部20が画像を形成する」と称する場合がある。
【0030】
以下に、第1制御部100及び第2制御部200が行う処理手順について説明する。
図3は、第1制御部100及び第2制御部200が行う処理手順の一例を示す図である。
第1主制御部110は、通信部115を介して、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信する(S301)と、第1従制御部120に対して、指示された画像形成の設定を通知する(S302)。これにより、第1従制御部120は、画像形成の設定を取得する(S303)。
その後、第1主制御部110は、第1画像形成部10のトナー切れや紙詰まり等のエラーが発生しているか否かを判断する(S304)。エラーが発生していない場合(S304でno)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S305)。一方、エラーが発生している場合(S304でyes)、第1主制御部110は、エラーが解消するまで待機する。
【0031】
第2主制御部210は、第1主制御部110が送信した準備指示を受信する(S306)。その後、第2主制御部210は、通信部215を介して、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信している(S307)ことを条件に、第1従制御部120に対して、画像形成の設定を通知する(S308)。これにより、第2従制御部220は、画像形成の設定を取得する(S309)。なお、画像形成指示の受信(S307)は、第1主制御部110からの準備指示の受信(S306)よりも先であっても良い。
【0032】
その後、第2主制御部210は、第2画像形成部20にトナー切れ等のエラーが発生しているか否かを判断する(S310)。エラーが発生していない場合(S310でno)、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S311)。第2従制御部220は、準備指示を取得(S312)後、第2画像形成部20に画像形成準備を指示する(S313)。画像形成準備は、画像形成部が用紙に画像を形成するにあたり行う準備の動作であり、現像器25等のウォームアップ、画質調整処理、劣化したトナーの自発的な廃棄動作等であることを例示することができる。いずれも、電力消費を伴う動作であり、トナーの消費を伴う動作もある。そして、第2画像形成部20は、画像形成準備が完了次第、待機状態となる。一方、エラーが発生している場合(S310でyes)、第2主制御部210は、エラーが解消するまで待機する。
【0033】
第2主制御部210は、第2画像形成部20の画像形成準備が完了した場合に、第1主制御部110に対して、準備が完了した旨の完了通知を送信する(S314)。
第1主制御部110は、第2主制御部210からの完了通知を受信(S315)後に、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。第1従制御部120は、準備指示を取得(S317)後、第1画像形成部10に画像形成準備を指示する(S318)。画像形成準備は、現像器15等のウォームアップ、画質調整処理、劣化したトナーの自発的な廃棄動作等であることを例示することができる。そして、第1画像形成部10は、画像形成準備が完了次第、待機状態となる。
【0034】
第1従制御部120は、第1画像形成部10の画像形成準備が完了した場合に、用紙搬送装置40に用紙を搬送開始させる(S319)とともに、第1画像形成部10に、搬送されてきた用紙に画像を形成させる(S320)。
第2従制御部220は、第2画像形成部20に、搬送されてきた用紙に画像を形成させる(S321)。
そして、第1従制御部120は、定着装置50に、搬送された用紙上のトナー像を定着させるとともに、定着後の用紙を用紙積載部60に排出し、画像形成を完了させる(S322)。
その後、第1従制御部120は、画像形成が完了した旨を第1主制御部110に通知する(S323)。第1主制御部110は、完了通知を取得(S324)後、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S325)。
【0035】
第2主制御部210は、完了通知を受信(S326)後、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信する(S327)。
第1主制御部110は、完了通知を受信した旨を受信(S328)後、画像形成動作を終了する(S329)。なお、この画像形成動作の終了には、第1画像形成部10におけるトナー像の形成動作の終了と、RAM113や記憶部114に保持された、今回の画像形成に伴う情報の消去処理と、が含まれる。
第2主制御部210は、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信した(S327)後、画像形成動作を終了する(S330)。なお、この画像形成動作の終了には、第2画像形成部20におけるトナー像の形成動作の終了と、RAM213や記憶部214に保持された、今回の画像形成に伴う情報の消去処理と、が含まれる。
【0036】
このように、本実施の形態においては、第1制御部100と第2制御部200とを連携させて画像形成を行う。
例えば、第1主制御部110は、自身の制御対象である第1画像形成部10や用紙搬送装置40にエラーが発生していない場合に、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S305)。第2主制御部210は、この準備指示を受信した(S306)後、自身の制御対象である第2画像形成部20にエラーが発生していない場合に、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S311)。また、第2主制御部210は、第2画像形成部20の画像形成準備が完了した場合に、第1主制御部110に対して、準備が完了した旨の完了通知を送信する(S314)。第1主制御部110は、この完了通知を受信した(S315)後、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示等を通知する(S316)。
【0037】
これにより、例えば第1制御部100と第2制御部200とを連携させずに、ともに独立して動作させることに起因して、第1画像形成部10による画像形成動作開始時期と、第2画像形成部20による画像形成動作開始時期とがずれることを抑制する。例えば、第2画像形成部20の画像形成準備が完了していないにも関わらず、用紙搬送装置40による用紙搬送や第1画像形成部10による画像形成動作が開始されてしまい、第2画像形成部20による画像形成動作が間に合わないことを抑制する。
また、第1画像形成部10や用紙搬送装置40にエラーが発生しているにも関わらず、第2画像形成部20が長時間に亘って待機状態であることに起因して電力が無駄に消費されることを抑制する。また、第2画像形成部20にエラーが発生しているにも関わらず、第1画像形成部10が長時間に亘って待機状態であることに起因して電力が無駄に消費されることを抑制する。
【0038】
また、本実施の形態においては、画像形成が完了した後、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S325)。そして、第2主制御部210は、完了通知を受信(S326)後、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信する(S327)。
これにより、第1制御部100と第2制御部200とをともに独立して動作させることに起因して、第2制御部200が、定着装置50による定着も終了し、画像形成が完了したことを把握できないことを抑制する。
【0039】
ところが、以上説明した、第1制御部100と第2制御部200との連携においては、画像形成装置1が受けた画像形成指示が、例えば、第1画像形成部10では画像形成を行う必要があるが、第2画像形成部20では画像形成を行う必要がない場合には、以下に述べる不具合が生じる。
第1主制御部110は、第2主制御部210から完了通知を受信した(S315)後でなければ、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知することができず、第1画像形成部10での画像形成ができない。そして、第2主制御部210は、第2画像形成部20の画像形成準備が完了した場合でなければ完了通知を送信する(S314)ことができない。そのため、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合であっても、第2画像形成部20の画像形成準備を行う必要がある。その結果、第2画像形成部20の画像形成準備に伴う電力が無駄に消費されてしまう。なお、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合とは、ユーザがユーザ端末上で、プリンタドライバを介して、第1画像形成部10での画像形成のみを指定した場合であることを例示することができる。例えば、第1画像形成部10が有する色のみを使用することが指定された場合である。かかる場合には、第1主制御部110が受信する画像形成指示には、第1画像形成部10での画像形成のみを行い、第2画像形成部20での画像形成は行わない旨の情報が含まれている。また、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合とは、例えば、第1画像形成部10が有する色のみを使用した、通信管理レポート等のレポートを画像形成する指示であることを例示することができる。通信管理レポートが黒(K)色のみを使用するレポートである場合には、第1主制御部110が受信する画像形成指示は、第2画像形成部20が有するトナーを用いることなく、第1画像形成部10が有するトナーの内の黒(K)色のトナーのみを用いて画像形成する指示である。
【0040】
また、第2画像形成部20にトナー切れ等のエラーが発生している場合(S310でyes)には、エラーが解消するまで、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合であっても、第1画像形成部10での画像形成ができない。
また、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合であっても、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行った後でなければ第1画像形成部10での画像形成ができないため、画像形成が完了するまでの処理時間が長くなる。
また、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行うことができない場合には、第1主制御部110は、第2主制御部210から完了通知を受信することができないため、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合であっても、第1画像形成部10での画像形成ができない。
【0041】
以上の事項に鑑み、第1主制御部110は、起動後、第2主制御部210との通信を行うことが可能かどうかを確認するための確認信号を、第2主制御部210に対して送信する。そして、第2主制御部210は、第1主制御部110からの確認信号を受信した後に、第1主制御部110に対して応答信号を送信する。そして、第1主制御部110は、第2主制御部210からの応答信号を受信した場合に、第2制御部200と通信を行うことができると判断する。
【0042】
図4は、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行うことができる場合の処理手順の一例を示す図である。
図3に示した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。なお、
図4においては、S319以降の処理を省略している。
第1主制御部110は、起動後、第2主制御部210との通信を行うことが可能かどうかを確認するための確認信号を、第2主制御部210に対して送信する(S431)。第2主制御部210は、第1主制御部110からの確認信号を受信した(S432)後に、応答信号を、第1主制御部110に対して送信する(S433)。そして、第1主制御部110は、第2主制御部210から、応答信号を受信する(S434)。
【0043】
そして、第1主制御部110は、通信部115を介して、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信した(S301)後に、第2主制御部210からの応答信号を受信済みであるか否かを判断する(S435)。
図4は、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行うことができる場合の処理手順の一例であるので、第1主制御部110は、応答信号を受信済みであると判断し、上述したS302以降の処理を行う。
【0044】
図5は、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行うことができない場合の処理手順の一例を示す図である。
図3に示した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
第1主制御部110は、起動後、第2主制御部210との通信を行うことが可能かどうかを確認するための確認信号を、第2主制御部210に対して送信する(S431)。
図5に示す例では、第2制御部200と通信を行うことができないので、第1主制御部110は、応答信号を受信しない。
そして、第1主制御部110は、通信部115を介して、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信した(S301)後に、第2主制御部210からの応答信号を受信済みであるか否かを判断する(S435)。そして、応答信号を受信していない場合(S435でno)、第1従制御部120に対して、指示された画像形成の設定を第1従制御部120に通知した(S302)後、エラーが発生していない場合(S304でno)、上述したS305の処理を行うことなく、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。つまり、第1主制御部110は、第2主制御部210からの完了通知を受信することなく、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。
また、第1主制御部110は、第1従制御部120から完了通知を取得(S324)後、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信することなく(S325の処理を行うことなく)、画像形成動作を終了する(S329)。
【0045】
図6は、第2画像形成部20で画像を形成する必要がない場合の処理手順の一例を示す図である。
図6は、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行うことができる場合の処理手順であり、
図3に示した処理手順と異なる点を示している。
図3に示した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
第1主制御部110は、第1画像形成部10でのみ画像を形成することが明白な画像形成指示を受信した(S301)場合には、以下のようにする。すなわち、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、指示された画像形成の設定を通知した(S302)後、エラーが発生していない場合(S304でno)、上述したS305の処理を行うことなく、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。つまり、第1主制御部110は、第1画像形成部10でのみ画像を形成することが明白な画像形成指示を受信した場合には、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信することなく、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。
【0046】
これにより、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知しない。その結果、第2従制御部220は、第2画像形成部20に画像形成準備を指示しないので、第2画像形成部20に画像形成準備をさせることなく、第1画像形成部10でのみ画像を形成することが可能となる。それゆえ、第2画像形成部20の画像形成準備に伴う電力が無駄に消費されなくなる。
【0047】
また、第1主制御部110は、第1画像形成部10でのみ画像を形成することが明白な画像形成指示を受信した場合には、第2主制御部210からの完了通知を受信することなく、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。これにより、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して準備指示を送信(S305)したり、第2主制御部210からの完了通知の受信(S315)を待ったりする必要がないので、画像形成が完了するまでの処理時間が短くなる。
【0048】
なお、第1主制御部110が第1画像形成部10でのみ画像を形成することが明白な画像形成指示を受信した場合には、第2主制御部210がこの画像形成指示を受信することはない。それゆえ、第1主制御部110は、第1従制御部120から完了通知を取得(S324)後、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信することなく(S325の処理を行うことなく)、画像形成動作を終了する(S329)。ただし、ユーザ端末のプリンタドライバの仕様が、第1画像形成部10でのみ画像を形成することが明白な画像形成指示であっても、第2主制御部210に対しても送信する仕様である場合には、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信しても良い。そして、第2主制御部210は、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信した後、画像形成動作を終了すると良い。
【0049】
図7は、第2画像形成部20にエラーが発生している場合の処理手順の一例を示す図である。
図7は、第1制御部100と第2制御部200とが通信を行うことができる場合の処理手順であり、
図3に示した処理手順と異なる点を示している。また、第1主制御部110が画像形成指示を受信する前に、第2画像形成部20にエラーが発生している情報を取得し、そのエラーが解消している旨の情報を取得していない場合についての処理を示している。
図3に示した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
第2画像形成部20にエラーが発生している場合、第2主制御部210は、エラー情報を第1主制御部110に送信する(S711)。そして、第1主制御部110は、第2主制御部210が送信したエラー情報を受信する(S712)。
そして、第1主制御部110は、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信した(S301)ときに、第2画像形成部20にエラーが発生している情報を取得している場合には、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断して、以下のようにする。すなわち、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、指示された画像形成の設定を通知した(S302)後、エラーが発生していない場合(S304でno)、上述したS305の処理を行うことなく、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。つまり、第1主制御部110は、第2画像形成部20にエラーが発生している場合には、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信することなく、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。
【0051】
これにより、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知しない。その結果、第2従制御部220は、第2画像形成部20に画像形成準備を指示しないので、第2画像形成部20に画像形成準備をさせることなく、第1画像形成部10でのみ画像を形成することが可能となる。それゆえ、第2画像形成部20の画像形成準備に伴う電力が無駄に消費されなくなる。
【0052】
また、第1主制御部110は、第2画像形成部20にエラーが発生している場合には、第2主制御部210からの完了通知を受信することなく、第1従制御部120に対して、第1画像形成部10の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S316)。これにより、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して準備指示を送信(S305)したり、第2主制御部210からの完了通知の受信(S315)を待ったりする必要がないので、画像形成が完了するまでの処理時間が短くなる。
【0053】
なお、第2主制御部210は、第2画像形成部20にエラーが発生している場合であっても、画像形成指示を受信する(S307)ことから、画像形成が完了した後、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S325)等、S325以降の処理を行う。また、第2主制御部210は、完了通知を受信(S326)後、完了通知を受信した旨を、第1主制御部110に対して送信し(S327)、画像形成動作を終了する(S330)。
【0054】
以下に、本実施の形態に係る第1主制御部110が行う処理を、フローチャートを用いて説明する。
図8は、第1主制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。第1主制御部110は、この処理を、起動後、実行する。
第1主制御部110は、起動後、第2主制御部210との通信を行うことが可能かどうかを確認するための確認信号を、第2主制御部210に対して送信する(S801)。このS801の処理は、
図4を用いて説明したS431の処理に相当する。その後、第1主制御部110は、第2主制御部210からの応答信号を受信したか否かを判断する(S802)。応答信号を受信した場合(S802でyes(この処理が、
図4を用いて説明したS434の処理に相当する))、第1主制御部110は、RAM113に、通信可フラグをONに設定する(S803)。
【0055】
一方、応答信号を受信していない場合(S802でno)、第1主制御部110は、確認信号を送信後に予め定められた期間が経過したか否かを判断する(S804)。予め定められた期間が経過していない場合(S804でno)、S802以降の処理を行う。他方、予め定められた期間が経過した場合(S804でno)、第1主制御部110は、RAM113に、通信可フラグをOFFに設定する(S805)。
なお、第1主制御部110は、この
図8の処理を、起動後、予め設定された一定時間(例えば10分)ごとに繰り返し実行しても良い。
【0056】
図9は、第1主制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。第1主制御部110は、この処理を、起動後、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
第1主制御部110は、先ず、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信したか否かを判断する(S901)。画像形成指示を受信した場合(S901でyes)、第1従制御部120に対して、指示された画像形成の設定を通知する(S902)。
【0057】
その後、第1主制御部110は、エラーが発生しているか否かを判断する(S903)。このS903の処理は、
図3を用いて説明したS304の処理に相当する。エラーが発生していない場合(S903でno)、第1主制御部110は、RAM113に設定された通信可フラグがONであるか否かを判断する(S904)。他方、エラーが発生している場合(S903でyes)、第1主制御部110は、エラーが解消するまで待機する。
【0058】
S904の処理で、通信可フラグがONである場合(S904でyes)、第1主制御部110は、第2画像形成部20で画像を形成する必要が有るか否かを判断する(S905)。そして、第2画像形成部20で画像を形成する必要が有る場合(S905でyes)、第2画像形成部20にエラーが発生しているか否かを判断する(S906)。第2画像形成部20にエラーが発生していない場合(S906でno)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する(S907)。このS907の処理は、
図3を用いて説明したS305の処理に相当する。
【0059】
その後、第1主制御部110は、第2主制御部210からの完了通知を受信したか否かを判断する(S908)。そして、完了通知を受信した場合(S908でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS315の処理に相当する))、第1主制御部110は、第1従制御部120に対して、画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S909)。これにより、画像形成装置1にて画像形成が行われる。他方、完了通知を受信していない場合(S908でno)、完了通知を受信するまで待機する。
【0060】
その後、第1主制御部110は、第1従制御部120から、画像形成が完了した旨の完了通知を取得したか否かを判断する(S910)。そして、完了通知を取得した場合(S910でyes)、第1主制御部110は、第2主制御部210に対して、画像形成が完了した旨の完了通知を送信する(S911)。このS911の処理は、
図3を用いて説明したS325の処理に相当する。
その後、第1主制御部110は、第2主制御部210から、完了通知を受信した旨を受信したか否かを判断する(S912)。そして、完了通知を受信した旨を受信した場合(S912でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS328の処理に相当する))、第1主制御部110は、画像形成動作を終了する(S913)。他方、完了通知を受信した旨を受信していない場合(S912でno)、受信するまで待機する。
【0061】
一方、RAM113に設定された通信可フラグがONではない場合(S904でno)、つまり、第2制御部200と通信できない場合、第1主制御部110は、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断し、S907及びS908の処理を行うことなく、S909以降の処理を行う。また、第2画像形成部20で画像を形成する必要が無い場合(S905でno)、第2画像形成部20にエラーが発生している場合(S906でyes)、第1主制御部110は、S907及びS908の処理を行うことなく、S909以降の処理を行う。
【0062】
以下に、本実施の形態に係る第2主制御部210が行う処理を、フローチャートを用いて説明する。
図10は、第2主制御部210の処理の一例を示すフローチャートである。第2主制御部210は、この処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
第2主制御部210は、例えばユーザ端末から画像形成指示を受信したか否かを判断する(S1001)。画像形成指示を受信した場合(S1001でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS307の処理に相当する))、第2主制御部210は、第1主制御部110から、準備指示を受信したか否かを判断する(S1002)。準備指示を受信した場合(S1002でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS306の処理に相当する))、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、指示された画像形成の設定を通知する(S1003)。
【0063】
その後、第2画像形成部20にエラーが発生しているか否かを判断する(S1004)。このS1004の処理は、
図3を用いて説明したS310の処理に相当する。エラーが発生している場合(S1004でyes)、第2主制御部210は、エラーが解消するまで待機する。他方、エラーが発生していない場合(S1004でno)、第2主制御部210は、第2従制御部220に対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を通知する(S1005)。その後、第2主制御部210は、第1主制御部110に対して、完了通知を送信する(S1006)。このS1006の処理は、
図3を用いて説明したS314の処理に相当する。
【0064】
その後、第2主制御部210は、第1主制御部110から、画像形成が完了した旨の完了通知を受信したか否かを判断する(S1007)。そして、完了通知を受信した場合(S1007でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS326の処理に相当する))、第2主制御部210は、第1主制御部110に対して、完了通知を受信した旨を送信する(S1008)。このS1008の処理が、
図3を用いて説明したS327の処理に相当する。そして、第2主制御部210は、画像形成動作を終了する(S1009)。他方、完了通知を受信していない場合(S1007でno)、受信するまで待機する。
【0065】
一方、S1001の処理で、画像形成指示を受信していない場合(S1001でno)、第2主制御部210は、第1主制御部110から、準備指示を受信したか否かを判断する(S1010)。準備指示を受信した場合(S1010でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS306の処理に相当する))、第2主制御部210は、その後、画像形成指示を受信したか否かを判断する(S1011)。そして、画像形成指示を受信した場合(S1011でyes(この処理が、
図3を用いて説明したS307の処理に相当する))、第2主制御部210は、S1003以降の処理を行う。他方、画像形成指示を受信していない場合(S1011でno)、第2主制御部210は、画像形成指示を受信するまで待機する。
【0066】
一方、S1002の処理で、準備指示を受信していない場合(S1002でno)、完了通知を受信したか否かを判断する(S1012)。そして、完了通知を受信した場合(S1012でyes(この処理が、
図7を用いて説明したS326の処理に相当する))、S1008以降の処理を行う。他方、完了通知を受信していない場合(S1012でno)、S1002以降の処理を行う。
【0067】
なお、上述した実施の形態においては、第1制御部100の機能を、第1主制御部110のCPU111と、第1従制御部120のCPU121とが協働して実行しているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、第1制御部100の機能を1つのプロセッサにて実現しても良いし、3以上の複数のプロセッサを用いて実現しても良い。同様に、上述した実施の形態においては、第2制御部200の機能を、第2主制御部210のCPU211と、第2従制御部220のCPU221とが協働して実行しているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、第2制御部200の機能を1つのプロセッサにて実現しても良いし、3以上の複数のプロセッサを用いて実現しても良い。なお、プロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(Graphical Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
【0068】
上述した画像形成装置1は、用紙を搬送する搬送装置の一例としての用紙搬送装置40と、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部10とを制御する第1プロセッサの一例としてのCPU111及びCPU121と、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第2画像形成部20を制御する第2プロセッサの一例としてのCPU211及びCPU221と、を備える。そして、第1プロセッサは、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合に、第2プロセッサに対して送信した第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた第2プロセッサからの通知を受けてから(S315)、第1画像形成部10の画像形成準備を行うとともに、用紙搬送装置40に用紙を搬送させ、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない場合(S905でnoと判断された場合)に、第2プロセッサから当該通知を受けることなく、第1画像形成部10の画像形成準備を行うとともに、用紙搬送装置40に用紙を搬送させる(S319)。
【0069】
このように構成された画像形成装置1においては、第1プロセッサは、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合に、第2プロセッサに対して送信した第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示に対応する完了通知を受信した後に、第1画像形成部10の画像形成準備を行う。それゆえ、第2画像形成部20に例えばエラーが発生しているにも関わらず、第1画像形成部10が長時間に亘って待機状態であることに起因して電力が無駄に消費されることが抑制される。また、第1プロセッサは、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない場合に、第2プロセッサから完了通知を受けることなく、第1画像形成部10の画像形成準備を行うので、早期に画像形成装置1にて画像形成が完了される。また、第1プロセッサは、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない場合に、第2プロセッサに対して、第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示を送信する必要がないので、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないにも関わらず、第2画像形成部20が画像形成準備を行うことが抑制される。その結果、第2画像形成部20の画像形成準備に伴う消費電力が低減される。
【0070】
ここで、第1プロセッサは、外部から受けた画像形成指示を解析することで、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断すると良い。例えば、画像形成指示が、上述した、第1画像形成部10でのみ画像を形成する画像形成指示であることが明白な場合には、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断すると良い。これにより、第1プロセッサは、例えば第2プロセッサからの通知を受ける場合と比較して、精度高く第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断することができる。
【0071】
また、第1プロセッサは、画像形成指示が、第2画像形成部20が有するトナーを用いることなく、第1画像形成部10が有するトナーを用いて画像を形成する指示である場合に、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断しても良い。このように、第1プロセッサは、第1画像形成部10が有するトナーに基づいて判断することで、トナー以外の要素を用いて判断する場合と比較して、精度高く判断することができる。
【0072】
また、第1プロセッサは、第2画像形成部20に、異常の一例としてのトナー切れ等のエラーが生じている場合に、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がないと判断しても良い。これにより、エラーが解消し、第2プロセッサから完了通知を受けるまで待機するよりも早期に画像形成装置1にて画像形成が完了される。
また、第2プロセッサは、第2画像形成部20にエラーが生じている場合には、異常が生じている旨を第1プロセッサに通知し、第1プロセッサは、第2プロセッサから異常が生じている旨の通知を受信した場合に第2画像形成部20に異常が生じていると判断しても良い。これにより、第1プロセッサは、自身で第2画像形成部20にエラーが生じているか否かを確認するよりも、確度高く判断することができる。
【0073】
また、第1プロセッサは、第2プロセッサと通信不可能である場合(S904でnoと判断された場合)には、第2プロセッサに準備指示を出すことなく、第1画像形成部10の画像形成準備を行うとともに、用紙搬送装置40に用紙を搬送させると良い。これにより、第2プロセッサと通信可能となり、第2プロセッサから完了通知を受けるまで待機するよりも早期に画像形成装置1にて画像形成が完了される。
また、第1プロセッサは、起動時に、第2プロセッサとの間で通信確認を実施し、通信確認が出来なかった場合に第2プロセッサと通信不可能であると判断しても良い。これにより、第1プロセッサは、自身のみの処理で第2プロセッサと通信可能であるか否かを確認するよりも、確度高く判断することができる。
【0074】
また、第2プロセッサは、準備指示を受信した後に、第2画像形成部20の画像形成準備が完了した場合に第1プロセッサに対して通知の一例としての完了通知を送信し、第1プロセッサは、当該完了通知を受信した後に、第1画像形成部10の画像形成準備を行うと良い。これにより、完了通知を受信する前に、第1画像形成部10の画像形成準備を行うのと比較して、第1画像形成部10が待機状態である期間が短くて済む。その結果、第1画像形成部10が長期間に亘って待機状態となるのに伴う消費電力が低減される。
【0075】
なお、第1主制御部110のCPU111、第1従制御部120のCPU121、第2主制御部210のCPU211、第2従制御部220のCPU221によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いてダウンロードされても良い。
【0076】
そして、本発明を構成するプログラムは、用紙を搬送する用紙搬送装置40と、用紙搬送装置40が搬送した用紙に対して画像を形成する第1画像形成部10とを制御する第1プロセッサに、第1画像形成部10とは異なる画像を形成する第2画像形成部20にて画像を形成する必要がある場合に、第2画像形成部20を制御する第2プロセッサに対して送信した第2画像形成部20の画像形成準備を行う旨の準備指示に応じた第2プロセッサからの通知を受けてから、第1画像形成部10の画像形成準備を行うとともに、用紙搬送装置40に用紙を搬送させ、第2画像形成部20にて画像を形成する必要がない場合に、第2プロセッサから当該通知を受けることなく、第1画像形成部10の画像形成準備を行うとともに、用紙搬送装置40に用紙を搬送させる機能、を実行させるプログラムである。
【符号の説明】
【0077】
1…画像形成装置、10…第1画像形成部、20…第2画像形成部、40…用紙搬送装置、100…第1制御部、110…第1主制御部、120…第1従制御部、200…第2制御部、210…第2主制御部、220…第2従制御部