(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/01 20060101AFI20231011BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20231011BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G03G15/01 Y
G03G15/08 390Z
G03G21/16 147
(21)【出願番号】P 2019205425
(22)【出願日】2019-11-13
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 正仁
(72)【発明者】
【氏名】佐野 利幸
(72)【発明者】
【氏名】坂口 新太郎
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115340(JP,A)
【文献】特開2015-191210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0292419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/01
G03G 15/08
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1感光ドラムと、
シートの搬送方向における前記第1感光ドラムの下流側に配置された第2感光ドラムと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、
前記第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1移動機構と、
前記第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2移動機構と、
シートを送り出す給紙ローラと、
シートを前記第1感光ドラムに供給するレジストレーションローラであって、前記搬送方向における前記給紙ローラと前記第1感光ドラムとの間に配置されたレジストレーションローラと、
シートを検知可能な給紙センサであって、前記搬送方向における前記給紙ローラと前記レジストレーションローラとの間に配置された給紙センサと、
シートを検知可能なレジ後センサであって、前記搬送方向における前記レジストレーションローラと前記第1感光ドラムとの間に配置されたレジ後センサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1現像ローラおよび前記第2現像ローラを使ってシートに画像を形成するカラー印刷と、前記第2現像ローラだけを使ってシートに画像を形成するモノクロ印刷とを実行可能であり、
第1シートにカラー印刷をし、第1シートの次の第2シートにカラー印刷をする場合、
前記レジ後センサが第1シートを検知しなくなったときから所定時間が経過した時点において、前記給紙センサが第2シートを検知しており、かつ、前記レジ後センサが第2シートを検知していない場合は、
前記第1移動機構を制御して、前記第1現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートに転写される画像の現像を開始するとともに、
前記第2移動機構を制御して、前記第2現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートに転写される画像の現像を開始
し、
前記レジ後センサが第1シートを検知しなくなったときから前記所定時間が経過した時点において、前記給紙センサが第2シートを検知しておらず、かつ、前記レジ後センサが第2シートを検知していない場合は、
前記第1移動機構を制御して、前記第1現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートに転写される画像の現像を開始するとともに、
前記第2移動機構を制御して、前記第2現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートに転写される画像の現像を開始し、
前記レジ後センサが第1シートを検知しなくなったときから前記所定時間が経過した時点において、前記レジ後センサが第2シートを検知している場合は、
前記第1移動機構を制御して、前記第1現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートに転写される画像の現像を開始するとともに、
前記第2移動機構を制御して、前記第2現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートに転写される画像の現像を開始する、ように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1移動機構および前記第2移動機構は、接触位置にある前記第1現像ローラが前記第1感光ドラムから離間し始めてから前記第1感光ドラムに再び接触するまでの時間を第1時間、接触位置にある前記第2現像ローラが前記第2感光ドラムから離間し始めてから前記第2感光ドラムに再び接触するまでの時間を第2時間として、前記第2時間が前記第1時間よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1現像ローラが接触位置に移動した後に前記第2現像ローラが接触位置に移動するように前記第2移動機構を制御することを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2現像ローラが離間位置に移動するよりも先に前記第1現像ローラが離間位置に移動するように前記第1移動機構を制御することを特徴とする請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1移動機構は、回転することで前記第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1カムを有し、
前記第2移動機構は、回転することで前記第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2カムを有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数の前記第1感光ドラムと、
複数の前記第1感光ドラムのそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の前記第1現像ローラと、を備え、
複数の前記第1現像ローラは、対応する第1感光ドラムに接触する接触位置と当該第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能であり、
前記第1移動機構は、複数の前記第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
3つの前記第1感光ドラムと、
1つの前記第2感光ドラムと、
3つの前記第1感光ドラムのそれぞれに1つずつ対応して設けられた3つの前記第1現像ローラと、
1つの前記第2感光ドラムに対応して設けられた1つの前記第2現像ローラと、を備え、
3つの前記第1現像ローラは、対応する第1感光ドラムに接触する接触位置と当該第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能であり、
1つの前記第2現像ローラは、対応する第2感光ドラムに接触する接触位置と当該第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能であり、
前記第1移動機構は、3つの前記第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されており、
前記第2移動機構は、1つの前記第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の感光ドラムと、複数の現像ローラとを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の感光ドラムと、対応する感光ドラムに対して離接可能に構成された複数の現像ローラとを備え、カラー印刷を行う場合に複数の現像ローラを対応する感光ドラムに順次接触させ、モノクロ印刷を行う場合に1つの現像ローラを対応する感光ドラムに接触させる画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、接触現像により感光ドラム上にトナー像を形成する画像形成装置において、トナーや現像ローラ等を長持ちさせるためには、現像ローラと感光ドラムが接触する時間をなるべく短くすることが望ましい。特に、カラー印刷とモノクロ印刷の両方で使用される、使用頻度の高い現像ローラと対応する感光ドラムが接触する時間を短くできることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、使用頻度の高い現像ローラと対応する感光ドラムが接触する時間を短くすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、第1感光ドラムに接触する接触位置と第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第1現像ローラと、第2感光ドラムに接触する接触位置と第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能な第2現像ローラと、第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1移動機構と、第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2移動機構と、制御部と、を備える。
制御部は、第1現像ローラおよび第2現像ローラを使ってシートに画像を形成するカラー印刷と、第2現像ローラだけを使ってシートに画像を形成するモノクロ印刷とを実行可能である。
そして、制御部は、第1シートにカラー印刷をし、第1シートの次の第2シートにカラー印刷をする場合、
シートの搬送方向における第1シートと第2シートの間隔であるシート間隔が第1間隔未満かつ第1間隔よりも小さい第2間隔以上である場合は、
第1移動機構を制御して、第1現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートに転写される画像の現像を開始するとともに、
第2移動機構を制御して、第2現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートに転写される画像の現像を開始する、ように構成されている。
【0007】
このような構成によれば、シート間隔が第1間隔未満かつ第2間隔以上である場合に、第2現像ローラを一旦離間させることができるので、カラー印刷とモノクロ印刷の両方で使用される、使用頻度の高い第2現像ローラと第2感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。
【0008】
前記した画像形成装置において、第1移動機構および第2移動機構は、接触位置にある第1現像ローラが第1感光ドラムから離間し始めてから第1感光ドラムに再び接触するまでの時間を第1時間、接触位置にある第2現像ローラが第2感光ドラムから離間し始めてから第2感光ドラムに再び接触するまでの時間を第2時間として、第2時間が第1時間よりも小さくなるように構成することができる。
【0009】
これによれば、離間位置にある第2現像ローラを、第1現像ローラよりも短い時間で、離間位置に移動させ、再び接触位置に移動させることができる。
【0010】
前記した画像形成装置において、制御部は、第1シートにカラー印刷をし、第2シートにカラー印刷をする場合、
シート間隔が第1間隔以上である場合は、
第1移動機構を制御して、第1現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートに転写される画像の現像を開始するとともに、
第2移動機構を制御して、第2現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートに転写される画像の現像を開始し、
シート間隔が第2間隔未満である場合は、
第1移動機構を制御して、第1現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートに転写される画像の現像を開始するとともに、
第2移動機構を制御して、第2現像ローラを、第1シートに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートに転写される画像の現像を開始する、ように構成することができる。
【0011】
これによれば、シート間隔が第1間隔以上と大きい場合には、現像ローラを一旦離間させることができるので、現像ローラと感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。また、第1現像ローラを一旦離間させることができないような、シート間隔が第1間隔未満かつ第2間隔以上の中程度の場合であっても、第2現像ローラについては一旦離間させることができるので、使用頻度の高い第2現像ローラと第2感光ドラムが接触する時間をより短くすることができる。
【0012】
前記した画像形成装置において、第2感光ドラムは、シートの搬送方向における第1感光ドラムの下流側に配置され、制御部は、第1現像ローラが接触位置に移動した後に第2現像ローラが接触位置に移動するように第2移動機構を制御する構成とすることができる。
【0013】
これによれば、シートの搬送に応じて第1現像ローラ、第2現像ローラをこの順に接触位置に移動させることで、第2現像ローラと第2感光ドラムを接触させた状態でシートの到着を待つ時間を短くすることができる。これにより、使用頻度の高い第2現像ローラと第2感光ドラムが接触する時間をより短くすることができる。
【0014】
前記した画像形成装置において、制御部は、第2現像ローラが離間位置に移動するよりも先に第1現像ローラが離間位置に移動するように第1移動機構を制御する構成とすることができる。
【0015】
これによれば、シートの搬送に応じて第1現像ローラ、第2現像ローラをこの順に離間位置に移動させることで、第2現像ローラよりも早く画像の現像が終了する第1現像ローラを、画像の現像が終了した後、早期に第1感光ドラムから離間させることができる。これにより、第1現像ローラと第1感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。
【0016】
前記した画像形成装置において、第1移動機構は、回転することで第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第1カムを有し、第2移動機構は、回転することで第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる第2カムを有する構成とすることができる。
【0017】
これによれば、第1カムと第2カムとで、プロファイルを変えたり、回転速度を変えたりすることで、比較的簡単に第2時間が第1時間よりも小さくなるように構成することができる。
【0018】
前記した画像形成装置は、複数の第1感光ドラムと、複数の第1感光ドラムのそれぞれに1つずつ対応して設けられた複数の第1現像ローラと、を備え、複数の第1現像ローラは、対応する第1感光ドラムに接触する接触位置と当該第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能であり、第1移動機構は、複数の第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成することができる。
【0019】
前記した画像形成装置は、3つの第1感光ドラムと、1つの第2感光ドラムと、3つの第1感光ドラムのそれぞれに1つずつ対応して設けられた3つの第1現像ローラと、1つの第2感光ドラムに対応して設けられた1つの第2現像ローラと、を備え、3つの第1現像ローラは、対応する第1感光ドラムに接触する接触位置と当該第1感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能であり、1つの第2現像ローラは、対応する第2感光ドラムに接触する接触位置と当該第2感光ドラムから離間する離間位置との間で移動可能であり、第1移動機構は、3つの第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されており、第2移動機構は、1つの第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、使用頻度の高い第2現像ローラと第2感光ドラムが接触する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図2】現像ローラを感光ドラムに対して接触・離間させるための構成の一例を示す図である。
【
図4】シアンの離間センサとCカムに設けられた第1被検知部を説明する図(a),(b)である。
【
図5】ブラックの離間センサとKカムに設けられた第2被検知部を説明する図(a),(b)である。
【
図6】制御部のカラー印刷をする場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】現像ローラ接触の処理の一例を示すフローチャート(a),(b)である。
【
図8】現像ローラ離間の処理の一例を示すフローチャート(a),(b)である。
【
図9】シート間隔が大きい場合の現像ローラの動作を説明するタイミングチャートである。
【
図10】シート間隔が小さい場合の現像ローラの動作を説明するタイミングチャートである。
【
図11】シート間隔が中程度の場合の現像ローラの動作を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示すように、実施形態に係る画像形成装置1は、カラープリンタであり、筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、制御部2とを備えている。なお、本実施形態においては、
図1の左側を前、右側を後、上下をそのまま上下とし、
図1の紙面手前側を右、紙面奥側を左とする。
【0023】
シート供給部20は、シートSがセットされるシートトレイ21と、供給機構22とを備えている。シートトレイ21は、画像形成部30の下方に配置され、筐体10から前側に引き出して取り外し可能である。供給機構22は、給紙ローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、搬送ローラ26と、レジストレーションローラ27とを備えている。シートSは、画像形成装置1で画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
【0024】
シートトレイ21に収容されたシートSは、給紙ローラ23により送り出された後、分離ローラ24と分離パッド25との間で1枚ずつに分離され、搬送ローラ26によりレジストレーションローラ27に向けて搬送される。その後、シートSは、回転が停止した状態のレジストレーションローラ27により前端の位置が規制された後、レジストレーションローラ27が回転することで画像形成部30に供給される。
【0025】
画像形成装置1は、シートSの搬送方向における複数の感光ドラム50の上流側でシートSの通過を検知可能な、給紙センサ28Aと、レジ前センサ28Bと、レジ後センサ28Cとを備えている。給紙センサ28Aは、シートSの搬送方向において、給紙ローラ23や分離ローラ24の下流側に配置されている。レジ前センサ28Bは、シートSの搬送方向において、給紙センサ28Aや搬送ローラ26の下流側であってレジストレーションローラ27の上流側に配置されている。レジ後センサ28Cは、シートSの搬送方向において、レジストレーションローラ27の下流側であってY感光ドラム50Yの上流側に配置されている。
【0026】
画像形成部30は、露光装置40と、複数の感光ドラム50と、複数の現像カートリッジ60と、搬送装置70と、定着器80とを備えている。
露光装置40は、図示しないレーザダイオード、偏向器、レンズおよびミラーを備えている。露光装置40は、複数の感光ドラム50を露光する一点鎖線で示した複数の光ビームを発して、各感光ドラム50の表面を露光するように構成されている。
【0027】
複数の感光ドラム50は、イエローに対応するY感光ドラム50Yと、マゼンタに対応するM感光ドラム50Mと、シアンに対応するC感光ドラム50Cと、ブラックに対応するK感光ドラム50Kとを含む。本実施形態においては、Y感光ドラム50Y、M感光ドラム50MおよびC感光ドラム50Cが「第1感光ドラム」に相当し、K感光ドラム50Kが「第2感光ドラム」に相当する。なお、本明細書および図面においては、各色に対応して設けられた部材について、色を区別して示す場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しないで説明する場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0028】
K感光ドラム50Kは、シートSの搬送方向における感光ドラム50Y,50M,50Cの下流側に配置されている。また、C感光ドラム50Cは、シートSの搬送方向における感光ドラム50Y,50Mの下流側に配置され、M感光ドラム50Mは、シートSの搬送方向におけるY感光ドラム50Yの下流側に配置されている。すなわち、感光ドラム50Y,50M,50C,50Kは、シートSの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順に並んで配置されている。
【0029】
現像カートリッジ60は、複数の感光ドラム50のそれぞれに1つずつ対応して設けられている。複数の現像カートリッジ60は、Y感光ドラム50Yにトナーを供給するY現像ローラ61Yを有するY現像カートリッジ60Yと、M感光ドラム50Mにトナーを供給するM現像ローラ61Mを有するM現像カートリッジ60Mと、C感光ドラム50Cにトナーを供給するC現像ローラ61Cを有するC現像カートリッジ60Cと、K感光ドラム50Kにトナーを供給するK現像ローラ61Kを有するK現像カートリッジ60Kとを含む。
【0030】
現像ローラ61Y,61M,61C,61Kは、シートSの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。本実施形態において、複数の現像ローラ61は、Y現像ローラ61Y、M現像ローラ61MおよびC現像ローラ61Cが「第1現像ローラ」に相当し、K現像ローラ61Kが「第2現像ローラ」に相当する。
【0031】
各現像カートリッジ60は、
図1に実線で示した、現像ローラ61が複数の感光ドラム50のうちの対応する感光ドラム50に接触する接触位置にある位置と、
図1に仮想線で示した、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置にある位置との間で移動可能である。
【0032】
複数の感光ドラム50は、支持部材90に回転可能に支持されている。支持部材90には、各感光ドラム50に対応して配置された、感光ドラム50を帯電させるための帯電器52が設けられている。支持部材90は、筐体10のフロントカバー11を開くことで形成される開口から、筐体10に対して着脱可能である。また、支持部材90は、複数の現像カートリッジ60を着脱可能に支持する。
【0033】
搬送装置70は、シートトレイ21と複数の感光ドラム50との間に設けられている。搬送装置70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状のベルトからなる搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に張設され、外側の面が各感光ドラム50に対向して配置されている。各転写ローラ74は、各感光ドラム50との間で搬送ベルト73を挟持するように搬送ベルト73の内側に配置されている。
【0034】
定着器80は、複数の感光ドラム50および搬送装置70の後方に設けられている。定着器80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に対向して配置された加圧ローラ82とを備えている。シートSの搬送方向における定着器80の下流側には、シートSの通過を検知可能な排紙センサ28Dと、搬送ローラ15と、排出ローラ16が設けられている。
【0035】
画像形成部30では、感光ドラム50の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、露光装置40から照射される光ビームにより露光される。これにより、感光ドラム50上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像カートリッジ60内に収容されたトナーは現像ローラ61の表面に担持され、接触位置に位置する現像ローラ61から感光ドラム50上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム50上にトナー像が形成される。次に、搬送ベルト73上に供給されたシートSが搬送ベルト73上を搬送されて感光ドラム50と転写ローラ74との間を通過することで、感光ドラム50上のトナー像がシートSに転写される。そして、シートSが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、トナー像がシートSに熱定着される。その後、シートSは、搬送ローラ15および排出ローラ16により排紙トレイ13上に排出される。
【0036】
図2に示すように、画像形成装置1は、第1移動機構5Aと、第2移動機構5Kとを備えている。第1移動機構5Aは、3つの現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されており、第2移動機構5Kは、1つの現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させるように構成されている。
【0037】
第1移動機構5Aは、回転することでY現像ローラ61Yを接触位置と離間位置との間で移動させるYカム150Yと、回転することでM現像ローラ61Mを接触位置と離間位置との間で移動させるMカム150Mと、回転することでC現像ローラ61Cを接触位置と離間位置との間で移動させるCカム150Cとを有する。また、第2移動機構5Kは、回転することでK現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させるKカム150Kを有する。本実施形態においては、Yカム150Y、Mカム150MおよびCカム150Cが「第1カム」に相当し、Kカム150Kが「第2カム」に相当する。
【0038】
ここで、カム150を含む、現像ローラ61を、対応する感光ドラム50に接触させ、また、当該感光ドラム50から離間させるための構成の一例について説明する。
支持部材90(
図1参照)は、各現像カートリッジ60を、複数の感光ドラム50が並ぶ方向、すなわち、搬送ベルト73上におけるシートSの搬送方向に移動可能に支持する。そして、支持部材90は、現像カートリッジ60を、シートSの搬送方向における上流側から下流側に向けて付勢するバネ97を有している。バネ97は、各現像カートリッジ60に対応して設けられている。
【0039】
また、各現像カートリッジ60は、側面に、現像ローラ61の回転軸線方向に突出する被押圧部66を有している。現像カートリッジ60は、カム150により被押圧部66がシートSの搬送方向における下流側から上流側に向けて押圧されることで、バネ97の付勢力に抗して、現像ローラ61が対応する感光ドラム50から離間する離間位置となる位置に移動する。また、現像カートリッジ60は、カム150による押圧が解除されることで、バネ97の付勢力により現像ローラ61が対応する感光ドラム50に接触する接触位置となる位置に移動する。
【0040】
カム150は、現像ローラ61の回転軸線と平行な軸周りに回転可能である。カム150Y,150M,150Cは、外周面に1つのカム山152Y,152M,152Cを有し、Kカム150Kは、外周面に略対称な2つのカム山152Kを有している。カム山152Y,152M,152C,152Kは、現像カートリッジ60の被押圧部66を押圧可能である。現像ローラ61は、カム山152Y,152M,152C,152Kが被押圧部66を押圧した状態で離間位置に位置する。一方、現像ローラ61は、カム山152Y,152M,152C,152Kによる被押圧部66の押圧が解除された状態で接触位置に位置する。
【0041】
本実施形態では、Mカム150MおよびCカム150Cについては、同じ部品が用いられ、Yカム150Yについては、カム山152Yの回転方向の長さが、カム150M,150Cのカム山152M,152Cよりも長い部品が用いられている。一方、Kカム150Kについては、各カム山152Kの回転方向の長さが、カム山152Y,152M,152Cよりも短い部品が用いられている。各カム150は、略同じ回転速度で回転し、1回転する時間TRが略同じとなるように構成されている。
【0042】
これにより、
図3に示すように、Yカム150YおよびKカム150Kは、Kカム150Kの第2離間時間TS2が、Yカム150Yの第1離間時間TS1よりも小さくなるように構成されている。また、Mカム150M、Cカム150CおよびKカム150Kは、Kカム150Kの第2離間時間TS2が、カム150M,150Cの第3離間時間TS3よりも小さくなるように構成されている。
【0043】
第1離間時間TS1は、Yカム150Yの連続した回転によって接触位置にあるY現像ローラ61YがY感光ドラム50Yから離間し始めてからY感光ドラム50Yに再び接触するまでの時間である。また、第2離間時間TS2は、Kカム150Kの連続した回転によって接触位置にあるK現像ローラ61KがK感光ドラム50Kから離間し始めてからK感光ドラム50Kに再び接触するまでの時間である。また、第3離間時間TS3は、カム150M,150Cの連続した回転によって接触位置にある現像ローラ61M,61Cが感光ドラム50M,50Cから離間し始めてから感光ドラム50M,50Cに再び接触するまでの時間である。本実施形態においては、第1離間時間TS1および第3離間時間TS3が「第1時間」に相当し、第2離間時間TS2が「第2時間」に相当する。
【0044】
図2に戻り、画像形成装置1は、現像モータ3Dと、プロセスモータ3Pと、定着モータ3Fと、現像モータ3Dの駆動力をカム150に伝達する駆動伝達機構100とを備えている。プロセスモータ3Pは、供給機構22、複数の感光ドラム50、搬送装置70の駆動ローラ71等に駆動力を伝達するモータであり、定着モータ3Fは、定着器80の加熱ローラ81に駆動力を伝達するモータである。
【0045】
駆動伝達機構100は、現像モータ3Dの駆動力をカム150Y,150M,150Cに伝達する第1ギヤ列100Aと、現像モータ3Dの駆動力をKカム150Kに伝達する第2ギヤ列100Kとを有している。Yカム150Y、Mカム150MおよびCカム150Cは、ギヤを介して機械的に接続されており、現像モータ3Dの駆動力が伝達されることで同時に回転駆動するように設けられている。
【0046】
第1ギヤ列100Aの途中には、YMCクラッチ140Aが設けられている。YMCクラッチ140Aは、電磁クラッチであり、現像モータ3Dの駆動力をカム150Y,150M,150Cに伝達する伝達状態と、カム150Y,150M,150Cに伝達しない切断状態とを切り替える。また、第2ギヤ列100Kの途中には、Kクラッチ140Kが設けられている。Kクラッチ140Kは、電磁クラッチであり、現像モータ3Dの駆動力をKカム150Kに伝達する伝達状態と、Kカム150Kに伝達しない切断状態とを切り替える。なお、以下では、クラッチ140A,140Kを伝達状態とする場合をONと呼び、切断状態とする場合をOFFと呼ぶことがある。
【0047】
また、図示は省略するが、本実施形態において、現像モータ3Dの駆動力は、現像ローラ61にも伝達される。現像ローラ61は、離間位置から接触位置に移動する途中であって対応する感光ドラム50に接触する前に現像モータ3Dから駆動力が伝達されて回転し、また、接触位置から離間位置に移動する途中であって対応する感光ドラム50から離間した後に現像モータ3Dからの駆動力の伝達が遮断されて回転しないように構成されている。これにより、現像ローラ61は、接触位置に位置する場合に回転し、離間位置に位置する場合に回転しない。
【0048】
カム150Y,150M,150Cは、カム山152Y,152M,152Cの位相が所定角度ずつずれるように組み付けられている。具体的には、Yカム150YとMカム150Mは、カム山152Y,152Mの回転方向の上流端の位相が揃っており、Cカム150Cは、カム山152Cの回転方向の上流端の位相がカム150Y,150Mに対し所定角度ずれている。また、カム150Y,150M,150Cは、カム山152Y,152M,152Cの回転方向の下流端の位相が所定角度ずつずれている。
【0049】
これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置する場合に制御部2がYMCクラッチ140AをONとして現像モータ3Dからの駆動力がカム150Y,150M,150Cに伝達されると、カム150Y,150M,150Cは、同時に回転する。そして、シートSの移動に合わせて、Y現像ローラ61Yを離間位置から接触位置に向けて移動させ始め、M現像ローラ61MをY現像ローラ61Y以降のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始めるとともに、C現像ローラ61CをM現像ローラ61Mよりも後のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。
【0050】
具体的には、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置する場合に、カム150Y,150M,150Cは、同時に回転すると、まず、Y現像ローラ61Yを接触位置に向けて移動させ始め、M現像ローラ61MをY現像ローラ61Yと略同じタイミングで接触位置に向けて移動させ始めるとともに、C現像ローラ61CをM現像ローラ61Mよりも後のタイミングで接触位置に向けて移動させ始める。これにより、Y現像ローラ61YとM現像ローラ61Mが略同時に接触位置に移動し、Y現像ローラ61YとM現像ローラ61Mが接触位置に移動した後にC現像ローラ61Cが接触位置に移動する。
【0051】
また、現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置に位置する場合に制御部2がYMCクラッチ140AをONとして現像モータ3Dからの駆動力がカム150Y,150M,150Cに伝達されると、カム150Y,150M,150Cは、同時に回転し、シートSの移動に合わせて、Y現像ローラ61Y、M現像ローラ61MおよびC現像ローラ61Cをこの順に接触位置から離間位置に向けて移動させ始める。これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cがこの順に離間位置に移動する。
【0052】
一方、Kカム150Kは、制御部2によりKクラッチ140KのONとOFFが制御されることにより、カム150Y,150M,150Cとは独立して回転する。そして、Kカム150Kは、4つの現像ローラ61を使ってシートSに画像を形成するカラー印刷をする場合には、制御部2により、Cカム150Cよりも所定角度、位相が遅れて動作するように制御される。
【0053】
具体的には、K現像ローラ61Kが離間位置に位置する場合に制御部2が所定の接触タイミングでKクラッチ140KをONとして現像モータ3Dからの駆動力がKカム150Kに伝達されると、Kカム150Kは、シートSの移動に合わせて、K現像ローラ61KをC現像ローラ61Cよりも後のタイミングで離間位置から接触位置に向けて移動させ始める。これにより、C現像ローラ61C(現像ローラ61Y,61M,61C)が接触位置に移動した後にK現像ローラ61Kが接触位置に移動する。
【0054】
また、K現像ローラ61Kが接触位置に位置する場合に制御部2が所定の離間タイミングでKクラッチ140KをONとして現像モータ3Dからの駆動力がKカム150Kに伝達されると、Kカム150Kは、シートSの移動に合わせて、K現像ローラ61KをC現像ローラ61Cよりも後のタイミングで接触位置から離間位置に向けて移動させ始める。これにより、C現像ローラ61Cが離間位置に移動した後にK現像ローラ61Kが離間位置に移動する。本実施形態では、K現像ローラ61Kが離間位置に移動するよりも先に現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に移動する。
【0055】
図4および
図5に示すように、画像形成装置1は、離間センサ4C,4Kを備えている。離間センサ4Cは、カム150Y,150M,150Cの位相を検知する位相センサであり、離間センサ4Kは、Kカム150Kの位相を検知する位相センサである。離間センサ4C,4Kは、対応するカム150が所定の位相範囲に位置する場合に所定の信号を出力し、対応するカム150が所定の位相範囲に位置しない場合に信号を出力しない。
【0056】
詳しくは、離間センサ4C,4Kは、検出光を発する発光部4Pと、発光部4Pと対向して配置されて発光部4Pからの検出光を受光可能な受光部4Rとを有している。また、Cカム150Cは、Cカム150Cの回転軸線方向に突出する第1被検知部154Aを有し、Kカム150Kは、Kカム150Kの回転軸線方向に突出する2つの第2被検知部154Kを有している。第1被検知部154Aは、C現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動したタイミングで離間センサ4Cに検知される位置に配置され、2つの第2被検知部154Kは、K現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動したタイミングで離間センサ4Kに検知される2つの位置に1つずつ配置されている。
【0057】
離間センサ4C,4Kは、発光部4Pと受光部4Rの間に被検知部154A,154Kが入って発光部4Pの検出光を遮り、受光部4Rが検出光を受光しないときに信号を出力し、発光部4Pと受光部4Rの間から被検知部154A,154Kが外れて受光部4Rが発光部4Pの検出光を受光したときに信号を出力しない。離間センサ4Cは、直接的にはCカム150Cの位相を検知するものであるが、間接的にカム150Y,150Mの位相を検知することができる。
【0058】
なお、以下では、信号を出力する場合をONと呼び、出力しない場合をOFFと呼ぶことがある。信号を出力する場合と出力しない場合は、どちらの電圧が高くても構わない。また、図示は省略しているが、Cカム150Cと同じ部品であるMカム150Mにも、第1被検知部154Aと同様の形状の部分が設けられているが、画像形成装置1にはMカム150Mに対応する離間センサが設けられていないので、Mカム150Mの当該部分は、被検知部としては機能しない。
【0059】
制御部2は、画像形成装置1の動作を制御する装置である。制御部2は、CPU、ROM、RAM、入出力部等を有し、予め記憶されたプログラムを実行することで各処理を実行する。本実施形態において、制御部2は、給紙センサ28A、レジ前センサ28B、レジ後センサ28C、離間センサ4C,4K等からの信号に基づいて、YMCクラッチ140AやKクラッチ140Kを制御することで、現像ローラ61の感光ドラム50に対する接触と離間を制御する。
【0060】
制御部2は、Y現像ローラ61Y、M現像ローラ61M、C現像ローラ61CおよびK現像ローラ61Kを使ってシートSに画像を形成するカラー印刷と、K現像ローラ61Kだけを使ってシートSに画像を形成するモノクロ印刷とを実行可能である。
【0061】
また、制御部2は、第1シートSにカラー印刷をし、第1シートSの次の第2シートSにカラー印刷をする場合、シート間隔に応じて次のような動作を実行するように構成されている。ここで、シート間隔は、シートSの搬送方向における、先行する第1シートSの後端と後続の第2シートSの前端の間隔である。
【0062】
(1)シート間隔が大きい場合
シート間隔が第1間隔以上である場合、すなわち、シート間隔が大きい場合、制御部2は、第1移動機構5Aを制御して、現像ローラ61Y,61M,61Cを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、その後、第2シートSの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートSに転写される画像の現像を開始する。また、これとともに、制御部2は、第2移動機構5Kを制御して、K現像ローラ61Kを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、その後、第2シートSの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートSに転写される画像の現像を開始する。
【0063】
本実施形態では、制御部2は、第1シートSがレジ後センサ28Cを通過してレジ後センサ28CがOFFとなったときから所定時間が経過した時点において、レジ後センサ28CがONとなっておらず、かつ、給紙センサ28AもONとなっていない場合、第2シートSがシートトレイ21からまだ供給されていないということであるため、シート間隔が大きいと判定する。
【0064】
シート間隔が大きい場合、制御部2は、カム150Y,150M,150Cを回転させて、接触位置にある現像ローラ61Y,61M,61Cを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後、離間位置に移動させる。その後、制御部2は、第2シートSの搬送に応じてカム150Y,150M,150Cを回転させて、離間位置にある現像ローラ61Y,61M,61Cを、再び接触位置に移動させて第2シートSに転写される画像の現像を開始する。また、制御部2は、Kカム150Kを回転させて、接触位置にあるK現像ローラ61Kを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後、離間位置に移動させる。その後、制御部2は、第2シートSの搬送に応じてKカム150Kを回転させて、離間位置にあるK現像ローラ61Kを、再び接触位置に移動させて第2シートSに転写される画像の現像を開始する。
【0065】
(2)シート間隔が小さい場合
シート間隔が第1間隔よりも小さい第2間隔未満である場合、すなわち、シート間隔が小さい場合、制御部2は、第1移動機構5Aを制御して、現像ローラ61Y,61M,61Cを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートSに転写される画像の現像を開始する。また、これとともに、制御部2は、第2移動機構5Kを制御して、K現像ローラ61Kを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートSに転写される画像の現像を開始する。
【0066】
本実施形態では、制御部2は、第1シートSがレジ後センサ28Cを通過してレジ後センサ28CがOFFとなったときから所定時間が経過した時点において、第2シートSがレジ後センサ28Cで検知されてレジ後センサ28CがONとなっている場合、第2シートSがレジ後センサ28Cの位置(Y感光ドラム50Yの直前の位置)まで搬送されてきているということであるため、シート間隔が小さいと判定する。
【0067】
シート間隔が小さい場合、制御部2は、カム150Y,150M,150Cを停止させたままとし、接触位置にある現像ローラ61Y,61M,61Cを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後、接触位置に維持する。その後、制御部2は、接触位置に維持した現像ローラ61Y,61M,61Cを使って、搬送されてきた第2シートSに転写される画像の現像を開始する。また、制御部2は、Kカム150Kを停止させたままとし、接触位置にあるK現像ローラ61Kを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後、接触位置に維持する。その後、制御部2は、接触位置に維持したK現像ローラ61Kを使って、搬送されてきた第2シートSに転写される画像の現像を開始する。
【0068】
(3)シート間隔が中程度の場合
シート間隔が第1間隔未満かつ第2間隔以上である場合、すなわち、シート間隔が中程度の場合、制御部2は、第1移動機構5Aを制御して、現像ローラ61Y,61M,61Cを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後に接触位置に維持して第2シートSに転写される画像の現像を開始する。一方で、これとともに、制御部2は、第2移動機構5Kを制御して、K現像ローラ61Kを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後に離間位置に移動させ、第2シートSの搬送に応じて再び接触位置に移動させて第2シートSに転写される画像の現像を開始する。
【0069】
本実施形態では、制御部2は、第1シートSがレジ後センサ28Cを通過してレジ後センサ28CがOFFとなったときから所定時間が経過した時点において、レジ後センサ28CがONとなっていないが、第2シートSが給紙センサ28Aで検知されて給紙センサ28AがONとなっている場合、第2シートSがシートトレイ21から供給されているが、レジ後センサ28Cの位置までは来ていないということであるため、シート間隔が中程度であると判定する。
【0070】
シート間隔が中程度の場合、制御部2は、カム150Y,150M,150Cを停止させたままとし、接触位置にある現像ローラ61Y,61M,61Cを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後、接触位置に維持する。その後、制御部2は、接触位置に維持した現像ローラ61Y,61M,61Cを使って、搬送されてきた第2シートSに転写される画像の現像を開始する。一方で、制御部2は、Kカム150Kを回転させて、接触位置にあるK現像ローラ61Kを、第1シートSに転写される画像の現像が終了した後、離間位置に移動させる。その後、制御部2は、第2シートSの搬送に応じてKカム150Kを回転させて、離間位置にあるK現像ローラ61Kを、再び接触位置に移動させて第2シートSに転写される画像の現像を開始する。
【0071】
次に、制御部2のカラー印刷をする場合の処理の一例について、
図6~
図8のフローチャートを参照しながら説明する。なお、現像ローラ61は、印刷動作を実行する前はすべてが離間位置に位置している。
【0072】
図6に示すように、制御部2は、印刷ジョブを受信した場合、シートSがシートトレイ21から送り出され、給紙センサ28Aで検知されて給紙センサONとなったか否かを判定する(S111)。給紙センサONとなった場合(S111,Yes)、制御部2は、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に移動させる(S201)。
【0073】
詳しくは、
図7(a)に示すように、制御部2は、シートSがレジ前センサ28Bで検知されてレジ前センサONとなった時点から第1所定時間T11が経過した場合(S211,Yes)、YMCクラッチ140AをONとし(S212)、カム150Y,150M,150Cを回転させる。これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置から接触位置に移動し、接触位置に位置したものから現像を行う。第1所定時間T11は、Y現像ローラ61YによるY感光ドラム50Yの現像が、シートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。
【0074】
制御部2は、YMCクラッチ140AをONとしてから第2所定時間T12が経過した場合(S213,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFとし(S214)、カム150Y,150M,150Cを停止させる。第2所定時間T12は、現像ローラ61Y,61M,61Cのすべてが接触位置に位置するような時間に設定されている。
【0075】
また、
図6に示すように、制御部2は、シートSがレジ後センサ28Cで検知されてレジ後センサONとなったか否かを判定する(S112)。レジ後センサONとなった場合(S112,Yes)、制御部2は、K現像ローラ61Kを接触位置に移動させる(S202)。
【0076】
詳しくは、
図7(b)に示すように、制御部2は、レジ後センサONとなった時点から第1所定時間T21が経過した場合(S221,Yes)、Kクラッチ140KをONとし(S222)、Kカム150Kを回転させる。これにより、K現像ローラ61Kが離間位置から接触位置に移動し、現像を行う。第1所定時間T21は、K現像ローラ61KによるK感光ドラム50Kの現像が、シートSへのトナー像の転写に間に合うような時間に設定されている。
【0077】
制御部2は、Kクラッチ140KをONとしてから第2所定時間T22が経過した場合(S223,Yes)、Kクラッチ140KをOFFとし(S224)、Kカム150Kを停止させる。第2所定時間T22は、K現像ローラ61Kが接触位置に位置するような時間に設定されている。
【0078】
その後、
図6に示すように、制御部2は、シートSがレジ後センサ28Cを通過してレジ後センサOFFとなったときから第3所定時間T13(所定時間)が経過したか否かを判定する(S121)。第3所定時間T13が経過した場合(S121,Yes)、制御部2は、後続のシートSがレジ後センサ28Cで検知されてレジ後センサONとなっているか否かを判定する(S122)。
【0079】
レジ後センサONとなっていない場合(S122,No)、制御部2は、後続のシートSが給紙センサ28Aで検知されて給紙センサONとなっているか否かを判定する(S123)。給紙センサONとなっていない場合(S123,No)、後続のシートSがある場合にはシート間隔が大きいので、制御部2は、現像ローラ61Y,61M,61Cを離間位置に移動させるとともに(S301)、K現像ローラ61Kを離間位置に移動させる(S302)。
【0080】
詳しくは、
図8(a)に示すように、制御部2は、YMCクラッチ140AをONとし(S312)、カム150Y,150M,150Cを回転させる。これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置から離間位置に移動する。第3所定時間T13は、Y現像ローラ61YによりY感光ドラム50Yの現像が完了した後にY現像ローラ61Yが離間位置に移動することができるような時間に設定されている。
【0081】
制御部2は、シアンの離間センサ4CがOFFからONに切り替わった場合(S313,Yes)、YMCクラッチ140AをOFFとし(S314)、カム150Y,150M,150Cを停止させる。
【0082】
また、
図8(b)に示すように、制御部2は、先行のシートSがレジ後センサ28Cを通過してレジ後センサOFFとなったときから第3所定時間T23が経過した場合(S321,Yes)、Kクラッチ140KをONとし(S322)、Kカム150Kを回転させる。これにより、K現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動する。第3所定時間T23は、K現像ローラ61KによりK感光ドラム50Kに現像が完了した後にK現像ローラ61Kが離間位置に移動することができるような時間に設定されている。
【0083】
制御部2は、ブラックの離間センサ4KがOFFからONに切り替わった場合(S323,Yes)、Kクラッチ140KをOFFとし(S324)、Kカム150Kを停止させる。
【0084】
図6のステップS122において、後続のシートSがレジ後センサ28Cで検知されてレジ後センサONとなっている場合(S122,Yes)、シート間隔が小さいので、制御部2は、すべての現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを接触位置に維持する。そして、制御部2は、後続のシートSへの現像を行い、ステップS121からの処理を繰り返す。
【0085】
また、
図6のステップS123において、後続のシートSが、レジ後センサ28Cでは検知されていないが、給紙センサ28Aで検知されて給紙センサONとなっている場合(S123,Yes)、シート間隔が中程度であるので、制御部2は、現像ローラ61Y,61M,61Cを接触位置に維持する一方で、K現像ローラ61Kを離間位置に移動させる(S303)(
図8(b)参照)。
【0086】
その後、制御部2は、後続のシートSがレジ後センサ28Cで検知されてレジ後センサONとなった後(S112,Yes)、K現像ローラ61Kを接触位置に移動させ(S202)、接触位置に維持した現像ローラ61Y,61M,61Cとともに後続のシートSへの現像を行い、ステップS121からの処理を繰り返す。
【0087】
ステップS302の後、制御部2は、印刷が終了したか否かを判定する(S131)。そして、印刷が終了していない場合(S131,No)、すなわち、後続のシートSがある場合、ステップS111からの処理を繰り返し、印刷が終了した場合(S131,Yes)、処理を終了する。
【0088】
次に、制御部2のカラー印刷を実行する場合の処理における現像ローラ61の動作について、
図9~
図11のタイミングチャートを参照して説明する。
図9~
図11は、第1シートSと第2シートSの2枚だけにカラー印刷をする場合、すなわち、第2シートSへの印刷が終了したら印刷を終了する場合を示している。なお、
図9~
図11では、Y現像ローラ61Y(Y)の動作のタイミングチャートに重ねて、線種を変えて、M現像ローラ61M(M)およびのC現像ローラ61C(C)の動作を示している。
【0089】
(1)シート間隔が大きい場合
図9に示すように、制御部2は、給紙ローラ23によりシートトレイ21内の第1シートSがピックアップされ(t101)、第1シートSにより給紙センサON(t102)となった後、詳しくは、第1シートSによりレジ前センサONとなった時点(t103)から第1所定時間T11が経過したとき、YMCクラッチ140AをONとする。また、制御部2は、第1シートSによりレジ後センサONとなった時点(t104)から第1所定時間T21が経過したとき、Kクラッチ140KをONとする(t105)。これにより、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kが離間位置から接触位置に順次移動する。
【0090】
制御部2は、YMCクラッチ140AをONとした時点(t104)から第2所定時間T12が経過するとYMCクラッチ140AをOFFとし(t106)、Kクラッチ140KをONとした時点(t105)から第2所定時間T22が経過するとKクラッチ140KをOFFする(t107)。
【0091】
制御部2は、第1シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t107)から第3所定時間T13が経過した時点(t108)において、第2シートSによりレジ後センサONとなっておらず、かつ、給紙センサONとなっていない場合、シート間隔SIが大きいので、YMCクラッチ140AをONとし、第1シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t107)から第3所定時間T23が経過するとKクラッチ140KをONとする(t111)。これにより、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kが接触位置から離間位置に順次移動する。
【0092】
制御部2は、シアン(C)の離間センサ4CがONになると(t112)、YMCクラッチ140AをOFFとし、ブラック(K)の離間センサ4KがONになるとKクラッチ140KをOFFとする(t113)。
【0093】
その後、制御部2は、第2シートSによりレジ前センサONとなった時点(t114)から第1所定時間T11が経過したとき、YMCクラッチ140AをONとし、また、第2シートSによりレジ後センサONとなった時点(t115)から第1所定時間T21が経過したとき、Kクラッチ140KをONとする(t116)。これにより、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kが離間位置から再び接触位置に順次移動する。
【0094】
制御部2は、YMCクラッチ140AをONとした時点(t115)から第2所定時間T12が経過するとYMCクラッチ140AをOFFとし(t117)、Kクラッチ140KをONとした時点(t116)から第2所定時間T22が経過するとKクラッチ140KをOFFする(t118)。
【0095】
制御部2は、第2シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t118)から第3所定時間T13が経過するとYMCクラッチ140AをONとし(t119)、第2シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t118)から第3所定時間T23が経過するとKクラッチ140KをONとする(t120)。これにより、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kが接触位置から離間位置に順次移動する。
【0096】
制御部2は、離間センサ4CがONになるとYMCクラッチ140AをOFFとし(t121)、離間センサ4KがONになるとKクラッチ140KをOFFとする(t122)。
【0097】
(2)シート間隔が小さい場合
ここで、以下では、
図9と同様の点については、同一の符号を付して適宜説明を省略し、
図9と異なる点について詳細に説明する。
【0098】
図10に示すように、制御部2は、第1シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t107)から第3所定時間T13が経過した時点(t108)において、第2シートSによりレジ後センサONとなっている場合、シート間隔SIが小さいので、クラッチ140A,140KをOFFとしたまま、カム150Y,150M,150C,150Kを動かさず、すべての現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを接触位置に維持する。
【0099】
制御部2は、第2シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t211)から第3所定時間T13が経過するとYMCクラッチ140AをONとし(t212)、第2シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t211)から第3所定時間T23が経過するとKクラッチ140KをONとする(t213)。これにより、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kが接触位置から離間位置に順次移動する。
【0100】
制御部2は、離間センサ4CがONになるとYMCクラッチ140AをOFFとし(t214)、離間センサ4KがONになるとKクラッチ140KをOFFとする(t215)。
【0101】
(3)シート間隔が中程度の場合
図11に示すように、制御部2は、第1シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t107)から第3所定時間T13が経過した時点(t108)において、第2シートSによりレジ後センサONとなっていないが、第2シートSにより給紙センサONとなっている場合、シート間隔SIが中程度であるので、YMCクラッチ140AをOFFとしたまま、カム150Y,150M,150Cを動かさず、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを接触位置に維持する。
【0102】
一方で、制御部2は、第1シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t107)から第3所定時間T23が経過するとKクラッチ140KをONとする(t311)。これにより、K現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動する。
【0103】
制御部2は、離間センサ4KがONになると(t312)、Kクラッチ140KをOFFとするが、ここでは、第2シートSによりレジ後センサONとなった時点(t311)から第1所定時間T21が経過しているので、Kクラッチ140KをONのままとする。なお、時刻t312でKクラッチ140Kを一旦OFFとした後、すぐにONとしてもよい。これにより、K現像ローラ61Kが離間位置から再び接触位置に移動する。その後、制御部2は、第2所定時間T22が経過するとKクラッチ140KをOFFとする。
【0104】
制御部2は、第2シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t313)から第3所定時間T13が経過するとYMCクラッチ140AをONとし(t314)、第2シートSの通過によりレジ後センサOFFとなったとき(t313)から第3所定時間T23が経過するとKクラッチ140KをONとする(t315)。これにより、現像ローラ61Y,61M,61C,61Kが接触位置から離間位置に順次移動する。
【0105】
制御部2は、離間センサ4CがONになるとYMCクラッチ140AをOFFとし(t316)、離間センサ4KがONになるとKクラッチ140KをOFFとする(t317)。
【0106】
以上説明した本実施形態によれば、シート間隔が中程度の場合に、第1シートSと第2シートSとの間でK現像ローラ61Kを一旦離間させることができるので、カラー印刷とモノクロ印刷の両方で使用される、使用頻度の高いK現像ローラ61KとK感光ドラム50Kが接触する時間を短くすることができる。これにより、ブラックのトナーやK現像ローラ61K等を長持ちさせることができる。
【0107】
また、第1移動機構5Aおよび第2移動機構5Kは、Kカム150Kの第2離間時間TS2が、Yカム150Yの第1離間時間TS1やカム150M,150Cの第3離間時間TS3よりも小さくなるように構成されているので、離間位置にあるK現像ローラ61Kを、現像ローラ61Y,61M,61Cよりも短い時間で、離間位置に移動させ、再び接触位置に移動させることができる。
【0108】
また、シート間隔が大きい場合には、第1シートSと第2シートSとの間で現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を一旦離間させることができるので、現像ローラ61と対応する感光ドラム50が接触する時間を短くすることができる。これにより、各色のトナーや現像ローラ61等を長持ちさせることができる。また、現像ローラ61Y,61M,61Cを一旦離間させることができないような、シート間隔が中程度の場合であっても、K現像ローラ61Kについては一旦離間させることができるので、使用頻度の高いK現像ローラ61KとK感光ドラム50Kが接触する時間をより短くすることができる。
【0109】
また、制御部2は、現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置に移動した後にK現像ローラ61Kが接触位置に移動するように第2移動機構5Kを制御するので、シートSの搬送に応じて現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを略この順に接触位置に移動させることで、すべての現像ローラ61を略同時に接触位置に移動させる場合と比較して、K現像ローラ61KとK感光ドラム50Kを接触させた状態でシートSの到着を待つ時間を短くすることができる。これにより、使用頻度の高いK現像ローラ61KとK感光ドラム50Kが接触する時間をより短くすることができる。
【0110】
また、制御部2は、K現像ローラ61Kが離間位置に移動するよりも先に現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に移動するように第1移動機構5Aを制御するので、シートSの搬送に応じて現像ローラ61Y,61M,61C,61Kをこの順に離間位置に移動させることで、K現像ローラ61Kよりも早く画像の現像が終了する現像ローラ61Y,61M,61Cを、画像の現像が終了した後、早期に対応する感光ドラム50K,50M,50Cから離間させることができる。これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cと対応する感光ドラム50Y,50M,50Cが接触する時間を短くすることができる。
【0111】
また、第1移動機構5Aがカム150Y,150M,150Cを有し、第2移動機構5KがKカム150Kを有するので、カム150Y,150M,150C,150Kで、プロファイルを変えることで、比較的簡単に第2離間時間TS2が第1離間時間TS1や第3離間時間TS3よりも小さくなるように構成することができる。
【0112】
以上に発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0113】
例えば、前記実施形態では、第1シートSがレジ後センサ28Cを通過してレジ後センサ28CがOFFとなったときから所定時間が経過した時点における、レジ後センサ28Cと給紙センサ28Aの検知状態(ON・OFF)によってシート間隔の大小を判定したが、これに限定されず、センサ28A~28Cからの信号に基づいてシート間隔を算出し、閾値としての第1間隔、第2間隔と比較してシート間隔の大小を判定してもよい。
【0114】
また、前記実施形態で説明した、現像ローラ61を対応する感光ドラム50に対して接触、離間させるための構成は一例である。例えば、カム150は、外周面にカム山を有していたが、カムは、端面カム等であってもよい。また、カム150は、直接、現像カートリッジ60を押圧する構成であったが、例えば、カムは、カムフォロワ等、現像カートリッジとは別の部材を押圧し、当該別の部材が現像カートリッジを押圧する構成であってもよい。また、現像カートリッジ60は、前後に移動するように支持されていたが、例えば、現像カートリッジは、上下に移動するように支持されていてもよい。
【0115】
また、前記実施形態では、第1移動機構5Aおよび第2移動機構5Kについて、第2離間時間TS2(第2時間)を第1離間時間TS1等(第1時間)よりも小さくするため、カム150のプロファイルを変えたが、これに限定されない。例えば、第1カム、第2カムとしてプロファイルが同じ部品を用い、第2カムの回転速度を第1カムよりも速くすることで、第2時間を第1時間よりも小さくするようにしてもよい。このように、第1移動機構が第1カムを有し、第2移動機構が第2カムを有することで、回転速度を変えることによっても、比較的簡単に第2時間が第1時間よりも小さくなるように構成することができる。
【0116】
また、前記実施形態では、4色のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置1を例示したが、例えば、2色や3色、または、5色以上のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置であってもよい。すなわち、前記実施形態では、画像形成装置が、3つの第1感光ドラムと、3つの第1現像ローラと、1つの第2感光ドラムと、1つの第2現像ローラとを備える構成であったが、これに限定されず、例えば、第1感光ドラム、第1現像ローラは、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、第2感光ドラム、第2現像ローラが複数であってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、複合機やコピー機等であってもよい。
【0117】
また、前記実施形態では、K感光ドラム50K(第2感光ドラム)がシートSの搬送方向における感光ドラム50Y,50M,50C(第1感光ドラム)の下流側に配置されていたが、これに限定されず、第2感光ドラムがシートの搬送方向における第1感光ドラムの上流側に配置されていてもよい。
【0118】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 画像形成装置
2 制御部
5A 第1移動機構
5K 第2移動機構
50Y Y感光ドラム
50M M感光ドラム
50C C感光ドラム
50K K感光ドラム
61Y Y現像ローラ
61M M現像ローラ
61C C現像ローラ
61K K現像ローラ
150Y Yカム
150M Mカム
150C Cカム
150K Kカム
S シート