(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20231011BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20231011BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231011BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G06F3/01 570
G06F3/01 510
G06F3/04815
H04N1/00 127A
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2019207269
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 祐輔
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-194725(JP,A)
【文献】特開2016-207048(JP,A)
【文献】特開2019-149066(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0217617(US,A1)
【文献】特開2012-205134(JP,A)
【文献】特開2003-125125(JP,A)
【文献】特開2017-017507(JP,A)
【文献】国際公開第2019/012940(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0126018(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0006172(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
H04N 1/00
B41J 29/00 - 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
画像形成指示に対する実行状況を取得し、
仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、画像形成装置の通紙経路上の前記実行状況に対応する位置に、仮想用紙を表示させ、
前記仮想用紙に対する予め定めたジェスチャ操作を検知した場合に、前記ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を前記画像形成装置に対して行
い、
前記仮想用紙に対する予め定めた停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行い、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行う情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
画像形成指示に対する実行状況を取得し、
仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、画像形成装置の通紙経路上の前記実行状況に対応する位置に、仮想用紙を表示させ、
前記仮想用紙に対する予め定めたジェスチャ操作を検知した場合に、前記ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を前記画像形成装置に対して行い、
前記仮想用紙に対する予め定めた停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行い、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成の停止が不可であることを報知する情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
画像形成指示に対する実行状況を取得し、
仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、画像形成装置の通紙経路上の前記実行状況に対応する位置に、仮想用紙を表示させ、
前記仮想用紙に対する予め定めたジェスチャ操作を検知した場合に、前記ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を前記画像形成装置に対して行い、
前記仮想用紙に対する予め定めた停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行い、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙と、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙とを異なる形態で表示する情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
画像形成指示を取得した場合に、前記画像形成装置の通紙経路上の前記仮想用紙を搬送開始位置に表示させ、
前記仮想用紙に対する予め定めた開始ジェスチャ操作を検知した場合に、画像形成を開始する指示を前記画像形成装置に対して行う請求項1
~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合
に、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行う請求項
2又は請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙
に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成の停止が不可であることを報知する請求項
1又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙と、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙とを異なる形態で表示する請求項
1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記画像形成装置の実際の通紙経路に沿って前記仮想用紙が移動するように表示する請求項
1~7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
画像形成指示に含まれる用紙情報を用いて、前記仮想用紙の移動経路を更に表示する請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、予め定めた後処理を行う後処理装置を前記画像形成装置が備える場合、画像形成指示に含まれる後処理情報を用いて、後処理の排出位置に合わせて前記移動経路を表示する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の情報処理装置と、
画像形成指示を受け付けて画像形成を行い、かつ前記操作指示に対応する処理を行う画像形成装置と、
を含む情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1~10の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置でのジョブの実行状況を遠くから容易に認識することのできるジョブ情報表示装置が提案されている。詳細には、ヘッドマウントディスプレイ装置が、ユーザの見ている光景と同じ光景をカメラ部で撮影し、該光景の中に存在する画像形成装置を画像解析等によって認識し、その画像形成装置からジョブの実行状況を示すジョブ情報を取得する。そして、ジョブ情報に基づいて、該ジョブの実行状況を、画像形成装置の通紙経路上にそのジョブで使用される用紙を仮想的に示す仮想用紙を配置した画像を作成し、該画像をユーザの見ている光景内の画像形成装置に重なるように表示スクリーンに表示する。
【0003】
また、特許文献2には、画像形成に関する処理の設定条件における位置条件を直感的に容易に指定可能な情報処理装置が提案されている。詳細には、ヘッドマウントデバイスが、画像形成に関する処理の位置条件が指定される場合に、カメラで撮影された視界影像に含まれる位置条件の指定の対象となる指定対象物の画像を認識する。そして、ヘッドマウントデバイスが、認識された指定対象物の画像における視線検出部で検出された視線方向に対応する位置に応じて、位置条件の指定内容を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-194725号公報
【文献】特開2017-017507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、ユーザインタフェースを操作して操作指示を行うよりも直感的に操作指示が可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成指示に対する実行状況を取得し、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、画像形成装置の通紙経路上の前記実行状況に対応する位置に、仮想用紙を表示させ、前記仮想用紙に対する予め定めたジェスチャ操作を検知した場合に、前記ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を前記画像形成装置に対して行い、前記仮想用紙に対する予め定めた停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行い、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行う。
請求項2に記載の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成指示に対する実行状況を取得し、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、画像形成装置の通紙経路上の前記実行状況に対応する位置に、仮想用紙を表示させ、前記仮想用紙に対する予め定めたジェスチャ操作を検知した場合に、前記ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を前記画像形成装置に対して行い、前記仮想用紙に対する予め定めた停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行い、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成の停止が不可であることを報知する。
請求項3に記載の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像形成指示に対する実行状況を取得し、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、画像形成装置の通紙経路上の前記実行状況に対応する位置に、仮想用紙を表示させ、前記仮想用紙に対する予め定めたジェスチャ操作を検知した場合に、前記ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を前記画像形成装置に対して行い、前記仮想用紙に対する予め定めた停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行い、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙と、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙とを異なる形態で表示する。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、画像形成指示を取得した場合に、前記画像形成装置の通紙経路上の前記仮想用紙を搬送開始位置に表示させ、前記仮想用紙に対する予め定めた開始ジェスチャ操作を検知した場合に、画像形成を開始する指示を前記画像形成装置に対して行う。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記プロセッサは、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合に、画像形成を停止する指示を前記画像形成装置に対して行う。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明において、前記プロセッサは、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙に対する前記停止ジェスチャ操作を検知した場合は、画像形成の停止が不可であることを報知する。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記プロセッサは、予め定めた停止可能区間の前記仮想用紙と、予め定めた停止不可区間の前記仮想用紙とを異なる形態で表示する。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、前記画像形成装置の実際の通紙経路に沿って前記仮想用紙が移動するように表示する。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記プロセッサは、画像形成指示に含まれる用紙情報を用いて、前記仮想用紙の移動経路を更に表示する。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記プロセッサは、予め定めた後処理を行う後処理装置を前記画像形成装置が備える場合、画像形成指示に含まれる後処理情報を用いて、後処理の排出位置に合わせて前記移動経路を表示する。
【0015】
請求項11に記載の情報処理システムは、請求項1~10の何れか1項に記載の情報処理装置と、画像形成指示を受け付けて画像形成を行い、かつ前記操作指示に対応する処理を行う画像形成装置と、を含む。
【0016】
請求項12に記載の情報処理プログラムは、コンピュータを、請求項1~10の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の情報処理装置によれば、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、ユーザインタフェースを操作して操作指示を行うよりも直感的に操作指示が可能な情報処理装置を提供でき、かつ停止可能な場合にジェスチャ操作により画像形成を停止することが可能となる。
請求項2に記載の情報処理装置によれば、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、ユーザインタフェースを操作して操作指示を行うよりも直感的に操作指示が可能な情報処理装置を提供でき、かつ停止不可の場合にジェスチャ操作による画像形成の停止が不可能であることをユーザが認識することができる。
請求項3に記載の情報処理装置によれば、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、ユーザインタフェースを操作して操作指示を行うよりも直感的に操作指示が可能な情報処理装置を提供でき、かつ画像形成を停止可能か不可能かを認識することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、ジェスチャ操作により画像形成を開始することが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、停止可能な場合にジェスチャ操作により画像形成を停止することが可能となる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、停止不可の場合にジェスチャ操作による画像形成の停止が不可能であることをユーザが認識することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、画像形成を停止可能か不可能かを認識することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、画像形成中の通紙状態を仮想的に確認することが可能となる。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、用紙毎の通紙経路を確認することが可能となる。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、画像形成装置に後処理装置を備える場合に、用紙の排出位置を認識することが可能となる。
【0026】
請求項11に記載の情報処理システムによれば、本発明は、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、ユーザインタフェースを操作して操作指示を行うよりも直感的に操作指示が可能な情報処理システムを提供できる。
【0027】
請求項12に記載の情報処理プログラムによれば、本発明は、仮想現実空間、拡張現実空間、または複合現実空間において、ユーザインタフェースを操作して操作指示を行うよりも直感的に操作指示が可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理システムにおけるMRデバイスの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】実際の画像形成装置に仮想用紙を重畳して表示した様子の一例を示す図である。
【
図5】仮想用紙に対して画像形成開始のジェスチャ操作を行った様子の一例を示す図である。
【
図6】仮想用紙に対して画像形成指示を削除するジェスチャ操作を行った様子の一例を示す図である。
【
図7】画像形成を停止可能な期間と停止不可の期間とで仮想用紙を異なる形態で表示する例を説明するための図である。
【
図8】画像形成を停止可能な期間の一例を説明するための図である。
【
図9】本実施形態に係る情報処理システムにおけるMRデバイスで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】画像形成装置に後処理装置を備える場合に、仮想用紙の移動経路を表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本実施形態の一例を詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置、プリントサーバ、クライアントコンピュータ、及び無線基地局が各種ネットワーク等の通信回線を介して各々接続された情報処理システムを一例として説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0030】
本実施形態に係る情報処理システム10は、
図1に示すように、画像形成装置12と、無線基地局13と、クライアントコンピュータ15と、プリントサーバ16とを備えている。なお、
図1では、画像形成装置12及びクライアントコンピュータ15は1つ示すが、それぞれ複数でもよいし、何れか一方が複数でもよい。
【0031】
画像形成装置12、無線基地局13、クライアントコンピュータ15、及びプリントサーバ16は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、イントラネット等の通信回線18を介して各々接続されている。そして、画像形成装置12、無線基地局13、クライアントコンピュータ15、及びプリントサーバ16の各々は、通信回線18を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。また、無線基地局13には、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)14aや、携帯端末装置14b等の複合現実空間(MR:Mixed Reality)の画像を表示可能な情報処理装置としてのMRデバイス14が無線接続されており、MRデバイス14と各機器と各種データの送受信を行うことが可能とされている。
【0032】
本実施形態に係る情報処理システム10は、プリントサーバ16がクライアントコンピュータ15等からの要求に応じたプリントサービスをクラウドサービスとして提供する。具体的には、クライアントコンピュータ15等からプリントサーバ16に対して画像形成指示を行って、画像形成装置12によって画像形成指示に対応する画像形成を行うクラウドサービスをプリントサーバ16が提供する。このとき、MRデバイス14は、実際の画像形成装置12の通紙経路上に仮想的に用紙を重畳して表示する。そして、仮想用紙に対するジェスチャ操作を受け付けて操作指示を画像形成装置12に対して行うことで画像形成装置12に対する操作が可能とされている。なお、以下では、仮想的に表示する用紙を仮想用紙と称す。
【0033】
図2は、本実施形態に係る情報処理システム10における画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0034】
本実施形態に係る画像形成装置12は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0035】
一方、本実施形態に係る画像形成装置12は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、および操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施形態に係る画像形成装置12では、記憶部としてHDD26を適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0036】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部44による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続されたプリントサーバ16等の他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(インタフェース)部36と、を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリI/F(インタフェース)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線I/F部36、及びファクシミリI/F部38がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0037】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイ22Aへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部44及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線I/F部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0038】
続いて、本実施形態に係るMRデバイス14の電気系の要部構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理システム10におけるMRデバイス14の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0039】
本実施形態に係るMRデバイス14は、
図3に示すように、プロセッサの一例としてのCPU14A、ROM14B、RAM14C、HDD14D、操作部14E、表示部14F、通信回線I/F(インタフェース)部14G、及び撮影部14Hを備えている。CPU14Aは、MRデバイス14の全体の動作を司る。ROM14Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM14Cは、CPU14Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD14Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。操作部14Eは各種の情報を入力するために用いられる。表示部14Fは、各種の情報を表示するために用いられる。撮影部14Hは、撮影によって得られる画像情報を出力する。通信回線I/F部14Gは、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。また、通信回線I/F部14Gは、周知の各種の無線通信を用いて、各機器と直接通信が可能な構成とてもよい。以上のMRデバイス14の各部はシステムバス14Iにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施形態に係るMRデバイス14では、HDD14Dを記憶部として適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0040】
以上の構成により、本実施形態に係るMRデバイス14は、CPU14Aにより、ROM14B、RAM14C、及びHDD14Dに対するアクセス、操作部14Eを介した各種データの取得、撮影部14Hによる撮影、表示部14Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、MRデバイス14は、CPU14Aにより、通信回線I/F部14Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0041】
なお、クライアントコンピュータ15及びプリントサーバ16は、基本的には一般的なコンピュータ構成とされ、
図3の撮影部14H以外は、MRデバイス14と同様に、CPU15A、16A、ROM15B、16B、及びRAM15C、16C等を含む構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0042】
上述のように構成された本実施形態に係る情報処理システム10では、
図4に示すように、MRデバイス14により、実際の画像形成装置12に対してリアルタイムに仮想用紙50を表示する。例えば、MRデバイス14は、画像形成装置12の撮影画像を表示して仮想用紙50を重畳して表示する形態としてもよいし、透過スクリーン等を備えて透過スクリーン上の画像形成装置12に対応する位置に仮想用紙50を表示することで、実際の画像形成装置12に仮想用紙50を重畳して表示する形態としてもよい。なお、画像形成指示に含まれる用紙情報等を用いて排出位置等を特定して、
図4に示すように、仮想用紙50の移動経路を矢印等で表示してもよい。
【0043】
そして、撮影部14Hによって撮影された撮影画像に基づいて仮想用紙50に対する予め定めたジェスチャ操作を検出し、検出した操作に対応する指示を画像形成装置12に通知して、画像形成装置12を操作する。例えば、予め定めたジェスチャ操作としては、画像形成開始を指示するジェスチャ操作や、画像形成指示を削除するジェスチャ操作、画像形成を停止するジェスチャ操作などが挙げられる。
【0044】
例えば、仮想用紙50を手で上に挙げる等の画像形成開始を指示する予め定めたジェスチャ操作をMRデバイス14が検出した場合には、MRデバイス14は、実際の画像形成装置12に対して仮想用紙50を表示するように表示部14Fを制御し、画像形成開始を画像形成装置12に通知することにより画像形成を開始する。
【0045】
また、仮想用紙50を手で掴む、或いははさみで切る等の予め定めた画像形成指示を削除するジェスチャ操作をMRデバイス14が検出した場合には、受け付けた画像形成指示の削除を画像形成装置12に通知して画像形成指示を削除する。
【0046】
また、画像形成が開始して、画像形成の動作中に、仮想用紙50を手で掴む、或いははさみで切る等の画像形成を停止する予め定めたジェスチャ操作をMRデバイス14が検出した場合には、画像形成の停止を画像形成装置12に通知して画像形成を停止する。ここで、画像形成指示を削除するジェスチャ操作と、画像形成を停止するジェスチャ操作は、ジェスチャ自体は同じでもよい。同じジェスチャを用いる場合には、検出するタイミングや、他の条件等で区別すればよい。
【0047】
なお、画像形成中の仮想用紙50の表示は、実際の用紙と同じように、通紙経路に沿って仮想用紙50が移動するように表示する。
【0048】
ここで、MRデバイス14を用いて画像形成装置12に画像形成を開始させる具体的な手順について説明する。
【0049】
ユーザがクライアントコンピュータ15等を操作して画像形成装置12に対して画像形成指示を行い、画像形成装置12の前まで行って認証操作を行う。認証は、例えば、IC(Integrated Circuit)カード等を用いて行う。
【0050】
画像形成装置12は、認証によりユーザを特定して、MRデバイス14に画像形成指示の有無の情報を送信する。
【0051】
MRデバイス14は、ユーザの画像形成指示が存在する場合、
図5に示すように、実際の画像形成装置12の用紙の搬送開始位置である用紙を供給する部分に仮想用紙50を重畳して表示する。
【0052】
そして、MRデバイス14は、撮影部14Hによって撮影された撮影画像に基づいて、仮想用紙50に対するジェスチャ操作として、
図5に示すように、画像形成開始を指示する予め定めたジェスチャ操作をMRデバイス14が検出した場合に、画像形成装置12に画像形成開始の指示を通知して、画像形成を開始させる。
【0053】
次に、MRデバイス14を用いて画像形成装置12の画像形成指示を削除する具体的な手順について説明する。
【0054】
ユーザがクライアントコンピュータ15等を操作して画像形成装置12に対して画像形成指示を行い、画像形成装置12の前まで行って認証操作を行う。認証は、例えば、IC(Integrated Circuit)カード等を用いて行う。
【0055】
画像形成装置12は、認証によりユーザを特定して、MRデバイス14に画像形成指示の有無の情報を送信する。
【0056】
MRデバイス14は、ユーザの画像形成指示が存在する場合、
図6に示すように、実際の画像形成装置12の用紙の搬送開始位置である用紙を供給する部分に仮想用紙50を重畳して表示する。
【0057】
そして、MRデバイス14は、撮影部14Hによって撮影された撮影画像に基づいて、仮想用紙50に対するジェスチャ操作として、
図6に示すように、画像形成指示を削除する予め定めたジェスチャ操作をMRデバイス14が検出した場合に、画像形成装置12に画像形成指示の削除を通知して、画像形成指示を削除する。
【0058】
次に、MRデバイス14を用いて画像形成装置12の画像形成を停止する具体的な手順について説明する。
【0059】
上述のように、画像形成指示が行われて画像形成動作が行われている間に、仮想用紙50に対するジェスチャ操作として、ユーザが画像形成を停止する予め定めたジェスチャ操作を行う。これにより、MRデバイス14は、撮影部14Hによって撮影された撮影画像に基づいて、画像形成を停止するジェスチャ操作をMRデバイス14が検出し、画像形成装置12に画像形成の停止を通知して、画像形成を停止させる。
【0060】
実際には、画像形成を停止可能な期間は決まっているので、画像形成装置12と通信して情報を取得する。仮想用紙50の表示は、
図7に示すように、画像形成を停止可能な期間と停止不可の期間とで異なる形態で表示する。例えば、画像形成を停止可能な期間外は、赤く表示、点線、または、点滅表示等で異なる表示形態として表示し、停止不可であることをユーザに報知する。なお、画像形成を停止可能な期間としては、例えば、
図8に示すように、未処理中の場合と、処理中の対象情報を受信してから画像形成するまでの間の期間であり、未処理中の画像形成が開始されてから排出されるまでの期間は画像形成の停止が不可の期間である。
【0061】
具体的には、画像形成装置12は、MRデバイス14に対して、画像形成の対象ページが画像形成の停止が可能か否かの情報を送信する。
【0062】
MRデバイス14は、画像形成の停止が可能か否かの情報に応じて、仮想用紙の表示形態を変更する。また、停止不可の場合は停止ジェスチャ操作を受け付けない。
【0063】
MRデバイス14は、停止ジェスチャを検知した場合、画像形成装置12に対して画像形成停止命令を送信し、画像形成装置12は、画像形成停止命令を受信した場合に、画像形成を停止する。
【0064】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る情報処理システム10で行われる具体的な処理について説明する。
【0065】
まず、MRデバイス14で行われる処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理システム10におけるMRデバイス14で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図9の処理は、ユーザがクライアントコンピュータ15等を操作して画像形成装置12に対して画像形成指示を行い、画像形成装置12の前まで行って認証操作を行って認証が許可された場合に開始する。
【0066】
ステップ100では、CPU14Aが、画像形成指示をプリントサーバ16から取得してステップ102へ移行する。すなわち、MRデバイス14は、画像形成指示を画像形成の実行状況として取得する。
【0067】
ステップ102では、CPU14Aが、仮想用紙50を描画してステップ104へ移行する。すなわち、
図4に示すように、実際の画像形成装置12の用紙の搬送開始位置である用紙を供給する部分に仮想用紙50を重畳して表示する。具体的には、画像形成指示に含まれる用紙情報に対応する用紙が格納された位置に仮想用紙50を表示する。例えば、先行技術文献等の周知技術のように、
図4に示すように、撮影部14Hの撮影によって得られた画像情報から特定のマーク52等を用いて画像形成装置12を認識し、用紙情報に対応する位置に仮想用紙50を表示する。
【0068】
ステップ104では、CPU14Aが、開始又は削除のジェスチャを検知したか否か判定する。該判定は、撮影部14Hの撮影によって得られた画像情報に対して画像処理を行うことにより、開始又は停止の予め定めたジェスチャ操作が行われたか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ106へ移行する。
【0069】
ステップ106では、CPU14Aが、検知したジェスチャ操作が開始ジェスチャ操作であるか否かを判定する。停止ジェスチャ操作が検知されて判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、判定が肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0070】
ステップ108では、CPU14Aが、画像形成指示の削除を画像形成装置12に通知して一連の処理を終了する。すなわち、MRデバイス14から画像形成装置12に対して画像形成指示を削除する指示が行われる。これにより、画像形成装置12では、後述の処理により、画像形成指示が削除される。
【0071】
一方、ステップ110では、CPU14Aが、画像形成の開始を画像形成装置12に通知してステップ112へ移行する。すなわち、MRデバイス14から画像形成装置12に対して画像形成を開始する指示が行われる。これにより、画像形成装置12では、後述の処理により、画像形成が開始される。
【0072】
ステップ112では、CPU14Aが、仮想用紙50の搬送を描画してステップ114へ移行する。すなわち、画像形成装置12内の用紙の搬送と同じように、通紙経路に沿って仮想用紙50が搬送されるように表示される。
【0073】
ステップ114では、CPU14Aが、画像形成の停止が可能か否かの情報を画像形成装置12から取得してステップ116へ移行する。すなわち、MRデバイス14は、画像形成の停止が可能か否かの情報を画像形成の実行状況として取得する。
【0074】
ステップ116では、CPU14Aが、取得した情報に基づいて、画像形成の停止が可能であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ118へ移行し、肯定された場合にはステップ124へ移行する。
【0075】
ステップ118では、CPU14Aが、仮想用紙50の描画色を更新してステップ120へ移行する。例えば、画像形成の停止が不可を表す赤色等の色に仮想用紙50の色を変更する。
【0076】
ステップ120では、CPU14Aが、画像形成の実行状態を画像形成装置12から取得してステップ122へ移行する。
【0077】
ステップ122では、CPU14Aが、取得した画像形成状態に基づいて、画像形成が終了したか否か判定する。該判定が否定された場合にはステップ112に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ128へ移行する。
【0078】
一方、ステップ124では、CPU14Aが、停止のジェスチャ操作を検知したか否か判定する。該判定は、撮影部14Hの撮影によって得られた画像情報に対して画像処理を行うことにより、停止ジェスチャ操作が行われたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ120へ移行し、肯定された場合にはステップ126へ移行する。
【0079】
ステップ126では、CPU14Aが、画像形成の停止を画像形成装置12に通知してステップ128へ移行する。すなわち、MRデバイス14から画像形成装置12に対して画像形成を停止する指示が行われる。これにより、画像形成装置12では、後述の処理により、画像形成が停止される。
【0080】
ステップ128では、CPU14Aが、仮想用紙50の描画を終了して一連の処理を終了する。
【0081】
続いて、画像形成装置12で行われる処理について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報処理システム10における画像形成装置12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図10の処理は、ユーザがクライアントコンピュータ15等を操作して画像形成装置12に対して画像形成指示を行い、画像形成装置12の前まで行って認証操作を行って認証が許可された後に、MRデバイス14から情報を受信した場合に開始する。
【0082】
ステップ200では、CPU20Aが、MRデバイス14から画像形成の開始の通知を受信したか否かを判定する。該判定は、上述のステップ110によって画像形成の開始が通知されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ202へ移行し、否定された場合にはステップ204へ移行する。
【0083】
ステップ202では、CPU20Aが、画像形成制御部34を介して画像形成部24及び搬送部25を制御することで、画像形成を開始して一連の処理を終了する。
【0084】
一方、ステップ204では、CPU20Aが、MRデバイス14から画像形成の削除指示の通知を受信したか否かを判定する。該判定は、上述のステップ108によって画像形成指示の削除が通知されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ206へ移行し、否定された場合にはステップ208へ移行する。
【0085】
ステップ206では、CPU20Aが、画像形成指示を削除して一連の処理を終了する。すなわち、クライアントコンピュータ15から指示された画像形成指示を削除する。
【0086】
一方、ステップ208では、CPU20Aが、MRデバイス14から画像形成の停止の通知を受信したか否かを判定する。該判定は、上述のステップ126によって画像形成の停止が通知されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ210へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。
【0087】
ステップ210では、CPU20Aが、画像形成制御部34を介して画像形成部24及び搬送部25を制御することで、画像形成を停止して一連の処理を終了する。
【0088】
このように、MRデバイス14が、実際の画像形成装置12に仮想用紙50を表示し、仮想用紙50に対するジェスチャ操作を検知した場合に、ジェスチャ操作に対応して予め定めた操作指示を画像形成装置12に対して行うことで画像形成装置12が操作される。これにより、ユーザインタフェースによる操作指示よりも直感的な操作指示が行われる。
【0089】
ところで、用紙に穴を開けるパンチ処理や、用紙を綴じるステープル処理、用紙を二つ折りにする二つ折り処理、用紙を観音開き折りする観音開き折り処理等の予め定めた後処理を行う後処理装置60を画像形成装置12に備える場合がある。この場合、画像形成装置12の本体と、後処理装置60のどちらから用紙が出力されるかが分からないことがある。そこで、MRデバイス14が、画像形成指示に含まれる後処理情報を用いて、後処理の排出位置に合わせて仮想用紙50の移動経路を表示してもよい。例えば、
図11の矢印で示すように、用紙の搬送を仮想的に見えるように、仮想用紙50の移動経路を実際の画像形成装置12に重畳して表示し、移動経路の表示によって用紙の出力先が分かるように表示する。
【0090】
なお、上記の実施形態において、MRデバイス14と画像形成装置12との間の情報の授受は、通信回線18及びプリントサーバ16を介して行ってもよいが、MRデバイス14と画像形成装置12間で、各種無線通信等により情報の授受を直接行ってもよい。
【0091】
また、上記の実施形態では、MRデバイス14を用いた例を一例として説明したが、MRデバイス14に限るものではない。例えば、MRデバイス14の代わりに、仮想現実空間(VR:Virtual Reality)または拡張現実空間(AR:Augmented Reality)の画像を表示するデバイスを適用してもよい。
【0092】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0093】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0094】
また、上記の実施形態に係る情報処理システム10の各部で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、情報処理システム10の各部で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0095】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0096】
10 情報処理システム
12 画像形成装置
14 MRデバイス
15 クライアントコンピュータ
16 プリントサーバ
14A CPU
14F 表示部