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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/407 20060101AFI20231011BHJP
   A45D 31/00 20060101ALI20231011BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231011BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20231011BHJP
   A45D 29/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B41J3/407
A45D31/00
G06F3/12 347
G06F3/12 308
G06F3/12 342
G06F3/12 356
G06F3/12 378
G06F3/12 392
H04N1/387 200
A45D29/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019212017
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2021084227
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】酒井 啓貴
(72)【発明者】
【氏名】井村 義彦
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-246883(JP,A)
【文献】特開2006-338584(JP,A)
【文献】特開2009-239688(JP,A)
【文献】特開2005-045644(JP,A)
【文献】特開2006-130820(JP,A)
【文献】特開2003-072155(JP,A)
【文献】特開2015-076036(JP,A)
【文献】特開2012-125311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0281458(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0210148(US,A1)
【文献】中国実用新案第204977826(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/407
B41J 5/00
B41J 21/00
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に印刷を施すための印刷装置であって、
前記記録媒体が載置される載置面を有する載置部材と、
前記載置部材の前記載置面の外周部に沿って配置され、且つ、前記記録媒体を囲むように配置される枠部材と、
前記枠部材により囲まれた前記記録媒体に印刷を施す印刷部と、
前記枠部材及び前記記録媒体を撮像した画像に基づいて生成された印刷情報であって、前記枠部材により規定される印刷可能領域における前記記録媒体に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を取得する取得部と、
取得された前記印刷情報に基づいて、前記印刷部を制御する印刷制御部と、を備え
平面視において、前記載置部材の前記載置面及び前記枠部材の端面はそれぞれ、互いに異なる色で構成されている
印刷装置。
【請求項2】
前記枠部材は、前記載置部材の前記載置面の外周部から立設するように配置され、
前記枠部材の内周面は、前記載置部材の前記載置面と同様の色で構成されている
請求項に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、さらに、前記枠部材に対して前記載置部材を昇降させるための昇降機構を備える
請求項に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記載置部材の前記載置面は、黒色で構成され、
前記枠部材の前記端面は、白色で構成されている
請求項のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に印刷を施すための印刷装置、及び、印刷装置と通信可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばネイルチップ(いわゆる、付け爪)等の立体物に印刷を施すための印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の印刷装置は、立体物を載置するためのトレイと、トレイ上の立体物に印刷を施すための印刷ヘッドとを備えている。印刷ヘッドは、トレイに対して所定方向に往復移動しながら、トレイ上の予め定められた位置に載置された立体物の表面に向けてインクを吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-226760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の印刷装置において、ユーザが立体物をトレイ上の任意の位置に載置した場合には、印刷装置側でトレイにおける立体物の配置を認識することができないおそれがある。そのため、立体物に精度良く印刷を施すのが困難であるという課題が生じる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、記録媒体に精度良く印刷を施すことができる印刷装置及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る印刷装置は、記録媒体に印刷を施すための印刷装置であって、前記記録媒体を囲むように配置される枠部材と、前記枠部材により囲まれた前記記録媒体に印刷を施す印刷部と、前記枠部材及び前記記録媒体を撮像した画像に基づいて生成された印刷情報であって、前記枠部材により規定される印刷可能領域における前記記録媒体に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を取得する取得部と、取得された前記印刷情報に基づいて、前記印刷部を制御する印刷制御部と、を備える。
【0007】
本態様によれば、印刷制御部は、枠部材により規定される印刷可能領域における記録媒体に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報に基づいて印刷部を制御するので、例えばユーザが記録媒体を任意の位置に載置した場合であっても、印刷制御部は、印刷情報に基づいて記録媒体に施すべき印刷の配置を認識することができる。その結果、記録媒体に精度良く印刷を施すことができる。
【0008】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記印刷装置は、さらに、前記記録媒体が載置される載置面を有する載置部材を備え、前記枠部材は、前記載置部材の前記載置面の外周部に沿って配置され、平面視において、前記載置部材の前記載置面及び前記枠部材の端面はそれぞれ、互いに異なる色で構成されているように構成してもよい。
【0009】
本態様によれば、平面視において載置部材の載置面及び枠部材の端面はそれぞれ、互いに異なる色で構成されているので、枠部材及び記録媒体を撮像した画像における載置部材の載置面と枠部材の端面とのコントラストに基づいて、枠部材により規定される印刷可能領域を精度良く認識することができる。
【0010】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記枠部材は、前記載置部材の前記載置面の外周部から立設するように配置され、前記枠部材の内周面は、前記載置部材の前記載置面と同様の色で構成されているように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、印刷可能領域として検出される面(枠部材の端面により規定される面)の高さ位置と、載置部材に載置された記録媒体により規定される面の高さ位置とを一致させることができる。その結果、記録媒体に対する印刷ずれを抑制することができる。
【0012】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記印刷装置は、さらに、前記枠部材に対して前記載置部材を昇降させるための昇降機構を備えるように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、記録媒体の大きさ等に応じて、昇降機構により載置部材を枠部材に対して昇降させることにより、載置部材に載置された記録媒体の高さ位置を枠部材の端面の高さ位置に位置させることができる。その結果、印刷可能領域として検出される面(枠部材の端面により規定される面)の高さ位置と、載置部材に載置された記録媒体により規定される面の高さ位置とを容易に一致させることができる。
【0014】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記載置部材の前記載置面は、黒色で構成され、前記枠部材の前記端面は、白色で構成されているように構成してもよい。
【0015】
本態様によれば、枠部材及び記録媒体を撮像した画像における、載置部材の載置面と枠部材の端面とのコントラストをよりはっきりさせることができる。
【0016】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、記録媒体に印刷を施すための印刷装置と通信可能な情報処理装置であって、前記記録媒体及び当該記録媒体を囲むように配置された枠部材を含む画像を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された前記画像に基づいて、前記枠部材により規定される印刷可能領域における前記記録媒体に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を生成する生成部と、生成された前記印刷情報を前記印刷装置に送信する送信部と、を備える。
【0017】
本態様によれば、送信部は、枠部材により規定される印刷可能領域における記録媒体に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を印刷装置に送信するので、例えばユーザが記録媒体を印刷装置における任意の位置に載置した場合であっても、印刷装置は、情報処理装置からの印刷情報に基づいて記録媒体に施すべき印刷の配置を認識することができる。その結果、印刷装置において記録媒体に精度良く印刷を施すことができる。
【0018】
例えば、本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記情報処理装置は、さらに、表示部と、前記撮像部により撮像された前記画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記生成部は、さらに、前記撮像部により撮像された前記画像に基づいて、前記印刷可能領域における前記記録媒体の配置を示す配置情報を生成し、前記表示制御部は、前記生成部により前記配置情報が生成された際に、前記配置情報に基づいて、前記印刷可能領域における前記記録媒体の配置を示す配置画像を前記表示部に表示させるように構成してもよい。
【0019】
本態様によれば、表示制御部は、印刷可能領域における記録媒体の配置を示す配置画像を表示部に表示させるので、ユーザは、表示部に表示された配置画像を印刷プレビュー画面として用いることができる。
【0020】
例えば、本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記表示制御部は、さらに、前記配置画像において、前記記録媒体に対して印刷を施すべき図柄を示す図柄画像を、前記記録媒体を示す記録媒体画像に重畳させて表示させ、前記生成部は、前記記録媒体画像に重畳された前記図柄画像に基づいて、前記印刷情報を生成するように構成してもよい。
【0021】
本態様によれば、表示制御部は、配置画像において図柄画像を記録媒体画像に重畳させて表示させるので、ユーザは、図柄の印刷を施した記録媒体の印刷イメージを容易に認識することができる。
【0022】
例えば、本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記表示制御部は、さらに、前記配置画像において、前記記録媒体画像に重畳された前記図柄画像において減色法で画素を合成するように構成してもよい。
【0023】
本態様によれば、ユーザが表示部に表示された配置画像を印刷プレビュー画面として見た際に、配置画像における図柄画像の色を、実際に記録媒体に印刷された図柄の色と同等の色とすることにより、ユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。
【0024】
例えば、本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記表示制御部は、さらに、前記配置画像において、前記図柄画像を前記記録媒体画像に重畳させて表示させた際に、前記図柄画像のうち前記記録媒体画像の外側にはみ出した領域をマスクするマスク処理を行うように構成してもよい。
【0025】
本態様によれば、図柄画像のうち記録媒体画像の外側にはみ出した領域をマスク処理によりマスクすることにより、当該はみだした領域に無駄に印刷してしまうことがなく、インク等の無駄な消費を抑制することができるとともに、印刷装置の部品(例えばトレイ等)がインクにより必要以上に汚れるのを抑制することができる。
【0026】
例えば、本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記表示制御部は、さらに、前記撮像部により撮像された前記画像を前記表示部に表示させている際に、前記画像に含まれる前記枠部材に通知用表示を重畳させて表示させ、前記撮像部の撮像角度に応じて前記通知用表示の色を変化させるように構成してもよい。
【0027】
本態様によれば、撮像部の撮像角度に応じて通知用表示の色を変化させることにより、ユーザに対して、撮像部の撮像角度を適切な撮像角度に調節するように促すことができる。
【0028】
例えば、本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記枠部材は、コの字状に形成されており、前記表示制御部は、さらに、コの字状の前記枠部材を撮像した画像に対して所定の画像処理を行うことにより、前記枠部材をロの字状と認識するように補完するように構成してもよい。
【0029】
本態様によれば、枠部材はコの字状に形成されているので、記録媒体の取り出しが容易となる。また、表示制御部は、コの字状の枠部材を撮像した画像に対して所定の画像処理を行うことにより、枠部材をロの字状と認識するように補完するので、印刷可能領域を容易に決定することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一態様に係る印刷装置等によれば、記録媒体に精度良く印刷を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施の形態1に係る印刷システムを示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る印刷装置の内部構造を示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る印刷装置のトレイを抜き出して示す斜視図である。
図4図3のIV-IV線による、実施の形態1に係る印刷装置のトレイの断面図である。
図5】実施の形態1に係る印刷システムの機能構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態1に係る印刷システムにおける印刷手順の流れを示すフローチャートである。
図7】撮像部による撮像角度が正常である場合における、実施の形態1に係る端末装置に表示されるカメラ画面の一例を示す図である。
図8A】撮像部による撮像角度がやや不良である場合における、実施の形態1に係る端末装置に表示されるカメラ画面の一例を示す図である。
図8B】撮像部による撮像角度が不良である場合における、実施の形態1に係る端末装置に表示されるカメラ画面の一例を示す図である。
図8C】撮像部による撮像角度がかなり不良である場合における、実施の形態1に係る端末装置に表示されるカメラ画面の一例を示す図である。
図9A】実施の形態1に係る端末装置に表示される印刷プレビュー画面の一例を示す図である。
図9B】実施の形態1に係る端末装置の生成部の処理を説明するための概念図である。
図10】実施の形態1に係る端末装置に表示される印刷プレビュー画面の他の一例を示す図である。
図11】実施の形態1に係る印刷システムにおける印刷結果の一例を説明するための図である。
図12】比較例に係る印刷システムにおける印刷を説明するための図である。
図13】実施の形態1に係る印刷システムにおける印刷を説明するための図である。
図14】実施の形態2に係るトレイを示す分解斜視図である。
図15】実施の形態2に係るトレイの断面図である。
図16】実施の形態3に係る印刷装置を示す斜視図である。
図17A】実施の形態4に係る印刷装置を模式的に示す斜視図である。
図17B図17AのXVII-XVII線による、実施の形態4に係るトレイの要部断面図である。
図17C】実施の形態4の変形例に係るトレイの要部断面図である。
図18】実施の形態4に係る印刷可能領域の算出方法を説明するための図である。
図19】印刷可能領域の他の算出方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0033】
(実施の形態1)
[1-1.印刷システムの概要]
まず、図1を参照しながら、実施の形態1に係る印刷システム2の概要について説明する。図1は、実施の形態1に係る印刷システム2を示す斜視図である。なお、図1等において、印刷装置4の幅方向(左右方向)をX軸方向とし、印刷装置4の奥行き方向(前後方向)をY軸方向とし、印刷装置4の高さ方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0034】
図1に示すように、印刷システム2は、印刷装置4と、端末装置6(情報処理装置の一例)とを備えている。
【0035】
印刷装置4は、例えばネイルチップ8(記録媒体の一例)に図柄の印刷を施すためのインクジェットプリンタである。なお、本明細書において、図柄とは、例えば図形、絵柄、模様及び色彩等を含む概念である。
【0036】
端末装置6は、例えばスマートフォン又はタブレット端末等のモバイル端末である。端末装置6は、例えばBluetooth(登録商標)等により、印刷装置4と無線通信可能である。端末装置6には、印刷装置4を操作するための専用のアプリケーションがインストールされている。ユーザは、端末装置6にインストールされたアプリケーションをユーザインタフェースとして用いることにより、印刷装置4を操作することができる。
【0037】
[1-2.印刷装置の構造]
次に、図1図4を参照しながら、実施の形態1に係る印刷装置4の構造について説明する。図2は、実施の形態1に係る印刷装置4の内部構造を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係る印刷装置4のトレイ14を抜き出して示す斜視図である。図4は、図3のIV-IV線による、実施の形態1に係る印刷装置4のトレイ14の断面図である。
【0038】
図1及び図2に示すように、印刷装置4は、筐体10と、カセット12と、トレイ14と、印刷ユニット16(印刷部の一例)とを備えている。
【0039】
図1に示すように、筐体10は、例えば箱形状に形成されている。筐体10の前面10aには、カセット12を挿通するための開口部18が形成されている。筐体10の天面10bには、印刷装置4の電源をオン・オフするための電源ボタン20が配置されている。
【0040】
図1に示すように、カセット12は、筐体10に対してトレイ14を出し入れするためのものである。カセット12は、筐体10の内部に収納される収納位置(図示せず)と、開口部18を通して手前側(Y軸のマイナス側)に向けて筐体10の外部に引き出される引き出し位置(図1参照)との間をスライド可能である。
【0041】
図1に示すように、トレイ14は、1又は複数のネイルチップ8を載置するためのものであり、カセット12の上面に着脱可能に支持される。カセット12が収納位置にある状態で、トレイ14は、筐体10の内部における印刷領域21(図2参照)に配置される。図3及び図4に示すように、トレイ14は、載置部材22と、枠部材24とを有している。
【0042】
図3に示すように、載置部材22は、ベース26と、複数の載置台28a,28b,28c,28d,28e(28a~28e)とを有している。ベース26は、XY平面視で矩形状の板状に形成されている。図3及び図4に示すように、複数の載置台28a~28eの各々は、ベース26の上面(載置面の一例)から上方(Z軸のプラス側)に突出するように形成されている。複数の載置台28a~28eにはそれぞれ、印刷を施すべき複数のネイルチップ8が載置される。複数の載置台28a~28eの各上面(載置面の一例)は、ネイルチップ8の形状に対応して凸面状に形成されている。複数の載置台28a~28eにそれぞれ載置された複数のネイルチップ8の各上端の高さ位置は、枠部材24の端面24bの高さ位置と同じ高さ位置である。ベース26の上面及び複数の載置台28a~28eの各々は、例えば黒色で構成されている。なお、説明の都合上、図1及び図2では、載置部材22の黒色の表現を省略しており、図3では、載置部材22の黒色を灰色に代えて表現してある。また、本明細書において、「黒色(又は白色)で構成されている」とは、a)元から黒色(又は白色)が付されている場合、b)後から黒色(又は白色)に塗装された場合、c)黒色(又は白色)のラベル又はシート等が貼り付けられた場合を全て含む概念である。
【0043】
図3に示すように、枠部材24は、XY平面視で矩形状の筒状に形成されており、載置部材22のベース26の上面の外周部に沿って配置されている。具体的には、図4に示すように、枠部材24は、載置部材22のベース26の上面の外周部から立設するように配置され、載置部材22に載置された1又は複数のネイルチップ8を囲むように配置される。なお、本明細書において、「1又は複数のネイルチップ8を囲むように配置される」とは、1又は複数のネイルチップ8の全周を囲むことを意味するだけでなく、1又は複数のネイルチップ8の全周の一部のみを囲むことも意味する。枠部材24の内周面24aは、載置部材22の色と同様の色、すなわち黒色で構成されている。なお、本明細書において、「同様の色」とは、完全に同一の色だけでなく、同系色をも含む概念である。また、枠部材24の軸方向(Z軸方向)における端面24b及び外周面24cは、載置部材22の色と異なる色、例えば白色で構成されている。なお、説明の都合上、図1及び図2では、枠部材24の内周面24aの黒色の表現を省略しており、図3では、枠部材24の内周面24aの黒色を灰色に代えて表現してある。
【0044】
図2に示すように、印刷ユニット16は、ネイルチップ8に図柄の印刷を施すためのユニットであり、筐体10の内部に配置されている。印刷ユニット16の印刷方式は、ネイルチップ8にミスト状のインクを吹き付けることにより印刷を施すインクジェット方式である。印刷ユニット16は、キャリッジ30と、第1の駆動機構(図示せず)と、第2の駆動機構(図示せず)とを有している。
【0045】
キャリッジ30は、インクタンク(図示せず)と、印刷ヘッド(図示せず)とを搭載している。インクタンクには、例えばCMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)の4種類のインクが充填されている。印刷ヘッドは、インクタンクからの各色のインクを下方(Z軸のマイナス側)に向けて吐出する。
【0046】
第1の駆動機構は、キャリッジ30を左右方向(X軸方向)に移動させるための機構である。第2の駆動機構は、トレイ14を印刷領域21において前後方向(Y軸方向)に移動させるための機構である。
【0047】
印刷の実行時には、第1の駆動機構はキャリッジ30を左右方向に往復移動させ、且つ、第2の駆動機構はトレイ14を印刷領域21において前後方向における一方側から他方側(Y軸のプラス側からマイナス側)に向けて移動させる。この状態で、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドからのインクが、印刷領域21に配置されたトレイ14に向けて吹き付けられることにより、トレイ14に載置された1又は複数のネイルチップ8に印刷が施される。
【0048】
[1-3.印刷システムの機能構成]
次に、図5を参照しながら、実施の形態1に係る印刷システム2の機能構成について説明する。図5は、実施の形態1に係る印刷システム2の機能構成を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、端末装置6は、撮像部32と、表示部34と、表示制御部36と、生成部38と、通信部40(送信部の一例)とを有している。
【0050】
撮像部32は、端末装置6の前方を被写体とする画像を撮像するためのカメラである。撮像部32は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを用いたカメラである。撮像部32は、撮像した画像を表示制御部36及び生成部38の各々に出力する。
【0051】
表示部34は、例えば液晶パネルであり、各種画面を表示する。また、表示部34は、ユーザによる各種指示を受け付けるユーザインタフェースとしてのタッチパネルでもある。
【0052】
表示制御部36は、表示部34の表示内容を制御する。具体的には、表示制御部36は、撮像部32により撮像中の画像を表示部34にリアルタイムで表示させる。また、表示制御部36は、生成部38により配置情報(後述する)が生成された際に、当該配置情報に基づいて、枠部材24により規定される印刷可能領域における1又は複数のネイルチップ8の配置を示す配置画像(後述する)を表示部34に表示させる。表示制御部36の他の機能については後述する。
【0053】
生成部38は、タッチパネルとして機能する表示部34により受け付けられたユーザの各種指示を示す操作情報を生成する。また、生成部38は、撮像部32により撮像された画像に基づいて、枠部材24により規定される印刷可能領域における1又は複数のネイルチップ8に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を生成する。生成部38は、生成した操作情報及び印刷情報を通信部40に出力する。
【0054】
通信部40は、印刷装置4の通信部42との間で無線通信する。通信部40は、例えば、生成部38により生成された操作情報及び印刷情報を、印刷装置4の通信部42に送信する。
【0055】
図5に示すように、印刷装置4は、通信部42(取得部の一例)と、印刷制御部44と、印刷ユニット16と有している。なお、印刷ユニット16については既述したので、ここでの説明を省略する。
【0056】
通信部42は、端末装置6の通信部40との間で無線通信する。通信部42は、例えば、端末装置6の通信部40から送信された操作情報及び印刷情報を受信(取得)する。通信部42は、受信した操作情報及び印刷情報を印刷制御部44に出力する。
【0057】
印刷制御部44は、通信部42からの操作情報及び印刷情報に基づいて、印刷ユニット16を制御する。具体的には、通信部42からの操作情報及び印刷情報に基づいて、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドからのインクの吐出タイミングを制御するとともに、第1の駆動機構及び第2の駆動機構の各々の駆動を制御する。
【0058】
[1-4.印刷システムにおける印刷手順]
次に、図6図11を参照しながら、実施の形態1に係る印刷システム2における印刷手順について説明しながら、端末装置6の表示制御部36の機能についても説明する。
【0059】
図6は、実施の形態1に係る印刷システム2における印刷手順の流れを示すフローチャートである。図7は、撮像部32による撮像角度が正常である場合における、実施の形態1に係る端末装置6に表示されるカメラ画面46の一例を示す図である。図8Aは、撮像部32による撮像角度がやや不良である場合における、実施の形態1に係る端末装置6に表示されるカメラ画面46の一例を示す図である。図8Bは、撮像部32による撮像角度が不良である場合における、実施の形態1に係る端末装置6に表示されるカメラ画面46の一例を示す図である。図8Cは、撮像部32による撮像角度がかなり不良である場合における、実施の形態1に係る端末装置6に表示されるカメラ画面46の一例を示す図である。
【0060】
図9Aは、実施の形態1に係る端末装置6に表示される印刷プレビュー画面58の一例を示す図である。図9Bは、実施の形態1に係る端末装置6の生成部38の処理を説明するための概念図である。図10は、実施の形態1に係る端末装置6に表示される印刷プレビュー画面58の他の一例を示す図である。図11は、実施の形態1に係る印刷システム2における印刷結果の一例を説明するための図である。
【0061】
図6に示すように、まず、ユーザは、印刷装置4のカセット12を収納位置から引き出し位置にスライドさせた後に、トレイ14をカセット12から取り外すことにより、トレイ14を筐体10の内部から取り出す(S101)。次に、ユーザは、印刷を施すべき1又は複数のネイルチップ8を、トレイ14の複数の載置台28a~28eのうち任意の載置台に載置する(S102)。ここでは、ユーザがトレイ14の複数の載置台28a~28eのうち、例えば3つの載置台28b~28dにそれぞれ3つのネイルチップ8を載置する場合について説明する。なお、トレイ14に載置されるネイルチップ8の表面は、予め白色で構成されている。
【0062】
その後、ユーザは、例えばトレイ14をテーブル等の上に載置した状態で、端末装置6の撮像部32により、トレイ14及び当該トレイ14に載置された3つのネイルチップ8の画像を上方から撮像する(S103)。この時、図7の(a)に示すように、端末装置6の表示制御部36は、表示部34にカメラ画面46を表示させる。カメラ画面46は、撮像部32により撮像中の画像48をリアルタイムで表示するためのカメラウインドウ50と、カメラウインドウ50に現在表示されている画像48を静止画像としてキャプチャするためのキャプチャボタン52とを含んでいる。
【0063】
図7の(a)に示すように、表示制御部36は、カメラウインドウ50にガイド用枠線54を表示させる。ガイド用枠線54は、画像48に含まれる枠部材24がカメラウインドウ50の外枠いっぱいに表示されるように、ユーザをガイドするための枠線である。ガイド用枠線54は、例えば矩形状の赤色の枠線であり、カメラウインドウ50の外枠に沿って表示される。図7の(b)に示すように、画像48に含まれる枠部材24がカメラウインドウ50の外枠いっぱいに表示された際には、表示制御部36は、ガイド用枠線54を表示から非表示に切り替える。
【0064】
また、図7の(b)に示すように、表示制御部36は、ガイド用枠線54を表示から非表示に切り替えた際に、カメラウインドウ50に通知用枠線56(通知用表示の一例)を表示させる。通知用枠線56は、端末装置6の撮像部32の撮像角度が正常であるか否かをユーザに通知するための枠線である。通知用枠線56は、例えば矩形状の枠線であり、画像48に含まれる枠部材24に重畳して表示される。
【0065】
この時、表示制御部36は、端末装置6の撮像部32の撮像角度に応じて、通知用枠線56の色を変化させる。具体的には、図7の(b)に示すように、表示制御部36は、例えば画像48に含まれる枠部材24の上辺の長さaと下辺の長さbとの差分の絶対値(|a-b|)に基づいて、端末装置6の撮像部32の撮像角度が正常であるか否かを判定する。
【0066】
図7の(b)に示すように、端末装置6の撮像部32によりトレイ14の真上から撮像されている場合には、表示制御部36は、上記差分の絶対値(|a-b|)が0以上第1の閾値未満であるため、端末装置6の撮像部32の撮像角度が正常であると判定する。この場合、表示制御部36は、通知用枠線56の色を、端末装置6の撮像部32の撮像角度が正常であることを示す緑色に設定する。
【0067】
また、図8Aに示すように、端末装置6の撮像部32によりトレイ14の真上に対してやや斜め上方から撮像されている場合には、表示制御部36は、上記差分の絶対値(|a-b|)が第1の閾値以上第2の閾値未満であるため、端末装置6の撮像部32の撮像角度がやや不良であると判定する。この場合、表示制御部36は、通知用枠線56の色を、撮像部32の撮像角度がやや不良であることを示す黄色に設定する。
【0068】
また、図8Bに示すように、端末装置6の撮像部32によりトレイ14の真上に対して斜め上方から撮像されている場合には、表示制御部36は、上記差分の絶対値(|a-b|)が第2の閾値以上第3の閾値未満であるため、端末装置6の撮像部32の撮像角度が不良であると判定する。この場合、表示制御部36は、通知用枠線56の色を、撮像部32の撮像角度が不良であることを示す茶色に設定する。
【0069】
また、図8Cに示すように、端末装置6の撮像部32によりトレイ14の真上に対してさらに斜め上方から撮像されている場合には、表示制御部36は、上記差分の絶対値(|a-b|)が第3の閾値以上第4の閾値未満であるため、端末装置6の撮像部32の撮像角度がかなり不良であると判定する。この場合、表示制御部36は、通知用枠線56の色を、撮像部32の撮像角度がかなり不良であることを示す赤色に設定する。
【0070】
したがって、ユーザは、通知用枠線56の色が黄色、茶色及び赤色のいずれかである場合には、端末装置6の撮像部32の撮像角度が正常でないことを認識することができ、通知用枠線56の色が緑色に変化するように端末装置6の撮像部32の撮像角度を適宜調整することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、通知用枠線56を矩形状の枠線としたが、これに限定されず、例えば、a)画像48に含まれる枠部材24の四隅にそれぞれ重畳された、例えば丸印等の4つのマーク、b)画像48に含まれる枠部材24における任意の4点を結んだ直線、c)画像48に含まれる枠部材24の外側の領域に表示された特定の透明度の特定の色(例えば、半透明の白色)等であってもよい。
【0072】
図7の(b)に示すように通知用枠線56の色が緑色である状態で、ユーザがキャプチャボタン52を操作(タップ)することにより、表示制御部36は、カメラウインドウ50に現在表示されている画像48を静止画像としてキャプチャする。表示制御部36は、キャプチャした画像48を生成部38に出力する。なお、本実施の形態では、画像48を静止画像としてキャプチャしたが、これに限定されず、例えば画像48を動画像としてキャプチャし、キャプチャした動画像の中から最適な静止画像を選択してもよい。
【0073】
生成部38は、表示制御部36からの画像48に対して例えば透視変換処理を実行することにより、画像48に含まれる枠部材24により規定される印刷可能領域における3つのネイルチップ8の配置を示す配置情報を生成する(S104)。この時、生成部38は、画像48に含まれる枠部材24の端面24bと、画像48に含まれる載置部材22とのコントラストに基づいて、印刷可能領域を認識する。また、生成部38は、画像48に含まれる3つのネイルチップ8と、画像48に含まれる載置部材22とのコントラストに基づいて、印刷可能領域における3つのネイルチップ8の配置を認識する。生成部38は、生成した配置情報を表示制御部36及び通信部40に出力する。表示制御部36は、生成部38からの配置情報に基づいて、表示部34に印刷プレビュー画面58を表示させる(S105)。
【0074】
なお、載置部材22は黒色で構成されているので、インクヘッドから吐出されたインクが載置部材22に付着した場合であっても、載置部材22のインク汚れはほとんど目立たず、上述したコントラストにほとんど影響を与えることがない。
【0075】
図9Aの(a)に示すように、印刷プレビュー画面58は、枠部材24により規定される印刷可能領域における1又は複数のネイルチップ8の配置を示す配置画像60を含んでいる。配置画像60の外枠は、枠部材24の内周面により規定される印刷可能領域の範囲を示している。配置画像60には、ネイルチップ8を示すネイルチップ画像62(記録媒体画像の一例)が含まれている。図9Aの(a)に示す例では、配置画像60は、印刷可能領域において3個のネイルチップ8がそれぞれ載置台28b~28dに載置されている配置を示している。
【0076】
その後、図9Aの(b)に示すように、ユーザは、印刷プレビュー画面58上で、ネイルチップ8に対して印刷を施すべき図柄の種類を選択し、選択した図柄を示す図柄画像64をドラッグしてネイルチップ画像62に重畳させるように、端末装置6を操作する。これにより、表示制御部36は、配置画像60において、図柄画像64をネイルチップ画像62に重畳させて表示させる(S106)。この時、表示制御部36は、配置画像60において、ネイルチップ画像62をネイルチップ8の元の色(印刷前の色)で表示させるとともに、図柄画像64を実際の図柄の印刷色で表示させる。例えば、表示制御部36は、ネイルチップ画像62を白色で表示し、図柄画像64を黄色で表示させる。
【0077】
この時、表示制御部36は、配置画像60において、図柄画像64をネイルチップ画像62に重畳させて表示させた際に、図柄画像64のうちネイルチップ画像62の外側にはみ出した領域をマスクするマスク処理を行う。すなわち、図9Aの(b)に示すように、図柄画像64の元サイズ(図9Aの(b)において一点鎖線の枠線で示す)がネイルチップ画像62のサイズよりも大きい場合に、表示制御部36は、図柄画像64のうちネイルチップ画像62の輪郭よりも外側にはみ出した領域(図9Aの(b)において斜線で示す)を、マスク処理によりマスクする。これにより、印刷時に、ネイルチップ8の外側の領域(ベース26の上面等)に向けてインクヘッドからのインクが無駄に吐出されるのを抑制することができ、インクの無駄な消費を抑制することができる。また、インクヘッドからのインクがトレイ14に付着することにより、トレイ14が必要以上に汚れるのを抑制することができる。
【0078】
生成部38は、ネイルチップ画像62に重畳された図柄画像64に基づいて、ネイルチップ8に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を生成し、生成した印刷情報を通信部40に出力する。
【0079】
具体的には、生成部38は、ネイルチップ画像62に重畳された図柄画像64に基づいて、図9Bの(a)に示す印刷イメージを生成する。また、生成部38は、画像48を二値化してネイルチップ8の配置を検出することにより、図9Bの(b)に示すような、印刷可能領域に配置されたネイルチップ8の輪郭を有するマスク画像を生成する。さらに、生成部38は、図9Bの(a)に示す印刷イメージに対して、図9Bの(b)に示すマスク画像によりマスク処理を行う(すなわち、上述した図柄画像64のうちマスク画像の外側にはみ出した領域をマスクする)ことにより、図9Bの(c)に示すような印刷イメージを印刷情報として生成する。すなわち、印刷情報は、印刷可能領域において1又は複数の図柄画像64をどのように配置するかを示す情報である。
【0080】
なお、ネイルチップ8の元の色が例えば青色であり、当該青色のネイルチップ8に例えば黄色の図柄を印刷した場合には、印刷された図柄の黄色のインクがネイルチップ8の青色と混ざり合って緑色になる。この時、実際にネイルチップ8に印刷された図柄の色(例えば緑色)が、印刷プレビュー画面58に表示された図柄画像64の色(例えば黄色)と異なっていると、ユーザが違和感を覚える可能性がある。そこで、図10の(a)及び(b)に示すように、表示制御部36は、ネイルチップ8の元の色が白色以外(例えば青色)である場合には、配置画像60において、ネイルチップ画像62A(例えば青色)に重畳された図柄画像64(例えば黄色)において減色法で画素を合成する。これにより、図柄画像64の色が、実際にネイルチップ8に印刷された図柄の色と同等の色(例えば緑色)になるので、ユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。
【0081】
その後、ユーザは、トレイ14をカセット12の上面に取り付け、カセット12を引き出し位置から収納位置にスライドさせることにより、トレイ14を筐体10の内部にセットする(S107)。その後、ユーザが端末装置6を操作して印刷の実行を指示することにより、端末装置6の通信部40は、操作情報及び印刷情報を印刷装置4の通信部42に送信する(S108)。
【0082】
印刷制御部44は、通信部42からの操作情報及び印刷情報に基づいて、印刷可能領域における3つのネイルチップ8の配置、及び、各ネイルチップ8に対して印刷を施すべき図柄を認識して、印刷ユニット16を制御する。これにより、図11に示すように、印刷ユニット16は、載置台28b~28dにそれぞれ載置された3つのネイルチップ8に対して、図柄画像64に対応する図柄66を印刷する(S109)。
【0083】
[1-5.効果]
上述したように、端末装置6の生成部38は、ネイルチップ8及び当該ネイルチップ8を囲むように配置された枠部材24を含む画像48に基づいて、枠部材24により規定される印刷可能領域におけるネイルチップ8に対して施すべき印刷の配置を示す印刷情報を生成する。印刷装置4の印刷制御部44は、端末装置6から印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて印刷ユニット16を制御する。
【0084】
これにより、ユーザがトレイ14の複数の載置台28a~28eのうち任意の載置台にネイルチップ8を載置した場合であっても、印刷装置の印刷制御部44は、トレイ14に載置されたネイルチップ8に対して施すべき印刷の配置を認識することができる。その結果、印刷装置4において、任意の載置台に載置されたネイルチップ8に精度良く印刷を施すことができる。
【0085】
ここで、図12及び図13を用いて、比較例に係る印刷システム100と比較しながら、実施の形態1に係る印刷システム2により得られる他の効果について説明する。図12は、比較例に係る印刷システム100における印刷を説明するための図である。図13は、実施の形態1に係る印刷システム2における印刷を説明するための図である。なお、図12において、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0086】
図12の(a)に示すように、比較例に係る印刷システム100では、トレイ102は載置部材22のみを有し、枠部材を有していない。そのため、撮像部32が載置部材22及び当該載置部材22に載置されたネイルチップ8を含む画像を撮像した場合に、生成部38は、当該画像に含まれる載置部材22のベース26の外周部の位置に基づいて、ベース26の上面を、印刷可能領域として検出した面(以下、「キャプチャ面」という)と認識する。この時、載置部材22に載置されたネイルチップ8の上端により規定される面(以下、「エリア検出面」という)の高さ位置は、キャプチャ面の高さ位置に対して上方(Z軸のプラス側)にずれるようになる。その結果、生成部38により検出される上記画像に含まれるネイルチップ8の水平位置(XY平面内の位置)は、実際のネイルチップ8の水平位置よりもずれた位置となる。
【0087】
そのため、図12の(b)に示すように、印刷プレビュー画面58においてネイルチップ画像62の中央部に図柄画像64が配置されている場合であっても、図12の(c)に示すように、実際の印刷結果では、ネイルチップ8の中央部からずれた位置に図柄66が印刷されるようになる。
【0088】
これに対して、図13の(a)に示すように、実施の形態1に係る印刷システム2では、トレイ14は、載置部材22に加えて枠部材24を有している。ここで、枠部材24の内周面は、載置部材22と同様に黒色で構成されている。そのため、撮像部32がネイルチップ8及び当該ネイルチップ8を囲むように配置された枠部材24を含む画像を撮像した場合に、生成部38は、当該画像に含まれる枠部材24の内周面における上端の位置に基づいて、枠部材24の端面24bにより規定される面をキャプチャ面と認識する。この時、エリア検出面の高さ位置は、キャプチャ面の高さ位置と同じ高さ位置となる。その結果、生成部38により検出される上記画像に含まれるネイルチップ8の水平位置は、実際のネイルチップ8の水平位置と同じ位置となる。
【0089】
そのため、図13の(b)に示すように、印刷プレビュー画面58においてネイルチップ画像62の中央部に図柄画像64が配置されている場合、図13の(c)に示すように、実際の印刷結果においても、ネイルチップ8の中央部に図柄66が印刷されるようになる。したがって、ネイルチップ8に図柄66を精度良く印刷することができる。
【0090】
なお、図13に示す構成に代えて、図12に示す構成であっても、ネイルチップ8の上端のベース26の上面からの高さ位置を示す情報を予め記憶部に保持しておくことにより、生成部38は、当該情報に基づいて、キャプチャ面の高さ位置をエリア検出面の高さ位置に補正するようにしてもよい。
【0091】
(実施の形態2)
図14及び図15を参照しながら、実施の形態2に係るトレイ14Bの構造について説明する。図14は、実施の形態2に係るトレイ14Bを示す分解斜視図である。図15は、実施の形態2に係るトレイ14Bの断面図である。なお、以下の各実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
図14に示すように、実施の形態2に係るトレイ14Bは、枠部材24に対して載置部材22Bを上下方向(Z軸方向)に昇降させるための昇降機構68を有している。なお、説明の都合上、図14では、載置部材22Bの複数の載置台28a~28eの図示を省略し、図15では、昇降機構68(基台部70を除く)の図示を省略してある。
【0093】
図14に示すように、昇降機構68は、基台部70と、一対のリンク機構72a,72bと、駆動機構74と、駆動源76と、上限センサ78とを有している。
【0094】
基台部70は、XY平面視で略矩形状の板状に形成されており、載置部材22Bのベース26Bの下面に対向して配置されている。基台部70は、枠部材24の内周面24aにおける下端部に固定されている。
【0095】
一対のリンク機構72a,72bは、基台部70とベース26Bとを連結するパンタグラフ状の機構であり、互いに対向して配置されている。
【0096】
駆動機構74は、一対のリンク機構72a,72bの各々を伸縮させることにより、ベース26Bを基台部70に対して上下方向に昇降させる。駆動源76は、駆動機構74を駆動するためのモータである。
【0097】
上限センサ78は、例えば透過型フォトセンサで構成されており、発光素子78a及び受光素子78bを有している。発光素子78a及び受光素子78bは、枠部材24の内周面24aにおける上端部に互いに対向して配置されている。
【0098】
図15に示すように、載置台28a,28bの各々にネイルチップ8が載置された状態で、発光素子78aからの光がネイルチップ8で遮られることなく受光素子78bにより受光されている間、印刷制御部44(図5参照)は、上限センサ78からの検出信号に基づいて駆動源76を駆動させる。これにより、駆動機構74は、ベース26Bを基台部70に対して上昇させる。
【0099】
発光素子78aからの光がネイルチップ8で遮られることにより受光素子78bにより受光されなくなったタイミングで、印刷制御部44は、上限センサ78からの検出信号に基づいて駆動源76の駆動を停止させる。これにより、ネイルチップ8の上端の高さ位置が、枠部材24の端面24bの高さ位置と同じ高さ位置になったタイミングで、駆動機構74はベース26Bの上昇を停止させる。
【0100】
したがって、本実施の形態では、種々の大きさ(厚み)のネイルチップ8を載置部材22Bに載置した場合であっても、昇降機構68によって、ネイルチップ8の上端の高さ位置を枠部材24の端面24bの高さ位置と同じ高さ位置に位置させることができる。
【0101】
なお、本実施の形態では、駆動源76により駆動機構74を駆動させたが、これに限定されず、ユーザによる手動で駆動機構74を駆動させてもよい。あるいは、駆動源76を省略して、載置部材22Bのベース26Bと基台部70との間に板状のスペーサを挿入することにより、ネイルチップ8の上端の高さ位置を調節してもよい。
【0102】
(実施の形態3)
図16を参照しながら、実施の形態3に係る印刷装置4Cの構造について説明する。図16は、実施の形態3に係る印刷装置4Cを示す斜視図である。
【0103】
図16に示すように、実施の形態3に係る印刷装置4Cでは、トレイ14Cの構造が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、トレイ14Cの枠部材24Cは、XY平面視で矩形状の板状に形成されている。枠部材24Cの上面には、XY平面視で矩形状の凹部80が形成されている。凹部80の底部には、載置部材22のベース26が支持されている。凹部80の内周面は、載置部材22のベース26の上面の外周部に沿って配置されている。すなわち、凹部80の内周面は、載置部材22のベース26の上面の外周部から立設するように配置され、載置部材22に載置された1又は複数のネイルチップ8を囲むように配置される。
【0104】
したがって、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0105】
(実施の形態4)
図17A及び図17Bを参照しながら、実施の形態4に係る印刷装置4Dの構造について説明する。図17Aは、実施の形態4に係る印刷装置4Dを模式的に示す斜視図である。図17Bは、図17AのXVII-XVII線による、実施の形態4に係るトレイ14Dの要部断面図である。
【0106】
図17Aに示すように、実施の形態4に係る印刷装置4Dでは、トレイ14Dの構造が上記実施の形態1と異なっている。具体的には、トレイ14Dは、載置部材22Dと、枠部材24Dとを有している。
【0107】
図17Aに示すように、載置部材22Dは、上記実施の形態1で説明したカセット12としての機能をも有している。すなわち、載置部材22Dは、収納位置と引き出し位置との間をスライド可能である。
【0108】
載置部材22Dは、ベース26Dと、壁部82と、載置部86とを有している。壁部82は、XY平面視で略コの字状(略U字状)に形成されており、ベース26Dの外周部から立設するように配置されている。壁部82の手前側(Y軸のマイナス側)は、開口されている。壁部82は、左右方向(X軸方向)に延びる側壁部82aと、側壁部82aの長手方向における両端部からそれぞれ手前側(Y軸のマイナス側)に向けて互いに平行に延びる一対の側壁部82b,82cとを有している。
【0109】
図17A及び図17Bに示すように、側壁部82a,82b,82cの各内周部には、XY平面視でコの字状の凹部84が形成されている。この凹部84により、側壁部82a,82b,82cの各内周部には、載置部86が形成されている。また、この凹部84により、一対の側壁部82b,82cの各々の手前側における端部には、当接部88,90が形成されている。載置部材22Dは、例えば黒色で構成されている。なお、説明の都合上、図17Aでは、載置部材22Dの黒色を灰色に代えて表現してある。
【0110】
図17Aに示すように、枠部材24Dは、XY平面視でコの字状に形成されており、載置部材22Dに着脱可能に支持されている。枠部材24Dの手前側(Y軸のマイナス側)は、開口されている。なお、枠部材24Dの各幅p,q,rは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0111】
枠部材24Dは、載置部材22Dの載置部86に支持されている。この時、枠部材24Dの外周面24Dc(図17B参照)は、側壁部82a,82b,82cにより覆われている。また、枠部材24Dの開口された側の両端部はそれぞれ、載置部材22Dの当接部88,90により覆われている。これにより、XY平面視で、枠部材24Dの端面24Dbの外周部は、側壁部82a,82b,82c(当接部88,90を含む)により覆われるようになる。また、枠部材24Dの端面24Dbの高さ位置は、載置部材22Dの側壁部82a,82b,82cの各上面の高さ位置と同一である。
【0112】
図17Bに示すように、枠部材24Dの内周面24Daは、外部に露出されている。また、図17Aに示すように、枠部材24Dの内周面24Daは、載置部材22Dの色と同様の色、すなわち黒色で構成されている。また、枠部材24Dの端面24Dbは、載置部材22Dの色と異なる色、例えば白色で構成されている。この時、図17Aでは図示を省略しているが、枠部材24Dの端面24Dbのうち、内周面24Da側のエッジから所定幅(例えば約3mmの幅)のコの字状の領域は、黒色で構成されている。なお、説明の都合上、図17Aでは、枠部材24Dの内周面24Daの黒色を灰色に代えて表現してある。
【0113】
本実施の形態では、枠部材24Dの内周面24Daが外部に露出されているとしたが、これに限定されず、例えば次のように構成してもよい。図17Cは、実施の形態4の変形例に係るトレイ14Eの要部断面図である。図17Cに示すトレイ14Eでは、載置部材22Eの壁部82Eの側壁部82a,82b,82cの各上面に、XY平面視でコの字状の溝部92が形成されている。枠部材24Dは、この溝部92に嵌め込まれている。これにより、枠部材24Dの内周面24Daは、溝部92の内周面により覆われるようになる。
【0114】
ここで、図18を参照しながら、本実施の形態における印刷可能領域の算出方法について説明する。図18は、実施の形態4に係る印刷可能領域の算出方法を説明するための図である。
【0115】
図18に示すように、まず、端末装置6の表示制御部36(図5参照)は、キャプチャした画像を二値化することにより、全ての白色の領域(枠部材24Dの端面24Dbのコの字状の領域を含む)を認識する。
【0116】
次に、表示制御部36は、上述のように認識した全ての白色の領域に対して凸包(Convex Hull)処理(所定の画像処理の一例)を行うことにより、全ての白色の領域がそれぞれ所定の領域に変換される。この時、枠部材24Dの端面24Dbのコの字状の領域は、コの字状の領域の開口された一辺が補完されることにより、長方形の領域に変換される。
【0117】
次に、表示制御部36は、上述のように変換された各領域から、以下の3つの条件、すなわち、a)キャプチャした画像の全面積の50%以上を占めること、b)頂点の数が4個であること、c)縦横比が枠部材24Dに近いこと、を全て満たす領域のみを絞り込む。さらに、キャプチャ画像からの印刷可能領域が見切れていた場合において、認識品質が低下するため、また、キャプチャ画像としては適切ではないため、そのキャプチャ動作をエラーと認識するために、d)キャプチャした画像自体の周囲4辺に隣接していないこと、を判断条件として該当領域のみを絞り込んでもよい。これにより、表示制御部36は、コの字状の枠部材24Dをロの字状の枠部材として認識する。
【0118】
次に、表示制御部36は、上述のように絞り込んだ領域を、枠部材24Dのサイズ(w×h)に透視変換する。
【0119】
最後に、表示制御部36は、透視変換した画像から、枠部材24Dの各領域a,b,c,dを除いた範囲を、印刷可能領域(図18において斜線を付した領域)として決定する。
【0120】
以下、本実施の形態の印刷装置4Dにより得られる効果について説明する。
【0121】
上述したように、枠部材24Dの手前側は開口されている。これにより、ユーザは、例えばネイルチップ8等の印刷対象物(記録媒体の一例)を、枠部材24Dの手前側を通して載置部材22Dに載置させることができる。また、印刷完了後に、載置部材22Dを収納位置から引き出し位置にスライドさせた際に、枠部材24Dを載置部材22Dから取り外すことにより、印刷対象物を載置部材22Dから容易に取り出すことができる。さらに、端末装置6の撮像部32(図5参照)で枠部材24D及び載置部材22Dを含む画像を撮像した場合に、表示制御部36は、枠部材24D及び載置部材22Dの向きを容易に判別することができる。
【0122】
また、上述したように、枠部材24Dの端面24Dbのうち、内周面24Da側のエッジから所定幅(例えば約3mmの幅)のコの字状の領域は、黒色で構成されている。これにより、印刷精度を高めることができるとともに、載置部材22Dに載置された印刷対象物が枠部材24Dの内周面24Daに接触した場合であっても、印刷対象物を精度良く認識することができる。
【0123】
また、上述したように、枠部材24Dの端面24Dbの高さ位置は、載置部材22Dの側壁部82a,82b,82cの各上面の高さ位置と同一である。これにより、実施の形態1で説明したのと同様に、エリア検出面の高さ位置をキャプチャ面の高さ位置と同じ高さ位置とすることができる。その結果、印刷精度を高めることができる。
【0124】
なお、上述した印刷可能領域の算出方法に代えて、例えば次のような印刷可能領域の算出方法を採用してもよい。図19は、印刷可能領域の他の算出方法を説明するための図である。
【0125】
まず、端末装置6の表示制御部36は、キャプチャした画像を二値化することにより、全ての白色の領域(枠部材24Dの端面24Dbのコの字状の領域を含む)を認識する。
【0126】
次に、表示制御部36は、図19の(a)に示すように、上述のように認識した全ての白色の領域のうち、8つの頂点を有する領域として、枠部材24Dの端面24Dbのコの字状の領域を絞り込む。
【0127】
次に、表示制御部36は、図19の(b)に示すように、上述した8つの頂点のうち外側の4つの頂点を残して、コの字状の領域の開口された一辺を補完することにより、長方形状の領域に変換する。これにより、表示制御部36は、コの字状の枠部材24Dをロの字状の枠部材として認識する。
【0128】
次に、表示制御部36は、上述のように変換された長方形状の領域が、以下の3つの条件、すなわち、a)キャプチャした画像の全面積の50%以上を占めること、b)頂点の数が4個であること、c)縦横比が枠部材24Dに近いこと、を全て満たす場合に、当該長方形状の領域を絞り込む。さらに、キャプチャ画像からの印刷可能領域が見切れていた場合において、認識品質が低下するため、また、キャプチャ画像としては適切ではないため、そのキャプチャ動作をエラーと認識するために、d)キャプチャした画像自体の周囲4辺に隣接していないこと、を判断条件として該当領域のみを絞り込んでもよい。
【0129】
次に、表示制御部36は、上述のように絞り込んだ長方形状の領域を、枠部材24Dのサイズ(w×h)に透視変換する。
【0130】
最後に、表示制御部36は、透視変換した画像から、枠部材24Dの各領域a,b,c,d(図18参照)を除いた範囲を、印刷可能領域として決定する。
【0131】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態1~4に係る印刷装置等について説明したが、本発明は、これらの上記各実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態をそれぞれ組み合わせてもよい。
【0132】
上記各実施の形態では、印刷ユニット16の印刷方式をインクジェット方式としたが、これに限定されず、他の印刷方式を採用してもよい。
【0133】
上記各実施の形態では、載置部材22(22B,22D,22E)及び枠部材24(24C,24D)の内周面24a(24Da)の各々が黒色で構成され、枠部材24(24C,24D)の端面24b(24Db)及び外周面24cが白色で構成されているとしたが、これに限定されず、例えば補色の関係にある互いに異なる色でそれぞれ構成してもよいし、判別に使用する色成分を抽出した際の成分値がそれぞれ異なる範囲帯の色としてもよい。
【0134】
上記各実施の形態では、情報処理装置を端末装置6で構成したが、これに限定されず、例えば情報処理装置をサーバで構成してもよい。この場合、例えばモバイル端末の撮像部で撮像した画像をサーバに送信することにより、サーバは、受信した画像に基づいて印刷情報を生成する。
【0135】
上記各実施の形態では、印刷装置4(4C,4D)により印刷が施される記録媒体としてネイルチップ8を採用したが、これに限定されず、例えばスマートフォンケース及びゴルフボール等の任意の立体物を記録媒体として採用してもよい。
【0136】
上記各実施の形態では、端末装置6の撮像部32により画像を撮像するようにしたが、これに限定されず、印刷装置4(4C,4D)の筐体10の内部に配置された撮像部により画像を撮像してもよい。この場合、トレイ14(14B,14C,14D,14E)を省略して、枠部材24(24C,24D)に相当する部材を印刷装置4(4C,4D)の筐体10の内部に配置してもよい。
【0137】
上記各実施の形態では、端末装置6が表示制御部36及び生成部38を有するように構成したが、これに限定されず、印刷装置4(4C,4D)が表示制御部36及び生成部38の各処理を行うように構成してもよい。あるいは、印刷装置4(4C,4D)及び端末装置6がともに表示制御部36及び生成部38の各処理を行うように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、例えばネイルチップに印刷を施すための印刷装置等として適用することができる。
【符号の説明】
【0139】
2,100 印刷システム
4,4C,4D 印刷装置
6 端末装置
8 ネイルチップ
10 筐体
10a 前面
10b 天面
12 カセット
14,14B,14C,14D,14E,102 トレイ
16 印刷ユニット
18 開口部
20 電源ボタン
21 印刷領域
22,22B,22D,22E 載置部材
24,24C,24D 枠部材
24a,24Da 内周面
24b,24Db 端面
24c,24Dc 外周面
26,26B,26D ベース
28a,28b,28c,28d,28e 載置台
30 キャリッジ
32 撮像部
34 表示部
36 表示制御部
38 生成部
40,42 通信部
44 印刷制御部
46 カメラ画面
48 画像
50 カメラウインドウ
52 キャプチャボタン
54 ガイド用枠線
56 通知用枠線
58 印刷プレビュー画面
60 配置画像
62,62A ネイルチップ画像
64 図柄画像
66 図柄
68 昇降機構
70 基台部
72a,72b リンク機構
74 駆動機構
76 駆動源
78 上限センサ
78a 発光素子
78b 受光素子
80 凹部
82,82E 壁部
82a,82b,82c 側壁部
84 凹部
86 載置部
88,90 当接部
92 溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19