(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】車両用導光体及び車両用灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 41/24 20180101AFI20231011BHJP
F21S 41/147 20180101ALI20231011BHJP
F21S 41/155 20180101ALI20231011BHJP
F21S 41/16 20180101ALI20231011BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231011BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231011BHJP
F21S 41/27 20180101ALI20231011BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231011BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231011BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231011BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20231011BHJP
F21W 102/18 20180101ALN20231011BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S41/147
F21S41/155
F21S41/16
F21V8/00 310
F21V8/00 330
F21S2/00 432
F21S41/27
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
F21W102:155
F21W102:18
(21)【出願番号】P 2019214561
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野間 慶
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084556(JP,A)
【文献】特開2006-302902(JP,A)
【文献】特開2004-241349(JP,A)
【文献】特開2017-212037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0058651(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/24
F21S 41/147
F21S 41/155
F21S 41/16
F21V 8/00
F21S 2/00
F21S 41/27
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
F21W 102/155
F21W 102/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を入射する入射面と、
前記入射面から入射した前記光を内面反射して略平行光とする第1反射面と、
前記第1反射面からの前記略平行光を車両搭載状態における前後方向の前方に向けて内面反射する第2反射面と、
前記第2反射面で反射された前記光の一部を遮光する遮光部と、
前記第2反射面と前記遮光部との間を接続し、前記第2反射面で反射される前記光の一部を車両搭載状態における上下方向の下側から導光体外部に透過して前記前後方向の前方に向ける透過面を有する接続面と、
前記透過面に対して前記前後方向の前方かつ前記遮光部に対して前記上下方向の下方に配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した前記光を再入射する再入射面と、
前記第2反射面で内面反射された前記光、並びに、前記再入射面から入射した前記光を出射する出射面と
を備え
、
前記第2反射面は、前記略平行光が前記前後方向の前方に向けて集光されるように当該略平行光を内面反射する集光パターン形成面を有し、
前記透過面は、前記上下方向から見て、前記集光パターン形成面で内面反射された反射光が通過する領域内に収まるように配置される
車両用導光体。
【請求項2】
光源からの光を入射する入射面と、
前記入射面から入射した前記光を内面反射して略平行光とする第1反射面と、
前記第1反射面からの前記略平行光を車両搭載状態における前後方向の前方に向けて内面反射する第2反射面と、
前記第2反射面で反射された前記光の一部を遮光する遮光部と、
前記第2反射面と前記遮光部との間を接続し、前記第2反射面で反射される前記光の一部を車両搭載状態における上下方向の下側から導光体外部に透過して前記前後方向の前方に向ける透過面を有する接続面と、
前記透過面に対して前記前後方向の前方かつ前記遮光部に対して前記上下方向の下方に配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した前記光を再入射する再入射面と、
前記第2反射面で内面反射された前記光、並びに、前記再入射面から入射した前記光を出射する出射面と
を備え、
前記接続面は、前記透過面に対して前記前後方向の前方に配置され導光体内部側に凹む凹部を有し、
前記凹部の一部であり、前記接続面において前記透過面と前記遮光部との間に前後方向の前方に向けて前記上下方向の下方に傾いた状態で設けられ、前記第2反射面で反射される前記光の一部を前記前後方向の前方に向けて内面反射する傾斜面を更に備え、
前記傾斜面は、前記導光体外部に突出した状態で配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した光の一部を遮光する第1外部遮光部を有する
車両用導光体。
【請求項3】
光源からの光を入射する入射面と、
前記入射面から入射した前記光を内面反射して略平行光とする第1反射面と、
前記第1反射面からの前記略平行光を車両搭載状態における前後方向の前方に向けて内面反射する第2反射面と、
前記第2反射面で反射された前記光の一部を遮光する遮光部と、
前記第2反射面と前記遮光部との間を接続し、前記第2反射面で反射される前記光の一部を車両搭載状態における上下方向の下側から導光体外部に透過して前記前後方向の前方に向ける透過面を有する接続面と、
前記透過面に対して前記前後方向の前方かつ前記遮光部に対して前記上下方向の下方に配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した前記光を再入射する再入射面と、
前記第2反射面で内面反射された前記光、並びに、前記再入射面から入射した前記光を出射する出射面と
を備え、
前記接続面は、前記透過面に対して前記前後方向の前方に配置され導光体内部側に凹む凹部を有し、
前記凹部の一部であり、前記接続面において前記透過面と前記遮光部との間に前後方向の前方に向けて前記上下方向の下方に傾いた状態で設けられ、前記第2反射面で反射される前記光の一部を前記前後方向の前方に向けて内面反射する傾斜面を更に備え、
前記接続面において前記透過面の前記前後方向の前方に前記導光体外部に突出した状態で配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した光の一部を遮光する第2外部遮光部を更に備える
車両用導光体。
【請求項4】
前記透過面は、車両搭載状態における左右方向の中央部を空けて両側に配置される
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の車両用導光体。
【請求項5】
前記出射面は、車両前方に配光パターンを照射する
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の車両用導光体。
【請求項6】
光源を備え、
前記光源からの光を導光して出射する、請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の車両用導光体を複数備える
車両用灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用導光体及び車両用灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
リフレクタ、シェード、投影レンズ等のそれぞれに対応する機能を1つの車両用導光体に集約させた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。つまり、このような車両用導光体は、光源からの光を入射する入射面と、入射した光を内面反射する内面反射面(リフレクタに対応)と、内面反射された光の一部を遮光する遮光部(シェードに対応)と、内面反射されて遮光部を通過する光を出射して車両前方に配光パターンPFを照射する出射面(投影レンズに対応)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両用導光体では、入射面から入射する光をできるだけロスが少なくなるように内面反射して出射面に到達させることができるように、光の利用効率を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光の利用効率を向上させること可能な車両用導光体及び車両用灯具ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用導光体は、光源からの光を入射する入射面と、前記入射面から入射した前記光を内面反射して略平行光とする第1反射面と、前記第1反射面からの前記略平行光を車両搭載状態における前後方向の前方に向けて内面反射する第2反射面と、前記第2反射面で反射された前記光の一部を遮光する遮光部と、前記第2反射面と前記遮光部との間を接続し、前記第2反射面で反射される前記光の一部を車両搭載状態における上下方向の下側から導光体外部に透過して前記前後方向の前方に向ける透過面を有する接続面と、前記透過面に対して前記前後方向の前方かつ前記遮光部に対して前記上下方向の下方に配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した前記光を再入射する再入射面と、前記第2反射面で内面反射された前記光、並びに、前記再入射面から入射した前記光を出射する出射面とを備える。
【0007】
上記の車両用導光体において、前記第2反射面は、前記略平行光が前記前後方向の前方に向けて集光されるように当該略平行光を内面反射する集光パターン形成面を有し、前記透過面は、前記上下方向から見て、前記集光パターン形成面で内面反射された反射光が通過する領域内に配置されてもよい。
【0008】
上記の車両用導光体は、前記接続面は、前記透過面に対して前記前後方向の前方に配置され導光体内部側に凹む凹部を有し、前記凹部の一部であり、前記接続面において前記透過面と前記遮光部との間に前後方向の前方に向けて前記上下方向の下方に傾いた状態で設けられ、前記第2反射面で反射される前記光の一部を前記前後方向の前方に向けて内面反射する傾斜面を更に備えてもよい。
【0009】
上記の車両用導光体において、前記傾斜面は、前記導光体外部に突出した状態で配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した光の一部を遮光する第1外部遮光部を有してもよい。
【0010】
上記の車両用導光体は、前記接続面において前記透過面の前記前後方向の前方に前記導光体外部に突出した状態で配置され、前記透過面から前記導光体外部に透過した光の一部を遮光する第2外部遮光部を更に備えてもよい。
【0011】
上記の車両用導光体において、前記透過面は、車両搭載状態における左右方向の中央部を空けて両側に配置されてもよい。
【0012】
上記の車両用導光体において、前記出射面は、車両前方に配光パターンを照射してもよい。
【0013】
本発明に係る車両用灯具ユニットは、光源を備え、前記光源からの光を導光して出射する上記の車両用導光体を複数備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光の利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す底面図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
【
図4】
図4は、車両用導光体を下側から見た一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、車両前方の仮想のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る車両用灯具ユニットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る車両用導光体及び車両用灯具ユニットの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、車両用前照灯が車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。
【0017】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す平面図である。
図2は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す底面図である。
図3は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
【0018】
車両用灯具100は、後述する配光パターンPF(
図6参照)を車両前方に照射可能である。本実施形態において、配光パターンPFは、例えばロービームパターンP1及びオーバーヘッドパターンP2を含む。車両用灯具100は、光源10と、車両用導光体20とを備えている。なお、車両用灯具100は、光源、リフレクタ、シェード、投影レンズ等を有する他のユニットをさらに備える構成であってもよい。以下、本実施形態では、左側通行の道路を走行する車両に搭載する車両用灯具100の構成を例に挙げて説明する。
【0019】
[光源]
光源10は、本実施形態において、例えばLEDやOLED(有機EL)などの半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。発光面11は、後述の車両用導光体20の入射面21に対向して配置される。発光面11が車両用導光体20に向けられた状態で配置される。本実施形態において、光源10は、左右方向に複数、例えば4つ配置される。なお、光源10の個数は、4つに限定されず、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0020】
[車両用導光体]
車両用導光体20は、光源10からの光を導光して車両搭載状態における前方に出射する。本実施形態に係る車両用導光体20は、例えば従来のプロジェクタ型の車両用前照灯におけるリフレクタ、シェード、投影レンズ等のそれぞれに対応する機能を集約させた構成である。
図1から
図3に示すように、車両用導光体20は、入射面21と、第1反射面22と、第2反射面23と、遮光部24と、接続面25と、再入射面26と、出射面27とを備える。
【0021】
[入射面]
入射面21は、複数、例えば光源10毎に設けられる。なお、入射面21は、光源10とは1対1に対応しない位置に設けられてもよい。例えば、1つの光源10に対して、入射面21が複数設けられる構成であってもよい。複数の入射面21は、車両搭載状態における左右方向に並んで配置される。入射面21は、例えば円錐台状に形成される。本実施形態では、例えば4つの入射面21が配置される。なお、左右方向の中央側に配置される入射面21の径よりも、左右方向の外側に配置される入射面21の径の方が小さくてもよい。本実施形態では、左右方向の中央側の2つの入射面21の径よりも、左右方向の外側に配置される2つの入射面21径の方が小さい。以下、左右方向の中央側の2つの入射面21を中央側入射面21Mと表記し、左右方向の外側の2つの入射面を外側入射面21Nと表記して、両者を区別する場合がある。
【0022】
各入射面21は、
図3に示すように、第1面21a及び第2面21bと、を有する。第1面21a及び第2面21bは、光源10からの光が入射する。第1面21aは、発光面11に対向する。第1面21aは、平面又は光源10側に突出する凸面である。第2面21bは、光源10の側方に配置され、光源10の発光面11及び第1面21aを囲うように円筒面状に配置される。
【0023】
[第1反射面]
第1反射面22は、入射面21から入射した光を内面反射して略平行光にする。第1反射面22は、入射面21の第2面21bを囲うように配置され、当該第2面21bから入射した光を第2反射面23に向けて反射する。本実施形態において、第1反射面22は、入射面21に対応して設けられる。左右方向の中央側に配置される2つの第1反射面22は、互いに一部同士が重なった状態で配置される。
【0024】
[第2反射面]
第2反射面23は、回転放物面を基調とする形状を有する。第2反射面23は、当該回転放物面の焦点に一致又はほぼ一致する焦点Pを有する。焦点Pは、後述する出射面27の焦点の近傍の位置に配置される。第2反射面23は、第1反射面22からの略平行光を焦点P側、つまり車両前方に向けて反射する。第2反射面23は、第1反射面22で反射される略平行光の光軸に平行な軸を有し、略平行光を回転放物面の焦点P側に向けて内面反射する。
【0025】
第2反射面23は、
図2に示すように、車両搭載状態における左右方向に複数並んで配置される。複数の第2反射面23は、集光パターン形成面23Mと、拡散パターン形成面23Nとを含む。集光パターン形成面23Mは、略平行光が焦点P及び焦点Pの近傍を通過するように略平行光を内面反射する。集光パターン形成面23Mは、左右方向の中央に配置される。集光パターン形成面23Mは、2つの中央側入射面21Mに対応して配置される。集光パターン形成面23Mは、2つの中央側入射面21Mに入射し、第1反射面22で反射された略平行光を反射する。車両用導光体20を下側から見た場合、
図2に示すように、集光パターン形成面23Mは、例えば左右方向について仮想直線LMaと仮想直線LMbとの間の領域に略平行光を反射することができる。
【0026】
拡散パターン形成面23Nは、略平行光が焦点Pを含め当該焦点Pに対して車両搭載状態における水平方向の外側にずれた位置を通過するように略平行光を内面反射する。このため、拡散パターン形成面23Nは、例えば左右方向で集光パターン形成面23M側の端部が、回転放物面を基調とする形状に対して、焦点P側(前方)に変形した形状となっている。複数の第2反射面23のうち、集光パターン形成面23Mに対して左右方向の外側に配置される第2反射面23が、拡散パターン形成面23Nである。拡散パターン形成面23Nは、それぞれの外側入射面21Nに対応して配置される。拡散パターン形成面23Nは、それぞれの外側入射面21Nに入射し、第1反射面22で反射された略平行光を反射する。車両用導光体20を下側から見た場合、
図2に示すように、それぞれ拡散パターン形成面23Nは、例えば左右方向について仮想直線LNaと仮想直線LNbとの間の領域、及び仮想直線LNcと仮想直線LNdとの間の領域に略平行光を反射することができる。
【0027】
図2に示すように下方から見た場合、左右方向について、集光パターン形成面23Mで内面反射される反射光は、仮想直線LMaと仮想直線LMbとの間の領域を主として通過する。また、拡散パターン形成面23Nで内面反射される反射光は、仮想直線LNaと仮想直線LNbとの間の領域、及び仮想直線LNcと仮想直線LNdとの間の領域を主として通過し、一部の光が仮想直線LNbと仮想直線LNcとの間の領域(前後方向の後側)を通過する。本実施形態では、集光パターン形成面23Mで内面反射される反射光が主として通過し、かつ拡散パターン形成面23Nで内面反射される反射光の一部が通過する領域の一部を領域ARとして設定する。領域ARは、第2反射面23側から前方に向けて先細りとなる形状を有する。また、領域ARは、拡散パターン形成面23Nで内面反射される反射光が主として通過する範囲を示す仮想直線LNbと仮想直線LNcに沿った形状を有する。
【0028】
[遮光部]
遮光部24は、第2反射面23で内面反射される光の一部を遮光する。
図4は、車両用導光体20を下側から見た一例を示す斜視図である。
図5は、
図3の一部を拡大して示す図である。
【0029】
遮光部24は、例えば
図3から
図5に示すように、後述の接続面25と、再入射面26とで形成される角部20gに設けられる。角部20gは、車両用導光体20を外部側(下方)から見た場合に凹状である。角部20gは、左右方向に線状に延びている。遮光部24は、角部20gにおいて、後述する配光パターンPFのうち、ロービームパターンP1のカットオフラインCL(
図6参照)を形成する。カットオフラインCLは、水平カットオフラインと斜めカットオフラインとを含む。角部20gは、水平カットオフラインを形成するための水平部分(不図示)と、斜めカットオフラインを形成するための傾斜面分(不図示)とを有する。
【0030】
遮光部24は、当該角部20gを含む領域に設けられる。遮光部24は、例えば当該遮光部24に到達する光を出射面27の方向とは異なる方向に屈折または内面反射させることで光を遮光してもよいし、角部20gを含む接続面25のうち当該遮光部24に対応する部分に光吸収層を配置しておき、当該光吸収層により光を吸収することで遮光してもよい。なお、遮光部24によって内面反射又は屈折される光は、車両用導光体20の外部に出射され、当該車両用導光体20の外部に配置されるインナーハウジング等によって吸収される。
【0031】
[接続面]
接続面25は、第2反射面23と遮光部24との間を接続する。接続面25は、車両用導光体20の下側に位置し、水平面に沿って配置される。接続面25には、凸部29が設けられる。
【0032】
凸部29は、集光パターン形成面23Mの前方に配置される。凸部29は、断面視において接続面25から下方側にV形状に突出した構成を有する。凸部29は、前後方向の前側に配置される透過面30と、後側に配置される透過側反射面31とを有する。
図2に示すように、凸部29は、前方に向けて先細りの形状となっている。これに伴い、透過面30及び透過側反射面31についても、前方に向けて先細りの形状である。
【0033】
透過面30は、例えば平面状であり、後方から前方に向けて上方に傾いた形状を有する。透過面30は、第2反射面23からの光を車両用導光体20の外部に透過し、前方に向けて屈折させる(
図5参照)。透過面30から導光体外部に透過して前方に向かう光は、後述する再入射面26に入射され、出射面27から出射されて車両前方に後述するオーバーヘッドパターンP2(
図6参照)を形成する。
【0034】
透過面30は、例えば
図2に示すように、上下方向の下方から見て、集光パターン形成面23Mで内面反射された反射光が通過する領域内に収まるように配置される。本実施形態において、透過面30は、下方から見た場合、集光パターン形成面23Mの左右方向の両端から焦点Pに向けて前方に先細りとなる領域AR内に収まるように配置される。
【0035】
透過側反射面31は、前方から後方にかけて上方に傾いた形状を有する。透過側反射面31は、後方又は上方から突出部分に入り込んだ光を前方の透過面30に向けて反射する。
【0036】
凸部29は、左右方向の中央に平面状の切り欠き面29aを有する。切り欠き面29aは、凸部29の左右方向の中央部が水平面に沿って切り欠かれた状態で設けられる。凸部29に切り欠き面29aが設けられるため、上記の透過面30及び透過側反射面31は、左右方向の中央部を空けて両側に配置される。車両用導光体20の内部において、切り欠き面29aに入射する光は、当該切り欠き面29aにおいて内面反射される。切り欠き面29aが設けられることにより、オーバーヘッドパターンP2(
図6参照)の光度を制御することができる。本実施形態では、切り欠き面29aにより、透過面30が左右に間隔を空けて配置されるため、オーバーヘッドパターンP2の左右の拡散を十分に得ることができ、中央部の光度が上がり過ぎてしまうことを抑制できる。なお、切り欠き面29aについては、設けられなくてもよい。また、透過面30の中央部を切り欠き面29aにより空けて配置する構成の他、例えば透過面30の面積を縮小したり、透過面30の一部に加工をしたりする構成としてもよい。
【0037】
また、接続面25には、凹部32が設けられる。凹部32は、前後方向において透過面30と遮光部24との間に配置される。凹部32は、接続面25から車両用導光体20の内部側に断面視でV形状に凹んだ形状を有する。凹部32は、傾斜面33と、上方反射面34とを有する。つまり、傾斜面33は、凹部32の一部である。
【0038】
傾斜面33は、例えば平面状であり、前後方向の後方から前方にかけて上下方向の下方に傾いている。傾斜面33は、第2反射面23で反射される光の一部を前方に向けて内面反射する。傾斜面33で内面反射される光は、当該傾斜面33が設けられない状態の接続面25で内面反射される光に比べて、遮光部24により近い位置を通過する。したがって、出射面27から出射される場合に、よりカットオフラインCLに近い領域に照射される。このため、傾斜面33が設けられない場合に比べて、遠方視認性が向上する。また、透過面30の前方に配置される傾斜面33を凹部32の一部として設けることにより、例えば接続面25の下方に突出する凸部の一部として傾斜面33を設ける場合に比べて、透過面30を透過し導光体外部を前方に進行する光を遮光しないようにすることができる。なお、
図2に示すように、凹部32は、前方に向けて先細りの形状となっている。これに伴い、例えば傾斜面33についても、前方に向けて先細りの形状である。
【0039】
傾斜面33には、第1外部遮光部35が設けられる。第1外部遮光部35は、傾斜面33の一部が下方に突出した構成である。第1外部遮光部35は、透過面30から導光体外部に透過して前方に向かう光の一部を遮光する。具体的には、第1外部遮光部35は、オーバーヘッドパターンP2(
図6参照)のうち、対向車線側の下辺の一部の領域PAに照射される光を遮光する。
【0040】
上方反射面34は、例えば平面状であり、傾斜面33とは逆に前後方向の前方から後方にかけて上下方向の下方に傾いている。上方反射面34は、傾斜面33の後方に配置され、傾斜面33と共にV形状の凹部32を形成する。上方反射面34は、接続面25に対する傾斜角度が傾斜面33よりも大きくなっている。上方反射面34は、第2反射面23で反射される光の一部を上面20hに向けて内面反射する。上方反射面34で反射される光は、一部が上面20hから車両用導光体20の外部に放出され、一部が上面20hで反射されて拡散される。上方反射面34で反射される光は、出射面27には到達せず、車両用導光体20の外部に配置されるインナーハウジング等によって吸収される。このため、グレア光の発生が抑制される。
【0041】
また、接続面25には、第2外部遮光部36が設けられる。第2外部遮光部36は、透過面30と凹部32との間に配置される。第2外部遮光部36は、接続面25の一部が下方に突出した構成である。第2外部遮光部36は、上下方向から見て、集光パターン形成面23Mで内面反射された略平行光が通過する領域AR内に収まるように配置される。第2外部遮光部36は、透過面30から導光体外部に透過して前方に向かう光の一部を遮光する。具体的には、第2外部遮光部36は、オーバーヘッドパターンP2(
図6参照)のうち、H-H線付近の領域PBに照射される光を遮光する。
【0042】
上記の第1外部遮光部35及び第2外部遮光部36は、例えば当該第1外部遮光部35及び第2外部遮光部36に到達する光を再入射面26の方向とは異なる方向に屈折または内面反射させることで光を遮光してもよいし、第1外部遮光部35及び第2外部遮光部36の表面に光吸収層を配置しておき、当該光吸収層により光を吸収することで遮光してもよい。なお、第1外部遮光部35及び第2外部遮光部36によって内面反射又は屈折される光は、当該車両用導光体20の外部に配置されるインナーハウジング等によって吸収される。
【0043】
[再入射面]
再入射面26は、接続面25に対して下方に屈曲した状態で設けられる。再入射面26は、上部から下部にかけて前方に傾いた状態で形成される。再入射面26は、透過面30から外部に透過した光を再入射する。再入射面26から再入射する光は、遮光部24の下方側から出射面27に向けて進行する。
【0044】
[出射面]
出射面27は、第2反射面23で内面反射されて遮光部24により遮光されなかった光、及び再入射面26から入射した光を出射して車両前方に配光パターンPF(
図6参照)を照射する。本実施形態において、出射面27は、例えば曲面状であり、不図示の焦点と、光軸とを有する。なお、出射面27が例えば平面状であり、出射面27から出射される光を車両前方に照射する他の光学要素が配置された構成であってもよい。出射面27の焦点は、第2反射面23の焦点Pの近傍の位置に配置される。また、本実施形態では、出射面27の左右方向の幅が、第2反射面23の左右方向の幅よりも狭くてもよい。この場合、外部から見た場合の出射面27の寸法を抑制できる。
【0045】
車両用導光体20の上面20hには、プリズム部等の光拡散部が形成されてもよい。光拡散部は、第2反射面23で内面反射された光及び上方反射面34で内面反射された光を拡散する。このため、上面20hから車両用導光体20の外部に出射される光がグレアとなるのを抑制できる。
【0046】
[動作]
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作を説明する。
図6は、車両前方の仮想のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。
図6では、左側通行の車両に対応するパターンを示している。また、
図6において、V-V線がスクリーンの垂直線を示し、H-H線がスクリーンの左右の水平線を示す。また、ここでは、垂直線と水平線との交点が、水平方向の基準位置であるとする。
【0047】
車両用灯具100の光源10を点灯させることにより、発光面11から光が放射される。この光は、入射面21の第1面21a及び第2面21bから車両用導光体20に入射する。第1面21aから入射した光は、第1反射面22側に向けて進行する。第2面21bから入射した光は、第1反射面22において第2反射面23に向けて内面反射される。
【0048】
図5に示すように、第2反射面23のうち集光パターン形成面23Mで反射される光の一部である光L1~L5は、車両用導光体20によって例えば以下のように導光される。
【0049】
例えば、光L1は、凸部29に進入し、凸部29の前側に配置される透過面30を透過して導光体外部に放出される。この光L1は、導光体外部を前方に向けて進行し、遮光部24の下方を通過して、再入射面26から車両用導光体20の内部に再入射する。再入射した光L1は、出射面27に到達し、出射面27から車両前方に出射される。
【0050】
また、光L2は、凸部29に進入し、凸部29の前側に配置される透過面30を透過して導光体外部に放出される。この光L1は、導光体外部を前方に向けて進行するが、第2外部遮光部36によって遮光又は反射される。この光L2は、車両用導光体20の外部に配置されるインナーハウジング等によって吸収される。
【0051】
また、光L3は、凸部29を越えて凹部32の傾斜面33に到達する。光L3は、傾斜面33によって車両前方に向けて内面反射され、遮光部24の上方を通過して出射面27に到達する。出射面27に到達した光L3は、出射面27から車両前方に出射される。
【0052】
また、光L4は、凸部29を越えて凹部32の上方反射面34に到達する。光L4は、上方反射面34によって車両前方に向けて内面反射される。光L4は、例えば車両用導光体20の上面20hに反射され、上面20hに設けられるプリズム部により拡散された状態で導光体外部に出射される。この光L4は、車両用導光体20の外部に配置されるインナーハウジング等によって吸収される。
【0053】
また、光L5は、凸部29及び凹部32を越えて遮光部24に到達する。光L5は、一部が遮光部24によって遮光され、一部が遮光部24を通過する。遮光部24を通過した光L5は、出射面27に到達する。出射面27に到達した光L5は、出射面27から車両前方に出射される。
【0054】
出射面27から出射された光L1、L3、L5は、
図6に示すように、配光パターンPFとして車両前方に照射される。具体的には、遮光部24の上方を通過して出射面27に到達した光L1、L3、L5は、ロービームパターンP1のうちカットオフラインCLを含む集光パターンP1aを形成する。なお、
図6では、カットオフラインCLのうち斜めカットオフラインCLaが右側に向けて下方に傾くように形成された状態を例に挙げて説明しているが、これに限定されず、斜めカットオフラインが左側に向けて下方に傾く場合においても同様の説明が可能である。
【0055】
傾斜面33で内面反射される光L3は、当該傾斜面33が設けられない状態の接続面25で内面反射される光に比べて、遮光部24により近い位置を通過する。したがって、出射面27から出射される場合に、よりカットオフラインCLに近い領域に照射される。このため、傾斜面33が設けられない場合に比べて、遠方視認性が向上する。
【0056】
なお、第2反射面23のうち拡散パターン形成面23Nで反射される拡散光については、図示を省略するが、一部は接続面25を越え、一部は接続面25で反射され、遮光部24の上方を通過して出射面27に到達する。出射面27から出射される拡散光は、ロービームパターンP1のうちの拡散パターンP1bを形成する。
【0057】
また、透過面30により導光体外部に放出されて遮光部24の下方を通過して出射面27に到達した光L1は、オーバーヘッドパターンP2を形成する。第2反射面23で反射される光の一部をオーバーヘッドパターンP2として利用することにより、光の利用効率の向上を図ることができる。
【0058】
また、透過面30により導光体外部に放出される光L2については、第2外部遮光部36が設けられない場合、再入射面26から導光体内部に再入射する(仮想光L2a)。仮想光L2aは、出射面27から車両前方に出射された場合、オーバーヘッドパターンP2のうち、H-H線付近の領域PBに照射される。本実施形態では、第2外部遮光部36が設けられるため、領域PBに照射される光が減光される。このため、H-H線付近でのグレア光の発生を抑制できる。
【0059】
[車両用灯具ユニット]
図7は、本実施形態に係る車両用灯具ユニット200の一例を示す図である。
図7は、車両搭載状態における前方から見た例を示している。
図7に示す車両用灯具ユニット200は、ハウジング201と、アウターレンズ202と、光源10と、複数の車両用導光体20とを有する。車両用灯具ユニット200は、ハウジング201とアウターレンズ202とで囲まれる灯室内に、ここでは例えば2つの車両用導光体20が配置された構成である。なお、灯室内に配置される車両用導光体20は、1つ又は3つ以上であってもよい。また、車両用導光体20は、前方から見た場合において、左右方向に並ぶ配置に限定されず、上下方向に並ぶ配置であってもよいし、斜め方向に並ぶ配置であってもよいし、左右方向、上下方向、斜め方向の2つ以上を組み合わせた状態で並ぶ配置であってもよい。なお、異なる車両用導光体20に対して、光源10の個数及び配置が異なるように構成してもよい。
【0060】
例えば、一の車両用導光体20については、中央側入射面21Mに対して光を入射させるように光源10を配置した集光用の構成とし、他の車両用導光体20については、外側入射面21Nに対して光を入射させるように光源10を配置した拡散用の構成としてもよい。また、集光用の構成及び拡散用の構成の少なくとも一方を複数設けてもよい。この場合、各車両用導光体20からの発熱を抑制しつつ、車両用灯具ユニット200全体として、車両前方に集光パターンP1a及び拡散パターンP1bを形成できる。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る車両用導光体20は、光源10からの光を入射する入射面21と、入射面21から入射した光を内面反射して略平行光とする第1反射面22と、第1反射面22からの略平行光を車両搭載状態における前後方向の前方に向けて内面反射する第2反射面23と、第2反射面23で反射された光の一部を遮光する遮光部24と、第2反射面23と遮光部24との間を接続し、第2反射面23で反射される光の一部を車両搭載状態における上下方向の下側から導光体外部に透過して前後方向の前方に向ける透過面30を有する接続面25と、透過面30に対して前後方向の前方かつ遮光部24に対して上下方向の下方に配置され、透過面30から導光体外部に透過した光を再入射する再入射面26と、第2反射面23で内面反射された光、並びに、再入射面26から入射した光を出射する出射面27とを備える。
【0062】
この構成によれば、第2反射面23で反射されて遮光部24又は遮光部24の上方を通過して出射面27から出射される光により、主となるパターン(ロービームパターンP1)が形成される。また、透過面30により導光体外部に放出されて遮光部24の下方を通過し、再入射面26から再入射して出射面27から出射される光により、車両前方の上側に別途パターン(オーバーヘッドパターンP2)が形成される。このように、入射面21から入射した光の一部を、主となるパターン(ロービームパターンP1)とは異なるパターン(オーバーヘッドパターンP2)を形成する光として利用することにより、光の利用効率の向上を図ることができる。
【0063】
上記の車両用導光体20において、第2反射面23は、略平行光が前後方向の前方に向けて集光されるように当該略平行光を内面反射する集光パターン形成面23Mを有し、透過面30は、上下方向から見て、集光パターン形成面23Mで内面反射された反射光が通過する領域AR内に配置される。これにより、ロービームパターンP1のうち集光パターンP1aを形成する光の一部を用いることで、車両前方に集光された状態のオーバーヘッドパターンP2を形成することができる。
【0064】
上記の車両用導光体20において、接続面25は、透過面30に対して前方に配置され導光体内部に凹む凹部32を有し、凹部32の一部であり、接続面25において透過面30と遮光部24との間に前後方向の前方に向けて上下方向の下方に傾いた状態で設けられ、第2反射面23で反射される光の一部を前後方向の前方に向けて内面反射する傾斜面33を更に備える。傾斜面33で内面反射される光は、当該傾斜面33が設けられない状態の接続面25で内面反射される光に比べて、遮光部24により近い位置を通過する。したがって、出射面27から出射される場合に、よりカットオフラインCLに近い領域に照射される。このため、傾斜面33が設けられない場合に比べて、遠方視認性が向上する。また、この構成では、透過面30の前方に配置される傾斜面33を凹部32の一部として設けることにより、例えば接続面25の下方に突出する凸部の一部として傾斜面33を設ける場合に比べて、透過面30を透過し導光体外部を前方に進行する光を遮光しないようにすることができる。
【0065】
上記の車両用導光体20において、傾斜面33は、導光体外部に突出した状態で配置され、透過面30から導光体外部に透過した光の一部を遮光する第1外部遮光部35を有する。また、上記の車両用導光体20は、接続面25において透過面30の前後方向の前方に導光体外部に突出した状態で配置され、透過面30から導光体外部に透過した光の一部を遮光する第2外部遮光部36を更に備える。この構成では、車両前方の上部に形成されるパターン(オーバーヘッドパターンP2)の一部の領域に照射される光が減光される。これにより、例えば先行車側又は対向車側の幻惑を抑制したり、グレア光の発生を抑制したりすることができる。
【0066】
上記の車両用導光体20において、透過面30は、車両搭載状態における左右方向の中央部を空けて両側に配置される。これにより、領域ARのうち車両搭載状態における左右方向の中央部を通過する光については、主となるロービームパターンP1と形成する光として利用し、左右方向の両側を通過する光については別途オーバーヘッドパターンP2として有効に利用することができる。また、透過面30が左右に間隔を空けて配置されることにより、オーバーヘッドパターンP2の左右の拡散を十分に得ることができ、中央部の光度が上がり過ぎてしまうことを抑制できる。
【0067】
上記の車両用導光体20において、出射面27は、車両前方に配光パターンPFを照射する。この構成では、入射面21から出射面27までが一体の車両用導光体20により光を有効利用しつつ、車両前方に配光パターンPFを形成することができる。
【0068】
本実施形態に係る車両用灯具ユニット200は、光源10を備え、光源10からの光を導光して出射する上記の車両用導光体20を複数備える。この構成によれば、車両用灯具ユニット200全体として、複数の車両用導光体20の照射パターンを組み合わせた配光パターンPFを得ることができる。
【0069】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上記実施形態では、左側通行の道路を走行する車両に搭載する車両用灯具100の構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、右側通行の道路を走行する車両に車両用前照灯を搭載する場合においても同様の説明が可能である。
【0070】
また、上記実施形態では、配光パターンPFとして、ロービームパターンを例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えばハイビームパターン等、他のパターンであってもよい。また、複数の車両用導光体20が設けられる車両用灯具ユニット200においては、異なる種類のパターンを形成する車両用導光体20が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0071】
AR,PA,PB…領域、CL…カットオフライン、CLa…斜めカットオフライン、LMa,LMb,LNa,LNb,LNc,LNd…仮想直線、L1~L5…光、L2a…仮想光、P…焦点、PF…配光パターン、P1…ロービームパターン、P1a…集光パターン、P1b…拡散パターン、P2…オーバーヘッドパターン、10…光源、11…発光面、20…車両用導光体、20g…角部、20h…上面、21…入射面、21M…中央側入射面、21N…外側入射面、21a…第1面、21b…第2面、21c…入射側反射面、22…第1反射面、23…第2反射面、23M…集光パターン形成面、23N…拡散パターン形成面、24…遮光部、25…接続面、26…再入射面、27…出射面、29…凸部、29a…切り欠き面、30…透過面、31…透過側反射面、32…凹部、33…傾斜面、34…上方反射面、35…第1外部遮光部、36…第2外部遮光部、100…車両用灯具、200…車両用灯具ユニット、201…ハウジング、202…アウターレンズ