(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】型締装置の金型開閉制御方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
B22D 17/26 20060101AFI20231011BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B22D17/26 J
B29C45/76
(21)【出願番号】P 2020000425
(22)【出願日】2020-01-06
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】吉鶴 真人
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-289410(JP,A)
【文献】特開2018-167579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/00
B22D 17/26
B29C 45/17
B29C 45/64
B29C 45/76
B29C 45/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御方法において、
前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1速度とし、前記中子入工程が完了した後の前記移動速度を第2速度とし、前記第2速度の最高速度は前記第1速度の最高速度よりも速く設定し、前記中子入工程が完了していないとき前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法。
【請求項2】
金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御方法において、
前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1速度で移動する第1型閉工程と、
前記中子入工程が完了したか否かを判定する中子入完了工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了したときに前記移動速度を前記第1速度よりも速い第2速度で移動する第2型閉工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了していないときに前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定する金型干渉位置確認工程と、
を有し、
前記金型干渉位置確認工程で前記可動金型が到達したとき型閉工程を停止することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法。
【請求項3】
金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御方法において、
前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1クロスヘッド速度で移動する第1型閉工程と、
前記中子入工程が完了したか否かを判定する中子入完了工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了したときに前記移動速度を
前記第1クロスヘッド速度よりも速い第2クロスヘッド速度で移動する第2型閉工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了していないときに前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定する金型干渉位置確認工程と、
を有し、
前記金型干渉位置確認工程で前記可動金型が到達したとき型閉工程を停止することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1に記載された型締装置の金型開閉制御方法であって、
前記第1速度又は前記第1クロスヘッド速度は、前記可動金型が前記金型干渉位置に到達する前に前記中子入工程が完了する移動速度に設定することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法。
【請求項5】
金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御装置において、
前記中子が前記金型に挿入されたことを検出する中子入限センサと、
前記型閉工程の可動金型の移動位置を検出する型閉位置センサと、
前記型閉位置センサ及び前記中子入限センサの測定値に基づいて前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1速度とし、前記中子入工程が完了した後の前記移動速度を第2速度とし、前記第2速度の最高速度は前記第1速度の最高速度よりも速く設定し、前記中子入工程が完了していないとき前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定する制御部
を備えたことを特徴とする型締装置の金型開閉制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイカストマシン、射出成型機などの金型で、特に中子を有する金型における型締装置の金型開閉制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に複雑な製品形状、例えば凹部、横穴、突起などいわゆるアンダーカット形状を有する成形品は、金型内に中子を配置して、成形後に引き抜き動作を行うことにより所望の形状に形成している。
図6は中子を備えた金型の型閉工程の説明図である。同図(1)は、中子12と、中子12の移動装置13を備えた可動金型5の型開状態を示している。同図(2)に示すように中子12の移動装置13を用いて中子12を金型内に配置する。そして同図(3)のように型閉動作を行い、可動金型5を固定金型7まで移動させる。同図(4)は鋳造工程を示し、同図(5)では型開動作を行う。そして同図(6)に示す中子抜き動作を行ってから、前述の型開状態の可動金型5の型閉動作開始位置まで戻した後、成形品の取出しを行う。
ここで型締装置の稼働効率化(装置の停止時間を短くして生産数(稼働時間)を増加するなど)のため型開閉時間の短縮化が求められている。従来から金型の開閉速度を高速化し、あるいは中子入動作と型閉じ動作を同時並行するなどが行われていた。しかし中子を備えた金型は、中子が金型内に完全に入りきった後でなければ型閉じができない場合があり、同時並行のタイミングが悪いと中子と金型が干渉して破損するおそれがあった。
【0003】
特許文献1に開示の技術は、金型の開閉位置を検知するセンサと、中子の位置を検知するセンサを備え、型締動作中に設定した判定点(中子入工程が完了する少し手前の位置)において、中子入工程の完了が否の場合、同判定点での移動金型の中子入工程が完了するまでの型締用のサーボモータを駆動する時間をTとし、中子入工程完了までの余り時間をtとしたときT-t≧0の判定を行って、判定結果に基づいて移動金型を前進又は停止する制御を行っている。
しかしながら、中子入工程完了までの余り時間をあらかじめ定めた必要時間で算出しているため、何等かの理由によって中子入動作が突然予想よりも遅くなった場合などに対処できない(中子と金型が干渉する)おそれがある。
また金型と中子の干渉を防止するためには、中子と金型が干渉する位置が重要となるが、そのような概念が特許文献1には開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の開閉時間を短縮化しつつ、中子と金型の干渉を回避できる安全な型締装置の金型開閉制御方法及び制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御方法において、
前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1速度とし、前記中子入工程が完了した後の前記移動速度を第2速度とし、前記第2速度の最高速度は前記第1速度の最高速度よりも速く設定し、前記中子入工程が完了していないとき前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法を提供することにある。
上記第1の手段によれば、型閉工程中の中子入工程において金型と中子が干渉する金型干渉位置を起点とすることにより、金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御方法において、
前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1速度で移動する第1型閉工程と、
前記中子入工程が完了したか否かを判定する中子入完了工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了したときに前記移動速度を前記第1速度よりも速い第2速度で移動する第2型閉工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了していないときに前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定する金型干渉位置確認工程と、
を有し、
前記金型干渉位置確認工程で前記可動金型が到達したとき型閉工程を停止することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法を提供することにある。
上記第2の手段によれば、型閉工程中の中子入工程において金型と中子が干渉する金型干渉位置を起点とすることにより、金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。また型締装置の開閉動作(成形サイクル)の短縮化が実現できる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための第3の手段として、金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御方法において、
前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1クロスヘッド速度で移動する第1型閉工程と、
前記中子入工程が完了したか否かを判定する中子入完了工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了したときに前記移動速度を前記第1クロスヘッド速度よりも速い第2クロスヘッド速度で移動する第2型閉工程と、
前記中子入完了工程で前記中子入工程が完了していないときに前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定する金型干渉位置確認工程と、
を有し、
前記金型干渉位置確認工程で前記可動金型が到達したとき型閉工程を停止することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法を提供することにある。
上記第3の手段によれば、型締装置のトグルリンクの送り速度を基準に可動金型が移動する場合であっても、型閉工程中の中子入工程において金型と中子が干渉する金型干渉位置を起点とすることにより、金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。また型締装置の開閉動作(成形サイクル)の短縮化が実現できる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための第4の手段として、第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記第1速度又は前記第1クロスヘッド速度は、前記可動金型が前記金型干渉位置に到達する前に前記中子入工程が完了する移動速度に設定することを特徴とする型締装置の金型開閉制御方法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、可動金型の移動速度を型締装置毎に最速かつ効率的に設定できる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための第5の手段として、金型に中子を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御装置において、
前記中子が前記金型に挿入されたことを検出する中子入限センサと、
前記型閉工程の可動金型の移動位置を検出する型閉位置センサと、
前記型閉位置センサ及び前記中子入限センサの測定値に基づいて前記金型の型閉動作開始から前記中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型の移動速度を第1速度とし、前記中子入工程が完了した後の前記移動速度を第2速度とし、前記第2速度の最高速度は前記第1速度の最高速度よりも速く設定し、前記中子入工程が完了していないとき前記金型と前記中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型が到達したか否か判定する制御部を備えたことを特徴とする型締装置の金型開閉制御装置を提供することにある。
上記第5の手段によれば、型閉工程中の中子入工程において金型と中子が干渉する金型干渉位置を起点とすることにより、金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、型締装置の開閉動作(成形サイクル)の短縮化が実現できる。また型閉工程中の中子入工程において金型と中子が干渉する金型干渉位置を起点とすることにより、何らかの理由で中子入限までの時間が遅くなったとしても、金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の型締装置の金型開閉制御装置の構成概略図である。
【
図5】本発明の型締装置の金型開閉制御方法のフロー図である。
【
図6】中子を備えた金型の型閉工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の型締装置の金型開閉制御方法及び制御装置の実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0014】
[型締装置の金型開閉制御装置10]
図1は、本発明の型締装置の金型開閉制御装置の構成概略図である。同図に示す型締装置1は、リンクハウジング2と可動盤3の間にトグルリンク4を備えている。可動盤3は可動金型5を備え、対向する固定盤6の固定金型7に向けて進退移動可能に構成している。
本発明の型締装置の金型開閉制御装置10は、金型を構成する可動金型5に中子12を備え中子入工程と型閉工程を並行して行う型締装置の金型開閉制御装置10において、中子12が金型に挿入されたことを検出する中子入限センサ20と、型閉工程の可動金型5の移動位置を検出する型閉位置センサ30と、
型閉位置センサ30及び中子入限センサ20の測定値に基づいて金型の型閉動作開始から中子入工程が完了するまでの型閉工程中の可動金型5の移動速度を第1速度とし、中子入工程が完了した後の移動速度を第2速度とし、第2速度の最高速度は第1速度の最高速度よりも速く設定し、中子入工程が完了していないとき金型と中子が干渉する金型干渉位置に前記可動金型5が到達したか否か判定する制御部40を備えている。
中子入限センサ20は、可動金型5の中子12の移動装置13に取り付けて、中子12が金型に挿入されたことを検出するセンサである。なお、中子入限センサ20は挿入された中子12が金型から抜かれたことを検出することもできる。
型閉位置センサ30は、型閉工程中(型閉動作開始位置から型閉じ動作終了位置まで)の可動金型5の位置を検出するセンサであり、例えば光学式、磁気式などのエンコーダを用いることができる。
【0015】
制御部40は、中子入限センサ20と型閉位置センサ30と電気的に接続し、中子入限(中子12が金型内に配置された状態)の検出信号と、型閉工程中における可動金型5の移動位置の検出信号に基づいて可動盤3の進退、停止、移動速度を制御している。この制御部40は、型閉工程中の可動金型5の移動速度を段階的(本実施形態では二段階)に変更制御している。
図2は金型干渉位置の説明図である。型閉工程は、可動金型5が型開状態の型閉動作開始位置にあるとき、中子12は可動金型5の内部から抜かれた位置に配置されている。型閉工程中において可動金型5が固定金型7に向けて移動し、並行して中子12を金型内に配置する中子入工程も行われる。このとき移動中の可動金型5において中子入中の中子12が固定金型7と接触する(接触し始める)位置を本実施形態では金型干渉位置とする。制御部40は、型閉動作開始位置から中子入工程が完了するまでの可動金型5の移動速度を第1速度に設定している。この第1速度は、可動金型5が金型干渉位置に到達する前に中子入工程が完了する移動速度に設定している。これにより可動金型5の移動速度を型締装置毎に最速かつ効率的に設定できる。
また制御部40は中子入工程が完了した後から型閉動作終了位置までの可動金型5の移動速度を第2速度に設定している。この第2速度は、中子12と金型が干渉することがないため型締装置1の最大速度に設定している。
第1速度から第2速度への切り替えは、型閉工程中に中子入工程が完了したときに行う。
【0016】
図3は型閉工程の動作停止の説明図である。制御部40は型閉工程中で中子入工程が完了していない場合、型閉位置センサ30の測定値に基づいて金型干渉位置に可動金型5が到達しているか否かを判断している。中子入工程中の中子12が金型内部に配置される前に可動金型5が金型干渉位置に到達すると中子12と金型が干渉してしまう。この場合、制御部40は型閉動作を停止して、干渉を回避する。本発明では金型干渉位置を起点(ファクター)として、型閉位置センサ30の測定値に基づいて、この位置まで中子入限になっていない場合は、可動金型5を停止させている。実際、停止信号を受けて金型が停止するまでにはタイムラグがあり、金型干渉位置で金型が安全に停止できるだけの余裕を見る必要がある。これにより、中子と金型の干渉を確実に回避でき、安全な型閉動作が行える。
【0017】
図4は第1速度と第2速度の説明図であり、(1)は定速、(2)はクロスヘッド速度を示している。
制御部40による第1及び第2速度の制御は、(1)定速と(2)のクロスヘッド速度があり、いずれも第2速度の最高速度は第1速度の最高速度よりも速く設定している。
(1)の定速は、型閉動作開始位置から第1速度(第1型閉速度)に達すると中子入工程が完了する(中子入工程完了位置)まで一定の速度で移動する。中子入工程が完了した後からさらに加速して第1速度よりも速い第2速度(第2型閉速度)に達すると一定の速度で移動する。型閉動作終了位置の直前に金型の衝突破損を防止する金型保護減速区間を設けている。金型保護減速区間では可動金型5を第2速度から減速し低速で移動して型閉動作終了位置に到達させる。
(2)のクロスヘッド速度の場合は、型締装置のトグルリンク4の送り速度を基準に可動金型5が移動する。このときの移動速度はトグルリンク特性の影響により、定速ではなく、上に凸の放物線状に移動する。換言すると型閉動作開始位置から中子入工程が完了する(中子入工程完了位置)までの間は徐々に加速し倍力構造によって出力が増大して第1クロスヘッド速度(第1速度)の最高速度に達した後、緩やかに減速して中子入工程完了位置に到達する。そして中子入工程完了位置から再度倍力構造によって出力が増大して第1速度の最高速度よりも速い第2クロスヘッド速度(第2速度)の最高速度に達した後、穏やかに減速して金型保護減速区間を経て低速で型閉動作終了位置に到達させる。
【0018】
[型締装置の金型開閉制御方法]
上記構成による本発明の型締装置の金型開閉制御方法について、以下説明する。
図5は本発明の型締装置の金型開閉制御方法のフロー図である。
型閉工程はまず型開状態の可動金型5を第1速度で移動させる(第1型閉工程)。これと平行して可動金型5の中子12を金型内部に配置する中子入工程を行う(ステップ1)。
中子12が金型内部に配置されたか否かを判定する(中子入工程完了:ステップ2)。中子入限センサ20により中子入が完了した測定信号を制御部40が受信すると、制御部40は可動金型5の移動速度を第1速度よりも速い第2速度に設定する(ステップ3)。可動金型5が型閉動作終了位置まで移動して型閉工程が終了する。
ステップ2で中子12が金型内部に配置されていない場合、可動金型5が金型干渉位置に到達したか否かの判定を行う(金型干渉位置確認工程:ステップ4)。可動金型5が金型干渉位置に到達したときは型閉動作を停止する(ステップ5)。型閉工程中の中子入工程において金型と中子が干渉する金型干渉位置を起点とすることにより、何らかの理由で中子入限までの時間が遅くなったとしても、金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。その後異常停止となる。
可動金型5が金型干渉位置に到達していない場合は、ステップ1の工程に戻る。なお、可動金型5の移動速度は定速又はクロスヘッド速度のいずれであっても良い。
【0019】
このような本発明によれば、型締装置の開閉動作(成形サイクル)の短縮化が実現できる。また型閉工程中の中子入工程において金型との干渉を確実に回避することができ安全な型閉工程が行える。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 型締装置
2 リンクハウジング
3 可動盤
4 トグルリンク
5 可動金型
6 固定盤
7 固定金型
10 型締装置の金型開閉制御装置
12 中子
13 移動装置
20 中子入限センサ
30 型閉位置センサ
40 制御部