(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】電源制御装置、情報処理システム、及び電源制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3287 20190101AFI20231011BHJP
H04L 61/00 20220101ALI20231011BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20231011BHJP
G06F 1/3209 20190101ALI20231011BHJP
G06F 1/3206 20190101ALI20231011BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G06F1/3287
H04L61/00
H04Q9/00 301A
G06F1/3209
G06F1/3206
H02J1/00 306K
H02J1/00 308C
(21)【出願番号】P 2020010048
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】森戸 啓至
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-067197(JP,A)
【文献】特開2007-299427(JP,A)
【文献】特開2008-301077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26- 1/3296
H04L 61/00
H04Q 9/00
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置に共通する共通アドレスと、前記複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記共通アドレスを含む第1電源投入指示を受信した場合、前記共通アドレスと対応付けられている、前記複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、前記特定の情報処理装置の電源の投入を指示する第2電源投入指示を、前記特定の管理装置へ送信する制御部と、
を備えることを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記第1電源投入指示による前記複数の情報処理装置それぞれの電源の投入を許可するか否かを示す制御情報をさらに記憶し、
前記制御部は、前記第1電源投入指示による前記特定の情報処理装置の電源の投入を許可することを示す制御情報を、前記記憶部が記憶している場合、前記第2電源投入指示を前記特定の管理装置へ送信することを特徴とする請求項1記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記複数の情報処理装置各々は通信部を含み、
前記特定の管理装置は、前記第2電源投入指示を受信した場合、前記特定の情報処理装置に含まれる通信部の電源を投入することを特徴とする請求項1又は2記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1電源投入指示を受信する前に、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置へデータ要求を送信し、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置から前記データ要求に対する応答を受信した場合、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置のアドレスを、前記共通アドレスと対応付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項5】
複数の情報処理装置と電源制御装置とを備える情報処理装置システムであって、
前記電源制御装置は、
前記複数の情報処理装置に共通する共通アドレスと、前記複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記共通アドレスを含む第1電源投入指示を受信した場合、前記共通アドレスと対応付けられている、前記複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、前記特定の情報処理装置の電源の投入を指示する第2電源投入指示を、前記特定の管理装置へ送信する制御部とを含み、
前記特定の管理装置は、前記第2電源投入指示を受信した場合、前記特定の情報処理装置の電源を投入する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスと対応付けて記憶された、前記複数の情報処理装置に共通する共通アドレスを含む、第1電源投入指示を受信し、
前記共通アドレスと対応付けられている、前記複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、前記特定の情報処理装置の電源の投入を指示する第2電源投入指示を、前記特定の管理装置へ送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする電源制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御装置、情報処理システム、及び電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の情報処理システムの構成例を示している。
図1の情報処理システムは、サーバ101-1~サーバ101-N(Nは2以上の整数)を含む。各サーバ101-i(i=1~N)は、CPU(Central Processing Unit)111-i及びBMC(Baseboard Management Controller)112-iを含む。各サーバ101-iは、さらに、PCH(Platform Controller Hub)113-i及びNIC(Network Interface Controller)114-iを含む。
【0003】
CPU111-iは、所定の情報処理を実行し、BMC112-iは、サーバ101-iの管理及び監視を行う。CPU111-iは、プロセッサと呼ばれることもある。PCH113-iは、データパスを管理してCPU111-iの機能をサポートする。NIC114-iは、通信インタフェース回路である。BMC112-iは、管理ネットワーク102に接続されており、NIC114-iは、業務ネットワーク103に接続されている。管理ネットワーク102及び業務ネットワーク103は、通信ネットワークである。
【0004】
図1の情報処理システムにおいて、サーバ101-1~サーバ101-Nの電源を投入する際、WOL(Wake on LAN)が使用されることがある。WOLを使用して電源を投入する場合、各サーバ101-iの電源が切断されている状態で、各サーバ101-iを起動対象とするWOLパケットが、ブロードキャストにより業務ネットワーク103上に送出される。そして、各サーバ101-iのNIC114-iがWOLパケットを受信することで、サーバ101-iの電源が投入される。
【0005】
情報処理システムの電源制御に関連して、コンピュータ装置その他の電子機器の電源を遠隔制御するリモートパワーコントローラが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、クラウドコンピューティング、AI(Artificial Intelligence)、HPC(High Performance Computing)、データセンター等の用途で用いられる情報処理システムでは、数百台~数万台規模の多数のサーバに処理を分散させるケースが増加している。このような分散処理環境では、多数のサーバが複数の用途に用いられるため、複数のサーバが用途毎にグループ化されて運用される。
【0008】
図1の情報処理システムでは、各サーバ101-iの電源が切断されている状態においても、WOLパケットを受信するために、NIC114-iの電源が投入されている。電源が投入されている状態は、電源がオンの状態と呼ばれることもある。また、電源が切断されている状態は、電源がオフの状態と呼ばれることもある。
【0009】
サーバ101-iの台数が数台程度であれば、NIC114-iの消費電力は些細なものであるが、サーバ101-iの台数が数万台程度になると、NIC114-iの消費電力が無視できない大きさになる。
【0010】
なお、かかる問題は、WOLを使用する場合に限らず、他の電源投入指示を用いて複数の情報処理装置の電源を投入する場合においても生ずるものである。
【0011】
1つの側面において、本発明は、電源投入指示を用いて複数の情報処理装置の電源が投入される情報処理システムの消費電力を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの案では、電源制御装置は、記憶部及び制御部を含む。記憶部は、複数の情報処理装置に共通する共通アドレスと、複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスとを対応付けて記憶する。
【0013】
制御部は、共通アドレスを含む第1電源投入指示を受信した場合、共通アドレスと対応付けられている、複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、第2電源投入指示を特定の管理装置へ送信する。第2電源投入指示は、特定の情報処理装置の電源の投入を指示する電源投入指示である。
【発明の効果】
【0014】
1つの実施形態によれば、電源投入指示を用いて複数の情報処理装置の電源が投入される情報処理システムの消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】実施形態の情報処理システムの構成図である。
【
図10】電源制御処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図11】第1のテーブル生成処理のフローチャートである。
【
図12】第2のテーブル生成処理のフローチャートである。
【
図15】第3のテーブル生成処理のフローチャートである。
【
図17】第4のテーブル生成処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
【0017】
上述したように、大規模な情報処理システムでWOLを使用する場合、
図1に示したNIC114-iの消費電力が増大する。消費電力を抑えるため、サーバ101-iの電源が切断されたときに、NIC114-iの電源も切断してしまうと、WOLパケットを受信することが困難になる。
【0018】
WOLを使用する場合、セキュリティの問題が発生することもある。管理ネットワーク102は、サーバ101-iの管理及び保守の用途で使用される通信ネットワークである。このため、管理ネットワーク102は、業務ネットワーク103とは物理的に完全に切り離されており、ネットワークトラフィックも限られている。
【0019】
これに対して、業務ネットワーク103は、サーバ101-iが業務用途で使用する通信ネットワークであり、ネットワークトラフィックも非常に大きい。また、外部からの不正なアクセスを遮断するため、業務ネットワーク103では、強固なセキュリティ対策が行われている。このように、業務ネットワーク103はセキュリティに対して非常に敏感であるため、たとえ用途が限定されているとしても、WOLパケットのようなブロードキャストパケットが業務ネットワーク103上に送出されることは好ましくない。
【0020】
管理及び保守の用途で使用される管理ネットワーク102であれば、ある程度閉じた環境で使用できるため、WOLパケットのようなブロードキャストパケットの送信が許容される。しかし、管理ネットワーク102にはNIC114-iが接続されていないため、送信されたWOLパケットが認識されない。
【0021】
図2は、実施形態の電源制御装置の構成例を示している。
図2の電源制御装置201は、記憶部211及び制御部212を含む。
【0022】
記憶部211は、複数の情報処理装置に共通する共通アドレスと、複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスとを対応付けて記憶する。制御部212は、記憶部211が記憶する情報に基づいて、電源制御処理を行う。情報処理装置は、コンピュータと呼ばれることもある。
【0023】
図3は、
図2の電源制御装置201が行う電源制御処理の例を示すフローチャートである。まず、制御部212は、共通アドレスを含む第1電源投入指示を受信する(ステップ301)。次に、制御部212は、共通アドレスと対応付けられている、複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、第2電源投入指示を特定の管理装置へ送信する(ステップ302)。第2電源投入指示は、特定の情報処理装置の電源の投入を指示する電源投入指示である。
【0024】
図2の電源制御装置201によれば、電源投入指示を用いて複数の情報処理装置の電源が投入される情報処理システムの消費電力を削減することができる。
【0025】
図4は、
図2の電源制御装置201を含む情報処理システムの構成例を示している。
図4の情報処理システムは、クラウドコンピューティング、AI、HPC、データセンター等の用途で用いられ、端末装置401及びサーバ402-1~サーバ402-N(Nは2以上の整数)を含む。サーバ402-1~サーバ402-Nは、情報処理装置の一例である。このうち、サーバ402-1は、
図2の電源制御装置201に対応する。
【0026】
各サーバ402-i(i=1~N)は、CPU411-i、BMC412-i、PCH413-i、及びNIC414-iを含む。CPU411-iは、所定の情報処理を実行する。BMC412-iは、管理装置の一例であり、サーバ402-iの管理及び監視を行う。PCH413-iは、データパスを管理してCPU411-iの機能をサポートする。NIC414-iは、通信インタフェース回路である。NIC414-iは、通信部の一例である。
【0027】
BMC412-iは、管理ネットワーク403に接続されており、NIC414-iは、業務ネットワーク404に接続されている。管理ネットワーク403及び業務ネットワーク404は、例えば、LAN(Local Area Network)である。
【0028】
端末装置401は、サーバ402-iの電源がオフの状態において、ユーザにより指定されたサーバ402-iのグループを起動対象として、1つのWOLパケットをブロードキャストにより管理ネットワーク403に送出する。これにより、起動対象のグループに属する複数のサーバ402-iの電源が投入される。サーバ402-iの電源がオフの状態では、NIC414-iの電源もオフになっており、サーバ402-iの電源を投入することで、NIC414-iの電源も投入される。グループを起動対象とするWOLパケットは、第1電源投入指示の一例である。
【0029】
図5は、
図4のサーバ402-iの構成例を示している。
図5のサーバ402-iは、CPU411-i、BMC412-i、PCH413-i、及びNIC414-iに加えて、PHY501、LANコネクタ502、及びLANコネクタ503を含む。サーバ402-iは、不図示のメモリ、補助記憶装置、I/O(Input/Output)機器、冷却ファン、電源装置等も含んでいる。
【0030】
PHY501は、物理層の機能を実装するための回路である。LANコネクタ502は、管理ネットワーク403に接続されており、LANコネクタ503は、業務ネットワーク404に接続されている。
【0031】
BMC412-iは、NIC511及びNIC512を含む。NIC511及びNIC512は、通信インタフェース回路である。NIC511は、PHY501に接続されており、PHY501は、LANコネクタ502に接続されている。NIC512は、NIC414-iに接続されている。BMC412-iは、NIC511を介して、管理ネットワーク403からパケットを受信し、管理ネットワーク403にパケットを送出する。BMC412-iは、NIC512を介して、NC-SI(Network Controller Sideband Interface)によりNIC414-iと通信する。
【0032】
NIC414-iは、PHY513を含み、PCH413-iに接続されている。PCH413-iは、CPU411-iに接続されている。PHY513は、物理層の機能を実装するための回路である。NIC414-iは、PHY513を介して、業務ネットワーク404からパケットを受信し、業務ネットワーク404にパケットを送出する。
【0033】
図6は、
図4のBMC412-1の機能的構成例を示している。
図6のBMC412-1は、NIC511及びNIC512に加えて、記憶部601及び制御部602を含む。記憶部601及び制御部602は、
図2の記憶部211及び制御部212にそれぞれ対応する。
【0034】
記憶部601は、グループテーブル611を記憶する。グループテーブル611には、サーバ402-iのグループ毎に、複数のサーバ402-iそれぞれに含まれるNIC414-iのMAC(Media Access Control)アドレスと、BMC412-iのIP(Internet Protocol)アドレスとが記録されている。NIC414-iのMACアドレス及びBMC412-iのIPアドレスは、グループMACアドレスと対応付けて記録される。グループMACアドレスは、共通アドレスの一例であり、グループに属する複数のサーバ402-iに共通するMACアドレスである。
【0035】
図7は、グループテーブル611の例を示している。
図7のグループテーブル611は、第1テーブル701及び第2テーブル702を含む。第1テーブル701の各エントリは、各サーバ402-iに対応し、グループ名、MACアドレス、IPアドレス、及び制御情報を含む。グループ名は、グループの識別情報であり、MACアドレスは、サーバ402-iに含まれるNIC414-iのMACアドレスであり、IPアドレスは、サーバ402-iに含まれるBMC412-iのIPアドレスである。
【0036】
制御情報は、グループを起動対象とするWOLパケットによるサーバ402-iの電源の投入を許可するか否かを示す情報である。電源の投入が許可されているサーバ402-iは、特定の情報処理装置の一例である。電源の投入が許可されているサーバ402-iのBMC412-iは、特定の管理装置の一例である。
【0037】
第2テーブル702の各エントリは、グループ名及びグループMACアドレスを含む。第1テーブル701のMACアドレス、IPアドレス、及び制御情報は、グループ名を介して、第2テーブル702のグループMACアドレスと対応付けられている。
【0038】
例えば、グループ名“A”のグループには、3台のサーバ402-iが属している。それらのサーバ402-iのエントリのMACアドレスは、“AA:AA:AA:00:00:01”、“AA:AA:AA:00:00:02”、及び“AA:AA:AA:00:00:03”である。また、それらのサーバ402-iのエントリのIPアドレスは、“192.168.0.11”、“192.168.0.12”、及び“192.168.0.13”である。
【0039】
“192.168.0.11”及び“192.168.0.12”の各エントリの制御情報は、“許可する”に設定されており、“192.168.0.13”のエントリの制御情報は、“許可しない”に設定されている。グループ名“A”のグループに属するサーバ402-iのグループMACアドレスは、“AA:AA:AA:FF:FF:FF”である。
【0040】
同様に、グループ名“B”のグループにも、3台のサーバ402-iが属している。グループ名“B”のグループに属するサーバ402-iのグループMACアドレスは、“BB:BB:BB:FF:FF:FF”である。グループ名“A+B”のグループは、グループ名“A”のグループに属する3台のサーバ402-iと、グループ名“B”のグループに属する3台のサーバ402-iとを含む。グループ名“A+B”のグループに属するサーバ402-iのグループMACアドレスは、“FF:FF:FF:FF:FF:FF”である。
【0041】
図8は、グループを起動対象とするWOLパケットの例を示している。
図8のWOLパケットは、宛先MACアドレス及び起動対象MACアドレスを含む。宛先MACアドレスの“FF:FF:FF:FF:FF:FF”は、ブロードキャストを表す。起動対象MACアドレスの“AA:AA:AA:FF:FF:FF”は、グループ名“A”のグループのグループMACアドレスを表す。WOLパケットは、16個の同じ起動対象MACアドレスを含む。
【0042】
なお、端末装置401は、単一のサーバ402-iを起動対象とするWOLパケットを送信することもできる。この場合、起動対象MACアドレスとして、グループMACアドレスの代わりに、起動対象のサーバ402-iに含まれるNIC414-iのMACアドレスが用いられる。
【0043】
BMC412-1が端末装置401からWOLパケットを受信すると、制御部602は、受信したWOLパケットから起動対象MACアドレスを抽出する。起動対象MACアドレスがグループMACアドレスである場合、制御部602は、グループテーブル611から、グループMACアドレスに対応するグループの各サーバ402-iのエントリを検索する。
【0044】
次に、制御部602は、検索されたエントリのうち、制御情報が“許可する”に設定されているエントリを選択し、選択されたエントリからIPアドレスを抽出する。そして、制御部602は、抽出されたIPアドレスを含むアドレスリスト612を生成して、記憶部601に格納する。
【0045】
図9は、アドレスリスト612の例を示している。
図9のアドレスリスト612は、
図7に示したグループ名“A”の3台のサーバ402-iのエントリのうち、制御情報が“許可する”に設定されている2つのエントリのIPアドレスを含んでいる。
【0046】
次に、制御部602は、アドレスリスト612に含まれる各IPアドレスを用いて、そのIPアドレスが示すBMC412-i含む、サーバ402-iの電源を投入する制御を行う。
【0047】
IPアドレスが、他のサーバ402-i内のBMC412-iを示している場合、制御部602は、そのIPアドレスを宛先とする電源投入指示を生成して、そのBMC412-iへ送信する。他のサーバ402-iへ送信される電源投入指示は、第2電源投入指示の一例である。
【0048】
電源投入指示としては、例えば、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)コマンド、又はRedfish(登録商標)に基づく指示を用いることができる。電源投入指示を受信したBMC412-iは、サーバ402-iの電源を投入する。これにより、サーバ402-i内のNIC414-iの電源も投入される。
【0049】
一方、IPアドレスが、自サーバであるサーバ402-1内のBMC412-1を示している場合、制御部602は、サーバ402-1の電源を投入する。これにより、サーバ402-1内のNIC414-1の電源も投入される。
【0050】
図4の情報処理システムによれば、ユーザはグループを指定するだけで、従来のWOL環境をそのまま利用することができる。また、グループMACアドレスを含む1つのWOLパケットを送信するだけで、複数のサーバ402-iの電源を投入することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0051】
サーバ402-1を管理するBMC412-1によりWOLパケットが受信されるため、WOLパケットが送信される前に、各サーバ402-iのNIC414-iの電源を切断しておくことが可能になる。したがって、各サーバ402-iの消費電力が従来よりも削減される。多数のサーバ402-iがグループに属している場合、消費電力の削減効果がさらに大きくなる。
【0052】
グループテーブル611に制御情報を設けることで、グループを起動対象とするWOLパケットによる電源の投入を許可するか否かを、サーバ402-i毎に設定することが可能になる。
【0053】
また、管理ネットワーク403を用いてWOLパケットを送信することで、業務ネットワーク404にWOLパケットを送出する必要がなくなり、業務ネットワーク404のセキュリティが向上する。
【0054】
図10は、
図6のBMC412-1が行う電源制御処理の具体例を示すフローチャートである。まず、制御部602は、端末装置401からWOLパケットを受信する(ステップ1001)。制御部602は、受信したWOLパケットから起動対象MACアドレスを抽出し、グループテーブル611から、起動対象MACアドレスに対応するサーバ402-iのエントリを検索する(ステップ1002)。
【0055】
起動対象MACアドレスがグループMACアドレスである場合、制御部602は、グループテーブル611から、グループMACアドレスに対応する各サーバ402-iのエントリを検索する。一方、起動対象MACアドレスが単一のサーバ402-iに含まれるNIC414-iのMACアドレスである場合、制御部602は、グループテーブル611から、そのMACアドレスに対応するサーバ402-iのエントリを検索する。
【0056】
次に、制御部602は、検索されたエントリのうち、制御情報が“許可する”に設定されているエントリを選択し、選択されたエントリのIPアドレスを含むアドレスリスト612を生成する(ステップ1003)。起動対象MACアドレスがグループMACアドレスである場合、複数のIPアドレスを含むアドレスリスト612が生成される。一方、起動対象MACアドレスが単一のサーバ402-iに含まれるNIC414-iのMACアドレスである場合、単一のIPアドレスを含むアドレスリスト612が生成される。
【0057】
次に、制御部602は、アドレスリスト612から1つのIPアドレスを選択し(ステップ1004)、選択されたIPアドレスが、自サーバであるサーバ402-1内のBMC412-1のIPアドレスであるか否かをチェックする(ステップ1005)。選択されたIPアドレスが、BMC412-1のIPアドレスである場合(ステップ1005,YES)、制御部602は、サーバ402-1の電源を投入する(ステップ1006)。
【0058】
一方、選択されたIPアドレスが、他のサーバ402-i内のBMC412-iのIPアドレスである場合(ステップ1005,NO)、制御部602は、そのBMC412-iへ電源投入指示を送信する(ステップ1008)。電源投入指示を受信したBMC412-iは、他のサーバ402-iの電源を投入する。
【0059】
次に、制御部602は、選択されたIPアドレスが、アドレスリスト612の最後のIPアドレスであるか否かをチェックする(ステップ1007)。選択されたIPアドレスが最後のIPアドレスではない場合(ステップ1007,NO)、制御部602は、次のIPアドレスについて、ステップ1004以降の処理を繰り返す。選択されたIPアドレスが最後のIPアドレスである場合(ステップ1007,YES)、制御部602は、処理を終了する。
【0060】
次に、
図11から
図18までを参照しながら、グループテーブル611の生成方法について説明する。制御部602は、端末装置401からWOLパケットを受信する前に、他のサーバ402-iのBMC412-iへデータ要求を送信する。そして、データ要求を受信したBMC412-iから、データ要求に対する応答を受信した場合、制御部602は、そのBMC412-iのIPアドレスをグループMACアドレスと対応付けるグループテーブル611を生成して、記憶部601に格納する。グループテーブル611は、第1テーブル及び第2テーブルを含む。
【0061】
図11は、第1のテーブル生成処理の例を示すフローチャートである。第1のテーブル生成処理では、ユーザが設定情報を入力することなく、自動的にグループテーブル611が生成される。
【0062】
まず、制御部602は、到達確認パケットをブロードキャストにより管理ネットワーク403に送信する(ステップ1101)。到達確認パケットとしては、例えば、ブロードキャストの宛先アドレスを有するpingを用いることができる。管理ネットワーク403には、サーバ402-i以外にも、不図示の様々な機器が接続されている。したがって、サーバ402-iのBMC412-i及び不図示の機器が到達確認パケットを受信して、BMC412-1へ応答を送信する。
【0063】
次に、制御部602は、到達確認パケットに対する応答を送信した送信元に対して、データ要求を送信する(ステップ1102)。このデータ要求は、送信元がBMC412-iであるか否かを判定するために送信されるため、要求されるデータの種類は任意である。データ要求としては、例えば、Get Device ID等のIPMIコマンド、又はRedfish(登録商標)に基づくデータ要求を用いることができる。
【0064】
次に、制御部602は、データ要求に対する応答を送信した送信元をBMC412-iであると判定し、その送信元のIPアドレスとBMC412-1のIPアドレスとを含む、第1テーブルを生成する(ステップ1103)。これにより、BMC412-1~BMC412-NのIPアドレスが第1テーブルに設定される。
【0065】
次に、制御部602は、第1テーブル内の各IPアドレスが示すBMC412-iに対して、ホスト名、グループ名、及びMACアドレスを要求するデータ要求を送信し、要求したデータをBMC412-iから取得する(ステップ1104)。ただし、BMC412-1は、データ要求の送信先から除外される。
【0066】
ホスト名は、BMC412-iを含むサーバ402-iの名称であり、グループ名は、そのサーバ402-iが属するグループのグループ名であり、MACアドレスは、そのサーバ402-iに含まれるNIC414-iのMACアドレスである。BMC412-iは、事前にホスト名及びグループ名を記憶しており、NIC414-iは、事前にMACアドレスを記憶している。
【0067】
データ要求を受信したBMC412-iは、NIC512を介して、NIC414-iからMACアドレスを取得する。そして、BMC412-iは、記憶しているホスト名及びグループ名と取得したMACアドレスとを、データ要求に対する応答として制御部602へ送信する。応答を受信した制御部602は、受信した応答に含まれるグループ名及びMACアドレスを、第1テーブル内の対応するIPアドレスのエントリに設定する。
【0068】
さらに、制御部602は、NIC512を介して、NIC414-1からMACアドレスを取得する。そして、制御部602は、BMC412-1が記憶しているグループ名と、取得したMACアドレスとを、BMC412-1のIPアドレスを含むエントリに設定する。
【0069】
次に、制御部602は、第1テーブル内の各エントリの制御情報として“許可する”を設定する(ステップ1105)。次に、制御部602は、第1テーブル内の各グループ名に対してグループMACアドレスを付与し、第2テーブルを生成する(ステップ1106)。
【0070】
図12は、第2のテーブル生成処理の例を示すフローチャートである。第2のテーブル生成処理では、ユーザが、グループ名とBMC412-iのIPアドレスの範囲とを示す設定情報を入力し、設定情報に基づいてグループテーブル611が生成される。
【0071】
設定情報の入力方法としては、例えば、BMC412-iが提供するWebユーザインタフェース又はCLI(Command Line Interface)を用いることができる。Webユーザインタフェースを用いた場合、ユーザは、Web画面上で設定情報を入力することができる。CLIを用いた場合、ユーザは、telnet等でBMC412-iにログインし、コマンドを用いて設定情報を入力することができる。ユーザは、画面上に表示された選択肢を選択することで設定情報を入力してもよく、設定情報を直接入力してもよい。
【0072】
まず、ユーザは、端末装置401から、グループ名とBMC412-iのIPアドレスの範囲とを示す設定情報を入力する。そして、端末装置401は、入力された設定情報をBMC412-1へ送信し、制御部602は、設定情報を受信する(ステップ1201)。
【0073】
図13は、ステップ1201において、端末装置401がWebユーザインタフェースを用いて表示する第1のグループ設定画面の例を示している。開始IPアドレス及び終了IPアドレスは、BMC412-iのIPアドレスの範囲を表す。ユーザは、グループ名“A”及びグループ名“B”を入力するとともに、各グループに対する開始IPアドレス及び終了IPアドレスを入力する。ユーザがOKボタン1301を押下すると、入力された設定情報がBMC412-1へ送信され、ユーザがCancelボタン1302を押下すると、入力された設定情報が消去される。
【0074】
次に、制御部602は、受信した設定情報に含まれる各グループのIPアドレスの範囲に基づき、その範囲に含まれるIPアドレスに対して、
図11のステップ1102と同様のデータ要求を送信する(ステップ1202)。ただし、BMC412-1は、データ要求の送信先から除外される。設定情報が
図13のような開始IPアドレス及び終了IPアドレスを含んでいる場合、開始IPアドレスから終了IPアドレスまでの範囲の各IPアドレスに対してデータ要求が送信される。
【0075】
次に、制御部602は、データ要求に対する応答を送信した送信元をBMC412-iであると判定し、その送信元のIPアドレスと設定情報に含まれるグループ名とを含む、第1テーブルを生成する(ステップ1203)。いずれかのグループのIPアドレスの範囲に、BMC412-1のIPアドレスが含まれている場合、制御部602は、BMC412-1のIPアドレスを含むエントリを、第1テーブルに追加する。
【0076】
次に、制御部602は、第1テーブル内の各IPアドレスが示すBMC412-iに対して、NIC414-iのMACアドレスを要求するデータ要求を送信し、NIC414-iのMACアドレスをBMC412-iから取得する(ステップ1204)。ただし、BMC412-1は、データ要求の送信先から除外される。NIC414-iのMACアドレスの取得方法は、
図11のステップ1104と同様である。制御部602は、取得したMACアドレスを、第1テーブル内の対応するIPアドレスのエントリに設定する。
【0077】
BMC412-1のIPアドレスを含むエントリが存在する場合、制御部602は、NIC512を介して、NIC414-1からMACアドレスを取得する。そして、制御部602は、取得したMACアドレスを、BMC412-1のIPアドレスを含むエントリに設定する。
【0078】
次に、制御部602は、端末装置401に対して、第1テーブル内の各エントリの制御情報を要求し、ユーザにより入力された制御情報を取得して、第1テーブルに設定する(ステップ1205)。
【0079】
図14は、ステップ1205において、端末装置401がWebユーザインタフェースを用いて表示する制御情報設定画面の例を示している。
図14の制御情報設定画面には、第1テーブル内の各エントリのグループ名、MACアドレス、及びIPアドレスとともに、制御情報の選択ボタンが表示されている。ユーザは、“許可する”又は“許可しない”のいずれかを選択することで、エントリ毎に制御情報を入力することができる。ユーザがOKボタン1401を押下すると、入力された制御情報がBMC412-1へ送信され、ユーザがCancelボタン1402を押下すると、入力された制御情報が消去される。
【0080】
次に、制御部602は、第1テーブル内の各グループ名に対してグループMACアドレスを付与し、第2テーブルを生成する(ステップ1206)。
【0081】
ステップ1205において、制御部602は、端末装置401に制御情報を要求することなく、第1テーブル内のすべてのエントリの制御情報を“許可する”に設定することもできる。
【0082】
図15は、第3のテーブル生成処理の例を示すフローチャートである。第3のテーブル生成処理では、ユーザが、ホスト名又はグループ名を示すキーワードを設定情報として入力し、設定情報に基づいてグループテーブル611が生成される。
【0083】
まず、ユーザは、端末装置401から、ホスト名又はグループ名を示すキーワードを設定情報として入力する。そして、端末装置401は、入力された設定情報をBMC412-1へ送信し、制御部602は、設定情報を受信する(ステップ1501)。
【0084】
図16は、ステップ1501において、端末装置401がWebユーザインタフェースを用いて表示する第2のグループ設定画面の例を示している。ユーザは、グループ名“A”及びグループ名“B”それぞれに対するキーワードを入力する。キーワード“HOST_A”は、グループ名“A”のグループに属するサーバ402-iのホスト名に含まれる文字列である。キーワード“HOST_B”は、グループ名“B”のグループに属するサーバ402-iのホスト名に含まれる文字列である。ユーザは、ホスト名に含まれる文字列の代わりに、グループ名に含まれる文字列をキーワードとして入力してもよい。
【0085】
ユーザがOKボタン1601を押下すると、入力された設定情報がBMC412-1へ送信され、ユーザがCancelボタン1602を押下すると、入力された設定情報が消去される。
【0086】
次に、制御部602は、到達確認パケットをブロードキャストにより管理ネットワーク403に送信する(ステップ1502)。次に、制御部602は、到達確認パケットに対する応答を送信した送信元に対して、ホスト名及びグループ名を要求するデータ要求を送信し、要求したデータを送信元から取得する(ステップ1503)。
【0087】
次に、制御部602は、要求したデータを送信した送信元をBMC412-iであると判定し、受信した設定情報のキーワードを含むホスト名又はグループ名を送信したBMC412-iを特定する。そして、制御部602は、特定されたBMC412-iのIPアドレスと取得したグループ名とを含む、第1テーブルを生成する(ステップ1504)。
【0088】
サーバ402-1のホスト名又はグループ名が設定情報のキーワードを含んでいる場合、制御部602は、BMC412-1のIPアドレスを含むエントリを、第1テーブルに追加する。
【0089】
次に、制御部602は、ステップ1505~ステップ1507の処理を行う。ステップ1505~ステップ1507の処理は、
図12のステップ1204~ステップ1206の処理と同様である。
【0090】
図17は、第4のテーブル生成処理の例を示すフローチャートである。第4のテーブル生成処理では、自動的に検索されたサーバ402-iのリストに対して、ユーザがグループ名を示す設定情報を入力し、設定情報に基づいてグループテーブル611が生成される。
【0091】
まず、制御部602は、到達確認パケットをブロードキャストにより管理ネットワーク403に送信する(ステップ1701)。次に、制御部602は、到達確認パケットに対する応答を送信した送信元に対して、NIC414-iのMACアドレスを要求するデータ要求を送信し、NIC414-iのMACアドレスを送信元から取得する(ステップ1702)。
【0092】
次に、制御部602は、NIC414-iのMACアドレスを送信した送信元をBMC412-iであると判定し、その送信元のIPアドレスとBMC412-1のIPアドレスとを含む、第1テーブルを生成する(ステップ1703)。送信元のIPアドレスを含むエントリには、その送信元から受信したMACアドレスが設定される。
【0093】
さらに、制御部602は、NIC512を介して、NIC414-1からMACアドレスを取得する。そして、制御部602は、取得したMACアドレスを、BMC412-1のIPアドレスを含むエントリに設定する。
【0094】
次に、制御部602は、端末装置401に対して、第1テーブル内の各エントリのグループ名及び制御情報を示す設定情報を要求し、ユーザにより入力された設定情報を取得して、第1テーブルに設定する(ステップ1704)。
【0095】
図18は、ステップ1704において、端末装置401がWebユーザインタフェースを用いて表示する第3のグループ設定画面の例を示している。
図18のグループ設定画面には、第1テーブル内の各エントリに対応するサーバ402-iのリストが表示されている。サーバ402-iのリストには、ホスト名及びIPアドレスとともに、グループ名の入力欄及び制御情報の選択ボタンが含まれる。ユーザは、各サーバ402-iのグループ名を入力するとともに、“許可する”又は“許可しない”のいずれかを選択することで、サーバ402-i毎に制御情報を入力する。
【0096】
ユーザがOKボタン1801を押下すると、入力された設定情報がBMC412-1へ送信され、ユーザがCancelボタン1802を押下すると、入力された設定情報が消去される。
【0097】
次に、制御部602は、第1テーブル内の各グループ名に対してグループMACアドレスを付与し、第2テーブルを生成する(ステップ1705)。
【0098】
ステップ1704において、制御部602は、端末装置401に制御情報を要求することなく、第1テーブル内のすべてのエントリの制御情報を“許可する”に設定することもできる。
【0099】
第1~第4のテーブル生成処理によれば、データ要求に対する応答の有無をチェックすることで、応答を送信した送信元がBMC412-iであるか否かを判定することができる。したがって、サーバ402-i以外の機器のIPアドレスを除外して、BMC412-iのIPアドレスのみをグループテーブル611に設定し、グループMACアドレスと対応付けることが可能になる。
【0100】
図2の電源制御装置201の構成は一例に過ぎず、電源制御装置201の用途又は条件に応じて、一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
図1及び
図4の情報処理システムの構成は一例に過ぎず、情報処理システムの用途又は条件に応じて、一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
【0101】
図5のサーバ402-iの構成は一例に過ぎず、情報処理システムの構成又は条件に応じて、一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
図6のBMC412-1の構成は一例に過ぎず、サーバ402-iの構成又は条件に応じて、一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
【0102】
図3及び
図10~
図12、
図15、及び
図17のフローチャートは一例に過ぎず、電源制御装置201又は情報処理システムの構成又は条件に応じて一部の処理を省略又は変更してもよい。例えば、サーバ402-1がいずれのグループにも属しておらず、WOLパケットの起動対象から除外されている場合は、
図10のステップ1005及びステップ1006の処理を省略することができる。
【0103】
図7に示したグループテーブル611、
図8に示したWOLパケット、及び
図9に示したアドレスリスト612は一例に過ぎず、グループテーブル611、WOLパケット、及びアドレスリスト612は、情報処理システムの構成又は条件に応じて変化する。グループテーブル611に登録されたサーバ402-iの電源の投入を常に許可する場合は、グループテーブル611の制御情報を省略することができる。
【0104】
図13、
図16、及び
図18に示したグループ設定画面、及び
図14に示した制御情報設定画面は一例に過ぎず、別の形式のグループ設定画面及び制御情報設定画面を用いてもよい。
【0105】
図19は、
図4~
図6のBMC412-iとして用いられる情報処理装置(コンピュータ)のハードウェア構成例を示している。
図19のBMC1901は、CPU1911、メモリ1912、通信インタフェース回路1913、及び通信インタフェース回路1914を含む。これらの構成要素はハードウェアであり、信号線により互いに接続されている。
【0106】
メモリ1912は、例えば、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)、フラッシュメモリ等の半導体メモリであり、処理に用いられるプログラム及びデータを格納する。メモリ1912は、
図6の記憶部601として用いることができる。メモリ1912は、BMC412-iのIPアドレスと、サーバ402-iのホスト名及びグループ名とを記憶することもできる。
【0107】
CPU1911(プロセッサ)は、例えば、メモリ1912を利用してプログラムを実行することにより、サーバ402-iの管理及び監視を行う。CPU1911は、メモリ1912を利用してプログラムを実行することにより、
図6の制御部602としても動作する。
【0108】
オペレータ又はユーザは、不図示の可搬型記録媒体にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1912にロードして使用することができる。可搬型記録媒体としては、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等が用いられる。可搬型記録媒体は、Compact Disk Read Only Memory(CD-ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ等であってもよい。
【0109】
このように、処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、メモリ1912又は可搬型記録媒体のような、物理的な(非一時的な)記録媒体である。
【0110】
通信インタフェース回路1913及び通信インタフェース回路1914は、
図5のNIC511及びNIC512にそれぞれ対応する。BMC1901は、プログラム及びデータを外部の装置から通信インタフェース回路1913を介して受信し、それらをメモリ1912にロードして使用することができる。
【0111】
なお、
図19のBMC1901の構成は一例に過ぎず、情報処理システムの構成又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
【0112】
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
【0113】
図2乃至
図19を参照しながら説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の情報処理装置に共通する共通アドレスと、前記複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記共通アドレスを含む第1電源投入指示を受信した場合、前記共通アドレスと対応付けられている、前記複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、前記特定の情報処理装置の電源の投入を指示する第2電源投入指示を、前記特定の管理装置へ送信する制御部と、
を備えることを特徴とする電源制御装置。
(付記2)
前記記憶部は、前記第1電源投入指示による前記複数の情報処理装置それぞれの電源の投入を許可するか否かを示す制御情報をさらに記憶し、
前記制御部は、前記第1電源投入指示による前記特定の情報処理装置の電源の投入を許可することを示す制御情報を、前記記憶部が記憶している場合、前記第2電源投入指示を前記特定の管理装置へ送信することを特徴とする付記1記載の電源制御装置。
(付記3)
前記複数の情報処理装置各々は通信部を含み、
前記特定の管理装置は、前記第2電源投入指示を受信した場合、前記特定の情報処理装置に含まれる通信部の電源を投入することを特徴とする付記1又は2記載の電源制御装置。
(付記4)
前記制御部は、前記第1電源投入指示を受信する前に、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置へデータ要求を送信し、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置から前記データ要求に対する応答を受信した場合、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置のアドレスを、前記共通アドレスと対応付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の電源制御装置。
(付記5)
複数の情報処理装置と電源制御装置とを備える情報処理装置システムであって、
前記電源制御装置は、
前記複数の情報処理装置に共通する共通アドレスと、前記複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記共通アドレスを含む第1電源投入指示を受信した場合、前記共通アドレスと対応付けられている、前記複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、前記特定の情報処理装置の電源の投入を指示する第2電源投入指示を、前記特定の管理装置へ送信する制御部とを含み、
前記特定の管理装置は、前記第2電源投入指示を受信した場合、前記特定の情報処理装置の電源を投入する、
ことを特徴とする情報処理システム。
(付記6)
前記記憶部は、前記第1電源投入指示による前記複数の情報処理装置それぞれの電源の投入を許可するか否かを示す制御情報をさらに記憶し、
前記制御部は、前記第1電源投入指示による前記特定の情報処理装置の電源の投入を許可することを示す制御情報を、前記記憶部が記憶している場合、前記第2電源投入指示を前記特定の管理装置へ送信することを特徴とする付記5記載の情報処理システム。
(付記7)
前記複数の情報処理装置各々は通信部を含み、
前記特定の管理装置は、前記第2電源投入指示を受信した場合、前記特定の情報処理装置に含まれる通信部の電源を投入することを特徴とする付記5又は6記載の情報処理システム。
(付記8)
前記制御部は、前記第1電源投入指示を受信する前に、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置へデータ要求を送信し、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置から前記データ要求に対する応答を受信した場合、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置のアドレスを、前記共通アドレスと対応付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする付記5乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記9)
前記複数の情報処理装置それぞれを管理する管理装置のアドレスと対応付けて記憶された、前記複数の情報処理装置に共通する共通アドレスを含む、第1電源投入指示を受信し、
前記共通アドレスと対応付けられている、前記複数の情報処理装置のうち特定の情報処理装置を管理する特定の管理装置のアドレスを用いて、前記特定の情報処理装置の電源の投入を指示する第2電源投入指示を、前記特定の管理装置へ送信する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする電源制御方法。
(付記10)
前記第2電源投入指示を前記特定の管理装置へ送信する処理は、前記第1電源投入指示による前記複数の情報処理装置それぞれの電源の投入を許可するか否かを示す制御情報が、前記第1電源投入指示による前記特定の情報処理装置の電源の投入を許可することを示している場合、前記第2電源投入指示を前記特定の管理装置へ送信することを特徴とする付記9記載の電源制御方法。
(付記11)
前記複数の情報処理装置各々は通信部を含み、
前記特定の管理装置は、前記第2電源投入指示を受信した場合、前記特定の情報処理装置に含まれる通信部の電源を投入することを特徴とする付記9又は10記載の電源制御方法。
(付記12)
前記第1電源投入指示を受信する前に、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置へデータ要求を送信し、
前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置から前記データ要求に対する応答を受信した場合、前記複数の情報処理装置各々を管理する管理装置のアドレスを、前記共通アドレスと対応付けて記憶する、
処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記9乃至11のいずれか1項に記載の電源制御方法。
【符号の説明】
【0114】
101-1~101-N、402-1~402-N サーバ
102、403 管理ネットワーク
103、404 業務ネットワーク
111-1~111-N、411-1~411-N、1901 CPU
112-1~112-N、412-1~412-N BMC
113-1~113-N、413-1~413-N PCH
114-1~114-N、414-1~414-N、511、512 NIC
201 電源制御装置
211、601 記憶部
212、602 制御部
401 端末装置
501、513 PHY
502、503 LANコネクタ
611 グループテーブル
612 アドレスリスト
701 第1テーブル
702 第2テーブル
1301、1401、1601、1801 OKボタン
1302、1402、1602、1802 Cancelボタン
1902 メモリ
1903、1904 通信インタフェース回路