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特許7363627遠隔操作支援サーバ、遠隔操作支援システムおよび遠隔操作支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】遠隔操作支援サーバ、遠隔操作支援システムおよび遠隔操作支援方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20231011BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20231011BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20231011BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/26 A
H04N7/18 J
H04N7/18 F
H04Q9/00 301B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020051871
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021147978
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 均
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 洋一郎
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212503(JP,A)
【文献】特開2004-239166(JP,A)
【文献】特開2001-182091(JP,A)
【文献】特開2010-273344(JP,A)
【文献】特開2019-176401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0054629(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
E02F 9/26
H04N 7/18
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータによる遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作を支援するための遠隔操作支援サーバであって、
第1遠隔操作装置および前記作業機械のうち少なくとも一方との通信に基づき、前記第1遠隔操作装置による前記作業機械の遠隔操作が終了することを認識した場合、前記第1遠隔操作装置とは異なる第2遠隔操作装置との通信に基づき、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性の有無を確認する第1支援処理要素と、
前記第1支援処理要素により、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性がないことが確認された場合、前記第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信したことに応じて前記作業機械のエンジンの動作を停止させる一方、前記第1支援処理要素により、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性があることが確認された場合、前記第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信した後も前記作業機械のエンジンの動作を継続させる第2支援処理要素と、を備えていることを特徴とする遠隔操作支援サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の遠隔操作支援サーバにおいて、
前記第1支援処理要素が、撮像装置を通じて取得された前記作業機械の動作状態および周辺環境を表わす撮像画像データを取得し、前記第2遠隔操作装置との通信に基づき、前記撮像画像データに応じた作業環境画像を前記第2遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させたうえで、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性の有無を確認することを特徴とする遠隔操作支援サーバ。
【請求項3】
請求項1または2記載の遠隔操作支援サーバにおいて、
前記第1支援処理要素が、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性の有無に加えて、当該遠隔操作可能性がある場合の遠隔操作開始予定時刻を認識し、
前記第2支援処理要素が、前記第1支援処理要素により、前記オペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性があることおよび遠隔操作開始予定時刻が確認された場合、前記第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信した後、当該遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が指定時間間隔以下であることを要件として前記作業機械のエンジンの動作を継続させることを特徴とする遠隔操作支援サーバ。
【請求項4】
請求項3記載の遠隔操作支援サーバにおいて、
前記第2支援処理要素が、前記作業機械の環境温度が低いほど、連続的または段階的に長くなるように定まる前記指定時間間隔にしたがって、前記作業機械のエンジンの動作を継続または停止させることを特徴とする遠隔操作支援サーバ。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の遠隔操作支援サーバと、前記第1遠隔操作装置および前記第2遠隔操作装置と、により構成されていることを特徴とする作業支援システム。
【請求項6】
オペレータによる遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作を支援するための遠隔操作支援方法であって、
第1遠隔操作装置および前記作業機械のうち少なくとも一方との通信に基づき、前記第1遠隔操作装置による前記作業機械の遠隔操作が終了することを認識した場合、前記第1遠隔操作装置とは異なる第2遠隔操作装置との通信に基づき、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性の有無を確認する第1支援処理と、
前記第1支援処理の実行により、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性がないことが確認された場合、前記第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信したことに応じて前記作業機械のエンジンの動作を停止させる一方、前記第1支援処理により、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性があることが確認された場合、前記第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信した後も前記作業機械のエンジンの動作を継続させる第2支援処理と、を含んでいることを特徴とする遠隔操作支援方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレータによる遠隔操作装置を通じた複数の作業機械のそれぞれの遠隔操作を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械等の作業機械に搭載されているカメラ(実機撮像装置)を通じて取得された撮像画像を、遠隔操作装置を構成するモニタに表示させることにより、当該遠隔操作装置を通じて作業機械の遠隔操作を支援する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が終了した際、当該作業機械のエンジン(原動機)の動作が停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-176401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一のオペレータによる一の遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が終了した後、短時間で他のオペレータが他の遠隔操作装置を通じて同じ作業機械の遠隔操作を試みる場合、当該作業機械のエンジンの再起動が必要になり、その分だけ作業機械による作業の円滑性が損なわれる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置を通じて同一の作業機械が遠隔操作される際、当該作業機械の作業の円滑化を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遠隔操作支援サーバは、オペレータによる遠隔操作装置を通じた作業機械の遠
隔操作を支援するための遠隔操作支援サーバであって、第1遠隔操作装置および前記作業
機械のうち少なくとも一方との通信に基づき、前記第1遠隔操作装置による前記作業機械
の遠隔操作が終了することを認識した場合、前記第1遠隔操作装置とは異なる第2遠隔操
作装置との通信に基づき、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔
操作可能性の有無を確認し、前記第1支援処理要素により、前記第2遠隔操作装置のオペ
レータによる前記作業機械の遠隔操作可能性がないことが確認された場合、前記第1遠隔
操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信したことに応じて前記作業機械
のエンジンの動作を停止させる一方、前記第1支援処理要素により、前記第2遠隔操作装
置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性があることが確認された場合、前記
第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信した後も前記作業機械
のエンジンの動作を継続させる第2支援処理要素と、を備えている。
【0007】
本発明の遠隔操作支援システムは、本発明の遠隔操作支援サーバと、前記第1遠隔操作装置および前記第2遠隔操作装置と、により構成されている。
【0008】
当該構成の遠隔操作支援システムおよびこれを構成する遠隔操作支援サーバ(以下「遠隔操作支援サーバ等」という。)によれば、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在しない場合、当該作業機械のエンジンの動作が停止される。「遠隔操作可能性がある」とは、第2遠隔操作装置のオペレータが作業機械に対して遠隔操作の予定を入れていること、および/または、遠隔操作の意思を表わすことを包含する概念である。
【0009】
その一方、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在する場合、当該作業機械のエンジンの動作が停止されずに継続される。このため、当該他のオペレータは第2遠隔操作装置を通じて、それまで第1遠隔操作装置の操作対象であった作業機械のエンジンを再起動させて暖機運転をさせることなく、直ちに当該作業機械を遠隔操作することができる。よって、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置を通じて同一の作業機械が遠隔操作される際、当該作業機械の作業の円滑化を図ることができる。
【0010】
本発明の遠隔操作支援サーバ等において、前記第1支援処理要素が、撮像装置を通じて取得された前記作業機械の動作状態および周辺環境を表わす撮像画像データを取得し、前記第2遠隔操作装置との通信に基づき、前記撮像画像データに応じた作業環境画像を前記第2遠隔操作装置の出力インターフェースに出力させたうえで、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性の有無を確認することが好ましい。
【0011】
当該構成の遠隔操作支援サーバ等によれば、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じて遠隔操作されている作業機械の動作状態および周辺環境を他のオペレータに認識させ、当該他のオペレータに第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械を続けて遠隔操作するか否かを意思決定させることができる。他のオペレータは作業機械の動作状況および周辺環境を認識したうえで、当該作業機械の遠隔操作を引き継ぐことができるため、違和感なく直ちに当該作業機械を遠隔操作することができる。よって、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置を通じて同一の作業機械が遠隔操作される際、当該作業機械の作業の円滑化を図ることができる。
【0012】
本発明の遠隔操作支援サーバ等において、前記第1支援処理要素が、前記第2遠隔操作装置のオペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性の有無に加えて、当該遠隔操作可能性がある場合の遠隔操作開始予定時刻を確認し、前記第2支援処理要素が、前記第1支援処理要素により、前記オペレータによる前記作業機械の遠隔操作可能性があることおよび遠隔操作開始予定時刻が確認された場合、前記第1遠隔操作装置から前記作業機械の遠隔操作停止指令を受信した後、当該遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が指定時間間隔以下であることを要件として前記作業機械のエンジンの動作を継続させることが好ましい。
【0013】
当該構成の遠隔操作支援サーバ等によれば、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在するものの、当該他のオペレータによる遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が指定時間間隔を超える程度に長い場合、当該作業機械のエンジンの動作が停止される。このため、遠隔操作がされないまま作業機械のエンジンが過度に長期間にわたって動作している事態が回避されうる。
【0014】
その一方、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在し、かつ、当該他のオペレータによる遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が指定時間間隔を超えない程度に短い場合、当該作業機械のエンジンの動作が停止されずに継続される。このため、当該他のオペレータは第2遠隔操作装置を通じて、それまで第1遠隔操作装置の操作対象であった作業機械のエンジンを再起動させて暖機運転をさせることなく、直ちに当該作業機械を遠隔操作することができる。よって、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置を通じて同一の作業機械が遠隔操作される際、当該作業機械の作業の円滑化を図ることができる。
【0015】
本発明の遠隔操作支援サーバ等において、前記第2支援処理要素が、前記作業機械の環境温度が低いほど、連続的または段階的に長くなるように定まる前記指定時間間隔にしたがって、前記作業機械のエンジンの動作を継続または停止させることが好ましい。
【0016】
当該構成の遠隔操作支援サーバ等によれば、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータによる遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が比較的長い場合であっても、当該作業機械の環境温度が低いほど長時間にわたりエンジンの動作が継続される。このため、比較的早期に作業機械のエンジンの動作が停止されてしまったため、エンジンの再起動後に比較的長時間にわたって暖機運転をする必要性を低減させ、早期に作業機械の遠隔操作の開始を可能とすることができる。よって、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置を通じて同一の作業機械が遠隔操作される際、当該作業機械の作業の円滑化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態としての遠隔操作支援システムの構成に関する説明図。
図2】遠隔操作装置の構成に関する説明図。
図3】作業機械の構成に関する説明図。
図4】遠隔操作支援システムの第1機能に関する説明図。
図5】遠隔操作支援システムの第2機能に関する説明図。
図6】作業環境画像に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(遠隔操作支援システムの構成)
図1に示されている本発明の一実施形態としての遠隔操作支援システムは、遠隔操作支援サーバ10と、作業機械40を遠隔操作するための遠隔操作装置20(クライアント)と、により構成されている。遠隔操作支援サーバ10、遠隔操作装置20、作業機械40およびクライアント60は相互にネットワーク通信可能に構成されている。遠隔操作支援サーバ10および遠隔操作装置20の相互通信ネットワークと、遠隔操作支援サーバ10および作業機械40の相互通信ネットワークと、は同一であってもよく相違していてもよい。
【0019】
(遠隔操作支援サーバの構成)
遠隔操作支援サーバ10は、データベース102と、第1支援処理要素121と、第2支援処理要素122と、を備えている。データベース102は、撮像画像データ等を記憶保持する。データベース102は、遠隔操作支援サーバ10とは別個のデータベースサーバにより構成されていてもよい。各支援処理要素は、演算処理装置(シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)により構成され、メモリなどの記憶装置から必要なデータおよびソフトウェアを読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった後述の演算処理を実行する。
【0020】
(遠隔操作装置の構成)
遠隔操作装置20は、遠隔制御装置200と、遠隔入力インターフェース210と、遠隔出力インターフェース220と、を備えている。遠隔操作装置20は、「第1遠隔操作装置」および「第2遠隔操作装置」のうち少なくとも一方として機能する。遠隔制御装置200は、演算処理装置(シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)により構成され、メモリなどの記憶装置から必要なデータおよびソフトウェアを読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった演算処理を実行する。遠隔入力インターフェース210は、遠隔操作機構211を備えている。遠隔出力インターフェース220は、画像出力装置221と、遠隔無線通信機器222と、を備えている。遠隔操作装置20は、スマートフォンまたはタブレット端末など、携帯情報端末により構成されていてもよい。
【0021】
遠隔操作機構211には、走行用操作装置と、旋回用操作装置と、ブーム用操作装置と、アーム用操作装置と、バケット用操作装置と、が含まれている。各操作装置は、回動操作を受ける操作レバーを有している。走行用操作装置の操作レバー(走行レバー)は、作業機械40の下部走行体410を動かすために操作される。走行レバーは、走行ペダルを兼ねていてもよい。例えば、走行レバーの基部または下端部に固定されている走行ペダルが設けられていてもよい。旋回用操作装置の操作レバー(旋回レバー)は、作業機械40の旋回機構430を構成する油圧式の旋回モータを動かすために操作される。ブーム用操作装置の操作レバー(ブームレバー)は、作業機械40のブームシリンダ442を動かすために操作される。アーム用操作装置の操作レバー(アームレバー)は作業機械40のアームシリンダ444を動かすために操作される。バケット用操作装置の操作レバー(バケットレバー)は作業機械40のバケットシリンダ446を動かすために操作される。
【0022】
遠隔操作機構211を構成する各操作レバーは、例えば、図2に示されているように、オペレータが着座するためのシートStの周囲に配置されている。シートStは、アームレスト付きのハイバックチェアのような形態であるが、ヘッドレストがないローバックチェアのような形態、または、背もたれがないチェアのような形態など、オペレータが着座できる任意の形態の着座部であってもよい。
【0023】
シートStの前方に左右のクローラに応じた左右一対の走行レバー2110が左右横並びに配置されている。一の操作レバーが複数の操作レバーを兼ねていてもよい。例えば、図2に示されているシートStの左側フレームの前方に設けられている左側操作レバー2111が、前後方向に操作された場合にアームレバーとして機能し、かつ、左右方向に操作された場合に旋回レバーとして機能してもよい。同様に、図2に示されているシートStの右側フレームの前方に設けられている右側操作レバー2112が、前後方向に操作された場合にブームレバーとして機能し、かつ、左右方向に操作された場合にバケットレバーとして機能してもよい。レバーパターンは、オペレータの操作指示によって任意に変更されてもよい。
【0024】
シートStの左側フレームの前方において左側操作レバー2111の下方に設けられている遮断レバー2113は、上げられた場合に各操作レバー2110、2111、2112が操作されても作業機械40が動かないようにロックする一方、下げられた場合に当該ロックを解除するための操作レバーとして機能する。
【0025】
画像出力装置221は、例えば図2に示されているように、シートStの前方、左斜め前方および右斜め前方のそれぞれに配置された略矩形状の画面を有する中央画像出力装置2210、左側画像出力装置2211および右側画像出力装置2212により構成されている。中央画像出力装置2210、左側画像出力装置2211および右側画像出力装置2212のそれぞれの画面(画像表示領域)の形状およびサイズは同じであってもよく相違していてもよい。
【0026】
図2に示されているように、中央画像出力装置2210の画面および左側画像出力装置2211の画面が傾斜角度θ1(例えば、120°≦θ1≦150°)をなすように、左側画像出力装置2211の右縁が、中央画像出力装置2210の左縁に隣接している。図2に示されているように、中央画像出力装置2210の画面および右側画像出力装置2212の画面が傾斜角度θ2(例えば、120°≦θ2≦150°)をなすように、右側画像出力装置2212の左縁が、中央画像出力装置2210の右縁に隣接している。当該傾斜角度θ1およびθ2は同じであっても相違していてもよい。
【0027】
中央画像出力装置2210、左側画像出力装置2211および右側画像出力装置2212のそれぞれの画面は、鉛直方向に対して平行であってもよく、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。中央画像出力装置2210、左側画像出力装置2211および右側画像出力装置2212のうち少なくとも1つの画像出力装置が、複数に分割された画像出力装置により構成されていてもよい。例えば、中央画像出力装置2210が、略矩形状の画面を有する上下に隣接する一対の画像出力装置により構成されていてもよい。画像出力装置2210~2212は、スピーカ(音声出力装置)をさらに備えていてもよい。
【0028】
(作業機械の構成)
作業機械40は、実機制御装置400と、実機入力インターフェース41と、実機出力インターフェース42と、作業機構440と、エンジン460と、を備えている。実機制御装置400は、演算処理装置(シングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサもしくはこれを構成するプロセッサコア)により構成され、メモリなどの記憶装置から必要なデータおよびソフトウェアを読み取り、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった演算処理を実行する。
【0029】
作業機械40は、例えばクローラショベル(建設機械)であり、図3に示されているように、クローラ式の下部走行体410と、下部走行体410に旋回機構430を介して旋回可能に搭載されている上部旋回体420と、を備えている。上部旋回体420の前方左側部にはキャブ424(運転室)が設けられている。上部旋回体420の前方中央部には作業機構440が設けられている。
【0030】
実機入力インターフェース41は、実機操作機構411と、実機撮像装置412と、を備えている。実機操作機構411は、キャブ424の内部に配置されたシートの周囲に遠隔操作機構211と同様に配置された複数の操作レバーを備えている。遠隔操作レバーの操作態様に応じた信号を受信し、当該受信信号に基づいて実機操作レバーを動かす駆動機構またはロボットがキャブ424に設けられている。実機撮像装置412は、例えばキャブ424の内部に設置され、フロントウィンドウおよび左右一対のサイドウィンドウ越しに作業機構440の少なくとも一部を含む環境を撮像する。フロントウィンドウおよびサイドウィンドウのうち一部または全部が省略されていてもよい。
【0031】
実機出力インターフェース42は、実機無線通信機器422を備えている。
【0032】
作業機構440は、上部旋回体420に起伏可能に装着されているブーム441と、ブーム441の先端に回動可能に連結されているアーム443と、アーム443の先端に回動可能に連結されているバケット445と、を備えている。作業機構440には、伸縮可能な油圧シリンダにより構成されているブームシリンダ442、アームシリンダ444およびバケットシリンダ446が装着されている。
【0033】
ブームシリンダ442は、作動油の供給を受けることにより伸縮してブーム441を起伏方向に回動させるように当該ブーム441と上部旋回体420との間に介在する。アームシリンダ444は、作動油の供給を受けることにより伸縮してアーム443をブーム441に対して水平軸回りに回動させるように当該アーム443と当該ブーム441との間に介在する。バケットシリンダ446は、作動油の供給を受けることにより伸縮してバケット445をアーム443に対して水平軸回りに回動させるように当該バケット445と当該アーム443との間に介在する。
【0034】
エンジン460は、作業機械40の駆動源であり、メインポンプおよびパイロットポンプを駆動しうる。エンジン460が稼働している状態では、メインポンプから複数の方向制御弁に対して作動油が供給され、かつ、パイロットポンプから一次圧油が実機操作機構411に供給される。実機操作機構411の遠隔操作指令に応じた動きに応じて二次圧油が方向制御弁に対して供給され、当該方向制御弁の動作に応じた油圧シリンダに対して作動油が供給されることにより、旋回機構430および作業機構440が動作する。なお、これ以降では、エンジン460が稼働している状態をON、エンジン460が停止している状態をOFFと呼ぶ。
【0035】
(第1機能)
前記構成の遠隔操作支援システムの第1機能について図4に示されているフローチャートを用いて説明する。当該フローチャートにおいて「C●」というブロックは、記載の簡略のために用いられ、データの送信および/または受信を意味し、当該データの送信および/または受信を条件として分岐方向の処理が実行される条件分岐を意味している。
【0036】
第1遠隔操作装置としての遠隔操作装置20において、オペレータにより遠隔入力インターフェース210を通じた第1指定操作の有無が判定される(図4/STEP211)。「第1指定操作」は、例えば、オペレータが遠隔操作を意図する作業機械40を指定するための遠隔入力インターフェース210におけるタップまたはスワイプなどの操作である。
【0037】
当該判定結果が否定的である場合(図4/STEP211‥NO)、第1指定操作の有無の判定処理(図4/STEP211)が繰り返される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図4/STEP211‥YES)、第1遠隔操作装置としての遠隔操作装置20において、オペレータにより遠隔入力インターフェース210を通じた第2指定操作の有無が判定される(図4/STEP212)。「第2指定操作」は、例えば、第1指定操作により指定された作業機械40の遠隔操作の開始予定時刻(第1開始予定時刻)および終了予定時刻(第1終了予定時刻)を含むスケジュールを設定するための遠隔入力インターフェース210におけるキータッチ、タップまたはスワイプなどの操作である。このスケジュールは予めデータベース102に登録されていてもよい。スケジュールは、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータなどの端末装置により設定されてもよい。
【0038】
当該判定結果が否定的である場合(図4/STEP212‥NO)、第1指定操作の有無の判定(図4/STEP211)以降の処理が繰り返される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図4/STEP212‥YES)、遠隔無線通信機器222を通じて、遠隔操作支援サーバ10に対して指定操作情報が送信される(図4/STEP213)。指定操作情報には、遠隔操作装置20を識別するための遠隔識別子と、第1指定操作により指定された作業機械40を識別するための実機識別子と、第2指定操作により設定された遠隔操作の第1開始予定時刻および第1終了予定時刻を含むスケジュールと、が含まれている。
【0039】
遠隔操作支援サーバ10において、指定操作情報が受信された場合(図4/C110)、当該指定操作情報がデータベース102に登録される(図4/STEP110)。
【0040】
遠隔操作装置20において、指定トリガに応じて、遠隔無線通信機器222を通じて、遠隔操作支援サーバ10に対して、遠隔操作の準備ができた旨の準備完了通知が送信される(図4/STEP214)。指定トリガとしては、オペレータが遠隔入力インターフェース210を構成する準備完了ボタンを押すこと、または、オペレータがシートStに着席したことなどが検知される。ただし、第1開始予定時刻よりも所定時間(例えば10分前など)以上前の時刻に指定トリガがあった場合、準備完了通知は送信されなくてもよい。準備完了通知には、遠隔識別子が含まれている。
【0041】
遠隔操作支援サーバ10において、準備完了通知が受信された場合、第1支援処理要素121により、当該準備完了通知に含まれている遠隔識別子に関連付けられてデータベース102に記憶保持または登録されている実機識別子により識別される作業機械40に対して、当該準備完了通知が送信される(図4/C111)。
【0042】
作業機械40において、実機無線通信機器422を通じて準備完了通知が受信された場合(図4/C410)、実機制御装置400により、当該作業機械40のエンジン460がOFFからONに切り替えられる(図4/STEP410)。これにより、例えば、パイロットポンプから供給される一次圧油が、遠隔操作指令に応じて(実機操作機構411の操作態様がアクチュエータにより調節されることにより)二次圧油として方向制御弁に供給されうるので、旋回機構430および作業機構440を含めて作業機械40が動作可能な状態になる。
【0043】
さらに、実機制御装置400が実機撮像装置412を通じて撮像画像を取得する(図4/STEP411)。実機制御装置400により、実機無線通信機器422を通じて、当該撮像画像を表わす撮像画像データが遠隔操作支援サーバ10に対して送信される(図4/STEP412)。
【0044】
遠隔操作支援サーバ10において、撮像画像データが受信された場合(図4/C111)、第2支援処理要素122により撮像画像に応じた作業環境画像データが遠隔操作装置20に対して送信される(図4/STEP112)。作業環境画像データは、撮像画像データそのもののほか、撮像画像に基づいて生成された模擬的な作業環境画像を表わす画像データである。
【0045】
遠隔操作装置20において、遠隔無線通信機器222を通じて作業環境画像データが受信された場合(図4/C210)、遠隔制御装置200により、作業環境画像データに応じた作業環境画像が画像出力装置221に出力される(図4/STEP215)。
【0046】
これにより、例えば、図6に示されているように、作業機構440の一部であるブーム441、アーム443およびバケット445が映り込んでいる作業環境画像が画像出力装置221に出力される。
【0047】
遠隔操作装置20において、遠隔制御装置200により遠隔操作機構211の操作態様が認識され(図4/STEP216)、かつ、遠隔無線通信機器222を通じて、当該操作態様に応じた遠隔操作指令が遠隔操作支援サーバ10に対して送信される(図4/STEP217)。第1開始予定時刻になるまで操作態様が認識されないようにしてもよく、または、操作態様が認識されたとしても遠隔操作指令が遠隔操作支援サーバ10に対して送信されないようにしてもよい。
【0048】
遠隔操作支援サーバ10において、第2支援処理要素122により当該遠隔操作指令が受信された場合、第2支援処理要素122により、当該遠隔操作指令が作業機械40に対して送信される(図4/C113)。
【0049】
作業機械40において、実機制御装置400により、実機無線通信機器422を通じて遠隔操作指令が受信された場合(図4/C412)、作業機構440等の動作が制御される(図4/STEP414)。これにより、作業機械40の遠隔操作が開始される。例えば、バケット445により作業機械40の前方の土をすくい、上部旋回体410を旋回させたうえでバケット445から土を落とす作業が実行される。
【0050】
遠隔操作装置20において、オペレータにより遠隔入力インターフェース210を通じた第3指定操作の有無が判定される(図4/STEP218)。「第指定操作」は、例えば、IGNスイッチをONからOFFに切り替えるなど、作業機械40のエンジン460の動作を停止させるための遠隔入力インターフェース210におけるタップなどの操作である。
【0051】
当該判定結果が否定的である場合(図5/STEP218‥NO)、遠隔無線通信機器222を通じた作業環境画像データの受信(図4/C210参照)および当該作業環境画像データに応じた作業環境画像の画像出力装置221における出力(図4/STEP215参照)以降の処理が繰り返される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図5/STEP218‥YES)、遠隔無線通信機器222を通じて、遠隔操作支援サーバ10に対して遠隔操作停止通知(または遠隔操作停止指令)が送信される(図4/STEP219)。遠隔操作停止通知には、作業機械40を識別するための実機識別子が含まれている。
【0052】
第3指定操作が、作業機械40のエンジン460の動作を指定時間後に停止させるための操作であり、遠隔操作停止通知が、作業機械40のエンジン460の動作を指定時間後に停止させるための指令であってもよい。この場合、第3指定操作があってから指定時間にわたり、第1遠隔操作装置による作業機械40の遠隔操作が継続可能になる(図4/STEP216→STEP217→‥→STEP414参照)。
【0053】
遠隔操作支援サーバ10において、遠隔操作停止通知が受信された場合(図4/C114)、図5を用いて後述する処理が実行される。遠隔操作支援サーバ10において、遠隔操作停止通知が受信されなかった場合、撮像画像データの受信(図4/C112参照)および作業環境画像データの送信(図4/STEP112参照)以降の処理が繰り返される。
【0054】
(第2機能)
前記構成の遠隔操作支援システムの第2機能について図5に示されているフローチャートを用いて説明する。当該フローチャートにおいて「C●」というブロックは、記載の簡略のために用いられ、データの送信および/または受信を意味し、当該データの送信および/または受信を条件として分岐方向の処理が実行される条件分岐を意味している。
【0055】
第2遠隔操作装置としての遠隔操作装置20において、オペレータにより遠隔入力インターフェース210を通じた第1指定操作の有無が判定される(図5/STEP221)。
【0056】
当該判定結果が否定的である場合(図5/STEP221‥NO)、第1指定操作の有無の判定(図5/STEP221)以降の処理が繰り返される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図5/STEP221‥YES)、第2遠隔操作装置としての遠隔操作装置20において、オペレータにより遠隔入力インターフェース210を通じた第2指定操作の有無が判定される(図5/STEP222)。「第2指定操作」は、例えば、第1指定操作により指定された作業機械40の遠隔操作の開始予定時刻(第2開始予定時刻)および終了予定時刻(第2終了予定時刻)を含むスケジュールを設定するための遠隔入力インターフェース210におけるキータッチ、タップまたはスワイプなどの操作である。
【0057】
当該判定結果が否定的である場合(図5/STEP222‥NO)、第1指定操作の有無の判定(図5/STEP221)以降の処理が繰り返される。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図5/STEP222‥YES)、遠隔無線通信機器222を通じて、遠隔操作支援サーバ10に対して指定操作情報が送信される(図5/STEP223)。指定操作情報には、遠隔操作装置20を識別するための遠隔識別子と、第1指定操作により指定された作業機械40を識別するための実機識別子と、第2指定操作により設定された遠隔操作の第2開始予定時刻および第2終了予定時刻を含むスケジュールと、が含まれている。
【0058】
遠隔操作支援サーバ10において、指定操作情報が受信された場合(図5/C120)、当該指定操作情報がデータベース102に登録される(図5/STEP120)。
【0059】
遠隔操作支援サーバ10において、第1支援処理要素121により第2遠隔操作装置としての遠隔操作装置20のオペレータが選定される(図5/STEP121)。例えば、データベース102への問い合わせにより、作業機械40の遠隔操作のスケジュールを参照し、第1遠隔操作装置の次に作業機械40を遠隔操作するオペレータまたは遠隔操作装置が選定される。第1遠隔操作装置の次に作業機械40を遠隔操作するオペレータが、第2遠隔操作装置を操作するオペレータである場合には、当該空き情報が送信される(図5/STEP122)。
【0060】
遠隔操作装置20において、遠隔無線通信機器222を通じて当該空き情報が受信された場合(図5/C221)、遠隔制御装置200により、遠隔操作の意思の有無を確認するための画面が画像出力装置221に出力される(図5/STEP224)。例えば、作業機械40の遠隔操作を開始することを確認する画面が画像出力装置221に出力される。過去一定期間にわたる作業環境画像データに応じた作業環境画像(動画)が併せて画像出力装置221に出力されてもよい。
【0061】
遠隔制御装置200により、遠隔入力インターフェース210を通じた意思表示操作の有無が判定される(図5/STEP225)。例えば、画像出力装置221に出力された意思確認画面を構成するボタンのうち一方のタップなどによる選択操作が意思表示操作に該当する。例えば、指定期間内に意思表示操作の有が判定される場合に当該判定結果が肯定的であると判定される。判定結果が肯定的である場合に、遠隔制御装置200により、遠隔無線通信機器222を通じて、遠隔操作支援サーバ10に対して肯定的な意思確認結果が送信される(図5/STEP226)。その一方、指定期間にわたって連続的に意思表示操作の無が判定される場合には、判定結果が否定的となる。当該判定結果が否定的である場合に、遠隔制御装置200により、遠隔無線通信機器222を通じて、遠隔操作支援サーバ10に対して否定的な意思確認結果が送信される(図5/STEP226)。指定期間は、例えば、作業機械40のエンジン460を第1終了予定時刻にOFFとし、第2開始予定時刻に再びONとする場合の燃料消費量が、作業機械40のエンジン460を当該第1終了予定時刻から当該第2開始予定時刻までONのまま継続する場合の燃料消費量を上回る時間として設定される。
【0062】
遠隔操作支援サーバ10において、意思確認結果が受信された場合(図5/C122)、第2支援処理要素122により、当該意思確認結果が肯定的であるか又は否定的であるかが判定される(図5/STEP123)。当該意思確認結果が否定的である場合(図5/STEP123‥NO)、第2支援処理要素122により、エンジン動作停止指令が作業機械40に対して送信される(図5/STEP128)。作業機械40において、実機無線通信機器422を通じてエンジン動作停止指令が受信された場合(図5/C422)、実機制御装置400により、当該作業機械40のエンジン460がONからOFFに切り替えられる(図5/STEP422)。これにより、パイロットポンプから一次圧油が実機操作機構411に対して供給されなくなり、遠隔操作指令に応じて実機操作機構411が動かされたとしても旋回機構430および作業機構440が動作不可能な状態になる。
【0063】
その一方、当該意思確認結果が肯定的である場合(図5/STEP123‥YES)、第2支援処理要素122により、エンジン動作継続指令が作業機械40に対して送信される(図5/STEP124)。作業機械40において、実機無線通信機器422を通じてエンジン動作継続指令が受信された場合(図5/C421)、実機制御装置400により、当該作業機械40のエンジン460がONに維持される(図5/STEP421)。これにより、パイロットポンプから一次圧油が実機操作機構411に対して供給される状態が継続される。
【0064】
さらに、この場合、第2支援処理要素122により、遠隔操作可能通知が第2遠隔操作装置としての遠隔操作装置20に対して送信される(図5/STEP126)。第2遠隔操作装置において、遠隔制御装置200により遠隔無線通信機器222を通じて遠隔操作可能通知が受信された場合(図5/C222)、当該通知が画像出力装置221に出力される(図5/STEP227)。これにより、図4に示されているフローチャートにしたがって、第2遠隔操作装置としての遠隔操作装置20により作業機械40が遠隔操作されうる(図4/STEP411→STEP412→C112→STEP112→C210→STEP215→STEP216→STEP217→C113→C412→STEP414)。ただし、エンジン460がOFFからONに切り替えられる必要はない(図4/STEP410参照)。
【0065】
(効果)
当該構成の遠隔操作支援システムおよびこれを構成する遠隔操作支援サーバ10によれば、一のオペレータにより第1遠隔操作装置としての一の遠隔操作装置20を通じた作業機械40の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置としての他の遠隔操作装置20を通じて同じ作業機械40を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在しない場合、当該作業機械40のエンジン460の動作が停止される(図5/STEP225‥NO→END、C122→STEP128→C422→STEP422参照)。
【0066】
その一方、一のオペレータにより第1遠隔操作装置としての一の遠隔操作装置20を通じた作業機械40の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置としての他の遠隔操作装置20を通じて同じ作業機械40を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在する場合、当該作業機械40のエンジン460の動作が停止されずに継続される(図5/STEP225‥YES→STEP226→C122→STEP124→C421→STEP421参照)。このため、当該他のオペレータは第2遠隔操作装置を通じて、それまで第1遠隔操作装置の操作対象であった作業機械40のエンジン460を再起動させて暖機運転をさせることなく、直ちに当該作業機械40を遠隔操作することができる。よって、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置20を通じて同一の作業機械40が遠隔操作される際、当該作業機械40の作業の円滑化を図ることができる。
【0067】
(本発明の他の実施形態)
第1支援処理要素121が、第2遠隔操作装置のオペレータによる作業機械40の遠隔操作開始予定時刻をさらに確認し、第2支援処理要素122が、第1遠隔操作装置から作業機械40の遠隔操作停止通知(遠隔操作停止指令)を受信した後(図4/C114参照)、当該遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が指定時間間隔以下であることを要件として作業機械40のエンジン460の動作を継続させてもよい(図5/STEP124参照)。
【0068】
当該構成の遠隔操作支援サーバ10によれば、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械40の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械40を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在するものの、当該他のオペレータによる遠隔操作の開始予定時刻(第2開始予定時刻)までの時間間隔が指定時間を超える程度に長い場合、当該作業機械40のエンジン460の動作が停止される。このため、遠隔操作がされないまま作業機械40のエンジンが過度に長期間にわたって動作している事態が回避されうる。
【0069】
その一方、一のオペレータにより第1遠隔操作装置を通じた作業機械40の遠隔操作が停止される際、第2遠隔操作装置を通じて同じ作業機械40を続けて遠隔操作する可能性がある他のオペレータが存在し、かつ、当該他のオペレータによる遠隔操作開始予定時刻までの時間間隔が指定時間間隔を超えない程度に短い場合、当該作業機械40のエンジン460の動作が停止されずに継続される。このため、当該他のオペレータは第2遠隔操作装置を通じて、それまで第1遠隔操作装置の操作対象であった作業機械40のエンジン460を再起動させて暖機運転をさせることなく、直ちに当該作業機械40を遠隔操作することができる。よって、異なるオペレータによりまたは異なる遠隔操作装置を通じて同一の作業機械40が遠隔操作される際、当該作業機械40の作業の円滑化を図ることができる。
【0070】
第2支援処理要素122が、作業機械40の環境温度が低いほど、連続的または段階的に長くなるように定まる指定時間間隔にしたがって、作業機械40のエンジンの動作を継続または停止させてもよい。
【0071】
前記実施形態では、選定されたオペレータの遠隔操作装置20に対して空き情報が送信されるが(図5/STEP122参照)、第1遠隔操作装置の次に作業機械40を遠隔操作するオペレータまたは遠隔操作装置による遠隔操作の開始予定時刻(第2開始予定時刻)が、第1遠隔操作装置による作業機械40の遠隔操作の終了予定時刻(第1終了予定時刻)から指定時間以上ある場合には、当該空き情報を送信しないようにしてもよい。例えば、指定時間は、作業機械40のエンジンを当該第1終了予定時刻にOFFとし、当該第2開始予定時刻に再びONとする場合の燃料消費量が、作業機械40のエンジンを当該第1終了予定時刻から当該第2開始予定時刻までONのまま継続する場合の燃料消費量を上回る時間である。
【符号の説明】
【0072】
10‥遠隔操作支援サーバ、20‥遠隔操作装置(第1遠隔操作装置、第2遠隔操作装置)、40‥作業機械、102‥データベース、121‥第1支援処理要素、122‥第2支援処理要素、200‥遠隔制御装置、210‥遠隔入力インターフェース、211‥遠隔操作機構、212‥オペレータ状態センサ、220‥遠隔出力インターフェース、221‥画像出力装置、400‥実機制御装置、41‥実機入力インターフェース、42‥実機出力インターフェース、424‥キャブ(運転室)、440‥作業機構(作業アタッチメント)、445‥バケット(作業部)、460‥エンジン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6