特許 7363698 内燃機関のカバー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-10-10

(45)【発行日】2023-10-18

(54)【発明の名称】内燃機関のカバー

(51)【国際特許分類】

   F02F 7/00 20060101AFI20231011BHJP

   F02F 11/00 20060101ALI20231011BHJP

   F02B 67/06 20060101ALI20231011BHJP

【ＦＩ】

F02F7/00 F

F02F11/00 P

F02B67/06 G

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2020126502

(22)【出願日】2020-07-27

(65)【公開番号】P2022023510

(43)【公開日】2022-02-08

【審査請求日】2022-12-13

(73)【特許権者】

【識別番号】000241500

【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(72)【発明者】

【氏名】土井 健介

(72)【発明者】

【氏名】堀内 洋志

【審査官】鶴江 陽介

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１０－０３１６６６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－０７２０８４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－０８７５６０（ＪＰ，Ａ）

【文献】独国特許出願公開第１９９３６７４８（ＤＥ，Ａ１）

【文献】米国特許第６７５２１１９（ＵＳ，Ｂ２）

【文献】特開２０１５－９４４４１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ０２Ｆ １／００－ １／４２

Ｆ０２Ｆ ５／００

Ｆ０２Ｆ ７／００

Ｆ０２Ｆ １１／００

Ｆ０２Ｂ ６７／０６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

機関本体に取り付けられるとともにタイミングチェーンまたはタイミングベルトを覆う内燃機関のカバーであって、
硬質樹脂材料により形成され、前記機関本体に対向する対向面を有する第１部材と、
前記硬質樹脂材料とは異なる材料によって形成されるとともに前記第１部材に接合された第２部材と、を含み、
前記第１部材の前記対向面にのみ、前記機関本体との間をシールするシール部材が嵌め込まれる溝部が形成されており、
前記第２部材は、カムシャフトに連結され、機関バルブの駆動態様を可変する機構が挿通される挿通孔と、前記挿通孔の周縁部に設けられ、前記機構が取り付けられる取付部と、を有し、前記硬質樹脂材料よりも線膨張係数の小さいこと及び前記硬質樹脂材料よりも吸水性の低いことの少なくとも一方の条件を満たす材料によって形成されている、
内燃機関のカバー。

【請求項2】

前記第１部材にのみ、クランクシャフトが貫通する貫通孔が形成されている、
請求項１に記載の内燃機関のカバー。

【請求項3】

前記第１部材は、前記第２部材をインサートして成形されている、
請求項１または請求項２に記載の内燃機関のカバー。

【請求項4】

前記カバーを前記機関本体に取り付けるボルトが挿通される複数の筒状のカラーを備え、
前記第２部材は、前記第１部材の前記対向面とは反対側の面に接合され、前記カラーの各々をインサートして成形されるとともに前記カラーの各々を囲む複数の筒部を有しており、
前記第１部材は、前記筒部の各々を囲む複数の囲繞部を有している、
請求項１～請求項３のいずれか一項に記載の内燃機関のカバー。

【請求項5】

機関本体に取り付けられるとともにタイミングチェーンまたはタイミングベルトを覆う内燃機関のカバーであって、
硬質樹脂材料により形成され、前記機関本体に対向する対向面を有する第１部材と、
前記硬質樹脂材料とは異なる材料によって形成されるとともに前記第１部材に接合された第２部材と、
前記カバーを前記機関本体に取り付けるボルトが挿通される複数の筒状のカラーと、を含み、
前記第２部材は、前記第１部材の前記対向面とは反対側の面に接合され、前記カラーの各々をインサートして成形されるとともに前記カラーの各々を囲む複数の筒部を有しており、
前記第１部材は、前記筒部の各々を囲む複数の囲繞部を有しており、
前記第１部材の前記対向面にのみ、前記機関本体との間をシールするシール部材が嵌め込まれる溝部が形成されている、
内燃機関のカバー。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、機関本体に取り付けられるとともにタイミングチェーンまたはタイミングベルトを覆う内燃機関のカバーに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、内燃機関の機関本体に取り付けられる樹脂製のタイミングチェーンカバー（以下、チェーンカバー）が開示されている。このチェーンカバーは、クランクシャフトが挿通される貫通孔を有している。チェーンカバーの周縁部には、チェーンカバーを機関本体に締結するボルトが挿通される複数の貫通孔が形成されている。

【0003】

チェーンカバーにおける機関本体側の面には、チェーンカバーの周縁に沿って溝部が形成されている。
溝部には、機関本体とチェーンカバーとの間をシールする環状のシール部材が全周にわたって嵌め込まれる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開２０１５－１０２０１８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ところで、チェーンカバーの寸法精度を部分的に高める目的などから、チェーンカバーを複数の材料からなる部材によって構成することが望まれている。しかしながら、上記溝部が複数の部材を跨いで設けられることで、溝部において部材同士の境目に段差が生じやすい。そのため、シール部材と溝部との密着性が低下しやすい。その結果、シール性が低下するおそれがある。

【0006】

本発明の目的は、シール部材と溝部との密着性の低下を抑制することのできる内燃機関のカバーを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するための内燃機関のカバーは、機関本体に取り付けられるとともにタイミングチェーンまたはタイミングベルトを覆うものであって、硬質樹脂材料により形成され、前記機関本体に対向する対向面を有する第１部材と、前記硬質樹脂材料とは異なる材料によって形成されるとともに前記第１部材に接合された第２部材と、を含み、前記第１部材の前記対向面にのみ、前記機関本体との間をシールするシール部材が嵌め込まれる溝部が形成されている。

【0008】

同構成によれば、溝部が第１部材と第２部材との双方にわたって形成される場合とは異なり、部材同士の境目が溝部に生じない。このため、溝部の内面に段差が生じることを回避できる。したがって、シール部材と溝部との密着性の低下を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】内燃機関のチェーンカバーの一実施形態について、機関本体に取り付けられたチェーンカバーを示す正面図。

【図2】同実施形態について、チェーンカバーを示す正面図。

【図3】同実施形態について、チェーンカバーを示す背面図。

【図4】図２の４－４線における断面図。

【発明を実施するための形態】

【0010】

以下、図１～図４を参照して、内燃機関のカバーの一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、車両に搭載される往復動式（ピストン式）の内燃機関に取り付けられるタイミングチェーンカバー（以下、チェーンカバー）として本発明を具体化している。

【0011】

図１に示すように、内燃機関は、機関本体１０と、機関本体１０の側面に取り付けられるチェーンカバー２１とを備えている。
（機関本体１０）
図１に示すように、機関本体１０は、シリンダヘッド１１、シリンダブロック１２、及びクランクケース１３を備えている。シリンダブロック１２は、シリンダヘッド１１とクランクケース１３との間に配設されている。

【0012】

シリンダヘッド１１には、吸気用カムシャフト１４及び排気用カムシャフト１５が回転可能に支持されている。
吸気用カムシャフト１４及び排気用カムシャフト１５は、機関バルブとしての吸気バルブ及び排気バルブ（いずれも図示略）をそれぞれ開閉駆動する。

【0013】

カムシャフト１４，１５の延在方向の一端１４ａ，１５ａは、シリンダヘッド１１から突出している。
カムシャフト１４，１５の上記一端１４ａ，１５ａには、モータ駆動式の可変バルブタイミング機構９１，９２がそれぞれ連結されている。

【0014】

可変バルブタイミング機構９１，９２は、減速機構やリンク機構などから構成されるアクチュエータ（いずれも図示略）と、モータ９３，９４とを備えている。
可変バルブタイミング機構９１，９２のアクチュエータには、従動側スプロケット１６，１７がそれぞれ設けられている。

【0015】

図１に示すように、クランクケース１３には、クランクシャフト１８が回転可能に支持されている。クランクシャフト１８の延在方向の一端１８ａは、クランクケース１３から突出している。上記一端１８ａはカムシャフト１４，１５の一端１４ａ，１５ａと同一の向きに突出している。上記一端１８ａには、駆動側スプロケット１９が連結されている。

【0016】

従動側スプロケット１６，１７と、駆動側スプロケット１９とには、タイミングチェーン２０が掛け渡される。駆動側スプロケット１９の回転に伴ってタイミングチェーン２０を介して２つの従動側スプロケット１６，１７が連動して回転するように構成されている。これにより、クランクシャフト１８の回転力がカムシャフト１４，１５に伝達される。

【0017】

吸気用の可変バルブタイミング機構９１は、モータ９３の回転速度を制御することで、従動側スプロケット１６に対する吸気用カムシャフト１４の回転位相を変更する。
排気用の可変バルブタイミング機構９２は、モータ９４の回転速度を制御することで、従動側スプロケット１７に対する排気用カムシャフト１５の回転位相を変更する。

【0018】

なお、モータ９３，９４には、図示しない制御装置が一体に設けられている。
（チェーンカバー２１）
図１に示すように、チェーンカバー２１は、正面視長方形状であり、機関本体１０においてカムシャフト１４，１５の一端１４ａ，１５ａ及びクランクシャフト１８の一端１８ａが突出する側に取り付けられて、タイミングチェーン２０を覆うように構成されている。

【0019】

図１～図３に示すように、チェーンカバー２１は、第１部材３０と、第１部材３０に接合された第２部材４０とを有している。
まず、第１部材３０について説明する。

【0020】

図２及び図３に示すように、第１部材３０は、正面視長方形状である。第１部材３０は、機関本体１０に対向する裏面３１と、裏面３１の反対側に位置するとともに、第２部材４０が接合される面である表面３２とを有している。なお、裏面３１が、本発明に係る対向面に相当する。

【0021】

第１部材３０には、モータ９３，９４が挿通される２つの挿通孔３３が形成されている。
第１部材３０には、クランクシャフト１８が貫通する貫通孔３４が形成されている。貫通孔３４は、第１部材３０のみに形成されている。

【0022】

図３及び図４に示すように、第１部材３０の裏面３１には、溝部３６が形成されている。溝部３６には、機関本体１０との間をシールするシール部材５０が嵌め込まれるように構成されている。

【0023】

溝部３６は、裏面３１の外周縁に沿って、当該外周縁の全周に亘って延在している。溝部３６は、第１部材３０のみに形成されている。
溝部３６は、底壁３６ａと、底壁３６ａの幅方向の両端から起立する２つの側壁３６ｂ，３６ｃとを有している。

【0024】

第１部材３０は、硬質樹脂材料により形成されている。本実施形態では、第１部材３０は、ポリアミド（ＰＡ－ＧＦ）を主成分とする合成樹脂材料により形成されている。
次に、第２部材４０について説明する。

【0025】

図１～図３に示すように、第２部材４０は、正面視長方形状である。
図４に示すように、第２部材４０は、第１部材３０に接合される裏面４１と、裏面４１とは反対側に位置する表面４２とを有している。

【0026】

第２部材４０には、モータ９３，９４が挿通される挿通孔４３が形成されている。挿通孔４３は、第１部材の挿通孔３３と互いに連通している。
第２部材４０の表面４２に、制御装置が一体に設けられたモータ９３，９４が取り付けられる。

【0027】

第２部材４０の挿通孔４３の周縁部には、モータ９３，９４を取り付けるボルト（図示略）が螺入される複数の取付孔４４が設けられている。なお、これら取付孔４４が、本発明に係る取付部に相当する。

【0028】

第２部材４０は、第１部材３０を形成する硬質樹脂材料よりも線膨張係数が小さく、且つ吸水性の低い硬質樹脂材料により形成されている。本実施形態では、第２部材４０は、ポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ－ＧＦ）により形成されている。

【0029】

図１～図３に示すように、チェーンカバー２１は、機関本体１０に取り付けるボルト（図示略）が挿通される複数の筒状のカラー６０を備えている。
図３及び図４に示すように、第２部材４０は、第１部材３０の表面３２に接合されている。第２部材４０は、各カラー６０をインサートして成形されている。第２部材４０は、各カラー６０を囲む複数の筒部４５を有している。

【0030】

なお、図１～図３に示すように、本実施形態では、筒部４５は、チェーンカバー２１の幅方向の両側に、２つずつ設けられている。
図４に示すように、第１部材３０は、各筒部４５を囲む囲繞部３５を有している。なお、本実施形態では、囲繞部３５の一部が、溝部３６の外周側の側壁３６ｃの一部を構成している。

【0031】

図１～図３に示すように、第１部材３０において第２部材４０によって覆われていない部分には、金属製のカラーが挿通された複数の締結孔３７が設けられている。なお、本実施形態では、締結孔３７は、チェーンカバー２１の幅方向の両側に、４つずつ設けられている。また、締結孔３７は、貫通孔３４の外周に４つ設けられている。また、図１では、締結孔３７に挿通されるボルトの図示を省略している。

【0032】

次に、本実施形態の作用について説明する。
チェーンカバー２１は、第２部材４０をインサートして第１部材３０を成形することにより形成される。このとき、シール部材５０が嵌め込まれる溝部３６は、第１部材３０にのみ形成される。これにより、溝部３６が第１部材３０と第２部材４０との双方にわたって形成される場合とは異なり、部材同士の境目が溝部３６に生じない。このため、溝部３６の内面に段差が生じることを回避できる。

【0033】

次に、本実施形態の効果について説明する。
（１）チェーンカバー２１は、硬質樹脂材料により形成され、機関本体１０に対向する裏面３１を有する第１部材３０と、同硬質樹脂材料とは異なる材料によって形成されるとともに第１部材３０に接合された第２部材４０とを含んでいる。第１部材３０の裏面３１にのみ、機関本体１０との間をシールするシール部材５０が嵌め込まれる溝部３６が形成されている。

【0034】

こうした構成によれば、上述した作用を奏する。したがって、シール部材５０と溝部３６との密着性の低下を抑制できる。
（２）第２部材４０は、カムシャフト１４，１５に連結され、モータ９３，９４が挿通される挿通孔４３と、挿通孔４３の周縁部に設けられ、モータ９３，９４が取り付けられる取付孔４４とを有している。第２部材４０は、ＰＡ６－ＧＦよりも線膨張係数の小さいこと及び硬質樹脂材料よりも吸水性の低いことの双方の条件を満たすＰＰＳ－ＧＦによって形成されている。

【0035】

チェーンカバー２１においては、モータ９３，９４が挿通される挿通孔４３の周縁部に設けられた取付孔４４に対して、モータ９３，９４が取り付けられる。こうしたモータ９３，９４の位置精度を確保するために、取付孔４４には、機関本体１０からの受熱や着水によって変形しにくい材料特性が求められる。

【0036】

上記構成によれば、こうした取付孔４４を有する第２部材４０が第１部材３０を形成する硬質樹脂材料よりも線膨張係数の小さいこと及び同硬質樹脂材料よりも吸水性の低いことの双方の条件を満たす材料によって形成されている。このため、機関本体１０からの受熱や着水によって取付孔４４が変形することを抑制でき、ひいては当該取付孔４４に取り付けられるモータ９３，９４の位置精度が悪化することを抑制できる。

【0037】

（３）第１部材３０にのみ、クランクシャフト１８が貫通する貫通孔３４が形成されている。
こうした構成によれば、第２部材４０が、モータ９３，９４が挿通される挿通孔４３及び挿通孔４３の周縁部にモータ９３，９４が取り付けられる取付孔４４を有するとともに、クランクシャフト１８が貫通する貫通孔を有する構成に比べて、第２部材４０の体格を小さくできる。したがって、チェーンカバー２１の小型化及び軽量化を図ることができる。

【0038】

（４）第１部材３０は、第２部材４０をインサートして成形されている。
第２部材４０をインサートして第１部材３０を成形する場合、溝部３６が第１部材３０と第２部材４０とを跨いで設けられると、溝部３６において部材同士の境目に段差が生じやすい。

【0039】

この点、こうした構成に対して本発明を適用すれば、シール部材５０と溝部３６との密着性の低下を抑制できる。
（５）チェーンカバー２１は、チェーンカバー２１を機関本体１０に取り付けるボルトが挿通される複数の筒状のカラー６０を備えている。第２部材４０は、第１部材３０の裏面３１とは反対側の表面３２に接合され、カラー６０の各々をインサートして成形されるとともにカラー６０の各々を囲む複数の筒部４５を有している。第１部材３０は、筒部４５の各々を囲む複数の囲繞部３５を有している。

【0040】

こうした構成によれば、第２部材４０のうち複数のカラー６０を囲む複数の筒部４５が、第１部材３０の複数の囲繞部３５によってそれぞれ囲まれている。そして、各カラー６０に挿通されるボルトによってチェーンカバー２１が機関本体１０に取り付けられる。これにより、第１部材３０と第２部材４０とがそれらの接合部に加えて、複数の筒部４５及び囲繞部３５においても固定される。したがって、機関本体１０からの受熱や着水によって第１部材３０が変形することについても抑制することができ、ひいては第２部材４０の変形を効果的に抑制することができる。

【0041】

＜変更例＞
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

【0042】

・締結孔３７の数や位置は、本実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
・第２部材４０の筒部４５及び第１部材３０の囲繞部３５の数や位置は、本実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更することができる。

【0043】

・第２部材４０の筒部４５及び第１部材３０の囲繞部３５は、ともに省略することができる。
・第１部材３０は、第２部材４０をインサートして成形されるものに限定されない。すなわち、チェーンカバー２１は、別々に成形された第１部材３０と第２部材４０とを接合することにより形成されたものであってもよい。

【0044】

・チェーンカバー２１は、第１部材３０にのみ貫通孔３４が形成されるものに限定されない。例えば、第２部材４０にもクランクシャフト１８が貫通する孔が形成されており、上記孔と貫通孔３４とによって、チェーンカバー２１におけるクランクシャフト１８が貫通する貫通孔が構成されていてもよい。

【0045】

・可変バルブタイミング機構９１，９２は、本実施形態で例示したようなモータ９３，９４を用いた電動式のものに限定されず、油圧式を用いることもできる。
・第２部材４０は、本実施形態で例示したようなポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ－ＧＦ）により形成されるものに限定されず、例えば、ＰＰＳの代わりにアルミニウムなどの金属を用いることもできる。また、ＰＰＳの代わりに、液晶ポリマー（ＬＣＰ）、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリアミド６Ｔ（ＰＡ６Ｔ）、ポリアミド９Ｔ（ＰＡ９Ｔ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリアセタール（ＰＯＭ）などの硬質樹脂材料から適宜選択して用いることもできる。

【0046】

・第１部材３０は、本実施形態で例示したようなポリアミド６（ＰＡ６－ＧＦ）により形成されるものに限定されず、ポリアミド６の代わりに、ポリアミドを主成分とする合成樹脂材料から適宜選択して用いることができる。

【0047】

・溝部３６は、本実施形態で例示したように第１部材３０の外周縁に沿って全周に亘って設けられるものに限定されず、例えば、延在方向に端部を有するものであってもよい。
・チェーンカバー２１、第１部材３０、及び第２部材４０の形状は、本実施形態で例示した正面視長方形状に限定されず、機関本体１０への搭載要件に合わせて適宜形状を変更してもよい。

【0048】

・本発明に係るカバーは、チェーンカバー２１に限定されず、タイミングベルトカバーに対して本発明を適用することもできる。

【符号の説明】

【0049】

１０…機関本体
１１…シリンダヘッド
１２…シリンダブロック
１３…クランクケース
１４…吸気用カムシャフト
１４ａ…一端
１５…排気用カムシャフト
１５ａ…一端
１６…従動側スプロケット
１７…従動側スプロケット
１８…クランクシャフト
１８ａ…一端
１９…駆動側スプロケット
２０…タイミングチェーン
２１…チェーンカバー
３０…第１部材
３１…裏面
３２…表面
３３…挿通孔
３４…貫通孔
３５…囲繞部
３６…溝部
３６ａ…底壁
３６ｂ…側壁
３６ｃ…側壁
３７…締結孔
４０…第２部材
４１…裏面
４２…表面
４３…挿通孔
４４…取付孔
４５…筒部
５０…シール部材
６０…カラー
９１…可変バルブタイミング機構
９２…可変バルブタイミング機構
９３…モータ
９４…モータ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】