(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】物品受取り設備
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20231011BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20231011BHJP
B65G 1/08 20060101ALI20231011BHJP
B65G 11/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B65G47/46 E
B65G1/137 E
B65G1/08 B
B65G11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020151434
(22)【出願日】2020-09-09
【審査請求日】2022-11-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.展示場所 株式会社ダイフク 「日に新た館」 展示開始日 令和2年2月17日 2.掲載アドレス https://www.robot-digest.com/ https://www.robot-digest.com/contents/?id=1591699203-955355 掲載年月日 令和2年6月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】木村 和誠
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】立見 文明
(72)【発明者】
【氏名】白石 徹
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-127520(JP,A)
【文献】特開2019-202856(JP,A)
【文献】特開平05-162813(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108116833(CN,A)
【文献】特開平01-291189(JP,A)
【文献】特開2019-042638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
B65G 1/137
B65G 1/08
B65G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離である段差距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の寸法である容器高さに応じた容器対応距離に設定され、
前記容器対応距離は、前記容器高さ以上の距離であって、前記容器高さの2倍以下の距離とされ
、
前記摺動面と前記支持面とが、同一の向きに傾斜している、物品受取り設備。
【請求項2】
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離である段差距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の寸法である容器高さに応じた容器対応距離に設定され、
前記容器対応距離は、前記容器高さ以上の距離であって、前記容器高さの2倍以下の距離とされ
、
上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記受取り部材は、前記摺動面の前記幅方向の両側において前記摺動面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である摺動側壁と、前記支持面の前記幅方向の両側において前記支持面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である支持側壁と、を備え、
前記支持側壁は、前記摺動側壁から前記排出方向に連続して形成された第2領域と、前記第2領域よりも前記排出方向第1側の領域であって前記第2領域から前記排出方向に連続して形成された第1領域と、を備え、
前記支持側壁の前記支持面直交方向の寸法を支持側壁高さとして、
前記第2領域における前記支持側壁高さが、前記容器高さよりも大きく、
前記第1領域は、前記第2領域との接続部分から前記排出方向第1側へ向かうに従って前記支持側壁高さが次第に小さくなるように形成され、規定位置よりも前記排出方向第1側では、前記支持側壁高さが、前記容器高さよりも小さい、物品受取り設備。
【請求項3】
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離である段差距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の寸法である容器高さに応じた容器対応距離に設定され、
前記容器対応距離は、前記容器高さ以上の距離であって、前記容器高さの2倍以下の距離とされ
、
上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記支持枠は、上下方向に沿って配置された複数の第1支柱及び複数の第2支柱と、水平方向に沿って配置された第1横桟及び第2横桟と、を備え、
複数の前記第1支柱は、前記排出方向の同じ位置において前記幅方向に間隔を空けて並んで配置され、
複数の前記第2支柱は、複数の前記第1支柱よりも前記排出方向第2側に配置されると共に、前記排出方向の同じ位置において前記幅方向に間隔を空けて並んで配置され、
前記第1横桟は、複数の前記第1支柱に支持され、
前記第2横桟は、前記第1横桟よりも前記排出方向第2側に配置されて、複数の前記第2支柱に支持され、
前記受取り部材は、前記第1横桟及び前記第2横桟によって下方から支持され、
前記第1支柱に、上下方向に並ぶ複数の支持箇所が設けられ、
前記第1横桟は、複数の前記支持箇所のうちから選択された何れかの前記支持箇所において前記第1支柱に支持されている、物品受取り設備。
【請求項4】
前記第1横桟は、丸棒状に形成されている、請求項
3に記載の物品受取り設備。
【請求項5】
前記第1横桟及び前記第2横桟は、前記幅方向に並ぶ複数の前記受取り部材を支持している、請求項
3又は
4に記載の物品受取り設備。
【請求項6】
上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記受取り部材は、前記摺動面の前記幅方向の両側において前記摺動面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である摺動側壁と、前記支持面の前記幅方向の両側において前記支持面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である支持側壁と、を備え、
前記支持側壁における前記摺動側壁から前記排出方向に連続して形成された領域を含む少なくとも一部の領域が、前記容器高さよりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品受取り設備。
【請求項7】
前記段差距離は、前記容器高さ以上であって前記容器高さの2倍以下の距離である、請求項1
から6のいずれか一項に記載の物品受取り設備。
【請求項8】
前記支持面が、前記排出方向第1側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜している、請求項1
から7のいずれか一項に記載の物品受取り設備。
【請求項9】
前記受取り部材は、前記容器の前記底面よりも前記排出方向第1側において前記支持面から上方へ向かって立ち上がるように形成された立上り部を更に備える、請求項1から
8のいずれか一項に記載の物品受取り設備。
【請求項10】
前記立上り部が、上方へ向かうに従って前記排出方向第1側へ向かうように傾斜している、請求項
9に記載の物品受取り設備。
【請求項11】
前記受取り部材の前記排出方向の全長が、1000mm以上の長さに設定されている、請求項1から
10のいずれか一項に記載の物品受取り設備。
【請求項12】
上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記幅方向に沿う軸心周りに回転する複数のローラが、前記摺動面に沿って配列されている、請求項1から
11のいずれか一項に記載の物品受取り設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品仕分け装置により仕分けられた物品を受け取る物品受取り設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような設備の一例が、特開平05-069938号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された設備は、物品(2)を仕分ける物品仕分け装置(3)と、ベルトコンベヤにより構成され、物品仕分け装置(3)により仕分けられた物品(2)を受け取るシュート(7)と、を備えている。また、同文献の
図1に示すように、この設備には、物品(2)を収容するための容器(14)を載置する載置台が、シュート(7)とは別に設けられている。そして、シュート(7)の搬送方向下流端部に搬送された物品(2)は、作業員(20)によってシュート(7)から取り出されて容器(14)に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1に開示された設備では、容器(14)への物品(2)の収容が、作業員(20)の手作業により行われる。そのため、シュート(7)の搬送方向下流端部と容器(14)との高さの関係は、特に制限されず、同文献の
図1に示された例では、容器(14)は、シュート(7)の搬送方向下流端部に対して下方に離間した位置に配置されている。そのため、シュート(7)を流れてきた物品(2)を、作業者の手を介することなく容器(14)に収容できる構成とはなっていない。
【0006】
そこで、物品仕分け装置により仕分けられた物品を、作業者の手を介することなく容器に収容可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離である段差距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の寸法である容器高さに応じた容器対応距離に設定され、
前記容器対応距離は、前記容器高さ以上の距離であって、前記容器高さの2倍以下の距離とされ、
前記摺動面と前記支持面とが、同一の向きに傾斜している。
【0008】
その他の構成として、
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離である段差距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の寸法である容器高さに応じた容器対応距離に設定され、
前記容器対応距離は、前記容器高さ以上の距離であって、前記容器高さの2倍以下の距離とされ、
上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記受取り部材は、前記摺動面の前記幅方向の両側において前記摺動面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である摺動側壁と、前記支持面の前記幅方向の両側において前記支持面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である支持側壁と、を備え、
前記支持側壁は、前記摺動側壁から前記排出方向に連続して形成された第2領域と、前記第2領域よりも前記排出方向第1側の領域であって前記第2領域から前記排出方向に連続して形成された第1領域と、を備え、
前記支持側壁の前記支持面直交方向の寸法を支持側壁高さとして、
前記第2領域における前記支持側壁高さが、前記容器高さよりも大きく、
前記第1領域は、前記第2領域との接続部分から前記排出方向第1側へ向かうに従って前記支持側壁高さが次第に小さくなるように形成され、規定位置よりも前記排出方向第1側では、前記支持側壁高さが、前記容器高さよりも小さい。
【0009】
その他の構成として、
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離である段差距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の寸法である容器高さに応じた容器対応距離に設定され、
前記容器対応距離は、前記容器高さ以上の距離であって、前記容器高さの2倍以下の距離とされ、
上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記支持枠は、上下方向に沿って配置された複数の第1支柱及び複数の第2支柱と、水平方向に沿って配置された第1横桟及び第2横桟と、を備え、
複数の前記第1支柱は、前記排出方向の同じ位置において前記幅方向に間隔を空けて並んで配置され、
複数の前記第2支柱は、複数の前記第1支柱よりも前記排出方向第2側に配置されると共に、前記排出方向の同じ位置において前記幅方向に間隔を空けて並んで配置され、
前記第1横桟は、複数の前記第1支柱に支持され、
前記第2横桟は、前記第1横桟よりも前記排出方向第2側に配置されて、複数の前記第2支柱に支持され、
前記受取り部材は、前記第1横桟及び前記第2横桟によって下方から支持され、
前記第1支柱に、上下方向に並ぶ複数の支持箇所が設けられ、
前記第1横桟は、複数の前記支持箇所のうちから選択された何れかの前記支持箇所において前記第1支柱に支持されている。
【0010】
本構成によれば、物品仕分け装置により仕分けられて間口から排出された物品を、受取り部材の摺動面によって受け取ることができる。そして、摺動面は、間口から離れる側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜しており、且つ、連結部によって支持面と一体的に連結されている。そのため、物品仕分け装置の間口から排出された物品は、摺動面を摺動して支持面へ向かって移動する。支持面には、上面が開口部とされた箱状の容器が支持されているため、摺動面を摺動してきた物品は、当該摺動面の排出方向第1側の端部である摺動面第1端部を過ぎた後、容器の開口部からその内部に収容される。これにより、物品仕分け装置により仕分けられた物品を、作業者の手を介することなく容器に収容することができる。また、本構成によれば、摺動面第1端部と支持面との段差距離が、容器高さに応じた容器対応距離に設定されている。そのため、摺動面を摺動してきた物品が、摺動面第1端部から容器の内部に向かって落下する際の落差を小さく抑えることができるようになっている。従って、容器に収容される物品の損傷等が発生する可能性を低減することができる。
【0011】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】物品受取り設備を備えた仕分けシステムの斜視図
【
図2】物品受取り設備を備えた仕分けシステムの平面図
【
図4】物品受取り設備を備えた仕分けシステムの側面図
【
図8】その他の実施形態に係る受取り部材を示す側面図
【
図9】その他の実施形態に係る受取り部材を示す側面図
【
図10】その他の実施形態に係る受取り部材を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
物品受取り設備は、複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の間口のそれぞれから排出された物品を受け取る設備である。以下では、物品受取り設備が、上記のような物品仕分け装置を備えた仕分け(ソート)システムに適用された場合を例示して、物品受取り設備の実施形態について説明する。
【0014】
〔仕分けシステム〕
まず、
図1~
図4を参照して、仕分けシステムSSについて説明する。仕分けシステムSSは、例えば通信販売を行う事業者が保有する物流設備に備えられ、保管されている複数の物品Wの中から必要な物品Wを仕分けして出庫する。仕分けシステムSSは、例えば、不図示の自動倉庫に保管された複数の物品Wから必要な物品Wを仕分けして出庫する。
この場合、自動倉庫には、複数の物品Wが種別毎に箱に収容された状態で保管されている。そして、種別毎に箱に収容された複数の物品Wは、自動倉庫から自動で搬出され、不図示の物品ばらし部において個別の物品Wに分離される。その後、複数の物品Wのそれぞれが個別に搬送される。なお、「物品W」の概念には、例えば、食料品や生活用品などの各種商品、又は、工場の生産ライン等において用いられる仕掛品などが含まれる。すなわち、仕分け対象となる物品Wには様々な物が含まれる。
【0015】
本実施形態では、仕分けシステムSSは、物品Wを搬入する搬入装置3(
図2参照)と、搬入装置3から搬入された物品Wを仕分ける物品仕分け装置4と、物品仕分け装置4から物品Wを受け取る物品受取り設備100と、物品受取り設備100により受け取られた物品Wに対する作業が行われる作業エリア5と、を備えている。本実施形態に係る物品受取り設備100は、物品仕分け装置4と作業エリア5との間に設けられている。
【0016】
〔搬入装置〕
搬入装置3は、種別毎に箱に収容された状態で上記自動倉庫から搬出されると共に上記物品ばらし部において個別に分離された物品Wを、順次、物品仕分け装置4に搬入する。
図2に示す例では、搬入装置3は、コンベヤとして構成されている。
【0017】
〔物品仕分け装置〕
物品仕分け装置4は、搬入装置3から搬入された物品Wを仕分けるための装置である。
物品仕分け装置4は、複数の間口41を有し、複数の間口41のそれぞれから物品Wを排出して物品Wの仕分けを行う。
図3に示すように、本実施形態に係る物品仕分け装置4は、上下方向の高さが異なる複数段の間口41を有している。図示の例では、物品仕分け装置4は、複数段及び複数列からなる直交格子状配列の複数の間口41を有しており、物品Wをこれら複数の間口41のいずれかに仕分けして排出方向Xに排出する。
【0018】
物品仕分け装置4は、オーダー情報に基づいて、物品Wを複数の間口41のいずれかに仕分ける。本例では、物品仕分け装置4は、オーダー情報に基づいて決定された特定の間口41から物品Wを排出して物品受取り設備100に引き渡すことで、物品Wの仕分けを行う。なお、ここでのオーダー情報とは、例えば、出荷すべき物品W(単一種であっても良いし、複数種の組み合わせであっても良い。)の種別及び数量を指定したオーダー(ピッキングオーダー)を示す情報である。そして、物品仕分け装置4は、各オーダーによって指定された1つ以上の物品Wを、オーダー毎に異なる間口41に排出することで、物品Wの仕分けを行う。
【0019】
詳細な図示は省略するが、例えば、物品仕分け装置4は、物品Wを判別するための物品判別部を備えている。物品仕分け装置4は、物品判別部による判別結果に基づいて、物品Wを仕分ける。例えば、物品判別部は、物品Wを撮像するカメラを備えており、このカメラで取得された画像データに対する画像認識処理を行うことにより物品Wを判別するように構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、例えば、物品情報を記憶するICタグやバーコード等(記憶部)が物品Wに付されていると共に、物品判別部が、当該物品情報を読み取るリーダー(読取部)を備え、このリーダーにより読み取った物品情報に基づいて物品Wを判別するように構成されていても良い。
【0020】
本実施形態では、
図2~
図4に示すように、物品仕分け装置4は、レール42と、当該レール42に沿って移動する複数の搬送台車43と、を備えている。レール42は、間口41が設けられる複数段毎に、水平方向、詳細には、排出方向Xに対して上下方向視で直交する方向である幅方向Yに沿って設けられる水平部分を備えている。搬送台車43は、レール42の水平部分に沿って走行するように構成され、これにより、物品Wを幅方向Yに搬送する。また、レール42は、上下方向に延在すると共に、複数段毎に配置される水平部分を接続する上下部分を備えていても良い。この場合、搬送台車43は、レール42の上下部分に沿って昇降するように構成され、これにより、複数段毎に配置される水平部分のそれぞれに移動可能となる。この場合には、搬送台車43の数は、間口41が設けられる段数に制限されない。そのため、例えば、間口41が設けられる段数よりも少ない台数や多い台数の搬送台車43を配置することも可能である。なお、
図3に示す例では、7段の間口41に対して7台の搬送台車43が配置されている。但し、上記のような構成に限定されることなく、例えば、レール42は、水平方向に沿って配置されると共に最上段及び最下段の双方に配置された水平部分と、上下方向に沿って配置されると共に最上段及び最下段の双方の水平部分に連結して各列毎に配置される上下部分と、を備えていても良い。この場合、レール42を走行する搬送台車43は、物品Wを排出する対象となる間口41に対して、レール42の水平部分を走行することで当該間口41の配置列へ向かい、その後、レール42の上下部分を走行することで当該間口41の配置段へ向かう。これにより、搬送台車43は、目的の間口41に到着して当該間口41から物品Wを排出する。
物品Wの排出が終われば、搬送台車43は、再びレール42の上下部分を走行すると共に、当該上下部分に連結された水平方向を走行して間口41から退避する。
【0021】
本実施形態では、搬送台車43のそれぞれは、物品Wを下方から支持すると共に当該物品Wを間口41から排出する排出コンベヤ44を備えている。排出コンベヤ44は、搬送台車43の走行経路から排出方向Xに物品Wを移動させる。排出コンベヤ44によって排出方向Xに排出された物品Wは、物品受取り設備100によって受け取られる。
【0022】
〔作業エリア〕
作業エリア5は、物品受取り設備100により受け取られた物品Wに対する作業が行われるエリアである。作業エリア5は、排出方向Xにおいて、物品受取り設備100を挟んで物品仕分け装置4とは反対側に設けられている。
【0023】
作業エリア5は、物品Wに対する作業を行う作業者や作業ロボット等が配置されるように構成されている。本実施形態では、作業エリア5には、作業者8が配置されており、作業者8によって物品Wに対する作業が行われる。
【0024】
物品Wに対する作業には、物品受取り設備100により受け取られた物品Wの確認、ピッキング、梱包など、様々な作業が含まれる。本実施形態では、物品受取り設備100には、複数の物品Wを収容可能な容器9が配置されており、容器9には、上述したオーダーに基づく複数又は単数の物品Wが収容される。本実施形態では、作業エリア5では、物品受取り設備100に配置された容器9を取り出す作業、より詳細には後述する支持面11に支持された容器9を取り出す作業が、作業者8によって行われる。
【0025】
〔物品受取り設備〕
次に、本開示に係る物品受取り設備100の構成について詳細に説明する。
【0026】
以下では、物品仕分け装置4の間口41から物品Wが排出される方向を排出方向Xとし、排出方向Xに沿って間口41から離れる側を排出方向第1側X1とし、排出方向Xに沿って間口41に接近する側を排出方向第2側X2とする。また、上下方向に沿う上下方向視で排出方向Xに直交する方向を幅方向Yとする。
【0027】
図1及び
図4に示すように、物品受取り設備100は、複数の間口41のそれぞれに対応して配置された受取り部材1と、複数の受取り部材1を支持する支持枠2と、を備えている。本実施形態では、上下方向に複数並んで配置された間口41のそれぞれに対応して、受取り部材1が上下方向に複数並んで配置されている。また、幅方向Yに複数並んで配置された間口41のそれぞれに対応して、受取り部材1が幅方向Yに並んで配置されている。すなわち本例では、複数段及び複数列からなる直交格子状配列の複数の間口41のそれぞれに対応して、受取り部材1が配置されている。なお、受取り部材1は、物品仕分け装置4が備える全ての間口41のうち、物品Wの排出箇所として設定されている複数の間口41のそれぞれに対応して配置されていれば良い。すなわち、物品仕分け装置4が備える全ての間口41のうち、一部の間口41を物品Wの排出箇所として設定し、当該一部の間口41のみに受取り部材1が配置され、それ以外の間口には受取り部材1が配置されない構成としても良い。また、物品Wの排出箇所に合わせて、間口41の数自体が適宜変更される構成であっても良い。
【0028】
本実施形態では、支持枠2は、上下方向に沿って配置された複数の第1支柱21及び複数の第2支柱22と、水平方向に沿って配置された第1横桟23及び第2横桟24と、を備えている。受取り部材1は、第1横桟23及び第2横桟24によって下方から支持されている。本実施形態では、第1横桟23及び第2横桟24は、幅方向Yに並ぶ複数の受取り部材1を支持している(
図1参照)。
【0029】
複数の第1支柱21は、排出方向Xの同じ位置において幅方向Yに間隔を空けて並んで配置されている。複数の第2支柱22は、複数の第1支柱21よりも排出方向第2側X2に配置されると共に、排出方向Xの同じ位置において幅方向Yに間隔を空けて並んで配置されている。本例では、幅方向Yに並ぶ複数の第1支柱21のそれぞれに対して幅方向Yの同じ位置に、第2支柱22が配置されている。
【0030】
図4に示すように、第1横桟23は、複数の第1支柱21に支持されている。第1支柱21には、第1横桟23を支持するための第1支持箇所S1が設けられている。本例では、第1支柱21に、上下方向に並ぶ複数の第1支持箇所S1が設けられている。なお、本実施形態では、第1支持箇所S1が「支持箇所」に相当する。
【0031】
本実施形態では、複数の第1支柱21のそれぞれには、第1横桟23を支持するための第1支持ブラケット211が設けられている。上述の第1支持箇所S1は、第1支持ブラケット211に設けられている。本例では、第1支持ブラケット211は、第1支柱21における排出方向第1側X1の部分よりも排出方向第1側X1に突出するように設けられている。また、第1支持ブラケット211は、板状部材により構成されており、板面が幅方向Yに向くように第1支柱21に設けられている。
【0032】
本実施形態では、第1支持ブラケット211には、当該第1支持ブラケット211における排出方向第1側X1の端部から排出方向第2側X2に窪むように切り欠かれた第1切欠部211aが形成されている。第1横桟23は、この第1切欠部211aによって支持されている。このような構成により、第1横桟23を第1切欠部211aに対して排出方向第1側X1から挿入して引っ掛けることで、第1切欠部211aによる第1横桟23の支持を容易に実現できる。本実施形態では、第1支持ブラケット211における第1切欠部211aが、第1横桟23を支持する第1支持箇所S1として機能している。
【0033】
本実施形態では、1つの第1横桟23に対して複数の第1切欠部211a(第1支持箇所S1)が上下方向に並んで設けられている。換言すれば、第1切欠部211a(第1支持箇所S1)は、1つの受取り部材1に対応する上下方向の規定領域内において、上下方向に並んで複数設けられている。図示の例では、3つの第1切欠部211a(第1支持箇所S1)が、1つの受取り部材1に対応する上下方向の規定領域内に設けられている。
【0034】
第2横桟24は、第1横桟23よりも排出方向第2側X2に配置されて、複数の第2支柱22に支持されている。第2支柱22には、第2横桟24を支持するための第2支持箇所S2が設けられている。
【0035】
本実施形態では、複数の第2支柱22のそれぞれには、第2横桟24を支持するための第2支持ブラケット221が設けられている。上述の第2支持箇所S2は、第2支持ブラケット221に設けられている。本例では、第2支持ブラケット221は、第2支柱22における排出方向第2側X2の部分よりも排出方向第2側X2に突出するように設けられている。また、第2支持ブラケット221は、板状部材により構成されており、板面が幅方向Yに向くように第2支柱22に設けられている。
【0036】
本実施形態では、第2支持ブラケット221には、当該第2支持ブラケット221における排出方向第2側X2の端部から排出方向第2側X2に突出する第2突出部221aが形成されている。第2横桟24は、この第2突出部221aによって支持されている。このような構成により、第2横桟24を第2突出部221aに対して排出方向第2側X2から引っ掛けることで、第2突出部221aによる第2横桟24の支持を容易に実現できる。本実施形態では、第2支持ブラケット221における第2突出部221aが、第2横桟24を支持する第2支持箇所S2として機能している。
【0037】
本実施形態では、第2突出部221a(第2支持箇所S2)は、間口41の上下方向の位置に対応して設けられている。具体的には、第2横桟24に支持された受取り部材1における排出方向第2側X2の端部(詳細には、後述する摺動面12における摺動面第2端部122)が、間口41の下端部に対して隣接して配置されるように、第2突出部221a(第2支持箇所S2)が設けられている。
【0038】
図5及び
図6に示すように、受取り部材1は、間口41(
図4等参照)から排出された物品Wがその上を摺動する摺動面12と、摺動面12を摺動してきた物品Wが収容される容器9を支持する支持面11と、摺動面12と支持面11とを一体的に連結する連結部13と、を備えている。
【0039】
上述の支持枠2は、摺動面12の排出方向第2側X2の端部である摺動面第2端部122が間口41の下端部に隣接して配置されるように受取り部材1を支持している。本実施形態では、摺動面第2端部122に対して排出方向第2側X2に連続してガイド部17が設けられており、ガイド部17と間口41とが接続されている(
図4参照)。すなわち本例では、間口41から排出された物品Wは、ガイド部17を通過して摺動面12へ移動する。
【0040】
摺動面12は、摺動面第2端部122から排出方向第1側X1の端部である摺動面第1端部121へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされている。説明を加えると、摺動面12は、受取り部材1が支持枠2に支持された状態において、摺動面第2端部122から摺動面第1端部121へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜して配置されている。すなわち、摺動面12の傾斜状態は、受取り部材1が支持枠2に支持された状態において実現される。このような構成により、間口41から排出された物品Wは、摺動面12を排出方向第1側X1に沿って摺動する。本例では、摺動面12は、平面状に形成されている。
【0041】
支持面11は、容器9の容器底面94(「底面」に相当)を支持する面である。支持面11は、摺動面12に対して排出方向第1側X1に配置されていると共に摺動面第1端部121よりも下方に配置されている。これにより、摺動面12を排出方向第1側X1に向けて摺動する物品Wが、支持面11の側に向かって移動するようになっている。
【0042】
ここで、容器9は、上面が開口部90とされた箱状に形成されている。本実施形態では、容器9は、開口部90により上面が開放した直方体状に形成されている。容器9は、支持面11に支持されている状態において、排出方向第1側X1を向く容器前面91と、排出方向第2側X2を向く容器後面92と、幅方向Yを向く一対の容器側面93と、容器底面94と、を有している。
【0043】
図6に示すように、支持面11に直交する方向を支持面直交方向Cとして、摺動面第1端部121と支持面11との支持面直交方向Cの距離である段差距離Lが、容器9の開口部90から容器底面94までの支持面直交方向Cの寸法である容器高さ9Hに応じた容器対応距離に設定されている。換言すれば、段差距離Lが、容器高さ9H以上の距離となるように設定されている。これにより、摺動面12を摺動してきた物品Wが、当該摺動面12の摺動面第1端部121を過ぎた後、容器後面92に妨げられることなく、容器9の開口部90からその内部に収容される。そのため、物品仕分け装置4(
図4等参照)により仕分けられた物品Wを、作業者8の手を介することなく容器9に収容することが可能となっている。また、段差距離Lは、容器高さ9Hに応じた容器対応距離に設定されている。
そのため、摺動面12を摺動してきた物品Wが、摺動面第1端部121から容器9の内部に向かって落下する際の落差を小さく抑えることができるように、段差距離Lを設定することができる。従って、容器9に収容される物品Wの損傷等が発生する可能性を低減することができる。本実施形態では、段差距離Lは、容器高さ9H以上であって容器高さ9Hの2倍以下の距離とされている。これにより、段差距離Lが、容器高さ9Hに合わせた容器対応距離に適切に設定され、摺動面12を摺動してきた物品Wが摺動面第1端部121から容器9の内部に向かって落下する際の落差を小さく抑えることができる。段差距離Lは、容器高さ9Hの1.5倍以下の距離とされていると好ましい。より好ましくは、段差距離Lは、容器高さ9Hの1.2倍以下の距離であると良い。
【0044】
本実施形態では、支持面11は、排出方向第1側X1へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜している。詳細には、支持面11は、排出方向第2側X2の端部である支持面第2端部112から排出方向第1側X1の端部である支持面第1端部111へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされている。説明を加えると、支持面11は、受取り部材1が支持枠2に支持された状態において、支持面第2端部112から支持面第1端部111へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜して配置されている。すなわち、支持面11の傾斜状態は、受取り部材1が支持枠2に支持された状態において実現される。このような構成により、支持面11に支持された容器9の上面に形成された開口部90が、上方かつ排出方向第1側X1を向くようになっている。そのため、
図4に示すように、受取り部材1よりも排出方向第1側X1に設けられた作業エリア5において、作業者8が、容器9内の物品Wを確認したり、容器9又は容器9内の物品Wを取り出したりし易くなっている。本例では、
図6に示すように、支持面11の水平面に対する傾斜角度は、摺動面12の水平面に対する傾斜角度と同等となっている。但し、両者の傾斜角度は異なっていても良い。
【0045】
図5に示すように、本実施形態では、受取り部材1は、容器9の容器底面94よりも排出方向第1側X1において支持面11から上方へ向かって立ち上がるように形成された立上り部14を更に備えている。本例では、立上り部14は、容器9が支持面11に支持された状態において、容器前面91に対して排出方向第1側X1から接触するように構成されている。また、立上り部14の上端から支持面11までの支持面直交方向Cの寸法は、容器高さ9Hよりも小さく設定されている。上記の構成により、支持面11に支持される容器9の排出方向Xの位置決めを適切に行うことができると共に、容器9を支持面11から取り出す場合に立上り部14が妨げとならないようにできる。また、例えば作業ミス等によって容器9が支持面11に載置されていない状態で間口41から物品Wが排出されてきた場合であっても、立上り部14によって物品Wを受け止めることができるため、物品Wが受取り部材1よりも排出方向第1側X1へ落下する可能性を低減することができる。
【0046】
本実施形態では、立上り部14は、支持面11における支持面第1端部111に配置されている。また、立上り部14は、支持面11の幅方向Yの存在領域の全体に亘って形成されている。本例では、立上り部14は、支持面直交方向Cに対して平行に延在するように形成されている。換言すれば、立上り部14は、支持面11から支持面直交方向Cに沿って立ち上がるように形成されている。
【0047】
図5及び
図6に示すように、本実施形態では、受取り部材1は、摺動面12の幅方向Yの両側において摺動面12よりも上方に突出すると共に排出方向Xに沿って配置された側壁である摺動側壁15と、支持面11の幅方向Yの両側において支持面11よりも上方に突出すると共に排出方向Xに沿って配置された側壁である支持側壁16と、を備えている。本実施形態では、摺動側壁15は、支持側壁16に対して排出方向第2側X2において支持側壁16に連続して形成されている。また、支持側壁16は、摺動側壁15に対して排出方向第1側X1において摺動側壁15に連続して形成されている。
【0048】
本実施形態では、摺動側壁15の上端部が摺動面12よりも上方に配置され、摺動側壁15の下端部が摺動面12よりも下方に配置されている。換言すれば、摺動側壁15は、摺動面12に対して上方及び下方の双方に突出している。摺動側壁15が、摺動面12に対して上方に突出しているため、摺動面12を摺動する物品Wが摺動面12から幅方向Yの外側に落下することを抑制できる。そして、この摺動側壁15によって、摺動面12を摺動する物品Wを、排出方向Xに沿って移動させるように適切に案内することができる。
本例では、摺動側壁15における摺動面12よりも下方に突出した部分に、切欠部15aが形成されている。切欠部15aは、摺動側壁15の下端部から上方に窪むように切り欠かれて形成されている。切欠部15aは、摺動面12に対して幅方向Yの両側に配置された一対の摺動側壁15のそれぞれに設けられている。一対の切欠部15aは、排出方向Xにおける同じ位置に配置されている。本例では、一対の切欠部15aに対して、幅方向Yに沿う姿勢の第2横桟24が係止される。これにより、受取り部材1が、排出方向Xにおける摺動面12の存在範囲において、第2横桟24によって下方から支持される。
【0049】
本実施形態では、支持側壁16は、摺動側壁15から排出方向第1側X1に連続して形成された第2領域162と、第2領域162よりも排出方向第1側X1の領域であって第2領域162から排出方向Xに連続して形成された第1領域161と、を備えている。
【0050】
支持側壁16の支持面直交方向Cの寸法を支持側壁高さ16Hとして、本実施形態では、第2領域162における支持側壁高さ16Hが、容器高さ9Hよりも大きい。これにより、摺動面12の摺動面第1端部121を過ぎた後の物品Wを、支持側壁16の第2領域162によって排出方向Xに沿って適切に案内することができる。従って、物品Wを幅方向Yの外側にはみ出させることなく、適切に容器9に収容することができる。
【0051】
本実施形態では、第1領域161は、第2領域162との接続部分から排出方向第1側X1へ向かうに従って支持側壁高さ16Hが次第に小さくなるように形成され、規定位置Psよりも排出方向第1側X1では、支持側壁高さ16Hが、容器高さ9Hよりも小さい。本例では、支持側壁16における第1領域161の支持側壁高さ16Hが、排出方向第1側X1へ向かうに従って一定の割合で小さくなっている。換言すれば、支持面11からの支持側壁高さ16Hが小さくなり始める排出方向Xの位置が、第1領域161と第2領域162との境界Bに相当する。そして、支持側壁16における第1領域161の上端は、幅方向Y視において、概ね直線状を成すように排出方向第1側X1へ向かうに従って支持面11に近づくように傾斜する傾斜部分を有している。上記のような構成により、支持面11に支持された容器9は、幅方向Yに沿う幅方向Y視において支持側壁16から露出した露出部分9eを有する(
図6参照)。露出部分9eは容器側面93の一部である。この構成により、作業者8が、支持面11に支持された容器9の露出部分9eを把持することが容易となり、容器9の取出しを行い易くなっている。
【0052】
図6に示すように、規定位置Psは、支持側壁高さ16Hと容器高さ9Hとが同じとなる排出方向Xの位置であり、幅方向Y視において、支持側壁16の上端と容器9の上端とが交差する位置である。規定位置Psよりも排出方向第2側X2では、支持側壁高さ16Hは、容器高さ9Hよりも大きくなっている。規定位置Psよりも排出方向第1側X1では、支持側壁高さ16Hは、容器高さ9Hよりも小さくなっている。
【0053】
規定位置Psは、支持側壁16の形状に応じて排出方向Xの任意の位置に設定可能である。本例では、第2領域162と第1領域161との境界Bから規定位置Psまでの排出方向Xの距離が、支持側壁16の排出方向第1側X1の端部から規定位置Psまでの排出方向Xの距離よりも短くなるように、規定位置Psが設定されている。
図6には、規定位置Psにおける支持側壁高さ16Hを、支持側壁規定高さ16Hsとして示しており、支持側壁規定高さ16Hsと容器高さ9Hとは互いに等しい。
【0054】
本実施形態では、支持側壁16の上端部が支持面11よりも上方に配置され、支持側壁16の下端部が支持面11よりも下方に配置されている。換言すれば、支持側壁16は、支持面11に対して上方及び下方の双方に突出している。支持側壁16が、支持面11に対して上方に突出しているため、支持面11に支持された容器9を幅方向Yに位置決めでき、容器9が支持面11から幅方向Yの外側に落下することを抑制することができる。本例では、支持側壁16における支持面11よりも下方に突出した部分に、支持面11と平行状となるように屈曲された屈曲部16aが形成されている。
図5に示す例では、屈曲部16aは、支持側壁16の下端から幅方向Yの内側に向けて直角に屈曲されて形成されている。屈曲部16aは、支持面11に対して幅方向Yの両側に配置された一対の支持側壁16それぞれの下端に設けられている。本例では、一対の屈曲部16aを下方から支持するように第1横桟23が配置される。すなわち、第1横桟23には、一対の屈曲部16aが載置されており、これにより、受取り部材1が、排出方向Xにおける支持面11の存在範囲において、第1横桟23によって下方から支持される。本実施形態では、一対の屈曲部16aは、排出方向Xに沿って延在するように形成されている。一対の屈曲部16aが、第1横桟23に載置されるように構成され、且つ、排出方向Xに沿って延在していることで、排出方向Xにおける第1横桟23が受取り部材1を支持する位置の自由度が高く確保されている。
【0055】
図5及び
図6に示すように、連結部13は、摺動面12と支持面11とを連結する部分である。ここでは、連結部13は、摺動面12における摺動面第1端部121と支持面11における支持面第2端部112とを連結している。
【0056】
本実施形態では、連結部13は、面状に形成された連結面13fを有している。本例では、連結面13fは、支持面11に対して直交するように形成されている。すなわち、連結面13fと支持面11との成す角が直角となっている。容器9は、支持面11に支持された状態で、連結面13f及び支持面11の双方に沿うように配置される。具体的には、容器9が支持面11に支持された状態で、連結面13fと容器後面92とが排出方向Xに対向していると共に、支持面11と容器底面94とが対向(接触)している。そして、本例では、連結面13fと容器後面92とは、互いに平行状となるように配置される。上記のような構成により、支持面11に支持された容器9の安定性を向上させることが可能となっている。
【0057】
以上説明したように、物品受取り設備100は、摺動面12の傾斜を利用することにより、摺動面12の上で物品Wを排出方向第1側X1へ摺動させて、支持面11に支持されている容器9の内部へ物品Wを収容するように構成されている。
【0058】
ここで、上述のように、第1支柱21には、上下方向に並ぶ複数の第1支持箇所S1が設けられており、第1支持箇所S1において第1横桟23が第1支柱21に支持される(
図4参照)。本実施形態では、
図7に示すように、第1横桟23は、複数の第1支持箇所S1のうちから選択された何れかの第1支持箇所S1において第1支柱21に支持されている。換言すれば、第1横桟23の支持位置として、上下方向に並ぶ複数の第1支持箇所S1のうちから何れかを選択可能となっている。これにより、第1横桟23が支持される上下方向の位置を変更することができる。そのため、受取り部材1における第1横桟23に支持される部分の上下方向の位置を変更することができ、ひいては、受取り部材1の全体の水平面に対する傾斜角度を変更することができる。例えば、物品Wが摺動面12を摺動し難いものである場合等には、受取り部材1の傾斜角度を大きくして、物品Wが摺動面12を適切に摺動できるようにすることができる。
【0059】
本実施形態では、受取り部材1は、第1横桟23が支持される第1支持箇所S1が変更されることで、第2横桟24まわりに旋回して、水平面に対する傾斜角度が変更されるように構成されている。本例では、第2横桟24は、丸棒状に形成されている。そのため、第2横桟24の軸心を中心とする受取り部材1の旋回を容易に行うことができる。また、本例では、第1横桟23についても、丸棒状に形成されている。これにより、第1横桟23は、受取り部材1の下面(本例では一対の屈曲部16aの下面)と点接触する状態で当該受取り部材1を支持することになる。そのため、第1横桟23の上下方向の位置(第1支持箇所S1の位置)の違いによって受取り部材1の傾斜角度が異なる場合であっても、第1横桟23による受取り部材1の支持の安定性にばらつきが生じにくい。
【0060】
以上のように、物品受取り設備100は、排出方向Xにおける物品仕分け装置4と作業エリア5との間に設けられており、物品仕分け装置4から排出された物品Wを容器9に収容する(
図4参照)。そして、作業エリア5の作業者8は、受取り部材1の支持面11に載置された容器9を取り出す作業などを行う。本実施形態では、
図4に示すように、受取り部材1の排出方向Xの全長が、人の腕の長さよりも長い。具体的には、受取り部材1の排出方向Xの全長は、1000mm以上、より好ましくは、1400mm以上に設定されると良い。これにより、作業エリア5において作業する作業者8の指先等が、物品仕分け装置4の間口41に届かないようにすることができる。従って、作業者8の体が物品仕分け装置4と干渉することを回避できる。
【0061】
〔その他の実施形態〕
次に、物品受取り設備のその他の実施形態について説明する。
【0062】
(1)上記において説明した段差距離Lは、容器9の容器高さ9Hに応じた容器対応距離に設定されるものであり、例えば
図8に示すように、容器9の容器高さ9Hが比較的大きいものである場合には、段差距離Lは、当該容器高さ9Hに応じて比較的大きくなるように設定される。この場合であっても、段差距離Lは、容器高さ9H以上の距離に設定される。
【0063】
(2)上記の実施形態では、立上り部14は、支持面直交方向Cに沿って立ち上がるように形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば
図9に示すように、立上り部14が、上方へ向かうに従って排出方向第1側X1へ向かうように傾斜して形成されていても良い。この構成によれば、受取り部材1よりも排出方向第1側X1に設けられた作業エリア5において、支持面11に支持された容器9を受取り部材1よりも排出方向第1側X1へ移動させながら取り出す作業を比較的容易に行うことができる。
【0064】
(3)上記の実施形態では、支持側壁16における第1領域161の上端が、幅方向Y視において、概ね直線状を成すように排出方向第1側X1へ向かうに従って支持面11に近づくように傾斜する傾斜部分を有している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、支持側壁16の上端の形状は適宜変更可能である。例えば
図10に示すように、支持側壁16における第1領域161の上端は、幅方向Y視において、排出方向第1側X1に向かって湾曲状に膨出する湾曲部分を有していても良い。
【0065】
(4)上記の実施形態では、受取り部材1が、摺動側壁15と支持側壁16との双方を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、受取り部材1は、摺動側壁15と支持側壁16とのうち一方または双方を備えない構成であっても良い。例えば、受取り部材1が、支持側壁16を備えない構成である場合には、支持側壁16に代えて、支持面11に支持された容器9の幅方向Yの位置決めを行う位置決め部を備えていると好適である。
【0066】
(5)上記の実施形態では、第1横桟23は、複数の第1支持箇所S1のうちから選択された何れかの第1支持箇所S1において第1支柱21に支持されており、第1支持箇所S1の選択によって受取り部材1の傾斜角度を変更可能である例について説明した。そして、このような構成により、物品Wが摺動面12を摺動し難いものである場合には、受取り部材1の傾斜角度を大きくして、物品Wが摺動面12を適切に摺動できるようにすることができる点について説明した。しかし、上記のような例に限定されることなく、受取り部材1は、支持枠2により傾斜角度が固定された状態で支持された構成でも良い。また、物品Wが摺動面12を適切に摺動できるようにするために、受取り部材1の傾斜角度を変更する以外にも様々な構成を採用することができる。例えば、摺動面12を摩擦抵抗が少ない超分子量ポリエチレン樹脂で構成しても良い。この構成によれば、受取り部材1の傾斜角度が小さい場合であっても、物品Wが摺動面12を適切に摺動できるようにすることができる。また、これに代えて、幅方向Yに沿う軸心周りに回転する複数のローラが、摺動面12に沿って配列されていても良い。この構成によれば、受取り部材1の傾斜角度が小さい場合であっても、摺動面12に設けられた複数のローラの回転を利用して、物品Wが摺動面12を適切に摺動できるようにすることができる。
【0067】
(6)上記の実施形態では、立上り部14が、支持面11における支持面第1端部111に配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、立上り部14は、支持面11における支持面第1端部111よりも排出方向第2側X2に配置されていても良い。
【0068】
(7)上記の実施形態では、支持側壁16の第2領域162と第1領域161との境界Bから規定位置Psまでの排出方向Xの距離が、支持側壁16の排出方向第1側X1の端部から規定位置Psまでの排出方向Xの距離よりも短くなるように、規定位置Psが設定されている例について説明した。しかし、これとは逆の関係となるように規定位置Psが設定されていても良い。すなわち、支持側壁16の第2領域162と第1領域161との境界Bから規定位置Psまでの排出方向Xの距離が、支持側壁16の排出方向第1側X1の端部から規定位置Psまでの排出方向Xの距離よりも長くなるように、規定位置Psが設定されていても良い。また、支持側壁16の第2領域162と第1領域161との境界Bから規定位置Psまでの排出方向Xの距離と、支持側壁16の排出方向第1側X1の端部から規定位置Psまでの排出方向Xの距離とが、同等となるように規定位置Psが設定されていても良い。或いは、容器9における排出方向Xの全域において、支持側壁高さ16Hが容器高さ9Hよりも大きくなるように、支持側壁16が構成されていても良い。
【0069】
(8)上記の実施形態では、摺動面12が、平面状に形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、摺動面12は、例えば、排出方向Xに沿う排出方向X視において、幅方向Yの中央部分が下方に窪む湾曲状に形成されていても良いし、或いは、幅方向Yの中央部が幅方向Yの両端部に比べて低くなるV字状または逆台形状に形成されていても良い。このような構成によれば、物品Wを、摺動面12における幅方向Yの中央側に寄せつつ排出方向第1側X1に向けて移動させることができる。
【0070】
(9)上記の実施形態では、連結部13における連結面13fと支持面11との成す角が、直角となっている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、連結面13fと支持面11との成す角は、鋭角または鈍角となっていても良い。
【0071】
(10)上記の実施形態では、連結部13が、摺動面12における摺動面第1端部121と支持面11における支持面第2端部112とを連結している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、連結部13は、摺動面12の一部と支持面11の一部とを連結するように構成されていれば良い。例えば、連結部13は、摺動面12における摺動面第1端部121よりも排出方向第2側X2の部分と支持面11とを連結するように構成されていても良い。この場合において、摺動面12が、連結部13よりも排出方向第1側X1に突出しており、当該突出した部分が、支持面直交方向Cに沿う支持面直交方向C視において、容器9及び支持面11と重複するように配置されていても良い。この構成によれば、摺動面12を摺動して摺動面第1端部121を通過した物品Wが、支持面11に支持された容器9に収容され易い構成を実現できる。
【0072】
(11)上記の実施形態では、連結部13が、面状に形成された連結面13fを有している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、連結部13は、摺動面12と支持面11とを連結するように構成されていれば良い。例えば、連結部13は、複数又は単数の棒状部材を有し、当該棒状部材によって摺動面12と支持面11を連結するように構成されていても良い。
【0073】
(12)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0074】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品受取り設備について説明する。
【0075】
複数の間口のそれぞれから物品を排出して物品の仕分けを行う物品仕分け装置に隣接して配置され、複数の前記間口のそれぞれから排出された前記物品を受け取る物品受取り設備であって、
複数の前記間口のそれぞれに対応して配置された受取り部材と、
複数の前記受取り部材を支持する支持枠と、を備え、
前記間口から前記物品が排出される方向を排出方向とし、前記排出方向に沿って前記間口から離れる側を排出方向第1側とし、前記排出方向に沿って前記間口に接近する側を排出方向第2側として、
前記受取り部材は、前記間口から排出された前記物品がその上を摺動する摺動面と、前記摺動面を摺動してきた前記物品が収容される容器を支持する支持面と、前記摺動面と前記支持面とを一体的に連結する連結部と、を備え、
前記支持枠は、前記摺動面の前記排出方向第2側の端部である摺動面第2端部が前記間口の下端部に隣接して配置されるように前記受取り部材を支持し、
前記摺動面は、前記摺動面第2端部から前記排出方向第1側の端部である摺動面第1端部へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した面とされ、
前記容器は、上面が開口部とされた箱状に形成され、
前記支持面は、前記摺動面に対して前記排出方向第1側に配置されていると共に前記摺動面第1端部よりも下方に配置され、前記容器の底面を支持する面であり、
前記支持面に直交する方向を支持面直交方向として、
前記摺動面第1端部と前記支持面との前記支持面直交方向の距離が、前記容器の前記開口部から前記底面までの前記支持面直交方向の距離よりも大きい。
【0076】
本構成によれば、物品仕分け装置により仕分けられて間口から排出された物品を、受取り部材の摺動面によって受け取ることができる。そして、摺動面は、間口から離れる側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜しており、且つ、連結部によって支持面と一体的に連結されている。そのため、物品仕分け装置の間口から排出された物品は、摺動面を摺動して支持面へ向かって移動する。支持面には、上面が開口部とされた箱状の容器が支持されているため、摺動面を摺動してきた物品は、当該摺動面の排出方向第1側の端部である摺動面第1端部を過ぎた後、容器の開口部からその内部に収容される。これにより、物品仕分け装置により仕分けられた物品を、作業者の手を介することなく容器に収容することができる。また、本構成によれば、摺動面第1端部と支持面との段差距離が、容器高さに応じた容器対応距離に設定されている。そのため、摺動面を摺動してきた物品が、摺動面第1端部から容器の内部に向かって落下する際の落差を小さく抑えることができるようになっている。従って、容器に収容される物品の損傷等が発生する可能性を低減することができる。
【0077】
ここで、前記段差距離は、前記容器高さ以上であって前記容器高さの2倍以下の距離である、と好適である。
【0078】
本構成によれば、段差距離が、容器高さに合わせた容器対応距離に適切に設定される。
従って、摺動面を摺動してきた物品が、摺動面第1端部から容器の内部に向かって落下する際の落差を小さく抑えることができる。
【0079】
また、前記支持面が、前記排出方向第1側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜している、と好適である。
【0080】
本構成によれば、例えば、受取り部材よりも排出方向第1側に作業者等が作業するための作業エリアが設けられている場合において、作業者等が、排出方向第1側から、容器に収容された物品を確認したり、容器又は容器内の物品を取り出したりし易い。特に、受け取り部材及び容器が上下方向に狭い空間に配置される場合や、複数の受取り部材が上下方向に狭い間隔で複数並んで配置されている場合などには、容器に収容された物品の確認や、容器又は容器内の物品の取り出しの容易性を確保し易くなる。
【0081】
また、上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記受取り部材は、前記摺動面の前記幅方向の両側において前記摺動面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である摺動側壁と、前記支持面の前記幅方向の両側において前記支持面よりも上方に突出すると共に前記排出方向に沿って配置された側壁である支持側壁と、を備え、
前記支持側壁は、前記摺動側壁から前記排出方向に連続して形成された第2領域と、前記第2領域よりも前記排出方向第1側の領域であって前記第2領域から前記排出方向に連続して形成された第1領域と、を備え、
前記支持側壁の前記支持面直交方向の寸法を支持側壁高さとして、
前記第2領域における前記支持側壁高さが、前記容器高さよりも大きく、
前記第1領域は、前記第2領域との接続部分から前記排出方向第1側へ向かうに従って前記支持側壁高さが次第に小さくなるように形成され、規定位置よりも前記排出方向第1側では、前記支持側壁高さが、前記容器高さよりも小さい、と好適である。
【0082】
本構成によれば、摺動面を摺動する物品を排出方向に沿って移動させるように摺動側壁により適切に案内することができる。また、支持側壁の第2領域における支持側壁高さが、容器高さよりも大きいため、摺動面の摺動面第1端部を過ぎた後の物品を、支持側壁の第2領域によって排出方向に沿って適切に案内することができる。従って、物品を幅方向の外側にはみ出させることなく、適切に容器に収容することができる。また、本構成によれば、支持側壁の第1領域における支持側壁高さが、規定位置よりも排出方向第1側において、容器高さよりも小さいため、幅方向視において、容器は支持側壁から露出する部分を有することになる。そのため、例えば、受取り部材よりも排出方向第1側に作業者等が作業するための作業エリアが設けられている場合において、作業者等が、支持面に支持された容器における上記露出した部分を把持することが容易となり、容器の取出しを行い易くなる。
【0083】
ここで、前記受取り部材は、前記容器の前記底面よりも前記排出方向第1側において前記支持面から上方へ向かって立ち上がるように形成された立上り部を更に備える、と好適である。
【0084】
本構成によれば、支持面に支持される容器の排出方向の位置決めを適切に行うことができる。また、作業ミス等によって容器が支持面に載置されていない状態で間口から物品が排出されてきた場合であっても、立上り部によって物品を受け止めることができるため、物品が受取り部材よりも排出方向第1側へ落下する可能性を低減することができる。
【0085】
また、前記受取り部材が前記立上り部を備えた構成において、
前記立上り部が、上方へ向かうに従って前記排出方向第1側へ向かうように傾斜している、と好適である。
【0086】
本構成によれば、立上り部を備えた構成であっても、支持面に支持された容器を受取り部材よりも排出方向第1側へ移動させながら取り出す作業を比較的容易に行うことができる。例えば、受取り部材よりも排出方向第1側に、作業者等が作業するための作業エリアが設けられている場合に好ましい。
【0087】
また、前記受取り部材の前記排出方向の全長が、人の腕の長さよりも長い、と好適である。
【0088】
本構成によれば、例えば、受取り部材よりも排出方向第1側に作業者等が作業するための作業エリアが設けられている場合において、作業エリアにおいて作業する作業者の指先等が、物品仕分け装置の間口に届かないようにすることができる。従って、作業者の体が物品仕分け装置と干渉することを回避できる。
【0089】
また、上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記支持枠は、上下方向に沿って配置された複数の第1支柱及び複数の第2支柱と、水平方向に沿って配置された第1横桟及び第2横桟と、を備え、
複数の前記第1支柱は、前記排出方向の同じ位置において前記幅方向に間隔を空けて並んで配置され、
複数の前記第2支柱は、複数の前記第1支柱よりも前記排出方向第2側に配置されると共に、前記排出方向の同じ位置において前記幅方向に間隔を空けて並んで配置され、
前記第1横桟は、複数の前記第1支柱に支持され、
前記第2横桟は、前記第1横桟よりも前記排出方向第2側に配置されて、複数の前記第2支柱に支持され、
前記受取り部材は、前記第1横桟及び前記第2横桟によって下方から支持され、
前記第1支柱に、上下方向に並ぶ複数の支持箇所が設けられ、
前記第1横桟は、複数の前記支持箇所のうちから選択された何れかの前記支持箇所において前記第1支柱に支持されている、と好適である。
【0090】
本構成によれば、受取り部材が、第1支柱及び第2支柱に支持された第1横桟及び第2横桟によって下方から支持される構成であるため、受取り部材の支持構造を簡素化し易い。また、第1横桟は、第1支柱に上下方向に並んで複数設けられた支持箇所のうちから選択された何れかの支持箇所において、当該第1支柱に支持される構成であり、第1横桟が第1支柱に支持される上下方向の位置を変更できるようになっている。そのため、第1横桟の上下方向の位置を変更することにより、受取り部材における第1横桟によって下方から支持される部分の上下方向の位置を変更でき、受取り部材の全体の水平面に対する傾斜角度を容易に変更することができる。これにより、例えば、物品が摺動面を摺動し難いものである場合等には、受取り部材の傾斜角度を大きくして、物品が摺動面を適切に摺動できるようにすることができる。また、この際、第1横桟よりも排出方向第2側、すなわち間口側に配置された第2横桟の上下方向の位置を変更しないことにより、摺動面の排出方向第2側の端部である摺動面第2端部の間口に対する高さの変動を小さく抑えることができる。よって、受取り部材の傾斜角度を変更した場合であっても、間口から排出された物品を摺動面により適切に受け取ることができる。
【0091】
また、前記支持枠が前記第1横桟及び前記第2横桟を備えた構成において、
前記第1横桟は、丸棒状に形成されている、と好適である。
【0092】
本構成によれば、第1横桟は、受取り部材と点接触する状態で当該受取り部材を支持することになる。そのため、第1横桟の上下方向の位置(支持箇所の位置)の違いによって受取り部材の傾斜角度が異なる場合であっても、第1横桟による受取り部材の支持の安定性にばらつきが生じにくい。
【0093】
また、前記支持枠が前記第1横桟及び前記第2横桟を備えた構成において、
前記第1横桟及び前記第2横桟は、前記幅方向に並ぶ複数の前記受取り部材を支持している、と好適である。
【0094】
本構成によれば、受取り部材が幅方向に複数並んで配置されている場合において、支持枠の構成を簡略化し、部品点数を少なく抑えることができる。
【0095】
また、上下方向に沿う上下方向視で前記排出方向に直交する方向を幅方向として、
前記幅方向に沿う軸心周りに回転する複数のローラが、前記摺動面に沿って配列されている、と好適である。
【0096】
本構成によれば、摺動面の傾斜角度を大きくしなくても摺動面において物品を摺動させ易くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示に係る技術は、物品仕分け装置により仕分けられた物品を受け取る物品受取り設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
100 :物品受取り設備
1 :受取り部材
11 :支持面
12 :摺動面
121 :摺動面第1端部
122 :摺動面第2端部
13 :連結部
14 :部
15 :摺動側壁
16 :支持側壁
16H :支持側壁高さ
161 :第1領域
162 :第2領域
2 :支持枠
21 :第1支柱
22 :第2支柱
23 :第1横桟
24 :第2横桟
S1 :第1支持箇所(支持箇所)
4 :物品仕分け装置
41 :間口
9 :容器
9H :容器高さ
90 :開口部
L :段差距離
Ps :規定位置
W :物品
X :排出方向
X1 :排出方向第1側
X2 :排出方向第2側
Y :幅方向
C :支持面直交方向