(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】触媒装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20231011BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20231011BHJP
F01N 3/20 20060101ALI20231011BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20231011BHJP
B01J 35/04 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
F01N3/28 301V
F01N3/24 N
F01N3/20 K
B01D53/94 300
B01D53/94 ZAB
B01J35/04 301F
(21)【出願番号】P 2020157332
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】沖 俊典
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-137552(JP,A)
【文献】特開2015-148204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/04-3/38
B01D 53/94
B01J 35/02
B01J 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気を浄化する触媒と、通電によって発熱して前記触媒を加熱する発熱体と、前記触媒および前記発熱体を収容する管であるケースと、前記ケース内に前記発熱体を固定する絶縁体としてのマットと、を有し、排気通路に配置される触媒装置であって、
前記排気通路を排気が流れる方向を排気方向として、前記排気方向の上流側における前記ケースの端部に接続されている管である接続管と、
前記排気方向の上流側における前記接続管の端部に接続されており、前記ケースの径よりも径が小さい管である導入管と、を備え、
前記排気方向の上流側における前記ケースの端部は、前記排気方向の上流側における前記発熱体の端よりも前記排気方向の上流側に突出しており、且つ電気を絶縁する絶縁部であり、
前記導入管と前記接続管との接続部分を第1接続部として、前記接続管と前記ケースとの接続部分を第2接続部とすると、
前記第1接続部は、前記接続管が前記導入管の外周面に接合されている第1接合部と、該第1接合部よりも前記排気方向の下流側において前記接続管が前記導入管の端部を覆うように重なって前記接続管と前記導入管とが径方向に離れていることで管が二重になっている二重管構造と、を有し、
前記第2接続部は、前記接続管が前記ケースの外周面に接合されている第2接合部を有し、
前記第1接続部と前記第2接続部との間は、前記ケースの内部に前記導入管が配置されており、前記導入管と前記ケースとが径方向に離れており、前記ケースと前記接続管とが径方向に離れていることで、管が三重になっている三重管構造を有
し、
前記排気方向の上流側における前記第2接合部の端は、前記排気方向の下流側における前記導入管の端よりも、前記排気方向の下流側に位置している
触媒装置。
【請求項2】
前記絶縁部は、前記ケースの端部が絶縁層によって覆われたものであり、
前記ケースの端部のうち前記排気方向における上流側の先端は、前記第1接続部と前記第2接続部との間における前記三重管構造の部分に位置している
請求項1に記載の触媒装置。
【請求項3】
前記導入管は、前記ケースの内部に挿し込まれている当該導入管の端部の径が前記排気方向の下流側ほど大きくなっている拡径部を備える
請求項1または2に記載の触媒装置。
【請求項4】
前記接続管は、前記第1接続部における当該接続管の径が前記排気方向の上流側ほど小さくなっている傾斜部を備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒装置。
【請求項5】
前記ケースは、前記導入管を覆う当該ケースの端部の径が前記排気方向の上流側ほど小さくなっている縮径部を備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱式の触媒を備える触媒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱体への通電によって触媒を加熱する電気加熱式の触媒が知られている。触媒は、触媒を収容する管状のケースに対して電気的に絶縁された状態で取り付けられている。こうした電気加熱式の触媒では、排気に含まれる粒子状物質または凝縮水が付着することによって触媒とケースとの短絡が生じると、ケースにも電気が流れ、触媒を加熱する効率が低下することがある。
【0003】
特許文献1には、触媒よりも排気の流れ方向における上流側において、管が二重になっている触媒装置が開示されている。二重になった管のうち内側に位置する内管の端部は、触媒が取り付けられている位置から上流側に向かって突出している。内管は、絶縁体によって成形されている。さらに、ケースは、内管の端部よりも上流側に、下流側に向けて突出して内管の端部を向いている導入部を備えている。特許文献1に開示されている触媒装置では、内管および導入部によって排気の流れを制御することで、ケースと内管との間への粒子状物質または凝縮水の付着を抑制して、触媒とケースとの短絡を抑制するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているような触媒装置でも、粒子状物質または凝縮水がケースと内管との間に入り込み内管の外周面に付着する余地がある。粒子状物質の付着および凝縮水の付着をより抑制して、触媒とケースとの短絡を抑制することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための触媒装置は、排気を浄化する触媒と、通電によって発熱して前記触媒を加熱する発熱体と、前記触媒および前記発熱体を収容する管であるケースと、前記ケース内に前記発熱体を固定する絶縁体としてのマットと、を有し、排気通路に配置される触媒装置であって、前記排気通路を排気が流れる方向を排気方向として、前記排気方向の上流側における前記ケースの端部に接続されている管である接続管と、前記排気方向の上流側における前記接続管の端部に接続されており、前記ケースの径よりも径が小さい管である導入管と、を備え、前記排気方向の上流側における前記ケースの端部は、前記排気方向の上流側における前記発熱体の端よりも前記排気方向の上流側に突出しており、且つ電気を絶縁する絶縁部であり、前記導入管と前記接続管との接続部分を第1接続部として、前記接続管と前記ケースとの接続部分を第2接続部とすると、前記第1接続部は、前記接続管が前記導入管の外周面に接合されている第1接合部と、該第1接合部よりも前記排気方向の下流側において前記接続管が前記導入管の端部を覆うように重なって前記接続管と前記導入管とが径方向に離れていることで管が二重になっている二重管構造と、を有し、前記第2接続部は、前記接続管が前記ケースの外周面に接合されている第2接合部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部との間は、前記ケースの内部に前記導入管が配置されており、前記導入管と前記ケースとが径方向に離れており、前記ケースと前記接続管とが径方向に離れていることで、管が三重になっている三重管構造を有することをその要旨とする。
【0007】
上記構成では、三重管構造を有するため、第2接続部におけるケースと接続管との間の部分に排気が到達する場合には、まず、ケースに流入した排気が上流側に流れの方向を変えて導入管とケースとの間を通過して、第1接続部の二重管構造に流入する。次に、さらに排気が下流側へと流れの方向を変えてケースと接続管との間に流れ込むことになる。このように、排気の流れの方向が反転を繰り返さない限りは第2接続部におけるケースと接続管との間の部分に排気が到達しない。すなわち、第2接続部におけるケースと接続管との間の部分には、排気が到達しにくい。このため、第2接続部におけるケースと接続管との間の部分には、排気に含まれる粒子状物質および凝縮水が溜まりにくい。これによって、絶縁部のうち径方向外側の面に粒子状物質が堆積することを抑制できる。絶縁部が粒子状物質によって覆われて電気が流れる経路が形成されることを抑制できるため、触媒とケースとの短絡を抑制できる。以下、排気に含まれる粒子状物質のことを「PM」ということもある。
【0008】
上記触媒装置の一例では、前記絶縁部は、前記ケースの端部が絶縁層によって覆われたものであり、前記ケースの端部のうち前記排気方向における上流側の先端は、前記第1接続部と前記第2接続部との間における前記三重管構造の部分に位置している。
【0009】
絶縁層によって覆われたケースの端部における先端に高温の排気が吹きつけられると、先端の温度が急激に上昇して先端から絶縁層の割れが引き起こされるおそれがある。
この点、上記構成によれば、ケースの端部における先端が三重管構造の部分に位置していることで、導入管からケースに流れ込む排気がケースの端部における先端に当たることを抑制できる。これによって、高温の排気が先端に直接吹き付けられることを抑制でき、先端の温度上昇を抑制できる。すなわち、絶縁層の割れを抑制することができ、絶縁部に電気が流れる経路が形成されることを抑制できる。
【0010】
上記触媒装置の一例では、前記導入管は、前記ケースの内部に挿し込まれている当該導入管の端部の径が前記排気方向の下流側ほど大きくなっている拡径部を備える。
上記構成によれば、導入管からケースに流入した排気が上流側に流れの方向を変えても、拡径部に排気が当たりやすくなる。排気が拡径部に当たることで導入管とケースとの間に排気が入り込みにくくなり、絶縁部のうち径方向外側の面まで排気が到達しにくくなる。これによって、絶縁部にPMおよび凝縮水が付着することによる短絡の発生を抑制できる。
【0011】
上記触媒装置の一例では、前記接続管は、前記第1接続部における当該接続管の径が前記排気方向の上流側ほど小さくなっている傾斜部を備える。
上記構成によれば、導入管とケースとの間を排気が通過したとしても、第1接続部の二重管構造の部分に流入した排気は、傾斜部に当たることで再び下流側に流れを変えようとする。このとき、導入管と接続管との間に新たに排気が流入してくると、下流側に流れを変えようとした排気が上流側に押し返される。これによって、第1接続部の二重管構造の部分で排気の渦を発生させることができ、排気が第2接続部におけるケースと接続管との間の部分に流入することを抑制できる。第2接続部におけるケースと接続管との間の部分に排気が到達しにくいことによって、絶縁部のうち径方向外側の面にPMが堆積することを抑制できる。
【0012】
上記触媒装置の一例では、前記ケースは、前記導入管を覆う当該ケースの端部の径が前記排気方向の上流側ほど小さくなっている縮径部を備える。
上記構成によれば、導入管からケースに流入した排気が上流側に流れの方向を変えても、縮径部に排気が当たりやすくなる。排気が縮径部に当たることで導入管とケースとの間を排気が通過しにくくなり、絶縁部のうち径方向外側の面まで排気が到達しにくくなる。これによって、絶縁部にPMおよび凝縮水が付着することによる短絡の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】触媒装置の一実施形態を備える内燃機関を示す模式図。
【
図3】同実施形態にかかる触媒装置に流れる排気を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、触媒装置の一実施形態について、
図1~
図3を参照して説明する。
図1は、触媒装置10と、触媒装置10を搭載する車両の内燃機関90と、を示す。内燃機関90の一例は、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンである。内燃機関90は、軽油を燃料とするディーゼルエンジンでもよい。内燃機関90は、燃焼室から排出された排気が流れる排気通路91を備えている。
図1には、燃焼室から排出された排気が排気通路91を通過して排気口から外部に排出される排気の流れの方向としての排気方向を矢印で表示している。触媒装置10は、排気通路91に配置されている。触媒装置10は、通電によって発熱する発熱体を備える電気加熱式の触媒装置である。
【0015】
図2には、触媒装置10の中心軸に沿った直線として軸線C1を表示している。軸線C1は、排気通路91の中心軸に沿った直線と一致している。触媒装置10の形状は、軸線C1に対して線対称である。また、
図2にも
図1と同様に排気方向を示す矢印を表示している。
【0016】
図2に示すように、触媒装置10は、排気を浄化するための触媒が担持されている触媒担体31を備えている。触媒装置10は、触媒担体31を収容する管であるケース20を備えている。触媒装置10は、ケース20における収容部21に触媒担体31を固定するマット32を備えている。触媒装置10は、触媒担体31に通電するための電極81を一対備えている。
図2には、一対の電極81のうちの一方を図示している。触媒装置10は、排気通路91を流れる排気をケース20内に導入する管である導入管40を備えている。触媒装置10は、導入管40とケース20とを連結する接続管50を備えている。以下では、触媒装置10に関して、排気方向の上流側の構成について説明する。排気方向の下流側の構成については、上流側の構成と対称であってもよいし、触媒担体31を収容するケース20による一重管構造でもよい。
【0017】
触媒担体31の外形は、軸線C1を中心軸とした円柱形状である。軸線C1に直交する平面における触媒担体31の断面の輪郭は、円形である。触媒担体31の外形としては、断面の輪郭が楕円形である円柱形状でもよいし、断面の輪郭が多角形である角柱形状でもよい。
【0018】
触媒担体31は、多孔質体である。一例として、触媒担体31は、排気方向に延びる複数の通路が区画されているハニカム構造を備えた構造体である。触媒担体31に担持されている触媒の一例は、三元触媒である。触媒としては、酸化触媒、または選択還元触媒等を採用することもできる。
【0019】
図2に示すように、触媒担体31には、電極81が接続されている。一対の電極81間に電圧をかけることによって触媒担体31に電流が流れる。触媒担体31に電流が流れると、触媒担体31の電気抵抗によって触媒担体31が発熱する。すなわち、触媒担体31は、通電に際して電気抵抗に応じて発熱する物質であり、通電によって発熱する発熱体に相当する。触媒担体31の一例は、炭化ケイ素を材料とするセラミックスである。なお、発熱体は、触媒担体31とは異なる部材によって構成されていてもよい。たとえば、電極81が接続された発熱体が、触媒担体31に対して排気方向の上流側における部分に配置されている構成が考えられる。
【0020】
マット32は、触媒担体31における円柱の側面に相当する面を覆っている。マット32は、電気伝導率が小さい絶縁体である。マット32の一例は、アルミナを主成分とする無機繊維である。マット32は、触媒担体31とケース20との間に挟まれている。マット32を触媒担体31に巻き付けた状態の触媒担体31およびマット32の外径は、ケース20における収容部21の内径よりも大きい。マット32が収容部21に収容される際には、マット32が圧縮される。圧縮されたマット32の反発によってケース20における収容部21内に触媒担体31が固定されている。マット32によって触媒担体31が覆われていることで、触媒担体31に通電したときにケース20には電気が流れないようにされている。なお、マット32は、触媒担体31とケース20とを絶縁していればよい。すなわち、必ずしも触媒担体31における側面の全体がマット32によって覆われていなくてよい。
【0021】
ケース20は、ステンレス等の金属を材料として成形されている管である。軸線C1は、ケース20の中心軸に沿った直線に一致している。
図2に示すように、ケース20は、収容部21と、収容部21に対して排気方向の上流側に位置する端部22と、を備えている。ケース20に収容されている触媒担体31において排気方向における上流側の端面のことを触媒上流端31Aという。ケース20のうち、触媒上流端31Aを境にした上流側の部分を端部22として下流側の部分を収容部21とする。軸線C1から収容部21の内周面までの距離を収容部21の内径とする。収容部21の内径は、軸線C1が伸びている方向における収容部21の一端から他端に亘って一定である。ケース20の端部22は、触媒上流端31Aよりも排気方向の上流側に突出している。ケース20の端部22は、絶縁体によって表面が覆われている。端部22の全面を被覆している絶縁体によって端部22に絶縁層が形成されている。ケース20の端部22は、絶縁部である。
【0022】
ケース20の収容部21には、電極81が挿入される電極挿入孔26が開口している。電極挿入孔26を介して、触媒担体31に接続されている電極81がケース20の外に突出している。電極挿入孔26は、電極保持部82によって閉塞されている。電極保持部82は、電極挿入孔26に挿入されている電極81を固定している。電極保持部82は、電気伝導率が小さい絶縁体である。電極保持部82が電極81を支えていることで、ケース20に電気が流れないようにされている。
【0023】
ケース20の端部22は、ケース20のうち排気方向の上流側の端に位置する縮径部24と、縮径部24と収容部21との間に位置して縮径部24と収容部21とを繋ぐ等径部23とを備えている。軸線C1から等径部23の内周面までの距離を等径部23の内径とする。等径部23の内径は、軸線C1が伸びている方向における等径部23の一端から他端に亘って一定である。等径部23の内径は、収容部21の内径と等しい。
【0024】
図2に示すように、ケース20の端部22のうち縮径部24では、排気方向の上流側ほど軸線C1までの距離が短くなるように、管が徐々に細くなっている。すなわち、縮径部24の内径は、排気方向の上流側ほど小さい。ケース20では、排気方向の上流側における開口、すなわち縮径部24のうち排気方向の上流側における先端に位置するケース開口25において、内径が最も小さくなっている。
【0025】
ケース20の端部22における管の肉厚は、軸線C1が伸びている方向における端部22の一端から他端に亘って一定である。端部22の肉厚は、一定であることに限らない。たとえば、縮径部24の肉厚が排気方向の上流側ほど小さくなっていてもよい。
【0026】
図2に示すような触媒装置10の中心軸に沿った断面において、縮径部24における内周面は、排気方向の上流側であるほど軸線C1までの距離が短くなるように、軸線C1に対して傾斜している。縮径部24における外周面も同様に、排気方向の上流側であるほど軸線C1までの距離が短くなるように、軸線C1に対して傾斜している。なお、縮径部24は、
図2に示すような断面において、排気方向の上流側であるほど軸線C1までの距離が短くなるように湾曲していてもよい。
【0027】
図2に示すように、導入管40は、ケース20よりも細い管である。軸線C1は、導入管40の中心軸に沿った直線に一致している。導入管40は、ステンレス等の金属を材料として成形されている。導入管40は、ケース開口25からケース20に挿入されている。より詳しくは、導入管40における排気方向の下流側の端部である導入端部41がケース20の端部22に挿し込まれている。導入管40の中心軸は、ケース20の中心軸と重なっている。
【0028】
導入管40の導入端部41は、拡径部42を備えている。拡径部42は、排気方向の下流側ほど軸線C1までの距離が長くなるように、管が徐々に太くなっている。すなわち、拡径部42の内径は、排気方向の下流側ほど大きい。導入管40では、排気方向の下流側における開口、すなわち拡径部42のうち排気方向の下流側における先端に位置する導入口43において、内径が最も大きくなっている。
【0029】
導入管40の拡径部42における管の肉厚は、軸線C1が伸びている方向における拡径部42の一端から他端に亘って一定である。拡径部42の肉厚は、一定であることに限らない。たとえば、拡径部42の肉厚が排気方向の上流側ほど小さくなっていてもよい。
【0030】
図2に示すような触媒装置10の中心軸に沿った断面において、拡径部42における内周面は、排気方向の下流側であるほど軸線C1までの距離が長くなるように、軸線C1に対して傾斜している。拡径部42における外周面も同様に、排気方向の下流側であるほど軸線C1までの距離が長くなるように、軸線C1に対して傾斜している。なお、拡径部42は、
図2に示すような断面において、排気方向の下流側であるほど軸線C1までの距離が長くなるように湾曲していてもよい。
【0031】
導入管40の外周面40Aと、ケース20の端部22における内周面22Bとは、触媒装置10の径方向において離れている。導入管40とケース20との間には、排気が通過できる空間がある。なお、
図2には、触媒装置10の径方向を示す矢印を表示している。以下では、軸線C1との間の距離が長くなる方向のことを外方向といい、軸線C1との間の距離が短くなる方向のことを内方向ということもある。
【0032】
図2に示すように、触媒装置10では、導入管40の拡径部42に対して外方向にケース20の縮径部24が位置するように、拡径部42と縮径部24とが重なっている。導入管40における拡径部42のうち軸線C1が伸びている方向において導入口43とは反対側の基端は、ケース20のケース開口25よりも排気方向の下流側に配置されている。拡径部42のうち外径が最も大きい箇所での外径は、縮径部24のうち内径が最も小さい箇所での内径よりも小さい。
【0033】
触媒装置10では、
図2に示すような触媒装置10の中心軸に沿った断面において、拡径部42の外周面と縮径部24の内周面とが平行である。径方向において拡径部42と縮径部24とが離れているのであれば、拡径部42の外周面は、必ずしも縮径部24の内周面と平行でなくてもよい。すなわち、拡径部42の外周面が軸線C1に対して傾斜している角度は変更が可能である。縮径部24の内周面が軸線C1に対して傾斜している角度も変更が可能である。
【0034】
図2に示すように、接続管50は、ケース20の端部22および導入管40の導入端部41を覆うように取り付けられている。軸線C1は、接続管50の中心軸に沿った直線に一致している。接続管50のうち排気方向の上流側における端に位置する上流端51が導入管40の外周面40Aに接合されている。触媒装置10において接続管50の上流端51と導入管40とが接合されている部分を第1接合部12という。接続管50のうち排気方向の下流側における端に位置する下流端55がケース20の端部22における外周面22Aに接合されている。触媒装置10において接続管50の下流端55とケース20とが接合されている部分を第2接合部14という。接続管50が導入管40およびケース20に接合されていることで、導入管40とケース20との間の空間に封がされている。
【0035】
接続管50は、ステンレス等の金属を材料として成形されている。接続管50は、導入管40に接合される上流端51を含む部材とケース20に接合される下流端55を含む部材とに分割されていてもよい。この場合には、二つの分割体を接合することで、接続管50によって導入管40とケース20とを接続することができる。また、接続管50は、ケース20の端部22および導入管40の導入端部41に対して周方向に巻き付けられ、一方の端と他方の端とが重なる部分で両端を互いに接合することで導入管40とケース20とを接続するものでもよい。
【0036】
接続管50は、上流端51を基点にして排気方向の下流側ほど軸線C1までの距離が長くなっている傾斜部52を備えている。傾斜部52の内周面は、径方向において導入管40の外周面とは離れている。傾斜部52の内周面は、導入管40の外周面よりも外方向にずれた位置にある。傾斜部52と導入管40との間には、排気が流れることのできる空間がある。傾斜部52は、ケース開口25と同一平面上においては、ケース20よりも外方向にずれた位置にある。
【0037】
接続管50は、下流端55を基点にして排気方向の上流側ほど軸線C1までの距離が長くなっている終端部54を備えている。終端部54の内周面は、径方向においてケース20の外周面とは離れている。終端部54の内周面は、ケース20の外周面よりも外方向にずれた位置にある。終端部54とケース20との間には、排気が流れることのできる空間がある。
【0038】
接続管50は、傾斜部52と終端部54との間に位置して傾斜部52と終端部54とを繋ぐ中間部53を備えている。中間部53の内径は、軸線C1が伸びている方向における中間部53の一端から他端に亘って一定である。中間部53の内周面は、径方向においてケース20の外周面とは離れている。中間部53の内周面は、ケース20の外周面よりも外方向にずれた位置にある。中間部53とケース20との間には、排気が流れることのできる空間がある。
【0039】
接続管50における傾斜部52と中間部53との境界は、ケース開口25よりも排気方向の下流側に配置されていてもよい。これに限らず、傾斜部52と中間部53との境界は、ケース開口25と同一平面上に配置されていてもよいし、ケース開口25よりも排気方向の上流側に配置されていてもよい。
【0040】
接続管50における中間部53と終端部54との境界は、導入口43よりも排気方向の下流側に配置されていてもよい。これに限らず、中間部53と終端部54との境界は、導入口43と同一平面上に配置されていてもよいし、導入口43よりも排気方向の上流側に配置されていてもよい。
【0041】
図2に示すような触媒装置10の中心軸に沿った断面において、傾斜部52の内周面は、排気方向の下流側であるほど軸線C1までの距離が長くなるように、軸線C1に対して傾斜している。終端部54の内周面は、排気方向の上流側であるほど軸線C1までの距離が長くなるように、軸線C1に対して傾斜している。中間部53の内周面は、軸線C1と平行である。
【0042】
触媒装置10では、接続管50のうち上流端51に近い部分が導入管40を覆うように重なっていることによって、管が二重になった二重管構造D1が形成されている。
図2に示すように、二重管構造D1は、第1接合部12からケース開口25までの範囲に形成されている。第1接合部12および二重管構造D1によって、導入管40と接続管50との接続部分である第1接続部11が構成されている。
【0043】
触媒装置10では、接続管50のうち下流端55に近い部分がケース20を覆うように重なっていることによって、管が二重になった二重管構造D2が形成されている。
図2に示すように、二重管構造D2は、第2接合部14から導入口43までの範囲に形成されている。第2接合部14および二重管構造D2によって、ケース20と接続管50との接続部分である第2接続部13が構成されている。
【0044】
さらに触媒装置10では、接続管50が導入端部41およびケース20の端部22を覆うように重なっていることによって、管が三重になった三重管構造T1が形成されている。三重管構造T1は、第1接続部11と第2接続部13との間に位置している。
【0045】
三重管構造T1では、導入管40よりも外方向に、ケース20と接続管50とが順に重なっている。三重管構造T1のうち導入管40とケース20とによって挟まれている空間は、排気方向の下流側ではケース20の内部に通じている。三重管構造T1のうち導入管40とケース20とによって挟まれている空間は、排気方向の上流側では、二重管構造D1における接続管50と導入管40とによって挟まれている空間に通じている。三重管構造T1のうちケース20と接続管50とによって挟まれている空間は、排気方向の上流側では、二重管構造D1における接続管50と導入管40とによって挟まれている空間に通じている。三重管構造T1のうちケース20と接続管50とによって挟まれている空間は、排気方向の下流側では、二重管構造D2における接続管50と導入管40とによって挟まれている空間に通じている。
【0046】
以上のように、触媒装置10は、触媒担体31よりも排気方向の上流側の部分に、二重管構造D1、二重管構造D2および三重管構造T1を備えている。二重管構造D1、二重管構造D2および三重管構造T1によって、排気が流れ込むことのできるラビリンス構造が形成されている。
【0047】
本実施形態の作用について説明する。
図3を用いて、導入管40からケース20に流入する排気の流れについて説明する。
図3には、排気の流れの一例を矢印で表示している。
【0048】
触媒装置10では、導入管40からケース20に流入する排気は、導入管40が拡径部42を備えていることによって外方向に拡散されやすい。ケース20に流入した排気は、触媒担体31を通過して排出される。このとき、導入管40からケース20に流入する排気の一部は、触媒担体31の触媒上流端31Aに衝突して流れの方向を変える。触媒上流端31Aに衝突した排気が外方向に流れると、
図3に示すようにケース20の端部22における内周面22Bに沿って、排気方向の上流側に向かって排気が逆流する。
【0049】
触媒装置10では、触媒上流端31Aに対して上流側にケース20の縮径部24が配置されている。このため、触媒上流端31Aに衝突して逆流した排気は、縮径部24に当たることがある。また、触媒上流端31Aに対して上流側には、導入管40の拡径部42も配置されている。このため、触媒上流端31Aに衝突して逆流した排気は、拡径部42に当たることもある。排気が縮径部24または拡径部42に衝突することで、排気の逆流が抑制される。
【0050】
縮径部24に衝突した排気の一部は、
図3に示すように縮径部24の傾斜に従って内方向に流れることができる。内方向に流れた排気は、導入管40とケース20との間を通過する。導入管40とケース20との間を通過した排気は、第1接続部11における導入管40と接続管50との間に流入する。
【0051】
第1接続部11における導入管40と接続管50との間に流入した排気は、傾斜部52に衝突する。傾斜部52に衝突した排気は、下流側に流れを変えようとする。このとき、導入管40と接続管50との間に新たに排気が流入してくると、下流側に流れを変えようとした排気が上流側に押し返される。これによって、第1接続部11における導入管40と接続管50との間では、
図3に示すように排気が渦を巻くようになる。排気の渦が形成されることで、第1接続部11における導入管40と接続管50との間には排気が滞留しやすい。
【0052】
本実施形態の効果について説明する。
(1)触媒装置10によれば、触媒上流端31Aに衝突した排気の流れの方向が反転を繰り返さない限りは第2接続部13の二重管構造D2におけるケース20と接続管50との間の部分に排気が到達しない。すなわち、第2接続部13におけるケース20と接続管50との間の部分には、排気が到達しにくい。このため、ケース20と接続管50との間の部分には、PMおよび凝縮水が溜まりにくい。これによって、ケース20の端部22のうち外周面22AにPMが堆積することを抑制できる。
【0053】
端部22に形成されている絶縁層がPMによって覆われることを抑制できるため、電気が流れる経路が端部22に形成されることを抑制できる。これによって、発熱体である触媒担体31とケース20との短絡を抑制できる。
【0054】
(2)触媒担体31とケース20との間で電気を絶縁するための絶縁部では、その表面積が大きいほど、PMが堆積することによって形成されうる電気が流れる経路が形成されにくい。このため、絶縁部の表面積が大きいほど、触媒担体31とケース20との短絡が発生しにくい。また、絶縁部の表面積が大きいほど絶縁部の全体がPMによって覆われてしまうことも抑制できる。たとえば、軸線C1の伸びている方向における絶縁部の長さを大きくすることによって、絶縁部の表面積を大きくすることができる。ところが、絶縁部がケースの一部であるため、絶縁部を長くすると、触媒装置の全長も大きくなりやすいという問題がある。
【0055】
この点、触媒装置10では、ケース20の端部22が導入管40と接続管50とに挟まれた位置にある。端部22を長くしたとしても、端部22は導入管40と接続管50との間に収容される。このため、触媒装置10の全長を大きくすることなく端部22の長さを大きくするということができる。これによって、触媒担体31とケース20との間で電気を絶縁するための絶縁部の長さを確保しつつ、触媒装置10の全長が大きくなることを抑制できる。
【0056】
(3)ケース20の端部22のように絶縁層によって覆われた絶縁部に高温の排気が吹きつけられると、温度の上昇によって絶縁層の割れが引き起こされるおそれがある。特に、ケース20の端部22における先端に高温の排気が吹きつけられると、先端の温度が急激に上昇しやすい。
【0057】
この点、触媒装置10では、ケース20の端部22における先端が三重管構造T1の部分に位置している。このため、導入管40からケース20に流れ込む排気がケース20の端部22における先端に当たることを抑制できる。これによって、高温の排気が端部22の先端に直接吹き付けられることを抑制でき、端部22の先端の温度上昇を抑制できる。すなわち、絶縁層の割れを抑制することができ、絶縁部に電気が流れる経路が形成されることを抑制できる。
【0058】
(4)触媒装置10では、導入管40が拡径部42を備えていることによって、触媒上流端31Aに衝突して逆流した排気が拡径部42に当たることがある。導入管40からケース20に流入した排気が上流側に流れの方向を変えても、拡径部42に排気が当たることによって、導入管40とケース20との間に排気が入り込みにくくなる。触媒装置10によれば、導入管40とケース20との間に排気が入り込みにくいことで、ケース20と接続管50との間の空間まで排気が到達しにくくなる。これによって、端部22における外周面22AにPMおよび凝縮水が付着することを抑制できる。電気が流れる経路が端部22に形成されることを抑制でき、発熱体である触媒担体31とケース20との短絡を抑制できる。
【0059】
(5)触媒装置10では、接続管50の傾斜部52によって排気が渦を巻くことができる。第1接続部11における導入管40と接続管50との間に排気が滞留しやすくなり、第2接続部13におけるケース20と接続管50との間の部分に排気が到達しにくくなる。これによって、ケース20の端部22における外周面22AにPMが堆積することを抑制できる。
【0060】
(6)触媒装置10では、ケース20の端部22が縮径部24を備えていることによって、触媒上流端31Aに衝突して逆流した排気が縮径部24に当たることがある。導入管40からケース20に流入した排気が上流側に流れの方向を変えても、縮径部24に排気が当たることによって、導入管40とケース20との間に排気が入り込みにくくなる。触媒装置10によれば、導入管40とケース20との間に排気が入り込みにくいことで、ケース20と接続管50との間の空間まで排気が到達しにくくなる。これによって、端部22における外周面22AにPMおよび凝縮水が付着することを抑制できる。電気が流れる経路が端部22に形成されることを抑制でき、発熱体である触媒担体31とケース20との短絡を抑制できる。
【0061】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、縮径部24を備えるケース20を例示した。ケースは、縮径部を備えているものに限らない。
【0062】
たとえば、
図4に示す触媒装置110は、軸線C1が伸びている方向において直径が一定の管であるケース120を備えている。触媒装置110に関して、
図2に示した触媒装置10と共通の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ケース120は、触媒上流端31Aよりも排気方向の上流側に突出している端部122を備えている。端部122の内径は、軸線C1が伸びている方向における端部122の一端から他端に亘って一定である。端部122の先端、すなわちケース開口125は、導入管40の導入口43よりも排気方向の上流側に配置されている。
図4に示す触媒装置110では、上記実施形態における(1)~(5)と同様の効果を奏することができる。
【0063】
・上記実施形態では、拡径部42を備える導入管40を例示した。導入管は、拡径部を備えているものに限らない。たとえば、軸線C1が伸びている方向において直径が一定の管を導入管として採用してもよい。この場合には、上記実施形態における(1)~(3)、(5)および(6)と同様の効果を奏することができる。
【0064】
・上記実施形態では、ケース20の端部22における先端が三重管構造T1の部分に位置している。導入管とケースと接続管とによって三重管構造が形成されているのであれば、ケースの先端が三重管構造の部分に位置していることは必須の構成ではない。
【0065】
たとえば、
図5に示す触媒装置210は、排気方向の上流側における端部が下流側に折り返されているケース220を備えている。触媒装置210に関して、
図2に示した触媒装置10と共通の構成については同一の符号を付して説明を省略する。ケース220は、触媒上流端31Aよりも排気方向の上流側に突出している端部222を備えている。ケース220の外径は、軸線C1が伸びている方向におけるケース220の一端から他端に亘って一定である。ケース220の端部222は、先端がケース220内に折り曲げられている。ケース220の先端225は、向きを180度変えている。端部222において最も上流側に位置する畳み部223から先端225までの間は、ケース220の壁が重なって二重になっている。ケース220の壁は隙間なく重なっていてもよいし、径方向に離れていてもよい。畳み部223は、導入管40の導入口43よりも排気方向の上流側に配置されている。先端225は、導入管40の導入口43よりも排気方向の下流側に配置されている。
図5に示す触媒装置210では、上記実施形態における(1)、(2)、(4)および(5)と同様の効果を奏することができる。
【0066】
・
図6に示す触媒装置310のように二重管構造および三重管構造が形成されていてもよい。触媒装置310に関して、
図2に示した触媒装置10と共通の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
触媒装置310は、ケース320を備えている。ケース320は、触媒上流端31Aよりも排気方向の上流側に突出している端部322を備えている。端部322の表面には、絶縁層が形成されている。端部322は、孔327が開口した蓋部326を備えている。蓋部326のうち触媒上流端31Aと向かい合っている面である内壁面326Aは、
図6に示す断面において軸線C1に対して直交している。
【0068】
触媒装置310は、導入管340を備えている。導入管340は、導入管340における排気方向の下流側の先端が外方向に広がったフランジ部344を備えている。フランジ部344のうち触媒上流端31Aと向かい合っている面である対向面344Aは、
図6に示す断面において軸線C1に対して直交している。導入管340は、ケース320に挿し込まれている。なお、軸線C1からフランジ部344のうち最も外側に位置する外縁343までの距離は、孔327の半径よりも小さい。
【0069】
触媒装置310は、接続管350を備えている。接続管350は、導入管340に接合されている上流端351を備えている。接続管350は、上流端351を基点として外方向に広がっている第1壁352を備えている。接続管350は、ケース320に接合されている下流端355を備えている。接続管350は、下流端355を基点として外方向に広がっている第2壁354を備えている。接続管350は、第1壁352と第2壁354とを繋ぐ中間壁353を備えている。
【0070】
第1壁352における内側の面は、
図6に示す断面において軸線C1に対して直交している。中間壁353の内径は、軸線C1が伸びている方向における一端から他端に亘って一定である。第2壁354における内側の面は、
図6に示す断面において軸線C1に対して直交している。
【0071】
触媒装置310では、第1壁352から蓋部326までの範囲が二重管構造になっている。蓋部326からフランジ部344までの範囲が三重管構造になっている。フランジ部344から第2壁354までの範囲が二重管構造になっている。
【0072】
触媒装置310では、触媒上流端31Aに衝突して逆流した排気が、蓋部326の内壁面326Aまたはフランジ部344の対向面344Aに当たると、排気が導入管340とケース320との間を通過することを抑制できる。触媒装置310では、第1壁352における内側の面に衝突した排気を滞留させて、ケース320と接続管350との間に排気が流入することを抑制できる。触媒装置310によっても、上記実施形態と同様に、ケース320の端部322にPMが堆積することを抑制できる。電気が流れる経路が端部322に形成されることを抑制でき、発熱体である触媒担体31とケース320との短絡を抑制できる。
【0073】
・上記実施形態では、導入管40の導入口43が第2接合部14よりも上流側に位置するように、ケース20の内部に導入管40が配置されている。これに限らず、導入口43が第2接合部14よりも下流側に位置していてもよい。軸線C1に直交する平面上に導入口43および第2接合部14が位置していてもよい。これらの構成では、第1接合部12からケース開口25までの範囲に二重管構造が形成される。さらに、ケース開口25から第2接合部14までの範囲に三重管構造が形成される。こうした構成であっても、上記実施形態と同様に、第2接続部13におけるケース20と接続管50との間の部分に排気が到達しにくいという効果を奏することができる。
【0074】
・上記実施形態では、金属を材料としたケース20を例示したが、ケースは絶縁体によって成形されていてもよい。ケースそのものが絶縁体である場合には、端部を絶縁層によって被覆しなくてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、傾斜部52と終端部54とを中間部53によって繋いでいる接続管50を例示した。接続管としては、中間部53が省略されて傾斜部52と終端部54とが繋がっていてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10…触媒装置
11…第1接続部
12…第1接合部
13…第2接続部
14…第2接合部
20…ケース
21…収容部
22…端部
22A…外周面
22B…内周面
24…縮径部
31…触媒担体
31A…触媒上流端
32…マット
40…導入管
42…拡径部
50…接続管
52…傾斜部
90…内燃機関
91…排気通路
D1,D2…二重管構造
T1…三重管構造