(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】車両用制御システム、車両用制御システムの異常検知方法及び異常検知プログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/023 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
B60R16/023 P
(21)【出願番号】P 2020191342
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳永 穣
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-064641(JP,A)
【文献】特開2013-226974(JP,A)
【文献】特開2001-088609(JP,A)
【文献】特開2008-211377(JP,A)
【文献】特開2020-104528(JP,A)
【文献】特開2012-039302(JP,A)
【文献】特開2018-016106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0232469(US,A1)
【文献】独国特許発明第112015002735(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され且つデータを送信するように構成された第1ユニットと、
前記車両に搭載され且つ前記データを受信するように構成された第2ユニットと、
前記車両に搭載され、前記第1ユニットから前記第2ユニットへの
前記データの転送を可能とするように、前記第1ユニットに接続された第1接続部と前記第2ユニットに接続された第2接続部とを接続するデータ通信線と、
を備えた車両用電子制御システムであって、
前記第1ユニットに設けられ、前記第1ユニットの状態を監視する監視装置と、
前記第2ユニットに設けられ、前記車両のユーザーに情報を供給可能に構成された情報提供装置と、
を備え、
前記第1ユニットは、前記第1接続部に接続され、前記データを前記第1接続部から送信する送信機を備え、
前記監視装置は、
前記第1ユニットの状態が
前記送信機から前記データを送信可能なデータ転送可能状態であるか否かを判定し、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が所定の特定状態にあるために前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態ではないデータ転送不能状態であると判定した場合、前記データを送信不能な状態に前記送信機を制御し、前記第1ユニットの状態がデータ転送不能状態である
ために、前記データ通信線が前記データの転送経路として利用されていない場合に、前記データとは相違する所定の異常提示信号を、前記第1接続部から送信し、
前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態であると判定した場合、
前記データを送信可能な状態に前記送信機を制御し、前記異常提示信号を、前記第1接続部から送信しない、
ように構成され、
前記情報提供装置は、
前記データ通信線を介して前記送信機から前記データを受信可能である受信可能状態であるか否かを判定し、
前記データを受信可能ではない受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記異常提示信号を受信している場合、前記ユーザーに、所定の第1情報を提供し、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記異常提示信号を受信していない場合、前記ユーザーに、所定の第2情報を提供する、
ように構成された、車両用電子制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用電子制御システムにおいて、
前記監視装置は、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が第1特定状態にあるために前記第1ユニットの状態が前記データ転送不能状態であると判定した場合、前記異常提示信号として第1信号を前記第1接続部から送信し、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が前記第1特定状態とは異なる第2特定状態にあるために前記第1ユニットの状態が前記データ転送不能状態であると判定した場合、前記異常提示信号として前記第1信号とは異なる第2信号を前記第1接続部から送信し、
前記情報提供装置は、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、前記第1信号を受信している場合、前記ユーザーに、前記第1特定状態に対応する所定の情報を提供し、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、前記第2信号を受信している場合、前記ユーザーに、前記第2特定状態に対応する所定の情報を提供する、
ように構成された、車両用電子制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用電子制御システムにおいて、
前記第1特定状態は、前記第1ユニットを構成している部品の温度が所定の閾値より高い状態であり、
前記第2特定状態は、前記部品の温度が前記閾値以下である状態である、
車両用電子制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用電子制御システムにおいて、
前記データ通信線は、第1電線及び第2電線を備え、
前記データは、第1シリアル信号及び当該第1シリアル信号とは逆相の第2シリアル信号として、前記第1電線及び前記第2電線をそれぞれ介して、前記第1接続部から前記第2接続部へ送信され、
前記異常提示信号は、所定周期の第1パルス信号及び当該第1パルス信号と同相の第2パルス信号として、前記第1電線及び前記第2電線をそれぞれ介して、前記第1接続部から前記第2接続部へ送信される、
車両用電子制御システム。
【請求項5】
車両に搭載され且つデータを送信するように構成された第1ユニットと、
前記車両に搭載され且つ前記データを受信するように構成された第2ユニットと、
前記車両に搭載され、前記第1ユニットから前記第2ユニットへの
前記データの転送を可能とするように、前記第1ユニットに接続された第1接続部と前記第2ユニットに接続された第2接続部とを接続するデータ通信線と、
を備えた車両用電子制御システムであって、
前記第1接続部に接続され、前記データを前記第1接続部から送信する送信機を備えた車両用電子制御システムに適用される異常検知方法であって、
前記第1ユニットの状態が
前記送信機から前記データを送信可能なデータ転送可能状態であるか否かを判定する
第1判定ステップと、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が所定の特定状態にあるために前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態ではないデータ転送不能状態であると判定した場合、前記データを送信不能な状態に前記送信機を制御し、前記第1ユニットの状態がデータ転送不能状態である
ために、前記データ通信線が前記データの転送経路として利用されていない場合に、前記データとは相違する所定の異常提示信号を、前記第1接続部から送信する異常信号送信ステップと、
前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態であると判定した場合、
前記データを送信可能な状態に前記送信機を制御し、前記異常提示信号を、前記第1接続部から送信しない異常信号遮断ステップと、
前記第2ユニットが前記データ通信線を介して前記送信機から前記データを受信可能である受信可能状態であるか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第2ユニットが前記データを受信可能な状態ではない受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記第2ユニットが前記異常提示信号を受信している場合、ユーザーに、所定の第1情報を提供する第1情報提供ステップと、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記第2ユニットが前記異常提示信号を受信していない場合、前記ユーザーに、所定の第2情報を提供する第2情報提供ステップと、
を含む車両用電子制御システムの異常検知方法。
【請求項6】
車両に搭載され且つデータを送信するように構成された第1ユニットと、
前記車両に搭載され且つ前記データを受信するように構成された第2ユニットと、
前記車両に搭載され、前記第1ユニットから前記第2ユニットへの
前記データの転送を可能とするように、前記第1ユニットに接続された第1接続部と前記第2ユニットに接続された第2接続部とを接続するデータ通信線と、
を備えた車両用電子制御システムであって、
前記第1接続部に接続され、前記データを前記第1接続部から送信する送信機を備えた車両用電子制御システムに適用される異常検知プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1ユニットの状態が
前記送信機から前記データを送信可能なデータ転送可能状態であるか否かを判定する
第1判定ステップと、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が所定の特定状態にあるために前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態ではないデータ転送不能状態であると判定した場合、前記データを送信不能な状態に前記送信機を制御し、前記第1ユニットの状態がデータ転送不能状態である
ために、前記データ通信線が前記データの転送経路として利用されていない場合に、前記データとは相違する所定の異常提示信号を、前記第1接続部から送信する異常信号送信ステップと、
前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態であると判定した場合、
前記データを送信可能な状態に前記送信機を制御し、前記異常提示信号を、前記第1接続部から送信しない異常信号遮断ステップと、
前記第2ユニットが前記データ通信線を介して前記送信機から前記データを受信可能である受信可能状態であるか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第2ユニットが前記データを受信可能な状態ではない受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記第2ユニットが前記異常提示信号を受信している場合、ユーザーに、所定の第1情報を提供する第1情報提供ステップと、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記第2ユニットが前記異常提示信号を受信していない場合、前記ユーザーに、所定の第2情報を提供する第2情報提供ステップと、
を実行させる車両用電子制御システムの異常検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検知機能(自己診断機能)を備えた車両用制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異常検知機能を備えた車両用制御システム(以下、「従来装置」と称呼する。)が知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
従来装置は、第1ユニットと第2ユニットとを備える。第1ユニットと第2ユニットとが、第1の通信ケーブル(ネットワーク)を介して接続されている。すなわち、従来装置において、第1の通信ケーブルを介して、第1ユニットから第2ユニットへデータが転送される。さらに、第1ユニットと第2ユニットとが、第1の通信ケーブルとは別の第2の通信ケーブルを介して接続されている。この第2の通信ケーブルを介して、第1ユニットの状態(異常が生じているか否か)を表す所定の信号が第2ユニットに伝達される。第2ユニットは、前記所定の信号に基づいて、従来装置の状態を特定(診断)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
上記従来装置において、前記データを第1ユニットから第2ユニットに転送するための第1の通信ケーブルに加え、前記所定の信号を第1ユニットから第2ユニットに伝達するための第2の通信ケーブルを設けている。この結果、電線数が増える、コネクタのピン数が増えるなどの理由により、製品のコストが高くなる。
【0006】
本発明の目的の一つは、通信用電線を介して接続された2つのユニットを含む車両用制御システムであって、異常検知機能を備えた安価な車両用制御システムを提供することにある。
【0007】
本発明の車両用制御システム(1,1A)は、
車両(V)に搭載され且つデータを送信するように構成された第1ユニット(10)と、
前記車両に搭載され且つ前記データを受信するように構成された第2ユニット(20)と、
前記車両に搭載され、前記第1ユニットから前記第2ユニットへの前記データの転送を可能とするように、前記第1ユニットに接続された第1接続部(Pa)と前記第2ユニットに接続された第2接続部(Pb)とを接続するデータ通信線(W+、W-)と、
を備える。
また、この車両制御システムは、
前記第1ユニットに設けられ、前記第1ユニットの状態を監視する監視装置(15)と、
前記第2ユニットに設けられ、前記車両のユーザーに情報を供給可能に構成された情報提供装置(24)と、
を備える。
前記第1ユニットは、前記第1接続部に接続され、前記データを前記第1接続部から送信する送信機を備え、
前記監視装置は、
前記第1ユニットの状態が前記送信機から前記データを送信可能なデータ転送可能状態であるか否かを判定し、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が所定の特定状態にあるために前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態ではないデータ転送不能状態であると判定した場合、前記データを送信不能な状態に前記送信機を制御し、前記第1ユニットの状態がデータ転送不能状態であるために、前記データ通信線が前記データの転送経路として利用されていない場合に、前記データとは相違する所定の異常提示信号を、前記第1接続部から送信し、
前記第1ユニットの状態がデータ転送可能状態であると判定した場合、前記データを送信可能な状態に前記送信機を制御し、前記異常提示信号を、前記第1接続部から送信しない、
ように構成され、
前記情報提供装置は、
前記データ通信線を介して前記送信機から前記データを受信可能である受信可能状態であるか否かを判定し、
前記データを受信可能ではない受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記異常提示信号を受信している場合、前記ユーザーに、所定の第1情報を提供し、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、且つ前記異常提示信号を受信していない場合、前記ユーザーに、所定の第2情報を提供する、
ように構成される。
【0008】
本発明の車両用制御システムにおいて、監視装置は、データ通信線がデータの転送経路としては利用されていない状態において、そのデータ通信線を、異常提示信号の伝達経路として利用する。したがって、本発明の車両用制御システムによれば、異常提示信号の伝達経路としての電線を、データを転送するための経路としてのデータ通信線とは別に設けた場合に比べて、部品点数及び部品コストを削減できる。
【0009】
本発明の一態様に係る車両用電子制御システムにおいて、
前記監視装置は、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が第1特定状態にあるために前記第1ユニットの状態が前記データ転送不能状態であると判定した場合、前記異常提示信号として第1信号を前記第1接続部から送信し、
前記第1ユニットを構成している部品の状態が前記第1特定状態とは異なる第2特定状態にあるために前記第1ユニットの状態が前記データ転送不能状態であると判定した場合、前記異常提示信号として前記第1信号とは異なる第2信号を前記第1接続部から送信し、
前記情報提供装置は、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、前記第1信号を受信している場合、前記ユーザーに、前記第1特定状態に対応する所定の情報を提供し、
前記受信不能状態であると判定した場合であって、前記第2信号を受信している場合、前記ユーザーに、前記第2特定状態に対応する所定の情報を提供する、
ように構成される。
【0010】
本態様に係る車両用制御システムによれは、第1ユニットの状態が前記データ転送不能状態において、第1ユニットが特定状態にあるか、前記特定状態とは異なる状態にあるかを識別できる。
【0011】
本発明の他の態様に係る車両用電子制御システムにおいて、
前記第1特定状態は、前記第1ユニットを構成している部品の温度が所定の閾値より高い状態であり、
前記第2特定状態は、前記部品の温度が前記閾値以下である状態である。
【0012】
これによれば、ユーザーは、情報提供装置により提供された情報に基づいて、第1ユニットの温度を認識できる。
【0013】
本発明の他の態様に係る車両用電子制御システムにおいて、
前記データ通信線は、第1電線(W+)及び第2電線(W-)を備え、
前記データは、第1シリアル信号及び当該第1シリアル信号(D+)とは逆相の第2シリアル信号(D-)として、前記第1電線及び前記第2電線をそれぞれ介して、前記第1接続部から前記第2接続部へ送信され、
前記異常提示信号は、所定周期の第1パルス信号(PS)及び当該第1パルス信号と同相の第2パルス信号(PS)として、前記第1電線及び前記第2電線をそれぞれ介して、前記第1接続部から前記第2接続部へ送信される。
なお、前記第1ユニットは、
前記送信機へ電力を供給する電源装置を備え、
前記監視装置は、
前記第1特定状態において、前記電源装置から前記送信機への電力供給を遮断し、
前記第2特定状態において、前記電源装置から前記送信機への電力供給を許容するとよい。
【0014】
これによれば、前記第1ユニットを構成している部品の温度が前記閾値を超えてさらに発熱して、その部品及び/又は第1ユニットを構成する他の部品が破損してしまうことを防止できる。
【0015】
なお、本発明は、上記車両用制御システムにて使用される方法にも係り、更に、上記車両用制御システムにて実行されるコンピュータプログラムにも及ぶ。
【0016】
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る車載カメラ装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る監視プログラムのフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る診断プログラムのフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図3の診断プログラムを実行して得られた診断結果を表す画像であって、スレーブユニットの動作を一時的に停止させていることを表す画像の一例である。
【
図5】
図5は、
図3の診断プログラムを実行して得られた診断結果を表す画像であって、車載カメラ装置を修理する必要があることを表す画像の一例である。
【
図6】
図6は、平温時における車載カメラ装置の動作を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、高温時における車載カメラ装置の動作を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、スレーブユニットの通信機が故障している状態における車載カメラ装置の動作を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、
図3の診断プログラムを実行して得られる診断結果を示す表である。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施形態に係る監視プログラムのフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の第2実施形態に係る診断プログラムのフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図11の診断プログラムを実行して得られた診断結果を表す画像であって、車載カメラ装置を修理する必要があることを表す第1の画像の一例である。
【
図14】
図14は、
図11の診断プログラムを実行して得られた診断結果を表す画像であって、車載カメラ装置を修理する必要があることを表す第2の画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
(構成)
本発明の第1実施形態に係る車両用制御システムは、
図1に示した車載カメラ装置1であり、車両Vに搭載されている。
【0019】
車載カメラ装置1は、スレーブユニット10及びマスターユニット20を備える。さらに、車載カメラ装置1は、スレーブユニット10とマスターユニット20とを接続する通信ケーブル30を備える。スレーブユニット10は、例えば、車両Vのリアビューミラーの前側においてウインドシールドに固定されたケース内に収容される。マスターユニット20は、例えば、インストゥルメントパネル内に取り付けられる。
【0020】
スレーブユニット10は、電源装置11、デジタルカメラ12、通信機13、コネクタ14及び制御装置15を備える。さらに、スレーブユニット10は、プリント配線基板16を含む。電源装置11、デジタルカメラ12、通信機13、コネクタ14及び制御装置15を構成する電子部品が、プリント配線基板16に実装されている。
【0021】
電源装置11は、車両Vに搭載された図示しない蓄電池から直流電力を入力(受給)し、当該直流電力の電圧値(例えば「12V」)が所定の電圧値(例えば「3.3V」)になるように当該直流電力を変換する。電源装置11は、その電圧変換した直流電力をデジタルカメラ12、通信機13及び制御装置15に供給する。なお、電源装置11は、「通信機13に電力が供給される状態」と、「通信機13に電力が供給されない状態」と、の間で通信機13への電力供給状態を切り替え可能に構成されている。
【0022】
デジタルカメラ12は、レンズ121及びイメージセンサ122を備える。デジタルカメラ12は、所定の時間間隔をおいて、車両Vの前景を撮影し、その画像(以下、「原画像」と称呼する。)を表す画像データ(以下、「原画像データ」と称呼する。)を生成する。デジタルカメラ12は、原画像データを出力するための端子12aを備える。
【0023】
通信機13は、原画像データを入力(取得)するための端子13aを備える。端子13aが、デジタルカメラ12の端子12aに接続されている。さらに、通信機13は、デジタルカメラ12から入力(取得)した原画像データを、低電圧差動信号D+,D-に変換する変換器を含む。低電圧差動信号は、Low Voltage Differential Signaling (LVDS)とも称呼される仕様の信号であり、「ANSI/TIA/EIA-644」として標準規格化されたシリアル・インターフェース向け物理層仕様に則った信号である。低電圧作動信号は、その信号の振幅を、3.3Vではなく、例えば350mV程度の低い電圧に抑え、且つ、より高いスルーレートでデータを伝送する信号である(例えば、特許第5860644号公報、特開2017-204705号公報、特開2020-177242号公報などを参照。)。信号D+はポジティブ信号と称呼され、信号D-はネガティブ信号とも称呼される。これらの信号は、一つのコモンモード電圧(例えば、1.2V)を中心として、互いに逆相になるように変化する。これら2つの信号の電位差が350mVである。
【0024】
さらに、通信機13は、低電圧差動信号D+,D-をそれぞれ出力するための端子T+,T-を備える。端子T+,T-が、コネクタ14のコンタクトピンPT+,PT-にそれぞれ接続されている。
【0025】
制御装置15は、マイクロコンピュータ151、温度センサ152及びパルス出力装置153を備える。マイクロコンピュータ151は、演算装置(CPU)、記憶装置(ROM、RAMなど)、タイマー装置などを備える。温度センサ152は、スレーブユニット10の温度T(例えば、デジタルカメラ12の表面温度)を検出し、その検出結果を表す温度データをマイクロコンピュータ151に供給する。パルス出力装置153は、パルス信号PSを生成する。パルス信号PSの周波数が、マイクロコンピュータ151によって制御される。第1実施形態において、パルス信号PSの周波数は、第1周波数である「10Hz」である。パルス信号PSの振幅(電圧)は、「3.3V」である。パルス出力装置153は、パルス信号PSを出力するための端子153aを備える。端子153aは、コネクタ14のコンタクトピンPT+,PT-に、バッファ素子BB及び抵抗器RR,RRを介して接続されている。パルス出力装置153は、そのパルス出力状態を、「パルス信号PSを出力する状態」と、「パルス信号PSを出力しない状態」と、の間で切り替え可能に構成されている。
【0026】
マスターユニット20は、電源装置21、通信機22、コネクタ23、制御装置24及び表示器25を備える。さらに、マスターユニット20は、プリント配線基板26を含む。電源装置21、通信機22、コネクタ23及び制御装置24を構成する電子部品が、プリント配線基板26に実装されている。
【0027】
電源装置21は、上述した車載の蓄電池から直流電力を入力(受給)し、当該直流電力の電圧値(例えば「12V」)が所定の電圧値(例えば「3.3V」)になるように当該直流電力を変換する。電源装置21は、その電圧変換した直流電力を、通信機22、制御装置24及び表示器25に供給する。
【0028】
通信機22は、低電圧差動信号D+,D-をそれぞれ入力するための端子R+,R-を備える。端子R+,R-が、コネクタ23のコンタクトピンPR+,PR-にそれぞれ接続されている。通信機22は、入力(取得)した低電圧差動信号D+,D-を原画像データに変換(復元)する逆変換器を含む。さらに、通信機22は、前記低電圧差動信号D+,D-を変換して得られた原画像データを出力するための端子22aを備える。
【0029】
制御装置24は、マイクロコンピュータ241及びバッファ回路242を備える。マイクロコンピュータ241は、演算装置(CPU)、記憶装置(ROM、RAMなど)、タイマー装置などを備える。マイクロコンピュータ241は、原画像データを入力(取得)するための端子241aを備える。端子241aは、通信機22の端子22aに接続されている。さらに、マイクロコンピュータ241は、パルス信号を入力(取得)するための端子241bを備える。端子241bは、バッファ回路242を介して、コネクタ23のコンタクトピンPR+,PR-に接続されている。バッファ回路242は、トランジスタ242aを含む。トランジスタ242aのコレクタが、抵抗器rrを介して、電源装置21から出力される直流電力の正極の電位と同電位である点A(論理レベルが「H」である点)に接続されるとともに、端子241bに接続されている。トランジスタ242aのエミッタが、電源装置21から出力される直流電力の負極と同電位である点B(論理レベルが「L」である点)に接続されている。トランジスタ242aのベースが、コネクタ23のコンタクトピンPR+,PR-に抵抗器RR,RRを介して接続されている。マイクロコンピュータ241は、後述する診断プログラムを実行して、車載カメラ装置1の状態(車載カメラ装置1を修理する必要があるか否か)を判定(診断)する。
【0030】
表示器25は、液晶ディスプレイ及びディスプレイコントローラを備える。ディスプレイコントローラは、マイクロコンピュータ241から所定の画像(文字、図形など)を表す画像データを受信し、前記受信した画像データが表す前記画像を液晶ディスプレイに表示させる。
【0031】
通信ケーブル30は、2本の電線W+,W-と、一対のプラグ30a,30bを含む。電線W+,W-は、低電圧差動信号D+,D-にそれぞれ対応している。電線W+と電線W-とが撚り合わせられている。電線W+,W-の一端にプラグ30aが取り付けられ、電線W+,W-の他端にプラグ30bが取り付けられている。プラグ30aのコンタクトピンPa+,Pa-に、電線W+,W-の一端がそれぞれ接続され、プラグ30bのコンタクトピンPb+,Pb-に、電線W+,W-の他端がそれぞれ接続されている。プラグ30aが、コネクタ14に嵌め込まれている。この状態において、コンタクトピンPa+,Pa-が、コンタクトピンPT+,PT-にそれぞれ接触して電気的に接続されている。一方、プラグ30bが、コネクタ23に嵌め込まれている。この状態において、コンタクトピンPb+,Pb-が、コンタクトピンPR+,PR-にそれぞれ接触して電気的に接続されている。
【0032】
(動作)
車載カメラ装置1の動作の概略を説明する。上記のように、スレーブユニット10は、車両Vのリアビューミラーの前方の車室内に配置されている。そのため、スレーブユニット10に太陽光が照射されて、スレーブユニット10(特に、デジタルカメラ12)が比較的高温になり、スレーブユニット10の動作が不安定になったり、熱によってスレーブユニット10の部品が変形したりする可能性がある。スレーブユニット10の破損を防ぐため、発熱する部品(本実施形態では、通信機13)への電力供給を停止することが好ましい。そこで、以下説明するように、マイクロコンピュータ151は、スレーブユニット10の温度Tを監視(検知)し、その検知結果に応じて電源装置11を以下に述べるように制御する。
【0033】
温度Tが所定の閾値Tth以下である場合、マイクロコンピュータ151は、通信機13に電力が供給されるように、電源装置11を制御する。通信機13は、原画像データを、低電圧差動信号D+,D-に変換して出力する。低電圧差動信号D+,D-は、通信ケーブル30を介して、通信機22に伝達される。通信機22は、低電圧差動信号D+,D-を原画像データに変換して、マイクロコンピュータ241に供給する。なお、この場合、マイクロコンピュータ151は、パルス出力装置153からパルス信号PSが出力されないように、パルス出力装置153を制御する。
【0034】
一方、温度Tが所定の閾値Tthより高い場合、マイクロコンピュータ151は、通信機13への電力供給が遮断されるように、電源装置11を制御する。通信機13への電力供給が遮断されると、通信機13は、原画像データを低電圧差動信号D+,D-に変換する動作を停止する。したがって、通信ケーブル30は、低電圧差動信号D+,D-を伝達するための経路として利用されない。一方、マイクロコンピュータ151は、パルス出力装置153からパルス信号PSが出力されるように、パルス出力装置153を制御する。このパルス信号PSが、通信ケーブル30を介して、制御装置24に伝達される。
【0035】
ところで、車載カメラ装置1において、基本的には、通信機13が低電圧差動信号D+,D-の送信機として機能し、通信機22が低電圧差動信号D+,D-の受信機として機能する。ただし、通信機13及び通信機22は、互いに所定の信号(低電圧差動信号D+,D-とは異なる信号)を送受信する双方向通信機能(バックワードチャンネル通信機能)を備える。通信機13及び通信機22は、この双方向通信機能を用いて、互いに通信可能な状態であるか否かを検知する。具体的には、通信機22は、所定の要求信号を通信機13に送信する。通信機13は、前記要求信号を受信すると、所定の応答信号を通信機22に送信する。通信機22は、要求信号を通信機13に送信した後、所定の時間内に、通信機13からの応答信号を受信できたとき、通信機22に設けられたフラグレジスタに記憶されている通信エラーフラグFを、「通信可能」であることを表す「0」に更新する。一方、通信機22が、要求信号を通信機13に送信した後、所定の時間内に、通信機13からの応答信号を受信できなかったとき、通信エラーフラグFを「通信不能」であることを表す「1」に更新する。一方、通信機13は、通信機22からの要求信号が途絶えたとき(所定の時間が経過しても要求信号を受信できないとき)、通信機13に設けられた通信エラーフラグFを「1」に更新する。通信機13及び通信機22は、通信エラーフラグFを「1」に更新すると、それ以降、通信を停止する。なお、マイクロコンピュータ241は、通信機22が正常であれば(故障していなければ)、通信機22の通信エラーフラグFを読み出し可能である。マイクロコンピュータ151は、通信機13が正常であれば(故障していなければ)、通信機13の通信エラーフラグFを読み出し可能である。
【0036】
さらに、マイクロコンピュータ241は、パルス信号PSを受信しているか否かを検知する。制御装置24は、通信機22の通信エラーフラグFの読み出し結果及びパルス信号PSの検知結果に基づいて、車載カメラ装置1の状態(修理が必要か否か)を判定(診断)し、その判定結果を表す画像を表示器25に表示させる。
【0037】
なお、マイクロコンピュータ241は、通信機22から原画像データが供給されるごとに、原画像データに基づいて、画像認識処理を実行する。例えば、マイクロコンピュータ241は、原画像データに基づいて、道路標識、走行レーンなどを認識し、その認識結果を、車両Vのエンジン、ブレーキ、操舵装置などを制御するマイクロコンピュータに送信する。換言すると、原画像データに基づくデータは車両運転支援制御用のコントローラに利用される。
【0038】
つぎに、マイクロコンピュータ151及びマイクロコンピュータ241の具体的動作を説明する。車両Vのエンジンが始動されると(あるいは、車両Vの駆動源が起動されると)、マイクロコンピュータ151の演算装置(以下、「スレーブCPU」と称呼する。)は、
図2に示した、監視プログラムの実行を開始する。さらに、マイクロコンピュータ241の演算装置(以下、「マスターCPU」と称呼する。)は、
図3に示した診断プログラムの実行を開始する。
【0039】
スレーブCPUは、ステップ200から監視処理を開始する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ201にて、温度センサ152から温度データを取得して、温度Tを検知する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ202にて、温度Tが所定の閾値Tth以下であるか否かを判定する。温度Tが所定の閾値Tth以下であるとき(202:Yes)、スレーブCPUは、ステップ203に進む。一方、温度Tが閾値Tthより高いとき(202:No)、スレーブCPUは、ステップ205に進む。
【0040】
スレーブCPUは、ステップ202からステップ203に進むと、通信機13に電力が供給されるように電源装置11を制御する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ204にて、端子153aからパルス信号PSが出力されないように、パルス出力装置153を制御する。そして、スレーブCPUは、ステップ201に戻る。
【0041】
一方、スレーブCPUは、ステップ202からステップ205に進むと、通信機13に電力が供給されないように電源装置11を制御する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ206にて、端子153aからパルス信号PSが出力されるように、パルス出力装置153を制御する。そして、スレーブCPUは、ステップ201に戻る。
【0042】
マスターCPUは、ステップ300から診断処理を開始する。マスターCPUは、ステップ301乃至ステップ303の処理により、通信機13と通信機22とが通信可能な状態であるか否かを判定する。具体的には、マスターCPUは、ステップ301にて、通信機22の通信エラーフラグFの読み出しを試みる。つぎに、マスターCPUは、ステップ302にて、通信エラーフラグFの読み出しに成功したか否かを判定する。通信エラーフラグFの読み出しに成功したとき(302:Yes)、マスターCPUは、ステップ303に進む。
【0043】
マスターCPUは、ステップ303にて、前記読み出した通信エラーフラグFが「0」であるか否かを判定する。前記読み出した通信エラーフラグFが「0」であるとき(303:Yes)、マスターCPUは、「通信機13と通信機22とが通信可能な状態である」と判定して、ステップ301に戻る。一方、前記読み出した通信エラーフラグFが「1」であるとき(303:No)、マスターCPUは、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態である」と判定して、ステップ304に進む。
【0044】
ステップ304にて、マスターCPUは、端子241bにパルス信号が入力されているか否か(パルス信号PSを受信しているか否か)を判定する。端子241bにパルス信号が入力されているとき(304:Yes)、マスターCPUは、ステップ305に進んで、表示器25に「車載カメラ装置1(通信機13)の動作を停止させている」ことを表す画像X(
図4を参照。)を表示させ、ステップ301に戻る。これに対し、端子241bにパルス信号PSが入力されていないとき(パルス信号PSのパルス幅に相当する時間より長い間、端子241bの論理レベルが「H」のままであるとき(304:No))、マスターCPUは、ステップ306に進む。マスターCPUは、ステップ306にて、表示器25に、「車載カメラ装置1を修理する必要がある」ことを表す画像Y(
図5を参照。)を表示させ、ステップ301に戻る。
【0045】
一方、マスターCPUは、ステップ301にて通信エラーフラグFを読み出すことができなかったとき(通信機22が読み出し要求に応答しなかったとき)、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態である」(通信機22が故障している)と判定できる。そこで、この場合、マスターCPUは302にて「No」と判定してステップ306に進み、
図5の画像Yを表示させてから、ステップ301に戻る。なお、この場合、マスターCPUは、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態である」旨を示す「画像Yとは相違する画像」を表示器25に表示させてもよい。
【0046】
つぎに、
図6を参照して、平温時(温度Tが閾値Tth以下である場合)の車載カメラ装置1の動作を具体的に説明する。ただし、この
図6の例において、車載カメラ装置1のすべての構成部品は正常に機能し得る状態にある(即ち、故障していない)。
【0047】
デジタルカメラ12は、車両Vの前景を撮影して得られた原画像を表す原画像データを生成する。その原画像データが、端子12aから出力され、通信機13の端子13aに入力される。この場合、通信機13には電力が供給されている(
図2のステップ203を参照。)。通信機13は、原画像データを低電圧差動信号D+,D-に変換する。低電圧差動信号D+,D-は、端子T+,T-から出力され、コネクタ14、通信ケーブル30、コネクタ23を介して、通信機22の端子R+,R-に伝達される。このように、原画像データが、差動信号に変換されて転送されるので、車載カメラ装置1のデータ転送における外来ノイズ耐が高い。なお、この場合、パルス出力装置153は、パルス信号PSを出力しない(
図2のステップ204を参照)。通信機22は、低電圧差動信号D+,D-を原画像データに変換(復元)する。その原画像データが、端子22aから出力され、マスターCPUの端子241aに入力される。この例において、通信機13と通信機22とが通信可能な状態にある。すなわち、通信機22の通信エラーフラグFは「0」である。よって、マスターCPUは、表示器25に画像X及び画像Yの何れをも表示させない。さらに、マスターCPUは、原画像データに基づいて、上述した画像認識処理を実行する。なお、上記のように、低電圧差動信号D+,D-は、一つのコモンモード電圧(例えば、1.2V)を中心として、互いに逆相になるように変化し、且つこれら2つの信号の電位差が350mVである。上記のコモンモード電圧が、マスターユニット20の抵抗器RR,RRの接続点Cに印加される。したがって、トランジスタ242aはオン状態のままであり、端子241bの論理レベルは「L」のまま変化しない。
【0048】
つぎに、
図7を参照して、高温時(スレーブユニット10の温度Tが閾値Tthより高い場合)の車載カメラ装置1の動作を具体的に説明する。ただし、この
図7の例において、車載カメラ装置1のすべての構成部品は正常に機能し得る状態にある(即ち、故障していない)。
【0049】
通信機13には電力が供給されない(
図2のステップ205を参照。)。つまり、通信機13の動作が停止されている。よって、この場合、通信機22の通信エラーフラグFは「1」である。さらに、この場合、パルス出力装置153は、3.3Vのパルス信号PSを出力する(
図2のステップ206を参照)。このパルス信号PSが、通信ケーブル30を介して、マスターユニット20の抵抗器RR,RRに伝達される。通信ケーブル30の電線W+を介して伝達されるパルス信号PSと、電線W-を介して伝達されるパルス信号PSとが同相である。したがって、マスターユニット20の抵抗器RR,RRの接続点Cの電位がパルス信号PS(0Vから3.3Vに変化し、その後0Vに変化する信号)に従って変化する。トランジスタ242aのベースに3.3Vが印加されるとトランジスタ242aはオフ状態からオン状態へと変化する。トランジスタ242aのベースに0Vが印加されるとトランジスタ242aはオン状態からオフ状態へと変化する。その結果、パルス信号PSの周期に応じてトランジスタ242aがオン・オフを繰り返す。結果的に、端子241bにパルス信号PS(厳密には、パルス信号PSとは逆相の信号)が入力される。マスターCPUは、端子241bにパルス信号PSが入力されていることを検知して、表示器25に画像Xを表示させる(
図3のステップ305を参照)。なお、この場合、原画像データがマスターCPUに供給されないので、マスターCPUは、上記の画像認識処理を実行しない。
【0050】
つぎに、
図8を参照して、平温時において、通信機13が故障していて、その他の構成部品が正常である場合の車載カメラ装置1の動作を具体的に説明する。
【0051】
この場合、通信機13が故障しているので、通信機13と通信機22とが通信不能である。すなわち、通信機22の通信エラーフラグFが「1」である。さらに、温度Tが閾値Tth以下であるから、パルス出力装置153からパルス信号PSが出力されない(
図2のステップ204を参照)。よって、この場合、マスターCPUは、表示器25に、画像Yを表示させる(
図3のステップ306を参照)。
【0052】
以上に説明した事項を
図9の表にまとめた。この表に示したように、車載カメラ装置1において、マスターCPUは、通信機13と通信機22とが通信可能であるか否かの判定結果、及び端子241b(パルス入力端子)にパルス信号PSが入力されているか否かの判定結果に基づいて、表示器25の表示内容を制御する。なお、通信機13と通信機22とが通信可能であり、且つ端子241bにパルス信号PSが入力されていないとき(車載カメラ装置1が正常に動作しているとき(
図9の状態(1)を参照))、マスターCPUは、表示器25に、車載カメラ装置1の状態に関する画像を表示させていない。しかしながら、この場合、表示器25に、「車載カメラ装置1が正常に動作している」ことを表す画像を表示させてもよい。ユーザー(運転者又は車両Vの所有者)及び車載カメラ装置1の修理担当者は、表示器25に表示された画像(画像X又は画像Y)に基づいて、下記のように対処することができる。
【0053】
画像Xは、「デジタルカメラ12が高温状態にあって、通信機13の動作を停止させている場合」(
図9の状態(2)を参照)に表示される。この場合、少なくとも電源装置11、制御装置15、通信ケーブル30、電源装置21及び制御装置24が正常に動作している。よって、この場合、ユーザーは、温度Tが低下して通信機13がその動作を再開するまで待機すればよい。
【0054】
なお、温度Tが、閾値Tth(又は閾値Tthから正の所定の温度だけ低い温度)以下になると、スレーブCPUは、通信機13に電力が供給されるように、電源装置11を制御する。さらに、スレーブCPUは、パルス出力装置153からパルス信号PSが出力されないように、パルス出力装置153を制御する。マスターCPUは、端子241bにパルス信号PSが入力されなくなったことを検知すると、通信機22を再起動(リセット)する。このようにして、車載カメラ装置1は、原画像データを、スレーブユニット10からマスターユニット20へ転送可能な状態になる。
【0055】
画像Yは、「通信機13と通信機22との間の通信が不能であり、且つマスターユニット20にパルス信号PSが入力されていない状態にある場合」(
図9の状態(3)を参照)に表示される。したがって、
図8に例示したように、通信機13が故障している場合に画像Yが表示される。その他に、下記の故障が生じている場合にも画像Yが表示される。
・電源装置11の故障
・スレーブCPUの故障
・通信ケーブル30の断線及び/又はプラグとコネクタの嵌合不良(コンタクトピンの接触不良)
・通信機22の故障
よって、画像Yが表示される場合、ユーザーは、車載カメラ装置1を含むシステムの修理を依頼する必要がある。
【0056】
この場合、修理担当者は、例えば、次のように対処するとよい。
・通信ケーブル30のプラグをコネクタから一旦外して、再び嵌め込む
・スレーブユニット10を交換する
・マスターユニット20を交換する
・通信ケーブル30を交換する
なお、修理担当者は、オシロスコープを用いて、各端子から出力される信号を観測して、故障箇所を特定して、交換が必要な部品を特定するとよい。
【0057】
なお、画像Xが表示されている場合、温度Tが低下すれば、車載カメラ装置1が使用可能な状態になることが期待される。ここで、例えば、デジタルカメラ12が高温状態にあり、通信機13の動作を停止させている状態であり、且つ通信機13又は通信機22が故障している状態を想定する。この場合、温度Tが低下すると、パルス出力装置153からパルス信号が出力されなくなる。しかし、通信機13と通信機22とが通信不能であるから、結果的に、画像Yが表示される。この場合、修理担当者は、少なくとも電源装置11、制御装置15、通信ケーブル30、電源装置21及び制御装置24が正常に動作していて、その他の部品が故障していると推定できる。よって、この場合、修理担当者は、通信ケーブル30を交換する必要はなく、スレーブユニット10及びマスターユニット20のうちのいずれか一方又は両方を交換すればよい。なお、修理担当者は、端子12a、端子T+,T-、端子23aなどから出力される信号を、オシロスコープを用いて観測して、故障箇所を特定してもよい。そして、修理担当者は、前記特定した故障箇所を含むユニットを交換すればよい。
【0058】
(第1実施形態の効果)
車載カメラ装置1において、スレーブユニット10の温度Tが閾値Tthより高い状態にあるとき、通信機13の動作が停止される。さらに、この状態において、パルス出力装置153から、パルス信号PSが出力される。すなわち、パルス信号PSは、「通信機13の動作が停止されている」ことを表している。この状態において通信機13と通信機22とは通信しない。すなわち、通信ケーブル30は、低電圧差動信号D+,D-(原画像データを変換して得られた信号)の伝達経路としては利用されない。この状態において、通信ケーブル30は、パルス信号PSの伝達経路として利用される。したがって、車載カメラ装置1によれば、パルス信号PSの伝達経路としての通信ケーブル、バスバーなどを、低電圧差動信号D+,D―の伝達経路とは別に設けた場合に比べて、部品点数及び部品コストを削減できる。
【0059】
<第2実施形態>
(構成)
本発明の第2実施形態に係る車載カメラ装置1Aの構成は、
図1に示した車載カメラ装置1の構成と同一である。
【0060】
(動作)
車載カメラ装置1Aの動作の概略を説明する。車載カメラ装置1Aにおいて、温度Tが閾値Tthより高いとき、車載カメラ装置1と同様に、スレーブCPUは、通信機13の動作を停止させ、パルス出力装置153にパルス信号PSを出力させる。この場合のパルス信号PSの周波数は、第1周波数である「10Hz」である。一方、車載カメラ装置1Aにおいて、温度Tが閾値Tth以下であり、且つ通信機13の通信エラーフラグFが「1」であるとき、スレーブCPUは、パルス出力装置153にパルス信号PSを出力させる。この場合のパルス信号PSの周波数は「第1周波数と異なる第2周波数」であり、本例において「20Hz」である。
【0061】
マスターCPUは、通信機22の通信エラーフラグF、端子241bに入力されるパルス信号の周波数に基づいて、車載カメラ装置1の状態を判定(診断)し、その結果に基づいて、表示器25の表示内容を制御する。
【0062】
つぎに、スレーブCPU及びマスターCPUの具体的動作を説明する。車両Vのエンジンが始動されると、スレーブCPUは、
図10に示した監視プログラムの実行を開始し、マスターCPUは、
図11に示した診断プログラムの実行を開始する。
【0063】
車載カメラ装置1AのスレーブCPUは、ステップ1000から監視処理を開始する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ1001にて、温度センサ152から温度データを取得して、温度Tを検知する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ1002にて、温度Tが所定の閾値Tth以下であるか否かを判定する。温度Tが閾値Tth以下であるとき(1002:Yes)、スレーブCPUは、ステップ1003に進む。
【0064】
スレーブCPUは、ステップ1003にて、通信機13に電力が供給されるように電源装置11を制御する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ1004にて、通信機13のフラグレジスタから通信エラーフラグFの読み出しを試みる。つぎに、スレーブCPUは、ステップ1005にて、通信エラーフラグFの読み出しに成功したか否かを判定する。通信エラーフラグFの読み出しに成功したとき(1005:Yes)、スレーブCPUは、ステップ1006に進む。一方、通信エラーフラグFを読み出すことができなかったとき(通信機13が読み出し要求に応答しなかったとき(1005:No))、スレーブCPUは、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態である」(通信機13が故障している)と判定して、後述するステップ1008に進む。
【0065】
スレーブCPUは、ステップ1005からステップ1006に進むと、前記読み出した通信エラーフラグFが「0」であるか否かを判定する。前記読み出した通信エラーフラグFが「0」であるとき(1006:Yes)、スレーブCPUは、「通信機13と通信機22とが通信可能な状態である」と判定して、ステップ1007に進む。スレーブCPUは、ステップ1007にて、端子153aからパルス信号PSが出力されないように、パルス出力装置153を制御する。そして、スレーブCPUは、ステップ1001に戻る。
【0066】
これに対し、読み出しに成功した通信エラーフラグFが「1」であるとき(1006:No)、スレーブCPUは、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態である」と判定して、ステップ1008に進む。
【0067】
スレーブCPUは、ステップ1005又はステップ1006からステップ1008に進むと、端子153aからパルス信号PSが出力されるように、パルス出力装置153を制御する。その際、スレーブCPUは、このパルス信号PSの周波数が20Hz(第2周波数)であるように、パルス出力装置153を制御する。そして、スレーブCPUは、ステップ1001に戻る。
【0068】
これに対し、ステップ1001にて取得した温度Tが閾値Tthより高いとき(1002:No)、スレーブCPUは、後述するステップ1009に進む。ステップ1009にて、スレーブCPUは、通信機13に電力が供給されないように電源装置11を制御する。つぎに、スレーブCPUは、ステップ1010に進み、端子153aからパルス信号が出力されるように、パルス出力装置153を制御する。その際、スレーブCPUは、パルス信号PSの周波数が10Hz(第1周波数)であるように、パルス出力装置153を制御する。そして、スレーブCPUは、ステップ1001に戻る。
【0069】
車載カメラ装置1AのマスターCPUは、ステップ1100から診断処理を開始する。マスターCPUは、ステップ1101乃至ステップ1103の処理により、通信機13と通信機22とが通信可能な状態であるか否かを判定する。具体的には、マスターCPUは、ステップ1101にて、通信機22の通信エラーフラグFの読み出しを試みる。つぎに、マスターCPUは、ステップ1102にて、通信エラーフラグFの読み出しに成功したか否かを判定する。通信エラーフラグFの読み出しに成功したとき(1102:Yes)、マスターCPUは、ステップ1103に進む。
【0070】
マスターCPUは、ステップ1102からステップ1103に進むと、前記読み出した通信エラーフラグFが「0」であるか否かを判定する。前記読み出した通信エラーフラグFの値が「0」であるとき(1103:Yes)、マスターCPUは、「通信機13と通信機22とが通信可能な状態である」と判定して、ステップ1101に戻る。一方、前記読み出した通信エラーフラグFが「1」であるとき(1103:No)、マスターCPUは、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態である」と判定して、ステップ1104に進む。
【0071】
マスターCPUは、ステップ1103からステップ1104に進むと、端子241bにパルス信号PSが入力されているか否か(パルス信号PSを受信中か否か)を判定する。端子241bにパルス信号PSが入力されているとき(1104:Yes)、マスターCPUは、ステップ1105に進む。
【0072】
マスターCPUは、ステップ1104からステップ1105に進むと、端子241bに入力されているパルス信号PSの周波数が10Hzであるか否かを判定する。パルス信号PSの周波数が10Hzであるとき(1105:Yes)、マスターCPUは、ステップ1106に進む。一方、パルス信号PSの周波数が10Hzではないとき(パルス信号PSの周波数が20Hzであるとき(1105:No))、マスターCPUは、ステップ1107に進む。
【0073】
マスターCPUは、ステップ1105からステップ1106に進むと、表示器25に、「車載カメラ装置1(通信機13)の動作を停止させている」ことを表す画像X(
図4を参照)を表示させ、ステップ1101に戻る。
【0074】
マスターCPUは、ステップ1105からステップ1107に進むと、表示器25に、「車載カメラ装置1を修理する必要がある」ことを表す第1の画像Y1(
図13を参照)を表示させ、ステップ1101に戻る。
【0075】
なお、通信エラーフラグFを読み出すことができなかったとき(通信機22が読み出し要求に応答しなかったとき(1102:No))、マスターCPUは、「通信機13と通信機22とが通信不能な状態であり、且つ、通信機22が故障している。」と判定してステップ1108に進む。さらに、「通信エラーフラグFが「1」であり(1103:No)且つ端子241bにパルス信号PSが入力されていないとき(1104:No)、マスターCPUは、スレーブユニット10及び通信ケーブル30などが故障していると判定して、ステップ1108に進む。」
【0076】
ステップ1108にて、マスターCPUは、表示器25に、「車載カメラ装置1を修理する必要がある」ことを表す第2の画像Y2(
図14を参照)を表示させ、ステップ1101に戻る。
【0077】
以上に説明した事項を
図12の表にまとめた。この表に示したように、車載カメラ装置1Aにおいて、マスターCPUは、次の3つの判定結果に基づいて表示器25の表示内容を制御する。
・通信機13と通信機22とが通信可能であるか否かの判定結果、
・端子241b(パルス入力端子)にパルス信号PSが入力されているか否かの判定結果・パルス信号PSの周波数の判定結果(第1周波数であるか、第2周波数であるか)
【0078】
なお、本実施形態では、通信機13と通信機22とが通信可能であり、且つ端子241bにパルス信号PSが入力されていないとき(車載カメラ装置1が正常に動作しているとき(
図12の状態(1)を参照))、マスターCPUは、表示器25に、車載カメラ装置1の状態に関する画像を表示させていない。しかしながら、この場合、表示器25に、「車載カメラ装置1が正常に動作している」ことを表す画像を表示させてもよい。ユーザー(運転者又は車両Vの所有者)及び車両Vの修理担当者は、表示器25に表示された画像(画像X、画像Y1又は画像Y2)に基づいて、下記のように対処することができる。
【0079】
車載カメラ装置1と同様に、画像Xは、「デジタルカメラ12が高温状態にあって、通信機13の動作を停止させている状態にある場合」(
図12の状態(2)を参照)に表示される。よって、画像Xが表示されている場合、ユーザーは、温度Tが低下して通信機13がその動作を再開するまで待機すればよい。
【0080】
画像Y1及び画像Y2の何れか一方が表示されている場合、ユーザーは、車載カメラ装置1の修理を依頼する必要がある。この場合、修理担当者は、下記のように対処することができる。なお、車載カメラ装置1Aの複数箇所が同時に故障することは稀であるので、以下の説明において、車載カメラ装置1Aの1つの箇所が故障した状態を想定している。
【0081】
画像Y1は、「デジタルカメラ12が平温状態にあるが、通信機13と通信機22とが通信不能であって、且つパルス信号PSがスレーブユニット10からマスターユニット20に伝達されている状態にある場合」(
図12の状態(3)を参照)に表示される。すなわち、画像Y1が表示されている場合、電源装置11、制御装置15及び通信ケーブル30は、正常に動作している。言い換えれば、修理担当者は、画像Y1が表示されている場合、下記の故障のいずれか1つが生じていると推定できる。
・通信機13の故障
・通信機22の故障
【0082】
よって、修理担当者は、上記の箇所を重点的に調査して故障箇所を特定し、前記特定した箇所を含むユニットを交換すればよい。
【0083】
画像Y2は、「デジタルカメラ12が平温状態にあるが、通信機13と通信機22とが通信不能であって、且つパルス信号がスレーブユニット10からマスターユニット20に伝達されていない状態にある場合」(
図12の状態(4)を参照)に表示される。この場合、修理担当者は、下記の故障いずれか1つが生じていると推定できる。
・電源装置11の故障
・制御装置15の故障
・通信ケーブル30の故障(断線、コンタクトピンの接触不良など)
【0084】
よって、修理担当者は、上記の箇所を重点的に調査して故障箇所を特定し、前記特定した箇所を含むユニット又は通信ケーブル30を交換すればよい。
【0085】
(第2実施形態の効果)
車載カメラ装置1Aによれば、車載カメラ装置1により得られる効果に加え、下記の効果が得られる。すなわち、車載カメラ装置1によれば、ユーザー及び修理担当者は、
図9に示した3つの状態を識別できるところ、車載カメラ装置1Aによれば、ユーザー及び修理担当者は、
図12に示した4つの状態を識別できる。言い換えれば、車載カメラ装置1Aによれば、修理担当者は、車載カメラ装置1Aの故障箇所を特定し易く、迅速に修理を完了できる。
【0086】
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0087】
(変形例1)
上記の各実施形態では、スレーブユニット10において、原画像データを低電圧差動信号D+,D-に変換し、その低電圧差動信号D+,D―を、通信ケーブル30を介して、マスターユニット20に伝達させる転送方式(プロトコル)を採用している。しかし、原画像データの転送方式は、上記実施形態に限られず、周知のシリアルデータ転送方式、パラレルデータ転送方式などを採用できる。
【0088】
(変形例2)
上記のパルス信号PSの周波数(第1周波数及び第2周波数)は一例であり、他の周波数を採用してもよい。さらに、パルス信号PSに代えて、所定のビットパターンを呈する信号を採用してもよい。この場合、車載カメラ装置1Aにおいて、温度Tが閾値Tthより高いとき、スレーブCPUは、パルス出力装置153に第1のビットパターンを有する信号S1を出力させる。これに対し、車載カメラ装置1Aにおいて、温度Tが閾値Tth以下であり、且つ通信機13の通信エラーフラグFが「1」であるとき、スレーブCPUは、パルス出力装置153に「第1のビットパターンとは相違する第2のビットパターンを有する信号S2」を出力させる。車載カメラ装置1AのマスターCPUは、第1及び第2のビットパターンの何れのパターンを有する信号が送信されてきているかを識別する。
【0089】
(変形例3)
マスターCPUは、診断プログラムを実行して得られた結果(診断結果)を表す画像X、画像Yなどを表示器25に表示させているが、診断結果の提示方法は上記実施形態に限られず、診断結果を表す何等かの情報がユーザー及び修理担当者に提示されればよい。例えば、画像X、画像Yなどにそれぞれ対応する音声が発生されてもよい。更に、その診断結果は、診断結果が得られた時刻(日時)などとともに、不揮発性メモリに保存されてもよく、車載の通信機を用いて外部のサーバに送信されてもよい。この場合、ユーザー及び修理担当者は、不揮発性メモリまたは外部のサーバから診断結果を読み出し、修理などに利用することができる。
【0090】
(変形例4)
上記実施形態は、本発明を車載カメラ装置に適用した例であるが、本発明を、他の車両用制御システム(通信ケーブルを介して接続された2つのユニットを含む車両用制御システムであって、自己診断機能を備えた車両用制御システム)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1,1A…車載カメラ装置、10…スレーブユニット、11…電源装置、12…デジタルカメラ、13…通信機、15…制御装置、20…マスターユニット、21…電源装置、22…通信機、24…制御装置、25…表示器、30…通信ケーブル、D+,D-…低電圧差動信号、PS…パルス信号、V…車両、X,Y,Y1,Y2…画像