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特許7363903管理装置、制御装置、方法、プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】管理装置、制御装置、方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/30 20090101AFI20231011BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20231011BHJP
   H04W 72/51 20230101ALI20231011BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20231011BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20231011BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20231011BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H04W16/30
H04W48/16 135
H04W48/16 134
H04W72/51
H04W84/06
H04W92/24
G08G5/00 A
G01C21/34
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021543780
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(86)【国際出願番号】 JP2020033106
(87)【国際公開番号】W WO2021045053
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2019161402
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/139511(WO,A1)
【文献】特開2005-303858(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058598(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/093197(WO,A1)
【文献】特開2014-158229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
G08G 5/00
G01C 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、前記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てる割当処理手段と、
第1の移動体通信事業者ネットワークを介して、1以上の第1の移動端末の飛行計画に関する情報を受信する通信処理手段と、
前記第1の移動端末の前記飛行計画に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンの中から、前記第1の移動端末が通過する1以上のゾーンを決定する決定手段と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記通信処理手段は、前記複数のゾーンの割当に関する情報を、前記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信する、請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記通信処理手段は、前記第1の移動端末の飛行許可のために使用される情報であって、前記複数のゾーンのうちの1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報を、前記複数の移動体通信事業者ネットワークのうちの少なくとも1つから受信する、請求項2記載の管理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記第1の移動端末の前記飛行計画に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンの中から、第1の時間帯に前記第1の移動端末が通過する第1のゾーンを決定する、請求項記載の管理装置。
【請求項5】
前記複数のゾーンのそれぞれに、各々の時間帯に通過が許可される移動端末の数を設定する設定手段を更に備える、請求項4記載の管理装置。
【請求項6】
前記通信処理手段は、前記第1の移動体通信事業者ネットワークを介して、前記第1の移動端末の種別に関する情報を更に受信し、
前記設定手段は、前記第1の移動端末の種別に関する情報に基づいて、前記第1のゾーンで前記第1の時間帯に通過が許可される第2の移動端末の数を設定する、請求項5記載の管理装置。
【請求項7】
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、前記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報を、前記複数のゾーンを管理する管理装置から受信する通信処理手段と、
前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行う制御手段と、を備え
前記第1の移動端末のための前記処理は、
前記第1の移動端末の飛行許可のために使用される情報であって、前記複数のゾーンのうちの1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報を、前記管理装置に送信する処理を含む、
制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内のネットワークノードである、請求項7記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンのそれぞれと、前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内の1以上のエリア識別子とを対応付けるための処理を行う、請求項7又は8記載の制御装置。
【請求項10】
管理装置によって実行される方法であって、
前記管理装置が、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、前記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、
前記管理装置が、第1の移動体通信事業者ネットワークを介して、1以上の第1の移動端末の飛行計画に関する情報を受信することと、
前記管理装置が、前記第1の移動端末の前記飛行計画に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンの中から、前記第1の移動端末が通過する1以上のゾーンを決定することと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、制御装置、方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバなどから通信ネットワークを介して受信した飛行経路に関する情報に応じて飛行を行う移動端末(ドローンなど)が広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、各事業者端末から送信されてきた飛行予定情報に基づいてドローンに飛行空域及び飛行許可期間を割り当てること、及び複数のドローンの飛行空域及び飛行方向に所定の共通性がある場合にはこれらの複数のドローンが編隊飛行を行うことを条件にその飛行空域を共有させることが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数の事業者からドローンの飛行空域の割当要求を受け取ると、各事業者の割当実績に基づいた優先度が高い事業者を他の事業者よりも優先して飛行空域を割り当てることが開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、UAV(無人航空機)が計画に従ってワイヤレス通信ネットワーク経由で進行すること、及びUAVが通過すべきワイヤレス通信ネットワークのセル、およびこれらのセルを通過すべき時間を規定することが、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開2019/054056号
【文献】国際公開2019/093197号
【文献】特表2017-528931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したドローン、UAVなどの移動端末は、任意の移動体通信事業者ネットワークを介して飛行の管理を行う管理装置と通信を行う。このため、例えば周辺を飛行中の複数の移動端末のそれぞれが、互いに異なる移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行うことが想定される。
【0008】
しかしながら、例えば特許文献1-3に開示されている技術では、例えば上記のような複数の移動端末がそれぞれ異なる移動体通信事業者ネットワークと無線通信を行う場合に、各々の移動端末の飛行を適切に管理することができなかった。
【0009】
本発明の目的は、移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う移動端末の飛行を適切に支援することを可能にする管理装置、制御装置、方法、プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの態様によれば、管理装置は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、上記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てる割当処理部と、上記複数のゾーンの割当に関する情報を、上記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信する通信処理部と、を備える。
【0011】
本発明の一つの態様によれば、制御装置は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、上記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な前記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置から受信する通信処理部と、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行う制御部と、を備える。
【0012】
本発明の一つの態様によれば、第1の方法は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、上記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、上記複数のゾーンの割当に関する情報を、上記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信することと、を備える。
【0013】
本発明の一つの態様によれば、第2の方法は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、上記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置から受信することと、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行うことと、を備える。
【0014】
本発明の一つの態様によれば、第1のプログラムは、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、上記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、上記複数のゾーンの割当に関する情報を、上記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信することと、をプロセッサに実行させる。
【0015】
本発明の一つの態様によれば、第2のプログラムは、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、上記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置から受信することと、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行うことと、をプロセッサに実行させる。
【0016】
本発明の一つの態様によれば、第1のコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、上記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、上記複数のゾーンの割当に関する情報を、上記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信することと、をプロセッサに実行させるプログラムを記録する。
【0017】
本発明の一つの態様によれば、第2のコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、上記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置から受信することと、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行うことと、をプロセッサに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の移動端末がそれぞれ異なる移動体通信事業者ネットワークと無線通信を行う場合に、各々の移動端末の飛行を適切に管理することが可能になる。なお、本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る管理装置100の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る飛行制御装置200の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図4図4は、管理装置100が管理する飛行空域40に、移動体通信事業者ネットワーク2の間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーン41の具体例を示す図である。
図5図5は、管理装置100が各々の移動体通信事業者ネットワーク内でのトラフィックに関する情報を収集するための処理の流れの例を示す図である。
図6図6は、移動端末3aによる飛行許可要求に応じて飛行経路が設定される処理の流れの第1の具体例を示す図である。
図7図7は、移動端末3aのために設定された上記飛行経路情報に基づいた移動端末3aの飛行動作の例を説明するための説明図である。
図8図8は、移動端末3aによる飛行許可要求に応じて無線局のそれぞれに無線リソースが設定される処理の流れの第2の具体例を示す図である。
図9図9は、第2の具体例において、飛行経路に応じて移動端末3aが飛行を行う処理の流れの例を示す図である。
図10図10は、管理装置100からの飛行中止の指示に基づく処理の流れを説明するための図である。
図11図11は、移動端末同士の通信を開始する処理の流れを説明するための図である。
図12図12は、AMF1201が異なる2つの移動端末1202、1203に、異なるトラッキングエリアリストを配布する具体例を示す図である。
図13図13は、第2の実施形態に係るシステム5の概略的な構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0021】
説明は、以下の順序で行われる。
1.本発明の実施形態の概要
2.システム1の構成
3.第1の実施形態
3.1.管理装置100の構成
3.2.飛行制御装置200の構成
3.3.技術的特徴
4.第2の実施形態
4.1.システム5の構成
4.2.管理装置500の構成
4.3.制御装置600の構成
4.4.技術的特徴
5.他の実施形態
【0022】
<<1.本発明の実施形態の概要>>
まず、本発明の実施形態の概要を説明する。
【0023】
(1)技術的課題
サーバなどから通信ネットワークを介して受信した飛行経路に関する情報に応じて飛行を行う移動端末(ドローンなど)が広く知られている。
【0024】
例えば、特許文献1には、各事業者端末から送信されてきた飛行予定情報に基づいてドローンに飛行空域及び飛行許可期間を割り当てること、及び複数のドローンの飛行空域及び飛行方向に所定の共通性がある場合にはこれらの複数のドローンが編隊飛行を行うことを条件にその飛行空域を共有させることが開示されている。
【0025】
また、特許文献2には、複数の事業者からドローンの飛行空域の割当要求を受け取ると、各事業者の割当実績に基づいた優先度が高い事業者を他の事業者よりも優先して飛行空域を割り当てることが開示されている。
【0026】
さらに、特許文献3には、UAV(無人航空機)が計画に従ってワイヤレス通信ネットワーク経由で進行すること、及びUAVが通過すべきワイヤレス通信ネットワークのセル、およびこれらのセルを通過すべき時間を規定することが、開示されている。
【0027】
上述したドローン、UAVなどの移動端末は、任意の移動体通信事業者ネットワークを介して飛行の管理を行う管理装置と通信を行う。このため、例えば周辺を飛行中の複数の移動端末のそれぞれが、互いに異なる移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行うことが想定される。
【0028】
しかしながら、例えば特許文献1-3に開示されている技術では、例えば上記のような複数の移動端末がそれぞれ異なる移動体通信事業者ネットワークと無線通信を行う場合に、各々の移動端末の飛行を適切に管理することができなかった。
【0029】
本実施形態の一つの目的は、移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う移動端末の飛行を適切に支援することを可能にすることにある。
【0030】
(2)技術的特徴
本実施形態では、例えば、管理装置は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、上記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当て、上記複数のゾーンの割当に関する情報を、上記複数の移動体通信事業者によりそれぞれ管理される移動体通信事業者ネットワークに送信する。
【0031】
また、本実施形態では、例えば、制御装置は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、上記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置から受信し、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行う。
【0032】
これにより、例えば、移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う移動端末の飛行を適切に支援することが可能になる。
【0033】
なお、上述した技術的特徴は本発明の実施形態の具体的な一例であり、当然ながら、本発明の実施形態は上述した技術的特徴に限定されない。
【0034】
<<2.システム1の構成>>
図1を参照して、本発明の実施形態に係るシステム1の構成の例を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシステム1の概略的な構成の一例を示す説明図である。図1を参照すると、システム1は、管理装置100、移動体通信事業者ネットワーク2a、2b、2c(総称した場合、移動体通信事業者ネットワーク2と呼ぶ。)、移動端末3a、3b、3c(総称した場合、移動端末3と呼ぶ。)、及びアプリケーションサーバ装置400を含む。
【0035】
(管理装置100)
管理装置100は、移動体通信事業者ネットワーク2の外部に位置するネットワークノードであり、例えば移動体通信事業者ネットワーク2を介して、移動端末3と通信を行う。
【0036】
(移動体通信事業者ネットワーク2)
移動体通信事業者ネットワーク2a、2b、2cは、各々の移動体通信事業者のドメインによって管理されるネットワークである。移動体通信事業者ネットワーク2a、2b、2cは、無線アクセスネットワーク21、コアネットワーク22、NEF(Network Exposure Function)23、及び飛行制御装置200などを含む。
【0037】
移動体通信事業者ネットワーク2は、例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)の規格(standard)/仕様(specification)に準拠したネットワークである。より具体的には、例えば、移動体通信事業者ネットワーク2は、LTE/LTE-Advanced及び/又はSAE(System Architecture Evolution)の規格/仕様に準拠したネットワークであってもよい。あるいは、移動体通信事業者ネットワーク2は、第5世代(5G)/NR(New Radio)の規格/仕様に準拠したネットワークであってもよい。移動体通信事業者ネットワーク2では、無線アクセスネットワーク310により、移動端末3と無線で通信を行う。
【0038】
また、NEF23は、例えば、管理装置100が認識する移動端末3の識別番号と移動体通信事業者内の加入者認識子との対応付けを行う。
【0039】
(移動端末3)
移動端末3は、例えば宅配便、タクシーなどの用途に使用されるドローン、又は無人航空機(UAV)であって、例えば、管理装置100及び飛行制御装置200などから受信した飛行に関する情報に応じて飛行を行う端末装置である。例えば、各々の移動端末3a、3b、3cは移動体通信事業者ネットワーク2a、2b、2cのうちのいずれかとの間で通信を行う。以下では具体例として、移動端末3aは移動体通信事業者ネットワーク2aとの間で通信を行い、移動端末3bは移動体通信事業者ネットワーク2bとの間で通信を行い、移動端末3cは移動体通信事業者ネットワーク2cとの間で通信を行うものとする。
【0040】
また、各々の移動端末3は、Global Uniqueの固有な個体番号を保持する。この番号はGPSI(Generic Public Subscription Identifier)であってもよい。また、各々の移動端末3の固有な個体番号は、上述したNEF23で移動体通信事業者ネットワーク2内で管理される固有番号に変換されてもよい。移動体通信事業者ネットワーク2内の固有番号は、SUCI(Subscription Concealed Identifier)、SUPI(Subscription Permanent Identifier)、5G-GUTI(5G Globally Unique Temporary Identifier)、5G-S-TMSI(5G S-Temporary Mobile Subscription Identifier)、GUTI(Globally Unique Temporary Identifier)、S-TMSI(S-Temporary Mobile Subscription Identifier)であってもよい。
【0041】
(アプリケーションサーバ装置400)
アプリケーションサーバ装置400は、管理装置100へ種々の情報を提供する。例えば、アプリケーションサーバ装置400は、例えば管理装置100が管理する飛行空域の気象情報を取得して、任意のタイミングで気象情報を管理装置100へ提供してもよい。なお、アプリケーションサーバ装置400は、例えば各々の移動体通信事業者ネットワーク2a、2b、2c内の飛行制御装置200と通信してもよい。この場合、例えばアプリケーションサーバ装置400は、移動端末3を管理する事業者(宅配事業者、タクシー事業者など)が遠隔操作を行うための飛行アプリケーションを実行してもよい。また、アプリケーションサーバ装置400は、インターネットを介して管理装置100と通信してもよい。
【0042】
<<3.第1の実施形態>>
続いて、図2図12を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0043】
<3.1.管理装置100の構成>
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る管理装置100の構成の例を説明する。図2は、第1の実施形態に係る管理装置100の概略的な構成の例を示すブロック図である。図2を参照すると、管理装置100は、ネットワーク通信部110、記憶部120、及び処理部130を備える。
【0044】
(1)ネットワーク通信部110
ネットワーク通信部110は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。
【0045】
(2)記憶部120
記憶部120は、管理装置100の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、管理装置100の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0046】
(3)処理部130
処理部130は、管理装置100の様々な機能を提供する。処理部130は、割当処理部131、通信処理部133、決定部135、及び設定部137を含む。なお、処理部130は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部130は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。割当処理部131、通信処理部133、決定部135、及び設定部137の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0047】
例えば、処理部130(通信処理部133)は、ネットワーク通信部110を介して、移動体通信事業者ネットワーク2、及びアプリケーションサーバ装置400などと通信する。
【0048】
(4)実装例
ネットワーク通信部110は、ネットワークアダプタ並びに/又はネットワークインタフェースカード等により実装されてもよい。記憶部120は、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスク等により実装されてもよい。処理部130は、1つ以上のプロセッサにより実装されてもよい。割当処理部131、通信処理部133、決定部135、及び設定部137は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリ(記憶部120)は、上記1つ以上のプロセッサ内に含まれていてもよく、又は、上記1つ以上のプロセッサ外にあってもよい。
【0049】
管理装置100は、プログラム(命令)を記憶するメモリと、当該プログラム(命令)を実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部130の動作(割当処理部131、通信処理部133、決定部135、及び/又は設定部137の動作)を行ってもよい。上記プログラムは、処理部130の動作(割当処理部131、通信処理部133、決定部135、及び/又は設定部137の動作)をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0050】
なお、管理装置100は、仮想化されていてもよい。即ち、管理装置100は、仮想マシンとして実装されてもよい。この場合に、管理装置100(仮想マシン)は、プロセッサ及びメモリ等を含む物理マシン(ハードウェア)及びハイパーバイザ上で仮想マシンとして動作してもよい。
【0051】
<3.2.飛行制御装置200の構成>
次に、図3を参照して、第1の実施形態に係る飛行制御装置200の構成の例を説明する。図3は、第1の実施形態に係る飛行制御装置200の概略的な構成の例を示すブロック図である。図3を参照すると、飛行制御装置200は、ネットワーク通信部210、記憶部220、及び処理部230を備える。
【0052】
(1)ネットワーク通信部210
ネットワーク通信部210は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。
【0053】
(2)記憶部220
記憶部220は、飛行制御装置200の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、飛行制御装置200の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0054】
(3)処理部230
処理部230は、飛行制御装置200の様々な機能を提供する。処理部230は、通信処理部231、制御部233、及び情報取得部235を含む。なお、処理部230は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部230は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。通信処理部231、制御部233、及び情報取得部235の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0055】
例えば、処理部230(通信処理部231)は、ネットワーク通信部210を介して、管理装置100などと通信する。
【0056】
(4)実装例
ネットワーク通信部210は、ネットワークアダプタ並びに/又はネットワークインタフェースカード等により実装されてもよい。記憶部220は、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスク等により実装されてもよい。処理部230は、1つ以上のプロセッサにより実装されてもよい。通信処理部231、制御部233、及び情報取得部235は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリ(記憶部220)は、上記1つ以上のプロセッサ内に含まれていてもよく、又は、上記1つ以上のプロセッサ外にあってもよい。
【0057】
飛行制御装置200は、プログラム(命令)を記憶するメモリと、当該プログラム(命令)を実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部130の動作(通信処理部231、制御部233、及び/又は情報取得部235の動作)を行ってもよい。上記プログラムは、処理部130の動作(通信処理部231、制御部233、及び/又は情報取得部235の動作)をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0058】
なお、飛行制御装置200は、仮想化されていてもよい。即ち、飛行制御装置200は、仮想マシンとして実装されてもよい。この場合に、飛行制御装置200(仮想マシン)は、プロセッサ及びメモリ等を含む物理マシン(ハードウェア)及びハイパーバイザ上で仮想マシンとしてよい。
【0059】
<3.3.技術的特徴>
図4図12を参照して、第1の実施形態の技術的特徴を説明する。
【0060】
第1の実施形態によれば、管理装置100(割当処理部131)は、複数の移動体通信事業者ネットワーク2との間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末3が飛行可能な飛行空域に、複数の移動体通信事業者ネットワーク2の間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てる。また、管理装置100(通信処理部133)は、上記複数のゾーンの割当に関する情報を、上記複数の移動体通信事業者によりそれぞれ管理される移動体通信ネットワークに送信する。
【0061】
また、第1の実施形態によれば、飛行制御装置200(通信処理部231)は、複数の移動体通信事業者ネットワーク2との間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末3が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、複数の移動体通信事業者ネットワーク2の間で共通して三次元空間を識別可能な上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置100から受信する。また、飛行制御装置200(制御部233)は、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば、移動体通信事業者ネットワーク2a)との間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末(例えば移動端末3a)のための処理を行う。
【0062】
(1)複数のゾーンの割当に関する情報
図4は、管理装置100が管理する飛行空域40に割り当てられた、複数の移動体通信事業者ネットワーク2の間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーン41の具体例を示す図である。図4を参照すると、複数のゾーン41の各々は、例えば緯度、経度、及び高度によって特定される三次元空間である。具体例として、飛行空域40が、北緯35度X分から(X+3)分、東経139度Y分から(Y+7)分、高度150m以下で特定される領域を想定する(X、Yは、任意の正数)。この場合、例えば、管理装置100は、合計64個のゾーンを割り当てる。すなわち、緯度方向に分単位で異なる4個のゾーンが割り当てられ、経度方向に分単位で異なる8個のゾーンが割り当てられ、高度方向に75m単位に異なる2個のゾーンが割り当てられる。
【0063】
例えば、北緯35度X分、東経139度(Y+7)分、高度0~75mのゾーン41aに着目すると、緯度方向及び高度方向にそれぞれ1つシフトしたゾーンが、それぞれゾーン41b、41cに当たる。
【0064】
以上のような図4に示す例に着目すると、管理装置100は、上記複数のゾーンの上記割り当てに関する情報として、緯度、経度、及び高度によって特定される飛行空域40と、飛行空域40内に割り当てられるゾーンの数(例えば64個)及び割当基準(分単位、高度75m単位など)とに関する情報を、各々の移動体通信事業者ネットワーク2に送信する。
【0065】
また、管理装置100は、上記複数のゾーンの上記割り当てに関する情報として、飛行空域40内での各々のゾーン41を識別するための情報(ゾーンの識別子など)を、各々の移動体通信事業者ネットワーク2に送信してもよい。
【0066】
例えば、ゾーンの識別子は、緯度、経度、高度ごとに規定される値によって表現されてもよい。図4に示すような例に当てはめると、緯度方向は2ビットの値により表現され、経度方向は3ビットの値により表現され、高度方向は1ビットの値により表現される。例えば、ゾーン41aの識別子は、緯度と経度と高度との順で0011100により表現され、ゾーン41bの識別子は、緯度と経度と高度との順で0111100により表現され、ゾーン41cの識別子は、緯度と経度と高度との順で0011101により表現される。
【0067】
これにより、各々の移動体通信事業者ネットワーク2において、飛行制御装置200は、上記複数のゾーンに基づいて各々の移動体通信事業者ネットワーク2との間で通信を行う移動端末3の飛行を適切に管理することができる。
【0068】
(2)複数のゾーンとエリア識別子との対応付け
例えば、飛行制御装置200が第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内のネットワークノードである場合を想定する。この場合、飛行制御装置200(制御部233)は、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、上記複数のゾーンのそれぞれと、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内の1以上のエリア識別子とを対応付けるための処理を行ってもよい。
【0069】
具体的に、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内の上記1以上のエリア識別子は、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内に設定されるトラッキングエリアの識別子である。例えば、1つのゾーンが1つのトラッキングエリアに対応付けられてもよい。また、1つのゾーンが複数のトラッキングエリアに対応付けられてもよい。また、複数のゾーンが1つのトラッキングエリアに対応付けられてもよい。
【0070】
例えば、上述したように、ゾーンの識別子が、緯度、経度、高度ごとに規定される値によって表現される場合には、ゾーンの識別子を、トラッキングエリアの識別子の一部としてもよい。例えば、図4に示すようなゾーン41aに複数のトラッキングエリアが対応付けられている場合には、各々のトラッキングエリアの識別子は、ゾーン41aの識別子である(0011100)と、他のトラッキングエリアを区別するビット列と、により表現されてもよい。
【0071】
上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内の上記1以上のエリア識別子は、上述したようなトラッキングエリアの識別子に限定されず、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内に含まれる1以上のセル、又は1以上のセルを収容する無線局又はセクタを識別する識別子であってもよい。例えば、1つのゾーンが、複数の基地局のセットに対応付けられてもよい。具体的に図4を参照すると、ゾーン41aが、移動体通信事業者ネットワーク2aにおいて互いに隣接する2つの基地局A、Bの両方に対応付けられてもよい。また、複数のゾーンが、1つの基地局又はセクタに対応付けられてもよい。
【0072】
(2-1)ゾーンを利用した情報収集の例
例えば、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)に含まれる飛行制御装置200(情報取得部235)は、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内の上記1以上のエリア識別子(例えばセルの識別子)により識別されるエリア(例えばセル)内でのトラフィックに関する情報を取得する。
【0073】
次に、飛行制御装置200(情報取得部235)は、上記トラフィックに関する上記情報に応じて、上記1以上のエリア識別子に対応付けられている1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報を生成する。ここで、上記1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報は、例えば上記1以上のゾーンに対応付けられている各々のセル内でのトラフィックの合計値である。
【0074】
次に、飛行制御装置200(通信処理部231)は、上記1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報を、管理装置100に送信する。
【0075】
-処理の流れ
図5は、管理装置100が各々の移動体通信事業者ネットワーク内でのトラフィックに関する情報を収集するための処理の流れの例を示す図である。
【0076】
図5を参照すると、無線アクセスネットワーク21において、セルごとのトラフィックに関する情報が収集され、コアネットワーク22を介して飛行制御装置200に送信される(S501)。ここで、セルごとのトラフィックに関する情報は、時間帯ごとに予定されているトラフィック量を示す情報、及びトラフィックに付随する情報(例えばセルに在圏する各々の移動端末の種別など)を含む。次に、飛行制御装置200(制御部233)は、セルごとのトラフィックに関する情報を、各々のセルに対応付けられているゾーンごとのトラフィックに関する情報に変換する(S503)。次に、飛行制御装置200(通信処理部231)は、上記ゾーンごとのトラフィックに関する上記情報を、管理装置100に送信する。また、別の処理例として、飛行制御装置200が、すべてのセルにおけるトラフィックに関する情報を管理してもよい。この場合、セルごとのトラフィックに関する情報の収集(S501)は実行されない。
【0077】
上記図5に示す処理によれば、管理装置100は、各々の移動体通信事業者ネットワーク2内でのトラフィックに関する情報をゾーンごとに収集することができる。
【0078】
(2-2)移動端末の飛行の管理
管理装置100(通信処理部231)は、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)を介して、第1の移動端末の飛行計画に関する情報を受信する。例えば、上記第1の移動端末の上記飛行計画に関する上記情報は、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)内の飛行制御装置200から送信される。具体的に、上記飛行計画に関する情報は、上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)により行われる飛行許可要求であって、例えば出発地点、目的地、出発予定時間、及び上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の種別などを示す情報を含む。
【0079】
管理装置100(決定部135)は、上記1の移動端末の上記飛行計画に関する上記情報に基づいて、上記複数のゾーンの中から、上記第1の移動端末が通過する1以上のゾーンを決定する。より具体的には、管理装置100(決定部135)は、上記1の移動端末の上記飛行計画に関する上記情報に基づいて、上記複数のゾーンの中から、第1の時間帯に上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)が通過する第1のゾーンを決定する。このようにして各々の時間帯に上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)が通過するゾーン(第1のゾーン)が決定される。そして、上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)が通過する1以上のゾーンに関する情報は、上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の飛行経路情報として、管理装置100から上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)に送信される。
【0080】
移動体通信事業者ネットワーク2内の飛行制御装置200(通信処理部231)は、管理装置100から、上記1以上の第1の移動端末(例えば移動端末3a)の飛行が許可される1以上のゾーンを含む飛行経路に関する情報を受信する。そして、飛行制御装置200(制御部233)は、上記1以上の第1の移動端末(例えば移動端末3a)の飛行が許可される1以上のゾーンを含む上記飛行経路に関する上記情報に基づいて、上記1以上の第1の移動端末(例えば移動端末3a)の飛行のための無線リソースを設定する。
【0081】
-処理の流れ
(第1の具体例)
図6は、移動端末3aによる飛行許可要求に応じて飛行経路が設定される処理の流れの第1の具体例を示す図である。
【0082】
図6を参照すると、移動端末3aは、無線アクセスネットワーク21及びコアネットワーク22を介して飛行制御装置200に飛行許可要求のメッセージを送信する(S601)。ここで、飛行許可要求のメッセージには、上述したように出発地点、目的地、出発予定時間、及び上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の種別などを示す情報が含まれる。
【0083】
次に、飛行制御装置200は、移動端末3aから受信した飛行許可要求のメッセージに対応するメッセージを管理装置100に送信する(S603)。
【0084】
次に、管理装置100は、飛行制御装置200から受信した飛行許可要求のメッセージに応じて、移動端末3aのための飛行許可のメッセージを作成して、このメッセージを飛行制御装置200に送信する(S605)。ここで、移動端末3aのための飛行許可のメッセージには、例えば、出発地点、目的地、当該飛行を識別するための飛行番号、許容される出発時間、及び1以上のゾーンにより特定される飛行経路情報などが含まれる。
【0085】
また、管理装置100が行う飛行許可の判断は、飛行予定のゾーンに関する混雑度が加味される。混雑度とは、そのゾーンにサービスを提供するすべての移動体通信事業者が扱うトラフィックに対する混雑の度合いを意味する。ある時間のあるゾーンの混雑度が高く飛行の許可を与えることができない場合、管理装置100は、別の代替えルートを元に飛行許可のメッセージを飛行制御装置200に送信してもよい(S605)。ただし、管理装置100が別の代替えルートを見つけられなかった際は、混雑による飛行不許可を意味する理由をつけた飛行不許可のメッセージを飛行制御装置200のメッセージに送信してもよい。
【0086】
さらに、飛行制御装置200が行う飛行許可の判断は、アプリケーションサーバ装置400から受けた情報が加味されてもよい。例えば、移動端末3aから受けた飛行計画の日時、および飛行地区が嵐などの悪天候の場合は、悪天候による飛行不許可を意味する理由を含む飛行不許可のメッセージを飛行制御装置200のメッセージに送信してもよい。
【0087】
次に、飛行制御装置200は、コアネットワーク22及び無線アクセスネットワーク21とそれぞれ通信して、移動端末3aの飛行のためのリソースを確保する処理を行う(S607)。
【0088】
次に、飛行制御装置200は、管理装置100から受信した飛行番号を、移動体通信事業者ネットワーク2a内で識別可能な飛行番号に変換する(S609)。
【0089】
次に、飛行制御装置200は、飛行許可のメッセージを移動端末3aに送信する(S611)。ここで、飛行許可のメッセージには、例えば、出発地点、目的地、移動体通信事業者ネットワーク2a内で識別可能な飛行番号、許容される出発時間、許容される飛行経路などが含まれる。
【0090】
上記図6に示す処理によれば、移動端末3aによる飛行許可要求に対して1以上のゾーンにより特定される飛行経路情報を設定することができる。
【0091】
図7は、移動端末3aのために設定された上記飛行経路情報に基づいた移動端末3aの飛行動作の例を説明するための説明図である。図7を参照すると、例えば、上述したS607において、無線アクセスネットワーク21は、出発地点71から目的地72までの飛行経路73上にカバレッジエリアが設定されている4つの無線局211、212、213、214に、移動端末3aが飛行経路73に沿った飛行のための無線リソースを割り当てる。上記無線リソースとは、具体的に、各々の無線局211、212、213、214が、移動端末3aと無線通信を行うために確保する周波数時間領域のリソースである。各々の無線局211、212、213、214は、例えば移動端末3aがカバレッジエリアに在圏する間、移動端末3aのために、移動端末3aが飛行を行うのに必要な量の周波数時間領域のリソースを確保する。これにより、図7に示すように、移動端末3aは、無線局211、212、213、214の順番で各無線局を介して、飛行制御装置200及び管理装置100との間で情報(例えば、移動端末3aの位置情報、移動端末3aのバッテリ残量情報、管理装置100からの指示情報など)を送受信することにより、飛行経路73に沿った飛行を行うことができる。
【0092】
(第2の具体例)
図8は、移動端末3aによる飛行許可要求に応じて無線局のそれぞれに無線リソースが設定される処理の流れの第2の具体例を示す図である。
【0093】
図8を参照すると、移動端末3aは飛行制御装置200に飛行許可要求のメッセージを送信する(S801)。ここで、飛行許可要求のメッセージには、出発地点、目的地、出発予定時間、及び上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の種別などを示す情報が含まれる。さらに、飛行許可要求のメッセージには、どのRAT(Radio Access Technology)、周波数帯をサポートしているかを示す移動端末3aの無線特性情報と、最高速度、最高高度、飛行可能時間、及び耐風特性などを示す飛行特性情報とが含まれてもよい。
【0094】
次に、飛行制御装置200は、移動端末3aから受信した飛行許可要求のメッセージに対応するメッセージを管理装置100に送信して、管理装置100から移動端末3aのための飛行許可のメッセージを受信する(S803)。ここで、移動端末3aのための飛行許可のメッセージには、例えば、出発地点、目的地、当該飛行を識別するための飛行番号、許容される出発時間、及び1以上のゾーンにより特定される飛行経路情報などが含まれる。
【0095】
また、管理装置100が行う飛行許可の判断は、飛行予定のゾーンに関する混雑度が加味される。混雑度とは、そのゾーンにサービスを提供するすべての移動体通信事業者が扱うトラフィックに対する混雑の度合いを意味する。ある時間のあるゾーンの混雑度が高く飛行の許可を与えることができない場合、管理装置100は、別の代替えルートを元に飛行許可のメッセージを飛行制御装置200に送信してもよい。ただし、管理装置100が別の代替えルートを見つけられなかった際は、混雑による飛行不許可を意味する理由をつけた飛行不許可のメッセージを飛行制御装置200のメッセージに送信してもよい。
【0096】
さらに、飛行制御装置200が行う飛行許可の判断は、アプリケーションサーバ装置400から受けた情報が加味されてもよい。例えば、移動端末3aから受けた飛行計画の日時、および飛行地区が嵐などの悪天候の場合は、悪天候による飛行不許可を意味する理由をつけた飛行不許可のメッセージを飛行制御装置200のメッセージに送信してもよい。
【0097】
次に、飛行制御装置200は、例えば、アプリケーションサーバ装置400からの情報に基づいて飛行で用いる無線局を決定する(S805)。具体的には、飛行制御装置200は、アプリケーションサーバ装置400から気象情報を受信し、各無線局の混雑度、移動端末3aの性能、天気予報などを考慮して、例えば飛行経路上にカバレッジエリアが設定されている3つの無線局801、802、803を、移動端末3aのための飛行に用いられる無線局に決定する。
【0098】
次に、飛行制御装置200は、管理装置100から受信した飛行番号を、移動体通信事業者ネットワーク2a内で識別可能な飛行番号に変換する(S807)。
【0099】
次に、飛行制御装置200は、無線局211に、飛行時間帯のリソース確保要求を示すメッセージを送信する(S809)。ここで、飛行時間帯のリソース確保要求を示すメッセージには、例えば、移動体通信事業者ネットワーク2a内で移動端末3aを識別可能な識別子と、移動端末ごとに正規化された飛行番号とが含まれる。次に、無線局211は、飛行時間帯のリソース確保成功を示すメッセージを飛行制御装置200に送信する(S811)。
【0100】
次に、飛行制御装置200は、無線局212に、飛行時間帯のリソース確保要求を示すメッセージを送信する(S813)。ここで、飛行時間帯のリソース確保要求を示すメッセージには、例えば、移動体通信事業者ネットワーク2a内で移動端末3aを識別可能な識別子と、移動端末ごとに正規化された飛行番号とが含まれる。次に、無線局212は、飛行時間帯のリソース確保成功を示すメッセージを飛行制御装置200に送信する(S815)。
【0101】
次に、飛行制御装置200は、無線局213に、飛行時間帯のリソース確保要求を示すメッセージを送信する(S817)。ここで、飛行時間帯のリソース確保要求を示すメッセージには、例えば、移動体通信事業者ネットワーク2a内で移動端末3aを識別可能な識別子と、移動端末ごとに正規化された飛行番号とが含まれる。次に、無線局213は、飛行時間帯のリソース確保成功を示すメッセージを飛行制御装置200に送信する(S819)。
【0102】
図9は、第2の具体例において、飛行経路に応じて移動端末3aが飛行を行う処理の流れの例を示す図である。
【0103】
図9を参照すると、まず、飛行制御装置200は、移動端末3aに飛行許可を示すメッセージを送信する(S901)。
【0104】
飛行制御装置200は、例えば、出発時刻の数分前(例えば、14時58分)を経過すると、移動端末3aとの間の通信を開始する(S903)。あるいは、移動端末3aが、飛行制御装置200との間の通信を開始してもよい(S903)。
【0105】
次に、移動端末3aは、出発時間(例えば15時)になると、出発点から離陸して、目的地への飛行を開始する(S905)。
【0106】
次に、移動端末3aは、定期的に現在位置情報などを飛行制御装置200に報告する。また、飛行制御装置200は、移動端末3aに対して飛行速度及び飛行方向など飛行に関する指示を行う(S907)。
【0107】
次に、移動端末3aは、到着予定時刻(例えば、15時20分)前に目的地に到着する(S909)。
【0108】
上記図8及び図9に示す処理によれば、飛行制御装置200は、気象情報や無線局の混雑、輻輳状態などを考慮して、適切な無線局に、移動端末3aの飛行のための無線リソースを確保することができる。これにより、移動端末3aは、確実に出発地から目的地まで飛行を行うことが可能になる。
【0109】
(3)各々のゾーンを通過可能な移動端末数の管理
管理装置100(設定部137)は、上記複数のゾーンのそれぞれに、各々の時間帯に通過が許可される移動端末の数を設定してもよい。例えば、管理装置100は、各々の移動端末3の飛行方向に応じて、各々の時間帯にゾーン内の通過が許可される移動端末の数を設定してもよい。また、管理装置100は、昼間の時間帯に通過が許可される移動端末に比べて、夜間の時間帯に通過が許可される移動端末の数を少なくしてもよい。これにより、有視界での飛行が難しい夜間の時間帯において適切に移動端末の飛行を管理することができる。また、管理装置100(設定部137)は、あらゆる移動端末の飛行が許可されてないエリアについて、当該ゾーンに許可される移動端末の数を常に0と設定してもよい。
【0110】
さらに、管理装置100(設定部137)は、各々の時間帯にゾーン内の通過が許可される移動端末の数を、移動端末の優先順位に応じて設定してもよい。
【0111】
具体的には、管理装置100(通信処理部133)は、上記第1の移動体通信事業者ネットワーク(例えば移動体通信事業者ネットワーク2a)を介して、上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の種別に関する情報を受信する。そして、管理装置100(設定部137)は、上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の種別に関する情報に基づいて、第1のゾーンで第1の時間帯に通過が許可される第2の移動端末の数を設定してもよい。
【0112】
ここで、上記第1の移動端末(例えば移動端末3a)の種別に関する上記情報は、例えば移動端末の用途(宅配便、タクシー)などによって分類される属性に当たる。一例として、上記第1の移動端末(移動端末3a)の種別が宅配便である場合、管理装置100(設定部137)は、上記第1のゾーンで上記第1の時間帯に通過が許可される第2の移動端末の数を9に設定する。つまり、上記第1のゾーンで上記第1の時間帯に通過が許可される移動端末の合計数が10に設定される。これに対して、上記第1の移動端末(移動端末3a)の種別がタクシーである場合、管理装置100(設定部137)は、上記第1のゾーンで上記第1の時間帯に通過が許可される第2の移動端末の数を0に設定する。つまり、上記第1のゾーンで上記第1の時間帯に通過が許可される移動端末の合計数が1に設定される。
【0113】
(4)飛行中止の指示情報の通知
飛行制御装置200(通信処理部231)は、管理装置100から、第1のゾーンでの飛行の中止を指示する情報を更に受信してもよい。この場合、飛行制御装置200(制御部233)は、上記第1のゾーンに対応付けられている1以上のエリア識別子に識別されるエリアに存在する1以上の移動端末に、飛行の中止を指示する情報を通知してもよい。
【0114】
より具体的に、上記飛行の中止を指示する上記情報は、Public Warning System(PWS)notification、あるいはCell Broadcast Service(CBS)のブロードキャストメッセージ内に含まれる。
【0115】
-処理の流れ
図10は、管理装置100からの飛行中止の指示に基づく処理の流れを説明するための図である。図10に示す例では、第1トラッキングエリアは、無線アクセスネットワーク1001、1002を含み、第2トラッキングエリアは無線アクセスネットワーク1003を含むものとする。
【0116】
図10を参照すると、まず、管理装置100は、例えばアプリケーションサーバ装置400から気象情報に基づき第1のゾーンに雹が発生中であることを認識し、上記第1のゾーンに対する飛行中止指示のメッセージを飛行制御装置200に送信する(S1001)。
【0117】
次に、飛行制御装置200は、上記複数のゾーンのそれぞれと上記1以上のエリア識別子との対応関係を参照して、上記第1のゾーンと対応関係にあるエリア識別子(例えば、第1トラッキングエリアの識別子)に変換する(S1003)。
【0118】
次に、飛行制御装置200は、第1トラッキングエリア内に含まれる無線アクセスネットワーク1001、1002の(無線局)に対して、管理装置100からの飛行中止指示のメッセージに対応するメッセージを送信する(S1005、1007)。
【0119】
次に、第1トラッキングエリア内に含まれる無線アクセスネットワーク1001、1002の(無線局)は、飛行中止指示のメッセージを、第1トラッキングエリア内に在圏する全ての移動端末3に通知する(S1009、S1011)。
【0120】
次に、第1トラッキングエリア内に在圏する各々の移動端末3は、無線局からの飛行中止指示のメッセージに応じて、着陸動作を開始する(S1013)。
【0121】
上記図10に示す処理によれば、飛行制御装置200は、飛行中止が必要となるゾーンに対応する第1トラッキングエリアのみに飛行中止を指示することができる。例えば飛行制御装置200は、飛行中止の必要性がない第2トラッキングエリアに対しては不要な飛行中止を行わないようにすることができる。
【0122】
(着陸動作中における端末間通信)
例えば、同一のトラッキングエリア内で着陸動作を行う2以上の移動端末は、端末間通信を行うようにしてもよい。このような端末間通信により、2以上の移動端末が衝突するような事態を回避することができる。
【0123】
図11は、移動端末同士の通信を開始する処理の流れを説明するための図である。
【0124】
図11を参照すると、飛行制御装置200は、移動端末3との接続を開始する(S1101)。次に、飛行制御装置200と移動端末3との間の通信により、PDUセッションを設定する(S1103)。
【0125】
次に、移動端末3は、近傍の移動端末3との端末間通信のためのディスカバリリクエストのメッセージを飛行制御装置200に送信する(S1105)。例えばディスカバリリクエストのメッセージには、近傍の移動端末3の識別情報および飛行経路に関する情報などが含まれる。次に、飛行制御装置200は、ディスカバリリクエストに応じた認証処理を行い(S1107)、認証に成功するとディスカバリレスポンスのメッセージを移動端末3に送信する(S1109)。その後、移動端末3は、上記近傍の移動端末3との間で端末間通信を開始する(S1111)。このようにして、移動端末3間の端末間通信により、例えば相互に現在位置情報が送受信されることで、衝突を回避しながら確実に着陸することができる。
【0126】
(5)位置登録処理の起動ポイントの分散化
移動体通信事業者ネットワーク2に含まれるコアネットワーク22のノード(例えば、AMF(Access AND Mobility Management Function))は、各々の移動端末3に、複数のトラッキングエリアを束ねたトラッキングエリアリストを配布して、位置登録を管理してもよい。図12は、AMF1201が異なる2つの移動端末1202、1203に、異なるトラッキングエリアリストを配布する具体例を示す図である。
【0127】
図12に示す例によれば、移動端末1202、1203の両方は、トラッキングエリアTA1、TA2、TA3、TA4、TA5の順番に沿った飛行経路に従って、ほぼ同一時間帯で飛行を行う。この場合、移動端末1202には、トラッキングエリアTA1及びTA2を含むトラッキングエリアリストと、トラッキングエリアTA3、TA4及びTA5を含むトラッキングエリアリストとが配布される。また、移動端末1203には、トラッキングエリアTA1を含むトラッキングエリアリストと、トラッキングエリアTA2及びTA3を含むトラッキングエリアリストと、トラッキングエリアTA4及びTA5を含むトラッキングエリアリストが配布される。
【0128】
このようにして移動端末1202、1203に配布されるトラッキングエリアリストが異なることで、移動端末1202、1203はそれぞれ異なるタイミングで、AMF1201との間で位置登録処理を開始することになる。つまり、図12に示す例によれば、位置登録信号処理の起動ポイントの分散化を行うことで制御信号の輻輳が低減できる。
【0129】
<<4.第2の実施形態>>
続いて、図13を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態は、具体的な実施形態であるが、第2の実施形態は、より一般化された実施形態である。
【0130】
<4.1.システム5の構成>
図13を参照して、第2の実施形態に係るシステム5の構成の例を説明する。
【0131】
図13は、第2の実施形態に係るシステム5の概略的な構成の一例を示す説明図である。図13を参照すると、システム5は、管理装置500、及び制御装置600を含む。
【0132】
<4.2.管理装置500の構成>
図13を参照すると、管理装置500は、割当処理部511及び通信処理部513を備える。割当処理部511及び通信処理部513の具体的な動作は後に説明する。
【0133】
割当処理部511及び通信処理部513は、1つ以上のプロセッサと、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスクとにより実装されてもよい。割当処理部511及び通信処理部513は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリは、上記1つ以上のプロセッサ内に含まれていてもよく、又は、上記1つ以上のプロセッサ外にあってもよい。
【0134】
管理装置500は、プログラム(命令)を記憶するメモリと、当該プログラム(命令)を実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、割当処理部511及び通信処理部513の動作を行ってもよい。上記プログラムは、割当処理部511及び通信処理部513の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0135】
<4.3.制御装置600の構成>
図13を参照すると、制御装置600は、通信処理部611及び制御部613を備える。通信処理部611及び制御部613の具体的な動作は後に説明する。
【0136】
通信処理部611及び制御部613は、1つ以上のプロセッサと、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスクとにより実装されてもよい。通信処理部611及び制御部613は、同一のプロセッサにより実装されてもよく、別々に異なるプロセッサにより実装されてもよい。上記メモリは、上記1つ以上のプロセッサ内に含まれていてもよく、又は、上記1つ以上のプロセッサ外にあってもよい。
【0137】
制御装置600は、プログラム(命令)を記憶するメモリと、当該プログラム(命令)を実行可能な1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、通信処理部611及び制御部613の動作を行ってもよい。上記プログラムは、通信処理部611及び制御部613の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0138】
<4.4.技術的特徴>
第2の実施形態に係る技術的特徴を説明する。
【0139】
第2の実施形態によれば、管理装置500(割当処理部511)は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てる。また、管理装置500(通信処理部513)は、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数の移動体通信事業者によりそれぞれ管理される移動体通信ネットワークに送信する。
【0140】
また、第2の実施形態によれば、制御装置600(通信処理部611)は、複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報を、上記複数のゾーンを管理する管理装置500から受信する。また、制御装置600(制御部613)は、上記複数のゾーンの上記割当に関する上記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行う。
【0141】
-第1の実施形態との関係
一例として、第2の実施形態の管理装置500及び制御装置600は、それぞれ、第1の実施形態の管理装置100、飛行制御装置200である。この場合に、第1の実施形態についての説明は、第2の実施形態にも適用されうる。
【0142】
なお、第2の実施形態は、この例に限定されない。
【0143】
以上、第2の実施形態を説明した。第2の実施形態によれば、移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う移動端末の飛行を適切に支援することが可能となる。
【0144】
<<5.他の実施形態>>
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0145】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0146】
また、本明細書において説明した管理装置の構成要素(例えば、割当処理部、通信処理部、決定部、及び/又は設定部)を備える装置(例えば、管理装置を構成する複数の装置(又はユニット)のうちの1つ以上の装置(又はユニット)、又は上記複数の装置(又はユニット)のうちの1つのためのモジュール)が提供されてもよい。本明細書において説明した飛行制御装置の構成要素(例えば、通信処理部、制御部、及び/又は情報取得部)を備える装置(例えば、端末装置のためのモジュール)が提供されてもよい。また、上記構成要素の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-transitory computer readable medium)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体も本発明に含まれる。
【0147】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0148】
(付記1)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、前記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てる割当処理部と、
前記複数のゾーンの割当に関する情報を、前記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信する通信処理部と、を備える管理装置。
【0149】
(付記2)
前記通信処理部は、第1の移動体通信事業者ネットワークを介して、第1の移動端末の飛行計画に関する情報を受信する、付記1記載の管理装置。
【0150】
(付記3)
前記第1の移動端末の前記飛行計画に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンの中から、前記第1の移動端末が通過する1以上のゾーンを決定する決定部を更に備える、付記2記載の管理装置。
【0151】
(付記4)
前記決定部は、前記第1の移動端末の前記飛行計画に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンの中から、第1の時間帯に前記第1の移動端末が通過する第1のゾーンを決定する、付記3記載の管理装置。
【0152】
(付記5)
前記複数のゾーンのそれぞれに、各々の時間帯に通過が許可される移動端末の数を設定する設定部を更に備える、付記4記載の管理装置。
【0153】
(付記6)
前記通信処理部は、前記第1の移動体通信事業者ネットワークを介して、前記第1の移動端末の種別に関する情報を更に受信し、
前記設定部は、前記第1の移動端末の種別に関する情報に基づいて、前記第1のゾーンで前記第1の時間帯に通過が許可される第2の移動端末の数を設定する、付記5記載の管理装置。
【0154】
(付記7)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、前記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報を、前記複数のゾーンを管理する管理装置から受信する通信処理部と、
前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行う制御部と、を備える、制御装置。
【0155】
(付記8)
前記制御装置は、前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内のネットワークノードである、付記7記載の制御装置。
【0156】
(付記9)
前記制御部は、前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、前記複数のゾーンのそれぞれと、前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内の1以上のエリア識別子とを対応付けるための処理を行う、付記7又は8記載の制御装置。
【0157】
(付記10)
前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内の前記1以上のエリア識別子は、前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内に設定されるトラッキングエリアの識別子である、付記9記載の制御装置。
【0158】
(付記11)
前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内の前記1以上のエリア識別子は、前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内の1以上のセルの識別子である、付記9記載の制御装置。
【0159】
(付記12)
前記第1の移動体通信事業者ネットワーク内の前記1以上のエリア識別子により識別されるエリア内でのトラフィックに関する情報を取得する情報取得部を更に備え、
前記制御部は、前記トラフィックに関する前記情報に応じて、前記1以上のエリア識別子に対応付けられている1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報を生成し、
前記通信処理部は、前記1以上のゾーン内でのトラフィックに関する情報を、前記管理装置に送信する、付記9乃至11のうち何れか1項記載の制御装置。
【0160】
(付記13)
前記通信処理部は、前記管理装置から、第1のゾーンでの飛行の中止を指示する情報を更に受信し、
前記制御部は、前記第1のゾーンに対応付けられている1以上のエリア識別子に識別されるエリアに存在する1以上の移動端末に、飛行の中止を指示する情報を通知する、付記9乃至12のうち何れか1項記載の制御装置。
【0161】
(付記14)
前記飛行の中止を指示する前記情報は、Public Warning System(PWS)notification又はCell Broadcast Service(CBS)のブロードキャストメッセージ内に含まれる、付記13記載の制御装置。
【0162】
(付記15)
前記通信処理部は、前記管理装置から、前記1以上の第1の移動端末の飛行が許可される1以上のゾーンを含む飛行経路に関する情報を更に受信し、
前記制御部は、前記1以上の第1の移動端末の飛行が許可される1以上のゾーンを含む前記飛行経路に関する前記情報に基づいて、前記1以上の第1の移動端末の飛行のための無線リソースを設定する、付記7乃至14のうち何れか1項記載の制御装置。
【0163】
(付記16)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、前記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、
前記複数のゾーンの割当に関する情報を、前記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信することと、を備える方法。
【0164】
(付記17)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、前記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報を、前記複数のゾーンを管理する管理装置から受信することと、
前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行うことと、を備える方法。
【0165】
(付記18)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、前記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、
前記複数のゾーンの割当に関する情報を、前記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信することと、をプロセッサに実行させるプログラム。
【0166】
(付記19)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、前記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報を、前記複数のゾーンを管理する管理装置から受信することと、
前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行うことと、をプロセッサに実行させるプログラム。
【0167】
(付記20)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に、前記移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な複数のゾーンを割り当てることと、
前記複数のゾーンの割当に関する情報を、前記複数の移動体通信事業者ネットワークに送信することと、をプロセッサに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。
【0168】
(付記21)
複数の移動体通信事業者ネットワークとの間でそれぞれ無線通信を行う複数の移動端末が飛行可能な飛行空域に割り当てられた複数のゾーンの割当に関する情報であって、前記複数の移動体通信事業者ネットワークの間で共通して三次元空間を識別可能な前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報を、前記複数のゾーンを管理する管理装置から受信することと、
前記複数のゾーンの前記割当に関する前記情報に基づいて、第1の移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う1以上の第1の移動端末のための処理を行うことと、をプロセッサに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体。
【0169】
この出願は、2019年9月4日に出願された日本出願特願2019-161402を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0170】
移動端末の飛行を行うシステムにおいて、移動体通信事業者ネットワークとの間で無線通信を行う移動端末の飛行を適切に支援することができる。
【符号の説明】
【0171】
1、5 システム
2、2a、2b、2c 移動体通信事業者ネットワーク
3、3a、3b、3c 移動端末
40 飛行空域
41 ゾーン
100、500 管理装置
200 飛行制御装置
600 制御装置
131、511 割当処理部
133、231、513、611 通信処理部
135 決定部
137 設定部
233、613 制御部
235 情報取得部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13