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特許7363924サービス管理装置、パワーコンディショニングシステム、分散電源システム、電力制御システムおよびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】サービス管理装置、パワーコンディショニングシステム、分散電源システム、電力制御システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20231011BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231011BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J13/00 311R
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021567165
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(86)【国際出願番号】 JP2020045467
(87)【国際公開番号】W WO2021131638
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2019231731
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】工藤 耕治
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-176948(JP,A)
【文献】特開2018-078669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 5/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、
を備えるサービス管理装置。
【請求項2】
前記区分処理手段は、少なくとも一部のサービスについて、前記入出力電力を、前記サービス毎、前記電源機器毎、かつ、発電方式に基づく電力の属性毎に区分して算出する、
請求項に記載のサービス管理装置。
【請求項3】
前記区分処理手段は、前記属性が付加価値として反映される前記サービスに対して、前記電源機器からの電力のうち付加価値に該当する属性を有する電力を優先的に割り当てて、区分毎の入出力電力を算出する、
請求項に記載のサービス管理装置。
【請求項4】
蓄電可能な前記電源機器の蓄電電力量を、充電に用いられる電力の属性毎に算出する蓄電情報処理手段
をさらに備える、請求項1からの何れか一項に記載のサービス管理装置。
【請求項5】
前記区分処理手段は、入出力電力の指令値に基づいて、前記区分毎の入出力電力を算出する、請求項1からの何れか一項に記載のサービス管理装置。
【請求項6】
前記区分処理手段は、入出力電力の計測値に基づいて、前記区分毎の入出力電力を算出する、請求項1からの何れか一項に記載のサービス管理装置。
【請求項7】
請求項1からの何れか一項に記載のサービス管理装置を備えるパワーコンディショニングシステム。
【請求項8】
複数の電源機器と、
前記複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスの入出力電力に基づいて、前記電源機器毎の入出力電力を決定する入出力電力決定手段と、
前記電源機器毎に決定された入出力電力に従って前記電源機器を制御する機器制御手段と、
前記サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、
を備える分散電源システム。
【請求項9】
サービスにおける入出力電力の要求量を決定する上位制御装置と、
複数の電源機器と、
前記サービスにおける入出力電力の要求量に基づいて、前記電源機器毎の入出力電力を決定する入出力電力決定手段と、
前記電源機器毎に決定された入出力電力に従って前記電源機器を制御する機器制御手段と、
前記サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、
を備える電力制御システム。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器毎に区分して算出し、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分毎に記録すること
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス管理装置、パワーコンディショニングシステム、分散電源システム、電力制御システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、単一の蓄電池を複数の用途に使用するための複数目的制御装置が記載されている。この複数目的制御装置は、電池用パワーコンディショナーの定格出力以内で出力指令値を決定するために、用途毎の制御指令値に案分係数を乗算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2014-236600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力需給に関するサービスには、太陽光発電や風力発電の電力に代表されるグリーン電力など電力の属性に付加価値が認められるサービスがある。属性の異なる電力をサービスに用いる場合、属性による付加価値を活用するために、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことが求められる。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできるサービス管理装置、パワーコンディショニングシステム、分散電源システム、電力制御システムおよびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、サービス管理装置は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、分散電源システムは、複数の電源機器と、前記複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスの入出力電力に基づいて、前記電源機器毎の入出力電力を決定する入出力電力決定手段と、前記電源機器毎に決定された入出力電力に従って前記電源機器を制御する機器制御手段と、前記サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、を備える。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、電力制御システムは、サービスにおける入出力電力の要求量を決定する上位制御装置と、複数の電源機器と、前記サービスにおける入出力電力の要求量に基づいて、前記電源機器毎の入出力電力を決定する入出力電力決定手段と、前記電源機器毎に決定された入出力電力に従って前記電源機器を制御する機器制御手段と、前記サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、を備える。
発明の第の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器毎に区分して算出し、前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分毎に記録することを実行させるためのプログラムである
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、どの電源機器を用いてどの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一実施形態に係る電力制御システムの構成を示す図である。
図2】第一実施形態に係るパワーコンディショニングシステムが電力変換を行う構成の例を示す図である。
図3】第一実施形態に係るパワーコンディショニングシステムの機能構成の例を示す図である。
図4】第一実施形態に係るパワーコンディショニングシステムが入出力電力指令値を算出する構成の例を示す図である。
図5】第一実施形態に係る区分処理部による電源機器の入出力電力の割当計算の第1例を示す図である。
図6】第一実施形態に係る区分処理部による電源機器の入出力電力の割当計算の第2例を示す図である。
図7】第一実施形態に係る区分処理部による電源機器の入出力電力の割当計算の第3例を示す図である。
図8】第一実施形態に係る区分処理部による電源機器の入出力電力の割当計算の第4例を示す図である。
図9】第一実施形態に係る区分処理部による電源機器の入出力電力の割当計算の第5例を示す図である。
図10】第一実施形態に係るパワーコンディショニングシステムが行う処理の手順の例を示すフローチャートである。
図11】第一実施形態に係る区分処理部がサービスの実施量の内訳を算出する処理手順の第1例を示すフローチャートである。
図12】第一実施形態に係る区分処理部がサービスの実施量の内訳を算出する処理手順の第2例を示すフローチャートである。
図13】第一実施形態に係る区分処理部およびサービス記録部が、個々のサービスの実施量の内訳を算出し記録する処理手順の例を示す図である。
図14】第一実施形態に係る蓄電情報処理部が、充放電可能な電源機器の、電力の属性毎の蓄電電力量を算出する処理手順の例を示すフローチャートである。
図15】第二実施形態に係る電力制御システムにおける直流配電網の設置の第一形態の例を示す図である。
図16】第二実施形態に係る電力制御システムにおける直流配電網の設置の第二形態の例を示す図である。
図17】第二実施形態に係る電力制御システムにおける直流配電網の設置の第三形態の例を示す図である。
図18】第二実施形態に係る電力制御システムにおける情報の経路の構成例を示す図である。
図19】第二実施形態に係る直流配電網を介しての電力のやり取りの第一例を示す図である。
図20】第二実施形態に係る直流配電網を介しての電力のやり取りの第二例を示す図である。
図21】第二実施形態に係る直流配電網を介しての電力のやり取りの第三例を示す図である。
図22】第二実施形態に係る直流配電網を介しての電力のやり取りの第四例を示す図である。
図23】第二実施形態に係る直流配電網を介しての電力のやり取りの第五例を示す図である。
図24】第三実施形態に係るサービス管理装置の構成の例を示す図である。
図25】第四実施形態に係る分散電源システムの構成の例を示す図である。
図26】第五実施形態に係る電力制御システムの構成の例を示す図である。
図27】第六実施形態に係るサービス管理方法における処理の手順の例を示すフローチャートである。
図28】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係る電力制御システムの構成を示す図である。図1に示す構成で、電力制御システム1は、太陽電池(Photovoltaic;PV)11と、蓄電池12と、電気自動車(Electric Vehicle;EV)13と、パワーコンディショニングシステム(Power Conditioning System;PCS)21と、端末装置22と、上位制御装置31とを備える。
【0013】
太陽電池11は、太陽光を用いて発電し、発電した電力を出力する。
蓄電池12は、パワーコンディショニングシステム21の制御に従って充放電を行う。
電気自動車13は、蓄電池を備え、蓄電池に蓄えられた電気エネルギーで走行する。電気自動車13は、自動車としての使用時以外のときは、蓄電池を備える充放電設備として用いられ、パワーコンディショニングシステム21の制御に従って充放電を行う。
太陽電池11、蓄電池12および電気自動車13は、電源機器の例に該当する。ここでいう電源機器は、電力を出力可能な機器である。また、蓄電池12および電気自動車13は、充電可能な電力機器の例に該当する。
【0014】
パワーコンディショニングシステム21は、蓄電池12、電気自動車13それぞれの充放電を制御する。具体的には、パワーコンディショニングシステム21は、蓄電池12、電気自動車13それぞれの入出力電力を決定し、決定した入出力電力で充放電を行うように蓄電池12、電気自動車13それぞれを制御する。また、パワーコンディショニングシステム21は、太陽電池11の発電を制御する。具体的には、パワーコンディショニングシステム21は、太陽電池11の出力電力を決定し、決定した出力電力で発電を行うように太陽電池11を制御する。特に、パワーコンディショニングシステム21は、太陽電池11の出力可能電力が指令値を上回る場合には、指令値分の電力を出力するように太陽電池11を制御する。
【0015】
また、パワーコンディショニングシステム21は、サービス毎の入出力電力に、電源機器毎の入出力電力を割り当て、入出力電力に基づく入出力電力量の内訳をサービス毎、かつ、電源機器毎に記録する。ここでいうサービスとは、電力または電力量の調整により、ある目的を実行することである。
パワーコンディショニングシステム21によれば、例えば、太陽電池11が発電したグリーン電力の売電の対価にグリーン電力の料金体系を適用するなど、電源機器に応じた対価の計算が可能になる。
【0016】
パワーコンディショニングシステム21は、サービス管理装置の例に該当する。ただし、サービス管理装置が、パワーコンディショニングシステムの一部として構成されていてもよいし、あるいは、パワーコンディショニングシステムに外付けの装置として構成されていてもよい。
パワーコンディショニングシステム21が実施するサービスの個数は、1つ以上であればよく、特定の個数に限定されない。
【0017】
パワーコンディショニングシステム21と、そのパワーコンディショニングシステム21に接続されている電源機器とを総称して分散電源(Distributed power supply;DPS)システム41と表記する。図1に示す需要家設置システム42の構成例の場合、パワーコンディショニングシステム21と、太陽電池11と、蓄電池12と、電気自動車13とを総称して分散電源システム41と表記する。
分散電源システム41は、需要家に対してエネルギーマネージメントサービス(Energy Management Services、エネマネサービス)を提供する。ここでいう需要家は、電力の消費者である。エネルギーマネージメントサービスを需要家向けサービスとも称する。
分散電源システム41が需要家に提供するエネルギーマネージメントサービスの例としてピークシフト(Peak Shift)、ピークカット(Peak Shaving)および売電を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0018】
ピークシフトは、電気料金が比較的安い時間帯に蓄電池を充電し、電気料金が比較的高い時間帯の機器消費電力を賄う(蓄電池を放電する)ことで電気料金を抑制するサービスである。
ピークカットは、閾値電力を設定し、その閾値電力以上の消費電力が発生する場合、蓄電池を放電させてピーク需要をカットするサービスである。例えば、電気料金が最大電力に応じた段階制で定められている場合、ピークカットにより最大電力を小さくすることで、電気料金を抑制することができる。
売電は、需要家側から商用電力系統へ電力を提供する(逆潮流させる)サービスである。需要家は、提供した電力量に応じた対価を得る。
【0019】
以下では、グリーン電力の売電に対してグリーン電力以外の電力の売電よりも高額の対価が支払われる場合を例に説明する。グリーン電力は、風力、太陽光、バイオマス(Biomass)などの自然エネルギーにより発電された電力(再生可能エネルギー由来の電力)である。図1の構成では、太陽電池11の発電電力がグリーン電力の例に該当する。
【0020】
また、以下では、蓄電池12または電気自動車13がグリーン電力を充電した電力を放電する場合もグリーン電力として扱われる場合を例に説明する。
グリーン電力以外の電力を通常電力とも称する。グリーン電力、通常電力は、それぞれ発電方式による電力の属性の例に該当する。発電方式による電力の属性を、単に電力の属性、または、属性とも称する。
【0021】
また、分散電源システム41は、上位制御装置31からの要求に応じて、系統向けサービスのための電力需給調整を行う。上位制御装置31を用いるリソースアグリゲータ(Resource Aggregator;RA)は、各需要家による電力需給調整を集約して、送配電事業者に対してアンシラリー(Ancillary)サービス(調整力サービス)を提供する。リソースアグリゲータは、需要家側にある電力設備(分散電源システム41)を統合して制御することでサービスを提供する事業者である。
アンシラリーサービスを系統向けサービスとも称する。
【0022】
リソースアグリゲータが送配電事業者に提供するアンシラリーサービスの例としてLFC(Load Frequency Control)、Δf制御およびデマンドレスポンス(Demand Response)を挙げることができるが、アンシラリーサービスは、これらに限定されない。デマンドレスポンスは、例えば、卸電力市場価格の高騰時や暴落時、または系統信頼性の低下時において、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を適切に制御(電力使用を抑制したり、逆に増加させたり)するよう電力の消費パターンを変化させることと定義される。
【0023】
LFCとΔf制御とは、いずれも、系統周波数を基準周波数に合わせるための制御である。LFCとΔf制御とを比較すると、例えばLFCでは数秒程度の周期で充放電を行い、Δf制御では秒程度以下の周期で充放電を行うなど、LFCのほうが比較的周期が長く、応答速度も比較的遅くてよい。
【0024】
分散電源システム41が実行するサービスは、特定のサービスに限定されない。分散電源システム41は、電力の属性に対する評価が異なる複数のサービスを同時に実行可能であればよい。さらには、分散電源システム41が、必ずしも、エネルギーマネージメントサービスとアンシラリーサービスとの両方を同時に実行可能である必要は無い。例えば、分散電源システム41が、売電とピークシフトとを同時に実行可能であってもよい。この場合、分散電源システム41が、必ずしも、これらのエネルギーマネージメントサービスと同時に、さらにアンシラリーサービスを実行可能である必要は無い。
【0025】
1つの分散電源システム41が備える電源機器の個数は、3つに限定されず、複数であればよい。また、分散電源システム41が備える電源機器の種類は、太陽電池、蓄電池および電気自動車に限定されない。1つの分散電源システム41が備える電源機器全体で、グリーン電力および通常電力など、属性が異なる電力を出力可能であればよい。
【0026】
端末装置22は、分散電源システム41のユーザ端末として用いられ、分散電源システム41が実施するサービスの設定操作などのユーザ操作を受け付ける。また、端末装置22が、一部のサービスにおける充放電電力を算出するようにしてもよい。例えば、端末装置22が、LFCなど応答が比較的遅くてよいサービスにおける充放電電力を算出するようにしてもよい。端末装置22が一部のサービスの充放電電力を算出することで、パワーコンディショニングシステム21が充放電電力を算出する負荷が比較的軽くなり、この点で、分散電源システム41の応答性を確保することができる。
【0027】
端末装置22と、パワーコンディショニングシステム21と、太陽電池11と、蓄電池12と、電気自動車13とを総称して需要家設置システム42と表記する。需要家設置システム42は、需要家が利用する設備として設けられる。
ただし、端末装置22は、リソースアグリゲータが所有していてもよいし、需要家が所有していてもよい。例えば、リソースアグリゲータが需要家に端末装置22を貸与していてもよい。
パワーコンディショニングシステム21、太陽電池11、蓄電池12および電気自動車13は、例えば需要家が所有する。
【0028】
上位制御装置31は、パワーコンディショニングシステム21に対して電力需給調整を要求する。上述したように、上位制御装置31を用いるリソースアグリゲータが、各需要家による電力需給調整を集約して、送配電事業者に対してアンシラリーサービスを提供する。
上位制御装置31は、送配電事業者に提供するサービスの入出力電力に基づいて、各需要家に対する入出力電力の要求量を決定する。そして、上位制御装置31は、決定した要求量を、各需要家のパワーコンディショニングシステム21または端末装置22、あるいはこれら両方に送信する。
【0029】
電力制御システム1が、需要家設置システム42に加えて、電力の入出力を行う他のシステムも含んでいてもよい。特に、電力制御システム1が、需要家設置システム42に加えて、後述するリソースアグリゲータ設置システムのように電源機器を1つのみ備えるシステムを含んでいてもよい。さらには、電力制御システム1が、メガソーラーのように、電力の出力(送電)は行うが電力の入力(受電)は行わないシステムを含んでいてもよい。
【0030】
図2は、パワーコンディショニングシステム21が電力変換を行う構成の例を示す図である。図2の例で、パワーコンディショニングシステム21は、AC(Alternating Current、交流)/DC(Direct Current、直流)コンバータ111と、第一DC/DCコンバータ121と、第二DC/DCコンバータ122と、第三DC/DCコンバータ123と、直流母線131とを備える。
【0031】
AC/DCコンバータ111は、電力系統910と直流母線131とに接続されている。AC/DCコンバータ111の、電力系統910に接続される側をAC端側と称し、直流母線131に接続される側をDC端側と称する。
第一DC/DCコンバータ121は、太陽電池11と直流母線131とに接続されている。第一DC/DCコンバータ121が、太陽電池11に接続される側を外部端側と称し、直流母線131に接続される側を内部端側と称する。
【0032】
第二DC/DCコンバータ122は、蓄電池12と直流母線131とに接続されている。第二DC/DCコンバータ122が、蓄電池12に接続される側を外部端側と称し、直流母線131に接続される側を内部端側と称する。
第三DC/DCコンバータ123は、電気自動車13と直流母線131とに接続されている。第三DC/DCコンバータ123が、電気自動車13に接続される側を外部端側と称し、直流母線131に接続される側を内部端側と称する。
【0033】
第一DC/DCコンバータ121、第二DC/DCコンバータ122、第三DC/DCコンバータ123等のDC/DCコンバータを総称して、DC/DCコンバータ120とも表記する。
パワーコンディショニングシステム21が備えるDC/DCコンバータ120について、上記と同様、電源機器に接続される側を外部端側と称し、直流母線131に接続される側を内部端側と称する。
【0034】
かかる構成で、パワーコンディショニングシステム21は、接続される電源機器(太陽電池11、蓄電池12および電気自動車13)および電力系統910の入出力電力を変換し、これら電源機器および電力系統910の間の電力のやり取りを実行する。
太陽電池11は発電電力を第一DC/DCコンバータ121へ出力し、第一DC/DCコンバータ121は、太陽電池11からの電力を直流母線電圧の電力に電圧変換して直流母線131へ出力する。
【0035】
蓄電池12、電気自動車13は、何れも充放電可能であり、電源機器側から直流母線131側へ電力が出力される場合と、直流母線131側から電源機器側へ電力が出力される場合とがある。
蓄電池12の充電時には、第二DC/DCコンバータ122は、直流母線131からの電力を蓄電池12の定格電圧の電力に電圧変換して蓄電池12へ出力する。一方、蓄電池12の放電時には、第二DC/DCコンバータ122は、蓄電池12からの電力を直流母線電圧の電力に電圧変換して直流母線131へ出力する。
【0036】
電気自動車13の充電時には、第三DC/DCコンバータ123は、直流母線131からの電力を電気自動車13の定格電圧の電力に電圧変換して電気自動車13へ出力する。一方、電気自動車13の放電時には、第三DC/DCコンバータ123は、電気自動車13からの電力を直流母線電圧の電力に電圧変換して直流母線131へ出力する。
【0037】
パワーコンディショニングシステム21と電力系統910との関係でも、電力系統910からパワーコンディショニングシステム21へ電力が出力される順潮流と、パワーコンディショニングシステム21から電力系統910へ電力が出力される逆潮流とがある。順潮流時には、AC/DCコンバータ111は、電力系統910からの交流電力を直流母線電圧の直流電力に変換(交流直流変換および電圧変換)して直流母線131へ出力する。逆潮流時には、AC/DCコンバータ111は、直流母線131からの電力を系統電圧の交流電力に変換(直流交流変換および電圧変換)して電力系統910へ出力する。
【0038】
AC/DCコンバータ111のAC端側における電力を「P11」と表記する。したがって、P11は、パワーコンディショニングシステム21と電力系統910との間の入出力電力を示す。パワーコンディショニングシステム21と電力系統910との間の入出力電力を、電力系統910の入出力電力、または、総入出力電力とも称する。
また、第一DC/DCコンバータ121の外部端側における電力を「P21」と表記する。したがって、P21は、太陽電池11の出力電力を示す。
【0039】
第二DC/DCコンバータ122の外部端側における電力を「P22」と表記する。したがって、P22は、蓄電池12の入出力電力(充放電電力)を示す。
第三DC/DCコンバータ123の外部端側における電力を「P23」と表記する。したがって、P23は、電気自動車13の入出力電力(充放電電力)を示す。
【0040】
また、第一DC/DCコンバータ121の内部端側の電力をP31と表記する。第二DC/DCコンバータ122の内部端側の電力をP32と表記する。第三DC/DCコンバータ123の内部端側の電力をP33と表記する。
AC/DCコンバータ111のDC端側の電力は、P31とP32とP33との加減算で示される。例えば、蓄電池12、電気自動車13の何れも放電している場合、AC/DCコンバータ111のDC端側の電力は、P31+P32+P33と表記される。
【0041】
電力系統910は、需要家の電力系統と商用電力系統とを含む電力系統である。AC/DCコンバータ111のAC端側は、需要家の電力系統に接続され、需要家の電力系統と商用電力系統とは受電点で接続されて電気のやり取りを行う。したがって、分散電源システム41がピークシフトなど需要家の電力系統内向けのサービスを行う場合も、アンシラリーサービスなど商用電力系統向けのサービスを行う場合も、AC/DCコンバータ111のAC端側が電力系統910との間で電力の入出力を行う。
【0042】
図3は、パワーコンディショニングシステム21の機能構成の例を示す図である。図3の構成で、パワーコンディショニングシステム21は、通信部210と、電力変換部220と、記憶部280と、制御部290とを備える。制御部290は、入出力電力決定部291と、機器制御部292と、区分処理部293と、サービス記録部294と、蓄電情報処理部295とを備える。
【0043】
通信部210は、他の装置と通信を行う。例えば、通信部210は、上位制御装置31および端末装置22からサービス毎の入出力電力の要求量を受信するなど、各サービスを実行するための情報を受信する。また、通信部210が、パワーコンディショニングシステム21が計算し記憶する、サービスの実績情報(サービス実施結果の入出力電力の内訳の情報)、および、蓄電可能な電源機器の蓄電電力量の内訳の情報を、例えば所定周期毎など適切な頻度で、端末装置22、または、上位制御装置31、あるいはこれらの両方へ送信するようにしてもよい。
【0044】
電力変換部220は、接続機器および電力系統910の入出力電力を変換し、これら接続機器および電力系統910の間での電力のやり取りを実行する。図2を参照して説明した構成は、電力変換部220の構成の例に該当する。
記憶部280は、分散電源システム41が行ったサービスの履歴、蓄電池12の蓄電電力量の情報、および、電気自動車13の蓄電電力量の情報など、各種データを記憶する。記憶部280の機能は、パワーコンディショニングシステム21が備える記憶デバイスを用いて実行される。
【0045】
制御部290は、パワーコンディショニングシステム21の各部を制御して各種処理を実行する。制御部290の機能は、パワーコンディショニングシステム21が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が記憶部280からプログラムを読み出して実行することで実施される。
【0046】
入出力電力決定部291は、電源機器を用いて行われる複数のサービスそれぞれの入出力電力に基づいて、電源機器毎の入出力電力を決定する。
具体的には、入出力電力決定部291は、サービス毎の入出力電力指令値を合計して総入出電力指令値を算出する。そして、入出力電力決定部291は、算出した総入出電力指令値を各電源機器に分配する。入出力電力決定部291は、電源機器毎に分配した入出力電力に基づいて、例えばパワーコンディショニングシステム21のコンバータの電力効率分を補正して、電源機器毎の入出力電力指令値を決定する。指令値を算出値とも称する。
入出力電力決定部291は、入出力電力決定手段の例に該当する。
【0047】
機器制御部292は、電源機器毎に決定された入出力電力指令値に従って電源機器を制御する。すなわち、機器制御部292は、太陽電池11、蓄電池12および電気自動車13を制御して、それぞれの機器に対して決定された入出力電力の入出力を行わせる。
機器制御部292は、機器制御手段の例に該当する。
【0048】
区分処理部293は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する。
パワーコンディショニングシステム21が複数のサービスを実施する場合、区分処理部293は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器毎に区分して算出する。具体的には、区分処理部293は、これら複数のサービスにおける入出力電力を、電源機器毎、かつ、サービス毎に区分する。さらに、区分処理部293は、複数のサービスのうち少なくとも一部のサービスについて、入出力電力を、サービス毎、電源機器毎、かつ、電力の属性毎に区分する。
区分処理部293は、区分処理手段の例に該当する。
【0049】
区分処理部293が、以下の区分の組み合わせ毎に入出力電力の内訳を算出するようにしてもよい。
(A)サービス(例えば、売電、Δf制御等のサービス毎)
(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別
(C)分散電源システム41全体での電力系統910との間の電力の入力/出力の区別
(D)電源機器(例えば、太陽電池11/蓄電池12/電気自動車13の区別)
(E)電力の属性(例えば、グリーン電力/通常電力の区別)
【0050】
例えば、区分処理部293が、「売電における蓄電池12によるグリーン電力の出力電力(売電における電力出力時)」といった区分毎に入出力電力を算出するようにしてもよい。この場合、「売電における」は、上記(A)の区分を示す。「蓄電池12による」は、上記(D)の区分を示す。「グリーン電力の」は、上記(E)の区分を示す。「出力電力」は、上記(C)の区分を示す。「(売電における電力出力時)」は、上記(B)の区分を示す。
【0051】
このように、区分処理部293が詳細な区分毎に入出力電力の内訳を算出することで、入出力電力を区分毎に累積して、サービスの対価(報酬または課金)を計算することが可能となる。
特に、区分処理部293が、サービス毎、かつ、電源機器毎に入出力電力を算出することで、太陽電池11からの売電の電力量にはグリーン電力料金を適用する、というように、電力の属性に応じた料金体系の適用が可能となる。
また、区分処理部293が、グリーン電力/通常電力の区別のように電力の属性毎に区別して入出力電力量累積値を算出することで、太陽電池11だけでなく、蓄電池12および電気自動車13についても、蓄電電力の属性に応じた料金体系の適用が可能となる。
【0052】
また、区分処理部293は、電力の属性が付加価値として反映されるサービスに対して、電源機器からの電力のうち付加価値に該当する属性を有する電力を優先的に割り当てて、区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、需要家は、売電に対する対価をグリーン電力の料金体系で得るなど、電気の属性に応じた対価を得る機会を有効活用できる。
【0053】
なお、区分処理部293が、電力指令値を用いて区分毎の電力を計算するようしてもよい。あるいは、区分処理部293が、電力計測値を用いて区分毎の電力を計算するようにしてもよい。あるいは、区分処理部293が、総入出力電力の計測値から、あるサービスの入出力電力指令値を減算して残りのサービスの入出力電力を算出するなど、電力指令値および電力計測値の両方を用いて区分毎の電力を計算するようにしてもよい。
また、区分処理部293が、電力の属性による区分(上記(E))については、料金の属性によって対価が異なるサービスに対してのみ行うようにしてもよい。例えば、区分処理部293が、料金の属性にかかわらず対価が同じであるサービスについては、電力の属性毎の入出力電力を合算するようにしてもよい。
【0054】
サービス記録部294は、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部293による区分毎に記録する。例えば、区分処理部293が、上記の(A)から(E)の区分の組み合わせ毎に入出力電力量の累積値を算出する場合、サービス記録部294は、(A)から(E)の区分の組み合わせ毎に、区分処理部293が算出する累積値を記録する。
サービス記録部294は、サービス記録手段の例に該当する。
【0055】
サービス記録部294は、区分毎の累積値を記憶部280に記憶させる。そして、サービス記録部294は、所定周期毎に、その周期の間の入出力電力量を累積値に反映させるように、累積値を更新する。
ただし、サービス記録部294がサービス実施量を記録する方法は、記憶部280に記憶させる方法に限定されない。例えば、サービス記録部294が、区分毎かつ所定周期毎の入出力電力量をプリントアウトするようにしても、プリントアウトされた記録に基づいて、サービス毎の料金を算出することができる。
【0056】
蓄電情報処理部295は、蓄電可能な電源機器(蓄電池12および電気自動車13)の蓄電電力量を、発電方式に基づく電力の属性毎に算出する。具体的には、蓄電情報処理部295は、蓄電可能な電源機器毎に、グリーン電力の蓄電電力量と通常電力の蓄電電力量とを記憶部280に記憶させ、更新する。
蓄電情報処理部295は、蓄電情報処理手段の例に該当する。
【0057】
蓄電可能な電源機器が、例えば太陽電池11の発電電力などグリーン電力の入力を受けて充電を行う場合、蓄電情報処理部295は、充電された電力量を、その電源機器のグリーン電力の蓄電電力量に加算する。一方、蓄電可能な電源機器が、例えば電力系統910からの電力など通常電力の入力を受けて充電を行う場合、蓄電情報処理部295は、充電された電力量を、その電源機器の通常電力の蓄電電力量に加算する。
【0058】
また、蓄電可能な電源機器が放電を行う場合、蓄電情報処理部295は、放電対象のサービスおよび蓄電残量の有無に応じて、グリーン電力の放電か通常電力の放電かを決定する。蓄電情報処理部295は、グリーン電力の放電か通常電力の放電かの決定に応じて、その電源機器のグリーン電力の蓄電電力量、通常電力の蓄電電力量の何れかから、放電分の電力量を減算する。
このように、蓄電情報処理部295が電源機器の蓄電電力量を、電力の属性毎に記録することで、太陽電池11だけでなく蓄電池12および電気自動車13についても、グリーン電力など電力の属性に応じた対価の計算が可能になる。
【0059】
図4は、パワーコンディショニングシステム21が入出力電力指令値を算出する構成の例を示す図である。図4では、パワーコンディショニングシステム21が、エネルギーマネージメントサービスと、Δf制御と、さらにもう1つのアンシラリーサービスとを行う場合の例を用いて説明する。ただし、上述したように、パワーコンディショニングシステム21が行うサービスは、特定のものに限定されない。
【0060】
図4に示す構成で、パワーコンディショニングシステム21は、需要家向け入出力電力算出部311と、リミッタ312と、周波数偏差算出部321と、Δf制御充放電電力制御量算出部322と、第1加算器331と、第2加算器332と、スイッチ333と、需要家向け電力量累積部341と、Δf制御電力量累積部342と、系統向け第二サービス電力量累積部343を備える。
【0061】
需要家向け入出力電力算出部311は、需要家向けサービスのための入出力電力算出値を算出する。需要家向け入出力電力算出部311が、需要家向けサービスのための入出力電力算出値を算出する手法として、エネルギーマネージメントサービスにおける入出力を算出するための既存手法を用いることができる。
【0062】
リミッタ312は、周波数制御向け充放電と同時に実施するため需要家向け充電電力および放電電力にそれぞれ上限を設定する。リミッタ312は、需要家向けサービスに用いられる充放電電力を上限値以下に限定する。これにより、分散電源システム41がエネルギーマネージメントサービスとアンシラリーサービスとを同時に実行する場合に、アンシラリーサービスのための充放電電力を確保することができる。
【0063】
周波数偏差算出部321は、系統周波数を計測し基準周波数に対する偏差を算出する。
Δf制御充放電電力制御量算出部322は、周波数偏差算出部321が算出した周波数偏差(Δf)に対する充放電電力制御量を算出する。算出に必要なパラメータは上位制御装置31が設定し、端末装置22を介してパワーコンディショニングシステム21へ送信する。
【0064】
第1加算器331と、第2加算器332とは、それぞれ加算を行う。第1加算器331と第2加算器332との組み合わせで、需要家向け充放電電力と、LFC充放電電力と、Δf制御充放電電力とを合算した総充放電電力を算出する。
【0065】
スイッチ333は、エネルギーマネージメントサービスとアンシラリーサービスとを同時に実行する同時マルチユースの利用の有無を切り替える。同時マルチユースを利用しない場合は、需要家向け入出力電力算出部311の出力がリミッタ312の適用を受けずにそのままAC総入出力電力算出値として用いられる。一方、同時マルチユースを利用する場合、上記のように需要家向け入出力電力算出部311の出力にリミッタ312が適用され、さらに、Δf制御充放電電力算出値と系統向け第二サービス入出力電力算出値が加算された合計値がAC総入出力電力算出値として用いられる。
需要家向け入出力電力算出部311と、リミッタ312と、周波数偏差算出部321と、Δf制御充放電電力制御量算出部322と、第1加算器331と、第2加算器332と、スイッチ333との組み合わせは、図3の入出力電力決定部291の例に該当する。
【0066】
需要家向け電力量累積部341は、需要家向け入出力電力算出値を累積する。Δf制御電力量累積部342は、Δf制御入出力電力算出値を累積する。系統向け第二サービス電力量累積部343は、分散電源システム41がΔf制御以外に実行するアンシラリーサービスにおける入出力電力算出値を累積する。
【0067】
需要家向け電力量累積部341、Δf制御電力量累積部342、および、系統向け第二サービス電力量累積部343は、区分処理部293が、電力指令値を用いて区分毎の電力を計算する場合の、区分処理部293およびサービス記録部294の例に該当する。需要家向け電力量累積部341、Δf制御電力量累積部342、系統向け第二サービス電力量累積部343の各々は、上述した区分処理部293による区分毎に、入出力電力量を累積する。
【0068】
図5は、区分処理部293による電源機器の入出力電力の割当計算の第1例を示す図である。
図5は、総入出力電力が出力(逆潮流)であり、蓄電池12、電気自動車13共に放電している場合の例を示している。この場合、区分処理部293は、特に、各サービスの入出力電力の内訳を計算する。
【0069】
図5の例で、サービス毎の入出力電力について、売電の上限値(エネルギーマネージメントサービスの上限値)は1000ワット(W)となっているものとする。エネルギーマネージメントサービスの上限値は、例えば上位制御装置31が決定する。売電の場合、総入出力電力は、パワーコンディショニングシステム21から電力系統910への出力(逆潮流)である。また、アンシラリーサービスの指令値は、270ワットの出力となっている。
【0070】
また、総入出力電力は、P11=720(ワット)の出力であり、売電の上限値のうち実際に行われている売電電力は、720-270=450(ワット)となっている。区分処理部293が総入出力電力を用いる場合、算出値を用いるようにしてもよいし、計測値を用いるようにしてもよい。
また、太陽電池11の出力電力は、P21=500(ワット)となっている。蓄電池12の入出力電力は、P22=100(ワット)の出力(放電)となっている。電気自動車13の入出力電力は、P23=200(ワット)の出力(放電)となっている。
【0071】
電源機器からの出力電力が全てサービス(または蓄電可能な電源機器の充電)に用いられるのではなく、一部の電力は、パワーコンディショニングシステム21のコンバータの変換効率による損失として消費される。図5の例の場合、太陽電池11、蓄電池12および電気自動車13の出力電力の合計がP21+P22+P23=800(ワット)であるのに対し、総入出力電力はP11=720(ワット)であり、800-720=80(ワット)が損失となっている。
区分処理部293が、各サービスの入出力電力の内訳に電源機器毎の入出力電力を割り当てる際、実際に供給可能な入出力電力以上の電力を割り当てることを回避するために、損失分を見込んで割り当てを行う必要がある。
【0072】
ここで、P11(総入出力電力)は、式(1)のように示される。
【0073】
【数1】
【0074】
ηは、AC/DCコンバータ111の変換効率を示す。
また、P31は、式(2)のように示される。
【0075】
【数2】
【0076】
ηPVは、第一DC/DCコンバータ121の変換効率を示す。
また、P32は、式(3)のように示される。
【0077】
【数3】
【0078】
ηは、第二DC/DCコンバータ122の変換効率を示す。
また、P33は、式(4)のように示される。
【0079】
【数4】
【0080】
ηEVは、第三DC/DCコンバータ123の変換効率を示す。
ただし、η、ηPV、ηおよびηEVの値は、出力の大小および温度の高低等の状態に応じて変化するため、P31、P32、P33の値を高精度に算出することは困難である。
そこで、区分処理部293が行う計算では、(P31、P32およびP33の値は用いず、)P11、P21、P22およびP23の値を用いる。区分処理部293が、P11、P21、P22およびP23の算出値(指令値)を用いるようにしてもよいし、計測値を用いるようにしてもよい。
【0081】
総入出力電力(P11)のうち、太陽電池11からの電力をP21’と表記する。P21’を太陽電池11の出力電力(P21)のAC換算値とも称する。
総入出力電力(P11)のうち、蓄電池12からの電力(または蓄電池12への電力)をP22’と表記する。P22’を蓄電池12の入出力電力(P22)のAC換算値とも称する。
総入出力電力(P11)のうち、電気自動車13からの電力(または電気自動車13への電力)をP23’と表記する。P23’を電気自動車13の入出力電力(P23)のAC換算値とも称する。
【0082】
ここで、総入出力電力の内訳における(電力を出力している)各電源機器からの電力の成分の比は、各電源機器の出力電力の比と等しいものと想定する。図5の例の場合、太陽電池11、蓄電池12、電気自動車13の何れも電力を出力しているので、P21’(太陽電池11の出力電力のAC換算値)は、式(5)のように示される。
【0083】
【数5】
【0084】
P22’、P23’についても式(5)と同様に、P21、P22、P23の割合を用いて示すことができる。
また、AC/DCコンバータ111、第一DC/DCコンバータ121、第二DC/DCコンバータ122、第三DC/DCコンバータ123の変換効率をまるめて、1つの固定値の係数で示すことにする。この係数をDDA係数と称する。
図5の例の場合、(すなわち、蓄電池12、電気自動車13共に放電している場合)、P11(総入出力電力)は、式(6)のように示される。
【0085】
【数6】
【0086】
ηDDAは、DDA係数を示す。
区分処理部293は、P11、P21、P22、P23の各値を用いて、DDA係数の値を算出する。図5の例の場合、式(7)のように、DDA係数は0.9と算出される。
【0087】
【数7】
【0088】
区分処理部293が、P11、P21、P22、P23の値として、算出値を用いるようにしてもよいし、計測値を用いるようにしてもよい。
DDA係数を用いて、P21’、P22’、P23’の各々を算出することができる。
【0089】
区分処理部293が、各サービスの入出力電力の内訳を計算する際の、入出力電力の内訳への電力の割り当て方の基準を、ポリシーと称する。
区分処理部293が行う計算にポリシーを適用する前提として、入出力電力決定部291が、区分処理部293と同じポリシーに基づいて電源機器の各々の入出力電力を決定するものとする。
【0090】
以下では、区分処理部293が、以下の各ポリシーに基づいて各サービスの入出力電力の内訳を計算する場合を例に説明する。
ポリシー1:太陽電池11の発電出力は、エネルギーマネージメントサービスの上限値を100%とする範囲内で、太陽光売電サービスとしてグリーン価値と共に出力させる。したがって、区分処理部293は、太陽光売電サービス分の出力電力は、エネルギーマネージメントサービスの上限値、または、太陽電池11の出力電力のAC換算値(P21’)のうち何れか小さい方と算出する。図5の例では、エネルギーマネージメントサービスの上限値は、1000ワットである。
このポリシーは、区分処理部293が、電力の属性が付加価値として反映されるサービスに対して、電源機器からの電力のうち付加価値に該当する属性を有する電力を優先的に割り当てて、区分毎の入出力電力を算出する例に該当する。
【0091】
ポリシー2:太陽電池11の発電電力が、エネルギーマネージメントサービスの上限値よりも大きい(多い)場合、太陽電池11の発電電力の残りを、蓄電池12および電気自動車13への充電に用いる。この場合の充電は、(AC/DCコンバータ111を経由せず)パワーコンディショニングシステム21の直流端側で行うことになる。
【0092】
ポリシー3:アンシラリーサービスの電力が逆潮流方向の場合、通常電力を優先的に割り当てる。例えば、蓄電池12または電気自動車13の放電電力をアンシラリーサービスに割り当てる場合、通常電力として蓄電されている電力を優先的に用いる。
【0093】
ただし、(入出力電力決定部291の計算および)区分処理部293の計算に適用するポリシーは、特定のポリシーに限定されない。例えば、グリーン価値の有無が売電に影響しない場合、上記のポリシー1の適用を除外するようにしてもよい。また、予め出力を計画する必要がある場合、「太陽電池11の出力電力が計画値から不足するときは、蓄電池12または電気自動車13、あるいはこれらの両方からの放電で充足させる」といったポリシーを用いるようにしてもよい。
【0094】
区分処理部293は、式(8)を用いて、P21’(太陽電池11の出力電力のAC換算値)を450ワットの出力(逆潮流)と計算する。
【0095】
【数8】
【0096】
P21’=450(ワット)でありエネルギーマネージメントサービスの上限値(1000ワット)よりも小さい。そこで、区分処理部293は、上記のポリシー1に基づいて、グリーン電力であるP21’=450(ワット)を全て売電電力に割り当てる。これにより、売電電力の450ワットには、全て太陽電池11由来のグリーン電力が割り当てられる。ここでは、「由来」を電力の出力元の意味で用いている。
また、区分処理部293は、式(9)を用いて、P22’(蓄電池12の出力電力のAC換算値)を90ワットの出力と計算する。
【0097】
【数9】
【0098】
区分処理部293は、式(10)を用いて、P23’(電気自動車13の出力電力のAC換算値)を180ワットの出力と計算する。
【0099】
【数10】
【0100】
区分処理部293は、P22’+P23’=270(ワット)を、アンシラリーサービスの270ワットに割り当てる。したがって、アンシラリーサービスの電力(270ワット)の内訳は、蓄電池12由来の電力が90ワット、電気自動車13由来の電力が180ワットである。
このように、区分処理部293は、電源機器の入出力電力を各サービスに割り当てることができる。これによって、グリーン電力など電力の属性を考慮した対価の計算が可能となる。
【0101】
図6は、区分処理部293による電源機器の入出力電力の割当計算の第2例を示す図である。
図6は、総入出力電力が出力(逆潮流)であり、蓄電池12、電気自動車13共に充電している場合の例を示している。この場合、電源機器のうち電力を出力しているのは太陽電池11のみなので、逆潮流のサービスの電力は、太陽電池11由来の電力となる。
【0102】
また、図6の例では、蓄電池12および電気自動車13が充電しているので、区分処理部293は、これらの電源機器の充電電力の内訳を計算する。電源機器のうち電力を出力しているのは太陽電池11のみなので、これらの充電電力も太陽電池11由来の電力となる。蓄電情報処理部295が、得られた蓄電電力の内訳に基づいて、記憶部280が記憶する蓄電電力量の記録を更新する。
【0103】
図6の例で、サービス毎の入出力電力について、売電の上限値(エネルギーマネージメントサービスの上限値)は1000ワット(の出力)となっているものとする。また、アンシラリーサービスの指令値は、100ワットの出力となっている。
また、総入出力電力は、P11=1100(ワット)の出力であり、売電電力は、1100-100=1000(ワット)となっている。売電の上限値1000ワットにて売電が行われている。
また、太陽電池11の出力電力は、P21=2000(ワット)となっている。蓄電池12の入出力電力は、P22=400(ワット)の入力(充電)となっている。電気自動車13の入出力電力も、P23=400(ワット)の入力(充電)となっている。
【0104】
図6の例では、蓄電池12、電気自動車13共に充電しているため、電力を出力している電源機器は太陽電池11のみである。この場合、P11=P21’と示される。
太陽電池11から蓄電池12への充電における損失、および、太陽電池11から電気自動車13への充電における損失を無視する場合、式(11)のように、DDA係数は約0.92と算出される。
【0105】
【数11】
【0106】
式(11)のDDA係数ηDDAのように、パワーコンディショニングシステム21の効率を1つの係数で示すことで、区分処理部293の計算が軽くて済む。
図6の例で、仮に、太陽電池11の発電電力2000ワットを全て売電に用いるとすると、0.92×2000=1840(ワット)となり、売電電力の上限値の1000ワットを超える。そこで、区分処理部293は、上記のポリシー2に従って、売電電力を1000ワットとし、売電電力の1000ワット全てを太陽電池11由来のグリーン電力とする。売電電力を1000ワットとすることは、上述した総入出力電力に基づく計算に合致する。
【0107】
また、図6の例では、電力を出力しているのは太陽電池11なので、区分処理部293は、アンシラリーサービスの出力電力の100ワットを太陽電池11由来と算出する。ただし、アンシラリーサービスについてグリーン電力料金の設定がない場合、区分処理部293が、アンシラリーサービスの出力電力の内訳の計算を行わない(省略する)ようにしてもよい。
【0108】
区分処理部293は、蓄電池12の充電電力の400ワット、電気自動車13の充電電力の400ワットの各々についても、太陽電池11由来と算出する。蓄電情報処理部295は、これに基づいて、蓄電池12のグリーン電力量の蓄電電力量の情報、および、電気自動車13のグリーン電力量の蓄電電力量の情報を更新する。具体的には、蓄電情報処理部295は、記憶部280が記憶している蓄電池12のグリーン電力量の蓄電電力量の情報、電気自動車13のグリーン電力量の蓄電電力量の情報それぞれに、充電分の電力量を加算する。
【0109】
図6の例で、サービス記録部294が、売電について、
入出力電力:1000ワット
入出力の別:出力(逆潮流)
総入出力電力の入出力:出力
電力の属性:グリーン電力(1000ワット)
と記録するようにしてもよい。
アンシラリーサービスの電力についても、サービス記録部294が、売電の場合と同様の書式で記録するようにしてもよい。他の例についても同様である。
【0110】
図7は、区分処理部293による電源機器の入出力電力の割当計算の第3例を示す図である。
図7は、総入出力電力が出力(逆潮流)であり、蓄電池12、電気自動車13共に充電している場合の、もう1つの例を示している。図6の例では、アンシラリーサービスの電力が出力(逆潮流)となっているのに対し、図7の例では、アンシラリーサービスの電力が入力(順潮流)となっている。
【0111】
図7の例で、サービス毎の入出力電力について、売電の上限値(エネルギーマネージメントサービスの上限値)は1000ワット(の出力)となっているものとする。また、アンシラリーサービスの指令値は、100ワットの入力(順潮流)となっている。
また、総入出力電力は、P11=900(ワット)の出力であり、売電電力は、900+100=1000(ワット)となっている。売電の上限値1000ワットにて売電が行われている。
また、太陽電池11の出力電力は、P21=2000(ワット)となっている。蓄電池12の入出力電力は、P22=500(ワット)の入力(充電)となっている。電気自動車13の入出力電力も、P23=500(ワット)の入力(充電)となっている。
【0112】
図7の例でも、区分処理部293が、図6の場合の式(11)と同様にDDA係数を算出するものとする。ここでは、区分処理部293は、式(12)に基づいてDDA係数を0.9と算出する。
【0113】
【数12】
【0114】
図6の場合と同様、図7の例でも、区分処理部293は、上記のポリシー2に従って、売電電力を1000ワットとし、売電電力の1000ワット全てを太陽電池11由来のグリーン電力とする。売電電力を1000ワットとすることは、上述した総入出力電力に基づく計算に合致する。
【0115】
一方、図6の場合と異なり、図7の例では、アンシラリーサービスの電力が入力(順潮流)となっている。このため、グリーン電力である太陽電池11の出力電力、および、通常電力であるアンシラリーサービスの入力電力の両方が、蓄電池12および電気自動車13の充電に用いられる。区分処理部293が、蓄電池12、電気自動車13それぞれの充電電力の内訳を計算することで、蓄電情報処理部295が、蓄電池12および電気自動車13の蓄電電力の情報を更新することができる。
【0116】
太陽電池11の出力電力のうち売電に用いられる電力をP21sと表す。区分処理部293は、式(13)のように、P21sを約1111ワットと算出する。
【0117】
【数13】
【0118】
区分処理部293は、太陽電池11の出力電力のうち、蓄電池12および電気自動車13の蓄電に用いられる電力を、2000-1111=889(ワット)と算出する。
蓄電池12への充電電力と電気自動車13への充電電力との扱いについても、ポリシーに定めておくことができる。ここでは、電気自動車13の充電電力に優先的にグリーン電力を割り当てるポリシーを用いる。
【0119】
区分処理部293は、ポリシーに従って、889ワットのうち500ワットを電気自動車13の充電に割り当てる。電気自動車13の充電電力500ワットは、全て、グリーン電力である太陽電池11由来の電力となる。
また、区分処理部293は、889-500=389ワットを蓄電池12の充電に割り当てる。
【0120】
また、区分処理部293は、アンシラリーサービスの電力を全て蓄電池12の充電に割り当てる。アンシラリーサービスの電力をDC端の電力に換算すると、式(14)のように90ワットとなる。
【0121】
【数14】
【0122】
蓄電池12の充電電力と、計算された割り当て分の電力とを比較すると、500-(389+90)=21(ワット)の誤差が生じている。このように誤差が生じた場合の対応方法も、ポリシーとして定めておくようにしてもよい。例えば、誤差分については、通常電力(例えば系統電力)を増減して誤差を解消するようにしてもよい。
【0123】
あるいは、上記の誤差は、DDA係数を算出する際に、AC側からDC側への電力の損失を考慮していないために生じたものであり、この損失を考慮すれば、二次方程式を解く必要はあるが、より高精度にDDA係数値を算出することができる。そこで、区分処理部293が、計算精度の要求(誤差の許容度)と、計算負荷または計算時間の許容度とのバランスに基づいて、パワーコンディショニングシステム21の効率の計算方法を選択するよう、ポリシーで設定しておいてもよい。
計算誤差だけでなく計測誤差やノイズに対する対応方法についても、ポリシーで定めておくようにしてもよい。
【0124】
図8は、区分処理部293による電源機器の入出力電力の割当計算の第4例を示す図である。図8は、電力系統910の入出力電力が入力電力(順潮流)である場合の、パワーコンディショニングシステム21に係る入出力電力の例を示している。
電力系統910の入出力電力が順潮流である場合、AC/DCコンバータ111は、AC側からDC側へ電力を出力することになる。この場合に、区分処理部293が算出する効率の係数をADD係数と称する。ADD係数についても、区分処理部293が、AC/DCコンバータ111、第一DC/DCコンバータ121、第二DC/DCコンバータ122、第三DC/DCコンバータ123の変換効率をまるめた1つの固定値の係数を用いる場合の例について説明する。
【0125】
図8の例で、電力系統910の入出力電力(総入出力電力)は、P11=300(ワット)の入力となっている。
また、太陽電池11の出力電力は、P21=800(ワット)となっている。蓄電池12の入出力電力は、P22=400(ワット)の入力(充電)となっている。電気自動車13の入出力電力は、P23=600(ワット)の入力(充電)となっている。
太陽電池11から蓄電池12への充電における損失、および、太陽電池11から電気自動車13への充電における損失を無視する場合、P11、P21、P22およびP23の関係は、式(15)のように示される。
【0126】
【数15】
【0127】
ηADDは、ADD係数を示す。
この場合、式(15)より式(16)を得られ、区分処理部293は、式(16)に基づいてADD係数を約0.67と算出する。
【0128】
【数16】
【0129】
なお、ADD係数の値0.67は、一般的なパワーコンディショニングシステムの効率からすると低い値となっている。これは、太陽電池11から蓄電池12への充電におけるDC/DC/DCの変換損失、および、太陽電池11から電気自動車13への充電におけるDC/DC/DCの変換損失を無視していることに起因する。
太陽電池11から蓄電池12への充電におけるDC/DC/DCの変換損失は、第一DC/DCコンバータ121の変換損失、および、第二DC/DCコンバータ122の変換損失である。太陽電池11からら電気自動車13への充電におけるDC/DC/DCの変換損失は、第一DC/DCコンバータ121の変換損失、および、第三DC/DCコンバータ123の変換損失である。
【0130】
あるいは、区分処理部293が、計算精度の要求(誤差の許容度)と、計算負荷または計算時間の許容度とのバランスに基づいて、パワーコンディショニングシステム21の効率の計算方法を選択するよう、ポリシーで設定しておいてもよい。例えば、上記のADD係数の他に、温度、電力系統910の入出力電力、太陽電池11の出力電力、蓄電池12の入出力電力、および、電気自動車13の入出力電力をパラメータとするパワーコンディショニングシステム21の効率の計算モデルをシミュレーション等で用意しておいてもよい。そして、区分処理部293が、ポリシーに従って、ADD係数を用いた計算、または、計算モデルを用いた計算の何れかを選択するようにしてもよい。
【0131】
区分処理部293は、得られたADD係数を用いて、電力系統910からの入力電力のうち、蓄電池12および電気自動車13の充電に用いられる電力を、式(17)のように200ワットと算出する。
【0132】
【数17】
【0133】
P11’は、電力系統910からの入力電力のうち、蓄電池12および電気自動車13の充電に用いられる電力を示す。P11’を、電力系統910からの入力電力のDC換算値とも称する。
区分処理部293は、太陽電池11の発電電力(P21)、および、電力系統910からの入力電力のDC換算値(P11’)を、蓄電池12の充電電力、および、電気自動車13の充電電力に分配する。この場合の分配方法についても、ポリシーとして定めておくようにしてもよい。
【0134】
例えば、区分処理部293は、太陽電池11の発電電力(P21)と、電力系統910からの入力電力のDC換算値(P11’)とを、蓄電池12と電気自動車13とに均等に分配するとのポリシーに従って計算を行う。
この場合、区分処理部293は、蓄電池12の充電電力のうち、太陽電池11由来の電力を800×400/(400+600)=320(ワット)と算出する。また、区分処理部293は、蓄電池12の充電電力のうち、電力系統910由来の電力を200×400/(400+600)=80(ワット)と算出する。
【0135】
また、区分処理部293は、電気自動車13の充電電力のうち、太陽電池11由来の電力を800×600/(400+600)=480(ワット)と算出する。また、区分処理部293は、電気自動車13の充電電力のうち、電力系統910由来の電力を200×600/(400+600)=120(ワット)と算出する。
【0136】
図9は、区分処理部293による電源機器の入出力電力の割当計算の第5例を示す図である。図9は、電力系統910の入出力電力が入力電力(順潮流)である場合の、パワーコンディショニングシステム21に係る入出力電力の、もう1つの例を示している。図8の例では、電気自動車13の電力が入力電力(充電)となっているのに対し、図9の例では、電気自動車13の電力が出力電力(放電)となっている。
【0137】
図9の例で、電力系統910の入出力電力(総入出力電力)は、P11=400(ワット)の入力となっている。
また、太陽電池11の出力電力は、P21=300(ワット)となっている。蓄電池12の入出力電力は、P22=750(ワット)の入力(充電)となっている。電気自動車13の入出力電力は、P23=100(ワット)の出力(放電)となっている。
区分処理部293は、式(18)に基づいて、ADD係数を0.875と算出する。
【0138】
【数18】
【0139】
図9の例では、電力系統910からの入力電力のうち、蓄電池12の充電に用いられる電力を、電力系統910からの入力電力のDC換算値と称し、P11’で示す。
区分処理部293は、式(19)のように、P11’=350(ワット)と算出する。
【0140】
【数19】
【0141】
これにより、区分処理部293は、蓄電池12の充電電力のうち、太陽電池11由来の電力を300ワット、電気自動車13由来の電力を100ワット、電力系統910由来の電力を350ワットと算出する。これらのうち、太陽電池11由来の電力はグリーン電力である。電力系統910由来の電力は、一般的には通常電力である。電気自動車13の蓄電電力量にグリーン電力の電力量と通常電力の電力量とがある場合、区分処理部293は、電気自動車13にグリーン電力を放電させるか、通常電力を放電させるかを選択する。この場合の区分処理部293の選択の基準について、ポリシーで定めておくようにしてもよい。
【0142】
ただし、区分処理部293がインバータ効率を用いて電力の内訳を算出する方法は、上述した、AC/DCコンバータ111、第一DC/DCコンバータ121、第二DC/DCコンバータ122、第三DC/DCコンバータ123の変換効率をまるめた1つの固定の変換効率を用いる方法に限定されない。
例えば、区分処理部293が、AC/DCコンバータ111、第一DC/DCコンバータ121、第二DC/DCコンバータ122、第三DC/DCコンバータ123のそれぞれの変換効率を用いるようにしてもよい。あるいは、区分処理部293が、これらを纏めた1つの変換効率を用いる場合、変換効率の値を条件に応じて算出するようにしてもよい。
【0143】
あるいは、DC/DC変換後の入出力電力値を計測する手段を設けておき、区分処理部293が、DC/DC変換後の入出力電力値にAC/DCコンバータ111の変換効率を乗算するようにしてもよい。
また、区分処理部293が、全てのリソースに同じ値の変換効率を用いるようにしてもよいし、リソース毎に異なる変換効率を用いるようにしてもよい。ここでいうリソースは、太陽電池、蓄電池、電気自動車といった電源機器の種類である。
【0144】
あるいは、区分処理部293が、温度または入出力電力に応じて異なる値の変換効率を用いるようにしてもよい。例えば、区分処理部293が、電源機器の種類、温度または電力あるいはこれらの組み合わせに応じた変換効率を示すデータテーブル(表形式のデータ)を用いるようにしてもよい。一方、固定値の変換効率を用いる場合、区分処理部293が、いろいろな条件下での変換効率の値の平均値を用いるようにしてもよい。
【0145】
また、区分処理部293が、電源機器毎にAC換算値を求める場合、何れか1つの電源機器のAC換算値を、総入出力電力から他の全ての電源機器のAC換算値を減算して算出するようにしてもよい。
また、区分処理部293が、AC換算値の算出に瞬時値(ワット)を用いるようにしてもよいし、積算値(ワット時)を用いるようにしてもよい。
また、区分処理部293が、交流側の入出力電力として用いる電力は、AC/DCコンバータ111のAC端における入出力電力に限らない。例えば、区分処理部293が、受電点における入出力電力を用いるようにしてもよい。
【0146】
次に、図10から図13を参照してパワーコンディショニングシステム21の動作について説明する。
図10は、パワーコンディショニングシステム21が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。パワーコンディショニングシステム21は、図10の処理を所定周期毎に繰り返し行う。
【0147】
図10の処理で、入出力電力決定部291は、サービス毎の入出力電力指令値を取得する(ステップS11)。
次に、入出力電力決定部291は、サービス毎の電力指令値を合計して総電力指令値を算出する(ステップS12)。総電力指令値は、パワーコンディショニングシステム21の入出力電力の指令値(AC/DCコンバータ111のAC端側の入出力電力の指令値)である。
【0148】
そして、入出力電力決定部291は、算出した総電力指令値の電源機器の各々への割当を決定する(ステップS13)。入出力電力決定部291は、上述したDDA係数を用いる等によってコンバータの効率(損失)を考慮して、総電力指令値を得るための各電源機器の入出力電力を算出する。その際、入出力電力決定部291は、グリーン電力を売電電力に優先的に割り当てるなど、区分処理部293が用いるポリシーと同じポリシーを用いて、総電力指令値の電源機器の各々への割当を決定する。
【0149】
機器制御部292は、電源機器を制御して、入出力電力決定部291が決定した入出力電力の入出力を実行させる(ステップS14)。
そして、区分処理部293は、サービスの実施量の内訳を算出する(ステップS15)。具体的には、区分処理部293は、図5から図9を参照して説明したように、電源機器毎かつ電力の属性毎の入出力電力を算出する。そして、区分処理部293は、算出した入出力電力に時間を乗算して入出力電力量に換算する。さらに区分処理部293は、算出した電力量を、例えば上述した(A)から(E)の区分の組み合わせのように、さらに詳細に区分する。
【0150】
サービス記録部294は、区分処理部293が算出したサービスの実施量の内訳を記録する(ステップS16)。具体的には、サービス記録部294は、区分処理部293が算出したサービスの実施量の区分毎の蓄積を、記憶部280に記憶させる。
また、蓄電情報処理部295は、区分処理部293がステップS15で算出する電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力を用いて、充電可能な電源機器の蓄電電力量の内訳を算出し記録する(ステップS17)。
【0151】
具体的には、蓄電情報処理部295は、充放電可能な電源機器毎、かつ、電力の属性毎の蓄電電力量を記憶部280に記憶させておく。そして、蓄電情報処理部295は、区分処理部293が算出する入出力電力に時間を乗算して電力量に換算し、換算された電力量を記憶部280が記憶する充放電可能な電源機器毎、かつ、電力の属性毎の蓄電電力量に反映させる。入出力電力が出力の場合は放電を意味するので、蓄電情報処理部295は、記憶部280が記憶する蓄電電力量から算出した電力量を減算する。入出力電力が入力の場合は充電を意味するので、蓄電情報処理部295は、記憶部280が記憶する蓄電電力量に算出した電力量を加算する。
ステップS17の後、パワーコンディショニングシステム21は、図10の処理を終了する。
【0152】
図11は、区分処理部293がサービスの実施量の内訳を算出する処理手順の第1例を示すフローチャートである。図11は、区分処理部293が、サービス毎の入出力電力として算出値(指令値)を用いる場合の例を示している。区分処理部293は、図10のステップS15で図11の処理を行う。
【0153】
図11の処理で、区分処理部293は、サービス毎の入出力電力算出値(指令値)を取得する(ステップS111)。具体的には、区分処理部293は、図10のステップS11で入出力電力決定部291が取得するサービス毎の入出力電力指令値を用いる。
また、区分処理部293は、電源機器毎の入出力電力計測値を取得する(ステップS112)。例えば図2の場合、区分処理部293は、P21、P22、P23の各電力の計測値を取得する。
【0154】
そして、区分処理部293は、電源機器毎の入出力電力をサービスに割り当てる(ステップS113)。具体的には、区分処理部293は、所定のポリシーに従って、電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力をサービスに割り当てる。
さらに、区分処理部293は、算出した入出力電力を電力量に換算し、例えば上記の(A)から(E)の区分の組み合わせのように、換算された電力量をさらに詳細に区分する(ステップS114)。
ステップS114の後、区分処理部293は、図11の処理を終了する。
【0155】
図12は、区分処理部293がサービスの実施量の内訳を算出する処理手順の第2例を示すフローチャートである。図12は、区分処理部293が、サービス毎の入出力電力の算出に総入出電力の計測値を用いる場合の例を示している。区分処理部293は、図10のステップS15で図12の処理を行う。
【0156】
図12の処理で、区分処理部293は、総入出力電力計測値を取得する(ステップS121)。例えば図2の場合、区分処理部293は、P11の電力の計測値を取得する。
そして区分処理部293は、総入出力電力のサービス別内訳を算出する(ステップS122)。
このとき、サービス毎の入出力電力指令値を合算した結果としての総電力指令値と、総入出力電力計測値と、の間に誤差が生じる可能性があり、そのような場合は、サービス毎の入出力電力算出値(=指令値)を、計測値で補正した値とする(ステップS122a)。例えば、総電力指令値が1000Wのとき、総入出力電力計測値が998Wといった状況であったとすると、比例配分で、サービス毎の入出力電力算出値を998/1000倍した値に補正する手法が考えられる。その後は、補正されたサービスの入出力電力算出値(指令値)を用いて、例えば、区分処理部293は、図5から図9を参照して説明した売電電力の算出のように、総入出力電力から、定められているサービスの入出力電力算出値(指令値)を除いて(加減算して)、残りのサービスの入出力電力を算出する(ステップS122b)。
ステップS123は、図11のステップS112と同様である。また、ステップS124およびS125は、図11のステップS113およびS114と同様である。
ステップS125の後、区分処理部293は、図12の処理を終了する。
【0157】
図13は、区分処理部293およびサービス記録部294が、個々のサービスの実施量の内訳を算出し記録する処理手順の例を示す図である。区分処理部293は、図10のステップS15で図13の処理を行う。また、図11との関係では、図13の処理は、ステップS114でのさらに詳細な区分の例に該当する。図12との関係では、図13の処理は、ステップS125でのさらに詳細な区分の例に該当する。
図13の「xx」は、サービス名を示す。
【0158】
図13の処理で、区分処理部293は、処理対象のサービスの入出力電力算出値が、0以下(入力=順潮流)か0より大きい(出力=逆潮流)かを判定する(ステップS211)。
処理対象のサービスの入出力電力算出値が0以下であると判定した場合(ステップS211:≦0)、区分処理部293は、総入出力電力算出値が、0以下(入力=順潮流)か0より大きい(出力=逆潮流)かを判定する(ステップS212)。総入出力電力算出値に代えて総入出力電力計測値を用いるようにしてもよい。
【0159】
総入出力電力算出値が0以下であると判定した場合(ステップS212:≦0)、区分処理部293およびサービス記録部294は、電源機器毎および属性毎の入出力電力量を取得し、区分に応じた累積値に累積する(ステップS221)。
具体的には、区分処理部293は、処理対象のサービスの入出力電力に、電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力を割り当て、割り当てた入出力電力に時間を乗算して電力量に変換する。
【0160】
そして、区分処理部293は、得られた電力量を、上記の(A)から(E)の区分の組み合わせに区分する。この場合、
(A)サービスは、処理対象のサービスによる。
(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別は、ステップS211により入力になる。
(C)分散電源システム41全体での電力系統910との間の電力の入力/出力の区別は、ステップS212により入力となる。
(D)電源機器は、処理対象のサービスの入出力電力に割り当てた電源機器による。
(E)電力の属性は、処理対象のサービスの入出力電力の属性による。
そして、サービス記録部294が、記憶部280が区分毎に記録している入出力電力量累積値を更新する。
ステップS221の後、区分処理部293およびサービス記録部294は、図13の処理を終了する。
【0161】
一方、ステップS212で総入出力電力算出値が0より大きいと判定した場合(ステップS212:>0)、区分処理部293およびサービス記録部294は、電源機器毎および属性毎の入出力電力量を取得し、区分に応じた累積値に累積する(ステップS222)。
具体的には、区分処理部293は、処理対象のサービスの入出力電力に、電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力を割り当て、割り当てた入出力電力に時間を乗算して電力量に変換する。
【0162】
そして、区分処理部293は、得られた電力量を、上記の(A)から(E)の区分の組み合わせに区分する。この場合、
(A)サービスは、処理対象のサービスによる。
(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別は、ステップS211により入力になる。
(C)分散電源システム41全体での電力系統910との間の電力の入力/出力の区別は、ステップS212により出力となる。
(D)電源機器は、処理対象のサービスの入出力電力に割り当てた電源機器による。
(E)電力の属性は、処理対象のサービスの入出力電力の属性による。
そして、サービス記録部294が、記憶部280が区分毎に記録している入出力電力量累積値を更新する。
ステップS222の後、区分処理部293およびサービス記録部294は、図13の処理を終了する。
【0163】
一方、ステップS211で処理対象のサービスの入出力電力算出値が0より大きいと判定した場合(ステップS211:>0)、区分処理部293は、総入出力電力算出値が、0以下(入力=順潮流)か0より大きい(出力=逆潮流)かを判定する(ステップS213)。総入出力電力算出値に代えて総入出力電力計測値を用いるようにしてもよい。
【0164】
総入出力電力算出値が0以下であると判定した場合(ステップS213:≦0)、区分処理部293およびサービス記録部294は、電源機器毎および属性毎の入出力電力量を取得し、区分に応じた累積値に累積する(ステップS223)。
具体的には、区分処理部293は、処理対象のサービスの入出力電力に、電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力を割り当て、割り当てた入出力電力に時間を乗算して電力量に変換する。
【0165】
そして、区分処理部293は、得られた電力量を、上記の(A)から(E)の区分の組み合わせに区分する。この場合、
(A)サービスは、処理対象のサービスによる。
(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別は、ステップS211により出力になる。
(C)分散電源システム41全体での電力系統910との間の電力の入力/出力の区別は、ステップS213により入力となる。
(D)電源機器は、処理対象のサービスの入出力電力に割り当てた電源機器による。
(E)電力の属性は、処理対象のサービスの入出力電力の属性による。
そして、サービス記録部294が、記憶部280が区分毎に記録している入出力電力量累積値を更新する。
ステップS223の後、区分処理部293およびサービス記録部294は、図13の処理を終了する。
【0166】
一方、ステップS213で総入出力電力算出値が0より大きいと判定した場合(ステップS213:>0)、区分処理部293およびサービス記録部294は、電源機器毎および属性毎の入出力電力量を取得し、区分に応じた累積値に累積する(ステップS224)。
具体的には、区分処理部293は、処理対象のサービスの入出力電力に、電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力を割り当て、割り当てた入出力電力に時間を乗算して電力量に変換する。
【0167】
そして、区分処理部293は、得られた電力量を、上記の(A)から(E)の区分の組み合わせに区分する。この場合、
(A)サービスは、処理対象のサービスによる。
(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別は、ステップS211により出力になる。
(C)分散電源システム41全体での電力系統910との間の電力の入力/出力の区別は、ステップS213により出力となる。
(D)電源機器は、処理対象のサービスの入出力電力に割り当てた電源機器による。
(E)電力の属性は、処理対象のサービスの入出力電力の属性による。
そして、サービス記録部294が、記憶部280が区分毎に記録している入出力電力量累積値を更新する。
ステップS224の後、区分処理部293およびサービス記録部294は、図13の処理を終了する。
【0168】
図14は、蓄電情報処理部295が、充放電可能な電源機器の、電力の属性毎の蓄電電力量を算出する処理手順の例を示すフローチャートである。蓄電情報処理部295は、図10のステップS17で図14の処理を行う。
図14の処理で、蓄電情報処理部295は、充放電可能な電源機器の入出力電力の内訳を取得する(ステップS311)。具体的には、蓄電情報処理部295は、充放電可能な電源機器の各々について、区分処理部293が図10のステップS15で算出する電源機器毎、かつ、電力の属性毎の入出力電力を取得する。
【0169】
そして、蓄電情報処理部295は、得られた入出力電力に時間を乗算して電力量に換算する(ステップS312)。ステップS311で複数の入出力電力を取得した場合、区分処理部293は、得られた入出力電力の各々を電力量に換算する。
そして、蓄電情報処理部295は、得られた電力量を、記憶部280が充放電可能な電源機器毎、かつ、電力の属性毎に記憶している蓄電電力量に反映させる(ステップS313)。同じ種類の充放電可能な電源機器が複数ある場合も、記憶部280は、電源機器毎、かつ、電力の属性毎に蓄電電力量を記憶しておき、蓄電情報処理部295は、電源機器毎、かつ、電力の属性毎にステップS313の処理を行う。例えば、1つの分散電源システム41が蓄電池12を複数備える場合、蓄電池12の各々にID(識別子)を付して複数の蓄電池12を区別するようにしてもよい。
【0170】
ただし、1つの分散電源システム41が異なるIDの電気自動車13を複数備える場合や、異なるIDの電気自動車の接続に応じて充放電を管理する場合は、蓄電情報処理部295が、上記と少し異なる処理を行うようにしてもよい。まず、電気自動車がパワーコンディショニングシステム21に接続した際、蓄電情報処理部295が、電気自動車13のIDで電気自動車13を区別した上で、電気自動車13側の蓄電状態記憶部(図示せず)から電力属性毎の蓄電量の情報を収集し、その情報を初期値として上記のステップS311からS313の処理を行う。また、蓄電情報処理部295は、ステップS313で電力の属性毎の蓄電情報を更新した際、その情報を、電気自動車側の蓄電状態記憶部へも送信し、情報を更新する。
ステップS313の後、蓄電情報処理部295は、図14の処理を終了する。
【0171】
以上のように、区分処理部293は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する。サービス記録部294は、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部293による区分毎に記録する。
これにより、パワーコンディショニングシステム21では、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。パワーコンディショニングシステム21によれば、例えば、太陽電池11が発電したグリーン電力の売電に対してグリーン電力の料金体系を適用するといった対価の計算が可能になる。
【0172】
また、区分処理部293は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器毎に区分して算出する。
これにより、パワーコンディショニングシステム21では、複数の実施のサービスに対応することができ、どの電力をどのサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。
【0173】
また、区分処理部293は、少なくとも一部のサービスについて、入出力電力を、サービス毎、電源機器毎、かつ、発電方式に基づく電力の属性毎に区分して算出する。
パワーコンディショニングシステム21によれば、例えば売電についてはグリーン電力か通常電力かに応じた料金を計算するなど、電力の属性に応じた課金を、より確実に行うことができる。
【0174】
また、区分処理部293は、電力の属性が付加価値として反映されるサービスに対して、電源機器からの電力のうち付加価値に該当する属性を有する電力を優先的に割り当てて、区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、需要家は、区分処理部293の割当結果に基づいて、グリーン電力など電力の属性を反映した対価(非化石価値)を得られる。
【0175】
また、蓄電情報処理部295は、蓄電可能な電源機器の蓄電電力量を、充電に用いられる電力の属性毎に算出する。
これにより、パワーコンディショニングシステム21では、蓄電池12および電気自動車13といった充放電可能な電源機器からの出力電力のうち、グリーン電力が蓄電された電力に対してグリーン電力の料金体系を適用するなど、電力の属性に応じた対価の計算が可能になる。
【0176】
また、区分処理部293は、入出力電力の指令値に基づいて、前記区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、区分処理部293は、計測値を得られない入出力電力がある場合でも、入出力電力の指令値を用いて区分毎の入出力電力を算出し得る。
【0177】
また、区分処理部293は、入出力電力の計測値に基づいて、前記区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、区分処理部293は、入出力電力の指令値と実際の入出力電力との間に誤差が生じている場合でも、入出力電力の計測値を用いることで、実際の入出力電力に応じたより正確な入出力電力を算出し得る。
【0178】
<第二実施形態>
第二実施形態では、電力制御システムが直流配電網を備える場合について説明する。第二実施形態に係る需要家設置システム等は、直流配電網を介して電力をやり取りすることで、AC/DCコンバータを経由せずに送受電可能であり、その分だけ電力損失が小さくて済む。
【0179】
また、第二実施形態に係る電力制御システムでは、交流配電網が停電に至った場合には、交流配電網を適当な連系点で遮断し、直流配電網を活用することで、遮断点以下のエリア内(最小限の施設内交流網と、直流配電網とを含むエリア内)の無停電化が可能となる。
また、長距離の送電の場合は送電経路における電力損失を軽減するために高圧送電が行われるのに対し、送電距離が短い場合は、低圧送電でも電力損失は比較的小さい。第二実施形態に係る電力制御システムが、ローカルな直流配電網を備えることで、低圧送電が可能であり、比較的安全に送電することができる。
【0180】
第二実施形態で第一実施形態に対応する部分には、第一実施形態の場合と同一の符号を用いる。また、第二実施形態に関して、第一実施形態と同様の部分については詳細な説明を省略し、第一実施形態との相違点について説明する。
【0181】
図15は、電力制御システム1における直流配電網の設置の第一形態の例を示す図である。図15は、パワーコンディショニングシステム21のDC/DCコンバータを、直流配電網への接続用にも用いる場合の例を示す。
図15では、需要家設置システム42Aおよび42Dと、リソースアグリゲータ設置システム51Bおよび51Cとが示されており、それぞれ、電力系統910と直流配電網141との両方に接続されている。
直流配電網141の形状は、特定の形状に限定されない。例えば、直流配電網141の形状は、バス型、リング型、メッシュ型の何れかであってもよいがこれらに限定されない。
【0182】
需要家設置システム42Aおよび42Dは、何れも需要家設置システム42の例に該当する。
需要家設置システム42Aは、パワーコンディショニングシステム21Aと、太陽電池11Aと、蓄電池12Aと、電気自動車13Aとを備える。パワーコンディショニングシステム21Aは、パワーコンディショニングシステム21の例に該当する。太陽電池11Aは、太陽電池11の例に該当する。蓄電池12Aは、蓄電池12の例に該当する。電気自動車13Aは、電気自動車13の例に該当する。
【0183】
パワーコンディショニングシステム21Aは、AC/DCコンバータ111Aと、DC/DCコンバータ121Aと、DC/DCコンバータ122Aと、DC/DCコンバータ123Aと、直流母線131Aとを備える。AC/DCコンバータ111Aは、AC/DCコンバータ111の例に該当する。DC/DCコンバータ121Aと、DC/DCコンバータ122Aと、DC/DCコンバータ123Aとは、何れもDC/DCコンバータ120の例に該当する。直流母線131Aは、直流母線131の例に該当する。
【0184】
AC/DCコンバータ111AのAC端側における電力を「P11A」と表記する。DC/DCコンバータ121Aの外部端側における電力を「P21A」と表記する。DC/DCコンバータ122Aの外部端側における電力を「P22A」と表記する。DC/DCコンバータ123Aの外部端側における電力を「P23A」と表記する。
直流母線131Aは、直流配電網141に接続されている。直流母線131Aが直流配電網141に接続される接続点の電圧を、「P41A」と表記する。
【0185】
需要家設置システム42Dは、パワーコンディショニングシステム21Dと、太陽電池11Dと、蓄電池12Dと、電気自動車13Dとを備える。パワーコンディショニングシステム21Dは、パワーコンディショニングシステム21の例に該当する。太陽電池11Dは、太陽電池11の例に該当する。蓄電池12Dは、蓄電池12の例に該当する。電気自動車13Dは、電気自動車13の例に該当する。
【0186】
パワーコンディショニングシステム21Dは、AC/DCコンバータ111Dと、DC/DCコンバータ121Dと、DC/DCコンバータ122Dと、DC/DCコンバータ123Dと、直流母線131Dとを備える。AC/DCコンバータ111Dは、AC/DCコンバータ111の例に該当する。DC/DCコンバータ121Dと、DC/DCコンバータ122Dと、DC/DCコンバータ123Dとは、何れもDC/DCコンバータ120の例に該当する。直流母線131Dは、直流母線131の例に該当する。
【0187】
AC/DCコンバータ111DのAC端側における電力を「P11D」と表記する。DC/DCコンバータ121Dの外部端側における電力を「P21D」と表記する。DC/DCコンバータ122Dの外部端側における電力を「P22D」と表記する。DC/DCコンバータ123Dの外部端側における電力を「P23D」と表記する。
直流母線131Dは、直流配電網141に接続されている。直流母線131Dが直流配電網141に接続される接続点の電圧を、「P41D」と表記する。
【0188】
リソースアグリゲータ設置システム51Bと51Cとを総称してリソースアグリゲータ設置システム51とも表記する。リソースアグリゲータ設置システム51は、リソースアグリゲータが有するシステムであり、電力の供給を行う。
リソースアグリゲータ設置システム51Bは、パワーコンディショニングシステム21Bと、蓄電池12Bとを備える。パワーコンディショニングシステム21Bは、パワーコンディショニングシステム21の例に該当する。蓄電池12Bは、蓄電池12の例に該当する。
【0189】
パワーコンディショニングシステム21Bは、AC/DCコンバータ111Bと、DC/DCコンバータ121Bと、直流母線131Bとを備える。AC/DCコンバータ111Bは、AC/DCコンバータ111の例に該当する。DC/DCコンバータ121Bは、DC/DCコンバータ120の例に該当する。直流母線131Bは、直流母線131の例に該当する。
【0190】
AC/DCコンバータ111BのAC端側における電力を「P11B」と表記する。DC/DCコンバータ121Bの外部端側における電力を「P21B」と表記する。
直流母線131Bは、直流配電網141に接続されている。直流母線131Bが直流配電網141に接続される接続点の電圧を、「P41B」と表記する。
【0191】
リソースアグリゲータ設置システム51Cは、パワーコンディショニングシステム21Cと、太陽電池11Cとを備える。パワーコンディショニングシステム21Cは、パワーコンディショニングシステム21の例に該当する。太陽電池11Cは、太陽電池11の例に該当する。
パワーコンディショニングシステム21Cは、AC/DCコンバータ111Cと、DC/DCコンバータ121Cと、直流母線131Cとを備える。AC/DCコンバータ111Cは、AC/DCコンバータ111の例に該当する。DC/DCコンバータ121Cは、DC/DCコンバータ120の例に該当する。直流母線131Cは、直流母線131の例に該当する。
【0192】
AC/DCコンバータ111CのAC端側における電力を「P11C」と表記する。DC/DCコンバータ121Cの外部端側における電力を「P21C」と表記する。
直流母線131Cは、直流配電網141に接続されている。直流母線131Cが直流配電網141に接続される接続点の電圧を、「P41C」と表記する。
【0193】
リソースアグリゲータ設置システム51Cは、例えばメガソーラーであり、太陽光発電による発電電力を出力する。上述したように、電力制御システム1が、リソースアグリゲータ設置システム51Cのように電力の出力(送電)は行うが電力の入力(受電)は行わないシステムを含んでいてもよい。
電力制御システム1において送電または受電、あるいはそれら両方を行うシステムを、電力制御システム1のノード、あるいは単にノードと称する。需要家設置システム42A、42D、および、リソースアグリゲータ設置システム51B、51Cは、何れもノードの例に該当する。
【0194】
電力制御システム1のノードとして、電源機器を備えていないノードが含まれていてもよい。また、電力制御システム1のノードの個数および構成は特定の個数および構成に限定されず、直流配電網141を介して他のノードへ送電可能なノードと、直流配電網141を介して送電される電力を受電可能なノードとがあればよい。また、直流配電網141を介して他のノードへ送電可能なノードが備える電源の個数および種類は、特定の個数および種類に限定されない。
【0195】
直流配電網141を介してノード間で送電を行うために、ノードの所有者間で予め送受電の契約を締結しておく。契約にて送電電力の値を予め定めておくことで、契約実施のための電力の制御を比較的容易に行うことができる。以下では、契約で定められた電力の値を計画電力と称する。一方、太陽光発電の電力を送電する場合など、送電電力の値をなりゆきとする契約も考えられる。
必要に応じて、グリーン電力など送電電力の属性、または、送電のリソースとなる電源機器、あるいはそれら両方を契約で定めておく。
【0196】
契約の実施のために、ノードは、自らのノードと直流配電網141との接続点における電力を計測する。そのノードのパワーコンディショニングシステムは、接続点における電力の計測値に基づいて電力制御(各コンバータ等の制御による電源機器等の制御)を行う。
ノードが、他のノードと直流配電網141との接続点における電力の計測値を取得するようにしてもよい。例えば、送電電力値をなりゆきとする契約の場合、受電側のノードが、送電側のノードと直流配電網141との接続点における電力の計測値を、送電電力値として取得するようにしてもよい。この場合、受電側のノードは、送電電力値の分の電力を直流配電網141から受電する。
【0197】
図15の例のようにパワーコンディショニングシステム21の直流母線131が直流配電網141に接続される場合、パワーコンディショニングシステム21の機器制御部292が、直流母線131における電力の入出力を制御することで、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の電力の入出力を制御する。
具体的には、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力の制御について、機器制御部292は、直流母線131に接続されるAC/DCコンバータ111およびDC/DCコンバータ120の各々と、直流母線131と、の間の電力の入出力を制御して、直流母線131への電力の入力と、直流母線131からの電力の出力との差が、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力の目標値に等しくなるようにする。すなわち、機器制御部292は、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力の目標値を含めた場合の、直流母線131における電力の入出力について、入力電力の合計と出力電力の合計とが等しくなるようにする。
機器制御部292は、直流配電網141からの受電を制御する点で、受電制御手段の例に該当する。また、機器制御部292は、直流配電網141への送電を制御する点で、送電制御手段の例に該当する。また、機器制御部292は、直流配電網141との送受電を制御する点で、送受電制御手段の例に該当する。
【0198】
直流配電網141を介する送受電電力の値が契約によって定められている場合、その値を、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力の目標値として用いることができる。
あるいは、直流配電網141を介する送電電力の値がなりゆきとなっている場合、送電側のノードのパワーコンディショニングシステム21は、契約で定められた条件に従って、パワーコンディショニングシステム21から直流配電網141への出力電力の値を決定する。例えば、そのノードの太陽電池の発電電力を全て送電するという契約の場合、送電側のノードのパワーコンディショニングシステム21は、そのノードの太陽電池の発電電力を全て直流配電網141へ出力するように動作する。
【0199】
直流配電網141を介する送電電力の値がなりゆきとなっている場合、受電側のノードのパワーコンディショニングシステム21は、送電側のノードによる送電電力の値を取得して、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力の目標値として用いる。受電側のノードのパワーコンディショニングシステム21は、自らのノードと直流配電網141との接続点における電気的状態の計測値、または、送電側のノードと直流配電網141との接続点における電気的状態の計測値を用いて、送電側のノードによる送電電力の値を求める。例えば、受電側のノードが、接続点に設置されたセンサを備え、接続点における電流、電位(電圧)、電力の何れか、またはこれらの組み合わせを計測するようにしてもよい。あるいは、通信のリアルタイム性を確保できる場合は、送電側のノードが受電側のノードへ送電電力の値を通知するようにしてもよい。
【0200】
機器制御部292は、上記の制御を、入出力電力決定部291が決定する電源機器毎の入出力電力に基づいて行う。入出力電力決定部291は、直流母線131への電力の入力と、直流母線131からの電力の出力との差が、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力の目標値に等しくなるように、電源機器の各々の入出力電力を決定する。
【0201】
入出力電力決定部291は、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力を、入出力電力が決まっている電源機器の入出力電力のように扱って、電源機器の各々の入出力電力を算出することができる。電源機器の入出力電力が決まっていることは、太陽電池11の発電電力をそのまま太陽電池11の出力電力とする場合と同様である。
【0202】
例えば需要家設置システム42Aの場合、入出力電力決定部291が、太陽電池11Aの出力電力(予測値)と、パワーコンディショニングシステム21Aと直流配電網141との間の入出力電力(指令値)とを、サービスに割り当てるようにしてもよい。そして、入出力電力決定部291が、各サービスにおける過不足分の電力を、蓄電池12Aの入出力電力および電気自動車13Aの入出力電力で調整するように、蓄電池12Aの入出力電力および電気自動車13Aの入出力電力を決定するようにしてもよい。
【0203】
区分処理部293の処理でも、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力を、入出力電力が決まっている電源機器の入出力電力のように扱うことができる。例えば、上述した、区分処理部293が入出力電力の内訳を算出する区分
(A)サービス
(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別
(C)分散電源システム41全体での電力系統910との間の電力の入力/出力の区別
(D)電源機器
(E)電力の属性
のうち、「(D)電源機器」の区分に、「直流配電網」を加えるようにしてもよい。ここでの「直流配電網」は、パワーコンディショニングシステム21から見て直流配電網141をあたかも1つの電源機器であるかのように扱うことを示す。
例えば需要家設置システム42Aの場合、「(D)電源機器」の区分を、「太陽電池11A/蓄電池12A/電気自動車13A/直流配電網141」の区別としてもよい。
【0204】
「(E)電力の属性」に関して、送電側のノードが受電側のノードへ、直流配電網141を介して送電する電力の属性を示す情報を送信する。受信側のノードでは、区分処理部293は、この情報を用いて直流配電網141からの電力の属性を判別し、区分毎の電力の値を算出する。このとき、送電側のノードが、電力の属性情報(例えば、グリーン電力か否かの情報)だけでなく、送電元のノードIDを送受してもよい。ノードIDは、電力制御システム1のノードを識別する情報であり、さらには、リソースオーナー(ノードの所有者)を識別する情報である。異なる需要家施設間での電力の授受では、送電元の需要家情報と受電した電力量の情報とを紐づける必要があり、ノードIDを用いることができる。
ノードIDなど、ノードまたはリソースオーナーに関する情報をリソースオーナー情報と称する。
【0205】
直流配電網141を介する送受電電力についてサービス記録部294が記録する場合、「(A)サービス」の区分に、「直流送受電」を加えるようにしてもよい。直流送電は、「(A)サービス」の「直流送受電」、かつ、「(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別」の「出力」に区分される。直流受電は、「(A)サービス」の「直流送受電」、かつ、「(B)サービスにおける電力の入力/出力の区別」の「入力」に区分される。
【0206】
サービス記録部294の処理でも、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部293による区分毎に記録することで、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力を、入出力電力が決まっている電源機器の入出力電力のように扱うことができる。例えば、サービス記録部294が上記の区分例に従う場合、「(D)電源機器」の区分に「直流配電網141」が含まれる。
【0207】
蓄電情報処理部295の処理では、直流配電網141を、蓄電可能な電源機器への充電電力のリソースとしての1つの電源機器のように扱うことができる。
例えば、需要家設置システム42Aのパワーコンディショニングシステム21Aが、直流配電網141からの受電電力を用いて蓄電池12Aを充電する場合、蓄電情報処理部295は、送電側のノードからの情報により、送電元のノードIDと、直流配電網141からの受電電力がグリーン電力か否かとを判別する。直流配電網141からの受電電力がグリーン電力である場合、蓄電情報処理部295は、蓄電池12Aのグリーン電力の蓄電電力量の記録を、直流配電網141からの受電電力による充電の分だけ増加させる。一方、直流配電網141からの受電電力が通常電力(グリーン電力以外の電力)である場合、蓄電情報処理部295は、蓄電池12Aの通常電力の蓄電電力量の記録を、直流配電網141からの受電電力による充電の分だけ増加させる。そして、増加した電力量を送電元のノードIDと紐づけ、後の課金プロセスの準備とする。
【0208】
図16は、電力制御システム1における直流配電網の設置の第二形態の例を示す図である。図16は、パワーコンディショニングシステム21のDC/DCコンバータとは別に、直流配電網への接続用のDC/DCコンバータを設け、直流配電網への接続用のDC/DCコンバータの各々を直流配電網に接続する場合の例を示す。
【0209】
図16の例では、電源機器毎に、パワーコンディショニングシステム21のDC/DCコンバータ120とは別に、DC/DCコンバータ120が設けられ、それらのDC/DCコンバータ120の各々が直流配電網141に接続されている点で、図15の例と異なる。また、図16の例では、パワーコンディショニングシステム21の直流母線131の各々は、直流配電網141に接続されていない点で、図15の例と異なる。それ以外の点では、図16の例は、図15の例と同様である。
【0210】
太陽電池11Aと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ124Aと称する。DC/DCコンバータ124Aが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P51A」と表記する。
蓄電池12Aと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ125Aと称する。DC/DCコンバータ125Aが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P52A」と表記する。
電気自動車13Aと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ126Aと称する。DC/DCコンバータ126Aが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P53A」と表記する。
【0211】
蓄電池12Bと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ122Bと称する。DC/DCコンバータ122Bが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P51B」と表記する。
太陽電池11Cと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ122Cと称する。DC/DCコンバータ122Cが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P51C」と表記する。
【0212】
太陽電池11Dと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ124Dと称する。DC/DCコンバータ124Dが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P51D」と表記する。
蓄電池12Dと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ125Dと称する。DC/DCコンバータ125Dが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P52D」と表記する。
電気自動車13Dと直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120を、DC/DCコンバータ126Dと称する。DC/DCコンバータ126Dが直流配電網141に接続される接続点の電圧を「P53D」と表記する。
【0213】
電源機器と直流配電網141とに接続されるDC/DCコンバータ120の各々についても、パワーコンディショニングシステム21が制御するようにしてもよい。
例えば、パワーコンディショニングシステム21の入出力電力決定部291は、自らのノードと直流配電網141との間の入力電力または出力電力(計画値)を、電源機器に割り振る。そして、入出力電力決定部291は、電源機器に割り振った電力に対して、DC/DCコンバータにおける電力損失を加味する計算を行って、電源機器の入出力電力の値(指令値)に換算する。
【0214】
入出力電力決定部291が、電源機器の直流母線131側の入出力電力を決定する方法については、第一実施形態における方法を用いることができる。具体的には、入出力電力決定部291が、予め定められたポリシーに従って、各電源機器の入出力電力を決定するようにしてもよい。
【0215】
機器制御部292は、入出力電力決定部291が決定した電力に従って、パワーコンディショニングシステム21側のDC/DCコンバータ、直流配電網141側のDC/DCコンバータの各々を制御する。
図16の形態でも、機器制御部292は、直流配電網141からの受電を制御する点で、受電制御手段の例に該当する。また、機器制御部292は、直流配電網141への送電を制御する点で、送電制御手段の例に該当する。また、機器制御部292は、直流配電網141との送受電を制御する点で、送受電制御手段の例に該当する。
【0216】
図16の形態の場合、パワーコンディショニングシステム21側のDC/DCコンバータと、直流配電網141側のDC/DCコンバータと、は独立に制御される。すなわち、DC/DCコンバータ125Aから蓄電池12Aへ500ワットの電力が入力され、DC/DCコンバータ122Aからも蓄電池12Aへ300ワットの電力が入力される場合、これらのDC/DCコンバータ125Aや122Aは、異なる蓄電池セルに対して電流を制御することで独立した充電制御を行うことができる。
【0217】
なお、1つの電源機器について、直流配電網141側の送受電と、電力系統910側の送受電とで、送電と受電とが逆の場合、受電となっている側からの電力を送電となっている側へ流通させ、差分を電源機器で調整してもよい。
例えば、DC/DCコンバータ125Aから蓄電池12Aへ500ワットの電力が入力され、蓄電池12AからDC/DCコンバータ122Aへ300ワットの電力が出力される場合について考える。この場合、機器制御部292が、DC/DCコンバータ125Aからの500ワットの電力のうち200ワット分で蓄電池12Aを浮動充電し、残りの300ワット分の電力をDC/DCコンバータ122Aへ出力してもよい。
【0218】
あるいは、DC/DCコンバータ125Aから蓄電池12Aへ300ワットの電力が入力され、蓄電池12AからDC/DCコンバータ122Aへ500ワットの電力が出力される場合について考える。この場合、機器制御部292が、DC/DCコンバータ125Aからの300ワットの電力を全てDC/DCコンバータ122Aへ出力し、さらに、不足分の200ワットの電力を、蓄電池12AからDC/DCコンバータ122Aへ放電させてもよい。
【0219】
したがって、パワーコンディショニングシステム21が、直流配電網141からの電力を電力系統910へのサービスに直接用いる場合もあり得る。逆に、パワーコンディショニングシステム21が、電力系統910からの電力を直流配電網141へ出力する場合もあり得る。このような場合も、入出力電力決定部291は、電力の属性の要求を満たすように、電源機器の各々の電力の入出力を決定する。
【0220】
例えば、入出力電力決定部291が、蓄電池12AからDC/DCコンバータ122Aへ500ワットのグリーン電力を出力することに決定しており、さらにDC/DCコンバータ125Aから蓄電池12Aへ300ワットの電力を出力する場合について考える。この場合、入出力電力決定部291は、例えば直流配電網141への電力の送電側のノードからの通知を参照する等により、DC/DCコンバータ125Aから蓄電池12Aへ入力される電力がグリーン電力であることを確認する。また、入出力電力決定部291は、蓄電池12AからDC/DCコンバータ122Aへ200ワットのグリーン電力を放電することに決定する。
【0221】
区分処理部293、サービス記録部294、および、蓄電情報処理部295の処理では、図15の例の場合と同様、パワーコンディショニングシステム21と直流配電網141との間の入出力電力を、入出力電力が決まっている電源機器の入出力電力のように扱うことができる。
【0222】
図17は、電力制御システム1における直流配電網の設置の第三形態の例を示す図である。図17は、パワーコンディショニングシステム21のDC/DCコンバータとは別に、直流配電網への接続用のDC/DCコンバータを設け、かつ、直流配電網への接続点をノード毎に1つにする場合の例を示す。
【0223】
図17の例では、直流配電網141への接続点が、ノード毎に1つになっている点で、図16の例の場合と異なる。
具体的には、需要家設置システム42Aで、DC/DCコンバータ124A、DC/DCコンバータ125A、および、DC/DCコンバータ126Aは、それぞれ、直流母線132Aに接続される。直流母線132Aは、直流配電網141に接続される。
【0224】
DC/DCコンバータ124Aと直流母線132Aとの接続点における電力を「P621A」と表記する。DC/DCコンバータ125Aと直流母線132Aとの接続点における電力を「P622A」と表記する。DC/DCコンバータ126Aと直流母線132Aとの接続点における電力を「P623A」と表記する。直流母線132Aと直流配電網141との接続点における電力を「P611A」と表記する。
【0225】
需要家設置システム42Dで、DC/DCコンバータ124D、DC/DCコンバータ125D、および、DC/DCコンバータ126Dは、それぞれ、直流母線132Dに接続される。直流母線132Dは、直流配電網141に接続される。
DC/DCコンバータ124Dと直流母線132Dとの接続点における電力を「P621D」と表記する。DC/DCコンバータ125Dと直流母線132Dとの接続点における電力を「P622D」と表記する。DC/DCコンバータ126Dと直流母線132Dとの接続点における電力を「P623D」と表記する。直流母線132Dと直流配電網141との接続点における電力を「P611D」と表記する。
それ以外の点では、図17の例は、図16の例と同様である。
【0226】
図17の形態におけるパワーコンディショニングシステム21の処理は、図16の形態の場合と同様である。図16の形態の場合と同様、図17の形態でも、機器制御部292は、直流配電網141からの受電を制御する点で、受電制御手段の例に該当する。また、機器制御部292は、直流配電網141への送電を制御する点で、送電制御手段の例に該当する。また、機器制御部292は、直流配電網141との送受電を制御する点で、送受電制御手段の例に該当する。
ただし、図17の形態では、ノードと直流配電網141との接続点がノード毎に1つになっている点で、電源機器毎に直流配電網141との接続点が設けられる図16の形態の場合よりも、接続点における計測および電力の算出の負荷が小さくて済む。
【0227】
図18は、電力制御システム1における情報の経路の構成例を示す図である。図18の構成は、図15から図17までの何れの形態にも用いることができる。
図18の例は、需要家設置システム42Aおよび42D、リソースアグリゲータ設置システム51Bおよび51Cの各々が備える、パワーコンディショニングシステム21および電源機器に加えて、これらのノードが備える端末装置22が示されている。需要家設置システム42Aが備える端末装置22を端末装置22Aと表記する。リソースアグリゲータ設置システム51Bが備える端末装置22を端末装置22Bと表記する。リソースアグリゲータ設置システム51Cが備える端末装置22を端末装置22Cと表記する。需要家設置システム42Dが備える端末装置22を端末装置22Dと表記する。
【0228】
需要家設置システム42Aの分散電源システム41を分散電源システム41Aと表記する。リソースアグリゲータ設置システム51Bの分散電源システム41を分散電源システム41Bと表記する。リソースアグリゲータ設置システム51Cの分散電源システム41を分散電源システム41Cと表記する。需要家設置システム42Dの分散電源システム41を分散電源システム41Dと表記する。
【0229】
図18に示す構成では、図1に示す構成と同様、上位制御装置31が端末装置22に接続され、端末装置22がパワーコンディショニングシステム21に接続され、パワーコンディショニングシステム21が電源機器に接続されている。かかる構成を用いて、パワーコンディショニングシステム21間で、直流配電網141を介しての送電電力に関する情報をやり取りする。送電側のパワーコンディショニングシステム21は、送電側の端末装置22、上位制御装置31、および、受電側の端末装置22を経由して受電側のパワーコンディショニングシステム21に、例えば以下の情報を送信する。
(1)送電側の電源機器の、発電電力または蓄電電力量等の状態情報
(2)送電側の電源機器が太陽電池であるといった、送電側の電源機器の種類の情報
(3)送電電力がグリーン電力か否かといった、送電電力の属性情報
【0230】
特に、送電側のパワーコンディショニングシステム21は、上記の(3)のように、送電電力の属性を示す情報を、受電側のパワーコンディショニングシステム21へ送信する。
例えば、直流配電網141ではグリーン電力のみをやり取りすることを基本とする場合であっても、電力の属性情報と共に送電電力の属性情報をやり取りすることは、グリーン電力の送電を確認する意味で有効である。このとき、送電側のパワーコンディショニングシステム21が、電力の属性情報(例えば、グリーン電力か否かの情報)だけでなく、送電元のリソースオーナーが誰かという情報(ノードIDなどのリソースオーナー情報)を送受してもよい。異なる需要家施設間での電力の授受では、送電元の需要家情報と受電した電力量の情報とを紐づける必要があり、ノードIDを用いることができる。
電力の属性情報、送電電力量、または、リソースオーナー情報、あるいはこれらの組み合わせなど、送電側のパワーコンディショニングシステム21から受電側のパワーコンディショニングシステム21へ送信する情報を送受電関連情報とも称する。
【0231】
受電側のノードのパワーコンディショニングシステム21の通信部210は、直流配電網141からの受電電力の属性を示す情報を取得(受信)する点で、取得手段および受信手段の例に該当する。送電側のノードのパワーコンディショニングシステム21の通信部210は、直流配電網141への送電電力の属性を示す情報を送信する点で、送信手段の例に該当する。
【0232】
機器制御部292および通信部210を備えるパワーコンディショニングシステム21は、制御装置の例に該当する。また、パワーコンディショニングシステム21は、送電制御手段の例に該当する機器制御部292と、送信手段の例に該当する通信部210とを備える点で、第一制御装置の例に該当する。また、パワーコンディショニングシステム21は、受電制御手段の例に該当する機器制御部292と、受信手段の例に該当する通信部210とを備える点で、第二制御装置の例に該当する。
ただし、制御装置が、パワーコンディショニングシステム21の一部として構成されていてもよいし、あるいは、パワーコンディショニングシステム21に外付けの装置として構成されていてもよい。
【0233】
また、各ノードは、他のノードに対して、自らのノードと直流配電網141との接続点における電力の計測値を送信する。電力を計測できない場合は、計測値に代えて制御目標値を送信するようにしてもよい。
あるいは、パワーコンディショニングシステム21または端末装置22が、上位制御装置を介さずに直接他のノードのパワーコンディショニングシステム21または端末装置22と送受電関連情報をやり取りするようにしてもよい。
あるいは、パワーコンディショニングシステム21に代えて端末装置22が送受電関連情報を管理するようにしてもよい。この場合、送電側の端末装置22が受電側の端末装置22へ送受電関連情報を送信する。受電側のノードでは、パワーコンディショニングシステム21が端末装置22にアクセスして送受電関連情報を参照する。
【0234】
図19は、直流配電網141を介しての電力のやり取りの第一例を示す図である。図19は、需要家設置システム42Aからリソースアグリゲータ設置システム51Bへ、直流配電網141を介して電力を供給する場合の例を示している。
図19の例では、需要家設置システム42Aの需要家は、リソースアグリゲータ設置システム51Bのリソースアグリゲータに対して、リソースアグリゲータ設置システム51Bと直流配電網141との接続点での送電電力が、P41B=526(ワット)となる送電を契約している。パワーコンディショニングシステム21Aおよびパワーコンディショニングシステム21Bは、この契約を実施するように、それぞれのノード内の機器を制御する。
【0235】
ここで、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点と、リソースアグリゲータ設置システム51Bと直流配電網141との接続点との距離が短く直流配電網141での電力損失を無視できるものとする。これにより、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点での送電電力は、リソースアグリゲータ設置システム51Bと直流配電網141との接続点での受電電力に等しいものとする。パワーコンディショニングシステム21は、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点での送電電力が526ワットとなるように、需要家設置システム42A内の装置を制御する。
【0236】
図19の例では、需要家設置システム42Aの総入出力電力は、P11A=1300(ワット)の出力(逆潮流)となっている。また、太陽電池11Aの出力電力は、P21A=2500(ワット)となっている。
パワーコンディショニングシステム21Aの入出力電力決定部291は、太陽電池11Aの出力電力から総入出力電力およびリソースアグリゲータ設置システム51Bへの出力電力を減算した残りの電力を、蓄電池12Aおよび電気自動車13Aの充電電力に割り当てる。入出力電力決定部291は、式(20)に基づいて、P22AとP23Aとの合計を384ワットと計算する。
【0237】
【数20】
【0238】
図19の例では、入出力電力決定部291は、384ワットのうち200ワットを蓄電池12Aの充電電力(P22A)に割り当て、184ワットを電気自動車13Aの充電電力(P23A)に割り当てている。
パワーコンディショニングシステム21Aの機器制御部292は、入出力電力決定部291が決定した電力に基づいて蓄電池12Aの充電電力および電気自動車13Aの充電電力を制御することで、契約に基づく送電電力P41B=526(ワット)を実施する。
【0239】
リソースアグリゲータ設置システム51Bでは、総入出力電力は、P11B=0(ワット)となっている。パワーコンディショニングシステム21Bは、需要家設置システム42Aからの電力を用いて蓄電池12Bを充電する。蓄電池12Bの充電電力(P21B)は、526×0.95≒500(ワット)となる。
【0240】
また、パワーコンディショニングシステム21Aの区分処理部293は、各入出力電力の内訳を算出する。図19の例では、電力系統910への出力電力(P11A)、蓄電池12Aの充電電力(P22A)、電気自動車13Aの充電電力(P23A)、リソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力(P41B(=P41A))の何れにも、太陽電池11Aの発電電力が用いられている。そこで、区分処理部293は、これらの電力の属性をグリーン電力として算出する。
【0241】
図19の例でも、図5から図7の各例と同様に、電力系統910への出力電力について複数のサービスが同時に実施されていてもよい。その場合、区分処理部293は、サービス毎に入出力電力の内訳を算出する。例えば、電力系統910への出力電力(P11A)の1300ワットのうち、300ワットがアンシラリーサービスにおける出力電力であり、残りの1000ワットが売電電力である場合、区分処理部293は、これらのサービス毎に電力を算出する。そして、区分処理部293は、売電電力の属性をグリーン電力として算出する。一方、アンシラリーサービスでは電力の属性が考慮されない場合は、区分処理部293が、アンシラリーサービスについては属性の算出を行わないようにしてもよい。
【0242】
パワーコンディショニングシステム21Aのサービス記録部294は、需要家設置システム42Aが実施したサービスの入出力電力量の内訳を、区分処理部293による区分毎に記録する。
また、パワーコンディショニングシステム21Aの蓄電情報処理部295は、蓄電池12Aの蓄電電力量の記録、および、電気自動車13Aの蓄電電力量の記録を更新する。具体的には、蓄電情報処理部295は、蓄電池12Aのグリーン電力の蓄電電力量の記録を、太陽電池11からの電力による充電分だけ増加させる。また、蓄電情報処理部295は、電気自動車13Aのグリーン電力の蓄電電力量の記録を、太陽電池11からの電力による充電分だけ増加させる。
【0243】
また、パワーコンディショニングシステム21Aは、リソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力に関する情報を、パワーコンディショニングシステム21Bへ出力する。送電電力に関する情報としては、送電元のリソースオーナーが誰であるかの情報や、送電電力量情報、及び、電力属性情報などである。上述した送受電関連情報が、送電電力に関する情報の例に該当する。
【0244】
例えば、パワーコンディショニングシステム21Aは、リソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力に関する情報を端末装置22Aへ送信する。端末装置22Aは、リソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力に関する情報を、直接、あるいは、上位制御装置31を経由して端末装置22Bへ送信(転送)する。端末装置22Bは、需要家設置システム42Aからリソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力に関する情報を、パワーコンディショニングシステム21Bへ送信(転送)する。
【0245】
パワーコンディショニングシステム21Bは、受信した需要家設置システム42Aからリソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力に関する情報に基づいて、蓄電池12Bの蓄電電力量の記録を更新する。図19の例では、需要家設置システム42Aからリソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力に関する情報としてパワーコンディショニングシステム21Bが受信する情報には、電力の属性がグリーン電力であることを示す情報が含まれる。パワーコンディショニングシステム21Bの区分処理部293は、この情報に基づいて、蓄電池12Bの蓄電電力をグリーン電力として算出する。パワーコンディショニングシステム21Bの蓄電情報処理部295は、蓄電池12Bのグリーン電力の蓄電電力量の記録を、需要家設置システム42Aからの電力による充電分だけ増加させる。
【0246】
契約における送電側のノードおよび受電側のノード以外のノードが、直流配電網141への入出力電力を0(0ワット)にするようにしてもよい。図19の例では、リソースアグリゲータ設置システム51Cおよび需要家設置システム42Dが、契約における送電側のノードおよび受電側のノード以外のノードに該当する。リソースアグリゲータ設置システム51Cでは、パワーコンディショニングシステム21Cが、リソースアグリゲータ設置システム51Cと直流配電網141との接続点における電力が、P41C=0(ワット)になるように、AC/DCコンバータ111CおよびDC/DCコンバータ121Cを制御する。需要家設置システム42Dでは、パワーコンディショニングシステム21Dが、需要家設置システム42Dと直流配電網141との接続点における電力が、P41D=0(ワット)になるように、AC/DCコンバータ111D、DC/DCコンバータ121D、DC/DCコンバータ122DおよびDC/DCコンバータ123Dを制御する。
【0247】
これにより、契約における送電側のノードが直流配電網141へ出力する電力は全て受電側のノードによって受電される。送電側のノード、受電側のノードの何れも、契約に従って計画的に機器を制御すればよく、比較的容易に契約を実施することができる。また、契約における送電側のノードからの電力のみが直流配電網141で送電されるので、電力の属性の把握が容易である。
【0248】
図20は、直流配電網141を介しての電力のやり取りの第二例を示す図である。図20の例では、リソースアグリゲータ設置システム51Cから需要家設置システム42Aへ、直流配電網141を介して電力を供給する場合の例を示している。
図20の例では、リソースアグリゲータ設置システム51Cのリソースアグリゲータに対して、直流配電網141を介する送電を契約している。パワーコンディショニングシステム21Cおよびパワーコンディショニングシステム21Aは、この契約を実施するように、それぞれのノード内の装置を制御する。
【0249】
リソースアグリゲータ設置システム51Cが太陽電池11Cの発電電力を出力する場合に、電力系統910への出力と直流配電網141への出力との割り振りについて、いろいろな割り振りを契約で定めておくことができる。
例えば、パワーコンディショニングシステム21Cが、太陽電池11Cの発電電力を全て直流配電網141へ出力するようにしてもよい。あるいは、パワーコンディショニングシステム21Cが、太陽電池11Cの発電電力を、所定の割合で電力系統910と直流配電網141とに按分するようにしてもよい。あるいは、パワーコンディショニングシステム21Cが、太陽電池11Cの発電電力のうち所定の電力分を電力系統910側へ出力し、残りの電力を直流配電網141側に出力するようにしてもよい。あるいは、パワーコンディショニングシステム21Cが、太陽電池11Cの発電電力のうち所定の電力分を直流配電網141側へ出力し、残りの電力を電力系統910側に出力するようにしてもよい。
【0250】
あるいは、受電側である需要家設置システム42Aが、受電電力を決定するようにしてもよい。例えば、需要家設置システム42Aのパワーコンディショニングシステム21Aが、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点の電力P41Aを計測し、太陽電池11A、蓄電池12A、および、電気自動車13Aの状態も考慮して、受電電力を決定するようにしてもよい。
【0251】
需要家設置システム42Aでは、リソースアグリゲータ設置システム51Cからの電力を、蓄電池12Aまたは電気自動車13Aに受電せずに、例えば需要家設置システム42A内のエアコンなどの電力消費機器で直接消費するようにしてもよい。これにより、蓄電池12Aまたは電気自動車13Aへの充電時および放電時の、二重のDC/DC変換損失を受けることが無く、この点で効率的な電力の利用が可能になる。
パワーコンディショニングシステム21Aは、直流配電網141からの受電電力を、あたかも需要家設置システム42A内のもう1つの電源機器の出力電力であるかのように取り扱うことができる。
【0252】
図21は、直流配電網141を介しての電力のやり取りの第三例を示す図である。図21の例では、図20の例におけるさらに具体的な例を示している。図21の例では、リソースアグリゲータ設置システム51Cは、太陽電池11Cの発電電力を全て、直流配電網141にて需要家設置システム42Aへ送電する契約を結んでおり、リソースアグリゲータ設置システム51Cから電力系統910への出力電力はP11C=0(ワット)になっている。図21の例では太陽電池11CはP21C=1500(ワット)の電力を出力している。DC/DCコンバータ121Cでの電力の損失により、リソースアグリゲータ設置システム51Cと直流配電網141との接続点における送電電力は、P41C=1425(ワット)となっている。直流配電網141における電力損失は無視できる程度に小さく、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点における送電電力もP41A=1425(ワット)となっている。
太陽電池11Aの発電電力は、P21A=500(ワット)となっている。需要家設置システム42A内で消費可能な交流電力は式(21)のように、P11A=1710(ワット)となっている。
【0253】
【数21】
【0254】
需要家設置システム42A内の電力消費機器による消費電力が1710ワットよりも少ない場合、パワーコンディショニングシステム21Aが、残りの電力を蓄電池12Aまたは電気自動車13Aに充電することで、自家消費を100パーセントにするようにしてもよい。この場合、パワーコンディショニングシステム21Aの蓄電情報処理部295は、パワーコンディショニングシステム21Cからの情報に基づき、蓄電電力をグリーン電力として記録する。
【0255】
図22は、直流配電網141を介しての電力のやり取りの第四例を示す図である。図22は、複数のノードが直流配電網141を経由して1つのノードに送電する場合の例を示している。図22の例では、需要家設置システム42Aおよびリソースアグリゲータ設置システム51Cが、直流配電網141を介してリソースアグリゲータ設置システム51Bへ送電する。
【0256】
需要家設置システム42Aは、契約に基づき、太陽電池11Aの発電電力を全て、なりゆきでリソースアグリゲータ設置システム51Bへ送電する。図22の例では、太陽電池11Aは、2500ワットの電力を出力している。需要家設置システム42Aから電力系統910への出力電力(P11A)、蓄電池12Aの充電電力(P12A)、電気自動車13の充電電力(P13A)は、何れも0になっており、パワーコンディショニングシステム21Aは太陽電池11Aの発電電力を全て直流配電網141へ出力する。DC/DCコンバータ121Aでの損失により、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点における電力は、P41A=2375(ワット)となっている。
【0257】
リソースアグリゲータ設置システム51Cは、契約に基づき、太陽電池11Cの発電電力を全て、なりゆきでリソースアグリゲータ設置システム51Bへ送電する。図22の例では、太陽電池11Cは、1200ワットの電力を出力している。リソースアグリゲータ設置システム51Cから電力系統910への出力は、P11C=0(ワット)になっており、パワーコンディショニングシステム21Cは太陽電池11Cの発電電力を全て直流配電網141へ出力する。DC/DCコンバータ121Cでの損失により、リソースアグリゲータ設置システム51Cと直流配電網141との接続点における電力は、P41C=1140(ワット)となっている。
【0258】
リソースアグリゲータ設置システム51Bのパワーコンディショニングシステム21Bは、需要家設置システム42Aが直流配電網141へ出力する電力、および、リソースアグリゲータ設置システム51Cが直流配電網141へ出力する電力を受電して蓄電池12Bを充電する。すなわち、パワーコンディショニングシステム21Bは、P41B=P41A+P41Cとなるように受電する。図22の例では、P41B=2375+1140=3515(ワット)となっている。DC/DCコンバータ121Bでの損失により、蓄電池12Bの充電電力は、P21B=3339(ワット)となっている。
【0259】
制御の応答性の観点から、リソースアグリゲータ設置システム51Bが、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点における電力(P41A)または電流、および、リソースアグリゲータ設置システム51Cと直流配電網141との接続点における電力(P41C)または電流を計測できることが好ましい。パワーコンディショニングシステム21Bは、得られた計測値を用いてP41B=P41A+P41CとなるようにDC/DCコンバータ121Bを制御することで契約を実施する。
【0260】
リソースアグリゲータ設置システム51Bが、これらの電力または電流を計測できない場合、需要家設置システム42Aからリソースアグリゲータ設置システム51Bへの送電電力が計画電力であるとして契約を実施するようにしてもよい。そのために、契約にて送電電力値を一定に定めておくようにしてもよい。この場合、需要家設置システム42Aは、需要家設置システム42Aと直流配電網141との接続点における送電電力(P41A(=41B))が一定になるように、過不足の電力を蓄電池12Aまたは電気自動車13Aの充放電で調整する。
【0261】
計画電力を達成するために蓄電池12Aまたは電気自動車13Aからグリーン電力以外の電力を出力する必要が生じる場合の対応を、予め契約で定めておくようにしてもよい。例えば、パワーコンディショニングシステム21Aが、送電電力におけるグリーン電力とグリーン電力以外の電力との割合をパワーコンディショニングシステム21Bへ通知するように契約で定めておくようにしてもよい。この場合、パワーコンディショニングシステム21Bは、蓄電池12Bの蓄電電力量の情報を、パワーコンディショニングシステム21Aからの通知に従って電力の属性毎に更新する。
一方、リソースアグリゲータ設置システム51Cが出力する電力は、電源機器が太陽電池11Cのみであるため計画電力として用いることは困難である。
【0262】
図23は、直流配電網141を介しての電力のやり取りの第五例を示す図である。図23は、1つのノードが直流配電網141を経由して複数のノードに送電する場合の例を示している。図23の例では、リソースアグリゲータ設置システム51Cが、直流配電網141を介して需要家設置システム42Aおよびリソースアグリゲータ設置システム51Bへ送電する。
【0263】
リソースアグリゲータ設置システム51Cは、契約に基づき、太陽電池11Cの発電電力を、なりゆきで需要家設置システム42Aおよびリソースアグリゲータ設置システム51Bへ送電する。例えば、太陽電池11Cの全発電電力のうち40パーセントを需要家設置システム42Aへ送電し、60パーセントをリソースアグリゲータ設置システム51Bへ送電するように契約で定めておく。
【0264】
図23の例では、リソースアグリゲータ設置システム51Cから電力系統910への出力電力は0になっており、パワーコンディショニングシステム21Cは、太陽電池11Cの発電電力を全て直流配電網141へ出力している。太陽電池11Cの発電電力は、P21C=1800(ワット)となっている。DC/DCコンバータ121Cでの損失により、リソースアグリゲータ設置システム51Cから直流配電網141への出力電力は、P41C=1710(ワット)となっている。
【0265】
制御の応答性の観点から、需要家設置システム42A、リソースアグリゲータ設置システム51Bの各々が、リソースアグリゲータ設置システム51Cと直流配電網141との接続点における電力(P41C)または電流を計測できることが好ましい。
需要家設置システム42Aは、計測した電力(P41C)の40パーセントを受電する。すなわち、パワーコンディショニングシステム21Aは、P41A=0.4×P41Cとなるように動作する。需要家設置システム42A内では、パワーコンディショニングシステム21Aが、リソースアグリゲータ設置システム51Cからの電力を例えば蓄電池12Aと電気自動車13Aとに50パーセントずつ充電する。図23の例では、需要家設置システム42Aの直流配電網141からの受電電力は、P41A=684(ワット)となっている。DC/DCコンバータ122Aでの損失により、蓄電池12Aへの充電電力は、P22A=325(ワット)となっている。また、同様に、DC/DCコンバータ123Aでの損失により、電気自動車13Aへの充電電力も、P23A=325(ワット)となっている。
【0266】
あるいは、需要家設置システム42Aが、リソースアグリゲータ設置システム51Cからの電力の一部または全部を、一旦蓄電せずに需要家設置システム42A内のエアコンなどの電力消費機器にて直接消費するようにしてもよい。
リソースアグリゲータ設置システム51Bは、計測した電力(P41C)の60パーセントを受電する。すなわち、パワーコンディショニングシステム21Bは、P41B=0.6×P41Cとなるように動作する。リソースアグリゲータ設置システム51B内では、パワーコンディショニングシステム21Bが、リソースアグリゲータ設置システム51Cからの電力を蓄電池12Bに充電する。
【0267】
ここで、リソースアグリゲータ設置システム51Cでは充放電可能な電源機器が無いため計画電力の供給(予め契約で定められた一定量の電力の供給)は困難である。これに対し、需要家設置システム42Aまたはリソースアグリゲータ設置システム51Bが、リソースアグリゲータ設置システム51Cからの送電を受けて、計画電力を供給するようにしてもよい。
【0268】
例えば、需要家設置システム42Aが電力系統910へ3000ワットの電力を供給(逆潮流)するように、契約で定められているとする。また、需要家設置システム42Aが、直流配電網141を介してリソースアグリゲータ設置システム51Cから、太陽電池11Cの発電電力をなりゆきで受電するように、契約で定められているとする。パワーコンディショニングシステム21Aは、直流配電網141を介してリソースアグリゲータ設置システム51Cからの電力を受電し、蓄電池12Aおよび電気自動車13Aの充放電電力、および、太陽電池11Aの出力電力を用いて、電力系統910への出力電力が、P11A=3000ワットになるように調整する。
【0269】
例えば、直流配電網141からの受電電力が、P41A=2778(ワット)である場合、電力系統910への出力電力に換算すると、2778×0.9≒2500(ワット)となり、500ワット不足する。この場合、パワーコンディショニングシステム21Aは、例えば蓄電池12Aを放電させる。放電電力が、電力系統910への出力電力換算で500ワットになるように、パワーコンディショニングシステム21Aは、蓄電池12Aに、500/(0.95×0.9)≒585(ワット)放電させる。これにより、需要家設置システム42Aは、契約による3000ワットの出力を実施する。
【0270】
契約内容が、グリーン電力による付加価値が考慮されるサービスの契約である場合、パワーコンディショニングシステム21Aは、蓄電池12Aの蓄電電力量のうち、グリーン電力として蓄電している分を放電させる。具体的には、パワーコンディショニングシステム21Aの蓄電情報処理部295が、蓄電池12Aの蓄電電力量の記録のうち、グリーン電力の蓄電電力量から、契約の実施による放電分の電力量を減算する。
これにより需要家設置システム42Aの需要家は、グリーン電力による付加価値を考慮した報酬を受けることができる。
【0271】
直流配電網141を介して電力制御システム1の複数のノードから複数のノードへ送電を行う契約も考えられる。さらには、送電側のノードおよび受電側のノードが異なる複数の契約を同時に実施することで、直流配電網141を介して複数のノードから複数のノードへ送電が行われるケースも考えられる。
【0272】
直流配電網141を介して複数のノードから複数のノードへ送電が行われる場合、受電側の各ノードは、自らの契約における送電側のノードの送電電力(そのノードと直流配電網141との接続点における電力)の計測値をリアルタイムで取得する。そして、受電側のノードは、自らの契約において送電された分の電力、あるいは、自らの契約において送電された分の電力から直流配電網141における損失分を減算した電力を受電する。
受電側のノードが、送電電力の計測値をリアルタイムで取得できない場合は、計画電力の契約を行うことが考えられる。この場合、受電側のノードは、契約で予め定められている計画電力(例えば、一定値の電力)を受電する。
【0273】
直流配電網141を介する複数の送電が時分割で行われるようにすることで、個々のタイミングでは、直流配電網141を介して1つのノードから1つのノードへの送電のみが行われるようにしてもよい。この場合、送電側のノード、受電側のノードの各々は、自らのノードと直流配電網141との接続点の状況(例えば、電位および電流)を計測し、計測値に基づいて電力制御を行うことで、計画による送受電を実施することができる。
各ノードが、他のノードと直流配電網141との接続点における計測値を必要としない点で、計画による送受電を比較的容易に行うことができる。
【0274】
以上のように、パワーコンディショニングシステム21の機器制御部292は、直流配電網141との送受電を制御する。通信部210は、電力の発電方式に基づく属性を示す情報を、直流配電網141との送受電電力について授受する。
これにより、パワーコンディショニングシステム21は、直流配電網141を介して送電される電力の属性を明確にすることができる。特に、受電側のノードのパワーコンディショニングシステム21であっても、直流配電網141を介した受電電力の属性を明確にすることができる。パワーコンディショニングシステム21が、直流配電網141を介して送電される電力の属性を明確にできることで、直流配電網141を介して送電される電力が直接、あるいは蓄電池に一旦蓄電された後に、サービス用の電力として用いられる場合でも、電力の属性を明確にして、電力の属性による付加価値の活用を図ることができる。
【0275】
また、区分処理部293は、1つ以上の電源機器および直流配電網141との送受電電力のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器または受電電力毎に区分して算出する。サービス記録部294は、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部293による区分毎に記録する。
これにより、第一実施形態の場合と同様、直流配電網141が設けられる第二実施形態でも、パワーコンディショニングシステム21は、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。パワーコンディショニングシステム21によれば、例えば、太陽電池11が発電したグリーン電力の売電に対してグリーン電力の料金体系を適用するといった対価の計算が可能になる。
また、区分処理部293は、直流配電網141があたかも1つの電源機器であるかのように扱って、サービスにおける入出力電力の内訳を比較的容易に算出することができる。
【0276】
また、区分処理部293は、1つ以上の前記電源機器および直流配電網141からの受電電力のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数のサービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、電源機器または受電電力毎に区分して算出する。
これにより、第一実施形態の場合と同様、第二実施形態でも、パワーコンディショニングシステム21では、複数の実施のサービスに対応することができ、どの電力をどのサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。
また、区分処理部293は、直流配電網141があたかも1つの電源機器であるかのように扱って、サービスにおける入出力電力の内訳を比較的容易に算出することができる。
【0277】
また、区分処理部293は、少なくとも一部のサービスについて、入出力電力を、サービス毎、電源機器または送受電電力毎、かつ、発電方式に基づく電力の属性毎に区分して算出する。
これにより、第一実施形態の場合と同様、第二実施形態でも、パワーコンディショニングシステム21によれば、例えば売電についてはグリーン電力か通常電力かに応じた料金を計算するなど、電力の属性に応じた課金を、より確実に行うことができる。
また、区分処理部293は、直流配電網141があたかも1つの電源機器であるかのように扱って、サービスにおける入出力電力の内訳を比較的容易に算出することができる。
【0278】
なお、ノードIDなどのリソースオーナー情報は、必ずしもパワーコンディショニングシステム内に記憶する必要はない。例えば、パワーコンディショニングシステム内では、グリーン電力情報の属性情報を記憶するようにし、リソースオーナー情報については記憶しなくてもよい。
【0279】
リソースオーナー情報を用いると、課金処理をスマートメータ等とのやり取りの中で実施できる。そこで、例えば図18の端末装置がリソースオーナー情報を記憶し、リソースオーナー情報を上位制御装置へ送信するようにしてもよい。上位制御装置がリソースオーナー情報を用いて課金処理することで、やり取りした電力量情報と需要家情報の紐づけが行われ、対価の計算ができる。あるいは、端末装置間でリソースオーナー情報を共有するようにしてもよい。
【0280】
また、区分処理部293は、電力の属性が付加価値として反映されるサービスに対して、電源機器からの電力のうち付加価値に該当する属性を有する電力を優先的に割り当てて、区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、第一実施形態の場合と同様、第二実施形態でも、需要家などサービス実行者は、区分処理部293の割当結果に基づいて、グリーン電力など電力の属性を反映した対価(非化石価値)を得られる。
また、区分処理部293は、直流配電網141があたかも1つの電源機器であるかのように扱って、サービスに対する電力の割り当てを比較的容易に決定し、サービスにおける入出力電力の内訳を比較的容易に算出することができる。
【0281】
また、蓄電情報処理部295は、蓄電可能な電源機器の蓄電電力量を、充電に用いられる電力の属性毎に算出する。
これにより、パワーコンディショニングシステム21では、蓄電池12および電気自動車13といった充放電可能な電源機器からの出力電力のうち、グリーン電力が蓄電された電力に対してグリーン電力の料金体系を適用するなど、電力の属性に応じた対価の計算が可能になる。
また、蓄電情報処理部295は、直流配電網141があたかも1つの電源機器であるかのように扱って、蓄電可能な電源機器の蓄電電力量を比較的容易に算出することができる。
【0282】
また、区分処理部293は、入出力電力の指令値に基づいて、区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、第一実施形態の場合と同様、第二実施形態でも、区分処理部293は、計測値を得られない入出力電力がある場合でも、入出力電力の指令値を用いて区分毎の入出力電力を算出し得る。
【0283】
また、区分処理部293は、入出力電力の計測値に基づいて、区分毎の入出力電力を算出する。
これにより、第一実施形態の場合と同様、第二実施形態でも、区分処理部293は、入出力電力の指令値と実際の入出力電力との間に誤差が生じている場合でも、入出力電力の計測値を用いることで、実際の入出力電力に応じたより正確な入出力電力を算出し得る。
【0284】
また、機器制御部292は、直流配電網141への送電側における送電電力の計測値に基づいて、直流配電網141からの受電を制御する。
これにより、機器制御部292は、実際の送電電力に基づいて高精度に受電の制御を行うことができる。
【0285】
また、機器制御部292は、受電電力の計画値に基づいて、直流配電網141からの受電を制御する。
これにより、機器制御部292は、送電電力の計測が不可能または困難な場合でも、受電の制御を行うことができる。また、電力計測値の伝送時間を必要としない点で、機器制御部292の処理のリアルタイム性の確保が容易である。
【0286】
また、機器制御部292は、直流配電網141への送電を制御する。通信部210は、直流配電網141への送電電力の属性を示す情報を送信する。
これにより、受電側のノードのパワーコンディショニングシステム21は、直流配電網141を介した受電電力の属性を明確にすることができる。パワーコンディショニングシステム21が、直流配電網141を介して送受する電力の属性を明確にできることで、直流配電網141を介して送受する電力が直接、あるいは蓄電池に一旦蓄電された後に、サービス用の電力として用いられる場合でも、電力の属性を明確にして、電力の属性による付加価値の活用を図ることができる。
【0287】
<第三実施形態>
図24は、実施形態に係るサービス管理装置の構成の例を示す図である。図24に示すサービス管理装置410は、区分処理部411と、サービス記録部412とを備える。
かかる構成で、区分処理部411は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する。サービス記録部412は、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部411による区分毎に記録する。
これにより、サービス管理装置410では、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。サービス管理装置410によれば、例えば、太陽電池が発電したグリーン電力の売電に対してグリーン電力の料金体系を適用するといった対価の計算が可能になる。
なお、区分処理部411は、区分処理手段の例に該当する。サービス記録部412は、サービス記録手段の例に該当する。
【0288】
<第四実施形態>
図25は、実施形態に係る分散電源システムの構成の例を示す図である。図25に示す分散電源システム420は、複数の電源機器421と、入出力電力決定部422と、機器制御部423と、区分処理部424と、サービス記録部425とを備える。
かかる構成で、入出力電力決定部422は、複数の電源機器421のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスの入出力電力に基づいて、電源機器421毎の入出力電力を決定する。機器制御部423は、電源機器421毎に決定された入出力電力に従って電源機器421を制御する。区分処理部424は、サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器421毎に区分して算出する。サービス記録部425は、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部424による区分毎に記録する。
これにより、分散電源システム420では、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。分散電源システム420によれば、例えば、太陽電池が発電したグリーン電力の売電に対してグリーン電力の料金体系を適用するといった対価の計算が可能になる。
なお、入出力電力決定部422は、入出力電力決定手段の例に該当する。機器制御部423は、機器制御手段の例に該当する。区分処理部424は、区分処理手段の例に該当する。サービス記録部425は、サービス記録手段の例に該当する。
【0289】
<第五実施形態>
図26は、実施形態に係る電力制御システムの構成の例を示す図である。図26に示す電力制御システム430は、上位制御装置431と、複数の電源機器432と、入出力電力決定部433と、機器制御部434と、区分処理部435と、サービス記録部436とを備える。
かかる構成で、上位制御装置431は、サービスにおける入出力電力の要求量を決定する。入出力電力決定部433は、サービスにおける入出力電力の要求量に基づいて、電源機器432毎の入出力電力を決定する。機器制御部434は、電源機器432毎に決定された入出力電力に従って電源機器432を制御する。区分処理部435は、サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器432毎に区分して算出する。サービス記録部436は、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分処理部435による区分毎に記録する。
【0290】
これにより、電力制御システム430では、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。電力制御システム430によれば、例えば、太陽電池が発電したグリーン電力の売電に対してグリーン電力の料金体系を適用するといった対価の計算が可能になる。
なお、入出力電力決定部433は、入出力電力決定手段の例に該当する。機器制御部434は、機器制御手段の例に該当する。区分処理部435は、区分処理手段の例に該当する。サービス記録部436は、サービス記録手段の例に該当する。
【0291】
<第六実施形態>
図27は、実施形態に係るサービス管理方法における処理の手順の例を示すフローチャートである。
図27に示す処理は、複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力を、電源機器毎に区分して算出する工程(ステップS411)と、サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を区分毎に記録する工程(ステップS412)とを含む。
図27に示す処理によれば、どの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。図27に示す処理によれば、例えば、太陽電池が発電したグリーン電力の売電に対してグリーン電力の料金体系を適用するといった対価の計算が可能になる。
【0292】
図28は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図28に示す構成で、コンピュータ700は、CPU(Central Processing Unit)710と、主記憶装置720と、補助記憶装置730と、インタフェース740とを備える。
上記のパワーコンディショニングシステム21およびサービス管理装置410のうち何れか1つ以上が、コンピュータ700に実装されてもよい。その場合、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0293】
パワーコンディショニングシステム21がコンピュータ700に実装される場合、制御部290およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、記憶部280に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
通信部210による通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
【0294】
サービス管理装置410がコンピュータ700に実装される場合、区分処理部411およびサービス記録部412の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0295】
なお、パワーコンディショニングシステム21およびサービス管理装置410の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(オペレーティングシステム)や周辺機器等のハードウェアを含む。
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0296】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0297】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0298】
(付記1)
複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、
を備えるサービス管理装置。
【0299】
(付記2)
前記区分処理手段は、複数の前記電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われる複数の前記サービスにおける入出力電力の内訳を、サービス毎、かつ、前記電源機器毎に区分して算出する、
付記1に記載のサービス管理装置。
【0300】
(付記3)
前記区分処理手段は、少なくとも一部のサービスについて、前記入出力電力を、前記サービス毎、前記電源機器毎、かつ、発電方式に基づく電力の属性毎に区分して算出する、
付記2に記載のサービス管理装置。
【0301】
(付記4)
前記区分処理手段は、前記属性が付加価値として反映される前記サービスに対して、前記電源機器からの電力のうち付加価値に該当する属性を有する電力を優先的に割り当てて、区分毎の入出力電力を算出する、
付記3に記載のサービス管理装置。
【0302】
(付記5)
蓄電可能な前記電源機器の蓄電電力量を、充電に用いられる電力の属性毎に算出する蓄電情報処理手段
をさらに備える、付記1から4の何れか一つに記載のサービス管理装置。
【0303】
(付記6)
前記区分処理手段は、入出力電力の指令値に基づいて、前記区分毎の入出力電力を算出する、付記1から5の何れか一つに記載のサービス管理装置。
【0304】
(付記7)
前記区分処理手段は、入出力電力の計測値に基づいて、前記区分毎の入出力電力を算出する、付記1から6の何れか一つに記載のサービス管理装置。
【0305】
(付記8)
付記1から7の何れか一つに記載のサービス管理装置を備えるパワーコンディショニングシステム。
【0306】
(付記9)
複数の電源機器と、
前記複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスの入出力電力に基づいて、前記電源機器毎の入出力電力を決定する入出力電力決定手段と、
前記電源機器毎に決定された入出力電力に従って前記電源機器を制御する機器制御手段と、
前記サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、
を備える分散電源システム。
【0307】
(付記10)
サービスにおける入出力電力の要求量を決定する上位制御装置と、
複数の電源機器と、
前記サービスにおける入出力電力の要求量に基づいて、前記電源機器毎の入出力電力を決定する入出力電力決定手段と、
前記電源機器毎に決定された入出力電力に従って前記電源機器を制御する機器制御手段と、
前記サービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出する区分処理手段と、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、前記区分処理手段による区分毎に記録するサービス記録手段と、
を備える電力制御システム。
【0308】
(付記11)
複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出し、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分毎に記録すること
を含むサービス管理方法。
【0309】
(付記12)
コンピュータに、
複数の電源機器のうち何れか1つ以上を用いて行われるサービスにおける入出力電力の内訳を、電源機器毎に区分して算出し、
前記サービスの実施結果の入出力電力量の内訳を、区分毎に記録すること
を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【0310】
この出願は、2019年12月23日に出願された日本特願2019-231731号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0311】
本発明は、例えば、電力需給に関するサービスに適用することができる。本発明によれば、どの電源機器を用いてどの電力をサービスに提供したかの対応関係を示すことができる。
【符号の説明】
【0312】
1、430 電力制御システム
11 太陽電池
12 蓄電池
13 電気自動車
21 パワーコンディショニングシステム
22 端末装置
31、431 上位制御装置
41、420 分散電源システム
42 需要家設置システム
111 AC/DCコンバータ
121 第一DC/DCコンバータ
122 第二DC/DCコンバータ
123 第三DC/DCコンバータ
131 直流母線
210 通信部
220 電力変換部
280 記憶部
290 制御部
291、422、433 入出力電力決定部
292、423、434 機器制御部
293、411、424、435 区分処理部
294、412、425、436 サービス記録部
295 蓄電情報処理部
410 サービス管理装置
421、432 電源機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28