(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】移動体の管理装置、プログラム、及び荷物の配送支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20231011BHJP
【FI】
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2022007002
(22)【出願日】2022-01-20
(62)【分割の表示】P 2017252500の分割
【原出願日】2017-12-27
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 雅人
(72)【発明者】
【氏名】佐々 慎治
(72)【発明者】
【氏名】志賀 孝広
(72)【発明者】
【氏名】谷川 洋平
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/115447(WO,A1)
【文献】特開2015-069594(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117080(WO,A1)
【文献】中坊 貴亨,ゴミ収集ロボットシステム「CAMPUS」の開発,第17回日本ロボット学会学術講演会予稿集,社団法人日本ロボット学会,1999年09月09日,p.65-66
【文献】小野 淳,全国で100台が稼働をはじめた「自律型搬送台車ロボット」,農業ビジネスマガジン,イカロス出版,2016年02月25日,第12巻,p.36-41
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を管理する管理装置であって、
前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得する取得手段と、
前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給する供給手段とを含み、
前記管理装置が、前記移動体から前記荷物の集荷の終了を示す情報を取得した場合に、
前記移動体の運行スケジュールを示す情報と、前記移動体及び回収者の端末の位置情報とに基づいて、前記移動体の次の停止位置に対応する回収者の端末に、前記移動体の次の停止位置における前記荷物の回収の指示を送信する
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
移動体の管理装置のコンピュータに、
前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得するステップと、
前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給するステップと、
前記移動体から前記荷物の集荷の終了を示す情報を取得した場合に、
前記移動体の運行スケジュールを示す情報と、前記移動体及び回収者の端末の位置情報とに基づいて、前記移動体の次の停止位置に対応する回収者の端末に、前記移動体の次の停止位置における前記荷物の回収の指示を送信するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項3】
移動体の管理装置が、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得することと、
前記管理装置が、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給することと、
前記管理装置が、前記移動体から前記荷物の集荷の終了を示す情報を取得した場合に、
前記移動体の運行スケジュールを示す情報と、前記移動体及び回収者の端末の位置情報とに基づいて、前記移動体の次の停止位置に対応する回収者の端末に、前記移動体の次の停止位置における前記荷物の回収の指示を送信することと
を実行する荷物の配送支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の管理装置、プログラム、及び荷物の配送支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オンラインショッピングサービスを用いて商品が購入された場合、商品の販売業者は、商品の購入者への配送を配送業者に委託し、配送業者が購入者が指定した住所まで商品を配達する。このような、商品等の荷物の受け取りに関して、以下のような従来技術がある。例えば、受取人は荷受用車両に車載通信機およびトランク制御装置を設けて、トランクを配達物の収容部として設定する。配達物の配達時に、宅配業者の車両に設けた業務用通信機により荷受用車両側と相互認証を行ってトランク内に配達物を収容する。これにより、受取人が不在でも代わりに荷受用車両により受け取ることができる(例えば、特許文献1)。また、以下のような従来技術がある。公共バス等の輸送機関に対応付けられ得る移動型受取所が提供される。ユーザは、ユーザが毎日会社から家に帰るのに利用する公共バス上、またはユーザにとって便利なバス停に停まる公共バス上の移動型受取所に、アイテムが配達されることを選択し得る。GPS等で移動型受取所の座標が追跡され、注文したアイテムを有する移動型受取所が接近しているときに、携帯メール等により通知がユーザに提供される(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-206225号公報
【文献】特表2017-514198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、配送業者は、荷受用車両まで荷物を届けなければならず、配送センタから荷受用車両までの距離が長い場合など、荷物の配送を効率的に実施し得ない場合があり得る。また、特許文献2に記載の技術では、移動型受取所にてアイテムを受け取るため、輸送機関の移動ルートまで赴くのに手間を要する場合があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、荷物の配送作業や集荷作業の効率化を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の一つは、荷物の配送支援システムである。この配送支援システムは、地域に少なくとも1つ配置される移動体と、前記移動体の管理装置とを備え、前記管理装置は、前記移動体に積載された荷物の配送要求と、前記移動体を用いた荷物の集荷要求との少なくとも一方を取得する取得手段と、前記配送要求及び前記集荷要求との少なくとも一方において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給する供給手段とを含む。
【0007】
本発明に係る配送支援システムによれば、配送要求及び集荷要求の少なくとも一方において指定された位置へ移動体が移動するため、その位置で荷物を移動体に積載したり、移動体から荷物を回収したりすることができる。このため、荷物の配送を行う者は、指定された位置において移動体に荷物を積載すれば、自身の業務は完了し、荷物の配送先(荷物の受取人の自宅など)を再訪問する手間が省ける。また、配送で指定した位置(受取人の自宅)へ移動体が移動することを指示できるので、受取人は自宅とは別の場所へ荷物を取
りに行く手間や、自宅へ荷物を持ち帰る手間を省くことができる。これにより、配送の効率化が図られる。また、荷物の集荷についても、移動体を自宅などの指定位置へ呼び寄せることができるので、荷物の配送の依頼者の手間が省ける、また、配送業者の代わりに移動体が依頼者宅などを訪問するので、配送業者の手間が減る。これによって、効率化を図ることができる。
【0008】
本発明に係る配送支援システムにおいて、前記管理装置は、前記荷物の配送先として指定された位置が前記地域に属するか否かによって前記移動体を用いた前記荷物の配送及び集荷の少なくとも一方が可能な否かを判定する判定手段をさらに含む構成を採用してもよい。このようにすれば、荷物の配送方法を、配送業者が指定位置へ赴く方法と、移動体が指定位置へ赴く方法とを選択可能となる。
【0009】
本発明に係る配送支援システムにおいて、前記管理装置は、前記地域内に前記移動体となり得る複数の候補が存する場合に、前記複数の候補の夫々の位置情報と、前記指定された位置とに基づいて、前記移動体を前記複数の候補の中から選択する選択手段をさらに含む構成を採用してもよい。この場合、指定位置への移動が比較的容易な候補が移動体に選択されるようにして、配送や集荷の所要時間短縮や作業効率化を図ることができる。
【0010】
本発明に係る配送支援システムにおいて、前記供給手段は、前記移動体が前記地域内を巡回するように前記移動体に対して移動の指示を供給するように構成することが可能である。このようにすれば、荷物の収容スペースとして使用される移動体が地域を巡回することで、地域に存して移動体を利用する各ユーザが、自身の指定位置から近いところで移動体を利用可能となり、配送や集荷の所要時間短縮や作業効率化を図ることができる。
【0011】
本発明に係る配送支援システムにおいて、前記移動体は、施錠及び解錠が可能な前記荷物の積載場所を有し、前記管理装置は、前記荷物の配送及び集荷の少なくとも一方を行う者の端末に対し、前記積載場所の施錠状態を解除する情報を送信する送信手段をさらに含むように構成可能である。このようにすれば、移動体の積載場所の物理的な鍵を持たなくても、配送者や集荷者が積載場所の施錠状態を解除可能となる。また、積載場所が施錠されることで、荷物のセキュリティを確保することができる。
【0012】
また、本発明の他の態様は、地域に少なくとも1つ配置される移動体において、前記移動体に積載された荷物の配送要求と、前記移動体を用いた荷物の集荷要求との少なくとも一方において指定された位置へ移動する指示を取得する指示取得手段と、前記指示に基づいて前記指定された位置への移動を制御する移動制御手段とを含む移動体である。
【0013】
また、本発明の他の態様は、地域に少なくとも1つ配置される移動体の管理装置のコンピュータに、前記移動体に積載された荷物の配送要求と、前記移動体を用いた荷物の集荷要求との少なくとも一方を取得するステップと、前記配送要求及び前記集荷要求との少なくとも一方において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給するステップとを実行させるプログラムである。
【0014】
また、本発明の他の態様は、地域に少なくとも1つ配置される移動体の管理装置が、前記移動体に積載された荷物の配送要求と、前記移動体を用いた荷物の集荷要求との少なくとも一方を取得し、前記配送要求及び前記集荷要求との少なくとも一方において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給することを含む荷物の配送支援方法である。
【0015】
また、本発明の他の態様は、地域に少なくとも1つ配置される移動体のコンピュータに、前記移動体に積載された荷物の配送要求と、前記移動体を用いた荷物の集荷要求との少
なくとも一方において指定された位置へ移動する指示を取得するステップと、前記指示に基づいて前記指定された位置へ移動するための処理を行うステップとを実行させるプログラムである。
【0016】
また、本発明の他の態様は、地域に少なくとも1つ配置される移動体が、前記移動体に積載された荷物の配送要求と、前記移動体を用いた荷物の集荷要求との少なくとも一方において指定された位置へ移動する指示を取得し、前記指示に基づいて前記指定された位置への移動を制御することを含む荷物の配送支援方法である。
また、本発明は、以下の態様を含む。
(1)移動体を管理する管理装置であって、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得する取得手段と、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給する供給手段とを含み、前記移動体から前記荷物の集荷の終了を示す情報を取得した場合に、前記移動体の次の停止位置に対応する回収者の端末に、前記移動体の次の停止位置における前記荷物の回収の指示を送信することを特徴とする管理装置。
(2)移動体の管理装置のコンピュータに、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得するステップと、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給するステップと、前記移動体から前記荷物の集荷の終了を示す情報を取得した場合に、前記移動体の次の停止位置に対応する回収者の端末に、前記移動体の次の停止位置における前記荷物の回収の指示を送信するステップとを実行させるプログラム。
(3)移動体の管理装置が、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得することと、前記管理装置が、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給することと、前記管理装置が、前記移動体から前記荷物の集荷の終了を示す情報を取得した場合に、前記移動体の次の停止位置に対応する回収者の端末に、前記移動体の次の停止位置における前記荷物の回収の指示を送信することを実行する荷物の配送支援方法。
(4)移動体を管理する管理装置であって、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得する取得手段と、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給する供給手段とを含み、前記移動体から前記荷物の集荷の完了を示す情報を取得した場合に、集荷された前記荷物の引き渡し場所への移動の指示を前記移動体に送信することを特徴とする管理装置。
(5)移動体を管理する管理装置のコンピュータに、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得するステップと、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給するステップと、前記移動体から前記荷物の集荷の完了を示す情報を取得した場合に、集荷された前記荷物の引き渡し場所への移動の指示を前記移動体に送信するステップとを実行させるプログラム。
(6)移動体を管理する管理装置が、前記移動体を用いた荷物の集荷要求を取得することと、前記集荷要求において指定された位置へ前記移動体が移動する指示を前記移動体に供給することと、前記移動体から前記荷物の集荷の完了を示す情報を取得した場合に、集荷された前記荷物の引き渡し場所への移動の指示を前記移動体に送信することとを実行する荷物の配送支援方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、荷物の配送作業や集荷作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る配送支援システムの概要構成図である。
【
図2】エリアを巡回する移動体の外観構成図を示す。
【
図3】移動体管理情報のテーブルT1のデータ構造例を示す。
【
図4】住所-エリア対応テーブルT2のデータ構造例を示す。
【
図5】配送情報のテーブルT3のデータ構造例を示す。
【
図6】ユーザ情報のテーブルT4のデータ構造例を示す。
【
図8】動作例1における管理サーバの制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図9】は、動作例1における配送サーバの制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図10】動作例1における販売サーバの制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図11】動作例1におけるユーザ端末の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図12】動作例1における移動体の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図14】動作例2における管理サーバの制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図15】動作例2における配送サーバの制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図16】動作例2におけるユーザ端末の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図17】動作例2における移動体の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る移動体の管理装置、プログラム及び荷物の配送支援方法について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0020】
<配送支援システムの概要>
図1は、実施形態に係る配送支援システムの概要図である。
図1において、配送支援システムは、ネットワーク1に通信可能に接続された、移動体管理サーバ400(管理サーバ400とも表記)と、配送サーバ410と、販売サーバ420と、ユーザ端末60と、移動体100とを含む。管理サーバ400は、「移動体の管理装置」に相当する。
【0021】
ネットワーク1は、例えば、インターネット等の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網を採用し得る。また、ネットワーク1は、LTE(Long Term
Evolution)などのセルラー網、無線LAN(Local Area Network:Wi-Fi含む)等の無
線網を含んでもよい。
【0022】
販売サーバ420は、商品の販売業者によって管理される。販売サーバ420は、販売業者が運営するオンラインショッピングに係るWebサイト(オンラインショッピングサイトという)の情報(購入可能な商品情報が掲載されたWebページなど)を、ユーザ(利用者)に提供する処理を行う。例えば、販売サーバ420は、オンラインショッピングサイトの運営に係る処理を行う。例えば、販売サーバ420は、オンラインショッピングサイトにアクセスしてきたユーザ端末60に対し、購入可能な商品の情報が掲載されたWebページ(画面)の情報を提供し、ユーザ端末60との間で商品の売買にかかるやりとりを行う。
【0023】
配送サーバ410は、荷物の配送の委託者(上記商品の販売業者やユーザを含む)からの委託を受けて荷物を委託者の指定する配送先まで配達する宅配業者(配送業者ともいう)によって管理される。配送サーバ410は、委託を受けた荷物に係る情報(荷物の内容、荷物の届け先(住所、電話番号など)、配達指定時間など)と、荷物の位置を示す情報
を管理する。
【0024】
管理サーバ400は、荷物の配送や集荷作業を支援する移動体100の運行を管理する移動体管理業者によって管理される。管理サーバ400は、移動体100に係る情報(例えば、移動体100の現在位置を示す情報、移動体100のステータス(状態)を示す情報、運行スケジュールを示す情報、荷物の有無など)を管理する。管理サーバ400は、販売サーバ420、配送サーバ410、ユーザ端末60などからの要求に応じて、移動体100に係る情報を要求元に提供することができる。また、管理サーバ400は、移動体100に対して指示を与え、運行スケジュールに従って所定の位置へ移動させる制御を行う。
【0025】
移動体管理業者は、地域(エリアともいう)毎に配置された1以上の移動体100の運行を管理する。エリアは、行政区画でもよく、移動体管理業者が適宜定めた地理的範囲であってもよい。エリアの区画方法は適宜選択可能である。エリアの広狭は、人の居住分布などに基づいて決定される。例えば、人の密集地のエリアは小さく、過疎地のエリアは広大となり得る。但し、エリアの広狭は上記以外の基準により設定可能である。
【0026】
移動体100は、エリア内を巡回する。移動体100は、荷物の収容又は積載スペース(積載場所)を有し、配送業者から引き渡された荷物を収容してユーザの元に届けたり、ユーザから集荷した荷物を収容したりする。移動体100は、エリアに所在する複数のユーザによって共有されるような形態で管理される。移動体100の巡回のルートは適宜設定可能である。エリア内には、1以上の拠点(移動体100の停止場所)が設けられる。移動体100は、始点となる所定の拠点を出発してからエリア内を所定のルートで一周し、元の拠点に戻る。エリアに複数の(2以上の)拠点がある場合には、最初の拠点を出発してから所定の順序で他の拠点を経由し、最初の拠点に戻る。但し、一周毎に、移動体100が異なるルートを辿るようにしてもよい。また、巡回における移動体100の移動の始点となる拠点と終点となる拠点とが必ずしも同じでなくてもよい。複数の移動体100の夫々が同じルートを巡回するのでも、異なるルートを巡回するのでもよい。
図1では、複数の移動体100が、複数の拠点を結ぶ同一の巡回ルートを同じ方向(左周り)に時間差を設けて移動する例が示されている。
【0027】
移動体100は、一例として、各拠点で所定時間停止した後、次の拠点へ向けての移動を開始する。少なくとも1つの拠点にて、移動体100に対するエネルギー補給が行われる。例えば、移動体100が電動である場合、移動体100が備える二次電池の充電が拠点で行われる。拠点は、コンビニエンスストアの駐車場、車両販売の営業所、車両の修理工場など、移動体100を所定時間停止させておくスペースがあればどこでもよい。
【0028】
移動体100は、例えば、各拠点で移動開始時刻になることを開始トリガとして、次の拠点へ向けての移動を開始する。移動体100の移動中に移動体100が収容している荷物の配達要求が発生すると、移動体100は、配達要求において指定された引き渡し位置(荷物の受け取り位置)へ移動し停止する。荷物の受取人は、引き渡し位置にて停止した移動体100の荷物の収容スペースから荷物を取り出すことで、荷物の引き渡し(受け取り)を行う。また、移動体100の移動中に、荷物の集荷要求が発生すると、移動体100は、集荷要求において指定された集荷位置(引き渡し位置)へ移動し停止する。荷物の発送者(配送依頼者)は、停止している移動体の荷物の収容スペースに荷物を収容することで、荷物の引き渡し(集荷)を行う。上述した荷物の引き渡しの完了トリガを受けた後、移動体100は、元のルート(次の拠点)へ向けての移動を開始する。このようにして、移動体は、所定時間(例えば1日)の間に所定回数、巡回ルートを一周する。但し、所定時間の長さや所定時間内における周回数は適宜設定可能である。
【0029】
また、拠点における停止時間中に、荷物の引き渡し(受け取りや集荷)を行うことも可能である。受取人や集荷の依頼者が移動体100の停止している拠点へ赴き、収容スペースから荷物を取り出す、或いは配送依頼の荷物を収容スペースに積載する、ことで引き渡しが行われる。また、停止時間中に引き渡し要求や集荷要求を受けた場合、移動体100は、移動開始時刻になってから引き渡し位置への移動を開始する。但し、停止時間中に引き渡し要求や集荷要求を受けた場合において、移動開始時刻になる前に移動を開始するようにする場合もあり得る。
【0030】
また、移動体100は、拠点で待機し、配送要求や集荷要求を受けることを移動の開始トリガとして次の拠点へ向けての移動を開始するようにしてもよい。この場合、例えば、配送要求や集荷要求で指定された位置を経由して次の拠点へ向かう移動が開始される。また、管理サーバ400が、指定位置(拠点、配送位置、集荷位置など)への移動の指示を移動体100に供給し、移動体100が指定位置に到着すると、次の指定位置への移動を指示するようにしてもよい。
【0031】
<システム構成>
図2は、管理サーバ400、配送サーバ410、販売サーバ420、ユーザ端末60、及び配送業者の端末70(配送者端末70とも表記)のそれぞれの構成を概略的に例示する構成図である。
図2に基づいて、管理サーバ400、配送サーバ410、販売サーバ420、ユーザ端末60、及び配送業者の端末70のハードウェア構成及び機能構成について説明する。
【0032】
<<移動体>>
移動体100は、与えられた指令に基づいて自律走行を行う自律走行車両である。但し、エリア内で上述した巡回や配達、集荷を行うことができる限り、移動体100は船舶や航空機(飛行機、ヘリコプター、ドローンなど)であってもよい。本実施形態では、移動体100は、道路上を自律走行する車両である。移動体100は、ユーザの依頼に応じて、巡回コースを離れてユーザの指定した荷物の受け取り位置又は集荷位置まで移動することができる。荷物の受け取り位置や集荷位置はユーザにより指定されるが、そこに至るまでのルートについては、ユーザが指定してもよく、移動体100や管理サーバ400などで適宜決定してもよい。
【0033】
また、移動体100は、必ずしも無人である必要はなく、また、自律走行は必須要件ではない。例えば、移動体100には、ユーザに対して荷物の引き渡しや集荷のサービスを提供する要員や保安要員(拠点での充電作業などを行う)等が乗車していてもよい。移動体100は、必ずしも常時自律的な移動を行うものでなくてもよい。例えば、移動が人の操縦によって行われてもよい。操縦は移動体100に乗り込んでの操縦であっても、リモートコントローラなどを用いた遠隔操作であってもよい。
【0034】
移動体100は、管理サーバ400から取得した運行指令に従って走行する。具体的には、無線通信を介して取得した運行指令に基づいて走行経路を生成し、車両の周囲をセンシングしながら自律走行として適切な方法で道路上を走行する。移動体100は、センサ101、位置情報取得部102、制御部103、駆動部104、通信部105を含んで構成される。移動体100には不図示のバッテリ(二次電池)が搭載されており、移動体100は二次電池から供給される電力で動作する。
【0035】
センサ101は、移動体100の自律走行に必要な情報を取得するために移動体100の周囲のセンシングを行う。センサ101は、例えばステレオカメラ、レーザスキャナ、LIDAR、レーダなどを含む。センサ101が取得した情報は、制御部103に送信され、移動体100の周囲に存在する障害物や走行レーンの認識等のために制御部103に
よって利用される。本実施形態では、センサ101は、監視を行うための可視光カメラを含む。また、位置情報取得部102は、移動体100の現在位置を取得する。例えば、位置情報取得部102はGPS(Global Positioning System)受信器などを含んで構成さ
れる。位置情報取得部102が取得した情報も制御部103に送信され、例えば、移動体100の現在位置を利用して移動体100が目的地に到達するためのルートの算出や、当該目的地への到達に要する所要時間の算出等の所定処理に利用される。
【0036】
制御部103は、センサ101や位置情報取得部102から取得した情報に基づいて、移動体100の制御を行うコンピュータである。制御部103は、いずれも図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、補助記憶装置(ハードディス
クなど)を含み、CPUが補助記憶装置に記憶されたプログラムをメモリにロードして実行することで上記した各種処理を行うための機能が実現される。その各種処理の具体例として、制御部103は、運行計画生成部1031、環境検出部1032、走行制御部1033として動作する。制御部103は、指示取得手段及び移動制御手段に相当する。
【0037】
運行計画生成部1031は、管理サーバ400から運行指令を取得し、自身の運行計画を生成する。当該運行指令には、移動体100に与えられる出発地及び目的地に関する情報が含まれる。したがって、運行計画生成部1031は、管理サーバ400から与えられた目的地と、位置情報取得部102により得られた自車両の位置とに基づいて、移動体100の移動ルートを算出し、移動ルートを移動する運行計画を生成する。運行計画には、このように算出された移動体100が走行する経路に関するデータと、経路の一部または全部において移動体100が行うべき処理を規定したデータとを含む。運行計画に含まれるデータの例として、例えば、以下の(1)、(2)のようなものが挙げられる。
(1)自車両が走行する経路を道路リンクの集合によって表したデータ
自車両が走行する経路は、例えば、記憶された地図データを参照し、与えられた出発地と目的地に基づいて自動的に生成してもよい。なお、自車両が走行するルート算出は、移動体100内ではなく、外部装置(例えば、管理サーバ400)の処理に頼ってもよい。この場合、管理サーバ400は、移動体100からその自車両位置を取得し、当該移動体100が進むべき経路を算出するとともに、その算出した経路データを、上記の運行指令に含めてもよく、または別々に移動体100に送信してもよい。
(2)経路上の地点において自車両が行うべき処理を表したデータ
移動体100自身が行う処理には、例えば、所定条件下で「荷物の収容スペースの蓋(カバー)を解錠/施錠する」、「カバーを開閉する」といったものがあるが、これらに限られない。運行計画生成部1031が生成した運行計画は、後述する走行制御部1033へ送信される。
【0038】
環境検出部1032は、センサ101が取得したデータに基づいて、自律走行に必要な移動体100の周囲の環境を検出する。検出の対象は、例えば、車線の数や位置、移動体100の周囲に存在する他の移動体の数や位置、自身の周囲に存在する障害物(例えば歩行者、自転車、構造物、建築物など)の数や位置、道路の構造、道路標識などであるが、これらに限られない。自律的な走行を行うために必要なものであれば、検出の対象はどのようなものであってもよい。例えば、センサ101がステレオカメラである場合には、それにより撮像された画像データを画像処理することで移動体100の周囲の物体検出が行われる。また、環境検出部1032は、単に移動体100の周囲の物体を検出するだけではなく、検出した物体をトラッキング(検出した対象物を継続して検出し続けること)してもよい。例えば、1ステップ前に検出した物体の座標と、現在の物体の座標との差分から、当該物体の相対速度を求めることができる。環境検出部1032が検出した、移動体100の周囲環境に関するデータ(以下、環境データ)は、後述する走行制御部1033へ送信される。
【0039】
走行制御部1033は、運行計画生成部1031が生成した運行計画と、環境検出部1032が生成した環境データ、ならびに、位置情報取得部102が取得した移動体100の位置情報に基づいて、移動体100の自律的な走行を制御するための制御指令を生成する。例えば、走行制御部1033は、所定の経路に沿って走行し、かつ、移動体100を中心とする所定の安全領域内に障害物が進入しないように移動体100を走行させるべく制御指令を生成する。生成された制御指令は、後述の駆動部104へ送信される。移動体100を自律移動させるための制御指令の生成方法については、公知の方法を採用することができる。
【0040】
駆動部104は、走行制御部1033が生成した制御指令に基づいて、移動体100を走行させる手段である。駆動部104は、例えば、移動体100が備える車輪を駆動するためのモータやインバータ、ブレーキ、ステアリング機構等を含んで構成され、制御指令に従ってモータやブレーキ等が駆動されることで、移動体100の自律走行が実現される。また、通信部105は、移動体100をネットワーク1に接続する。通信部105とっしてネットワークインタフェースカード(NIC、不図示)などが適用される。本実施形態では、通信部105は、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等
の移動体通信サービスを利用して、ネットワーク1経由で他の装置(例えば管理サーバ400)と通信を行うことができる。
【0041】
<<移動体管理サーバ>>
次に、管理サーバ400について説明する。管理サーバ400は、複数の移動体100の自律走行を管理し、運行指令を送信する装置である。管理サーバ400は、例えば、荷物の配送要求や集荷要求を受けた場合に、配送位置や集荷位置(指定位置)を取得した上で、その付近を走行中の移動体100に対して運行指令を送信する。更に、管理サーバ400は、移動体100に係る情報を配送業者(配送サーバ410)や販売業者(販売サーバ420)に提供する装置でもある。
【0042】
管理サーバ400は、一般的なコンピュータの構成を有している。具体的には、管理サーバ400は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ(不図示)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ(不図示)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等の補助記憶装置(不図示)を含む。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。補助記憶装置は、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等を記憶し、プロセッサが補助記憶装置に格納されたプログラムをメモリの作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて様々な処理や動作が行われることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0043】
管理サーバ400は、通信部401を有する。通信部401は、ネットワーク1を介して他の装置と接続し、移動体100や管理サーバ400等との間の通信を行う。通信部401は、例えば、NICや無線通信のための無線通信回路である。NICや無線通信回路は、ネットワーク1に接続される。
【0044】
更に、管理サーバ400は、その補助記憶装置に、自律走行を行う複数の移動体100に関する各種情報を記憶する移動体管理DB403を有している。このデータベース(DB)は、プロセッサによって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶装置に記憶されるデータを管理することで構築される。移動体管理DB403は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0045】
ここで、移動体管理DB403に記憶される移動体管理情報の構成について、
図3に基づいて説明する。
図3は移動体管理情報のテーブルT1のデータ構造例を示す。テーブルT1は、移動体ID毎に設けられたレコード(エントリ)を有しており、各レコードは、移動体IDに対応する、エリアID、移動体100の現在位置、移動体100のステータス、移動体100の運行スケジュール、積載荷物の有無、荷物情報の各フィールドを有する。
【0046】
エリアIDのフィールドには、移動体IDが配置されたエリアの識別子であるエリアIDが記憶される。もっとも、テーブルT1がエリア毎に生成されるようにして、エリアIDがテーブルのインデックスとして使用されるようにしてもよい。現在位置のフィールドには、移動体100で取得された移動体100の現在位置が記憶される。例えば、移動体100の現在位置を特定するための緯度及び経度に関連する情報であり、移動体100において位置情報取得部102によって取得された情報が、当該移動体100から管理サーバ400に送信される度に、移動体管理DB403における当該移動体100に対応する現在位置のフィールドが更新される。もっとも、現在位置は、移動体100以外から取得されるようにしてもよい。
【0047】
ステータスは、移動体100の現在の状態を示す。例えば、拠点にて「停止中」、配送位置への移動や配送位置での停止を意味する「配送中」、次の目的地(配送位置や集荷位置以外の拠点など)への「移動中」、集荷位置への移動や集荷位置での停止を意味する「集荷中」などである。但し、これら以外の状態(「点検中」、「休止中(非稼働状態)」)が含まれてもよい。ステータスの分類はこれに限られない。
【0048】
運行スケジュールは、移動体100の運行スケジュールを示す。運行スケジュール情報は、例えば、各拠点での停止時間帯と、拠点間の移動に費やす時間帯とで表される。また、次の目的地(拠点、配送位置、集荷位置)も、運行スケジュールを示す情報に含まれる。本実施形態では、管理サーバ400は、移動体100に対して、次の目的地(拠点)への移動、或いは、配送及び集荷の少なくとも一方の位置を経由して次の目的地(拠点)へ移動することを指示する。運行スケジュールにて次の拠点での停止時間が決まっている場合には、次の拠点で停止時間だけ停止することが指示される。
【0049】
荷物の有無は、移動体100に荷物が積載されているか否かを示す。荷物情報として、荷物の識別子である荷物ID、或いは配送業務の管理番号(配送ID)、荷物の内容、配達時間など、荷物の配送に係る情報が記憶される。
【0050】
また、補助記憶装置には、
図4に示すような、住所-エリア対応テーブルT2(以下テーブルT2)が格納されている。テーブルT2は、住居所とエリアIDとの対応関係を記憶しており、住居所に対応するエリアを割り出すのに利用される。
【0051】
また、管理サーバ400では、上述したプロセッサによるプログラムの実行により、機能部として制御部402が形成される。制御部402は、上述したように移動体100の自律走行に関する処理、配送サーバ410、販売サーバ420、ユーザ端末60などとやりとりなどを行う。詳細には、制御部402は、機能部として位置情報管理部4021、運行指令生成部4022などとして動作する。このうち位置情報管理部4021と運行指令生成部4022が、移動体100の自律走行に関する処理を行う。
【0052】
位置情報管理部4021と運行指令生成部4022について説明する。位置情報管理部4021は、管理サーバ400の管理下にある複数の移動体100から位置情報を収集し、管理する。具体的には、所定の周期ごとにその時点における複数の移動体100から現
在位置情報を受信し、移動体管理DB403に記憶する。
【0053】
運行指令生成部4022は、配送要求や集荷要求を受けた場合に、配送や集荷に用いる移動体100を決定し、配送要求に含まれる配送位置や集荷要求に含まれる集荷位置に応じた運行指令を生成する。運行指令には、目的地としての配送位置や集荷位置が含まれ、目的地への経路を示す情報が含まれる。運行指令は、次の拠点を目的地として、配送位置や集荷位置を経由する内容とすることもできる。この場合、配送位置や集荷位置で所定時間停車することを前提とした運行指令を生成する。
【0054】
なお、制御部402は、荷物の配送要求と集荷要求との少なくとも一方を取得する取得手段に相当し、これらの要求の少なくとも一方において指定された位置へ移動体100が移動する指示を供給する供給手段に相当する。また、制御部402は、移動体100を用いた荷物の配送及び集荷の少なくとも一方が可能か否かを判定する判定手段、移動体100を地域内の複数の候補から選択する選択手段に相当する。また、制御部402は、荷物の配送及び集荷の少なくとも一方を行う者の端末(ユーザ端末60、配送者端末70)に対し、積載場所の施錠状態を解除する情報を送信する送信手段に相当する。
【0055】
<<配送サーバ>>
次に、配送サーバ410について説明する。配送サーバ410は、一般的なコンピュータの構成を有している。配送サーバ410は、管理サーバ400と同様に、CPUやDSP等のプロセッサ(不図示)と、記憶装置413(RAM、ROM、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等を含む)を有するコンピュータである。記憶装置413には、オペレーティングシステム、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、プロセッサは、そこに格納されたプログラムを記憶装置413内の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて制御部412として動作し、所定の目的に合致した機能を実現する。
【0056】
さらに、配送サーバ410は、通信部411を有する。通信部411は、管理サーバ400の通信部401と同様に、他の装置(例えば、管理サーバ400、販売サーバ420、ユーザ端末60、配送者端末70)と接続し、配送サーバ410と他の装置との間の通信を行う。通信部411は、例えば、NICや、無線通信のための無線通信回路である。NICや無線通信回路は、ネットワーク1に接続される。
【0057】
図5は、記憶装置413に記憶される配送情報のテーブルT3のデータ構造例を示す。テーブルT3は、配送ID(配送の管理番号など)に対応する、エリアID、荷物情報、配送時間帯、移動体利用の可否、移動体ID、現在位置、引き渡し位置などの情報項目を記憶可能となっている。エリアIDは、配送先が属するエリアの識別子である。荷物情報は、テーブルT1に格納されるものと同様の情報である。配送時間帯は、ユーザが希望した配送の時間帯を示す。配送時間帯の代わりに、又は配送時間帯に加えて配送希望日が記憶されてもよい。移動体利用の可否は、荷物の受け取りに移動体100を利用可能か否かを示す。移動体IDは、荷物の受け取りに利用される移動体の識別子を示す。現在位置は、移動体100の現在位置であり、引き渡し位置は、移動体100に積載された荷物の引き渡し位置を示し、移動体100の目的地となる。
【0058】
<<販売サーバ>>
次に、販売サーバ420について説明する。販売サーバ420は、一般的なコンピュータの構成を有している。販売サーバ420は、配送サーバ410と同様に、CPUやDSP等のプロセッサ(不図示)と、記憶装置423(RAM、ROM、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等を含む)を有するコンピュータである。記憶装置423には、オペレーティングシステム、各種プログラム、各種テーブル等が格納さ
れ、プロセッサは、そこに格納されたプログラムを記憶装置423内の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて制御部422として動作し、所定の目的に合致した機能を実現する。
【0059】
さらに、販売サーバ420は、通信部421を有する。通信部421は、管理サーバ400の通信部401と同様に、他の装置(例えば、管理サーバ400、配送サーバ410、ユーザ端末60)と接続し、販売サーバ420と他の装置との間の通信を行う。通信部421は、例えば、NICや、無線通信のための無線通信回路である。NICや無線通信回路は、ネットワーク1に接続される。
【0060】
記憶装置423には、ショッピングサイトでユーザに閲覧させる商品画面の情報や、ユーザ情報が記憶される。
図6は、ユーザ情報のテーブルT4のデータ構造例を示す。テーブルT4には、ユーザの識別子であるユーザID毎のレコードを記憶する。レコードは、ユーザの名前、住居所、電話番号、メールアドレス、配送先情報、端末情報などの情報項目を含む。配送先情報は、住居所と異なる荷物の配送先の住居所を示す。端末情報は、ユーザ端末60へのデータ送信に利用されるアドレスを示す。アドレスは、例えばIP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control)アドレスである。
【0061】
<<ユーザ端末>>
ユーザ端末60は、ユーザに使用される。スマートフォンやタブレットのようなスマートデバイスなどの携帯端末であってもよく、パーソナルコンピュータやワークステーションであってもよく、車載端末であってもよい。ユーザ端末60は、通信部61、制御部62、入出力部63を有する。通信部61及び制御部62として、管理サーバ400の通信部401及び制御部402を構成するのに用いる機器と同種類の機器を適用できる。入出力部63は、入力装置(ボタン、キー、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォンなど)と出力装置(ディスプレイ、スピーカなど)とを含む。
【0062】
<<配送者端末>>
配送者端末70は、荷物の配送業者(配送や集荷の担当者など)が使用する端末装置であり、ユーザ端末60と同様の端末を適用できる。また、配送者端末70は、通信部71、制御部72、入出力部73を含む。通信部71、制御部72、入出力部73は、通信部61、制御部62、入出力部63と同様のものを適用できる。
【0063】
移動体管理サーバ400、配送サーバ410、販売サーバ420の各機能構成要素のいずれか、又はその処理の一部は、ネットワーク1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。また、移動体管理サーバ400、配送サーバ410、販売サーバ420で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。ユーザ端末60及び配送者端末70についても同様である。
【0064】
<動作例>
以下、ユーザの商品購入及び商品の配送に関するシステムの動作例について説明する。
<<動作例1>>
図7は、動作例1を示すシーケンス図である。
図8は、動作例1における管理サーバ400の制御部402の処理例を示すフローチャートであり、
図9は、動作例1における配送サーバ410の制御部412の処理例を示すフローチャートであり、
図10は、動作例1における販売サーバ420の制御部422の処理例を示すフローチャートである。
図11は、動作例1におけるユーザ端末60の制御部62の処理例を示すフローチャートであり、
図12は、動作例1における移動体100の制御部103の処理例を示すフローチャートである。
【0065】
図7において、商品の購入を希望するユーザは、ユーザ端末60を用いて商品販売業者の販売サーバ420にて運営されるオンラインショッピングサイトにアクセスし、ログインを行う(
図7<1>、
図11のS41)。ユーザは、オンラインショッピングサイトの会員であり、記憶装置423には、ユーザの情報(ユーザID、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、商品配送先など)がテーブルT4(
図6)に予め登録されているものとする。但し、ユーザの情報は、商品購入の際にユーザが入出力部63を用いて入力し、販売サーバ420に送信され、制御部422がテーブルT4に登録するようにしてもよい。
【0066】
販売サーバ420がログイン要求を受信し(
図10のS31)、ログインが成功すると、販売サーバ420の制御部422は、ユーザが購入可能な商品の情報が掲載されたオンラインショッピングサイトのWebページの情報(商品画面の情報)を記憶装置423から読み出し、通信部421に与える。通信部421は、Webページの情報をユーザ端末60に送信する(
図7<2>、
図10のS32)。
【0067】
ユーザ端末60では、通信部61によって受信される商品画面の情報を制御部62が取得し、入出力部63に含まれるディスプレイ装置に商品画面の情報に基づく商品画面を表示する制御を行う。これによって、ユーザ端末60のディスプレイ装置には、商品を示す情報を含む商品画面が表示される(
図11のS42)。
【0068】
ユーザは、商品画面を参照し、購入希望の商品があれば、入出力部63を用いてその商品を買い物かごに入れる操作を行い、さらに、商品購入の意思の入力を行う。購入意思を示す情報(ユーザIDを含む)は、通信部61から販売サーバ420に送信される(
図7<3>、
図11のS43)。すると、販売サーバ420の制御部422は、通信部421で受信される購入意思を示す情報を取得し(
図10のS33)、記憶装置423のテーブルT4を参照し、ユーザIDに対応するレコード中の商品配送先の情報(例えば、ユーザが指定した配送先の宛名、住所又は居所、連絡先などのテーブルT4に記憶された情報)を読み出す。
【0069】
制御部422は、配送先の住所又は居所が移動体100を用いた配送サービスを利用可能なエリアに属しているかの問い合わせ情報を通信部421から管理サーバ400へ送信する(
図7<4>、
図10のS34)。問い合わせ情報は、配送先の住所又は居所(住居所)を含む。住居所の代わりに郵便番号などを適用可能である。
【0070】
問い合わせ情報は管理サーバ400の通信部401が受信し(
図8のS01)、制御部402が取得する。制御部402は、記憶装置403に記憶されているテーブルT1を参照して、問い合わせ情報に含まれる住居所に対応するエリアの有無を判定する(
図7<5>、
図8のS02)また、制御部402は、エリアがある場合にはそのエリアIDを取得する。テーブルT1には、住所とエリアIDとの対応関係が記憶されている。住居所に対応するエリアIDがテーブルT1に登録されていないことは、移動体100を用いた配送サービスを受けられないことを意味する。制御部402は、判定結果(移動体100を利用可(OK)/不可(NG)を示す)を販売サーバ420へ送信する(
図7<6>、
図8のS03)。
【0071】
販売サーバ420の制御部422は、通信部421で受信された判定結果を取得し(
図10のS35)、移動体100を用いた配送が可能な否かを判定する(
図10のS36)。判定結果が利用NG(利用可)を示す場合には、その旨がユーザ端末60へ送信され(
図7<7>、
図11のS44)、
図10の処理が終了する。これに対し、判定結果が利用OK(利用不可)を示す場合には、その旨がユーザ端末60へ送信される(
図7<7>、
図10のS37)。このとき、販売サーバ420からは、配送先への荷物の配送を配送業
者(配送者)が行うか、移動体100を用いて行うかを選択するための画面情報がユーザ端末60に送信され、制御部62は、そのような画面をディスプレイに表示する。ユーザは、画面を参照して、移動体100を用いた配送方法を利用するか、通常の配送者(配送人)が配送先を訪ねる通常の配送方法を利用するかを判断し、その結果を入出力部63からユーザ端末60に入力する。さらに、ユーザは、当該画面にある購入確定ボタンを押す。すると、購入に係る商品の情報と、配送の日時(時間帯)及び配送先の情報と、その商品の購入確定の旨と、ユーザが選択した配送方法を示す情報とを通信部401は販売サーバ420へ送信する(
図7<8>、
図11のS45)。
【0072】
販売サーバ420の通信部421は、購入確定の旨と配送方法を示す情報とを受信し、制御部422がこれらを取得する(
図10のS38)。制御部422は、購入が確定した商品とその配送先への配送方法を示す情報とを含む荷物情報を生成し、荷物情報を含む商品(荷物)の配送要求を配送サーバ410へ送信する(
図7<9>、
図10のS39)。
【0073】
配送サーバ410では、配送要求を通信部411が受信して制御部412が配送要求を取得する(
図9のS21)。制御部412は、配送要求に対応する配送に係るレコードを生成してテーブルT3に登録する。その後、荷物が配送先のエリアに対応する配送センタに到着するのを待つ。
【0074】
荷物が配送センタに到着すると、配送サーバ410の制御部412は移動体100の位置照会の要求を管理サーバ400へ送信する(
図7<10>、
図9のS22)。位置照会の要求には、制御部412によって生成された配送情報のテーブルT2に登録されたレコード中の情報が含まれる。
【0075】
管理サーバ400では、位置照会の情報が通信部401で受信され、制御部402が位置照会の情報を取得する(
図8のS04)。制御部402は、テーブルT2を参照し、位置照会の情報中の配送先の情報(配送先の住居所)に対応するエリアIDを特定し、エリアIDに対応する各移動体100のレコード中の現在位置と配送先の住居所とを対比し、所定の移動体100を配送に用いる移動体100に決定する。例えば、配送先の住居所から最寄りの拠点にて停止中であり、移動開始時刻までの時間が最長の移動体100を配送に用いる移動体に決定する。荷物の積載のために移動体100を停止させることを回避でき、また、拠点へ赴いて荷物を移動体100に積載する時間を確保するためである。或いは、配送先の住居所から最短距離にある移動体100を、巡回ルート上にある積載場所にて停車させることを前提に、決定することもできる。移動体100の決定方法は、上記以外の方法を適宜選択可能である。
【0076】
移動体100を決定すると、制御部402は、決定した移動体100の移動体IDに対応するテーブルT1中の移動体管理情報のレコードに、位置照会に係る荷物情報を登録して、荷物と移動体100とを関連づける。管理サーバ400の制御部402は、決定した移動体100の移動体ID及び現在位置を含む位置情報を配送サーバ410へ送信する(
図7<11>、
図8のS05)。
【0077】
本実施形態では、拠点で停止中の移動体100に荷物を積載する場合を仮定する。配送サーバ410の制御部412は、位置情報を受信し(
図9のS23)、記憶装置413に記憶されている、複数の配送者の各ステータスを示す情報を参照し、例えば、配送センタにいてこれから配送に出発する配送者のうちの1名をランダムに選択する。或いは、これからの配送ルートが移動体100の現在位置(停止中の拠点)と近い配送者を荷物の配送の担当者として選択する。このように、配送者は所定のルールに従って適宜選択可能である。制御部412は、選択した配送者の端末70に、荷物情報と、移動体100の移動体ID及び現在位置情報と、移動体100の収容スペース(積載場所)のロックの解除コー
ド(暗証番号)を送信する(
図7<12>、
図9のS24)。
【0078】
配送者端末70の制御部72は、通信部71で受信される移動体100の現在位置情報を取得して配送者端末70のディスプレイに表示する。配送者は、荷物情報に従って、荷物を自身の配送車両に積み込み、現在位置情報に従って荷物の積載位置である拠点(移動体100の停止位置)へ赴く。そして、停止中の移動体100の荷物の収容スペースのカバー(蓋)に設けられているタッチパネルに解除コード(暗唱番号)を入力する。カバーは、例えば、図示しない電磁錠によりロックされており、正当な解除コードの入力によってロックが解除されるようになっている。ロックの解除によってカバーを開け、配送者は荷物の収容スペースに積載する。配送者がカバーを所定の閉位置にまで戻すと、電磁錠が作動してカバーにロックがかかる。
【0079】
積載が完了すると、配送者端末70から積載完了の旨を配送サーバ410へ送信する(
図7<13>)。配送サーバ410の制御部412は、積載完了の旨を取得する(
図8のS06)。配送サーバ410は、積載完了の旨を管理サーバ400へ送信する(
図7<14>)。管理サーバ400は、積載完了の旨を配送サーバ410から受信し(
図8のS06)、積載完了の旨をユーザ端末60へ送信する(
図7<15>、
図8のS07)。このとき、制御部412は、テーブルT1の荷物の有無及び荷物情報を更新する。
【0080】
ユーザ端末60は、積載完了の旨を、収容スペースの解除コードとともに受信する(
図11のS46)。ユーザは、ユーザ端末60を操作して、配送先(例えば自宅)で荷物を受け取るべく、配送先への配送要求を管理サーバ400へ送信する(
図7<16>、
図11のS47)。配送要求は、配送先としての位置(指定位置)を示す情報と、配送先への到着時刻の指定を含むことが可能である。管理サーバ400は、配送要求に応じた運行指令を生成して移動体100へ送信する(
図7<17>)。
【0081】
図12のS101では、制御部103は運行指令を受信して、運行計画生成部1031として動作し、移動体100の配送先(目的地)までの運行計画を生成する(S102)。制御部103は運行計画に従った運行を開始する(S103)。運行において、制御部103は環境検出部1032及び走行制御部1033として動作する。
【0082】
制御部103は目的地に到着したかを判定する(S104)。この判定は、例えば移動体100の位置が目的地に到着していると見なせるか否かによって行われる。移動体100が目的地に到着すると、制御部103は移動体100を停止させて、解除信号(カバーのロックの解除コード)が入力されるのを待機する状態となる(S105)。ユーザによって入力された解除コードが正常である場合、制御部103は収容スペースのカバーのロックを解除する(S106)。これにより、ユーザはカバーを開けて、中の荷物を取り出すことで、注文した荷物(商品)の受け取り(回収)を行うことができる。S107において、制御部103は荷物の積載又は回収完了信号を待機する状態となる。積載又は回収完了信号は、ユーザがカバーを元の位置(収容スペースの閉位置)に戻すことにより発生する。元の位置に戻ったことは図示しないセンサなどにより検知可能である。元の位置にカバーが戻ったことを検知すると、制御部103は、カバーのロックを行い、収容スペースを施錠する(S108)。制御部103は、荷物の受け取り完了の旨を管理サーバ400へ送信する(S109、
図7<18>)。その後、移動体100は、次の目的地へ向けての運行指令を待機する状態となる。もっとも、次の拠点の位置が予め移動体100に登録されている場合に、移動体100が次の拠点の位置を次の目的地に設定し、そこへの移動を開始する動作を行うようにしてもよい。
【0083】
管理サーバ400は、移動体100から受け取り完了の旨を受信する。また、管理サーバ400は、ユーザ端末60からも、ユーザが入力した受け取り完了の旨を受信すること
ができる(
図7<19>)。これらの受け取り完了の一方は省略可能である。管理サーバ400は、配送サーバ410に配送完了の旨を送信し(
図7<20>)、配送サーバ410は、販売サーバ420に配送完了の旨を送信する(
図7<21>)。このようにして、移動体100を用いた荷物の配送が行われる。
【0084】
なお、本実施形態では、荷物の積載において移動体100が停止している例を示した。このため、
図12のS101~S104の処理は不要である(既に目的地に到着している)ので省略されている。但し、移動体100が移動中で、所定の積載位置が目的地に設定される場合には、移動体100は、
図12のS101~S104の処理を行うようにしてもよい。
【0085】
なお、動作例1において、管理サーバ400は、販売サーバ420や配送サーバ410の荷物のトラッキング処理を行い(荷物の位置の問い合わせ)に応じてトラッキングした荷物の位置を返信するようにしてもよい。また、管理サーバ400は、荷物を積載した移動体100の現在位置と荷物の配送先の位置との距離が所定距離よりも短くなった場合に、ユーザ端末60へ移動体100の接近を示す情報を送信することで、ユーザ端末60からの配送要求の送信タイミングの適正化を図ることができる。これらは、後述する動作例2及び3でも同様である。
【0086】
動作例1によれば、配送業者は、移動体100に荷物を積載するところで、配送業者としての業務が完了する。このため、ユーザが配送先で不在である場合に、配送業者が配送先を再訪問する必要がなくなる。このため、配送業者の配送作業の効率化が図られる。一方、ユーザが受け取りを指定した時間帯において、ユーザ端末60から管理サーバ400へ配送要求(
図7<16>)を送信することで、荷物を収容した移動体100が配送先(自宅など)へ移動する。これにより、ユーザは、自身の指定した配送先で荷物を受け取ることができ、公共交通機関などに赴いて荷物を受け取る手間、受け取った荷物を自宅まで持ち帰る手間を省くことができる。よって、ユーザの受け取り作業の効率化も図られる。移動体100は、エリアに所在する複数のユーザ間で共用されることにより、あたかも移動式の配達ボックスを複数人で共有している状態となる。これにより、各ユーザが自宅に配送荷物用のボックスを有していない場合でも、配送業者の再訪問などの不便を解消することができる。
【0087】
<<動作例2>>
図13は、動作例2を示すシーケンス図である。
図14は、動作例2における管理サーバ400の制御部402の処理例を示すフローチャートであり、
図15は、動作例2における配送サーバ410の制御部412の処理例を示すフローチャートであり、
図16は、動作例2におけるユーザ端末60の制御部62の処理例を示すフローチャートであり、
図17は、動作例2における移動体100の制御部103の処理例を示すフローチャートである。動作例1が、荷物を移動体100に積載する場合の動作例であるのに対し、動作例2は、ユーザが荷物の集荷を要求する場合の動作例を示す。
【0088】
図13において、荷物の集荷を希望するユーザは、ユーザ端末60を操作して、配送サーバ410が運営するWebサイトにログインする(
図13<1>、
図16のS71)。このとき、ログイン要求が配送サーバ410で受信され(
図15のS61)、配送サーバ410の制御部412は、荷物の配送に係る情報(伝票情報)を入力するための画面情報をユーザ端末60へ送信する(
図13<2>、
図15のS62)。
【0089】
ユーザ端末60は、配送サーバ410から受信される画面情報に基づく画面をディスプレイに表示する(
図16のS72)。ユーザは表示された画面を用いて、荷物の集荷要求(配送対象の荷物の伝票への記載情報:配送先の住所、宛名、電話番号、荷物の内容など
を含む荷物情報)を入力する。集荷要求は配送サーバ410へ送信される(
図13<3>、
図16のS73)。
【0090】
配送サーバ410の制御部412は、集荷要求を受信すると(
図15のS63)、ユーザの住居所が移動体100が配置されたエリア内か(集荷に移動体100を利用できるか)の問い合わせを管理サーバ400へ送信する(
図13<4>、
図15のS64)。問い合わせ情報は、配送先の住所又は居所(住居所)を含む。住居所の代わりに郵便番号などを適用可能である。
【0091】
問い合わせ情報は管理サーバ400の通信部401が受信し(
図14のS51)、制御部402が取得する。制御部402は、記憶装置403に記憶されているテーブルT1を参照して、問い合わせ情報に含まれる住居所に対応するエリアの有無を判定する(
図13<5>、
図14のS52)また、制御部402は、エリアがある場合にはそのエリアIDを取得する。テーブルT1には、住所とエリアIDとの対応関係が記憶されている。住居所に対応するエリアIDがテーブルT1に登録されていないことは、移動体100を用いた配送サービスを受けられないことを意味する。制御部402は、判定結果(移動体100を利用可(OK)/不可(NG)を示す)を販売サーバ420へ送信する(
図13<6>、
図14のS53)。
【0092】
配送サーバ410の制御部412は、通信部411で受信された判定結果を取得し(
図15のS65)、集荷方法(配送業者が自宅へ訪問、移動体100が自宅へ訪問)をユーザに選択させる画面情報(集荷方法選択情報)を、移動体利用可否の結果ととともにユーザ端末60へ送る(
図15のS66)。移動体100が利用できない場合には、画面情報において、移動体100が自宅へ訪問する集荷方法は選択肢として提示されない。ユーザは、ユーザ端末60が
図16のS74で受信した集荷方法選択情報を用いて集荷方法を確定し、その確定内容を配送サーバ410へ送り(
図13<8>、
図16のS75)、配送サーバ410が受信する(
図15のS67)。本実施形態では、移動体100が集荷のために自宅を訪問する集荷方法をユーザが選択した場合を例に説明する。配送サーバ410では、制御部412は、集荷方法の確定内容や、対応する荷物情報を用いて、テーブルT3に登録する配送情報を生成し、配送ID(配送の管理番号)と関連づけてテーブルT3に登録する。
【0093】
配送サーバ410は、確定内容に基づく荷物の集荷要求を管理サーバ400へ送信する(
図13<9>、
図15のS68)。集荷要求に含まれる情報は、動作例1と同様である。管理サーバ400は、集荷要求を受けて(
図14のS54)、荷物の集荷に利用する移動体100を決定し、集荷指示を移動体100へ送信する(
図13<10>、
図15のS55)。また、集荷要求には、ユーザ端末60へ情報を送るためのアドレスが含まれており、管理サーバ400は、ユーザ端末60へ、移動体100の収容スペースのロック状態を解除するための解除コードを送信する(
図13<10A>)。ユーザ端末60のアドレスは、配送サーバ410がユーザ端末60からの情報やデータの送信元アドレスから学習することができる。
【0094】
移動体100として、現在位置がユーザの自宅住所の最寄りにある移動体100が決定された場合について説明する。
図17は、動作例2に係る移動体100の制御部103の処理例を示すフローチャートである。移動体100における処理は、動作例1(
図12)との比較において、S101の代わりにS101aが設けられ、S109の代わりにS109aが設けられている点において相違する。S101aでは、配送要求の代わりの集荷要求に応じた運行指令が受信される点で動作例1と異なり、S109aにおいて、受け取り完了の代わりの集荷完了を管理サーバ400へ送信する点で動作例1と異なる。但し、これら以外は動作例1の処理(
図12の処理)と同じである。
【0095】
管理サーバ400は、集荷が完了した旨を移動体100から受信する(
図13<11>、
図14のS56)。管理サーバ400は、集荷が完了した旨を配送サーバ410へ送信する(
図13<12>、
図14のS57)。集荷が完了した旨のメッセージは、荷物を積載した移動体100の運行スケジュールを示す情報が含まれる。
【0096】
配送サーバ410は、集荷が完了した旨を受信し(
図15のS69)、移動体100から荷物を回収する回収者を選定し、回収者の配送者端末70に回収指示を送信する(
図13<13>、
図15のS70)。回収者の選定は、例えば、運行スケジュール上で、次に停止状態となる拠点の位置を特定し、拠点の位置の最寄り又は近傍にいる配送者の配送者端末70に回収指示を送信することで行う。但し、回収者の選定は上記以外の方法でなされてもよい。
【0097】
回収指示には、移動体100から回収する荷物に係る配送情報が含まれる。荷物情報は、配送IDを用いてテーブルT3から読みだしたものである。回収を行う配送者は、自身の配送者端末70に表示される運行スケジュール情報を参照して、自身が向かうべき拠点を特定し、その拠点において、管理サーバ400から受信した解除コードを用いて収容スペースのカバーのロックを解除し、荷物を回収する。回収が完了すると、その旨を配送者端末70が配送サーバ410へ送信する(
図13<14>)。配送サーバ410は、ユーザ端末60に回収が完了した旨を送信する(
図13<15>、
図15のS71)
【0098】
動作例2によれば、移動体100がユーザの自宅まで荷物の集荷にきてくれるので、荷物の配送を委託する際の作業が効率化される。また、配送業者は、荷物を積載した移動体100から荷物を回収すればよいので、ユーザの自宅を訪問する場合に比べて、回収の場所や回収の時間に柔軟性を持たせることができるので、効率的な回収作業を行うことができる。
<<動作例3>>
図18は、動作例3を示すシーケンス図である。動作例3は、動作例2と同様に、ユーザが荷物の集荷を要求する場合の動作例を示す。
図18に示す処理のうち、
図18<1>~<12>の処理は、動作例2と同じであるので説明を省略する。これに対し、
図18<13>~<17>の処理が動作例2と異なっている。
図18<13>では、配送サーバ410が管理サーバ400に対し、荷物の引き渡し要求を送信する。引き渡し要求には、移動体100に対する荷物の引き渡し場所の住所が含まれる。引き渡し場所として、例えば、エリア内にある配送業者の配送センタの住所を適用することができる。
【0099】
図18<14>において、管理サーバ400は、荷物の引き渡し指示を移動体100に送信する。引き渡し指示には、荷物を特定する情報、引き渡し場所の住所を示す情報、移動体100の移動体IDなどを含む。
【0100】
移動体100では、
図17に示したのと同様の動作が行われる。すなわち、移動体100は、引き渡し場所の住所まで移動して停止し、収容スペースのカバーのロックを解錠信号に基づいて解除する。このため、配送者は、カバーを開けて、中の荷物の引き渡しを受ける。カバーを閉位置まで戻すと、ロックがかかり、収容スペースが施錠される。移動体100は、引き渡しの完了通知を管理サーバ400に送る(
図18<15>)。引き渡しの完了通知を取得した管理サーバ400は、引き渡しの完了通知を配送サーバ410に送り(
図18<16>)、配送サーバ410は引き渡しの完了通知をユーザ端末60へ送る(
図18<17>)。
【0101】
動作例3でも、動作例2と同様に、移動体100が集荷のために自宅住所まで来るので、荷物の集荷作業を好適に行うことができる。また、動作例3では、移動体100が配送
業者の住所(例えば、配送センタの住所)へ移動して、配送業者に荷物を引き渡すことができる。配送業者は、引き渡し場所まで移動体100が来てくれるので、荷物の配送作業を効率的に行うことが可能となる。
【0102】
<実施形態の作用効果>
実施形態によれば、配送要求及び集荷要求の少なくとも一方において指定された位置へ移動体100が移動するため、その位置で荷物を移動体100に積載したり、移動体100から荷物を回収したりすることができる。このため、荷物の配送を行う者は、指定された位置において移動体100に荷物を積載すれば、自身の業務は完了し、荷物の配送先(荷物の受取人の自宅など)を再訪問する手間が省ける。また、配送で指定した位置(受取人の自宅)へ移動体100が移動することを指示できるので、受取人は自宅とは別の場所へ荷物を取りに行く手間や、自宅へ荷物を持ち帰る手間を省くことができる。これにより、配送に要する時間の短縮化や作業の効率化が図られる。また、荷物の集荷についても、移動体100を自宅などの集荷依頼者の都合の良い指定位置へ呼び寄せることができるので、荷物の配送の依頼者の手間が省ける、また、配送業者の代わりに移動体100が依頼者宅などを訪問するので、配送業者の手間が減る。これによって、配送や集荷に係る効率化を図ることができる。
【0103】
管理サーバ400(管理装置に相当)は、荷物の配送先として指定された位置が地域に属するか否かによって移動体100を用いた配送及び集荷の少なくとも一方が可能な否かを判定する。これによって、荷物の配送方法を、配送業者が指定位置へ赴く方法と、移動体が指定位置へ赴く方法とを選択可能となる。
【0104】
管理サーバ400(管理装置)は、地域内に移動体100となり得る複数の候補が存する場合に、複数の候補の夫々の位置情報と、指定された位置とに基づいて、移動体100を複数の候補の中から選択する。これによって、地域に存する複数の移動体100から指定位置に対して適切な位置にある移動体100が選択されるようにして、配送や集荷の所要時間短縮や作業効率化を図ることができる。
【0105】
管理サーバ400は、移動体100が地域内を巡回するように移動体100に対して移動の指示を供給する。これによって、荷物の収容スペースとして使用される移動体100が地域を巡回することで、地域に存して移動体を利用する各ユーザが、自身の指定位置から近いところで移動体を利用可能となり、配送や集荷の所要時間短縮や作業効率化を図ることができる。すなわち、地域に存する複数のユーザが移動式の宅配ボックスを共有しているのと同等の環境を得ることができる。
【0106】
移動体100は、施錠及び解錠が可能な荷物の積載場所を有し、管理サーバ400は、荷物の配送及び集荷の少なくとも一方を行う者の端末(ユーザ端末60、配送者端末70)に対し、積載場所の施錠状態を解除する情報を送信する。これによって、移動体100の荷物の積載場所の物理的な鍵をユーザや配送者が持たなくても、配送者や集荷者が積載場所の施錠状態を解除可能となる。また、積載場所が施錠されることで、荷物のセキュリティを確保することができる。以上説明した実施形態の構成は、発明の目的を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0107】
60・・・ユーザ端末、100・・・移動体、400・・・移動体管理サーバ、410・・・配送サーバ、420・・・販売サーバ、60・・・ユーザ端末、70・・・配送者端末、62,72,103,412,422,402・・・制御部