(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】車両制御方法、車両制御装置及び車両
(51)【国際特許分類】
B60L 58/27 20190101AFI20231011BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20231011BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231011BHJP
H01M 10/6571 20140101ALI20231011BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20231011BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20231011BHJP
【FI】
B60L58/27
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/6571
H01M10/633
H01M10/651
(21)【出願番号】P 2022045317
(22)【出願日】2022-03-22
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 太志
(72)【発明者】
【氏名】菅原 寛之
(72)【発明者】
【氏名】島貫 伊紀子
(72)【発明者】
【氏名】亀田 健太
(72)【発明者】
【氏名】菊地 拓也
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-118629(JP,A)
【文献】特開2015-047027(JP,A)
【文献】特開2016-092953(JP,A)
【文献】特開2014-051394(JP,A)
【文献】特開2015-168345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 10/52 - 10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両走行用の蓄電池のSOC及び温度に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記蓄電池の温度が所定温度以下であり、かつ、前記蓄電池のSOCが所定SOC値以下の場合、前記蓄電池に設けられる第1スイッチをオフにし、かつ、ジャンクションボックスに設けられている第2スイッチをオンにするスイッチ制御ステップと、
を含み、
前記蓄電池は、前記第1スイッチがオフ状態になることで、前記蓄電池を温めるヒータと前記蓄電池を充電する充電器との双方から切り離され、
前記充電器は、オン状態の前記第2スイッチを介して、前記ヒータと電気的に接続され、
車両によって実行される車両制御方法。
【請求項2】
前記スイッチ制御ステップは、
前記蓄電池の温度が前記所定温度以下であり、かつ、前記蓄電池のSOCが前記所定SOC値を超える場合、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンにし、
前記蓄電池は、オン状態の前記第1スイッチを介して、前記ヒータと電気的に接続され、
前記充電器は、オン状態の前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを介して、前記蓄電池と電気的に接続される、請求項1に記載の車両制御方法。
【請求項3】
車両走行用の蓄電池のSOC及び温度に関する情報を取得する情報取得部と、
前記蓄電池の温度が所定温度以下であり、かつ、前記蓄電池のSOCが所定SOC値以下の場合、前記蓄電池に設けられる第1スイッチをオフにし、かつ、ジャンクションボックスに設けられている第2スイッチをオンにするスイッチ制御部と、
を備え、
前記蓄電池は、前記第1スイッチがオフ状態になることで、前記蓄電池を温めるヒータと前記蓄電池を充電する充電器との双方から切り離され、
前記充電器は、オン状態の前記第2スイッチを介して、前記ヒータと電気的に接続される、
車両制御装置。
【請求項4】
前記スイッチ制御部は、前記蓄電池の温度が前記所定温度以下であり、かつ、前記蓄電池のSOCが前記所定SOC値を超える場合、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンにし、
前記蓄電池は、オン状態の前記第1スイッチを介して、前記ヒータと電気的に接続され、
前記充電器は、オン状態の前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを介して、前記蓄電池と電気的に接続される、請求項3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の車両制御装置を備えた車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両制御方法、車両制御装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両駆動用の蓄電池が低温状態のとき、蓄電池を加温することで蓄電池が低充電状態になることを防止する技術が開示されている。
【0003】
特許文献1の技術は、電池温度センサによって測定した温度が所定温度未満の場合、充電器から蓄電池への充電と、蓄電池から負荷への放電とを、充電率の値を基に交互に切り換えることで、蓄電池を目標温度まで昇温している。これにより、蓄電池の充電状態(State Of Charge:SOC)が上昇して、低温時でも蓄電池の放電電力を利用した電動車の走行が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の従来技術では、気温が0℃以下など極低温時においても蓄電池の充放電が実施され得るため、このような状況で蓄電池への充放電が実施されると、蓄電池の寿命が著しく低下する可能性がある。従って、SOCが極めて低い値となる場合において蓄電池を加温する上で改善の余地がある。
【0006】
本開示の一態様の目的は、低温時における蓄電池の劣化を抑制できる車両制御方法、車両制御装置及び車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る車両制御方法は、車両走行用の蓄電池のSOC及び温度に関する情報を取得する情報取得ステップと、前記蓄電池の温度が所定温度以下であり、かつ、前記蓄電池のSOCが所定SOC値以下の場合、前記蓄電池に設けられる第1スイッチをオフにし、かつ、ジャンクションボックスに設けられている第2スイッチをオンにするスイッチ制御ステップと、を含み、前記蓄電池は、前記第1スイッチがオフ状態になることで、前記蓄電池を温めるヒータと前記蓄電池を充電する充電器との双方から切り離され、前記充電器は、オン状態の前記第2スイッチを介して、前記ヒータと電気的に接続され、車両によって実行される。
【0008】
本開示の一態様に係る車両制御装置は、車両走行用の蓄電池のSOC及び温度に関する情報を取得する情報取得部と、前記蓄電池の温度が所定温度以下であり、かつ、前記蓄電池のSOCが所定SOC値以下の場合、前記蓄電池に設けられる第1スイッチをオフにし、かつ、ジャンクションボックスに設けられている第2スイッチをオンにするスイッチ制御部と、を備え、前記蓄電池は、前記第1スイッチがオフ状態になることで、前記蓄電池を温めるヒータと前記蓄電池を充電する充電器との双方から切り離され、前記充電器は、オン状態の前記第2スイッチを介して、前記ヒータと電気的に接続される。
【0009】
本開示の一態様に係る車両は、上記の車両制御装置を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、低温時における蓄電池の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態に係る車両100の構成例を示す図
【
図2】車両制御装置9のハードウェア構成例を示す図
【
図4】車両制御装置9の動作を説明するためのフローチャート
【
図5】第1モードが設定されているときの第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの状態を示す図
【
図6】第2モードが設定されているときの第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの状態を示す図
【
図7】第3モードが設定されているときの第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0013】
図1は本開示の実施の形態に係る車両100の構成例を示す図である。車両100は、蓄電池1、インバータ2、コンバータ3、コンバータ4、コンプレッサ5、ヒータ6、架装装置7、ジャンクションボックス8、及び車両制御装置9を備えている。
【0014】
なお、車両100は、蓄電池1、ヒータ6、ジャンクションボックス8、及び車両制御装置9を搭載可能な電動車両であればよく、トラック及びバス以外にも、バン、ワゴン、乗用車などでもよい。
【0015】
(蓄電池1)
蓄電池1は、車両100を走行させる主電動機を駆動する高圧バッテリである。蓄電池1には第1スイッチ1aが内蔵されている。
【0016】
(第1スイッチ1a)
第1スイッチ1aは、車両制御装置9から送信される制御指令を受信したとき、配線20を導通状態にし、制御指令を受信していない場合、配線20を非導通状態にする半導体スイッチ、メカニカルスイッチなどである。配線20は、一端が蓄電池1の電極と電気的に接続され、他端が第2スイッチ8a、インバータ2、コンバータ3などと電気的に接続されている。第2スイッチ8a、インバータ2、コンバータ3などの構成の詳細は後述する。
【0017】
なお、第1スイッチ1aは、蓄電池1に内蔵されている場合に限定されず、配線20を導通状態又は非導通状態にすることができればよく、蓄電池1の外部に設けられていてもよい。
【0018】
第1スイッチ1aがオン状態、すなわち第1スイッチ1aが閉じた状態(閉鎖状態)のとき、蓄電池1は、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aを介して充電器10と電気的に接続され、さらに第1スイッチ1aを介してヒータ6などと電気的に接続される。これにより、蓄電池1からヒータ6などへの直流電力の供給が可能であると共に、第2スイッチ8aがオン状態のときには充電器10から蓄電池1への充電が可能である。
【0019】
(インバータ2)
インバータ2は、蓄電池1及び充電器10の少なくとも一方から供給される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を負荷に供給する電力変換器である。充電器10は、系統電源、又は交流発電機から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池1、インバータ2などに供給する電力変換器である。系統電源は、例えば220Vの交流電圧を供給する商用電源などである。充電器10には、例えば定格出力が50kWのCHAdeMO(登録商標)仕様適合の充電器が利用される。なお、充電器10が車載の交流発電機の場合、車両100に搭載されている内燃機関を利用して交流発電機を駆動することで、直流電力を発生することができる。
【0020】
(コンバータ3)
コンバータ3は、蓄電池1及び充電器10の少なくとも一方から供給される直流電力を、電圧が12Vの直流電力に変換して負荷に供給する電力変換器である。
【0021】
(コンバータ4)
コンバータ4は、蓄電池1及び充電器10の少なくとも一方から供給される直流電力を、電圧が24Vの直流電力に変換して負荷に供給する電力変換器である。
【0022】
(コンプレッサ5)
コンプレッサ5は、蓄電池1及び充電器10の少なくとも一方から供給される直流電力を利用してモータを駆動することで冷媒などを圧縮する圧縮器である。コンプレッサ5は、保冷車などに搭載されている冷凍サイクル装置の構成要素である。
【0023】
(ヒータ6)
ヒータ6は、充電器10又は蓄電池1から供給される直流電力で駆動し、蓄電池1の温度を上昇(すなわち蓄電池1を加温)するための装置である。
【0024】
(架装装置7)
架装装置7は、蓄電池1及び充電器10の少なくとも一方から供給される直流電力を利用して駆動する荷受台昇降装置、ミキサ、ポンプ、冷凍サイクル装置などである。
【0025】
(ジャンクションボックス8)
ジャンクションボックス8は、インバータ2などの電装品に対して電力の供給、分配などを行う接続箱である。ジャンクションボックス8の内部には、第2スイッチ8a、リレー、ヒューズなどが設けられている。
【0026】
第2スイッチ8aは、車両制御装置9から送信される制御指令を受信したとき、配線21を導通状態にし、制御指令を受信していない場合、配線21を非導通状態にする半導体スイッチ、メカニカルスイッチなどである。配線21は、一端が充電器10の電極と電気的に接続され、他端が第1スイッチ1a、インバータ2、コンバータ3などと電気的に接続されている。
【0027】
第2スイッチ8aがオン状態、すなわち第2スイッチ8aが閉じた状態(閉鎖状態)のとき、充電器10は、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aを介して蓄電池1と電気的に接続され、さらに第2スイッチ8aを介してヒータ6などと電気的に接続される。これにより、充電器10からヒータ6などへの直流電力の供給が可能であると共に、第1スイッチ1aがオン状態のときには充電器10から蓄電池1への充電が可能である。
【0028】
(車両制御装置9)
車両制御装置9は、車両情報を収集して、車両100における所定の機能に関する各種制御処理を行う電子制御ユニットであり、例えばモータECU(Electronic Control Unit)、ハイブリッドECU、エンジンECUなどである。車両情報は、蓄電池温度、SOC、外気温度などの情報を含む。
【0029】
蓄電池温度は、例えば温度センサで測定された蓄電池1の内部又は表面の温度である。SOCは、例えば、充電器10において、蓄電池1の充電電圧、充電電流、充電時間などを用いて公知の推定方法(例えば特開2021-179311号公報に開示されている方法)で算出される。外気温度は、温度センサで測定された蓄電池1の周囲の雰囲気温度である。外気温度を測定することで、外気温度の変化に伴って蓄電池1の温度がどのように変化するかを推定可能である。
【0030】
次に
図2を参照して車両制御装置9のハードウェア構成を説明する。
図2は車両制御装置9のハードウェア構成例を示す図である。車両制御装置9は、プロセッサ91、メモリ92、及び入出力部93を備えている。これらは互いにバスライン94で接続される。
【0031】
プロセッサ91は、メモリ92に格納されたプログラムを実行し、プログラムに従って車両制御装置9の各種機能を実現する。
【0032】
メモリ92は、車両制御装置9の処理に必要なファイル、車両情報に関するデータなどを格納し、さらにこれらをバックアップする、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどである。
【0033】
入出力部93は、プロセッサ91を
図1に示す蓄電池1、ヒータ6などの車載器に接続するインタフェースである。
【0034】
次に
図3を参照して車両制御装置9の機能について説明する。
図3は車両制御装置9の構成例を示す図である。車両制御装置9は、情報取得部911、スイッチ制御部912、及び充電器制御部913を備えている。
【0035】
(情報取得部911)
情報取得部911は、蓄電池1の充電状態(SOC)と、蓄電池1の温度と、外気温度とに関する情報を取得し、取得した情報をスイッチ制御部912及び充電器制御部913に送信する。
【0036】
(スイッチ制御部912)
スイッチ制御部912には、例えば第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aのそれぞれのオンオフを制御するための複数のモードが設定されている。スイッチ制御部912は、情報取得部911で取得された情報を受信したとき、対応するモードを参照することで、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aのそれぞれのオンオフを制御する制御指令を生成して、第1スイッチ及び第2スイッチのそれぞれに送信する。制御指令を受信した第1スイッチ及び第2スイッチは、それぞれがオン状態又はオフ状態になるように駆動する。
【0037】
複数のモードには、例えば第1モード、第2モード、及び第3モードが含まれている。
【0038】
(第1モード)
第1モードは、例えばイグニッションがオフのときに、蓄電池1と充電器10をジャンクションボックス8から切り離した状態にする際に設定される。第1モードが設定されているとき、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aのそれぞれがオフ状態となり、充電器10と蓄電池1がジャンクションボックス8から電気的に切り離されている。これにより、蓄電池1の過放電が抑制されると共に、ジャンクションボックス8などの保守の際に作業者が感電することを防止できる。
【0039】
(第2モード)
第2モードは、充電器10と蓄電池1の双方の電力を利用してヒータ6などを駆動するときに設定される。第2モードが設定された場合、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aが共にオン状態となり、蓄電池1と充電器10がジャンクションボックス8と電気的に接続された状態になる。
【0040】
例えば、蓄電池1の温度が所定温度(例えば0℃)以下で、蓄電池1のSOCが所定のSOC(例えば50%)を超えている場合、第2モードが設定されることで、充電器10と蓄電池1の双方からヒータ6に直流電力が供給されるため、ヒータ6の発熱量が増えて蓄電池1を急速に温めることができる。これにより、車両100が車庫から出発する時間を短縮することができ、車両100の利用効率が大幅に向上する。なお、第2モードが選択される場合における蓄電池1の温度及びSOCの値は、これらの限定されるものではない。
【0041】
またインバータ2、コンプレッサ5、ヒータ6が同時に駆動して負荷が大きい場合でも、第2モードが設定されることで、これらの車載器を安定して動作させることができる。
【0042】
(第3モード)
第3モードは、蓄電池1の電力を利用せずに充電器10の電力を利用してヒータなどを駆動するときに設定される。第3モードが設定された場合、第1スイッチ1aがオフ状態、かつ、第2スイッチ8aがオン状態となり、蓄電池1がジャンクションボックス8から切り離され、充電器10がジャンクションボックス8と電気的に接続される。
【0043】
例えば、蓄電池1の温度が所定温度(例えば0℃)以下のため蓄電池1の加温が必要であるが、蓄電池1のSOCが所定のSOC(例えば50%)未満の場合、第3モードが設定されることで、蓄電池1の電力を車両100の走行用に温存しながら、ヒータ6に電力を供給して蓄電池1を温めることができる。また、第3モードが設定された場合、充電器10への充電が防止されるため、極低温状態の蓄電池1に電力が供給されることによる蓄電池1の劣化を抑制できる。
【0044】
このように、第3モードが設定された場合、車両100の走行用の電力を温存しつつ、蓄電池1の劣化を抑制できると共に、ヒータ6などを駆動して蓄電池1を加温することが可能である。
【0045】
なお、第3モードが設定されているときに蓄電池1の温度が所定温度を超えた場合、蓄電池1への充電を行っても蓄電池1の劣化が軽減されるため、スイッチ制御部912は、第3モードから第2モードに切り替えることで、充電器10から蓄電池1への充電を開始してもよい。この場合、第3モードでヒータ6を駆動する場合に比べて、ヒータ6の発熱量が増えて蓄電池1を急速に温めることができるため、車両100が車庫から出発する時間を短縮することができる。
【0046】
(充電器制御部913)
充電器制御部913は、スイッチ制御部912による第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの制御に連動して、充電器10の放電を開始し、又は充電器10の放電を停止する制御指令を生成して、充電器10に送信する。
【0047】
例えば、第1モードが設定されたことで第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aが共にオフ状態の場合、充電器制御部913は、充電器10の放電を停止させる制御指令を生成する。
【0048】
第2モードが設定されたことで第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aが共にオン状態の場合、充電器制御部913は、充電器10の放電を開始させる制御指令を生成する。
【0049】
第3モードが設定されたことで第1スイッチ1aがオフ状態、かつ、第2スイッチ8aがオン状態の場合も、充電器制御部913は、充電器10の放電を開始させる制御指令を生成する。
【0050】
次に
図4~
図7を参照して、車両制御装置9の動作を説明する。
図4は車両制御装置9の動作を説明するためのフローチャート、
図5は第1モードが設定されているときの第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの状態を示す図、
図6は第2モードが設定されているときの第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの状態を示す図、
図7は第3モードが設定されているときの第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aの状態を示す図である。
【0051】
車両制御装置9は、ステップS1において、イグニッションがオンであるか否かを判定する。イグニッションがオフの場合(ステップS1,NO)、ステップ2において、第1モードを設定することで、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aのそれぞれをオフ状態にする。
【0052】
イグニッションがオンの場合(ステップS1,YES)、車両制御装置9は、蓄電池1の温度が所定温度(例えば0℃)以下であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0053】
蓄電池1の温度が所定温度を超えている場合(ステップS3,NO)、ステップS1以降の処理が繰り返される。
【0054】
蓄電池1の温度が所定温度以下の場合(ステップS3,YES)、車両制御装置9は、蓄電池1のSOCが所定のSOC(例えば50%)以下であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0055】
蓄電池1のSOCが所定のSOC以下の場合(ステップS4,YES)、車両制御装置9は、第3モードを設定することで(ステップS5)、第1スイッチ1aをオフ状態にして、第2スイッチ8aをオン状態にして、一連の処理を終了する。
【0056】
蓄電池1のSOCが所定のSOCを超えている場合(ステップS4,NO)、車両制御装置9は、第2モードを設定することで(ステップS6)、第1スイッチ1a及び第2スイッチ8aが共にオン状態にして、一連の処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本開示の車両制御方法、車両制御装置及び車両は、更なる急速充電を実現できる技術に有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 蓄電池
1a 第1スイッチ
2 インバータ
3 コンバータ
4 コンバータ
5 コンプレッサ
6 ヒータ
7 架装装置
8 ジャンクションボックス
8a 第2スイッチ
9 車両制御装置
10 充電器
20 配線
21 配線
91 プロセッサ
92 メモリ
93 入出力部
94 バスライン
100 車両
911 情報取得部
912 スイッチ制御部
913 充電器制御部