(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】浴室洗い場における排水部構造
(51)【国際特許分類】
E03C 1/28 20060101AFI20231011BHJP
E03C 1/20 20060101ALI20231011BHJP
E03C 1/264 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
E03C1/28 A
E03C1/20 E
E03C1/264
(21)【出願番号】P 2022080882
(22)【出願日】2022-05-17
(62)【分割の表示】P 2017078295の分割
【原出願日】2017-04-11
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】海野 陽平
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤史
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-221281(JP,A)
【文献】特開2013-204259(JP,A)
【文献】特開平07-310344(JP,A)
【文献】特開平11-349899(JP,A)
【文献】特開2011-084561(JP,A)
【文献】特開平09-095406(JP,A)
【文献】特開2009-138383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/28
E03C 1/20
E03C 1/264
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に設置され、浴室内で使用された水を排水するために形成された浴室洗い場における排水部構造であって、
浴室内で使用された水を排水するための傾斜部分を有し、前記浴室洗い場の洗い場床に取り付けられることで排水口を形成する排水ピットと、
前記排水ピットの下流側に設置された排水トラップと、を備え、
前記排水トラップは、封水を貯留する封水貯留部と、前記封水貯留部に対して着脱自在に取り付けられる封水筒と、を有し、
前記封水筒の下端は、前記封水に着水されており、
前記封水筒は、無機化合物に担持された有機系抗菌防カビ剤を含む抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、前記抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出することを特徴とする浴室洗い場における排水部構造。
【請求項2】
前記排水ピットは、前記抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、前記抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出し、
前記封水筒
の表面にある水滴の接触角度は、前記排水ピット
の表面にある水滴の接触角度より、
5度以上大きいことを特徴とする請求項1に記載の浴室洗い場における排水部構造。
【請求項3】
開口が複数形成された開口部を有するヘアキャッチャーをさらに備え、
前記ヘアキャッチャーは、前記排水ピットの表面を流れてきた水が前記封水筒の表面を通り前記ヘアキャッチャーを通るように、前記封水筒の外周端より下流側における前記封水筒の表面に設置されることを特徴とする請求項2に記載の浴室洗い場における排水部構造。
【請求項4】
前記ヘアキャッチャーは、前記無機化合物に担持された前記有機系抗菌防カビ剤を含む前記抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、前記抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出することを特徴とする請求項3に記載の浴室洗い場における排水部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、浴室に設置され、浴室内で使用された水を排水するために形成された浴室洗い場における排水部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室に設置され、浴室内で使用された水を排水するために形成された浴室洗い場における排水部構造が知られている(例えば特許文献1)。このような浴室の排水部においては、入浴者が身体を洗った際に流れ出る皮脂などが混ざった汚水が排水部に流れこむため、排水部の表面に菌が繁殖しやすい。排水部の表面に菌が繁殖すると、増殖した菌がバイオフィルムを形成する。バイオフィルムが形成されると、このバイオフィルムを養分に黴などが繁殖しやすくなる。黴が繁殖すると、悪臭が発生しやすい。そこで、排水部を形成する排水部材の表面に抗菌処理を施すことで、排水部材の表面に抗菌作用を付与した排水部材も知られている(特許文献2)。
【0003】
しかしながら、排水部材の表面に抗菌処理を施すだけでは、浴室の排水部における悪臭の発生を抑制する上で十分ではない。即ち、浴室の排水部においては、入浴者が身体を洗った際に流れ出る皮脂などが混ざった汚水によって排水部の排水トラップ内に溜まった封水を形成することになる。このため、汚水で形成された封水は菌が繁殖しやすく、結果としてこの封水から悪臭が発生しやすいといった問題が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-204259号公報
【文献】特開2011-072868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、排水部の表面だけでなく排水トラップ内に溜まった封水に対しても抗菌作用を付与することで、排水部の表面及び封水に菌が繁殖することを抑制し、排水部の表面及び封水から悪臭が発生してしまうことを抑制する、浴室洗い場における排水部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、浴室に設置され、浴室内で使用された水を排水するために形成された浴室洗い場における排水部構造であって、浴室内で使用された水を排水するための傾斜部分を有し、前記浴室洗い場の洗い場床に取り付けられることで排水口を形成する排水ピットと、前記排水ピットの下流側に設置された排水トラップと、を備え、前記排水トラップは、封水を貯留する封水貯留部と、前記封水貯留部に対して着脱自在に取り付けられる封水筒と、を有し、前記封水筒の下端は、前記封水に着水されており、前記封水筒は、抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、前記抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出することを特徴とする浴室洗い場における排水部構造である。
【0007】
この浴室洗い場における排水部構造によれば、封水筒は、抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出することから、排水部材である封水筒の表面に菌が繁殖してしまうことを抑制できる。その上で、封水筒の下端は封水に着水していることから、封水筒の下端の表面に溶出した抗菌作用を有する物質が封水に溶け、封水に菌が繁殖することを抑制できる。
以上のことから、排水部の表面及び封水から悪臭が発生してしまうことを抑制できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記排水ピットは、前記抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、前記抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出し、前記封水筒は、前記排水ピットより、撥水性が高いことを特徴とする浴室洗い場における排水部構造である。
【0009】
この浴室洗い場における排水部構造によれば、排水ピットも抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂で形成することにより、樹脂表面に抗菌作用を有する物質が溶出するため、排水ピットの表面に菌が繁殖してしまうことも抑制できる。その上で、封水筒を排水ピットより撥水性が高いものとしたことで、浴室洗い場の洗い場床から排水ピットに流れた水は排水ピットの表面とある程度の接触面積を有しながら流れるため、排水ピットの表面に溶出した抗菌作用を有する物質をより多く含むことができる。その後、排水ピットの表面を流れた水は、封水筒の表面を流れて排水される。封水筒は、排水ピットより撥水性が高いため、抗菌作用を有する物質を含む水は迅速に排水される。したがって、抗菌作用を有する物質を含む水が途中で停滞することで蒸発してしまうことを抑制できる。よって、抗菌作用を有する物質が溶け出した水をより確実に封水に供給することができる。
以上のことから、排水部の表面及び封水から悪臭が発生してしまうことをより抑制できる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、開口が複数形成された開口部を有するヘアキャッチャーをさらに備え、前記ヘアキャッチャーは、前記排水ピットの表面を流れてきた水が前記封水筒の表面を通り前記ヘアキャッチャーを通るように、前記封水筒の表面に設置されることを特徴とする浴室洗い場における排水部構造である。
【0011】
この浴室洗い場における排水部構造によれば、ヘアキャッチャーは、排水ピットの表面を流れてきた水が封水筒の表面を通りヘアキャッチャーを通るように、前記封水筒の外周端より下流側における封水筒の表面に設置される。このことにより、排水ピットから封水筒に流れた水は、封水筒の表面で小さい水滴となると考えられる。その後、この水滴はヘアキャッチャーを通過する。つまり、小さい水滴となってヘアキャッチャーを通るため、ヘアキャッチャーの開口部を通りやすくなる。
したがって、ヘアキャッチャーを排水部に設けた場合であっても、抗菌作用を有する物質が溶出した水滴が封水に供給されることをヘアキャッチャーに阻害されることを抑制できる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記ヘアキャッチャーは、前記抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、前記抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出することを特徴とする浴室洗い場における排水部構造である。
【0013】
ヘアキャッチャーには毛髪や毛髪に絡まった塵に付着した汚れが溜まっている。したがって、水が排水ピットの表面を通る際に、この水に抗菌作用を有する物質が溶出したとしても、水がヘアキャッチャーを通る際に、ヘアキャッチャーに付着した汚れと抗菌作用を有する物質が反応してしまい、封水にたどり着く前に、水に含まれる抗菌作用を有する物質の抗菌作用が低下してしまう恐れがある。
そこで、この浴室洗い場における排水部構造によれば、ヘアキャッチャーは、抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出する。このため、ヘアキャッチャーへ流入した水滴は、ヘアキャッチャーの表面に溶出した抗菌作用を有する物質を取り込むことができる。したがって、ヘアキャッチャーを通った水は抗菌作用を有する物質を確実に含むため、封水に抗菌作用を有する物質を供給でき、封水から悪臭が発生してしまうことをより抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の態様によれば、排水部の表面だけでなく排水トラップ内に溜まった封水に対しても抗菌作用を付与することで、排水部の表面及び封水に菌が繁殖することを抑制し、排水部の表面及び封水から悪臭が発生してしまうことを抑制する、浴室洗い場における排水部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る浴室を示す模式的断面図である。
【
図2】
図1の浴室洗い場における排水部構造を示す模式的断面図である。
【
図3】
図2の浴室洗い場における排水部構造の一部分を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る浴室を示す模式的断面図である。
図2は、
図1の浴室洗い場における排水部構造を示す模式的断面図である。
【0018】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施の形態に係る浴室100は、浴槽110と、浴室洗い場102と、を備えている。浴室洗い場102は、浴室内で使用された水を排水するために形成された排水部10を有している。
【0019】
排水部10は、浴室洗い場102の洗い場床101に取り付けられることで浴室洗い場102の排水口を形成する排水ピット2と、排水ピット2の下流側に設置された排水トラップ4と、毛髪などを捕集するためのヘアキャッチャー32と、を備えている。排水ピット2は、浴室内で使用された水を排水するために、少なくとも一部分が傾斜している。即ち、排水ピット2は、浴室内で使用された水を排水するために、少なくとも一部分に勾配が形成されている。排水トラップ2は、封水を貯留する封水貯留部12と、封水貯留部12に対して着脱自在に取り付けられる封水筒14と、を有する。ヘアキャッチャー32は、開口が複数形成された開口部33を有する。封水筒14は、封水筒14の上流側において外周方向へ延設するようにフランジ状に形成された外周端部14aを有している。封水筒14は、外周端部14aが排水ピット2に当接した状態で、排水ピット2配置される。
【0020】
封水筒14は、抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、この抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出するものである。このことから、封水筒14の表面に菌が繁殖してしまうことを抑制できる。
同様に、排水ピット2及びヘアキャッチャー32も、抗菌作用を有する物質を含んでなる樹脂により形成されてなり、この抗菌作用を有する物質が樹脂表面に溶出するものである。このことから、排水ピット2及びヘアキャッチャー32の表面に菌が繁殖してしまうことを抑制できる。
【0021】
樹脂
本発明において、樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれかを用いることができる。樹脂成形体が大きく、高い強度や耐熱性が求められる場合は、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、樹脂成形体が小さく複雑形状の場合は、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
本発明において、熱硬化性樹脂としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
【0023】
また本発明において、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(
PBT)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリ
ル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PP
S)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PM
MA)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリ
トリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリテト
ラフルオロエチレン 4フッ化エチレン樹脂(PTFE)から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
【0024】
本発明のさらに好ましい態様によれば、熱可塑性樹脂として、PP、PE、POM、P
BT、PVC、ABS、PPS、PET、PMMA、PA、PCから選ばれる一種以上を
用いることがより好ましい。これらのうち更により好ましいのは、PP、POM、ABS
から選ばれる一種以上である。
【0025】
抗菌作用を有する物質
本発明において用いられる抗菌作用を有する物質としては、有機系抗菌防カビ剤、無機系抗菌剤のいずれも用いることができる。
【0026】
有機系抗菌防カビ剤
本発明において有機系抗菌防カビ剤とは、防菌防黴剤辞典-原体編-(日本防菌防黴学会誌,1998,Vol.26)に記載されている、細菌および真菌に対してMIC(最
小発育阻止濃度)を有している有機系薬剤を意味する。
【0027】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、例えば、アルコール系抗菌防カビ剤、アルデヒド系抗菌防カビ剤、チアゾリン系抗菌防カビ剤、イミダゾール系抗菌防カビ剤、エステル系抗菌防カビ剤、塩素系抗菌防カビ剤、過酸化物系抗菌防カビ剤、カルボン酸系抗菌防カビ剤、カーバメイト系抗菌防カビ剤、スルファミド系抗菌防カビ剤、第四アンモニウム塩系抗菌防カビ剤、ビグアナイド系抗菌防カビ剤、ピリジン系抗菌防カビ剤、フェノール系抗菌防カビ剤、ヨウ素系抗菌防カビ剤、トリアゾール系抗菌防カビ剤から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
【0028】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、具体的には以下のようなものを用いることができる。
【0029】
アルコール系抗菌防カビ剤としては、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、トリスニトロ(トリスヒドロキシメチルニトロメタン)、クロロブタノール(1,1,1-トリクロロ-2-メチル-2-プロパノール)、ブロノポール(2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール)から選択される一種以上を用いることができる。
【0030】
アルデヒド系抗菌防カビ剤としては、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、BCA(α-ブロモシンナムアルデヒド)から選択される一種以上を用いることができる。
【0031】
チアゾリン系抗菌防カビ剤としては、OIT(2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン)、MIT(2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン)、CMI(5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン)、BIT(1,2-ベンゾイソチアゾロン)、n-ブチルBIT(N-n-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾロン-3)から選択される一種以上を用いることができる。
【0032】
イミダゾール系抗菌防カビ剤としては、TBZ(2-(4-チアゾリル)-ベンツイミ
ダゾール)、BCM(メチル-2-ベンツイミダゾールカルバメート)から選択される一種以上を用いることができる。
【0033】
エステル系抗菌防カビ剤としては、ラウリシジン(グリセロールラウレート)などを用いることができる。
【0034】
塩素系抗菌防カビ剤としては、トリクロカルバン(3,4,4’-トリクロロカルバニ
リド)、ハロカルバン(4,4-ジクロロ-3-(3-フルオロメチル)-カルバニリド
)、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロ
ロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸から選択される一種以上を用いることがで
きる。
【0035】
過酸化物系抗菌防カビ剤としては、過酸化水素、二酸化塩素、過酢酸から選択される一種以上を用いることができる。
【0036】
カルボン酸系抗菌防カビ剤としては、安息香酸、ソルビン酸、カプリル酸、プロピオン酸、10-ウンデシレン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、マグネシウム2水素ビスモノペルオキシフタラート、ウンデシレン酸亜鉛から選択される一種以上を用いることができる。
【0037】
カーバメイト系抗菌防カビ剤としては、N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどを用いることができる。
【0038】
スルファミド系抗菌防カビ剤としては、ジクロフルアニド、トリフルアニドから選択される一種以上を用いることができる。
【0039】
第四アンモニウム塩系抗菌防カビ剤としては、4,4’-(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1-デシルピリジニウムボロミド)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、臭化アセチルアンモニウム、N,N’-ヘキサメチレンビス(4-カルボニル-1-デシルピリジニウムブロミド)、セチルピリジニウムクロライドから選択される一種以上を用いることができる。
【0040】
ビグアナイド系抗菌防カビ剤としては、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、ポリピグアナイド塩酸塩、ポリヘキサメチレンピグアナイドから選択される一種以上を用いることができる。
【0041】
ピリジン系抗菌防カビ剤としては、ピリチオンナトリウム、ジンクピリチオン(ZPT
:ビス(2-ピリジチオ-1-オキシド)亜鉛)、デンシル(2,3,5,6,-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン)、カッパーピリチオン(ビス(2-ピリジチオ-1-オキシド)銅)から選択される一種以上を用いることができる。
【0042】
フェノール系抗菌防カビ剤としては、チモール(2-イソプロピル-5-メチルフェノール)、ビオゾール(3-メチル-4-イソプロピルフェノール)、OPP(オルトフェ
ニルフェノール)、フェノール、ブチルパラベン(ブチル-p-ヒドロキシベンゾエート
)、エチルパラベン(エチル-p-ヒドロキシベンゾエート)、メチルパラベン(メチル
-p-ヒドロキシベンゾエート)、プロピルパラベン(プロピル-p-ヒドロキシベンゾエート)、メタクレゾール、オルトクレゾール、パラクレゾール、オルトフェニルフェノールナトリウム、クロロフェン(2-ベンジル-4-クロロフェノール)、クロロクレゾール(2-メチル-3-クロロフェノール)から選択される一種以上を用いることができる。
【0043】
ヨウ素系抗菌防カビ剤としては、アミカル48ヨウ素(ジヨードメチル-p-トリル-スルフォン)、ポリビニルピロリドンヨード、p-クロロフェニル-3-ヨードプロパギルフォーマル、3-ブロモ-2,3-ジヨード-プロペニルエチルカーボネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルーカーボネートから選択される一種以上を用いることができる。
【0044】
トリアゾール系抗菌防カビ剤としては、テブコナゾール((±)-α-[2-(4-ク
ロロフェニル)エチル]-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリア
ゾール-1-エタノール)などを用いることができる。
【0045】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤を二種以上用いることが可能である。これにより、菌やカビの増殖をより抑制することが可能である。
【0046】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、溶出速度の異なる二種以上の有機系抗菌防カビ剤を用いることが可能である。これにより、さらに長期間において菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
【0047】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤を二種用いる場合、樹脂は、第一の有機系抗菌防カビ剤と、第二の有機系抗菌防カビ剤とを含む。第一の有機系抗菌防カビ剤は、溶出速度が10-9g/cm2/h以上であることが好ましく、10-8g/cm2/h以上であることが更に好ましい。第二の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度は、第一の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度に対して5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが更に好ましい。これにより、樹脂表面に第二の有機系抗菌防カビ剤が迅速に溶出するため、樹脂の使い始めにおいて、菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。また、第一の有機系抗菌防カビ剤が第二の有機系抗菌防カビ剤よりも遅い速度で溶出するため、長期間にわたって菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
【0048】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、チアゾリン系抗菌防カビ剤およびピリジン系抗菌防カビ剤から選択される一種以上を用いることが好ましい。これにより、水まわりにおいて、菌やカビの増殖を更に抑制することが可能となる。有機系抗菌防カビ剤として、チアゾリン系抗菌防カビ剤およびピリジン系抗菌防カビ剤を用いることがさらに好ましい。
【0049】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤は、無機化合物に担持されているものを用いることができる。これにより、有機系抗菌防カビ剤の耐熱性が向上することができ、加熱成形時にガスが発生することを抑制することが可能となる。また、樹脂から有機系抗菌防カビ剤が溶出する速度を制御することができるため、長期的に菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
【0050】
無機化合物として、ゼオライト、ガラス、タルク、シリカゲル、ケイ酸塩、マイカ、セ
ピオライトから選ばれる一種以上を用いることが可能である。これらのうち、ゼオライト、タルク、ガラスから選ばれる一種以上を用いるのが好ましい。
【0051】
本発明において、有機系抗菌防カビ剤は、樹脂において、1質量%以上10質量%以下含むことが好ましい。これにより、樹脂に抗菌性および防カビ性を付与することが可能となる。更に好ましくは1質量%以上5質量%以下、さらにより好ましくは1質量%以上3質量%以下含む。これにより、加熱成形時の成形性が良好であり、かつ長期的に菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
【0052】
無機系抗菌剤
本発明において無機系抗菌剤とは、防菌防黴剤辞典-原体編-(日本防菌防黴学会誌,1998,Vol.26)に記載されている、少なくとも細菌に対してMIC(最小発育阻止濃度)を有している無機系薬剤を意味する。
【0053】
本発明において、無機系抗菌剤は銀系抗菌剤、亜鉛系抗菌剤、銅系抗菌剤から選ばれる一種以上を用いることが可能である。これにより、幅広い種類の細菌類への抗菌効果を付与することができるため、細菌類の増殖により産生されるバイオフィルムの生成を抑制することが可能になる。よって、バイオフィルムを足場として付着するカビの増殖も抑制することができる。
【0054】
本発明において、無機系抗菌剤として、銀イオン、亜鉛イオンおよび銅イオンから選択される一種以上が無機化合物に担持されたものを用いることが可能である。無機化合物としては、ゼオライト、ガラス、タルク、シリカゲル、ケイ酸塩、マイカ、セピオライトから選ばれる一種以上を用いることが可能である。複数のイオン種を用いる場合は、各イオンが同じ無機化合物に担持されていても良い。具体的には、銀イオンと亜鉛イオンがガラスに担持された無機系抗菌剤を用いることが可能である。また、複数のイオン種を用いる場合、各イオンが異なる無機化合物に担持されていても良い。具体的には、銀イオンがガラスに担持された無機系抗菌剤と、亜鉛イオンがゼオライトに担持された無機系抗菌剤とを用いることが可能である。
【0055】
本発明において、銀系抗菌剤として、銀と銀以外の無機酸化物との複合体を用いることが好ましい。具体的には、銀-リン酸ジルコニウム(AgxHyNazZr2(PO)4
)3)(x+y+z=1)、塩化銀-酸化チタン(AgCl/TiO2)、銀-リン酸亜鉛カルシウム(Ag-CaxZnyAlz(PO)4)6(x+y+z=10)、銀亜鉛アルミのケイ酸塩(混合物)M2/n・Na2O・2SiO2・xH2O(M:Ag,Zn,NH4))から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
【0056】
本発明において、亜鉛系抗菌剤として、酸化亜鉛・銀/リン酸ジルコニウム(ZnO,AgxHyNazZr2(PO)4)3)などを用いることが可能である。
【0057】
本発明において、銅系抗菌剤として、N-ステアロリル-L-グラタミ酸AgCu塩などを用いることが可能である。
【0058】
本発明において、無機系抗菌剤として銀系抗菌剤を用いることが好ましい。さらに好ましくは、銀と銀以外の無機酸化物との複合体を用いることが好ましい。これにより、樹脂の表面に銀の過剰な溶出を抑制することができるため、長期にわたり菌の増殖を抑制することが可能となる。
【0059】
本発明において、樹脂は、無機系抗菌剤を0.1質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下含むことがより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下含むことが更により好ましい。これにより、長期間にわたり菌の増殖を抑制し、バイオフィルムの生成を抑制することが可能となる。
【0060】
本発明において、樹脂における無機系抗菌剤の溶出速度は、第一の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度に対して、5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがさらに好ましい。つまり、第一の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度に対して、5倍以上遅いことが好ましく、10倍以上遅いことがさらに好ましい。これにより、第一および第二の有機系抗菌防カビ剤に対して溶出速度が遅いため、樹脂の表面に第一及び第二の有機系抗菌防カビ剤の溶出が進んだ後においても、無機系抗菌剤の溶出が継続する。これにより、長期にわたり菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
【0061】
樹脂およびその表面における無機系抗菌剤及び有機系抗菌防カビ剤の量は、下記に示す方法にて得ることができる。
【0062】
分析手法を用いて、樹脂およびその表面における無機系抗菌剤および有機系抗菌防カビ剤の量を得ることが可能である。分析手法としては、X線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、グロー放電発光分析装置(GD-OES)、グロー放電質量分析装置(GD-MS)、全反射型赤外吸収法(ATR-IR)などが挙げられる。無機系抗菌剤及び有機系抗菌防カビ剤の種類に応じて適宜選択することができる。
【0063】
分析手法により求めた樹脂に含まれる無機系抗菌剤および有機系抗菌防カビ剤の量を用いて、樹脂の表面における無機系抗菌剤および有機系抗菌防カビ剤の量を得ることが可能である。樹脂から無機系抗菌剤および有機系抗菌防カビ剤が溶出する速度を測定する。樹脂に含まれる無機系抗菌剤および有機系抗菌防カビ剤の量とそれぞれの溶出速度から、樹脂に表面における無機系抗菌剤および有機系抗菌防カビ剤の量を求めることができる。
【0064】
樹脂へのその他の成分の添加
本発明において樹脂は、任意に他の成分を含むことができ、その例としては、シリコーン化合物、タルク、ガラスファイバー、カーボンファイバー、セルロースファイバー、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤などの添加剤が挙げられる。意匠性を考慮する場合は、着色剤として、無機顔料や有機顔料を含むことができる。無機顔料としては、酸化チタン、タルク、シリカなどを用いることができる。有機顔料としては、Pigment Yellow 83、Pigment Red 48:2、Pigment Red 48:3、Pigment Violet 23、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Green 7、Pigment Green 36等が挙げられる。以下、それら任意成分について説明する。
【0065】
シリコーン化合物
本発明の実施の形態において、封水筒14を形成する樹脂は、シリコーン化合物を含むことが可能である。これにより、樹脂表面の撥水性を向上させることができ、残水や汚れの付着を防止することが可能となる。
【0066】
封水筒14を形成する樹脂は、シリコーン化合物を0.1質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下含むことがより好ましく、2質量%以上4質量%以下含むことがさらにより好ましい。これにより、樹脂の表面にシリコーンと共に有機系抗菌防カビ剤や無機系抗菌剤が留まりやすくなるため、長期的に菌やカビの増殖を抑制できる。
【0067】
反応性シリコーン
本発明において、シリコーン化合物として、反応性シリコーンを用いることが可能である。反応性シリコーンとしては、分子鎖の片末端をジメチルビニルシロキサン基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択される一種で封鎖したシリコーン樹脂を用いることができる。具体的には、片末端変性アクリルシリコーン、片末端変性メタクリルシリコーンなどが挙げられる。
【0068】
本発明において、反応性シリコーンは、反応性シリコーンを樹脂にグラフト重合させたシリコーングラフト樹脂として用いることが好ましい。これにより、反応性シリコーンを樹脂に固定化させることが可能となるため、長期的に撥水性を維持することが可能である。
【0069】
本発明において、シリコーングラフト樹脂は、樹脂の主鎖に、例えば分子鎖の片末端をジメチルビニルシロキサン基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択される一種で封鎖したシリコーン樹脂を結合させることで得ることが出来る。具体的な製造方法等は公知であり、例えば特開平8-127660号公報の記載に準じて得ることが出来る。
【0070】
例えば、シリコーングラフト樹脂としてシリコーングラフトポリプロピレンを用いる場合、シリコーングラフトポリプロピレンは市販されており、これを本発明において用いることも可能である。市販されているシリコーングラフトポリプロピレンの例としては、X-22-2101(信越化学工業株式会社)、BY27-201(東レ・ダウコーニング株式会社)などが挙げられる。
【0071】
本発明において、反応性シリコーンは、樹脂に0質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0質量%以上4質量%以下含むことがさらに好ましく、2質量%以上4質量%以下含むことがさらにより好ましい。
【0072】
非反応性シリコーンオイル
本発明において、封水筒14を形成する樹脂は、シリコーン化合物として、非反応性シリコーンオイルを含むことが可能である。非反応性シリコーンオイルは、一般式R3 SiO-(R2 SiO)n―SiR3 (ここで、Rは同一または異なっていてもよいアルキル基、好ましくはC1 -6 アルキル基を表す)で表される化合物であることが好ましい。
【0073】
非反応性シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、および脂肪酸エステル変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる一種以上を用いることが可能である。またシリコーンオイルの粘性は一般的に0.5cSt~1,000,000cStのものが存在するが、本発明においては、非反応性シリコーンのブリードを考慮して10~1,000cStのものが好ましい。これにより、非反応性シリコーンオイルが樹脂の表面にブリードしやすくなり、樹脂の表面を撥水性とすることが可能となる。
【0074】
本発明において、非反応性シリコーンオイルは、樹脂において、0質量%以上5質量%以下含むことが好ましく、0質量%以上4質量%以下含むことが更に好ましく、0.2質量%以上2質量%以下含むことがさらにより好ましい。
【0075】
本発明において、シリコーン化合物として、反応性シリコーンまたは非反応性シリコーンを用いても良く、両方を用いても良い。
【0076】
排水部構造
図2に示すように、封水筒14の下端は、封水に着水している。言い換えると、封水筒14の下端は、封水貯留部12内の封水の最高水位MHPよりも下方に配置される。このことにより、封水筒14の下端の表面に溶出した抗菌作用を有する物質が封水に溶け、封水に菌が繁殖することを抑制できる。
【0077】
上述したように、封水筒14を形成する樹脂には、シリコーン化合物が含まれている。
一方で、排水ピット2を形成する樹脂には、シリコーン化合物が含まれていない。即ち、封水筒14を形成する樹脂は、排水ピット2を形成する樹脂より、撥水性が高いものである。このことにより、
図3に示すように、浴室洗い場102の洗い場床101から排水ピット2に流れた水が、封水筒14の表面に流れた際と比べ、排水ピット2の表面に対して大きな接触面積を有しながら流れる。よって、排水ピット2の表面に溶出した抗菌作用を有する物質をより多く含むことができる。排水ピット2の表面を流れた水は、封水筒14の表面を流れて排水される。封水筒14は、排水ピット2より撥水性が高いため、抗菌作用を有する物質を含む水は迅速に排水される。したがって、抗菌作用を有する物質を含む水が途中で停滞することで蒸発してしまうことを抑制できる。よって、抗菌作用を有する物質が溶け出した水をより確実に封水に供給することができる。
シリコーン化合物が含まれている封水筒14を形成する樹脂は、表面にある水滴の接触角度が、100度以上であることが好ましく、本発明の実施の形態においては、104度である。なお、本発明において、「封水筒14を形成する樹脂は、排水ピット2を形成する樹脂より、撥水性が高い」とは、例えば、封水筒14を形成する樹脂の表面にある水滴の接触角度が、排水ピット2を形成する樹脂の表面にある水滴の接触角度より、5度以上
大きいものを指す。
【0078】
ヘアキャッチャー32は、排水ピット2の表面を流れてきた水が封水筒14の表面を通りヘアキャッチャー32を通るように、封水筒14の外周端14aより下流側における封水筒14の表面に設置される。このことにより、排水ピット2から流れた水が排水ピット2より撥水性が高い封水筒の表面でより小さい水滴となった後に、ヘアキャッチャー32を通過するため、ヘアキャッチャー32の開口部33を水滴が通りやすくなる。したがって、ヘアキャッチャー32を排水部10に設けた場合であっても、抗菌作用を有する物質を含む水滴が封水に供給されることをヘアキャッチャー32に阻害されることを抑制できる。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
【0080】
本発明の実施の形態において、排水ピット2を形成する樹脂には、酸化メタンが含まれていることが好ましい。このことにより、排水ピット2は、着色される。したがって、排水ピット2に光が長期間照射されることによって、排水ピット2に生じてしまう部分的な変色を、目立たなくすることができる。
【0081】
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴室100や浴室洗い場102などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0082】
2 排水ピット、 4 排水トラップ、 12 封水貯留部、 14 封水筒、 14a
外周端、 32 ヘアキャッチャー、 33 開口部、 100 浴室、 101 浴室洗い
場床、 102 浴室洗い場、110 浴槽、 114 排水配管