(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】平面度測定ユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20231011BHJP
G01B 5/20 20060101ALI20231011BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20231011BHJP
G01B 21/30 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01L21/68 T
G01B5/20 Z
G01B11/26 Z
G01B21/30 101F
(21)【出願番号】P 2022505813
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 JP2021002098
(87)【国際公開番号】W WO2021181906
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2020040170
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020191781
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】椿 達雄
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕之
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-059207(JP,U)
【文献】特開2016-094265(JP,A)
【文献】国際公開第2017/038268(WO,A1)
【文献】特開平11-108655(JP,A)
【文献】特開2018-129400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
G01B 5/20
G01B 11/26
G01B 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚板に載置され、前記棚板上の4つの所定箇所が同一平面上に存在する場合からの乖離の程度に関する平面度を測定するための平面度測定ユニットであって、
本体フレームと、
前記本体フレームに分散して配置され、前記棚板上の4つの前記所定箇所のそれぞれに接地するように設けられた4つの接地部と、を備え、
4つの前記接地部は、対角位置にない2つの第1接地部と、前記第1接地部以外の2つの第2接地部と、からなり、
重心位置を、前記平面度測定ユニットにおいて、対角位置にある前記第1接地部と前記第2接地部とを通る2本の対角線で画成される4つの領域のうち、前記第1接地部を2つ含む領域に設けた、平面度測定ユニット。
【請求項2】
前記本体フレームにおける前記第2接地部の周辺に設けられ、前記平面度測定ユニットが前記棚板に載置された状態において前記棚板上の前記第2接地部に対応する前記所定箇所又はその周辺箇所までの距離を測定する測定装置を備える、請求項1に記載の平面度測定ユニット。
【請求項3】
前記第2接地部は、球面状又は凸曲面状の接地面を構成する凸部を有する、請求項1に記載の平面度測定ユニット。
【請求項4】
前記第1接地部は、内面を接地面とする溝部又は凹部を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の平面度測定ユニット。
【請求項5】
前記接地部は、前記本体フレームよりも硬度が低い、請求項1~4の何れか一項に記載の平面度測定ユニット。
【請求項6】
前記本体フレームには、作業者が把持する把持部が設けられている、請求項1~5の何れか一項に記載の平面度測定ユニット。
【請求項7】
前記本体フレームにおける前記第1接地部側には、バランスウェイトが設けられている、請求項1~6の何れか一項に記載の平面度測定ユニット。
【請求項8】
前記棚板上には、上方へ突出するピンが設けられ、
前記本体フレームには、前記平面度測定ユニットが前記棚板に載置された状態において前記ピンとの間に隙間を形成する溝部又は凹部が設けられている、請求項1~7の何れか一項に記載の平面度測定ユニット。
【請求項9】
前記棚板上には、上方へ突出するノズルが設けられ、
前記本体フレームは、前記平面度測定ユニットが前記棚板に載置された状態において前記ノズルを通過させる開口部を有する、請求項1~8の何れか一項に記載の平面度測定ユニット。
【請求項10】
棚板に載置され、前記棚板上の4つの所定箇所が同一平面上に存在する場合からの乖離の程度に関する平面度を測定するための平面度測定ユニットであって、
本体フレームと、
前記本体フレームに分散して配置され、前記棚板上の4つの前記所定箇所のうちの3つの所定箇所それぞれに接地するように設けられた3つの接地部と、を備え、
重心位置を、前記平面度測定ユニットにおいて3つの前記接地部のそれぞれを頂点とする三角形の領域の内側に設けた、平面度測定ユニット。
【請求項11】
前記本体フレームに配置され、前記棚板上の4つの前記所定箇所のうちの3つの前記接地部がそれぞれ接地する3つの前記所定箇所以外の残りの所定箇所に対応する位置に設けられた測定用凸部を備え、
前記測定用凸部は、前記平面度測定ユニットが前記棚板に載置された状態において、当該残りの所定箇所との間に隙間が形成されるように構成されている、請求項10に記載の平面度測定ユニット。
【請求項12】
前記接地部は、接地面を構成する凸部を有し、
前記測定用凸部の高さは、3つの前記接地部の各凸部の頂点で定められた平面よりも低い、請求項11に記載の平面度測定ユニット。
【請求項13】
前記測定用凸部の頂点と3つの前記接地部の各凸部の頂点で定められた平面との間の距離は、最大乖離量以上である、請求項12に記載の平面度測定ユニット。
【請求項14】
前記本体フレームに設けられ、前記平面度測定ユニットが前記棚板に載置された状態において、前記棚板上の4つの前記所定箇所のうちの3つの前記接地部がそれぞれ接地する3つの前記所定箇所以外の残りの所定箇所又はその周辺箇所までの距離を測定する測定装置を備える、請求項10に記載の平面度測定ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、平面度測定ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
格納容器を載置する棚板を複数備え、棚板に載置された格納容器の内部をパージガスによってパージ処理するパージストッカが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなパージストッカでは、格納容器との間でパージガスを流通させる複数のノズルが、棚板上に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記パージストッカでは、棚板に格納容器を載置した際、パージ処理を適切に行うためには、所定の接圧でノズルと格納容器と密着させる必要がある。このことから、格納容器を棚板上に適切に接地させるべく、棚板上のある四箇所を同一平面上に存在させることが求められる。そこで、上記パージストッカでは、棚板上の4つの所定箇所が同一平面上に存在する場合からの乖離の程度に関する平面度を測定することが望まれる。このような棚板上の平面度を測定する方法として、当該4つの所定箇所を三次元計測する方法が考えられるが、その測定作業には多大な手間がかかり現実的ではない。
【0005】
本発明の一側面は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、棚板上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能な平面度測定ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットは、棚板に載置され、棚板上の4つの所定箇所が同一平面上に存在する場合からの乖離の程度に関する平面度を測定するための平面度測定ユニットであって、本体フレームと、本体フレームの四方に分散して配置され、棚板上の4つの所定箇所のそれぞれに接地するように設けられた4つの接地部と、を備え、4つの接地部は、対角位置にない2つの第1接地部と、第1接地部以外の2つの第2接地部と、からなり、重心位置を、前記平面度測定ユニットにおいて、対角位置にある前記第1接地部と前記第2接地部とを通る2本の対角線で画成される4つの領域のうち、前記第1接地部を2つ含む領域に設けている。
【0007】
この平面度測定ユニットは、棚板上の4つの所定箇所に接地部が設置されるように棚板に載置される。これにより、完全平面は3点で特定されることから、4つの所定箇所が同一平面上にないときは、そのうちの何れか一箇所と接地部との間に隙間が形成されるため、この隙間に関する値を平面度として測定することができる。このとき、平面度測定ユニットにおける重心位置が、対角位置にある第1接地部と第2接地部とを通る2本の対角線で画成される4つの領域のうち、第1接地部を2つ含む領域に設けられている(第1接地部側の重量が第2接地部側の重量と比較して重くなっている)ことから、2つの第1接地部は棚板の所定箇所に必ず接地する。したがって、全ての接地部と所定箇所との隙間を測定する必要はなく、第2接地部と所定箇所との隙間を測定することで足り、測定作業の手間を省くことができる。その結果、棚板上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となる。
【0008】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットは、本体フレームにおける第2接地部の周辺に設けられ、平面度測定ユニットが棚板に載置された状態において棚板上の第2接地部に対応する所定箇所又はその周辺箇所までの距離を測定する測定装置を備えていてもよい。このような構成では、棚板上の平面度の測定作業を、人手を省いて一層容易に行なうことが可能となる。
【0009】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、第2接地部は、球面状又は凸曲面状の接地面を構成する凸部を有していてもよい。第2接地部と棚板上の所定箇所との間の最小隙間を、複数の方向からでも容易に測定することが可能となる。
【0010】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、第1接地部は、内面を接地面とする溝部又は凹部を有していてもよい。このような構成では、棚板上における上方へ突出する部分に対しても第1接地部を確実に接地させることが可能となる。
【0011】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、接地部は、本体フレームよりも硬度が低くてもよい。このような構成では、棚板上において接地部が接地した所定箇所の損傷を抑制することができる。
【0012】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、本体フレームには、作業者が把持する把持部が設けられていてもよい。このような構成では、平面度測定ユニットを人手で容易に取り扱うことができ、棚板上の平面度の測定作業を一層容易に行なうことが可能となる。
【0013】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、本体フレームにおける第1接地部側には、バランスウェイトが設けられていてもよい。この場合、平面度測定ユニットにおける第1接地部側の重量を第2接地部側の重量と比較して重くする構成を、確実に実現することが可能となる。
【0014】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、棚板上には、上方へ突出するピンが設けられ、本体フレームには、平面度測定ユニットが棚板に載置された状態においてピンとの間に隙間を形成する溝部又は凹部が設けられていてもよい。このような構成では、平面度測定ユニットを棚板に載置する場合に、棚板上のピンとの干渉を溝部又は凹部を利用して回避することが可能となる。
【0015】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、棚板上には、上方へ突出するノズルが設けられ、本体フレームは、平面度測定ユニットが棚板に載置された状態においてノズルを通過させる開口部を有していてもよい。このような構成では、平面度測定ユニットを棚板に載置する場合に、棚板上のノズルとの干渉を開口部を利用して回避することが可能となる。
【0016】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットは、棚板に載置され、棚板上の4つの所定箇所が同一平面上に存在する場合からの乖離の程度に関する平面度を測定するための平面度測定ユニットであって、本体フレームと、本体フレームに分散して配置され、棚板上の4つの所定箇所のうちの3つの所定箇所それぞれに接地するように設けられた3つの接地部と、を備え、重心位置を、平面度測定ユニットにおいて3つの接地部のそれぞれを頂点とする三角形の領域の内側に設けている。
【0017】
この平面度測定ユニットでは、棚板に載置された場合、重心位置が平面度測定ユニットにおいて3つの接地部のそれぞれを頂点とする三角形の領域の内側に設けられていることから、3つの接地部は棚板の所定箇所に必ず接地する。これにより、完全平面は3点で特定されることから、4つの所定箇所が同一平面上にあるときは、4つの所定箇所のうちの接地部が接地していない一箇所と平面度測定ユニットとの間に、規定量の隙間が形成される。そのため、この隙間に関する値を平面度として測定することができ、棚板上の平面度の測定作業の手間を省くことができる。したがって、棚板上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となる。
【0018】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットは、本体フレームに配置され、棚板上の4つの所定箇所のうちの3つの接地部がそれぞれ接地する3つの所定箇所以外の残りの所定箇所に対応する位置に設けられた測定用凸部を備え、測定用凸部は、平面度測定ユニットが棚板に載置された状態において、残りの所定箇所との間に隙間が形成されるように構成されていてもよい。これにより、測定用凸部と当該残りの所定箇所との間の隙間に基づいて、平面度を測定することができる。
【0019】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、接地部は、接地面を構成する凸部を有し、測定用凸部の高さは、3つの接地部の各凸部の頂点で定められた平面よりも低くてもよい。これにより、平面度測定ユニットが棚板に載置された場合に測定用凸部と残りの所定箇所との間に隙間が形成される構成を、確実に実現することができる。
【0020】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットでは、測定用凸部の頂点と3つの接地部の各凸部の頂点で定められた平面との間の距離は、最大乖離量以上であってもよい。これにより、平面度測定ユニットが棚板に載置された場合において、測定用凸部と残りの所定箇所との間に隙間が形成される構成を、一層確実に実現することができる。
【0021】
本発明の一側面に係る平面度測定ユニットは、本体フレームに設けられ、平面度測定ユニットが棚板に載置された状態において、棚板上の4つの所定箇所のうちの3つの接地部がそれぞれ接地する3つの所定箇所以外の残りの所定箇所又はその周辺箇所までの距離を測定する測定装置を備えていてもよい。このような構成では、棚板上の平面度の測定作業を、人手を省いて一層容易に行なうことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一側面によれば、棚板上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能な平面度測定ユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る平面度測定ユニットが載置される棚板を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る平面度測定ユニットを下方側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る平面度測定ユニットの後側を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る平面度測定ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る平面度測定ユニットを上方側から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る平面度測定ユニットを下方側から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態における第2接地部の周辺を模式的に示す側面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る平面度測定ユニットを下方側から見た斜視図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態に係る平面度測定ユニットの後側を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る平面度測定ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態に係る平面度測定ユニットを上方側から見た斜視図である。
【
図16】
図16は、第5実施形態に係る平面度測定ユニットを下方側から見た斜視図である。
【
図17】
図17は、第5実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、第6実施形態に係る平面度測定ユニットが棚板に載置された状態を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、第6実施形態に係る平面度測定ユニットを下方側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の対象と必ずしも一致していない。「上」及び「下」の語は、図示する状態に基づく便宜的なものである。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、平面度測定ユニット1が載置される棚板101を示す斜視図である。
図2は、棚板101に載置された状態の平面度測定ユニット1を示す斜視図である。
図3は、平面度測定ユニット1を下方側から見た斜視図である。
図4は、平面度測定ユニット1の後側を示す斜視図である。X方向は一水平方向に対応し、Y方向はX方向に直交する水平方向に対応し、Z方向は鉛直方向に対応する。
【0026】
図1及び
図2に示されるように、平面度測定ユニット1は、棚板101に載置され、棚板101上の平面度を測定するためのユニットである。棚板101上の平面度とは、棚板101上の4つの所定箇所が同一平面上に存在する場合からの乖離の程度に関する指標である。棚板101上の平面度は、例えば棚板101上の4つの所定箇所のうちの何れか3つにより決定される平面と、残りの1つの所定箇所と、の間に形成される隙間の大きさ(隙間量)によって表すことができる。隙間量が大きいほど、平面度が良くないと判定される。なお、棚板101上の平面度は、当該乖離の程度に関するものであれば特に限定されず、種々の公知の指標であってもよい。
【0027】
棚板101は、パージストッカ100のパージ棚を構成する。パージストッカ100は、格納容器の内部をパージガスによってパージ処理すると共に、複数の格納容器を保管する保管庫としての機能を有している。格納容器は、半導体ウェハ又はガラス基板などの被格納物が格納されたレチクルポッド又はFOUP(Front Opening Unified Pod)などである。パージガスとしては、例えば、窒素ガス又は空気が用いられる。パージストッカ100は、例えばクリーンルームに設けられる。
【0028】
棚板101は、パージストッカ100において、X方向及びZ方向に沿って複数並んで配置される。棚板101は、棚ブラケットBRに支持されている。棚板101は、XY面に沿う平板状に形成されている。棚板101は、上方から見て、前側(Y方向の一方側)に開口する開口部を有する。棚板101には、格納容器が載置される。棚板101上には、上方へ突出するピン102が3つ設けられている。ピン102は、キネマピンであり、格納容器を位置決めする機能を有する。図示する例では、ピン102は、上方から見て、棚板101の上面の一直線上にない3点に分散して配置されている。
【0029】
棚板101上には、上方へ突出するノズル103が4つ設けられている。ノズル103は、棚板101に載置された格納容器との間でパージガスを流通させる。ノズル103の管端部である上部は、剛体で構成されている。ノズル103の上面は、平面状に形成されている。ノズル103の上面が格納容器の通気口に密着されることによって、当該格納容器の内部にパージガスが供給可能、あるいは当該格納容器の内部から余分なパージガスを排出可能とされる。ノズル103は、棚板101の上面の四方に分散して配置されている。図示する例では、ノズル103は、上方から見て、棚板101の四隅(前側2箇所及び後側(Y方向の他方側)2箇所)の位置に分散して配置されている。本実施形態では、棚板101上において格納容器が4つのノズル103の上面に載せられて支持される。4つのノズル103の各上面は、平面度測定ユニット1で測定する平面度の対象となる4つの所定箇所に相当する。
【0030】
図2、
図3及び
図4に示されるように、平面度測定ユニット1は、本体フレーム2、接地部3、測定装置4、把持部5、ガイド部材7、バッテリー8、データロガー9、表示器10及び変圧器11を備える。
【0031】
本体フレーム2は、棚板101に載置可能なサイズの板状を呈する。本体フレーム2は、平面状の上面2u及び下面2dを有する。本体フレーム2は、例えばアルミニウム等の金属で形成されている。図示する例では、本体フレーム2は、上方から見て、Y方向の一方側及び他方側がY方向の中央部分に比べてX方向に幅広(換言すると、Y方向の中央部分が幅狭(くびれた))形状とされている。
【0032】
接地部3は、本体フレーム2と別体で形成されている。接地部3は、本体フレーム2よりも硬度が低い。接地部3は、樹脂で形成されている。ここでの接地部3は、耐摩耗性に優れたPEEK(Poly Ether Ether Ketone)樹脂により形成されている。接地部3は、本体フレーム2の四方に分散して4つ配置されている。接地部3は、棚板101の4つのノズル103のそれぞれに接地するように設けられている。接地部3は、本体フレーム2における4つのノズル103に対応する位置に設けられている。
【0033】
4つの接地部3は、2つの第1接地部3aと2つの第2接地部3bとからなる。第1接地部3aは、本体フレーム2における前側2箇所に配置されている。第2接地部3bは、本体フレーム2における後側2箇所に配置されている。2つの第1接地部3aは、4つの接地部3のうちの対角位置にない接地部3である。2つの第2接地部3bは、4つの接地部3のうちの第1接地部3a以外であって対角位置にない接地部3である。2つの第1接地部3aを結ぶ線分と2つの第2接地部3bを結ぶ線分とは、交わらない。
【0034】
接地部3は、本体フレーム2の上面2u側にネジ等で取り付けられている。接地部3は、球面状の接地面を構成する凸部31を有する。凸部31は、接地部3が本体フレーム2に取り付けられた状態において、本体フレーム2を下方に貫通して下面2dから突き出る接地部3の一部分である。凸部31は、円柱状を呈し、その下端面が接地面である。接地面は、棚板101の所定箇所と接地可能な面である。4つの接地部3における凸部31の頂点(下端点)の位置は、同一平面上にある。
【0035】
測定装置4は、本体フレーム2における第2接地部3bのそれぞれの周辺に設けられている。測定装置4は、後側のノズル103(第2接地部3bに対応するノズル103)の上面までの距離を測定する。ここでの測定装置4は、第2接地部3bの後側に近接する位置に設けられている。上方から見て、第2接地部3bの凸部31と測定装置4の測定点とを含む領域は、ノズル103の上面に収まるように構成されている。
【0036】
測定装置4は、例えばレーザ測長器が用いられる。測定装置4は、測定光Lを下方へ向けて出射し、本体フレーム2に形成された測定用貫通孔2hを介して、測定光Lを下方へ出射すると共にノズル103の上面で反射したその反射光を受光することで、ノズル103の上面までの距離を測定する。測定装置4としては特に限定されず、種々の公知の装置を用いることができる。測定装置4として、例えばダイヤルゲージを用いてもよい。
【0037】
把持部5は、作業者が把持する部分である。把持部5は、本体フレーム2の上面2uにおけるX方向の両端部に固定されている。把持部5としては、適宜に屈曲されて成る長尺状の部材が用いられている。
【0038】
ガイド部材7は、下方へ開口し且つ水平方向に延びるV溝(溝部)7vを有するブロック状の部材である。V溝7vは、断面V字状の溝である。ガイド部材7は、本体フレーム2においてV溝7vが下方に露出するように3つ設けられている。ガイド部材7は、本体フレーム2の上面2u側にネジ等で取り付けられている。ガイド部材7は、本体フレーム2に分散して配置されている。ガイド部材7は、3つのピン102のそれぞれに対応する位置に設けられている。ガイド部材7は、平面度測定ユニット1が棚板101に載置された状態において、ピン102をV溝7v内に収容すると共に、当該ピン102とV溝7vとの間に隙間を形成する(つまり、ピン102に平面度測定ユニット1が載ることを回避する)。
【0039】
バッテリー8は、平面度測定ユニット1で使用する電力を供給する機器である。本体フレーム2の上面2u上の中央前寄りに固定されている。データロガー9は、測定装置4で測定した測定結果を記憶する機器である。データロガー9は、本体フレーム2の上面2u上の中央前寄りに固定されている。表示器10は、測定装置4で測定又はデータロガー9に記憶した測定結果を表示させる機器である。表示器10は、測定装置4の数に応じて設けられており、ここでは、2つ設けられている。表示器10は、本体フレーム2の上面2u上において、前側且つX方向の一方側及び他方側に固定されている。一方の表示器10は、一方の測定装置4の測定結果を表示させ、他方の表示器10は、他方の測定装置4の測定結果を表示させる。変圧器11は、バッテリー8から供給される電力を適宜に変圧する機器である。変圧器11は、本体フレーム2の上面2u上の前側に固定されている。バッテリー8、データロガー9、表示器10及び変圧器11としては特に限定されず、種々の公知の機器を用いることができる。
【0040】
本実施形態では、平面度測定ユニット1における第1接地部3a側の重量は、第2接地部3b側の重量と比較して重い。換言すると、平面度測定ユニット1の前側が後側よりも重い。
図5に示されるように、平面度測定ユニット1の重心位置Gは、対角位置にある第1接地部3aと第2接地部3bとを通る2本の対角線Tで画成される4つの領域Aのうち、2つの第1接地部3aが存在する領域A0に設けられている。すなわち、4つの接地部3の対角位置にあるもの同士を結ぶ2本の対角線T線によって区切られる4つの領域Aのうち、重心位置Gが存在する領域A0の反対側の2つの接地部3である第2接地部3bを、ノズル103との隙間を測定する測定点としている。第1接地部3aは、領域A0を画成する接地部3である。平面度測定ユニット1は、上方から見て、重心位置GがY方向の中央よりも前側(第1接地部3a側)に偏るように構成されている。図視されるように、平面視(平面度測定ユニット1が棚板101に載置された状態における上方視)において、重心位置Gを、平面度測定ユニット1において4つの領域Aのうち第1接地部3aを2つ含む領域A0に設けている。
【0041】
次に、平面度測定ユニット1を用いて、パージストッカ100の棚板101上の平面度を測定する場合の一例を説明する。
【0042】
棚板101では、載置する格納容器の通気口(パージポート面)を4つのノズル103と密着させたいため、4つのノズル103の上面の平面度を測定する。まず、作業者は、平面度測定ユニット1を平板の上に載置し、4つの接地部3の全てが平板に接地している状態で測定装置4をゼロリセットする。作業者は、把持部5を把持し、平面度測定ユニット1をパージストッカ100の図示しない入出庫ポート上に載置する。作業者は、測定装置4の測定を開始し、データロガー9において測定結果の記録を開始する。以降、データロガー9において記録が停止されるまで、測定装置4の測定結果がデータロガー9に記録され続ける。
【0043】
続いて、作業者は、パージストッカ100において、図示しないクレーンロボットによる移載元及び移載先を設定し、クレーンロボットによる平面度測定ユニット1の移載を開始する。これにより、平面度測定ユニット1は、入出庫ポートから、4つのノズル103の上面に接地部3が接地するように棚板101上に移載される。
【0044】
ここで、平面度測定ユニット1における第1接地部3a側の重量は、第2接地部3b側の重量と比較して重い。よって、平面度測定ユニット1が棚板101に載置された状態において、2つの第1接地部3aとノズル103の上面との間に隙間が形成される可能性はないが、2つの第2接地部3bの何れかとノズル103の上面との間には、隙間が形成される可能性がある。第2接地部3bとノズル103の上面との隙間量は、測定装置4により平面度として測定される。なお、第2接地部3bが2つともノズル103の上面に接地している場合には、測定装置4で測定された平面度(隙間量)は0である。測定装置4の測定結果が安定する一定時間後、クレーンロボットにより次の棚板101に移載される。
【0045】
続いて、複数の棚板101の数だけ、上述した測定及び移載が繰り返される。全ての棚板101上の平面度について測定が完了した場合、クレーンロボットにより平面度測定ユニット1が入出庫ポート上に戻される。作業者は、データロガー9の記録を停止し、データロガー9から記録データを取り出す。記録データは、入出庫ポートに載置してから戻ってくるまでの連続的なデータであるため、当該データと移載元及び移載先の設定とを照らし合わせることで、当該データのどの部分がどの棚板101の平面度であるかを紐付ける。以上により、パージストッカ100の各棚板101毎の平面度の測定が完了する。その後、必要に応じて、測定した平面度に基づき棚板101等が調整される。
【0046】
以上、平面度測定ユニット1は、棚板101上の4つのノズル103の上面に接地部3が設置されるように棚板101に載置される。これにより、完全平面は3点で特定されることから、4つのノズル103の上面が同一平面上にないときは、そのうちの何れか一箇所と接地部3との間に隙間が形成されるため、この隙間に関する値を平面度として測定することができる。このとき、平面度測定ユニット1における重心位置が、対角位置にある第1接地部3aと第2接地部3bとを通る2本の対角線Tで画成される4つの領域Aのうち、第1接地部3aを2つ含む領域A0に設けられている(第1接地部3a側の重量が第2接地部3b側の重量と比較して重くなっている)ことから、2つの第1接地部3aは棚板101の所定箇所に必ず接地する。したがって、全ての接地部3とノズル103との隙間を測定する必要はなく、第2接地部3bとノズル103との隙間を測定することで足り、測定作業の手間を省くことができる。その結果、棚板101上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となる。
【0047】
平面度測定ユニット1では、本体フレーム2における第2接地部3bの周辺に測定装置4が設けられている。測定装置4は、第2接地部3bに対応するノズル103の上面までの距離を測定する。このような構成では、棚板101上の平面度の測定作業を、人手を省いて一層容易に行なうことが可能となる。
【0048】
平面度測定ユニット1では、接地部3は、本体フレーム2よりも硬度が低い。このような構成では、棚板101上において接地部3が接地したノズル103の上面の損傷を抑制することができる。
【0049】
平面度測定ユニット1では、本体フレーム2には、作業者が把持する把持部5が設けられている。このような構成では、平面度測定ユニット1を人手で容易に取り扱うことができ、棚板101上の平面度の測定作業を一層容易に行なうことが可能となる。
【0050】
平面度測定ユニット1では、本体フレーム2には、平面度測定ユニット1が棚板101に載置された状態において、棚板101上のピン102との間に隙間を形成するV溝7vが設けられている。このような構成では、平面度測定ユニット1を棚板101に載置する場合に、ピン102との干渉をV溝7vを利用して回避することが可能となる。
【0051】
平面度測定ユニット1には、本体フレーム2における第1接地部3a側(前側)に、バッテリー8、データロガー9、表示器10及び変圧器11が設けられている。このような構成により、平面度測定ユニット1における前側を後側と比較して重くする構成を、バッテリー8、データロガー9、表示器10及び変圧器11の重量を利用して確実に実現することが可能となる。平面度測定ユニット1には、測定装置4、バッテリー8及びデータロガー9が少なくとも設けられていることから、平面度の自動測定が可能となる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について説明する。
【0053】
図6は、平面度測定ユニット51を上方側から見た斜視図である。
図7は、平面度測定ユニット51を下方側から見た斜視図である。
図8は、棚板201に載置された状態の平面度測定ユニット51を示す斜視図である。
図6~
図8に示されるように、本実施形態の平面度測定ユニット51は、パージストッカ200のパージ棚を構成する棚板201に載置される。
【0054】
棚板201上には、上方へ突出するノズル203が2つ設けられている。ノズル203は、棚板201に載置された格納容器との間でパージガスを流通させる。ノズル203は、スプリングを内蔵した構造を有している。ノズル203は、上方から見て、棚板101の前側2箇所に配置されている。棚板201上において、格納容器は、その前側が2つのノズル203の上面に載せられて支持されると共に、その後側が棚板201の上面201uに載せられて支持される。
【0055】
本実施形態では、棚板201の上面201uにおけるノズル203に近接する前側2箇所、及び、棚板201の上面201uにおける後側2箇所が、平面度測定ユニット51で測定する平面度の対象となる4つの所定箇所に相当する。すなわち、ノズル203がスプリングを内蔵した構造で変形しやすいことから、測定する平面度に係る4つの所定箇所には、2つのノズル203の上面を含めず、その代替として、上面201uにおいてノズル203に近接する2箇所を含めている。なお、場合によっては、4つの所定箇所に2つのノズル203の上面を含めてもよい。
【0056】
平面度測定ユニット51では、本体フレーム2は、上方から見て矩形状の外形の板部材である。平面度測定ユニット51では、第1接地部3aは、本体フレーム2における後側2箇所に配置されている。第2接地部3bは、本体フレーム2における前側2箇所に配置されている。平面度測定ユニット51は、バランスウェイトBWを備える。バランスウェイトBWは、ブロック状の重りである。バランスウェイトBWは、本体フレーム2における上面2uの第1接地部3a側(図示する例では後側)に設けられている。
【0057】
平面度測定ユニット51は、測定装置4、バッテリー8、データロガー9、表示器10及び変圧器11(
図2参照)を備えない。平面度測定ユニット51では、本体フレーム2には、開口部2pが設けられている。開口部2pは、本体フレーム2を上下に貫通する孔である。開口部2pは、平面度測定ユニット51が棚板201に載置された状態においてノズル203を通過(挿通)させる。開口部2pは、棚板101のノズル203に対応する前側2箇所を含むように、本体フレーム2のX方向の両端部に形成されている。
【0058】
平面度測定ユニット51における第1接地部3a側の重量は、第2接地部3b側の重量と比較して重い。換言すると、平面度測定ユニット51の後側が前側よりも重い。平面度測定ユニット51は、上方から見て、重心位置GがY方向の中央よりも後側に偏るように構成されている。
【0059】
このような平面度測定ユニット51は、
図8に示されるように、上面201uにおける後側2箇所に第1接地部3aの凸部31が接地し、且つ、上面201uにおけるノズル203に近接する前側2箇所に第2接地部3bの凸部31が接地するように、棚板201上に載置される。棚板201のノズル203は本体フレーム2の開口部2pに挿通される。ここで、平面度測定ユニット51における第1接地部3a側が第2接地部3b側と比較して重いことから、2つの第2接地部3bの何れかと上面201uとの間に隙間が生じ得る。そこで、2つの第2接地部3bの何れかの凸部31と上面201uとの間に隙間ゲージ56が差し込まれるかどうか確認し、その隙間量(隙間ゲージ56の厚さ)を平面度として測定する(
図8中の矢印及び
図9参照)。
【0060】
以上、平面度測定ユニット51においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、棚板201上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となるという効果を奏する。
【0061】
平面度測定ユニット51では、
図9に示されるように、第2接地部3bは、球面状の接地面を構成する凸部31を有する。よって、例えば隙間ゲージ56を用いて隙間量を測定する場合に、第2接地部3bの凸部31と棚板201の上面201uとの間の最小隙間を、どの方向からでも容易に測定することが可能となる。換言すれば、隙間ゲージ56を差し込む方向によって、差し込むことが可能な隙間ゲージ56の厚さがばらつくのを抑制することができる。
【0062】
平面度測定ユニット51では、本体フレーム2における第1接地部3a側には、バランスウェイトBWが設けられている。この場合、平面度測定ユニット51における第1接地部3a側を第2接地部3b側と比較して重くする構成を、確実に実現することが可能となる。
【0063】
平面度測定ユニット51では、本体フレーム2は、平面度測定ユニット51が棚板201に載置された状態においてノズル203を通過させる開口部2pを有する。このような構成では、平面度測定ユニット51を棚板201に載置する場合に、ノズル203との干渉を開口部2pを利用して回避することが可能となる。
【0064】
平面度測定ユニット51では、前側(正面側)の接地部3である第2接地部3bと棚板201との間の隙間を測定する。このように測定点を前側とすることで、隙間ゲージ56を差し込む作業がしやすくなる。重心位置Gを任意の位置に設定することにより、測定点を任意の位置とすることができる。平面度測定ユニット51では、測定装置4等を備えないことから、構成を簡易化することができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第2実施形態と異なる点について説明する。
【0066】
図10は、棚板301に載置された状態の平面度測定ユニット81を示す斜視図である。
図11は、平面度測定ユニット81を下方側から見た斜視図である。
図10及び
図11に示されるように、本実施形態の平面度測定ユニット81は、パージストッカ300のパージ棚を構成する棚板301に載置される。
【0067】
棚板301には、格納容器の載置場所RがX方向に並ぶように2箇所設けられている。
棚板301は、2箇所の載置場所Rのそれぞれにおいて、上方から見て前側に開口する開口部を有する。棚板301上には、2箇所の載置場所Rのそれぞれにおいて、上方へ突出するノズル303が2つ設けられている。ノズル303は、棚板301に載置された格納容器との間でパージガスを流通させる。ノズル303は、ゴムで形成されたジャバラ構造を有している。図示する例では、ノズル303は、2箇所の載置場所Rのそれぞれにおいて、棚板301の後側2箇所に配置されている。
【0068】
棚板301上には、2箇所の載置場所Rのそれぞれにおいて、上方へ突出するピン302が2つ設けられている。ピン302は、キネマピンであり、格納容器を位置決めする機能を有する。図示する例では、ピン302は、2箇所の載置場所Rのそれぞれにおいて、上方から見て、棚板301の前側2箇所に配置されている。棚板301の各載置場所R上において、格納容器は、その前側が2つのピン302に載せられて支持されると共に、その後側が2つのノズル303の上面に載せられて支持される。
【0069】
本実施形態では、棚板301の上面301uにおけるノズル303に近接する後側2箇所、及び、棚板301の2つのピン302が、平面度測定ユニット81で測定する平面度の対象となる4つの所定箇所に相当する。すなわち、ノズル303がジャバラ構造で変形しやすいことから、平面度に係る4つの所定箇所には、2つのノズル303の上面を含めず、その代わりとして、上面301uにおいてノズル303に近接する2箇所を含めている。なお、場合によっては、4つの所定箇所に2つのノズル303の上面を含めてもよい。
【0070】
平面度測定ユニット81は、第1接地部3a(
図6参照)に代えて、第1接地部83aを有する。第1接地部83aは、下方へ開口し且つ水平方向に延びるV溝(溝部)85を有するブロック状の部材である。V溝85は、内面を接地面とする断面V字状の溝である。第1接地部83aは、本体フレーム2における前側2箇所に、V溝85が下方に露出するように設けられている。第1接地部83aは、本体フレーム2の上面2u側にネジ等で取り付けられている。第1接地部83aは、2つのピン302のそれぞれに対応する位置に設けられている。第1接地部83aは、平面度測定ユニット81が棚板101に載置された状態において、V溝85がピン302と接地するように当該ピン302上に配置される。
【0071】
平面度測定ユニット81では、第2接地部3bは、本体フレーム2における後側2箇所に配置されている。平面度測定ユニット81では、バランスウェイトBWが本体フレーム2における上面2uの第1接地部3a側(図示する例では前側)に設けられている。平面度測定ユニット81では、本体フレーム2に設けられた開口部2pは、平面度測定ユニット51が棚板201に載置された状態においてノズル303を通過(挿通)させる。開口部2pは、本体フレーム2の後側に形成されている。
【0072】
平面度測定ユニット81における第1接地部3a側の重量は、第2接地部3b側の重量と比較して重い。換言すると、平面度測定ユニット81の前側が後側よりも重い。平面度測定ユニット81は、上方から見て、重心位置GがY方向の中央よりも前側に偏るように構成されている。
【0073】
このような平面度測定ユニット81は、2箇所のピン302に第1接地部83aのV溝85が接地し、且つ、上面301uにおけるノズル303に近接する後側2箇所に第2接地部3bの凸部31が接地するように、棚板301上に載置される。棚板301のノズル303は本体フレーム2の開口部2pに挿通される。ここで、平面度測定ユニット81における第1接地部83a側が第2接地部3b側と比較して重いことから、2つの第2接地部3bの何れかと上面301uとの間に隙間が生じ得る。そこで、2つの第2接地部3bの何れかの凸部31と上面301uとの間に隙間ゲージ56(
図9参照)が差し込まれるかどうか確認し、その隙間量を平面度として測定する。
【0074】
以上、平面度測定ユニット81においても、他の実施形態と同様な効果、すなわち、棚板301上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となるという効果を奏する。
【0075】
平面度測定ユニット81では、第1接地部83aは、内面を接地面とするV溝85を有する。このような構成では、棚板301上のピン302(上方へ突出する部分)に対しても第1接地部83aを確実に接地させることが可能となる。
【0076】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0077】
図12は、棚板101に載置された状態の平面度測定ユニット121を示す斜視図である。
図13は、平面度測定ユニット121の後側を示す斜視図である。
図12及び
図13に示されるように、平面度測定ユニット121は、棚板101に載置され、棚板101上の平面度を測定するためのユニットである。平面度測定ユニット121は、上記第1実施形態と同様に、本体フレーム2、接地部3、測定装置4、把持部5、ガイド部材7、バッテリー8、データロガー9、表示器10及び変圧器11を備える。
【0078】
本実施形態の接地部3は、本体フレーム2に分散して3つ配置されている。接地部3は、棚板101の4つのノズル103のうちの3つのノズル103のそれぞれに接地するように設けられている。接地部3は、本体フレーム2における当該3つのノズル103に対応する位置に設けられている。3つの接地部3は、2つの第1接地部3aと1つの第2接地部3bとからなる。第1接地部3aは、本体フレーム2における前側2箇所に配置されている。第2接地部3bは、本体フレーム2における後側1箇所に配置されている。第2接地部3bは、2つの第1接地部3aの何れか一方の後側に離れた位置に配置されている。3つの接地部3における凸部31の頂点(下端点)の位置は、同一平面上にある。
【0079】
本実施形態の測定装置4は、平面度測定ユニット121が棚板101に載置された状態において、3つの接地部3がそれぞれ接地する棚板101上の3つのノズル103以外の残りのノズル103(以下、単に「残りのノズル103」ともいう)までの距離を測定する。測定装置4は、本体フレーム2の後側において第2接地部3bとはX方向に離れる位置に設けられている。測定装置4は、接地部3が接地しない残りのノズル103の上面までの距離を測定する。測定装置4は、測定光Lを下方へ向けて出射し、本体フレーム2に形成された測定用貫通孔2hを介して、測定光Lを下方へ出射すると共に残りのノズル103の上面で反射したその反射光を受光することで、残りのノズル103の上面までの距離を測定する。測定装置4としては特に限定されず、種々の公知の装置を用いることができる。測定装置4として、例えばダイヤルゲージを用いてもよい。本実施形態の表示器10は、測定装置4の数に応じて設けられており、ここでは、1つ設けられている。表示器10は、本体フレーム2の上面2u上において、前側且つX方向の一方側に固定されている。
【0080】
本実施形態では、
図12及び
図14に示されるように、平面度測定ユニット121の重心位置Gは、平面度測定ユニット121において3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域A1の内側に設けられている。換言すると、平面度測定ユニット121の測定装置4が設けられた側の重量が、その対角側の重量に比べて軽い。図視されるように、重心位置Gは、平面視において、3つの接地部3に囲まれた領域である三角形TRの領域A1内に設けられている。
【0081】
次に、平面度測定ユニット121を用いて、パージストッカ100の棚板101上の平面度を測定する場合の一例を説明する。
【0082】
棚板101では、載置する格納容器の通気口(パージポート面)を4つのノズル103と密着させたいため、4つのノズル103の上面の平面度を測定する。まず、作業者は、平面度測定ユニット121を平板の上に載置し、3つの接地部3の全てが平板に接地している状態で測定装置4をゼロリセットする。作業者は、把持部5を把持し、平面度測定ユニット121をパージストッカ100の図示しない入出庫ポート上に載置する。作業者は、測定装置4の測定を開始し、データロガー9において測定結果の記録を開始する。以降、データロガー9において記録が停止されるまで、測定装置4の測定結果がデータロガー9に記録され続ける。
【0083】
続いて、作業者は、パージストッカ100において、図示しないクレーンロボットによる移載元及び移載先を設定し、クレーンロボットによる平面度測定ユニット121の移載を開始する。これにより、平面度測定ユニット121は、入出庫ポートから、3つのノズル103の上面に接地部3が接地するように棚板101上に移載される。
【0084】
ここで、平面度測定ユニット121の重心位置Gは、3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域A1の内側に設けられている。よって、平面度測定ユニット121が棚板101に載置された状態において、3つの接地部3とノズル103の上面との間に隙間が形成される可能性はなく、3つの接地部3が確実にノズル103の上面に接地する。この状態で、平面度測定ユニット121は安定する。平面度測定ユニット121と接地部3が接地されていない残りのノズル103の上面との隙間量は、測定装置4により平面度として測定される。測定装置4の測定結果が安定する一定時間後、クレーンロボットにより次の棚板101に平面度測定ユニット121が移載される。
【0085】
なお、測定装置4で測定された隙間量が規定量である場合、4つのノズル103の上面からなる面が平面であると判定でき、平面度は0である。測定装置4で測定された隙間量が規定量でない場合、4つのノズル103の上面からなる面が平面でないと判定でき、隙間量の規定量からの乖離の程度に応じて平面度が定められる。規定量とは、平面度が0のときの隙間量であって予め定められる。
【0086】
続いて、複数の棚板101の数だけ、上述した測定及び移載が繰り返される。全ての棚板101上の平面度について測定が完了した場合、クレーンロボットにより平面度測定ユニット121が入出庫ポート上に戻される。作業者は、データロガー9の記録を停止し、データロガー9から記録データを取り出す。記録データは、入出庫ポートに載置してから戻ってくるまでの連続的なデータであるため、当該データと移載元及び移載先の設定とを照らし合わせることで、当該データのどの部分がどの棚板101の平面度であるかを紐付ける。以上により、パージストッカ100の各棚板101毎の平面度の測定が完了する。その後、必要に応じて、測定した平面度に基づき棚板101等が調整される。
【0087】
以上、平面度測定ユニット121では、棚板101に載置された場合に、重心位置Gが3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域A1の内側に設けられていることから、3つの接地部3は棚板101のノズル103の上面に必ず接地する。これにより、完全平面は3点で特定されることから、4つのノズル103の上面が同一平面上にあるときは、4つのノズル103の上面のうちの接地部3が接地していない一箇所と平面度測定ユニット121との間に、規定量の隙間が形成される。そのため、この隙間に関する値を平面度として測定することができる。測定部が1箇所に特定されることから、棚板101上の平面度の測定作業の手間を省くことができる。したがって、棚板101上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となる。
【0088】
平面度測定ユニット121は、本体フレーム2に設けられた測定装置4を備える。測定装置4は、平面度測定ユニット121が棚板101に載置された状態において、棚板101上の接地部3が接地しない残りのノズル103の上面までの距離を測定する。このような構成では、棚板101上の平面度の測定作業を、人手を省いて一層容易に行なうことが可能となる。なお、測定装置4の数量は1つだけで足りる。
【0089】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第2実施形態と異なる点について説明する。
【0090】
図15は、平面度測定ユニット151を上方側から見た斜視図である。
図16は、平面度測定ユニット151を下方側から見た斜視図である。
図17は、棚板201に載置された状態の平面度測定ユニット151を示す斜視図である。
図15~
図17に示されるように、本実施形態の平面度測定ユニット151は、パージストッカ200のパージ棚を構成する棚板201に載置される。
【0091】
本実施形態では、棚板201の上面201uにおける2つのノズル203に近接する前側2箇所、及び、棚板201の上面201uにおける後側2箇所が、平面度測定ユニット151で測定する平面度の対象となる4つの所定箇所に相当する。平面度測定ユニット151では、接地部3は、本体フレーム2に分散して3つ配置されている。接地部3は、上面201uにおける一方のノズル203に近接する前側1箇所と、上面201uにおける後側2箇所と、のそれぞれに接地するように設けられている。3つの接地部3は、2つの第1接地部3aと1つの第2接地部3bとからなる。第1接地部3aは、本体フレーム2における後側2箇所に配置されている。第2接地部3bは、本体フレーム2における前側1箇所に配置されている。第2接地部3bは、2つの第1接地部3aの何れか一方の前側に離れた位置に配置されている。
【0092】
平面度測定ユニット151は、バランスウェイトBW2を更に備える。バランスウェイトBW2は、ブロック状の重りである。バランスウェイトBW2は、本体フレーム2の上面2uにおける、3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域の内側の領域に設けられている。
【0093】
平面度測定ユニット151は、本体フレーム2に配置された測定用凸部153を備える。測定用凸部153は、棚板201上の4つの所定箇所のうちの3つの接地部3がそれぞれ接地する3つの所定箇所以外の残りの所定箇所(ここでは、他方のノズル203に近接する前側1箇所、単に「残りの所定箇所」ともいう)に対応する位置に設けられている。測定用凸部153は、2つの第1接地部3aの何れか他方の前側に離れた位置に配置されている。測定用凸部153は、本体フレーム2の下面2dから突き出るように設けられている。
【0094】
測定用凸部153は、平面度測定ユニット151が棚板201に載置された状態において、残りの所定箇所との間に隙間が形成されるように構成されている。測定用凸部153の高さ(突出長)は、3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた(頂点を通る)平面よりも低い。測定用凸部153の頂点と3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面との間の距離は、最大乖離量以上であってもよい。最大乖離量は、想定される中で平面度が最も大きい場合(最も平面から乖離した場合)のときの、測定用凸部153と残りの所定箇所との間の隙間量である。最大乖離量は、計算、試験及び/又は経験等により予め求めることができる所定値である。
【0095】
平面度測定ユニット151の重心位置Gは、平面度測定ユニット151において3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域の内側に設けられている。換言すると、平面度測定ユニット151の測定用凸部153が設けられた側の重量が、その対角側の重量に比べて軽い。図視されるように、重心位置Gは、平面視において、3つの接地部3に囲まれた領域である三角形TRの領域内に設けられている。
【0096】
このような平面度測定ユニット151は、上面201uにおける後側2箇所に第1接地部3aの凸部31が接地し、且つ、上面201uにおけるノズル203に近接する前側1箇所に第2接地部3bの凸部31が接地するように、棚板201上に載置される。棚板201のノズル203は本体フレーム2の開口部2pに挿通される。ここで、平面度測定ユニット151では、測定用凸部153と上面201uとの間には隙間が生じることから、その隙間を隙間ゲージにより確認し、当該確認結果から平面度を測定する。例えば、規定量の隙間ゲージが丁度挿入できたとき、4つの所定箇所は平面であると判定する。規定量よりも厚い隙間ゲージが挿入できてしまうとき、又は、規定量よりも薄い隙間ゲージしか挿入できないときは、4つの所定箇所は平面ではないと判定する。
【0097】
以上、平面度測定ユニット151においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、棚板201上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となるという効果を奏する。
【0098】
平面度測定ユニット151は、測定用凸部153を備える。測定用凸部153は、平面度測定ユニット151が棚板201に載置された状態において、当該残りの所定箇所との間に隙間が形成されるように構成されている。これにより、測定用凸部153と残りの所定箇所との間の隙間に基づいて、平面度を測定することができる。
【0099】
平面度測定ユニット151では、測定用凸部153の高さは、3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面よりも低い。これにより、平面度測定ユニット151が棚板201に載置された場合に測定用凸部153と残りの所定箇所との間に隙間が形成される構成を、確実に実現することができる。
【0100】
平面度測定ユニット151では、測定用凸部153の頂点と3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面との間の距離は、最大乖離量以上である。これにより、平面度測定ユニット151が棚板201に載置された場合において、測定用凸部153と残りの所定箇所との間に隙間が形成される構成を、一層確実に実現することができる。
【0101】
平面度測定ユニット151では、バランスウェイトBW2が設けられている。この場合、平面度測定ユニット151における重心位置Gを3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域の内側に設ける構成を、確実に実現することが可能となる。
【0102】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第3実施形態と異なる点について説明する。
【0103】
図18は、棚板301に載置された状態の平面度測定ユニット181を示す斜視図である。
図19は、平面度測定ユニット181を下方側から見た斜視図である。
図18及び
図19に示されるように、本実施形態の平面度測定ユニット181は、パージストッカ300のパージ棚を構成する棚板301に載置される。
【0104】
本実施形態では、棚板301の上面301uにおいて2つのノズル303に近接する後側2箇所、及び、棚板301の2つのピン302が、平面度測定ユニット181で測定する平面度の対象となる4つの所定箇所に相当する。平面度測定ユニット181では、接地部3は、本体フレーム2に分散して3つ配置されている。接地部3は、上面301uにおける2つのピン302のそれぞれに近接する前側2箇所と、上面301uにおける一方のノズル303に近接する後側1箇所と、のそれぞれに接地するように設けられている。3つの接地部3は、2つの第1接地部83aと1つの第2接地部3bとからなる。第1接地部83aは、本体フレーム2における前側2箇所に配置されている。第2接地部3bは、本体フレーム2における後側1箇所に配置されている。第2接地部3bは、2つの第1接地部83aの何れか一方の後側に離れた位置に配置されている。
【0105】
平面度測定ユニット181は、バランスウェイトBW3を更に備える。バランスウェイトBW3は、ブロック状の重りである。バランスウェイトBW3は、本体フレーム2の上面2uにおける、3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域の内側の領域に設けられている。
【0106】
平面度測定ユニット181は、本体フレーム2に配置された測定用凸部153を備える。測定用凸部153は、棚板301上の4つの所定箇所のうちの3つの接地部3がそれぞれ接地する3つの所定箇所以外の残りの所定箇所(ここでは、他方のノズル303に近接する後側1箇所、単に「残りの所定箇所」ともいう)に対応する位置に設けられている。測定用凸部153は、2つの第1接地部83aの何れか他方の後側に離れた位置に配置されている。測定用凸部153は、本体フレーム2の下面2dから突き出るように設けられている。
【0107】
測定用凸部153は、平面度測定ユニット181が棚板301に載置された状態において、残りの所定箇所との間に隙間が形成されるように構成されている。測定用凸部153の高さ(突出長)は、3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面よりも低い。測定用凸部133の頂点と3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面との間の距離は、最大乖離量以上であってもよい。最大乖離量は、想定される中で平面度が最も大きい場合(最も平面から乖離した場合)のときの、測定用凸部153と当該残りの所定箇所との間の隙間量である。最大乖離量は、計算、試験及び/又は経験等により予め求めることができる所定値である。
【0108】
平面度測定ユニット181の重心位置Gは、平面度測定ユニット181において3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域の内側に設けられている。換言すると、平面度測定ユニット181の測定用凸部153が設けられた側の重量が、その対角側の重量に比べて軽い。図視されるように、重心位置Gは、平面視において、3つの接地部3に囲まれた領域である三角形TRの領域内に設けられている。
【0109】
このような平面度測定ユニット181は、2箇所のピン302に第1接地部83aのV溝85が接地し、且つ、上面301uにおけるノズル303に近接する後側1箇所に第2接地部3bの凸部31が接地するように、棚板301上に載置される。棚板301のノズル303は本体フレーム2の開口部2pに挿通される。ここで、平面度測定ユニット181では、測定用凸部153と上面301uとの間には隙間が生じることから、その隙間を隙間ゲージにより確認し、当該確認結果から平面度を測定する。例えば、規定量の隙間ゲージが丁度挿入できたとき、4つの所定箇所は平面であると判定する。規定量よりも厚い隙間ゲージが挿入できてしまうとき、又は、規定量よりも薄い隙間ゲージしか挿入できないときは、4つの所定箇所は平面ではないと判定する。
【0110】
以上、平面度測定ユニット181においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、棚板301上の平面度の測定作業を容易に行なうことが可能となるという効果を奏する。
【0111】
平面度測定ユニット181は、測定用凸部153を備える。測定用凸部153は、平面度測定ユニット181が棚板301に載置された状態において、当該残りの所定箇所との間に隙間が形成されるように構成されている。これにより、測定用凸部153と残りの所定箇所との間の隙間に基づいて、平面度を測定することができる。
【0112】
平面度測定ユニット181では、測定用凸部153の高さは、3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面よりも低い。これにより、平面度測定ユニット181が棚板301に載置された場合に測定用凸部153と残りの所定箇所との間に隙間が形成される構成を、確実に実現することができる。
【0113】
平面度測定ユニット181では、測定用凸部153の頂点と3つの接地部3の各凸部31の頂点で定められた平面との間の距離は、最大乖離量以上である。これにより、平面度測定ユニット181が棚板301に載置された場合において、測定用凸部153と残りの所定箇所との間に隙間が形成される構成を、一層確実に実現することができる。
【0114】
平面度測定ユニット181では、バランスウェイトBW3が設けられている。この場合、平面度測定ユニット181における重心位置Gを3つの接地部3のそれぞれを頂点とする三角形TRの領域の内側に設ける構成を、確実に実現することが可能となる。
【0115】
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は上記実施形態に限定されない。
【0116】
上記実施形態では、平面度測定ユニット1,51,81を設置させる4つの所定箇所は特に限定されない。4つの所定箇所は、棚板101,201,301上の箇所であれば、種々の箇所を含んでいてもよい。上記実施形態では、把持部5は無くてもよい。
【0117】
上記第1実施形態では、棚板101上のピン102との間に隙間を形成するV溝7vに代えて、他の溝部を設けてもよいし、凹部を設けてもよい。上記第1実施形態では、測定装置4が棚板101上の所定箇所までの距離を測定したが、測定装置4が所定箇所の周辺箇所までの距離を測定してもよい。上記第3実施形態では、第1接地部83aにおいて、内面を接地面とするV溝85に代えて、他の溝部を設けてもよいし、凹部を設けてもよい。上記第4実施形態では、測定装置4が棚板101上の所定箇所までの距離を測定したが、測定装置4が所定箇所の周辺箇所までの距離を測定してもよい。
【0118】
上記実施形態では、第2接地部3bの接地面を球面状としたが、凸曲面状としてもよい。これにより、第2接地部3bと棚板上の所定箇所との間の最小隙間を、複数の方向からでも容易に測定することが可能となる。隙間ゲージ56を差し込む方向によって、差し込むことが可能な隙間ゲージ56の厚さがばらつくのを抑制することができる。上記実施形態では、バランスウェイトBW,BW2,BW3は無くてもよい。
【0119】
上記実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成の一部は、本発明の一態様の要旨を逸脱しない範囲で適宜に省略可能である。
【符号の説明】
【0120】
1,51,81,121,151,181…平面度測定ユニット、2…本体フレーム、2p…開口部、3…接地部、3a,83a…第1接地部、3b…第2接地部、4…測定装置、5…把持部、7v…V溝、31…凸部、85…V溝(溝部)、101,201,301…棚板、102,302…ピン、103,203,303…ノズル、153…測定用凸部、A,A0…領域、BW,BW2,BW3…バランスウェイト、G…重心位置、T…対角線。