(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】野生動物警報システム及び野生動物警報方法
(51)【国際特許分類】
A01M 29/16 20110101AFI20231011BHJP
【FI】
A01M29/16
(21)【出願番号】P 2020045595
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】506301140
【氏名又は名称】公立大学法人会津大学
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 寛
(72)【発明者】
【氏名】富岡 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小平 行秀
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176844(JP,A)
【文献】特開2017-205033(JP,A)
【文献】特開2018-157767(JP,A)
【文献】特開2019-076002(JP,A)
【文献】特開2011-145730(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061616(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
G08B 23/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報システムであって、
所定の警戒領域に配置される複数の警報装置と、
前記複数の警報装置と通信する制御装置を備え、
前記複数の警報装置のそれぞれは、
所定方向に向けた複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報と、前記第1撮像データとを前記制御装置に送信する情報送信部を有し、
前記制御装置は、
前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報と前記第1撮像データとを対応付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶した前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する野生動物検出部と、
前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると判定した場合、前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測する警報対象決定部と、
前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する警報指示部を有する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1警報装置の前記情報送信部は、
前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した場合、前記第1識別情報と、前記第1撮像データと、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、
前記第1警報装置の第2撮像装置が第2撮像データを撮像した場合、前記第2撮像装置の第2識別情報と、前記第2撮像データと、前記第2撮像装置が前記第2撮像データを撮像した第2時刻とを前記制御装置に送信し、
前記警報対象決定部は、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記野生動物検出部が判定した場合であって、前記第1時刻が前記第2時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第2識別情報に対応する前記第2撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記警報対象決定部は、前記第1時刻と前記第2時刻との時間差が所定以下である場合に、前記動き方向の予測を行う、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記野生動物検出部は、複数種類の野生動物の撮像データを学習した学習モデルに対して、前記記憶部に記憶した前記第1撮像データを入力することによって、前記第1撮像データに前記特定種類が映っているか否かについての判定を行う、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項5】
請求項1において、
前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置の警報出力部は、前記制御装置から前記警報指示を受信した場合、近傍の警戒領域に音または光信号情報による警報を出力する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項6】
請求項1において、
前記警報指示部は、前記警報指示を予め指定された指示送信先に送信する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項7】
請求項1において、
前記第1警報装置の前記情報送信部は、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した場合、前記第1識別情報と、前記第1撮像データと、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、
前記複数の警報装置のうちの他の警報装置の前記情報送信部は、前記他の警報装置の第3撮像装置が第3撮像データを撮像した場合、前記第3撮像装置の第3識別情報と、前記第3撮像データと、前記第3撮像装置が前記第3撮像データを撮像した第3時刻とを前記制御装置に送信し、
前記警報対象決定部は、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記野生動物検出部が判定した場合であって、前記第1時刻が前記第3時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第3識別情報に対応する前記第3撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項8】
野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報システムであって、
所定の警戒領域に配置される複数の警報装置と、
前記複数の警報装置と通信する制御装置を備え、
前記複数の警報装置のそれぞれは、
所定方向に向けた複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する野生動物検出部と、
前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記野生動物検出部が判定した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報を前記制御装置に送信する情報送信部を有し、
前記制御装置は、
前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測する警報対象決定部と、
前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する警報指示部を有する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1警報装置の前記情報送信部は、
前記第1警報装置の前記第1撮像装置が撮像した前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記第1警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第1識別情報と、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、
前記第1警報装置の第2撮像装置が撮像した第2撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記第1警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第2撮像装置の第2識別情報と、前記第1警報装置の前記第2撮像装置が前記第2撮像データを撮像した第2時刻とを前記制御装置に送信し、
前記警報対象決定部は、前記第1時刻が前記第2時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第2識別情報に対応する前記第2撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項10】
請求項8において、
前記第1警報装置の前記情報送信部は、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が撮像した前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記第1警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第1識別情報と、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、
前記複数の警報装置のうちの他の警報装置の前記情報送信部は、前記他の警報装置の第3撮像装置が撮像した第3撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記他の警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第3撮像装置の第3識別情報と、前記第3撮像装置が前記第3撮像データを撮像した第3時刻とを前記制御装置に送信し、
前記警報対象決定部は、前記第1時刻が前記第3時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第3識別情報に対応する前記第3撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項11】
請求項8において、
前記第1警報装置の前記野生動物検出部は、複数種類の野生動物の撮像データを学習した学習モデルに対して、前記第1警報装置の撮像装置のそれぞれが撮像した2以上の撮像データを含む1の撮像データを入力することによって、前記第1警報装置の前記撮像装置のそれぞれが撮像した撮像データのそれぞれに前記特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する、
ことを特徴とする野生動物警報システム。
【請求項12】
野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報方法であって、
複数の警報装置のそれぞれが、所定方向に向けた複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報と、前記第1撮像データとを制御装置に送信し、
前記制御装置が、
前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報と前記第1撮像データとを対応付けて記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶した前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定し、
前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると判定した場合、前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測し、
前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する、
ことを特徴とする野生動物警報方法。
【請求項13】
野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報方法であって、
複数の警報装置のそれぞれが、
所定方向に向けた複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記撮像装置が撮像した前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定し、
前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると判定した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報を制御装置に送信する情報送信部を有し、
前記制御装置が、
前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報を記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測し、
前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する、
ことを特徴とする野生動物警報方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野生動物警報システム及び野生動物警報方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、山に近い農村部の畑の農作物が熊や猪等の野生動物(以下、単に野生動物とも呼ぶ)により荒らされる被害が増加しているとともに、都市部においても野生動物が人に危害を与えるおそれが高まっている。そのため、野生動物の出没を検知して通報する手段を備え、さらに、その野生動物を排除する手段をも備える野生動物検出装置が各種提案されている(特許文献1乃至10参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-102326号公報
【文献】特開2014-036393号公報
【文献】特開2012-108798号公報
【文献】特開2011-130050号公報
【文献】特表2011-513868号公報
【文献】特開2007-266652号公報
【文献】特表2006-505870号公報
【文献】特開2001-250118号公報
【文献】特開平11-266459号公報
【文献】特開平11-502351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のような野生動物の移動経路は、その野生動物の種類や状況等によって異なり、事前に予測することが難しい。そのため、自治体等の担当者(以下、単に担当者とも呼ぶ)は、野生動物の出没が検知された場合であっても、その野生動物が今後移動する可能性がある領域を特定することができず、野生動物が出没する可能性がある旨の警報の発報範囲を精度良く決定することができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、野生動物が出没する可能性がある地域を精度良く予測することを可能とする野生動物警報システム及び野生動物警報方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報システムであって、所定の警戒領域に配置される複数の警報装置と、前記複数の警報装置と通信する制御装置を備え、前記複数の警報装置のそれぞれは、所定方向に向けた複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報と、前記第1撮像データとを前記制御装置に送信する情報送信部を有し、前記制御装置は、前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報と前記第1撮像データとを対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶した前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する野生動物検出部と、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると判定した場合、前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測する警報対象決定部と、前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する警報指示部を有する、ことを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記第1警報装置の前記情報送信部は、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した場合、前記第1識別情報と、前記第1撮像データと、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、前記第1警報装置の第2撮像装置が第2撮像データを撮像した場合、前記第2撮像装置の第2識別情報と、前記第2撮像データと、前記第2撮像装置が前記第2撮像データを撮像した第2時刻とを前記制御装置に送信し、前記警報対象決定部は、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記野生動物検出部が判定した場合であって、前記第1時刻が前記第2時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第2識別情報に対応する前記第2撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、ことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記警報対象決定部は、前記第1時刻と前記第2時刻との時間差が所定以下である場合に、前記動き方向の予測を行う、ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記野生動物検出部は、複数種類の野生動物の撮像データを学習した学習モデルに対して、前記記憶部に記憶した前記第1撮像データを入力することによって、前記第1撮像データに前記特定種類が映っているか否かについての判定を行う、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置の警報出力部は、前記制御装置から前記警報指示を受信した場合、近傍の警戒領域に音または光信号情報による警報を出力する、ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記警報指示部は、前記警報指示を予め指定された指示送信先に送信する、ことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記第1警報装置の前記情報送信部は、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した場合、前記第1識別情報と、前記第1撮像データと、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、前記複数の警報装置のうちの他の警報装置の前記情報送信部は、前記他の警報装置の第3撮像装置が第3撮像データを撮像した場合、前記第3撮像装置の第3識別情報と、前記第3撮像データと、前記第3撮像装置が前記第3撮像データを撮像した第3時刻とを前記制御装置に送信し、前記警報対象決定部は、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記野生動物検出部が判定した場合であって、前記第1時刻が前記第3時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第3識別情報に対応する前記第3撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、ことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報システムであって、所定の警戒領域に配置される複数の警報装置と、前記複数の警報装置と通信する制御装置を備え、前記複数の警報装置のそれぞれは、所定方向に向けた複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する野生動物検出部と、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記野生動物検出部が判定した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報を前記制御装置に送信する情報送信部を有し、前記制御装置は、前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測する警報対象決定部と、前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する警報指示部を有する、ことを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記第1警報装置の前記情報送信部は、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が撮像した前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記第1警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第1識別情報と、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、前記第1警報装置の第2撮像装置が撮像した第2撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記第1警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第2撮像装置の第2識別情報と、前記第1警報装置の前記第2撮像装置が前記第2撮像データを撮像した第2時刻とを前記制御装置に送信し、前記警報対象決定部は、前記第1時刻が前記第2時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第2識別情報に対応する前記第2撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、ことを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記第1警報装置の前記情報送信部は、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が撮像した前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記第1警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第1識別情報と、前記第1警報装置の前記第1撮像装置が前記第1撮像データを撮像した第1時刻とを前記制御装置に送信し、前記複数の警報装置のうちの他の警報装置の前記情報送信部は、前記他の警報装置の第3撮像装置が撮像した第3撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると前記他の警報装置の前記野生動物検出部が判定した場合、前記第3撮像装置の第3識別情報と、前記第3撮像装置が前記第3撮像データを撮像した第3時刻とを前記制御装置に送信し、前記警報対象決定部は、前記第1時刻が前記第3時刻よりも前の時刻である場合、前記第1識別情報に対応する前記第1撮像装置の位置から前記第3識別情報に対応する前記第3撮像装置の位置に向けた方向を前記動き方向として特定する、ことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報システムは、一つの態様では、前記第1警報装置の前記野生動物検出部は、複数種類の野生動物の撮像データを学習した学習モデルに対して、前記第1警報装置の前記撮像装置のそれぞれが撮像した2以上の撮像データを含む1の撮像データを入力することによって、前記第1警報装置の前記撮像装置のそれぞれが撮像した撮像データのそれぞれに前記特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する、ことを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報方法は、野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報方法であって、前記複数の警報装置のそれぞれが、所定方向に向けた複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報と、前記第1撮像データとを制御装置に送信し、前記制御装置が、前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報と前記第1撮像データとを対応付けて記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶した前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定し、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると判定した場合、前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測し、前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する、ことを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成するための本発明における野生動物警報方法は、野生動物の動きに基づいて警報を出力する野生動物警報方法であって、前記複数の警報装置のそれぞれが、所定方向に向けた複数の撮像装置のうちの第1撮像装置が第1撮像データを撮像した場合、前記撮像装置が撮像した前記第1撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定し、前記第1撮像データに前記特定種類の野生動物が映っていると判定した場合、前記第1撮像装置の第1識別情報を制御装置に送信する情報送信部を有し、前記制御装置が、前記複数の警報装置のうちの第1警報装置から受信した前記第1識別情報を記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶した前記第1識別情報に基づいて、前記第1撮像データに映っている前記特定種類の野生動物の動き方向を予測し、前記複数の警報装置のうち、前記第1警報装置及び前記第1警報装置の前記動き方向に位置する警報装置に警報指示を送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明における野生動物警報システム及び野生動物警報方法によれば、野生動物が出没する可能性がある地域を精度良く予測することを可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、野生動物警報システム10の構成について説明する図である。
【
図2】
図2は、制御装置1の構成について説明する図である。
【
図3】
図3は、警報装置2の構成について説明する図である。
【
図4】
図4は、警報装置2の構成について説明する図である。
【
図5】
図5は、情報処理装置11の構成を説明する図である。
【
図6】
図6は、情報処理装置22の構成を説明する図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図12】
図12は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図13】
図13は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図14】
図14は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図15】
図15は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図16】
図16は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図17】
図17は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図18】
図18は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図19】
図19は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図20】
図20は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図21】
図21は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図22】
図22は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図23】
図23は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図24】
図24は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【
図25】
図25は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
[野生動物警報システムの構成]
初めに、野生動物警報システム10の構成について説明を行う。
図1は、野生動物警報システム10の構成について説明する図である。
【0023】
野生動物警報システム10は、
図1に示すように、例えば、制御装置1と、警報装置2a、警報装置2b、警報装置2c、警報装置2d及び警報装置2e(以下、これらを総称して警報装置2とも呼ぶ)とから構成されている。また、制御装置1及び警報装置2のそれぞれは、例えば、予め定められた警戒領域に含まれる山林の木等に取り付けられる。
【0024】
なお、以下、野生動物警報システム10が5台の警報装置2を有するものとして説明を行うが、野生動物警報システム10は、5台以外の台数の警報装置2を有するものであってもよい。
【0025】
[制御装置の構成]
次に、制御装置1の構成について説明を行う。
図2は、制御装置1の構成について説明する図である。
【0026】
制御装置1は、
図2に示すように、例えば、コンピュータ基盤(マイコン)である情報処理装置11と、警報装置2と無線通信を行う無線モジュール12と、ソーラーパネル等に接続されたバッテリー13とを有する。
【0027】
具体的に、無線モジュール12は、例えば、Wifi等を用いることによって警報装置2と通信を行う。また、バッテリー13は、情報処理装置11等に対して電力の供給を行う。
【0028】
[警報装置の構成]
次に、警報装置2の構成について説明を行う。
図3及び
図4は、警報装置2の構成について説明する図である。
【0029】
警報装置2は、
図3に示すように、例えば、異なる3方向に向けて取り付けられたカメラ21a、カメラ21b及びカメラ21c(以下、これらを総称してカメラ21または撮像装置21とも呼ぶ)を有する。具体的に、
図3に示すカメラ21のそれぞれは、水平方向における異なる方向(例えば、互いに90度ずつ異なる方向)を向く形で警報装置2に取り付けられている。なお、警報装置2は、3台以外の台数のカメラ21を有するものであってもよい。
【0030】
また、警報装置2は、
図4に示すように、例えば、コンピュータ基盤(マイコン)である情報処理装置22と、モーションセンサ23と、照度センサ24と、赤外線投光器25と、発光装置26と、スピーカー27と、制御装置1と無線通信を行う無線モジュール28と、ソーラーパネル等に接続されたバッテリー29とを有する。
【0031】
具体的に、無線モジュール28は、例えば、Wifi等を用いることによって制御装置1と通信を行う。また、バッテリー29は、情報処理装置22等に対して電力の供給を行う。
【0032】
[制御装置のハードウエア構成]
次に、制御装置1における情報処理装置11のハードウエア構成について説明を行う。
図5は、情報処理装置11の構成を説明する図である。
【0033】
情報処理装置11は、例えば、汎用的なコンピュータ装置のハードウエア構成を有し、
図5に示すように、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、通信インタフェース103(以下、通信IF103とも呼ぶ)と、記憶媒体104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0034】
記憶媒体104は、例えば、カメラ3が撮像した野生動物の移動方向を予測して警報を出力する処理(以下、野生動物警報処理とも呼ぶ)を行うためのプログラム(図示しない)を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。また、記憶媒体104は、例えば、野生動物警報処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶領域110(以下、記憶部110とも呼ぶ)を有する。なお、記憶媒体104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)であってよい。
【0035】
CPU101は、記憶媒体104(記憶領域110)からメモリ102にロードされたプログラムを実行して野生動物警報処理を行う。
【0036】
[警報装置のハードウエア構成]
次に、警報装置2における情報処理装置22のハードウエア構成について説明を行う。
図6は、情報処理装置22の構成を説明する図である。
【0037】
情報処理装置22は、例えば、汎用的なコンピュータ装置のハードウエア構成を有し、
図6に示すように、プロセッサであるCPU201と、メモリ202と、通信インタフェース203(以下、通信IF203とも呼ぶ)と、記憶媒体204とを有する。各部は、バス205を介して互いに接続される。
【0038】
記憶媒体204は、例えば、野生動物警報処理を行うためのプログラム(図示しない)を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。また、記憶媒体204は、例えば、野生動物警報処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶領域210(以下、記憶部210とも呼ぶ)を有する。なお、記憶媒体204は、例えば、HDDであってよい。
【0039】
CPU201は、記憶媒体204(記憶領域210)からメモリ202にロードされたプログラムを実行して野生動物警報処理を行う。
【0040】
[第1の実施の形態における野生動物警報処理]
次に、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明を行う。
図7から
図18は、第1の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【0041】
制御装置1のCPU101は、
図7に示すように、プログラムと協働することにより、情報受信部111と、情報管理部112と、野生動物検出部113と、情報送信部114と、警報対象決定部115として機能する。
【0042】
また、警報装置2のCPU201は、
図8に示すように、プログラムと協働することにより、撮像制御部211と、情報送信部212と、情報受信部213と、警報出力部214として機能する。
【0043】
[警報装置における処理]
初めに、警報装置2における野生動物警報処理について説明を行う。以下、モーションセンサ23、照度センサ24及び赤外線投光器25のそれぞれがカメラ21ごとに設けられているものとして説明を行う。
【0044】
警報装置2の撮像制御部211は、
図9に示すように、モーションセンサ23のいずれかが動作を検知するまで待機する(S11)。
【0045】
そして、モーションセンサ23のいずれかが動作(例えば、野生動物の動作である可能性がある動作)を検知した場合(S11のYES)、撮像制御部211は、動作を検知したモーションセンサ23に対応する照度センサ24の値が所定の閾値未満であるか否かを判定する(S12)。
【0046】
その結果、S11の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応する照度センサ24の値が所定の閾値未満であると判定した場合(S12のYES)、撮像制御部211は、S11の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応する赤外線投光器25の電源をONにする(S13)。
【0047】
一方、S11の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応する照度センサ24の値が所定の閾値未満でないと判定した場合(S12のNO)、撮像制御部211は、S13の処理を行わない。
【0048】
その後、撮像制御部211は、S11の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応するカメラ21によって撮像を行う(S14)。
【0049】
なお、撮像制御部211は、S13の処理で赤外線投光器25の電源をONにした場合、S14の処理の完了に応じて、その赤外線投光器25の電源をOFFにするものであってよい。
【0050】
続いて、警報装置2の情報送信部212は、警報装置2(自装置)のID(以下、装置IDとも呼ぶ)と、S14の処理で撮像を行ったカメラ21のID(以下、カメラIDとも呼ぶ)と、S14の処理でカメラ21が撮像を行った時刻とを含む検出ログ231と、S14の処理で撮像された撮像データとを制御装置1に送信する(S15)。以下、検出ログ231の具体例について説明を行う。
【0051】
[検出ログの具体例]
図13は、検出ログ231の具体例について説明する図である。
【0052】
図13に示す検出ログ231は、S14の処理でカメラ21が撮像を行った時刻が設定される「時刻」と、検出ログ231を生成した警報装置2の装置IDが設定される「装置ID」と、S14の処理で撮像を行ったカメラ21のカメラIDが設定される「カメラID」とを項目として有する。
【0053】
具体的に、
図13に示す検出ログ231は、「時刻」として「19.11.07/05:35:45」が設定され、「装置ID」として「3」が設定され、「カメラID」として「2」が設定されている。
【0054】
その後、警報装置2の情報受信部213は、
図10に示すように、制御装置1から警報指示情報を受信するまで待機する(S21)。
【0055】
そして、制御装置1から警報指示情報を受信した場合(S21のYES)、警報装置2の警報出力部214は、発光装置26からの光の出力を開始する(S22)。
【0056】
すなわち、警報装置2は、この場合、S14の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物(出没を検知した場合に警報を発報する必要がある熊や猪等の野生動物)が映っていると制御装置1が判断したものと判定し、後続処理(警報の出力を行う処理)の実行を開始する。
【0057】
また、情報受信部213は、S11の処理でモーションセンサ23のいずれかが動作を検知することなく、制御装置1から警告指示情報を受信した場合についても同様に(S11のNO、S21のYES)、S22以降の処理を行う。
【0058】
すなわち、S15の処理において検出ログ231等の送信を行った警報装置2以外の警報装置2の情報受信部213が制御装置1から警告指示情報を受信した場合についても同様に、S22以降の処理が行われる。
【0059】
なお、S11の処理でモーションセンサ23のいずれかが動作を検知することなく、かつ、制御装置1から警告指示情報を受信しない場合(S11のNO、S21のNO)、撮像制御部211は、S51以降の処理を再度行う。具体的に、例えば、S15の処理が行われてから所定時間が経過するまでに制御装置1から送信された警告指示情報を受信しなかった場合(S21のNO)、撮像制御部211は、S11以降の処理を再度行う。
【0060】
さらに、警報出力部214は、S22の処理に続いて、スピーカー27からの音の出力を開始する(S23)。
【0061】
これにより、各警報装置2は、野生動物が自装置の近傍に向かって移動していることを近隣住民等に周知することが可能になる。
【0062】
その後、警報出力部214は、例えば、光と音の出力時間が予め設定された時間に到達した場合、発光装置26を停止する(S24)。さらに、警報出力部214は、この場合、スピーカー27を停止する(S25)。そして、撮像制御部211は、S11以降の処理を再度行う。
【0063】
[制御装置における処理]
次に、制御装置1における野生動物警報処理について説明を行う。
【0064】
制御装置1の情報受信部111は、
図11に示すように、位置マップ131と、警報範囲情報132と、予測対象時間133との入力を受け付けるまで待機する(S31のNO)。
【0065】
具体的に、情報受信部111は、例えば、担当者が担当者端末(図示しない)を介して位置マップ131、警報範囲情報132及び予測対象時間133を送信するまで待機する。
【0066】
そして、位置マップ131と、警報範囲情報132と、予測対象時間133との入力を受け付けた場合(S31のYES)、制御装置1の情報管理部112は、入力を受け付けた位置マップ131と、警報範囲情報132と、予測対象時間133とを記憶領域110に記憶する(S32)。以下、位置マップ131、警報範囲情報132及び予測対象時間133の具体例について説明を行う。
【0067】
[位置マップの具体例]
初めに、位置マップ131の具体例について説明を行う。
図14及び
図15は、位置マップ131の具体例について説明する図である。具体的に、
図14は、各警報装置2の位置関係を示す位置マップ131(以下、第1位置マップ131aとも呼ぶ)の具体例を説明する図である。また、
図15は、各警報装置2に取り付けられたカメラ21の向きを示す位置マップ131(以下、第2位置マップ131bとも呼ぶ)の具体例を説明する図である。
【0068】
図14に示す第1位置マップ131aは、警報装置2の装置IDが設定される「装置ID」と、「装置ID」に設定された装置IDに対応する警報装置2を基準とした場合における「装置ID」が「1」である警報装置2の位置が設定される「装置(1)」と、「装置ID」に設定された装置IDに対応する警報装置2を基準とした場合における「装置ID」が「2」である警報装置2の位置が設定される「装置(2)」と、「装置ID」に設定された装置IDに対応する警報装置2を基準とした場合における「装置ID」が「3」である警報装置2の位置が設定される「装置(3)」と、「装置ID」に設定された装置IDに対応する警報装置2を基準とした場合における「装置ID」が「4」である警報装置2の位置が設定される「装置(4)」と、「装置ID」に設定された装置IDに対応する警報装置2を基準とした場合における「装置ID」が「5」である警報装置2の位置が設定される「装置(5)」とを項目として有する。
【0069】
具体的に、
図14に示す第1位置マップ131aにおいて、1行目の情報(「装置ID」が「1」である情報)には、「装置(2)」として「東南100(m)」が設定され、「装置(3)」として「東100(m)」が設定され、「装置(4)」として「東300(m)」が設定され、「装置(5)」として「北東400(m)」が設定されている。
【0070】
すなわち、
図14に示す第1位置マップ131aのうちの1行目の情報は、例えば、「装置ID」が「2」である警報装置2の位置が、「装置ID」が「1」である警報装置2の位置を基準とした場合における東南方向の100(m)先であることを示している。
図14に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0071】
また、
図15に示す第2位置マップ131bは、警報装置2の装置IDが設定される「装置ID」と、「装置ID」に設定された装置IDに対応する警報装置2が有する各カメラ21のうち、カメラIDが「1」であるカメラ21の方向が設定される「カメラ(1)」と、カメラIDが「2」であるカメラ21の方向が設定される「カメラ(2)」と、カメラIDが「3」であるカメラ21の方向が設定される「カメラ(3)」とを項目として有する。
【0072】
具体的に、
図15に示す第2位置マップ131bにおいて、1行目の情報(「装置ID」が「1」である情報)には、「カメラ(1)」として「北」が設定され、「カメラ(2)」として「東」が設定され、「カメラ(3)」として「なし」が設定されている。
【0073】
すなわち、
図15に示す第2位置マップ131bのうちの1行目の情報は、「装置ID」が「1」である警報装置2に、北向きのカメラ21及び東向きのカメラ21(合計2台のカメラ21)が取り付けられていることを示している。
【0074】
また、
図15に示す第2位置マップ131bのうちの2行目の情報は、「装置ID」が「2」である警報装置2に、西向きのカメラ21、北向きのカメラ21及び東向きのカメラ21(合計3台のカメラ21)が取り付けられていることを示している。
図15に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0075】
[警報範囲情報及び予測対象時間の具体例]
次に、警報範囲情報132及び予測対象時間133の具体例について説明を行う。
図16は、警報範囲情報132及び予測対象時間133の具体例について説明する図である。具体的に、
図16(A)は、警報範囲情報132の具体例を説明する図である。また、
図16(B)は、予測対象時間133の具体例を説明する図である。
【0076】
警報範囲情報132は、野生動物の存在が検知された場合において警報の出力を行う警報装置2の範囲を示す情報である。また、予測対象時間133は、各警報装置2から送信された検出ログ231のうち、野生動物の移動方向を予測する際に参照される検出ログ231の範囲を示す情報である。
【0077】
具体的に、
図16(A)に示す例における「警報範囲」には、「200(m)」が設定されている。すなわち、
図16(A)は、警報の出力を行う警報装置2が、野生動物の存在を検知した警報装置2から200mの範囲内にある警報装置2であることを示している。
【0078】
また、
図16(B)に示す例における「予測対象時間」には、「10(分)」が設定されている。すなわち、
図16(B)は、野生動物の移動方向の予測が行われる場合、その野生動物の存在が検知された時刻よりも前の10分間に発生した検出ログ231が参照されることを示している。
【0079】
図11に戻り、制御装置1の情報受信部111は、警報装置2から送信された検出ログ231と撮像データとを受信するまで待機する(S33のNO)。
【0080】
そして、警報装置2から送信された検出ログ231と撮像データとを受信した場合(S33のYES)、制御装置1の野生動物検出部113は、S33の処理で受信した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する(S34)。
【0081】
具体的に、野生動物検出部113は、複数種類の野生動物の撮像データを学習した学習モデル(図示しない)に対して、S33の処理で受信した撮像データを入力する。そして、野生動物検出部113は、撮像データの入力に応じて出力された値を参照することにより、S33の処理で受信した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かについての判定を行う。
【0082】
その結果、S33の処理で受信した撮像データに特定種類の野生動物が映っていないと判定した場合(S34のNO)、情報受信部111は、S33以降の処理を再度行う。
【0083】
一方、S33の処理で受信した撮像データに特定種類の野生動物が映っていると判定した場合(S34のYES)、制御装置1の情報送信部114は、S33の処理で受信した撮像データ等を送信した警報装置2に対して、警報指示情報を送信する(S35)。
【0084】
その後、情報管理部112は、
図12に示すように、S33の処理で受信した検出ログ231を記憶領域110に記憶する(S41)。以下、記憶領域110に記憶(蓄積)された検出ログ231の具体例について説明を行う。
【0085】
[記録領域に蓄積された検出ログの具体例]
図17は、検出ログ231の具体例について説明する図である。
【0086】
図17に示す検出ログ231において、1行目の情報には、「時刻」として「19.11.07/05:15:18」が設定され、「装置ID」として「1」が設定され、「カメラID」として「2」が設定されており、2行目の情報には、「時刻」として「19.11.07/05:20:32」が設定され、「装置ID」として「2」が設定され、「カメラID」として「2」が設定されている。
【0087】
また、
図17に示す検出ログ231において、3行目の情報には、「時刻」として「19.11.07/05:35:41」が設定され、「装置ID」として「3」が設定され、「カメラID」として「1」が設定されており、4行目の情報には、「時刻」として「19.11.07/05:35:45」が設定され、「装置ID」として「3」が設定され、「カメラID」として「2」が設定されている。
【0088】
図12に戻り、制御装置1の警報対象決定部115は、記憶領域110に記憶された位置マップ131、警報範囲情報132及び予測対象時間133を参照し、警報対象となる警報装置2を決定(予測)する(S42)。
【0089】
具体的に、
図16(B)で説明した予測対象時間133には、「10(分)」が設定されている。また、
図17で説明した検出ログ231において、3行目の情報の「時刻」には、「19.11.07/05:35:41」が設定され、4行目の情報の「時刻」には、「19.11.07/05:35:45」が設定されている。すなわち、
図17で説明した検出ログ231において、3行目の情報の「時刻」に設定された時刻と4行目の情報の「時刻」に設定された時刻との差異は、10(分)未満である。
【0090】
そのため、例えば、直前で行われたS41の処理において記憶領域110に記憶された検出ログ231が、
図17に示す4行目の検出ログ231であった場合、警報対象決定部115は、
図17に示す4行目の検出ログ231に加え、
図17に示す3行目の検出ログ231を特定する。
【0091】
ここで、
図17に示す3行目の検出ログ231の「装置ID」及び「カメラID」には、それぞれ「3」及び「1」が設定され、さらに、
図17に示す4行目の検出ログ231の「装置ID」及び「カメラID」には、それぞれ「3」及び「2」が設定されている。そして、
図15で説明した第2位置マップ131bにおいて、3行目の情報(「装置ID」が「3」である情報)には、「カメラ(1)」として「西」が設定され、「カメラ(2)」として「北」が設定されている。
【0092】
そのため、警報対象決定部115は、この場合、「装置ID」が「3」である警報装置2の西側から北側に向けて野生動物が移動していると判定する。すなわち、警報対象決定部115は、野生動物が北東の方向に向けて移動していると判定する。
【0093】
さらに、
図16(A)で説明した警報範囲情報132には、「200(m)」が設定されている。また、
図14で説明した第1位置マップ131aにおいて、3行目の情報(「装置ID」が「3」である情報)には、「装置(4)」として「東100(m)」が設定され、「装置(5)」として「北東200(m)」が設定されている。すなわち、
図14で説明した第1位置マップ131aは、「装置ID」が「3」である警報装置2の位置を基準とした場合における北東方向の200(m)以内の位置にある警報装置2として、「装置ID」が「4」である警報装置2と「装置ID」が「5」である警報装置2とが存在していることを示している。
【0094】
そのため、警報対象決定部115は、この場合、警報を出力させる必要がある警報装置2として、「装置ID」が「4」である警報装置2と「装置ID」が「5」である警報装置2とを特定する。
【0095】
このように、第1の実施の形態における制御装置1は、野生動物の存在を検知した各カメラ21の撮像方向と、野生動物の存在を検知した各カメラ21の検知順序とを参照することにより、野生動物の移動方向を予測する。
【0096】
これにより、制御装置1は、野生動物が移動する可能性がある地域(野生動物が今後出没する可能性がある地域)を精度良く予測することを可能になる。そのため、制御装置1は、警報の出力を行う必要がある地域の特定を精度良く行うことが可能になる。
【0097】
図12に戻り、情報送信部114は、S42の処理で警報対象となる警報装置2が決定されたか否かを判定する(S43)。
【0098】
その結果、警報対象となる警報装置2が決定されなかった場合(S43のNO)、情報送信部114は、S33以降の処理を再度行う。
【0099】
一方、警報対象となる警報装置2が決定された場合(S43のYES)、情報送信部114は、決定された警報装置2のそれぞれに対し、警報指示情報を送信する(S44)。そして、情報受信部111は、S33以降の処理を再度行う。
【0100】
すなわち、第1の実施の形態における警報装置2は、S14の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かについての判定を行わない。
【0101】
これにより、警報装置2は、野生動物の存在が検出された際の処理量を抑制することが可能になる。そのため、警報装置2では、処理能力の高いCPU等を搭載する必要がなくなり、処理の実行に伴う消費電力量を抑えることが可能になる。
【0102】
なお、情報送信部114は、S35の処理において、例えば、S34の処理における判定結果を予め設定された宛先に対して送信するものであってもよい。具体的に、情報送信部114は、この場合、S34の処理における判定結果を含むメールを、予め設定された宛先メールアドレスに対して送信するものであってもよい。さらに、情報送信部114は、S35の処理において、例えば、S34の処理における判定結果を予め設定されたWebサイトに反映させるものであってもよい。
【0103】
また、情報送信部114は、S35の処理において、例えば、S34の処理における判定結果を予め指定されたサーバ装置(図示しない)に対して送信するものであってもよい。そして、サーバ装置は、例えば、制御装置1(情報送信部114)から判定結果を受信した場合、受信した判定結果を予め設定された宛先に対して送信するものであってもよい。具体的に、サーバ装置は、この場合、S34の処理における判定結果を含むメールを、予め設定された宛先メールアドレスに対して送信するものであってもよい。さらに、サーバ装置は、この場合、受信した判定結果を予め設定されたWebサイトに反映させるものであってもよい。
【0104】
[S42の処理の他の具体例]
次に、S42の処理の他の具体例について説明を行う。以下、
図17で説明した検出ログ231の状態の後、
図18に示すように、5行目及び6行目の検出ログ231がさらに記憶領域110に蓄積された場合(5行目及び6行目の検出ログ231が警報装置2からさらに送信された場合)について説明を行う。
【0105】
具体的に、
図16(B)で説明した予測対象時間133には、「10(分)」が設定されている。また、
図18に示す検出ログ231において、5行目の情報の「時刻」には、「19.11.07/17:12:09」が設定され、6行目の情報の「時刻」には、「19.11.07/17:15:11」が設定されている。すなわち、
図18で説明した検出ログ231において、5行目の情報の「時刻」に設定された時刻と6行目の情報の「時刻」に設定された時刻との差異は、10(分)未満である。
【0106】
そのため、例えば、直前で行われたS41の処理で記憶領域110に記憶された検出ログ231が、
図18に示す6行目の検出ログ231であった場合、警報対象決定部115は、
図18に示す6行目の検出ログ231に加え、
図18に示す5行目の検出ログ231を特定する。
【0107】
ここで、
図18に示す5行目の検出ログ231の「装置ID」及び「カメラID」には、それぞれ「5」及び「1」が設定され、さらに、
図18に示す6行目の検出ログ231の「装置ID」及び「カメラID」には、それぞれ「4」及び「2」が設定されている。そして、
図15で説明した第2位置マップ131bにおいて、4行目の情報(「装置ID」が「4」である情報)には、「カメラ(2)」として「北」が設定され、5行目の情報(「装置ID」が「5」である情報)には、「カメラ(1)」として「西」が設定されている。
【0108】
そのため、警報対象決定部115は、この場合、「装置ID」が「5」である警報装置2の西側から「装置ID」が「4」である警報装置2の北側に向けて野生動物が移動していると判定する。すなわち、警報対象決定部115は、野生動物が南西の方向に向けて移動していると判定する。
【0109】
さらに、
図16(A)で説明した警報範囲情報132には、「200(m)」が設定されている。また、
図14で説明した第1位置マップ131aにおいて、4行目の情報(「装置ID」が「4」である情報)には、「装置(2)」として「南西200(m)」が設定され、「装置(3)」として「西100(m)」が設定されている。すなわち、
図14で説明した第1位置マップ131aは、「装置ID」が「4」である警報装置2の位置を基準とした場合における南西方向の200(m)以内の位置にある警報装置2として、「装置ID」が「2」である警報装置2と「装置ID」が「3」である警報装置2とが存在していることを示している。
【0110】
そのため、警報対象決定部115は、この場合、警報を出力させる必要がある警報装置2として、「装置ID」が「2」である警報装置2と「装置ID」が「3」である警報装置2とを特定する。
【0111】
すなわち、本実施の形態における制御装置1は、1台の警報装置2から送信された複数の検出ログ231に基づく場合だけでなく、異なる警報装置2から送信された複数の検出ログ231に基づく場合であっても野生動物の移動方向を予測することが可能である。
【0112】
[第2の実施の形態における野生動物警報処理]
次に、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明を行う。
図19から
図25は、第2の実施の形態における野生動物警報処理について説明する図である。
【0113】
制御装置1のCPU101は、
図19に示すように、プログラムと協働することにより、情報受信部111と、情報管理部112と、情報送信部114と、警報対象決定部115として機能する。
【0114】
また、警報装置2のCPU201は、
図20に示すように、プログラムと協働することにより、撮像制御部211と、情報送信部212と、情報受信部213と、警報出力部214と、野生動物検出部215として機能する。なお、以下、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明を行う。
【0115】
[警報装置における処理]
撮像制御部211は、
図21に示すように、モーションセンサ23のいずれかが野生動物の存在を検知するまで待機する(S51)。
【0116】
そして、モーションセンサ23のいずれかが動作(例えば、野生動物の動作である可能性がある動作)を検知した場合(S51のYES)、撮像制御部211は、動作を検知したモーションセンサ23に対応する照度センサ24の値が所定の閾値未満であるか否かを判定する(S52)。
【0117】
その結果、S51の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応する照度センサ24の値が所定の閾値未満であると判定した場合(S52のYES)、撮像制御部211は、S51の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応する赤外線投光器25の電源をONにする(S53)。
【0118】
一方、S51の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応する照度センサ24の値が所定の閾値未満でないと判定した場合(S52のNO)、撮像制御部211は、S53の処理を行わない。
【0119】
その後、撮像制御部211は、S51の処理で動作を検知したモーションセンサ23に対応するカメラ21によって撮像を行う(S54)。
【0120】
続いて、野生動物検出部215は、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かを判定する(S55)。
【0121】
具体的に、野生動物検出部215は、複数種類の野生動物の撮像データを学習した学習モデル(図示しない)に対して、S54の処理で撮像した撮像データを入力する。そして、野生動物検出部215は、撮像データの入力に応じて出力された値を参照することにより、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かについての判定を行う。
【0122】
その結果、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っていないと判定した場合(S55のNO)、情報受信部111は、S51以降の処理を再度行う。
【0123】
また、情報受信部213は、
図22に示すように、制御装置1から警報指示情報を受信するまで待機する(S61)。
【0124】
そして、制御装置1から警報指示情報を受信した場合(S61のYES)、警報出力部214は、発光装置26からの光の出力を開始する(S62)。
【0125】
また、警報出力部214は、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っていると判定した場合も同様に(S55のYES)、S62以降の処理を行う。
【0126】
さらに、情報受信部213は、S51の処理でモーションセンサ23のいずれかが動作を検知することなく、制御装置1から警告指示情報を受信した場合についても同様に(S51のNO、S61のYES)、S62以降の処理を行う。
【0127】
なお、S51の処理でモーションセンサ23のいずれかが動作を検知することなく、かつ、制御装置1から警告指示情報を受信しない場合(S51のNO、S61のNO)、撮像制御部211は、S51以降の処理を再度行う。
【0128】
また、警報出力部214は、S62の処理に続いて、スピーカー27からの音の出力を開始する(S63)。
【0129】
そして、情報送信部212は、S55の処理で特定種類の野生動物の検出を行った警報装置2が自装置であるか否かを判定する(S64)。
【0130】
その結果、情報送信部212は、S55の処理で特定種類の野生動物の検出を行った警報装置2が自装置であると判定した場合(S64のYES)、自装置の装置IDと、S54の処理で野生動物の撮像を行ったカメラ21のカメラIDと、S54の処理でカメラ21が野生動物の撮像を行った時刻とを含む検出ログ231と、S54の処理で撮像された撮像データとを制御装置1に送信する(S65)。
【0131】
なお、情報送信部212は、S55の処理で特定種類の野生動物の検出を行った警報装置2が自装置でないと判定した場合(S64のNO)、S65の処理を行わない。
【0132】
その後、警報出力部214は、
図23に示すように、例えば、光と音の出力時間が予め設定された時間に到達した場合、発光装置26を停止する(S71)。さらに、警報出力部214は、この場合、スピーカー27を停止する(S72)。そして、撮像制御部211は、S51以降の処理を再度行う。
【0133】
[制御装置における処理]
次に、制御装置1における野生動物警報処理について説明を行う。
【0134】
情報受信部111は、
図24に示すように、位置マップ131と、警報範囲情報132と、予測対象時間133との入力を受け付けるまで待機する(S81のNO)。
【0135】
そして、位置マップ131と、警報範囲情報132と、予測対象時間133との入力を受け付けた場合(S81のYES)、情報管理部112は、入力を受け付けた位置マップ131と、警報範囲情報132と、予測対象時間133とを記憶領域110に記憶する(S82)。
【0136】
その後、情報受信部111は、警報装置2から送信された検出ログ231と撮像データとを受信するまで待機する(S83)。
【0137】
続いて、情報管理部112は、
図25に示すように、S83の処理で受信した検出ログ231を記憶領域110に記憶する(S91)。
【0138】
そして、警報対象決定部115は、記憶領域110に記憶された位置マップ131、警報範囲情報132及び予測対象時間133を参照し、警報対象となる警報装置2を決定(予測)する(S92)。
【0139】
続いて、情報送信部114は、S92の処理で警報対象となる警報装置2が決定されたか否かを判定する(S93)。
【0140】
その結果、警報対象となる警報装置2が決定されなかった場合(S93のNO)、情報送信部114は、S83以降の処理を再度行う。
【0141】
一方、警報対象となる警報装置2が決定された場合(S93のYES)、情報送信部114は、決定された警報装置2のそれぞれに対し、警報指示情報を送信する(S94)。そして、情報受信部111は、S83以降の処理を再度行う。
【0142】
すなわち、第2の実施の形態における警報装置2は、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かの判定についても行う。
【0143】
これにより、警報装置2は、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かについての判定を行う際に、S54の処理で撮像した撮像データを制御装置1に送信する必要がなくなる。そのため、警報装置2は、S54の処理で撮像した撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かについての判定を迅速に行うことが可能になる。
【0144】
[S51からS55の処理の変形例(1)]
次に、S51からS55の処理の第1の変形例について説明を行う。
【0145】
撮像制御部211は、モーションセンサ23のいずれかが野生動物の存在を検知した場合、S51からS54の処理をカメラ21ごとに行うものであってもよい。
【0146】
すなわち、撮像制御部211は、モーションセンサ23のいずれかで野生動物の存在を検知した場合、S51の処理において、他のモーションセンサ23のそれぞれにおいても野生動物の存在の検知を行うものであってよい。そして、他のモーションセンサ23においても野生動物の存在を検知した場合、撮像制御部211は、S54の処理において、野生動物の存在を検知した他のモーションセンサ23に対応するカメラ21によっても野生動物の撮像を行うものであってもよい。
【0147】
さらに、撮像制御部211は、S55の処理において、特定種類の野生動物が映っているか否かの判定を、S54の処理で撮像された撮像データごとに行うものであってよい。
【0148】
これにより、警報装置2は、特定種類の野生動物が映っているか否かについての判定を、複数の撮像データについて並行して行うことが可能になる。そのため、制御装置1は、野生動物の移動方向の予測をより迅速に行うことが可能になる。
【0149】
[S51からS55の処理の変形例(2)]
次に、S51からS55の処理の第2の変形例について説明を行う。
【0150】
撮像制御部211は、モーションセンサ23のいずれかで野生動物の存在を検知した場合、S54の処理において、他のモーションセンサ23のそれぞれにおける野生動物の存在の検知を行うことなく、他のモーションセンサ23の全てに対応するカメラ21による野生動物の撮像を行うものであってもよい。
【0151】
そして、撮像制御部211は、S55の処理において、特定種類の野生動物が映っているか否の判定を、全てのカメラ21で撮影された撮像データごとに行うものであってよい。
【0152】
これにより、警報装置2は、第1の変形例の場合と同様に、撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かの判定を、複数の撮像データについて並行して行うことが可能になる。さらに、警報装置2は、この場合、他のモーションセンサ23のそれぞれにおける野生動物の存在の検知を省略することで、撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かの判定をより迅速に行うことが可能になる。
【0153】
[S51からS55の処理の変形例(3)]
次に、S51からS55の処理の第3の変形例について説明を行う。
【0154】
撮像制御部211は、第1の変形例または第2の変形例で説明したS51からS54の処理を行った後、S55の処理を行う前に、S54の処理で撮像された撮像データのそれぞれを貼り合わせることによって新たな撮像データ(1つの撮像データ)を生成するものであってもよい。
【0155】
そして、撮像制御部211は、S55の処理において、新たな撮像データのそれぞれに特定種類の野生動物が映っているか否かの判定を同時に行うものであってよい。
【0156】
これにより、警報装置2は、新たな撮像データに特定種類の野生動物が複数回映っている場合であっても、新たな撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かの判定を1回の処理で行うことが可能になる。そのため、警報装置2は、撮像データに特定種類の野生動物が映っているか否かの判定が行われる頻度を抑制することが可能になる。
【符号の説明】
【0157】
1:制御装置
2:警報装置
11:情報処理装置
12:無線モジュール
13:バッテリー
21:カメラ
22:情報処理装置
23:モーションセンサ
24:照度センサ
25:赤外線投光器
26:スピーカー
27:発光装置
28:無線モジュール
29:バッテリー
101:CPU
102:メモリ
103:通信インタフェース
104:記憶媒体
105:バス
111:情報受信部
112:情報管理部
113:野生動物検出部
114:情報送信部
115:警報対象決定部
201:CPU
202:メモリ
203:通信インタフェース
204:記憶媒体
205:バス
211:撮像制御部
212:情報送信部
213:情報受信部
214:警報出力部