(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ソーシャルネットワークサービス提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20231011BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2019023487
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】596177559
【氏名又は名称】インターマン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田平 重樹
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-225338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
友達関係の親しさに応じて第一の友達関係と第二の友達関係が指定可能なソーシャルネットワークサービス提供システムであって、
第一の友達関係が指定されていれば、第一のユーザーから第二のユーザーへの第一の友達申請を受信し、第二のユーザーから第一のユーザーへの第二の友達申請を受信し、前記第一の友達申請の受信してから、前記第二の友達申請を受信するまで
の経過時間が、予め決められた時間を越えている場合、これらの友達申請を受理せず、
第二の友達関係が指定されていれば、前記経過時間とは無関係に友達申請が受理されることを特徴とするソーシャルネットワークサービス提供システム。
【請求項2】
前記予め決められた時間とは、3分から10分の間で設定されていることを特徴とする請求項1に記載のソーシャルネットワークサービス提供システム。
【請求項3】
前記第一の友達申請と前記第二の友達申請を受信する際に、前記第一のユーザーと前記第二のユーザーの位置情報も受信し、前記第一のユーザーと前記第二のユーザーとが離れている場合には、前記友達申請を受理しないことを特徴とする請求項2に記載のソーシャルネットワークサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある程度の関係性を有するユーザーからのみ友達申請を受理することのできるソーシャルネットワークサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フェイスブック(登録商標)などに代表されるソーシャルネットワークサービス(SNS)技術が広く普及している。このようなSNSでは、ネットワーク上で、ユーザ同士がメッセージの交換、友達関係の構築などを行なうことができ、これにより、ユーザ同士の繋がりが生まれている(特許文献1)。
【0003】
このようなSNSにおいて、友達関係の構築するには、例えば次のように行う。すなわち、ユーザーAが、ユーザーBと友達になりたいと思った場合、まず、ユーザーAは、ユーザーBに対して友達申請を行う。この友達申請の通知を受けたユーザーBは、この申請を承認するか拒否するか選択する。ユーザーBが、友達申請を承認すれば、ユーザーAとユーザーBはお互いに友達関係となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような友達申請は、ユーザーBの意向とは無関係に送信できるため、余り歓迎されない友達申請が多く寄せられることがある。その場合、ユーザーBは、承認するか拒否するかを悩まなければならず面倒である。また、不用意に拒否すれば、ユーザーAに不快な思いをさせるのではないかとの危惧もある。逆に、安易な承認を繰り返すと、個人情報が流出するという心配もある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、友達申請に一定の信頼関係を要求することのできるソーシャルネットワークサービス提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の1つの様相によるソーシャルネットワークサービス提供システムは、友達関係の親しさに応じて第一の友達関係と第二の友達関係が指定可能なソーシャルネットワークサービス提供システムであって、第一の友達関係が指定されていれば、第一のユーザーから第二のユーザーへの第一の友達申請を受信し、第二のユーザーから第一のユーザーへの第二の友達申請を受信し、前記第一の友達申請の受信してから、前記第二の友達申請を受信するまでの経過時間が、予め決められた時間を越えている場合、これらの友達申請を受理せず、第二の友達関係が指定されていれば、前記経過時間とは無関係に友達申請が受理されることを特徴とする。
【0008】
また、一つの実施例では、前記予め決められた時間とは、3分から10分の間で設定されている。
【0009】
更に、一つの実施例では、前記第一の友達申請と前記第二の友達申請を受信する際に、前記第一のユーザーと前記第二のユーザーの位置情報も受信し、前記第一のユーザーと前記第二のユーザーとが離れている場合には、前記友達申請を受理しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係わるソーシャルネットワークサービス提供システムによれば、友達申請を行うにあたって、事前に互いに連絡して一定の手順を踏むことを必要とするため、ある程度の信頼関係の確立されている同士のみが友達となることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明に係るソーシャルネットワークサービス管理サーバーによるソーシャルネットワークサービスの実施態様を説明するためのネットワーク図である。
【
図2】
図2は、本発明に係るソーシャルネットワークサービスにおける友達申請の受理方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明によるソーシャルネットワークサービス提供システムの実施例を説明する。このソーシャルネットワークサービス提供システムは、インターネットに接続して、ユーザーにソーシャルネットワークサービスを提供するソーシャルネットワークサービス管理サーバーとして実装されている。
【0013】
図1は、このソーシャルネットワークサービス管理サーバー1によるソーシャルネットワークサービスの実施態様を説明するためのネットワーク図である。ここで、インターネットには、ソーシャルネットワークサービス管理サーバー1と、このソーシャルネットワークサービスを利用する多数のユーザー端末が接続されている。ここでは、簡略化してユーザーAが携帯しているスマートフォン3と、ユーザーBが使用しているパーソナルコンピュータ5のみが例示されている。
【0014】
ユーザーAおよびユーザーBは、このソーシャルネットワークサービスのアカウントを持ち、ソーシャルネットワークサービス管理サーバー1へログオンし、様々なコミュニケーション機能を利用し、他のユーザーとの交流を行うことができる。
【0015】
また、このソーシャルネットワークサービスでは、ユーザー間に「友達」関係を設定する機能がある。例えば、投稿を公開する相手を友達に限定することで、自身のプライベートな書き込みを不特定多数に読まれることを避けることができる。
【0016】
従来のソーシャルネットワークサービスでは、例えば、ユーザーAが、ユーザーBと友達になりたいと思った場合、まず、ユーザーAは、ユーザーBに対して友達申請を行う。この友達申請の通知を受けたユーザーBは、この申請を承認するか拒否するか選択する。ユーザーBが、友達申請を承認すれば、ユーザーAとユーザーBはお互いに友達関係となる。しかしながら、このような友達申請は誰でも自由に行えるため、多数の友達申請の通知を受けるユーザーは煩わしさを感じることもある。
【0017】
そこで、本発明によるソーシャルネットワークサービスでは、友達申請をある程度の親しさを前提として認めるようにする。具体的には、お互いに同時に友達申請が行われた場合にのみ、その申請が受理されるのである。
【0018】
図2は、本発明によるソーシャルネットワークサービスにおける友達申請の受理方法を説明する図である。まず、ユーザーAおよびユーザーBは、夫々IDとパスワードを用いて、このソーシャルネットワークサービス提供システムへログオンする。IDとパスワードが正しければ、ソーシャルネットワークサービス提供システムは、ログオンを許可する。このログオンのタイミングは任意である。
【0019】
次に、ユーザーAとユーザーBは、予め決めておいた時間に、ソーシャルネットワークサービス提供システムに対して同時に友達申請を行う。例えば、前もって電話などで連絡をしておき、友達申請を行う時間として10時半を決めておく。
【0020】
ソーシャルネットワークサービス提供システムでは、ユーザーAからユーザーBへの友達申請を受信した場合、同時に相手側ユーザー、すなわちユーザーBからもユーザーAへの友達申請があるかどうかを確認する。もしも、これらの友達申請が同時に行われていれば、友達申請を受理し、ユーザーAとユーザーBとの友達関係を登録し、その事実をユーザーAとユーザーBに通知する。
【0021】
実際には、ソーシャルネットワークサービス提供システムでは、最初の友達申請を受信した後、次の友達申請を受信するまで時間dが、所定の時間以内であれば同時とみなして、これらの友達申請を受理する。この所定の時間というのは、具体例には、数分程度、例えば3分から10分の間で設定する。もし、最初の友達申請を受信した後、次の友達申請を受信するまで、この所定の時間を越えていれば、これらの友達申請を受理しない。このようにすることで、友達申請という行為に、一定の重みをもたせることができる。
【実施例2】
【0022】
この実施例では、実施例1の場合と同様に、お互いに友達関係を設定するために、ユーザーAとユーザーBは、予め決めておいた時間に、ソーシャルネットワークサービス提供システムに対して同時に友達申請を行うが、その際、夫々の現在位置を示す位置情報もソーシャルネットワークサービス管理サーバー1に送信する。
【0023】
ソーシャルネットワークサービス提供システムでは、ユーザーAからユーザーBへの友達申請を受信した場合、同時に相手側ユーザー、すなわちユーザーBからもユーザーAへの友達申請があるかどうかを確認する。もしも、これらの友達申請が同時に行われていれば、次に、ユーザーAとユーザーBの現在位置を比較する。もしも、これらの現在位置が同じであれば、友達申請を受理し、ユーザーAとユーザーBとの友達関係を登録し、その事実をユーザーAとユーザーBに通知する。
【0024】
実際には、ソーシャルネットワークサービス提供システムでは、ユーザーAの現在位置と、ユーザーBの現在位置が、一定の間隔、具体的には10mから1kmの間で決められた間隔、例えば100m以内であれば同一場所とみなして、これらの友達申請を受理する。この間隔以上離れていれば、これらの友達申請を受理しない。このようにすることで、友達申請という行為に、更に一定の重みを加えることができる。
【実施例3】
【0025】
この実施例では、友達関係に階層を持たせる。すなわち、友達申請を行う際に、「親しい友達」の他に「一般の友達」といった複数の友達関係を指定できるようにする。そして、実施例1や実施例2での友達申請は、「親しい友達」としての友達申請とする。「一般の友達」としての友達申請は、従来通り、同時性や現在位置とは無関係に、申請や承認が行われ設定される。
【実施例4】
【0026】
上記実施例と同様に、一定の信頼関係を前提とする友達申請としては、同じ自宅の無線LANからの友達申請がある。すなわち、IPアドレスが同一である友達申請があれば、ソーシャルネットワークサービス提供システムは、友達申請を受理することになる。IPアドレスが同一でなければ、友達申請を受理しない。
【0027】
また、同じ端末やスマートフォンからの友達申請であれば、その友達申請を受理するようにしても良い。この場合、機器を貸し借りするような親しい同士であることが前提となる。このような方法で、やはり友達申請という行為に、更に一定の重みを加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係わるソーシャルネットワークサービス提供システムによれば、友達申請を行うにあたって、一定の信頼関係が要求されるので、関係の薄いユーザーから多数の友達申請が寄せられるという事態を避けることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ソーシャルネットワークサービス管理サーバー
3 スマートフォン
5 パーソナルコンピュータ