IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECソリューションイノベータ株式会社の特許一覧 ▶ 日本電気株式会社の特許一覧

特許73642091次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体
<>
  • 特許-1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体 図1
  • 特許-1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体 図2
  • 特許-1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体 図3
  • 特許-1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体 図4
  • 特許-1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体 図5
  • 特許-1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/14 20060101AFI20231011BHJP
   G06F 16/11 20190101ALI20231011BHJP
【FI】
G06F11/14 664
G06F16/11
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019115127
(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公開番号】P2021002180
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】大谷 寛之
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-157766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06F 16/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部、複製部、出力部、取得部、及び復元部を含み、
前記記憶部は、データ及びブロック更新情報を記憶し、
前記複製部は、前記データを複製し、
前記出力部は、前記複製した複製データを、記憶媒体に出力し、且つ、前記複製データ及び前記ブロック更新情報を2次ストレージ装置に通信回線網を介して出力し、
前記取得部は、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から通信回線網を介して取得し、
前記復元部は、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する、
1次ストレージ装置。
【請求項2】
前記複製部は、前記複製を短周期及び長周期のいずれか一方で実施し、
前記出力部は、前記短周期で複製した複製データを前記2次ストレージ装置に、通信回線網を介して出力し、且つ、前記長周期で複製した複製データを、前記記憶媒体に出力する、
請求項1記載の1次ストレージ装置。
【請求項3】
取得部、記憶部、及び出力部を含み、
前記取得部は、1次ストレージ装置から出力された複製データ及びブロック更新情報を通信回線網を介して取得し、
前記記憶部は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力部は、前記1次ストレージ装置がデータの一部又は全部をロストした場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に通信回線網を介して出力する、
2次ストレージ装置。
【請求項4】
さらに、差分データ特定部を含み、
前記記憶部は、さらに、前記差分データを記憶した日時を含むブロック更新履歴情報を記憶し、
前記差分データ特定部は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定し、
前記出力部は、前記特定された差分データを通信回線網を介して前記1次ストレージ装置に出力する、
請求項3記載の2次ストレージ装置。
【請求項5】
請求項1または2記載の1次ストレージ装置と、請求項3または4記載の2次ストレージ装置と、記憶媒体とを含み、
前記記憶媒体は、記憶部を含み;
前記1次ストレージ装置は、
前記記憶部が、データ及びブロック更新情報を記憶し、
前記複製部が、前記データを複製し、
前記出力部が、前記複製した複製データを、前記記憶媒体に出力し、且つ、前記複製データ及び前記ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に通信回線網を介して出力し、
前記取得部が、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から通信回線網を介して取得し、
前記復元部が、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元し;
前記2次ストレージ装置は、
前記取得部が、前記1次ストレージ装置から通信回線網を介して出力された前記複製データ及び前記ブロック更新情報を通信回線網を介して取得し、
前記記憶部が、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力部が、前記ロストの場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に通信回線網を介して出力し;
前記記憶媒体は、
前記記憶部が、前記1次ストレージ装置から出力された複製データを記憶する、
データ管理システム。
【請求項6】
複製工程、出力工程、取得工程、及び復元工程を含み、
前記複製工程は、記憶したデータを複製し、
前記出力工程は、前記複製した複製データを、記憶媒体に出力し、且つ、前記複製データ及びブロック更新情報を2次ストレージ装置に通信回線網を介して出力し、
前記取得工程は、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から通信回線網を介して取得し、
前記復元工程は、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する、
1次ストレージ装置側のデータ管理方法。
【請求項7】
前記複製工程は、前記複製を短周期及び長周期のいずれか一方で実施し、
前記出力工程は、前記短周期で複製した複製データを前記2次ストレージ装置に通信回線網を介して出力し、且つ、前記長周期で複製した複製データを、前記記憶媒体に出力する、
請求項6記載のデータ管理方法。
【請求項8】
取得工程、記憶工程、及び出力工程を含み、
前記取得工程は、1次ストレージ装置から出力された複製データ及びブロック更新情報を通信回線網を介して取得し、
前記記憶工程は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力工程は、前記1次ストレージ装置がデータの一部又は全部をロストした場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に通信回線網を介して出力する、
2次ストレージ装置側のデータ管理方法。
【請求項9】
さらに、差分データ特定工程を含み、
前記記憶工程は、さらに、前記差分データを記憶した日時を含むブロック更新履歴情報を記憶し、
前記差分データ特定工程は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定し、
前記出力工程は、前記特定された差分データを前記1次ストレージ装置に通信回線網を介して出力する、
請求項8記載のデータ管理方法。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる分野においてIT化が進む中、メインデータシステムが使用不可となることに備えて、データのバックアップシステムが各種存在する。バックアップシステムとして、例えば、メインサイトに格納されているデータを複製し、リモートサイトに転送するシステムがある(災害復旧システム(Disaster Recovery System)等)。前記システムは、例えば、メインサイトに障害が発生した場合、前記リモートサイトからデータを取得する(例えば、特許文献1)。この際、メインサイトに格納されたデータとリモートサイトに格納された複製データとの内容に、できる限り差分が少ないことが望まれる。
【0003】
近年は、リモートサイトとして、クラウドサーバ及びクラウドストレージ等のクラウドサービス(以下、クラウド)を利用することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-076151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のリモートサイトは、専用設備が必要なため、コストが高価という問題がある。
【0006】
一方で、リモートサイトとして、クラウドを利用した場合は、専用設備に係るコストを抑えられる。しかし、前述のように、差分を少なくするためには、クラウドに膨大な量のデータを格納する必要があり、クラウドの使用料等が非常に高価という問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、例えば、複製及び復元において、通信データ量の削減を可能とする1次ストレージ装置、2次ストレージ装置、データ管理システム、データ管理方法、プログラム、及び記憶媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の1次ストレージ装置は、
記憶部、複製部、出力部、取得部、及び復元部を含み、
前記記憶部は、データ及びブロック更新情報を記憶し、
前記複製部は、前記データを複製し、
前記出力部は、前記複製した複製データを、2次ストレージ装置及び記憶媒体に出力し、且つ、前記ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力し、
前記取得部は、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から取得し、
前記復元部は、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する、装置である。
【0009】
本発明の2次ストレージ装置は、
取得部、記憶部、及び出力部を含み、
前記取得部は、1次ストレージ装置から出力された複製データ及びブロック更新情報を取得し、
前記記憶部は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力部は、前記1次ストレージ装置がデータの一部又は全部をロストした場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、装置である。
【0010】
本発明のデータ管理システムは、本発明の1次ストレージ装置と、本発明の2次ストレージ装置と、記憶媒体とを含み、
前記記憶媒体は、記憶部を含み;
前記1次ストレージ装置は、
前記記憶部が、データ及びブロック更新情報を記憶し、
前記複製部が、前記データを複製し、
前記出力部が、前記複製した複製データを、前記2次ストレージ装置及び前記記憶媒体に出力し、且つ、前記ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力し、
前記取得部が、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から取得し、
前記復元部が、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元し;
前記2次ストレージ装置は、
前記取得部が、前記1次ストレージ装置から出力された前記複製データ及び前記ブロック更新情報を取得し、
前記記憶部が、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力部が、前記ロストの場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力し;
前記記憶媒体は、
前記記憶部が、前記1次ストレージ装置から出力された複製データを記憶する、装置である。
【0011】
本発明の1次ストレージ装置側のデータ管理方法は、
複製工程、出力工程、取得工程、及び復元工程を含み、
前記複製工程は、記憶したデータを複製し、
前記出力工程は、前記複製した複製データを、2次ストレージ装置及び記憶媒体に出力し、且つ、ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力し、
前記取得工程は、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から取得し、
前記復元工程は、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する、方法である。
【0012】
本発明の2次ストレージ装置側のデータ管理方法は、
取得工程、記憶工程、及び出力工程を含み、
前記取得工程は、1次ストレージ装置から出力された複製データ及びブロック更新情報を取得し、
前記記憶工程は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力工程は、前記1次ストレージ装置がデータの一部又は全部をロストした場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば、複製及び復元において、通信データ量の削減を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態1のデータ管理システムの一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の1次ストレージ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の2次ストレージ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1のデータ管理システムの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態2のデータ管理システムの一例の構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態2のデータ管理システムの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、差分データとは、1次ストレージ装置が複製した複製データと、2次ストレージ装置が記憶している格納データとの、差分のデータである。
【0016】
本発明の1次ストレージ装置において、前記複製部は、前記複製を短周期及び長周期のいずれか一方で実施し、前記出力部は、前記短周期で複製した複製データを前記2次ストレージ装置に出力し、且つ、前記長周期で複製した複製データを、前記記憶媒体に出力する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の2次ストレージ装置は、さらに、差分データ特定部を含み、前記記憶部は、さらに、前記差分データを記憶した日時を含むブロック更新履歴情報を記憶し、前記差分データ特定部は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定し、前記出力部は、前記特定された差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明の1次ストレージ装置側のデータ管理方法において、前記複製工程は、前記複製を短周期及び長周期のいずれか一方で実施し、前記出力工程は、前記短周期で複製した複製データを前記2次ストレージ装置に出力し、且つ、前記長周期で複製した複製データを、前記記憶媒体に出力する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明の2次ストレージ装置側のデータ管理方法は、さらに、差分データ特定工程を含み、前記記憶工程は、さらに、前記差分データを記憶した日時を含むブロック更新履歴情報を記憶し、前記差分データ特定工程は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定し、前記出力工程は、前記特定された差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のプログラムは、本発明のデータ管理方法をコンピュータ上で実行可能なプログラムである。
【0021】
本発明の記憶媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0022】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0023】
[実施形態1]
(1)1次ストレージ装置
図1は、本実施形態の1次ストレージ装置10を含むデータ管理システムの一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、1次ストレージ装置10は、記憶部101、複製部102、出力部103、取得部104、及び復元部105を含む。図1において、1次ストレージ装置10以外のその他の構成は、特に制限されない。
【0024】
1次ストレージ装置10は、例えば、1次データセンタ100(メインサイトともいう)の一部であってもよい。1次データセンタ100は、例えば、さらに、ホスト装置11を含み、ホスト装置11は、1次ストレージ装置10に接続されている。1次データセンタ100は、通常、ホスト装置11により業務アプリケーションが実行され、それにより得られた情報が、1次ストレージ装置10に記憶されていく。
【0025】
1次ストレージ装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網40を介して接続可能な装置でもよい。また、図示するように、1次ストレージ装置10は、例えば、通信回線網40を介して、2次データセンタ200(リモートサイトともいう)側のストレージ装置(例えば、後述する本発明の2次ストレージ装置20等)と接続可能である。通信回線網40は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網40は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等が挙げられる。1次ストレージ装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、1次ストレージ装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0026】
図2に、本実施形態の1次ストレージ装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。
【0027】
1次ストレージ装置10は、例えば、中央演算装置(CPU、GPU等)401、メモリ402、バス403、記憶装置404、入力装置405、表示装置(ディスプレイ)406、通信デバイス407等を有する。1次ストレージ装置10は、例えば、記憶装置404に本発明のプログラム等を内蔵したコンピュータである。前記コンピュータは、一般的なコンピュータである。1次ストレージ装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス403を介して相互に接続されている。
【0028】
中央演算装置401は、1次ストレージ装置10の全体の制御を担う。1次ストレージ装置10において、中央演算装置401により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。
【0029】
バス403は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(例えば、本発明の2次ストレージ20等)、プリンター等があげられる。1次ストレージ装置10は、例えば、バス403に接続された通信デバイス407により、外部ネットワーク(通信回線網40)に接続でき、外部ネットワークを介して、前記外部装置と接続することもできる。
【0030】
メモリ402は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置401が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置404に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ402が読み込み、中央演算装置401は、メモリ402からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ402、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0031】
記憶装置404は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置404には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置404は、例えば、記憶媒体と、記憶媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置404は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)であってもよい。
【0032】
すなわち、図2において、1次ストレージ装置10は、本発明のプログラムをメモリ402が読み込み、中央演算装置401が、メモリ402からデータを受け取って、本発明のプログラムを実行するコンピュータであるといえる。
【0033】
1次ストレージ装置10は、例えば、さらに、入力装置405、表示装置406を有する。入力装置405は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置406は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0034】
1次ストレージ装置10が、1次データセンタ100の一部である場合、ホスト装置11及び1次ストレージ装置10は、例えば、それぞれポートを有し、前記ポートを介して接続されている。
【0035】
1次ストレージ装置10における記憶部101は、データ及びブロック更新情報を記憶する。前記データは、例えば、前述のように、ホスト装置11による業務アプリケーションの実行により得られた情報である。前記ブロック更新情報は、例えば、後述する複製部102における複製後、新たに1次ストレージ装置10の記憶部101のデータが更新された場合に、前記更新されたデータのブロックを示す情報である。具体的には、データ管理システムにおいて後述する。
【0036】
1次ストレージ装置10における複製部102は、前記データを複製する。前記複製は、例えば、1次ストレージ装置10の記憶部101における全データを複製してもよく、前記更新されたデータのみを複製してもよい。前記複製は、例えば、短周期及び長周期のいずれか一方で実施してもよい。前記短周期は、例えば、1時間及び1日等である。前記長周期は、例えば、1週間及び1ヵ月等である。前記複製は、例えば、定期的に実行してもよいし、1次ストレージ装置10の記憶部101に所定量の前記更新されたデータが記憶される度に、実行してもよい。
【0037】
1次ストレージ装置10における出力部103は、前記複製した複製データを、2次ストレージ装置及び記憶媒体30に出力し、且つ、前記ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力する。前記2次ストレージ装置は、特に制限されず、例えば、リモートサイトの一部であるストレージ装置等が挙げられるが、本発明の2次ストレージ装置20であることが好ましい。以降において、前記2次ストレージ装置として、本発明の2次ストレージ装置20を例に挙げて説明するが、これに限定されない。記憶媒体30については、後述する。出力部103は、例えば、複製部102による複製が前記短周期の場合、前記短周期で複製した複製データを2次ストレージ装置20に出力することが好ましい。一方で、出力部103は、例えば、複製部102による複製が前記長周期の場合、前記長周期で複製した複製データを、記憶媒体30に出力することが好ましい。複製部102が、前記更新されたデータのみを複製する場合、一般的に、短周期で複製されたデータは、長周期で複製されたデータと比較して、データ量が小さい。そのため、前記短周期で複製した複製データを2次ストレージ装置20に出力することで、通信データ量を、最小限に抑えることができる。
【0038】
1次ストレージ装置10における取得部104は、1次ストレージ装置10の記憶部101における前記データの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを記憶媒体30から取得し、且つ、後述する前記複製データとの差分データを2次ストレージ装置20から取得する。
【0039】
1次ストレージ装置10における復元部105は、前記取得した複製データ及び差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する。前記復元は、特に制限されず、例えば、最初に、前記取得した複製データを使用し、データを復元する。つぎに、前記複製データにより復元したデータは、前記復元したデータに足りない情報(例えば、前記複製データが有していない前記更新されたデータ)を前記差分データによって補うことで、さらに、復元してもよい。
【0040】
(2)2次ストレージ装置
本実施形態の2次ストレージ装置20について、図1を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態の2次ストレージ装置20は、取得部201、記憶部202、及び出力部203を含む。図1において、2次ストレージ装置20以外のその他の構成は、特に制限されない。
【0041】
2次ストレージ装置20は、例えば、2次データセンタ200(リモートサイトともいう)の一部であってもよい。2次データセンタ200は、例えば、クラウドの形態であってもよい。2次データセンタ200は、例えば、さらに、ホスト装置21を含み、ホスト装置21は、2次ストレージ装置20に接続されている。2次データセンタ200は、通常、1次データセンタ100が使用不可となった場合、1次データセンタ100に代わって業務を実行する。具体的には、ホスト装置21により業務アプリケーションが実行され、それにより得られたデータが、2次ストレージ装置20に、新たに記憶されていく。
【0042】
2次ストレージ装置20は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網40を介して接続可能な装置でもよい。また、図示するように、2次ストレージ装置20は、例えば、通信回線網40を介して、1次データセンタ100(メインサイト)側のストレージ装置(例えば、前述の本発明の1次ストレージ装置10等)と接続可能である。通信回線網40は、特に制限されず、例えば、前述と同様である。2次ストレージ装置20は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、2次ストレージ装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0043】
2次ストレージ装置20は、例えば、1次ストレージ装置10のバックアップとして、機能する。そのため、2次ストレージ装置20は、災害(地震、洪水等)により、1次ストレージ装置10と同時に被災することを避けるため、1次ストレージ装置10の遠隔地に設置されていることが好ましい。
【0044】
図3に、本実施形態の2次ストレージ装置20のハードウエア構成のブロック図を例示する。
【0045】
2次ストレージ装置20は、例えば、中央演算装置(CPU、GPU等)501、メモリ502、バス503、記憶装置504、入力装置505、表示装置(ディスプレイ)506、通信デバイス507等を有する。2次ストレージ装置20は、例えば、記憶装置504に本発明のプログラム等を内蔵したコンピュータである。前記コンピュータは、一般的なコンピュータである。2次ストレージ装置20の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス503を介して相互に接続されている。
【0046】
中央演算装置501は、2次ストレージ装置20の全体の制御を担う。2次ストレージ装置20において、中央演算装置501により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。なお、本発明において、中央演算装置に代えてGPU等の他の演算装置を用いても良い。
【0047】
バス503は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(例えば、本発明の1次ストレージ10等)、プリンター等があげられる。2次ストレージ装置20は、例えば、バス503に接続された通信デバイス507により、外部ネットワーク(通信回線網40)に接続でき、外部ネットワークを介して、前記外部装置と接続することもできる。
【0048】
メモリ502は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置501が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置504に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ502が読み込み、中央演算装置501は、メモリ502からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ502、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0049】
記憶装置504は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置504には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置504は、例えば、記憶媒体と、記憶媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、1次ストレージ装置10における記憶媒体と同様である。
【0050】
すなわち、図3において、2次ストレージ装置20は、本発明のプログラムをメモリ502が読み込み、中央演算装置501が、メモリ502からデータを受け取って、本発明のプログラムを実行するコンピュータであるといえる。
【0051】
2次ストレージ装置20は、例えば、さらに、入力装置505、表示装置506を有する。入力装置505は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置506は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0052】
2次ストレージ装置20が、2次データセンタ200の一部である場合、ホスト装置21及び2次ストレージ装置20は、例えば、それぞれポートを有し、前記ポートを介して接続されている。
【0053】
2次ストレージ装置20における取得部201は、1次ストレージ装置から出力された前記複製データ及び前記ブロック更新情報を取得する。前記1次ストレージ装置は、特に制限されず、例えば、メインサイトの一部であるストレージ装置等が挙げられるが、本発明の1次ストレージ装置10であることが好ましい。以降において、前記1次ストレージ装置として、本発明の1次ストレージ装置10を例に挙げて説明するが、これに限定されない。
【0054】
2次ストレージ装置20における記憶部202は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶する。格納データとは、例えば、2次ストレージ装置20における記憶部202が、1次データセンタ100における1次ストレージ装置10のバックアップとして、既に記憶しているデータである。なお、2次データセンタ200が、前述のように、1次データセンタ100に代わって業務を実行した場合、記憶部202は、さらに、ホスト装置21の業務アプリケーションの実行により得られたデータも記憶する。前記記憶は、例えば、前記格納データを削除して、前記記憶した差分データを新たな格納データとしてもよいし、前記格納データ及び前記差分データを蓄積して保有、すなわち、前記格納データと前記差分データとで新たな格納データとしてもよい。具体的には、データ管理システムにおいて後述する。
【0055】
2次ストレージ装置20における出力部203は、前記ロストの場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力する。前記出力は、特に、限定されず、1次ストレージ装置10から出力の要求を受けて実行してもよいし、2次ストレージ装置20が、1次ストレージ装置10の記憶部101における前記ロストを検出した場合に実行してもよい。前記差分データが、2次ストレージ装置20の記憶部202に複数記憶されている場合、前記出力する差分データは、例えば、記憶部202に格納されている全ての差分データでもよいし、データ管理システムの管理者が任意に選択して出力してもよい。
【0056】
(3)データ管理システム
本実施形態のデータ管理システムは、データ管理装置ともいう。本実施形態のデータ管理システムについて、図1を用いて説明する。図1に示すように、データ管理装置1は、本発明の1次ストレージ装置10と、本発明の2次ストレージ装置20と、記憶媒体30とを含む。1次ストレージ装置10及び2次ストレージ装置20は、例えば、通信回線網40を介して接続可能であってもよい。通信回線網40は、特に制限されず、例えば、前述と同様である。1次ストレージ装置10及び2次ストレージ装置20は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、1次ストレージ装置10及び2次ストレージ装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。1次ストレージ装置10及び2次ストレージ装置20における各部の説明は、前述と同様である。1次ストレージ装置10と記憶媒体30との接続については、後述する。
【0057】
具体的に、前記ブロック更新情報を用いて、2次ストレージ装置20における記憶部202が差分データを記憶する一例を説明する。下記表1にブロック更新情報の一例を示す。1次ストレージ装置10は、例えば、前記ブロック更新情報を生成してもよい。前記ブロック更新情報の生成には、例えば、差分管理テーブルを用いてもよい。前記差分管理テーブルの一例を下記表2に示す。下記表2に示すように、前記差分管理テーブルは、例えば、差分が発生している箇所を示す差分マップ情報を管理するテーブルである。前記差分マップ情報は、例えば、論理ディスクの論理アドレス毎に更新済フラグを記録した情報である。1次ストレージ装置10は、例えば、以前のバックアップ時から、前記論理アドレスに対して、ホスト装置11からの書き込み等により更新が行われたとの前記更新済フラグを立てて、前記差分管理テーブルを記憶部101に格納してもよい。下記表2において、前記更新済フラグが立っている状態を「1」として表し、前記更新済フラグが立っていない状態を「0」として表す。前記ブロック更新情報は、例えば、下記表1及び2に示すように、前記論理アドレスにおける前記差分マップの前記更新済フラグに基づき、前記更新済フラグが立っている論理アドレスと、前記論理アドレスに対応するデータと、前記データを記録した日時(時刻)とを記録する。すなわち、前記記録したデータは、2次ストレージ装置20における記憶部202が、差分データとして、記憶するデータである。1次ストレージ装置10における出力部103が、前記ブロック更新情を、2次ストレージ装置20に出力した後、前記差分管理テーブルは、例えば、前記論理アドレスをバックアップ済として、前記更新済フラグを立っていない状態(下記表2において「0」)に変更してもよい。2次ストレージ装置20は、例えば、取得部201により、取得した前記ブロック更新情報を、下記表3に示すように、ブロック更新履歴情報として、蓄積して保存してもよい。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
記憶媒体30は、記憶部301を含む。記憶媒体30は、データを記憶できればよく、特に限定されない。記憶媒体30は、例えば、記憶媒体30に読み書きするドライブと一体化されていてもよい。前記ドライブは、特に限定されない。具体的に、記憶媒体30は、例えば、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。特に、安価であることから、記憶媒体30は、磁気テープであることが好ましい。また、記憶媒体30は、2次ストレージ装置20と同様に1次ストレージ装置10のバックアップとして、機能するため、1次ストレージ装置10の遠隔地にて保管されていることが好ましい。さらに、記憶媒体30は、例えば、保管及び運搬の容易性等から、持ち運び可能であることが好ましい。1次ストレージ装置10と記憶媒体30との接続は、特に限定されず、例えば、記憶媒体30が、1次ストレージ装置10のポートやスロット等の差込口に物理的に接続されていてもよい。また、通信機能(例えば、WiFi等)を内蔵した記憶媒体30の場合、前記通信機能により、通信回線網を介して1次ストレージ装置10に接続されてもよい。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。
【0062】
記憶媒体30における記憶部301は、1次ストレージ装置10から出力された複製データを記憶する。記憶媒体30は、前記複製データを記憶できればよく、その他の構成は、特に制限されない。前記ドライブと一体化した記憶媒体30の場合、記憶媒体30の記憶部301が記憶する前記複製データは、前記ドライブによって、前記複製データの読み書きが実行されてもよい。一方で、前記ドライブと一体化していない記憶媒体30の場合、例えば、1次ストレージ装置10によって、前記複製データの読み書きが実行されてもよい。
【0063】
つぎに、本実施形態のデータ管理方法について、図4のフローチャートを用いて説明する。本実施形態のデータ管理方法は、例えば、図1のデータ管理装置1を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のデータ管理方法は、図1のデータ管理装置1の使用には限定されない。
【0064】
まず、1次ストレージ装置10の複製部102は、記憶部101に記憶したデータを複製する複製する(S1)。つぎに、1次ストレージ装置10から2次ストレージ装置20に前記複製した複製データ及び前記ブロック更新情報を出力する(S2)。一方で、1次ストレージ装置10から記憶媒体30に、前記複製した複製データを出力する(S6)。
【0065】
そして、2次ストレージ装置20は、1次ストレージ装置10から出力された前記複製データ及び前記ブロック更新情報を取得し(S3)、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶する(S4)。前記格納データは、例えば、前述と同様である。
【0066】
一方で、記憶媒体30は、1次ストレージ装置10から出力された複製データを記憶する(S7)。記憶媒体30が、前記ドライブと一体化した記憶媒体30の場合、記憶媒体30の記憶部301が記憶する前記複製データは、前記ドライブによって、前記複製データの書き込みが実行されてもよい。一方で、前記ドライブと一体化していない記憶媒体30の場合、例えば、1次ストレージ装置10によって、前記複製データの書き込みが実行されてもよい。
【0067】
つぎに、2次ストレージ装置20は、1次ストレージ装置10に格納されたデータの一部又は全部をロストした場合、前記差分データを1次ストレージ装置10に出力する(S5)。前記出力は、特に、限定されず、1次ストレージ装置10から出力の要求を受けて実行してもよいし、2次ストレージ装置20が、1次ストレージ装置10の記憶部101における前記ロストを検出した場合に実行してもよい。
【0068】
つぎに、1次ストレージ装置10において、記憶媒体30から前記複製データ及び2次ストレージ装置20から前記出力された差分データを取得する(S8)。記憶媒体30が、前記ドライブと一体化した記憶媒体30の場合、記憶媒体30の記憶部301が記憶する前記複製データは、前記ドライブによって、前記複製データの読み込み(取得)が実行されてもよい。一方で、前記ドライブと一体化していない記憶媒体30の場合、例えば、1次ストレージ装置10によって、前記複製データの読み込み(取得)が実行されてもよい。
【0069】
そして、1次ストレージ装置10は、前記取得した複製データ及び差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する(S9)。
【0070】
本実施形態の1次ストレージ装置10側のデータ管理方法は、前記工程(S1)、前記工程(S2)、及び前記工程(S6)を実行し、1次ストレージ装置10において、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記工程(S8)及び前記工程(S9)を実行する。
【0071】
本実施形態の2次ストレージ装置20側のデータ管理方法は、前記工程(S3)から前記工程(S5)を実行する。
【0072】
本実施形態によれば、1次ストレージ装置10がロストしたデータを、記憶媒体30から前記複製データ及び2次ストレージ装置20から前記差分データを取得することで、前記ロストしたデータの復元が可能である。このため、例えば、2次ストレージ装置20から1次ストレージ装置10への通信データ量を削減することができる。また、リモートサイト200が、例えば、データ転送量に比例して課金が必要なクラウド形態である場合、低コスト化も可能である。さらに、2次ストレージ装置20は、前記差分データのみ記憶すればよいので、2次ストレージ装置20における記憶容量の削減も可能である。
【0073】
[実施形態2]
本実施形態は、2次ストレージ装置20の記憶部202に格納されている複数の差分データの中から、1次ストレージ装置10へ出力する前記差分データを特定する形態である。
【0074】
図5は、本実施形態のデータ管理システムの一例の構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態において、2次ストレージ装置20が、さらに、差分データ特定部204を含むことを除き、実施形態1の2次ストレージ装置20及びデータ管理装置1と同様である。特に示さない限り、本実施形態は、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0075】
2次ストレージ装置20における記憶部202は、実施形態1と同様に、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶する。さらに、本実施形態において、2次ストレージ装置20における記憶部202は、ブロック更新履歴情報を記憶する。前記ブロック更新履歴情報は、前記差分データを記憶した、すなわち、記憶部202に格納されているデータ(前記格納データ)を更新した履歴情報である。具体的には、例えば、前記データを更新した年、月、日、時間等の情報が含まれる。
【0076】
2次ストレージ装置20における差分データ特定部204は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定する。本実施形態において、出力部203は、前記特定された差分データを1次ストレージ装置10に出力する。前記ブロック更新履歴情報は、例えば、実施形態1の表3と同様である。具体的に、1次ストレージ装置10が、前記ロストしたデータを復旧する一例について、前述した表1から3を用いて説明する。まず、1次ストレージ装置10における取得部104は、記憶媒体30から、前記複製データを取得する。1次ストレージ装置10は、前記取得した複製データを基に、例えば、時刻T0の状態までデータを復旧する。つぎに、1次ストレージ装置10における取得部104は、2次ストレージ装置20から、前記ブロック更新履歴情報を参照して、時刻T0以降の前記差分データを順次取得する。すなわち、1次ストレージ装置10における取得部104は、表3において、時刻T0からT1の差分データであるD(T1,L1)及びD(T1,L3)と、T1からT2の差分データであるD(T2,L2)及びD(T2,L4)と、T2からT3の差分データであるD(T3,L1)とを、順次取得する。そして、1次ストレージ装置10は、前記取得した差分データに基づき、データを復旧する。
【0077】
つぎに、本実施形態のデータ管理装置1における処理の一例を、図5のブロック図及び図6のフローチャートに基づき、説明する。
【0078】
まず、実施形態1と同様にして、前記工程(S1)から前記工程(S3)及び前記工程(S6)及び前記工程(S7)を実行する。
【0079】
つぎに、2次ストレージ装置20における記憶部202は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、且つ、ブロック更新履歴情報を記憶する(S4)。そして、2次ストレージ装置20における差分データ特定部204は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定する(S10)。つぎに、2次ストレージ装置20は、前記特定された差分データを1次ストレージ装置10に出力する(S5)。その後は、前記実施形態1と同様に前記工程(S8)及び前記工程(S9)を実行して終了する(END)。
【0080】
本実施形態の2次ストレージ装置側のデータ管理方法は、前記工程(S3)から前記工程(S5)、及び前記工程(S10)を実行する。
【0081】
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、通信データ量の削減、低コスト化及び記憶容量の削減が可能である。さらに、2次ストレージ装置20における差分データ特定部204により、復元の対象となる差分データを特定できるため、前記ロストが発生した直近のデータまで復元することが可能である。このため、例えば、コストを抑えつつ、小さい値のPRO(Recovery Point Objective)でデータを復元することができる。
【0082】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、実施形態1または2のデータ管理方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されていてもよい。前記記憶媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0083】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
記憶部、複製部、出力部、取得部、及び復元部を含み、
前記記憶部は、データ及びブロック更新情報を記憶し、
前記複製部は、前記データを複製し、
前記出力部は、前記複製した複製データを、2次ストレージ装置及び記憶媒体に出力し、且つ、前記ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力し、
前記取得部は、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から取得し、
前記復元部は、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する、
1次ストレージ装置。
(付記2)
前記複製部は、前記複製を短周期及び長周期のいずれか一方で実施し、
前記出力部は、前記短周期で複製した複製データを前記2次ストレージ装置に出力し、且つ、前記長周期で複製した複製データを、前記記憶媒体に出力する、
付記1記載の1次ストレージ装置。
(付記3)
取得部、記憶部、及び出力部を含み、
前記取得部は、1次ストレージ装置から出力された複製データ及びブロック更新情報を取得し、
前記記憶部は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力部は、前記1次ストレージ装置がデータの一部又は全部をロストした場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、
2次ストレージ装置。
(付記4)
さらに、差分データ特定部を含み、
前記記憶部は、さらに、前記差分データを記憶した日時を含むブロック更新履歴情報を記憶し、
前記差分データ特定部は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定し、
前記出力部は、前記特定された差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、
付記3記載の2次ストレージ装置。
(付記5)
付記1または2記載の1次ストレージ装置と、付記3または4記載の2次ストレージ装置と、記憶媒体とを含み、
前記記憶媒体は、記憶部を含み;
前記1次ストレージ装置は、
前記記憶部が、データ及びブロック更新情報を記憶し、
前記複製部が、前記データを複製し、
前記出力部が、前記複製した複製データを、前記2次ストレージ装置及び前記記憶媒体に出力し、且つ、前記ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力し、
前記取得部が、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から取得し、
前記復元部が、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元し;
前記2次ストレージ装置は、
前記取得部が、前記1次ストレージ装置から出力された前記複製データ及び前記ブロック更新情報を取得し、
前記記憶部が、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力部が、前記ロストの場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力し;
前記記憶媒体は、
前記記憶部が、前記1次ストレージ装置から出力された複製データを記憶する、
データ管理システム。
(付記6)
複製工程、出力工程、取得工程、及び復元工程を含み、
前記複製工程は、記憶したデータを複製し、
前記出力工程は、前記複製した複製データを、2次ストレージ装置及び記憶媒体に出力し、且つ、ブロック更新情報を前記2次ストレージ装置に出力し、
前記取得工程は、前記記憶したデータの一部又は全部をロストした場合、前記出力した複製データを前記記憶媒体から取得し、且つ、前記複製データとの差分データを前記2次ストレージ装置から取得し、
前記復元工程は、前記取得した複製データ及び前記差分データに基づき、前記ロストしたデータを復元する、
1次ストレージ装置側のデータ管理方法。
(付記7)
前記複製工程は、前記複製を短周期及び長周期のいずれか一方で実施し、
前記出力工程は、前記短周期で複製した複製データを前記2次ストレージ装置に出力し、且つ、前記長周期で複製した複製データを、前記記憶媒体に出力する、
付記6記載のデータ管理方法。
(付記8)
取得工程、記憶工程、及び出力工程を含み、
前記取得工程は、1次ストレージ装置から出力された複製データ及びブロック更新情報を取得し、
前記記憶工程は、前記取得した複製データのうち、前記ブロック更新情報に基づき、格納データとの差分データを記憶し、
前記出力工程は、前記1次ストレージ装置がデータの一部又は全部をロストした場合に、前記差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、
2次ストレージ装置側のデータ管理方法。
(付記9)
さらに、差分データ特定工程を含み、
前記記憶工程は、さらに、前記差分データを記憶した日時を含むブロック更新履歴情報を記憶し、
前記差分データ特定工程は、前記ブロック更新履歴情報に基づき、前記ロストしたデータに含まれる前記差分データを特定し、
前記出力工程は、前記特定された差分データを前記1次ストレージ装置に出力する、
付記8記載のデータ管理方法。
(付記10)
付記6から9のいずれかに記載の方法をコンピュータ上で実行可能なプログラム。
(付記11)
付記10記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によれば、例えば、複製及び復元において、通信データ量を削減することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 データ管理装置
10 1次ストレージ装置
20 2次ストレージ装置
30 記憶媒体
40 通信回線網
11、21 ホスト装置
101、202、301 記憶部
102 複製部
103、203 出力部
104、201 取得部
105 復元部
100 1次データセンタ
200 2次データセンタ
204 差分データ特定部
401、501 中央演算装置
402、502 メモリ
403、503 バス
404、504 記憶装置
405、505 入力装置
406、506 表示装置
407、507 通信デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6