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特許7364255圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置
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  • 特許-圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置 図1
  • 特許-圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置 図2
  • 特許-圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置 図3
  • 特許-圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置 図4
  • 特許-圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20231011BHJP
   H01L 23/40 20060101ALI20231011BHJP
   B29C 65/70 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01L21/56 R
H01L23/40 D
B29C65/70
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021208464
(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公開番号】P2022103119
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】109146151
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514019132
【氏名又は名称】萬潤科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ワン アン ティン
(72)【発明者】
【氏名】コー ユー リェン
(72)【発明者】
【氏名】リン イー ター
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-297878(JP,A)
【文献】特開平04-302446(JP,A)
【文献】特表2008-527699(JP,A)
【文献】特開2004-235411(JP,A)
【文献】特開2002-261492(JP,A)
【文献】特開2005-142460(JP,A)
【文献】特開2006-210649(JP,A)
【文献】国際公開第2009/060560(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104859173(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/40
B29C 65/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上金型として使用される際において下方にある下金型と共に加圧対象を加圧する圧着装置の制御方法であって、
上下に駆動されることが可能な駆動ロッドを備えてマトリックス状に配列される複数の駆動手段が設けられる固定台を有する駆動モジュール及び、前記駆動モジュールの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応し、上端のトップ部に負荷検知ユニットが設けられ且つ下端に加圧金型が設けられる加圧ロッドを備える加圧ロッド手段が設けられる複数の加圧ユニットがマトリックス状に配列するように設けられる金型台を有し、前記金型台の下方に金型フレームが配置され、前記加圧ユニットには固定手段が設けられ、前記固定手段に垂直方向に沿った軸孔が設けられ、前記加圧ロッドは前記軸孔内に挿入することによって上下移動可能であり、前記加圧ロッドの下端にある前記加圧金型は前記金型台の下方にある前記金型フレームにおいて仕切られる金型チャンバー内に収容され、前記金型チャンバーの下部は開口が形成され、前記加圧金型は前記加圧ロッドに連動して前記金型チャンバーの中で上下移動できる圧着モジュールを用意するステップと、
前記駆動ロッドを駆動力によって下方へ移動させてまずは前記圧着モジュールにおける前記加圧ユニットにある前記負荷検知ユニットに駆動力を作用させ、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの加圧ロッドの下方にある加圧金型を駆動して加圧対象を加圧するステップと、を実行することを特徴とする圧着装置の制御方法。
【請求項2】
温度センサーを用いて前記加圧金型の温度を検知することを特徴とする請求項1に記載の圧着装置の制御方法。
【請求項3】
前記加圧金型による圧着が完了し前記加圧金型を上昇させる際に、前記加圧金型の下方にある加圧対象に気体を吹き付けることにより前記加圧金型が前記加圧対象から分離しやすくすることを特徴とする請求項1に記載の圧着装置の制御方法。
【請求項4】
前記加圧ロッドは前記固定手段の第1の位置決定ユニットにより水平に保持されると共に、上下移動可能に枢支されることを特徴とする請求項1に記載の圧着装置の制御方法。
【請求項5】
前記加圧ロッドは前記固定手段の第2の位置決定ユニットにより垂直に保持されることを特徴とする請求項1に記載の圧着装置の制御方法。
【請求項6】
前記加圧ロッドが上下に移動する際は回転せず、そして前記加圧ロッドを下方へ移動させる駆動力を打ち消す復帰力を提供することで、前記加圧ロッドを上方へ移動させて元の定位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載の圧着装置の制御方法。
【請求項7】
前記加圧ロッドを保持する前記第1の位置決定ユニットと螺合して且つ挿通する微調整手段の該第1の位置決定ユニットに対する螺合の具合を調整することにより、前記加圧ロッドの下方にある前記加圧金型の姿勢を調整することを特徴とする請求項に記載の圧着装置の制御方法。
【請求項8】
上金型として使用される際において下方にある下金型と共に加圧対象を加圧する圧着装置であって、
上下に移動可能な駆動ロッドを備えてマトリックス状に配列される複数の駆動手段が設けられる固定台を有する駆動モジュールと、
前記駆動モジュールの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応する複数の加圧ユニットがマトリックス状に配列するように設けられる金型台を有し、前記金型台の下方に金型フレームが配置され、前記加圧ユニットには固定手段が設けられ、前記固定手段に垂直方向に沿った軸孔が設けられ、加圧ロッドは前記軸孔内に挿入することによって上下移動可能であり、前記加圧ロッドの下端にある加圧金型は前記金型台の下方にある前記金型フレームにおいて仕切られる金型チャンバー内に収容され、前記金型チャンバーの下部は開口が形成され、前記加圧金型は前記加圧ロッドに連動して前記金型チャンバーの中で上下移動できる圧着モジュールと、を備え、
前記加圧ユニットには、上端のトップ部に負荷検知ユニットが設けられ且つ下端に加圧金型が設けられる加圧ロッドを備える加圧ロッド手段が設けられており、該駆動ロッドによる下方へ移動する駆動力を、前記負荷検知ユニットに作用させ、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの前記加圧ロッドの下方にある前記加圧金型を駆動して加圧対象を加圧することを特徴とする圧着装置。
【請求項9】
前記加圧ロッドには、外部に連通する開口が設けられるパイプが設けられており、線状に形成された温度センサーが前記加圧ロッドの前記パイプを経由して前記開口から外部まで延伸するように配置されることを特徴とする請求項8に記載の圧着装置。
【請求項10】
前記加圧ロッドにはパイプが設けられており、該パイプの管壁に外部と連通する通気孔が設けられ、前記加圧ロッドの下端にある固定台に形成された該固定台と該加圧金型の間にあるチャンバーに該パイプの下端が連通し、該加圧金型には、一端が前記チャンバーに連通し、他端が前記加圧金型の下方にあるエリアに連通する少なくとも1つの通気路が設けられることを特徴とする請求項8に記載の圧着装置。
【請求項11】
前記加圧ロッドにはパイプが設けられており、
前記負荷検知ユニットには前記加圧ロッドの上端のトップ部を覆うカバーが設けられ、該カバー内の負荷検知器の上端に、加圧タッチング手段が該カバーの外に突起するように設けられており、該負荷検知器の下端に前記加圧ロッドの前記パイプの上端開口に嵌めこまれている底部パッドが設けられることを特徴とする請求項8に記載の圧着装置。
【請求項12】
前記加圧ユニットの固定手段は、軸スリーブと枢支台を有する第1の位置決定ユニットを備ており、
前記軸スリーブには、前記加圧ロッドの枢支設置及び上下移動が可能な軸孔が設けられており、前記枢支台には前記軸スリーブが枢支される枢支孔が設けられると共に、前記枢支台の下方にフランジ台が設けられることを特徴とする請求項8に記載の圧着装置。
【請求項13】
請求項1~請求項7におけるいずれか一項に記載の圧着装置の制御方法の実行に用いられる圧着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置に関し、特に、上金型と下金型とを用いて加圧対象を押圧して接着させる圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のチップのパッケージング工程では、まず基板に放熱ゲルを塗布してからダイを基板に貼り付け、それからダイの上に更に放熱ゲルを塗布し、それからダイ及び基板を覆う放熱シートをその放熱ゲルに接着させる方法が採用されている。また、このような方法に用いられる放熱ゲルの替わりに、放熱効果を持つ放熱パッドを使用する方法も提案されているが、放熱パッドの上に放熱シートを接着する際には、該放熱シートを放熱パッドに圧着することによって、放熱パッドを覆う該放熱シートを基板に固定する。
【0003】
従来では、このような圧着が行われる際、上金型と下金型とを用いて放熱シートを放熱パッドに押圧して接着させるが、この際の押圧力は駆動装置の出力の不安定により変化しやすく制御が困難であるので、大量生産における圧着工程には、改善の余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾特許第I638421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は駆動装置の出力の不安定に対応して押圧力を適切に制御する圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、上下に駆動されることが可能な駆動ロッドを備える複数の駆動手段が設けられる固定台を有する駆動モジュール及び、前記駆動モジュールの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応し、上端のトップ部に負荷検知ユニットを有し且つ下端に加圧金型が配置される加圧ロッドを備える加圧ロッド手段を有する複数の加圧ユニットが設けられる金型台を有する圧着モジュールを用意するステップと、
前記駆動ロッドを駆動力によって下方へ移動させてまずは前記圧着モジュールにおける前記加圧ユニットにある前記負荷検知ユニットに駆動力を作用させ、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの加圧ロッドの下方にある加圧金型を駆動して加圧対象を加圧するステップと、を実行することを特徴とする圧着装置の制御方法を提供する。
【0007】
また、本発明は上下に移動可能な駆動ロッドを備える複数の駆動手段が設けられる固定台を有する駆動モジュールと、
前記駆動モジュールの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応する複数の加圧ユニットが設けられる金型台を有する圧着モジュールと、を備え、
前記圧着モジュールには、上端のトップ部に負荷検知ユニットが設けられ且つ下端に加圧金型が設けられる加圧ロッドを備える加圧ロッド手段が設けられており、該駆動ロッドによる下方へ移動する駆動力を、前記負荷検知ユニットに作用させ、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの前記加圧ロッドの下方にある前記加圧金型を駆動して加圧対象を加圧することを特徴とする圧着装置をも提供する。
【0008】
更に、本発明は上記圧着装置の制御方法の実行に用いられる圧着装置も提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記のように、本発明は駆動ロッドによる下方へ移動する駆動力を、まずは圧着モジュールにおける加圧ユニットの上方にある負荷検知ユニットで受けてから、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの加圧ロッドの下方にある加圧金型を駆動して加圧対象を加圧する構成になっているので、負荷検知ユニットの検知結果に応じて駆動モジュールによる出力を適切に、且つ即時に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る圧着装置の一部の構成が示される斜視図である。
図2】本発明に係る圧着装置の一部の構成が示される側面図である。
図3】本発明に係る圧着装置が有する一つの加圧ユニットの構成が示される斜視図である。
図4】本発明に係る圧着装置が有する一つの加圧ユニットの構成が示される側面図である。
図5】本発明に係る圧着装置が有する一つの加圧ユニットの構成が示される断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下は図1図5を参照して本発明の圧着装置の制御方法及び該制御方法の実行に用いられる圧着装置についてより詳細に説明する。
【0012】
この実施形態では、放熱シートを接着するプロセスに用いられる圧着装置を例として挙げて説明するが、本発明を実施する際は、上金型と下金型とを用いて加圧対象Eを押圧し、そして該加圧対象Eは半導体の製造プロセスにおいて基板の上にダイを乗せて放熱ゲルを塗布したもの、もしくは放熱パッドを接着してから更に放熱シートでカバーしたアセンブリである。
【0013】
図1図2に示されるように、該圧着装置は、上下に移動可能な駆動ロッドB1を下方に備える複数の駆動手段Bが設けられる固定台Aを有する駆動モジュールABと、前記駆動モジュールABの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応する複数のマトリックス状に配列された加圧ユニットDが設けられる四角形の金型台Cを有する圧着モジュールCDと、を備えたものである。
【0014】
該駆動モジュールABの2つの短辺に対応する場所には、互いに間を開けて配置される複数のローラーA1が設けられ、該圧着モジュールCDの2つの短辺に対応する場所に、互いに間を開けて配置される複数のローラーC1が設けられる。また、該駆動モジュールABの各駆動手段Bの該駆動ロッドB1のボトム端は、駆動されてない際において、それぞれその下方にある対応の該圧着モジュールCDにおける各該加圧ユニットDのトップ端と所定の距離dを維持する分離状態を成すようになっている。また、該圧着モジュールCDの該金型台Cの下方には、四角形の金型フレームC2が設けられている。
【0015】
図2に示されるように、各加圧ユニットDはいずれも同様な構造を有するので、以下ではその中の1つの加圧ユニットDを代表としてその構成について詳しく説明する。図3に示されるように、該加圧ユニットDには加圧ロッド手段D1と固定手段D2とが設けられており、そして該加圧ユニットDの上端のトップ部に負荷検知ユニットD3が設けられている。
【0016】
図3図5に示されるように、該加圧ロッド手段D1に加圧ロッドD11が設けられており、該加圧ロッドD11の上端トップ部に該負荷検知ユニットD3が設けられており、下端に加圧金型D12が設けられている。
【0017】
該加圧ロッドD11は中空の管状を呈し、且つ、管の中央にパイプD111が設けられている。該パイプD111の上端は該負荷検知ユニットD3の下端に位置し、該パイプD111の管壁D112から外部に連通する開口D113が開けられるように設けられている。該パイプD111の下端は該加圧ロッドD11の下端にある固定台D114により形成され且つ該固定台D114と該加圧金型D12との間に位置するチャンバーD115に連通しており、該管壁D112の該開口D113に相対する反対側に外部に連通する通気孔D116が設けられている。
【0018】
該負荷検知ユニットD3には、該加圧ロッドD11の上端トップ部をカバーするカバーD31が設けられている。該カバーD31の中にある負荷検知器D32の上端に加圧タッチング手段D33が該カバーD31の外に突起するように設けられており、該負荷検知器D32の下端に該加圧ロッドD11の該パイプD111の上端開口に嵌めこまれている底部パッドD34が設けられている。該駆動ロッドB1は下方へ移動する駆動力により駆動されてまず該圧着モジュールCDの中の該加圧ユニットDの上の該負荷検知ユニットD3に対して作用し、該駆動力は更に該負荷検知ユニットD3を間接的に経由して該加圧ユニットDの該加圧ロッドD11の下方にある該加圧金型D12を連動的に駆動して該加圧対象Eに対する押圧を実行する。
【0019】
該加圧金型D12は、耐圧力及び耐高温性を備える非金属の材質、例えばポリエーテルイミド(PEI)からなり、また温度センサーD121が設けられている。温度センサーD121は、該加圧金型D12が加圧対象Eを圧着する際、下金型Fの加熱から該加圧対象Eにより該加圧金型D12に伝熱される温度を感知する。また、該温度センサーD121は線状であり該加圧ロッドD11の該パイプD111を経由して該開口D113から外部まで延伸している。該温度センサーD121の周囲に位置するように、該加圧金型D12には複数の通気路D122が設けられ、各通気路D122は一端が該加圧ロッドD11の下端にある該固定台D114の該チャンバーD115に連通し、他の一端が該加圧金型D12の下方のエリアに連通している。この構成により、該加圧ロッドD11の該通気孔D116から入る気体はパイプD111を経由して該チャンバーD115に到達することが出来、更に該チャンバーD115から各該通気路D122に拡散して該加圧金型D12の下方にある加圧対象Eに対して吹きつけることが可能となり、これにより該加圧金型D12による圧着が完成した後に上昇させる際において、該加圧金型D12と加圧対象Eとの分離がしやすくなる。
【0020】
該固定手段D2には、該加圧ロッドD11の水平径方向における位置を維持しながら、該加圧ロッドD11の上下移動を提供する第1の位置決定ユニットD21が枢支されており、更に、該加圧ロッドD11の垂直方向における位置を維持する第2の位置決定ユニットD22が設けられている。
【0021】
該第1の位置決定ユニットD21には、軸スリーブD211と枢支台D212とが設けられている。該軸スリーブD211にはZ軸(垂直方向)に沿って延伸する軸孔D213が形成され、該軸孔D213内に挿入する加圧ロッドD11は該軸孔D213に沿って上下移動可能に該軸スリーブD211に枢支されている。また該軸スリーブD211の上端に円形の径方向の断面直径が該軸スリーブD211の外径より大きいフランジ部D214が設けられている。該枢支台D212には該軸スリーブD211が枢支できる枢支孔D215が設けられており、また該枢支台D212の下端に該枢支台D212の径方向から外へ延伸するフランジ台D216が設けられている。該フランジ台D216の径方向における幅は該枢支台D212の径方向における幅より大きい。
【0022】
該第2の位置決定ユニットD22には、第1の位置決定台D221及び第2の位置決定台D222が設けられている。該第1の位置決定台D221は該負荷検知ユニットD3の下方に隣接する位置にあり、且つ、一対の部材である第1の係合手段D2211及び第2の係合手段D2212が、径方向に向かい合って寄せられ合うように互いに螺合固定されることで該加圧ロッドD11を挟み込んで係合固定するように設けられている。
【0023】
ここで、該第1の係合手段D2211には該加圧ロッドD11における該通気孔D116に対応して連通する空気案内孔D2213が形成されており、且つ、該空気案内孔D2213から正圧気体を引き入れて該通気孔D116を経由して該加圧ロッドD11の該パイプD111に出力することが出来る。該第2の位置決定台D222は該第1の位置決定台D221の下方に位置し、且つ,互いに距離を置いて配置された一対の部材である第1のサポートフレームD2221と第2のサポートフレームD2222が、該加圧ロッドD11の外径の外側にある位置移動区間D2223の外側において互いに向かい合って径方向において該加圧ロッドD11を包囲するように配置されている。該第1のサポートフレームD2221の上端には該位置移動区間D2223の外周環状直径の一部を包囲するカーブ状区間D2224が形成されており、該第1のサポートフレームD2221の下端は該第1の位置決定ユニットD21の該枢支台D212の該フランジ台D216に固定されている。該第2のサポートフレームD2222の下端は該第1の位置決定ユニットD21の該枢支台D212の該フランジ台D216に固定され、且つ、上下に移動して上端から突起する軸ピンD2225が設けられている。第2の係合手段D2212の底部は該軸ピンD2225の上端面に固定されている。
【0024】
該第1の位置決定ユニットD21と該第2の位置決定ユニットD22との間には、スプリングにより構成されたスプリングユニットD23が設けられている。該スプリングユニットD23は下端が該第1の位置決定ユニットD21の該軸スリーブD211のフランジ部D214の上表面に当接し、上端が該第2の位置決定ユニットD22の該第1の係合手段D2211の下端縁に当接するよう、該加圧ロッドD11の外に取り付けられ、且つ、該位置移動区間D2223の中に配置されている。
【0025】
該加圧ロッドD11が該第2の位置決定ユニットD22の該第1の係合手段D2211及び該軸ピンD2225の上下移動に連動する際、該軸ピンD2225は該加圧ロッドD11の回転を阻止し、圧縮されるスプリングユニットD23の復帰力により該加圧ロッドD11を下に移動させる駆動力が打ち消されると、該第2の位置決定ユニットD22の該第1の係合手段D2211が上方へ移動するのに連動して、該加圧ロッドD11も上方へ移動して元の定位置に戻るようになる。
【0026】
該第1の位置決定ユニットD21の該軸スリーブD211の該フランジ部D214の両側には互いに平行するフランジ対応辺D217がそれぞれ形成され、該枢支台D212の両側の外径には互いに平行する外径対応辺D218がそれぞれ形成されている。該フランジ対応辺D217と該外径対応辺D218とは互いの位置が重なるように上下に対応している。該第2の位置決定ユニットD22の該第1の位置決定台D221及び該第2の位置決定台D222はそれぞれ対応して該フランジ対応辺D217と該外径対応辺D218とが重なる両側に対応して取り付けられることにより、該軸スリーブD211と該枢支台D212との相対回転を制限する。
【0027】
該固定手段D2は該第1の位置決定ユニットD21の該枢支台D212の該フランジ台D216で該金型台Cの上表面に凹設された円形の溝状の位置決定部C3に嵌めこまれ、且つ、略矩形の枠状である固定手段D4で該第2の位置決定ユニットD22の該第2の位置決定台D222及び該第1の位置決定ユニットD21の該軸スリーブD211外に取り付けられ、且つ、該金型台Cの上表面に螺合して固定されている。該固定手段D4は薄板状を呈し、内径が該枢支台D212の該フランジ台D216の外径より小さい中央開口のスリーブ孔D41が設けられることにより、該固定手段D4は該スリーブ孔D41の内周縁部分を同時にフランジ台D216の上表面に押し当てて該枢支台D212を該金型台Cの該位置決定部C3の中に制限するようになる。
【0028】
該位置決定部C3のボトム部C31に円形の中空の通過孔C32が設けられており、該ボトム部C31に環状の支持パッドD5が支持するように設けられており、該支持パッドD5の中央に位置決定部C3のボトム部C31の該通過孔C32に対応して略同じ大きさを有する中空孔D51が設けられ、該通過孔C32及び該中空孔D51は、該軸スリーブD211がその中に挿入できるように該第1の位置決定ユニットD21の該軸スリーブD211の外径より大きく形成されている。該加圧ロッドD11の下端にある該固定台D114及びそこに固定された該加圧金型D12は該金型台Cの下方にある金型フレームC2において仕切られる金型チャンバーC21内に収容されている。該金型チャンバーC21の下部は四角形を呈する開口C22が形成され、上部は該通過孔C32に連通する。該加圧金型D12は該加圧ロッドD11に連動して該金型チャンバーC21の中で上下移動できる。
【0029】
該固定手段D4の該スリーブ孔D41の口径は該軸スリーブD211の外径より広く、そして該固定手段D4の内周縁の4隅に4つの微調整区間D42がそれぞれ凹設されている。各該微調整区間D42の中には、棒ねじに形成された微調整手段D6が設けられている。該微調整手段D6は該第1の位置決定ユニットD21の該枢支台D212の該フランジ台D216の上表面に螺合するように設けられると共に、下方へ延伸する先端部が該支持パッドD5の上表面に当接するので、軸スリーブD211の反対する両側それぞれ配置されて該枢支台D212と螺合して挿通してそれぞれの先端が該支持パッドD5に当接する2つの該微調整手段D6の該枢支台D212に対する螺合の具合を調整することにより、該第1の位置決定ユニットD21が該第2の位置決定ユニットD22及び該加圧ロッドD11の下端にある該加圧金型D12を一側に傾けさせるように連動させることで、該加圧金型D12の底面の角度を調整することができる。また、該金型台Cはアルミニウム材料により作成されたので、鉄材の支持パッドD5を配置することにより、位置決定部C3の底部が微調整手段D6の当接により磨耗して故障する状況を回避できるが、本発明としては支持パッドD5は省略することもできる。
【0030】
この実施例において説明した圧着装置及びその制御方法は、該駆動モジュールABが該駆動ロッドB1により下方へ移動する駆動力を提供し、該圧着モジュールCDは該金型台Cで該加圧ユニットDを設置するので、該駆動ロッドB1が下方へ移動する駆動力を受ける際、まずは該圧着モジュールCDにおける該加圧ユニットDにある該負荷検知ユニットD3に対して作用してから、該駆動力は該負荷検知ユニットD3を経由して該加圧ユニットDの該加圧ロッドD11の下方にある該加圧金型D12で該加圧対象Eに対して間接的に加圧ので、該駆動モジュールABの該駆動ロッドB1からの駆動力は該負荷検知ユニットD3により先に検知されることで、該駆動力を制御することが可能となりこれにより製造プロセスの品質を高めることが出来る。
【0031】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
上下に駆動されることが可能な駆動ロッドを備える複数の駆動手段が設けられる固定台を有する駆動モジュール及び、前記駆動モジュールの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応し、上端のトップ部に負荷検知ユニットが設けられ且つ下端に加圧金型が設けられる加圧ロッドを備える加圧ロッド手段が設けられる複数の加圧ユニットが設けられる金型台を有する圧着モジュールを用意するステップと、
前記駆動ロッドを駆動力によって下方へ移動させてまずは前記圧着モジュールにおける前記加圧ユニットにある前記負荷検知ユニットに駆動力を作用させ、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの加圧ロッドの下方にある加圧金型を駆動して加圧対象を加圧するステップと、を実行することを特徴とする圧着装置の制御方法である。
第2の態様は、
温度センサーを用いて前記加圧金型の温度を検知することを特徴とする第1の態様における圧着装置の制御方法である。
第3の態様は、
前記加圧金型による圧着が完了し前記加圧金型を上昇させる際に、前記加圧金型の下方にある加圧対象に気体を吹き付けることにより前記加圧金型が前記加圧対象から分離しやすくすることを特徴とする第1の態様における圧着装置の制御方法である。
第4の態様は、
前記加圧ロッドは固定手段の第1の位置決定ユニットにより水平に保持されると共に、上下移動可能に枢支されることを特徴とする第1の態様における圧着装置の制御方法である。
第5の態様は、
前記加圧ロッドは固定手段の第2の位置決定ユニットにより垂直に保持されることを特徴とする第1の態様における圧着装置の制御方法である。
第6の態様は、
前記加圧ロッドが上下に移動する際は回転せず、そして前記加圧ロッドを下方へ移動させる駆動力を打ち消す復帰力を提供することで、前記加圧ロッドを上方へ移動させて元の定位置に戻すことを特徴とする第1の態様における圧着装置の制御方法である。
第7の態様は、
前記加圧ロッドを保持する前記第1の位置決定ユニットと螺合して且つ挿通する微調整手段の該第1の位置決定ユニットに対する螺合の具合を調整することにより、前記加圧ロッドの下方にある前記加圧金型の姿勢を調整することを特徴とする第4の態様にまたは第5の態様における圧着装置の制御方法である。
第8の態様は、
上下に移動可能な駆動ロッドを備える複数の駆動手段が設けられる固定台を有する駆動モジュールと、
前記駆動モジュールの下方に位置し、上方にある各前記駆動手段にそれぞれ対応する複数の加圧ユニットが設けられる金型台を有する圧着モジュールと、を備え、
前記加圧ユニットには、上端のトップ部に負荷検知ユニットが設けられ且つ下端に加圧金型が設けられる加圧ロッドを備える加圧ロッド手段が設けられており、該駆動ロッドによる下方へ移動する駆動力を、前記負荷検知ユニットに作用させ、該駆動力により前記負荷検知ユニットを経由して前記加圧ユニットの前記加圧ロッドの下方にある前記加圧金型を駆動して加圧対象を加圧することを特徴とする圧着装置である。
第9の態様は、
前記加圧ロッドには、外部に連通する開口が設けられるパイプが設けられており、線状に形成された温度センサーが前記加圧ロッドの前記パイプを経由して前記開口から外部まで延伸するように配置されることを特徴とする第8の態様における圧着装置である。
第10の態様は、
前記加圧ロッドにはパイプが設けられており、該パイプの管壁に外部と連通する通気孔が設けられ、前記加圧ロッドの下端にある固定台に形成された該固定台と該加圧金型の間にあるチャンバーに該パイプの下端が連通し、該加圧金型には、一端が前記チャンバーに連通し、他端が前記加圧金型の下方にあるエリアに連通する少なくとも1つの通気路が設けられることを特徴とする第8の態様における圧着装置である。
第11の態様は、
前記加圧ロッドにはパイプが設けられており、
前記負荷検知ユニットには前記加圧ロッドの上端のトップ部を覆うカバーが設けられ、該カバー内の前記負荷検知器の上端に、加圧タッチング手段が該カバーの外に突起するように設けられており、該負荷検知器の下端に前記加圧ロッドの前記パイプの上端開口に嵌めこまれている底部パッドが設けられることを特徴とする第8の態様における圧着装置である。
第12の態様は、
前記加圧ユニットには、軸スリーブと枢支台を有する第1の位置決定ユニットを備える固定手段が設けられており、
前記軸スリーブには、前記加圧ロッドの枢支設置及び上下移動が可能な軸孔が設けられており、前記枢支台には前記軸スリーブが枢支される枢支孔が設けられると共に、前記枢支台の下方にフランジ台が設けられることを特徴とする第8の態様における圧着装置である。
第13の態様は、
第1の態様~第7の態様のいずれか1つにおける圧着装置の制御方法の実行に用いられる圧着装置である。
【符号の説明】
【0032】
A 固定台
A1 ローラー
AB 駆動モジュール
B 駆動手段
B1 駆動ロッド
C 金型台
C1 ローラー
C2 金型フレーム
C3 位置決定部
C31 ボトム部
C32 中空の通過孔
CD 圧着モジュール
D 加圧ユニット
D1 加圧ロッド手段
D111 パイプ
D112 管壁
D113 開口
D114 固定台
D115 チャンバー
D116 通気孔
D11 加圧ロッド
D12 加圧金型
D121 温度センサー
D122 通気路
D2 固定手段
D21 第1の位置決定ユニット
D211 軸スリーブ
D212 枢支台
D213 軸孔
D214 フランジ部
D215 枢支孔
D216 フランジ台
D217 フランジ対応辺
D218 外径対応辺
D22 第2の位置決定ユニット
D221 第1の位置決定台
D2211 第1の係合手段
D2211 第1の係合手段
D2212 第2の係合手段
D2213 空気案内孔
D222 第2の位置決定台
D2221 第1のサポートフレーム
D2222 第2のサポートフレーム
D2223 位置移動区間
D2224 カーブ状区間
D2225 軸ピン
D23 スプリングユニット
D3 負荷検知ユニット
D31 カバー
D32 負荷検知器
D333 加圧タッチング手段
D34 底部パッド
D5 支持パッド
D51 中空孔
E 加圧対象
F 下金型
d 距離
図1
図2
図3
図4
図5