(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】携帯型の超音波撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20231011BHJP
A61B 8/14 20060101ALI20231011BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20231011BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20231011BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20231011BHJP
H04R 19/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
A61B8/00
A61B8/14
H04R17/00 332B
H04R1/00 330A
H04R1/02 330
H04R19/00 330
(21)【出願番号】P 2021556327
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020024509
(87)【国際公開番号】W WO2020198257
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-01-13
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520342725
【氏名又は名称】エコー イメージング,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ブリゼック,ヤヌシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルフォーズ,ジョン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】バウムガルトナー,チャールズ エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ターター,トーマス ステファン
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック,ダニエラ マリサ
(72)【発明者】
【氏名】エワニッヒ,ジェームズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】バーカムショー,ブライアン リー
(72)【発明者】
【氏名】アダム,ジョセフ マイケル
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-046512(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0071397(US,A1)
【文献】国際公開第2018/112042(WO,A1)
【文献】特表2008-535643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
H04R 17/00
H04R 1/00
H04R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型の超音波撮像装置用の超音波トランスデューサであって、当該超音波トランスデューサは、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを有するトランスデューサ素子を含み、
ここで、前記トランスデューサ素子は、トランスデューサタイルを形成する特定用途向け集積回路(ASIC)上に統合され、
前記超音波トランスデューサ素子を前記
特定用途向け集積回路(ASIC)から音響隔離するための空洞が構成され、当該空洞は前記トランスデューサ素子の下で形成され、
前記トランスデューサタイルは、トランスデューサ基板上にマウントされ、当該トランスデューサ基板は、ヒートシンク上にマウントされる、超音波トランスデューサ
において、
前記ヒートシンクは、前記トランスデューサタイルからの熱を除去し、多数の独立した電力接続を提供する導電層および絶縁層を交互に有する多層のヒートシンク構造を含む、
超音波トランスデューサ。
【請求項2】
携帯型の超音波撮像装置用の超音波トランスデューサであって、当該超音波トランスデューサは、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを有するトランスデューサ素子を含み、
ここで、前記トランスデューサ素子は、トランスデューサタイルを形成する特定用途向け集積回路(ASIC)上に統合され、
前記超音波トランスデューサ素子を前記特定用途向け集積回路(ASIC)から音響隔離するための空洞が構成され、当該空洞は前記トランスデューサ素子の下で形成され、
前記トランスデューサタイルは、トランスデューサ基板上にマウントされ、当該トランスデューサ基板は、ヒートシンク上にマウントされる、超音波トランスデューサにおいて、
衝撃中と振動中に信頼性を改善するために、前記ヒートシンクはフレックス保持を提供する、
超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記アレイは、複数のトランスデューサピクセルを
含む、請求項1
または2に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
前記アレイは、4096以上のトランスデューサピクセルを含む、請求項3に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項5】
前記空洞はガス、蒸気、液体、または真空を収容する、請求項1
~4のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項6】
前記トランスデューサ素子と前記
特定用途向け集積回路(ASIC)との間の統合は、トランスデューサチップとASICウェハーの間(C2W)、トランスデューサチップと
特定用途向け集積回路(ASIC)チップの間(C2C)、またはトランスデューサウェハーと
特定用途向け集積回路(ASIC)ウェハーの間(W2W)のフリップチップ/ダイレクトボンディングによって実施される
、
請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項7】
前記特定用途向け集積回路(ASIC)は、前記特定用途向け集積回路(ASIC)上の専用パッドへのワイヤボンドを介して、または直接、高密度プリント回路板(PCB)へのシリコン貫通ビア(TSV)を介して、外部信号処理エレクトロニクスへの接続を可能にするコネクターを含むモジュールへと統合される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項8】
前記トランスデューサタイルは、高音響減衰および高熱伝導音響吸収器を介して前記トランスデューサ基板上にマウントされる、請求項1
~7のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項9】
前記トランスデューサタイルは、多孔性金属発砲材料を介して前記トランスデューサ基板上にマウントされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項10】
前記多孔性金属発砲材料は、固体マトリックスで満たされる請求項9に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項11】
音響散乱を提供するために、前記固体マトリックスは、高音響インピーダンスの粉末および低音響インピーダンスの粉末の混合物を包含する、請求項10に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項12】
前記トランスデューサ基板は、外部信号処理エレクトロニクスへの接続を可能にする、1以上の高密度サブ50ミクロンのピッチフレックス回路に取付けられる、請求項1
~11のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項13】
オーバーモールド多層レンズをさらに含み、該オーバーモールド多層レンズは少なくとも第1の層および第2の層を含む複数の層を含み、前記第1の層は、前記トランスデューサ素子より高いかつ前記第2の層より低い音響インピーダンスを有し、前記第2の層は、前記第1の層より高いかつ画像処理ターゲットより低い音響インピーダンスを有
する、請求項1
~12のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項14】
前記オーバーモールド多層レンズは画像処理ビームを集束させるように構成される、請求項13に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項15】
前記複数の層は、超音波エネルギーの音響伝達を最大限にし、かつ低~高インピーダンス材料の効率を改善するために、ターゲットとされた波長または波長のセットの1/4の倍数の厚みを有する、請求項13または14に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項16】
前記第1の層はシリコンベース材料を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項17】
前記第2の層は、前記シリコンベース材料と、前記第2の層の前記音響インピーダンスを上昇させるために加えられたより高い密度材料とを含む、請求項16に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項18】
前記より高い密度材料は、非晶質の希土類添加酸化アルミニウムを含む、請求項17に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項19】
携帯型の超音波撮像装置であって、該超音波撮像装置は、
a)ケースと、
b)前記ケース内に配置され、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、または圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを有する超音波トランスデューサモジュールであって、該超音波トランスデューサモジュールは、第1のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第1の熱ゾーンと関連付けられる、超音波トランスデューサモジュールと、
c)前記ケース内に配置され、多層スタックへと統合された複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムであって、前記多層スタックは、第2のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第2の熱ゾーンと関連付けられる、複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムと、
d)前記第1の熱ゾーンから前記第2の熱ゾーンに熱を移動させるように構成された異方性熱伝導材料と、
e)過熱を制限するために、利用可能なユーザ電力を調節することによって、超音波トランスデューサモジュールの加熱を一時的な加熱範囲内に管理すべく、超音波手順を能動的にモニタリングするための論理回路と、
を含む、携帯型の超音波撮像装置。
【請求項20】
前記異方性熱伝導材料は8以上のヒートパイプを含むか、または、前記異方性熱伝導材料は、1以上のパイロリティックグラファイトシート(PGS)を含む、請求項
19に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項21】
携帯型の超音波撮像装置であって、該超音波撮像装置は、
a)ケースと、
b)前記ケース内に配置され、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、または圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを有する超音波トランスデューサモジュールであって、該超音波トランスデューサモジュールは、第1のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第1の熱ゾーンと関連付けられる、超音波トランスデューサモジュールと、
c)前記ケース内に配置され、多層スタックへと統合された複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムであって、前記多層スタックは、第2のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第2の熱ゾーンと関連付けられる、複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムと、
d)前記第1の熱ゾーンから前記第2の熱ゾーンに熱を移動させるように構成された異方性熱伝導材料と、
を含み、
ここで、前記携帯型の超音波撮像装置は、ピーク11Wおよび平均7Wでの電力消費により2D、3D、4D、ドップラー画像の1つ以上を生成するように構成される、携帯型の超音波撮像装置。
【請求項22】
携帯型の超音波撮像装置であって、該超音波撮像装置は、
a)ケースと、
b)前記ケース内に配置され、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、または圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを有する超音波トランスデューサモジュールであって、該超音波トランスデューサモジュールは、第1のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第1の熱ゾーンと関連付けられる、超音波トランスデューサモジュールと、
c)前記ケース内に配置され、多層スタックへと統合された複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムであって、前記多層スタックは、第2のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第2の熱ゾーンと関連付けられる、複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムと、
d)前記第1の熱ゾーンから前記第2の熱ゾーンに熱を移動させるように構成された異方性熱伝導材料と、
e)前記第1のヒートシンクと前記第2のヒートシンクとの間の熱的結合を減少させる異方性熱伝導材料と、を含む、携帯型の超音波撮像装置。
【請求項23】
前記第1のヒートシンクまたは前記第2のヒートシンクの1以上は、相変化材料
を含む、請求項
19~22のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項24】
前記相変化材料は、パラフィン、金属マトリックス、またはそれらの組み合わせを含む、請求項23に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項25】
前記第2のヒートシンクは、内部剛構造を提供する一次構造として作用する、請求項
19~24のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項26】
前記ケース内に配置される前記超音波トランスデューサモジュールを固定するように構成されたベゼルをさら
に含む、請求項
19~25のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項27】
力を均一にするためにスプリング構造を含むベゼル密閉構造をさらに含む、請求項26に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項28】
力を吸収し、かつ落下耐性を改善するために、超音波トランスデューサモジュールとケースとの間にコンプライアントジョイントをさらに含む、請求項
19~27のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項29】
前記多層スタックは、落下耐性を改善するために構造支持部を提供する、請求項
19~28のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項30】
前記ケースは、高熱伝導材料および低熱伝導材料を含む多材料ケースであり、ここで、前記多材料ケースは、熱を前記第1の熱ゾーンから前記第2の熱ゾーンに移動させることを促進す
ることを特徴とする、請求項
19~29のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項31】
前記ケースは、非破壊ケース・カット・ウィンドウを介してバッテリー交換アクセスを提供し、該ケース・カット・ウィンドウはバッテリー交換後に超音波圧接により再密閉され得ることを特徴とする、請求項19~30のいずれか一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項32】
前記ケースの内面は、内部熱源を前記ケースの外面からユーザグリップ点で選択的に絶縁する断熱材を含むことを特徴とする、請求項19~31のいずれか一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項33】
前記ケースの内面は、前記ケース内に配置されるエレクトロニクスのEMI遮蔽を提供する、薄膜金属化シールドを含むことを特徴とする、請求項19~32のいずれか一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項34】
前記ケースの外面は、疎水性材料を含むことを特徴とする、請求項19~33のいずれか一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項35】
取外し可能なオペレーターハンドルをさらに含
む、請求項
19~34のいずれか
一項に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【請求項36】
前記オペレーターハンドルは、個々のオペレーターの手に適合するようにカスタマイズされる、請求項35に記載の携帯型の超音波撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本PCT出願は、2019年3月25日の米国仮第62/823,452号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医療用イメージングは、医療診断および治療において救命ツールであるが、世界人口の約75%に未だに利用可能ではない。過去数十年間にわたって、様々なモダリティを使用する撮像装置は市場に出現した。最も一般的なものは、X線(XR)、コンピューター断層撮影(CT)、核磁気共鳴イメージング(MRI)および超音波である。高いコストおよび急こう配の学習曲線は、イメージングの一般への普及を妨げた。
【発明の概要】
【0003】
世界保健機関(WHO)は、世界の医療用イメージングの不足を超音波撮像装置の配備によって対処するように推奨する。The American Institute of Ultrasound in Medicine(AIUM)は、患者の診断のために有効なイメージングツールとして超音波の使用を主張する「超音波第1」というイニシアチブを作成した。ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、超音波撮像装置が利用可能(個人用通信)になれば、アフリカの乳児死亡(100万人/年)の99%を防ぐことができるだろうと推測する。
【0004】
各々の現在のイメージングモダリティは、異なる長所を有するが、超音波の利点は以下を含む:
【0005】
安全性:放射線およびイオン化がない;
【0006】
コスト:それは利用可能な医療用イメージングの最もコスト効率の良い形式のうちの1つである;
【0007】
ポータビリティ:患者のところへ持って行くことができる;
【0008】
速度:リアルタイムイメージング;
【0009】
イメージングの応用:広範囲のイメージング応用;
【0010】
治療上の応用:高密度焦点式超音波(HIFU)および低密度焦点式超音波(LIFU)などの広範囲の治療上の応用;
【0011】
診断応用:広範囲の新たな診断応用。
【0012】
超音波および補足的なイメージング技術の両方における進歩は、劇的に画質および分解能を上昇させ、撮像装置コストを低下させ、例えば、透過超音波および光との超音波融合によってフォームファクタ(ウェアラブル)を改善すること、それによって、近い将来にXR、MRI、およびCT撮像装置のより良い、低コストの置換物を作製することを予測される。これらのハードウェア進歩を人工知能(AI)および機械学習(ML)と結び付けることは、ポータブル超音波を使用することおよび解釈することをより簡単にして、斬新なイメージングの改革を起こす。
【0013】
低コストを高品質イメージングと組み合わせることは、以下を含む多数の課題をもたらす。
【0014】
1)低コスト高容量能力が、従来の超音波産業技術に対立するものとしてモバイル装置のために開発されたアセンブリアプローチの採用を要求する;
【0015】
2)高性能エレクトロニクスは、大きな電力を消費し、それによって携帯型の装置の温度を増加させ、したがって、高度な熱管理解決策が必要になる。
【0016】
本明細書に記載される主題は、以下の領域に含まれた革新を有して、多数の新しい設計によって両方の課題に取り組む:
【0017】
超音波トランスデューサを含むトランスデューサヘッドは、ASICに統合され、人体とインターフェースする;
【0018】
広帯域の周波数、例えば、1~12MHzにわたって身体における超音波ビームの集束を制御するトランスデューサの片側のレンズ;
【0019】
音響の再反射に減少させるトランスデューサの反対側の音響吸収器;
【0020】
プローブにおいてシステム統合を可能にする全体撮像装置アセンブリ;
【0021】
高性能イメージングを可能にする一方、プローブ温度の低下を可能にする熱管理。
【0022】
超音波検査者にはよくある負傷を減少させるカスタマイズ可能なプローブ形状。
【0023】
一態様では、本明細書に開示されるのは、携帯型の超音波撮像装置用の超音波トランスデューサであり、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを含むトランスデューサ素子を含む。いくつかの実施形態では、アレイは、少なくとも1つのトランスデューサピクセルを含む。さらなる実施形態では、アレイは、4096以上のトランスデューサピクセルを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサ素子は、特定用途向け集積回路(ASIC)上に統合され、トランスデューサタイルを形成する。さらなる実施形態では、超音波トランスデューサ素子のASICから音響隔離を提供するために、トランスデューサ素子の下で空洞が形成される。依然としてさらなる実施形態では、空洞はガス、蒸気、液体または真空を収容する。いくつかの実施形態では、トランスデューサ素子とASICとの間の統合は、トランスデューサチップ-対-ASICウェハー(C2W)、トランスデューサチップ-対-ASICチップ(C2C)、またはトランスデューサウェハー対ASICウェハー(W2W)のフリップチップ/ダイレクトボンディングによって実施される。いくつかの実施形態では、ASICモジュールは、ASIC上の専用パッドへのワイヤボンドを介して、または直接高密度プリント回路板(PCB)へのシリコーンビア(via)(TSV)を介して外部信号処理エレクトロニクスへの接続を可能にするコネクターを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサタイルはトランスデューサ基板上にマウントされる。さらなる実施形態では、トランスデューサタイルは、高音響減衰および高熱伝導音響吸収器によってトランスデューサ基板上にマウントされる。さらなる実施形態では、トランスデューサタイルは、多孔性金属発泡材料によってトランスデューサ基板上にマウントされる。依然としてさらなる実施形態では、多孔性金属発泡は、固体マトリックスで満たされ、およびここで、固体マトリックスは、音響散乱を提供するために高音響インピーダンスの粉末および低音響インピーダンスの粉末の混合物を随意に包含する。いくつかの実施形態では、トランスデューサ基板はヒートシンク上にマウントされる。さらなる実施形態では、ヒートシンクは、ともにトランスデューサタイルからの熱を除去し、多数の独立した電力接続を提供する交流導電層および絶縁層を有する多層のヒートシンク構造を含む。さらなる実施形態では、ヒートシンクは、衝撃中および振動中に信頼性を改善するためにフレックス保持を提供する。いくつかの実施形態では、トランスデューサ基板は、1以上の高密度サブ50ミクロンのピッチフレックス回路に取付けられ、外部信号処理エレクトロニクスへの接続を可能にする。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、オーバーモールド多層レンズをさらに含み、該オーバーモールド多層レンズは、少なくとも第1の層および第2の層を含む複数の層を含み、第1の層は、トランスデューサ素子より高いかつ第2の層より低い音響インピーダンスを有し、第2の層は、第1の層より高いかつイメージングターゲットより低い音響インピーダンスを有し、さらに、オーバーモールド多層レンズは、イメージングビームを集束させるように構成されてもよい。さらなる実施形態では、複数の層は、超音波エネルギーの音響伝達を最大限にし、かつ低~高インピーダンス材料の効率を改善するために、ターゲットとされた波長または波長のセットの1/4の倍数の厚みを有する。さらなる実施形態では、第1の層はシリコーンベース材料を含む。依然としてさらなる実施形態では、第2の層は、シリコーンベース材料、および第2の層の音響インピーダンスを上昇させるために加えられた、より高密度材料を含む。特定の実施形態では、より高い密度材料は、非晶質希土類添加酸化アルミニウムを含む。
【0024】
別の態様では、本明細書に開示されるのは、医療用超音波撮像装置であり、該医療用超音波撮像装置は、ケースと、ケース内に配置され、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、または圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)のアレイを含む超音波トランスデューサモジュールであり、超音波トランスデューサモジュールは第1のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第1の熱ゾーンと関連づけられる、超音波トランスデューサモジュールと、ケース内に配置され、多層スタックへと統合された複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムであり、多層スタックは、第2のヒートシンクと接触状態にあり、かつ第2の熱ゾーンと関連付けられる、複数の受信器サブシステムおよび送信器サブシステムと、第1の熱ゾーンから第2の熱ゾーンに熱を移動させるように構成された異方性熱伝導材料と、を含む。いくつかの実施形態では、異方性熱伝導材料は1以上のヒートパイプを含む。いくつかの実施形態では、異方性熱伝導材料は1以上のパイロリティックグラファイトシート(PGS)を含む。いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、ピーク11Wおよび平均7Wでの電力消費により2D、3D、4D、ドップラー画像の1つ以上を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとの間の熱的結合を減少する異方性熱伝導材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のヒートシンクは相変化材料を含む。さらなる実施形態では、相変化材料はパラフィン、金属マトリックス、またはその組合せを含む。いくつかの実施形態では、第2のヒートシンクは相変化材料を含む。さらなる実施形態では、相変化材料はパラフィン、金属マトリックスまたはその組合せを含む。いくつかの実施形態では、第2のヒートシンクは剛構造を提供する一次構造として作用する。いくつかの実施形態では、ケースは、高熱伝導材料および低熱伝導材料を含む多材料ケースであって、ここで、多材料ケースは第1の熱ゾーンから第の熱ゾーンへの熱伝達を促進する。いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、超音波手順を能動的にモニタリングして利用可能なユーザ電力を調節することにより超音波トランスデューサモジュールの加熱を一時的な加熱範囲内に管理して、過熱を制限するための論理回路をさらに含む。いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、ケース内に配置される超音波トランスデューサモジュールを固定するために構成されたベゼルをさらに含む。さらなる実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、力を均一にするためにスプリング構造を含むベゼル密閉構造をさらに含む。いくつかの実施形態では、 携帯型の超音波撮像装置は、力を吸収し、かつ落下耐性を改善するために、超音波トランスデューサモジュールとケースとの間にコンプライアントジョイントをさらに含む。いくつかの実施形態では、多層スタックは、落下耐性を改善するために構造支持を提供する。いくつかの実施形態では、ケースは、非破壊ケース・カット・ウィンドウを介してバッテリー交換アクセスを提供し、該ケース・カット・ウィンドウはバッテリー交換後に超音波圧接により再密閉され得る。いくつかの実施形態では、ケースの内面は、内部熱源をケースの外面からユーザグリップ点で選択的に絶縁する断熱材を含む。いくつかの実施形態では、ケースの内部の表面は、ケース内に配置されるエレクトロニクスのEMI遮蔽を提供する、薄膜金属化シールドを含む。いくつかの実施形態では、ケースの外面は疎水性材料を含む。いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、取外し可能なオペレーターハンドルをさらに含む。さらなる実施形態では、オペレーターハンドルは、個々のオペレーターの手に適合するようにカスタマイズされる。
【0025】
別の態様では、本明細書に超音波トランスデューサアセンブリが開示され、音響整合層、マイクロマシン超音波トランスデューサおよび中間層を含む。いくつかの実施形態では、音響整合層は第1のコンプライアンスを有する。いくつかの実施形態では、音響整合層は対象の皮膚に対して置かれるように構成される。いくつかの実施形態では、マイクロマシン超音波トランスデューサは、第2のコンプライアンスを有する。いくつかの実施形態では、中間レンズは、音響整合層とマイクロマシン超音波トランスデューサとの間にある。いくつかの実施形態では、中間レンズは、第1と第2のコンプライアンスより大きなコンプライアンスを有する第1の材料を含む。さらなる実施形態では、第1の材料は、100メガパスカル(MPa)未満のヤング率を有する。さらなる実施形態では、第1の材料は、第1の複数のミクロンサイズ粒子、および第2の複数のナノサイズの粒子を含む。
【0026】
さらなる実施形態では、第1の材料はエラストマー材料を含む。さらなる実施形態では、第1の材料はPDMS型シリコーンを含む。さらなる実施形態では、第1の材料は、Sylgard 182、RTV 615、RTV 630、Med-6016、および/またはMed-6755の1つまたはその組合せを含む。さらなる実施形態では、中間レンズは、第1の材料の音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、マイクロマシン超音波トランスデューサは、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)である。いくつかの実施形態では、マイクロマシン超音波トランスデューサは、圧電マイクロマシン超音波マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本主題の特徴および利点のよりよい理解は、例示となる実施形態を示す以下の詳細な説明と添付図面を参照することで得られるであろう。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る、超音波トランスデューサヘッドアセンブリの立体分解図の非限定的な例を示す。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る、ヒートシンクアセンブリの立体分解斜視図の非限定的な例を示す。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る、基板へのワイヤボンド接続を含む超音波トランスデューサモジュールの非限定的な例の斜視図を示す。
【
図4A】
図4Aは、本開示の実施形態に係る、フレックス回路、およびフレックス保持特性を備えたヒートシンクを含む超音波トランスデューサモジュールの非限定的な例の斜視図を示す。
【
図4B】
図4Bは、本開示の実施形態に係る、フレックス回路、およびフレックス保持特性を備えたヒートシンクを含む超音波トランスデューサモジュールの非限定的な例の斜視図を示す。
【
図4C】
図4Cは、本開示の実施形態に係る、フレックス回路、およびフレックス保持特性を備えたヒートシンクを含む超音波トランスデューサモジュールの非限定的な例の側面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る、多層レンズを含む超音波トランスデューサモジュールの概略図の第1の非限定的な例の側断面図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本開示の実施形態に係る、多層レンズを含む超音波トランスデューサモジュールの概略図の第2の非限定的な例の側断面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示の実施形態に係る、多層レンズを含む超音波トランスデューサモジュールの概略図の第2の非限定的な例の側断面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態に係る、空気空洞を含む超音波トランスデューサモジュールの概略図の非限定的な例の側断面図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に係る、金属発泡吸収器を含む超音波トランスデューサモジュールの概略図の非限定的な例の側断面図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態に係る携帯型の超音波撮像装置アセンブリの立体分解図の非限定的な例を示す。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態に係る、ベゼルおよびベゼル密閉構造を含む超音波トランスデューサアセンブリの非限定的な例の斜視図を示す。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態に係る、ベゼルおよび保持スプリングを含む超音波トランスデューサアセンブリの立体分解図の非限定的な例を示す。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態に係る、ベゼルおよび保持スプリングを含む超音波トランスデューサアセンブリの非限定的な例の側断面図を示す。
【
図13】
図13は、本開示の実施形態に係る、衝撃吸収ケースインターフェースを含む携帯型の超音波撮像装置のためのケースおよびベゼルの立体分解斜視図の非限定的な例を示す。
【
図14】
図14は、本開示の実施形態に係る、ケースとベゼルの間の衝撃吸収ケースインターフェースを含む携帯型の超音波撮像装置のためのケース(プローブ本体)およびベゼルの拡大組立図の非限定的な例を示す。
【
図15】
図15は、本開示の実施形態に係る、方向付けられた熱流を有する個別の熱ゾーンを含む携帯型の超音波撮像装置の概略的な断面図の非限定的な例を示す。
【
図16】
図16は、本開示の実施形態に係る、それぞれが個別の熱ゾーンと関連付けられた二重ヒートシンクを含む携帯型の超音波撮像装置の概略的な断面図の非限定的な例を示す。
【
図17】
図17は、本開示の実施形態に係る、それぞれが個別の熱ゾーンと関連付けられた二重ヒートシンクを含む携帯型の超音波撮像装置の概略的な立体分解図の非限定的な例を示す。
【
図18】
図18は、本開示の実施形態に係る、熱流を方向付けるために使用される熱材料を含む携帯型の超音波撮像装置の概略的な断面図の非限定的な例を示す。
【
図19】
図19は、本開示の実施形態に係る、カスタマイズ可能なオペレーターハンドルを含む携帯型の超音波撮像装置の概略的な立体分解図の非限定的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
特定の定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される専門用語のすべては、本発明の技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同一の意味である。本明細書および添付の請求項の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明白に示していない限り、同様に複数形を含む。別段の主張がない限り、本明細書で「または」の任意の言及は「および/または」を包含するように意図される。
【0030】
超音波トランスデューサ
いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は超音波トランスデューサモジュールを含む。さらなる実施形態では、超音波トランスデューサモジュールはトランスデューサ素子を含む。依然としてさらなる実施形態では、トランスデューサ素子は、多数の適切な方法のうちの1つによってトランスデューサタイルを形成するために、電子回路上に統合される。特定の実施形態では、超音波トランスデューサモジュールは、音響および/または熱エネルギー伝達を減衰させる、衝撃および/または振動を減衰させる、またフレックス保持を提供するための特性を含む。
【0031】
図1を参照して、特定の実施形態では、超音波トランスデューサモジュールは、携帯型の超音波撮像装置のサブセットである。この実施形態では、超音波トランスデューサモジュールは、イメージング・プローブ・モジュールと患者の身体との間で相互作用する。トランスデューサ素子(1)は、複数の容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、または圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)を適切に含む。さらに、この実施形態では、トランスデューサタイルは、高音響減衰および高熱伝導音響吸収器(5)を介してトランスデューサ基板上にマウントされる。
【0032】
図5を参照して、特定の実施形態では、トランスデューサ素子(1)は、電子回路(ASIC)(2)上に統合され、トランスデューサタイルを形成する。この実施形態では、トランスデューサとASICとの間の相互接続は、トランスデューサチップ-対-ASICウェハー(C2W)、トランスデューサチップ-対-ASICチップ(C2C)、またはトランスデューサウェハー対ASICウェハー(W2W)のフリップチップ/ダイレクトボンディングを非限定的な例として含む適切な方法によって実施される。さらに、この実施形態では、空気空洞(10)が、トランスデューサのASICからの音響隔離を提供するためにトランスデューサダイの周囲のまわりの施行されるダム(9)を使用して、トランスデューサ(1)の下で形成される。ASIC対トランスデューサ相互接続構造は、相互接続構造の形状、寸法および材料の調節によってトランスデューサ構造の特定の機械的ダンピング、または周波数の同調を提供するために利用され得る。
【0033】
図2を参照して、特定の実施形態では、電気的絶縁層(例えば、誘電材料(210)、第1の電圧供給に接続される熱導電体(220)、グラウンドまたはGND接続に接続される熱導電体(221)(第1と第2の電圧供給の基準電圧および電流のリターン経路)、および第2の電圧供給に取付けられる基準伝導体(222))を含む熱導電層)を備えた多層ヒートシンク構造(8)は、タイルからの熱の削除、およびシステムへの電力接続を提供する。この実施形態では、トランスデューサ基板は、衝撃中と振動中にシステム信頼性を改善するためにフレックス保持特性を提供するヒートシンク(8)にマウントされる、
図1、2および4を参照.
【0034】
図3を参照して、特定の実施形態では、ASICは、ASIC上の専用パッドへのワイヤボンド(6)を介して、または直接高密度PCBへのシリコーンビアを介して外部エレクトロニクスに接続する。本明細書に記載される設計および製作の利点は、さらなる組み立て、および携帯型の超音波撮像装置中への統合の前に完全にトランスデューサタイルをテストすることができるということである。
【0035】
図4A-
図4Cを参照して、センサーおよびPCB(420)に連結されたフレックス回路(410)、およびフレックス保持特性、例えば、すきまノッチ(440)を備えたヒートシンク(430)を含む超音波トランスデューサモジュールの非限定的な例が示される。特定の実施形態では、トランスデューサ基板は、1以上の高密度フレックス回路(410)に取付けられ、信号処理エレクトロニクスとの接続を可能にする。1つの実施形態では、多層フレックス(410)は、局在の電源管理を改善するためにインダクタおよび他の構成部分を含み得る。別の実施形態では、フレックスは、トランスデューサ帯域幅を改善するためにインダクタおよび他の構成部分を含んでもよい。
【0036】
レンズ
超音波トランスデューサは、典型的に、およそ1.5MRaylの典型的なインピーダンスを有する、生命体、例えば、人体と相互作用する。cMUTおよびpMUTは、典型的に1.5MRayl未満のインピーダンスを有する。超音波トランスデューサからの電力を生命体へと効率的に連結するために、1以上の音響インピーダンス整合層は有益である。さらに、超音波トランスデューサは、その音響エネルギーを身体の特定の深さで集束させる必要があるかもしれない。多素子の(例えば、アレイ)超音波トランスデューサについては、すべての素子のビームを身体の特定の深さで集束させる必要があり得る。本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置および超音波トランスデューサに、いくつかの実施形態では、これらの機能、および他のものは超音波トランスデューサの表面上で組立てられたレンズによって実行される。これらの機能の実行におけるさらなる課題は、狭い周波数範囲、例えば、1-5MHzに対立するものとして広い周波数範囲、例えば、1-12MHz、にわたって作動する必要によって生み出される。
【0037】
図6aを参照して、特定の実施形態では、トランスデューサモジュールは、選択されたインピーダンスおよび音速の多数の層(
図6aの層1および層2)を含むレンズ(12)で覆いかぶされ、イメージング対象と音響整合を形成し、イメージングビームを集束させる。この実施形態では、層1はレンズを形成する一方、層2は整合層を形成し、本質的なレンズ効果を提供しない。層1および層2のインピーダンスは、一方から他方まで徐々に増加し、または減少してトランスデューサと生命体のインピーダンスの間にあるように選ばれる。例えば、cMUTまたはpMUTが生命体と比較して、低インピーダンスである典型的な場合、層1は、トランスデューサより高いインピーダンスを有しており、層2は、層1より大きいが、生命体のインピーダンスより低いインピーダンスを有するであろう。随意に、この実施形態では、層2は、超音波の音響伝達を最大限にするために1/4の標的とされた波長の倍数の厚みを有してもよく、および特に標的とされた波長で、広帯域のトランスデューサの低~高インピーダンス材料の効率を改善する。さらに、トランスデューサのイメージング周波数は、層2の1/4波長厚みがすべてのイメージング周波数に適切であるのように、1つの周波数の奇数の整数の倍数であるように選ばれてもよい。例えば、そのような周波数セットは、以下のとおりであり得る:1.8MHz、5.4MHz、9.0MHz、12.6MHzなど。代替的に、厚みは、すべてのイメージング周波数で1/4波長の奇数の倍数(1/4、3/4、5/4、7/4など)に選ばれ得た。
【0038】
別の実施形態では、トランスデューサモジュールは、単一層のレンズ(
図6aのように、層1のみを備え、および層2がない)を有し得た。このレンズは、レンズと整合層の両方として機能するであろう。
【0039】
図6aで詳述される実施形態では、層1および層2のコンプライアンスは、それらが存在するcMUTおよび/またはpMUTより一般的に高い。さらに、層2は、頻繁かつ長期間の生命体との接触、落下からの偶然の衝撃、および洗浄液を含む多くの化学薬品にさらされることを含む世界にさらされるので、耐摩耗性があるように設計されている。その結果、そのような摩耗から保護するために、外層は頻繁に層1より低いコンプライアンスになるでああろう。いくつかの実施形態では、層1のヤング率は、0.1~100MPaの間であり、層2は、層1より堅く、例えば、0.1~100MPaの間のヤング率を有してもよく、および層2の上の追加の層は、例えば、0.1~100MPaの間のヤング率を有してさらに堅くなってもよい。
【0040】
図6aの基礎的な実施形態は、
図6bで示されるように、例えば、層3がn-2に、層n-1、また層n、複数の層に拡張され得る。各々の層は、その厚みがトランスデューサの音響出力を焦点に合わせるまたは焦点をぼかすために表面をわたって可変である(例えば、
図6bの層1および層n-1によって描かれるように、球状または円柱形状を有する)場合に、レンズおよび整合層の役割を果たすことができる。層は本質的に1つの厚み(層2および層nのように)になると、その層は主にインピーダンス整合機能(レンズ機能に対立するものとして)を提供する。各々の層は、LCP(液晶ポリマー)、アルミナビーズ、タングステンビーズ、真空ナノビーズなどのナノサイズの粒子を随意に包含し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、覆いかぶされた多層レンズは、第1の層が、pMUTのまわりでダムを作製し、そのダムをシリコーンベース材料で満たすことによって形成されるプロセスによって生成される。さらなる実施形態では、層は、ワイヤボンドおよびpMUTを保護するだけでなく、低インピーダンスpMUTに近いインピーダンス(例えば、約1MRayl)を有する平面層として形成される。レンズは、トランスデューサに構造安定性を提供し、かつレンズ材料が構造の構成に分配されることを可能にする組立式構造を使用して、組立てられ得る。構造寸法は、レンズ厚みを設定するために選ばれ、および充填材料は、レンズと構造材料間の表面張力における変動の使用によってレンズの形作りを提供するために選択され得る。その後、この第1のレンズ構造は、第2のレンズ構造および形状を提供するためにキャストに覆いかぶされ得る。
【0042】
さらなる実施形態では、追加の層は平面層に付着させられ、人体のインピーダンスに対して段階的に増加するインピーダンスを有するために選ばれ、広範囲の周波数および焦点深度にわたって遷移を最大限にするために形作られる。覆いかぶされる方法は、医療用イメージングの世界的な需要に対応するためにコストを低減し、大量生産を促進する。アレイ中の隣接するトランスデューサを音響エネルギーの送信から単離させるために、レンズ成形過程がトランスデューサ組立てプロセス中に形成されるトランスデューサ間の音響隔離チャンネルを満たすために使用され得る。
【0043】
再び
図6aおよび
図6bを参照すると、特定の実施形態では、覆いかぶされた多層レンズ(12)は、低インピーダンスpMUTから人体のより高いインピーダンスまで段切するインピーダンスを有する。さらなる実施形態では、第1の層はシリコーンベース材料を含むが、第2の、第3などの層は、同じシリコーンベース材料とともに人体インピーダンスに近いインピーダンスを上げるために添加される1以上のより高い密度材料を含む第2、第3などの材料を使用する。特定の実施形態では、より高い密度材料は、無定形構造を有する希土類添加酸化アルミニウムを含み、その結果として、2つの材料の構造が類似するためより少ない散乱が起こる。さらに、材料の幾何学的な構造は、球状かつグラス様であり、それにより凝塊が減少され、従って、超音波エネルギーの散乱の結果として起こる減衰損失が減少される。
【0044】
音響管理
一般的に、超音波トランスデューサは、エネルギーを、患者の身体に対して前方、およびパッケージに対して後方の2つの方向に放射する。患者の画像は、前方に対する放射するエネルギーからの超音波反射から形成される。強い後方反射が存在する場合、それらは患者の画像をゆがめる。本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置および超音波トランスデューサモジュールは、後方反射を減少させる多数の特性に1以上を随意に含む。
【0045】
図7を参照して、1つの実施形態では、空気空洞の音響ミラー(15)または真空構造(15)は、均一の音響反射を提供するためにトランスデューサタイル(22)の下で組立てられ、患者の画像をゆがめる後方反射を減少させる。
【0046】
図7を参照し続けて、さらなる実施形態では、基板結合内の中央の大気空洞または真空空洞を備えた高熱伝導基板(21)は、大気または真空空洞が音響エネルギーをほとんど送信しないか全くしない一方、熱が基板(21)の上部、下部および端を通して大気または真空空洞の周囲のまわりで送信され得るように、トランスデューサタイル(22)とヒートシンク(
図7に示されない)との間で位置する。いくつかの実施形態では、高熱伝導基板(21)は、ダイ付属フィルムDAFの間に挟まれてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、後方反射の減少は、ASICの背面上のエッチングされたポケットによって達成される。さらなる実施形態では、ASICは音響トランスデューサの下で位置し、ここで、ASICの前面はトランスデューサに対してマウントし、ASICの背面は音響吸収材料を包含してもよいヒートシンクに対してマウントする。依然としてさらなる実施形態では、ASICの背面は、ASICからヒートシンクまでの音響エネルギー伝播を減少するためにASICとヒートシンクとの間の空気空洞を作るために表面にエッチングされたポケットを含む。PMUT背面上のコーティングは、さらに異なる密度材料の多層上で作られた音響吸収を提供するためにも組立てられ得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、後方反射の減少は、ASICの背面上のエッチングされたポケットに加えて音響吸収器中のポケットによって達成される。さらなる実施形態では、ASICは音響トランスデューサの下で位置し、ここで、ASICの前面はトランスデューサに対してマウントし、ASICの背面は音響吸収材料を包含するヒートシンクに対してマウントする。依然としてさらなる実施形態では、ASICとヒートシンクとの間の空気空洞を作るために、ASICの背面は表面にエッチングされたポケットを有し、およびヒートシンクは音響吸収材料を包含するポケットで構築される。そのような実施形態では、2つの構造は、音響吸収材料のポケット間のリブがASIC内にエッチングされた空洞と重ね合わせられるように整列される。目的は、ASICから音響吸収器のバックへの熱伝達を改善する一方、これらの基板間の音響エネルギーの移行を減少することである。
【0049】
図8を参照して、特定の実施形態では、トランスデューサタイル(22)は、高熱伝導性を示す一方、音響吸収器として機能する低密度材料および高密度材料を統合する金属発泡構造(24)を介してPCB(23)にマウントされる。この実施形態では、多孔性金属発泡(18)は、ASICからの熱が、ASICの後ろに位置するヒートシンクへ通過することを可能にする熱伝導経路のために提供するために、音響トランスデューサの後ろに置かれる。さらに、この実施形態では、多孔性金属発泡は、エポキシ樹脂またはポリウレタンまたはシリコーンなどの固体マトリックス(19)で満たされ、およびマトリックスは、随意に音響散乱を備えるために高音響インピーダンスおよび低音響インピーダンスの粉末の両方の混合物を包含する。
【0050】
図8を参照し続けて、さらなる実施形態では、音響吸収器(23)は、トランスデューサタイル(22)とPCB(23)との間のCTEミスマッチのインパクトを減少する。この実施形態では、ASICとPCBとの間のCTEミスマッチは、中間のCTEを有する音響吸収器の選択によって解決され、その結果として、音響吸収器が、ASICからPCBまで移行する音響エネルギーを削減するために機能するだけでなく、インターフェースでの熱応力を低下する役割を果たす。吸収器は、トランスデューサの曲率を特定のターゲットに対して管理するために、応力を特定のレベルに合わせるようにCTEを提供するために考案され得る。
【0051】
図7および
図8を参照して、さらなる実施形態では、高音響インピーダンスの音響材料(24)は、音響反射器を形成してASIC(2)とPCB(23)との間で置かれる(
図7および
図20)。この実施形態では、ASICを通過する音響エネルギーは、反射器とASICとの間のインターフェースでのインピーダンス不整合により患者の方へ強く再反射される。高インピーダンス材料の候補は、タングステンおよび炭化タングステンを含むが、それらに限定されない。音響反射器(20)は、単独で音響吸収器(24)の位置で使用されてもよく(
図8)、または音響吸収器との連結で使用されてもよい。
【0052】
携帯型の超音波撮像装置
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置は、トランスデューサモジュールで患者の身体をスキャンすること、および画像を表示および後処理のためにスマートフォンなどのモバイル・コンピューティング・デバイスに送信して、プローブ中のトランスデューサ信号から画像再構成を可能にする。高画質の2D/3D/4D/ドップラー画像を生成するために、トランスデューサモジュールは、多数のトランスデューサピクセル(例えば、4096)、および送受信チャンネル(例えば、128)を含まないといけない。そのような実施形態では、多数のチャンネルは電力消費を増加させ、それによってプローブ温度が上昇する。さらに、3D/4D/ドップラー画像の処理は、処理パワー要求をさらに増加させる。米国FDAは、患者の身体に接触する表面温度を42°Cに、およびオペレーターハンドルと接触する表面温度を48°Cに制限する。レガシー携帯型の2D撮像装置は2W未満を消費する。レガシー3D/4D/ドプラ超音波撮像装置は、1000Wのレベルの電力を消費する。FDAの温度要求を満たすために、本明細書に記載される2D/3D/4D/ドップラーの携帯型の超音波撮像装置は、いくつかの実施形態では、平均電力消費を10W未満に低下させるために高度なエレクトロニクスを使用し、およびいくつかの実施形態では、装置温度を前記温度限界で維持するために高度な熱管理およびパッケージングは使用する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置は、約6W~約7Wの平均最大電力を消費する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置は、約10Wのピーク電力を消費する。
【0053】
図9を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、箱形状(25)を有し、後方のUSB-Cポートを介してアクセスされる単一のファスナーを介してともに結び付けられる多材料ケース(28)を含む。この実施形態では、内部ヒートシンク構造(27)は、より薄いケース設計を可能にする内部の剛構造を提供するために、プローブの一次構造の役割を果たす。この実施形態では、受信器および送信器のサブシステムの多層スタックは、落下耐性を改善するために構造サポートを提供する多層スタック(26)へ統合されている。ケース(28)の設計は、いくつかの実施形態では、ケース内でグリップ点と外部ケースとの間の絶縁によって内部熱源をケースの表面からユーザグリップ点で選択的に絶縁する。ケース(28)の形状は、いくつかの実施形態では、ケースネックサイズを最小化することおよびユーザによって患者に力を与える際中にニュートラル・ポジションから手首偏向を制限するためにグリップ点を配置することによって反復的負傷を減少させる。
【0054】
図10-
図12を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、ベゼル密閉構造(30)を含み、該構造は、スプリング構造または保持スプリング(1110)で統一力を提供し、保持スプリングはスプリング力(1210)をベゼル密閉構造(30)に適用し、それは、反応してヒートシンク/センサー・モジュール・アセンブリー上に垂直力を適用する。
【0055】
図13および
図14を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、信頼性を改善する落下試験中に力を吸収するためにセンサー・モジュール・アセンブリー(1310)と主要プローブ(1410)の本体との間にコンプライアントジョイント(31)と(32)の設計を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、ケースは、内部エレクトロニクスのEMI保護を提供する内部ケース表面上で薄膜金属化シールド構造を含む。いくつかの実施形態では、ケースは疎水性の表面を含む。いくつかの実施形態では、ケースは、非破壊ケース・カット・ウィンドウを介してバッテリー交換アクセスを提供し、該ケース・カット・ウィンドウはバッテリー交換後に超音波圧接により再密閉され得る。
【0057】
熱管理
携帯型の超音波撮像装置は、患者に触れる表面上で42°Cに、およびオペレーターが使用するハンドル上で48°Cに米国FDAによって定められた最大の安全温度限界に直面する。簡単に言えば、より高い画質は、エレクトロニクスの電力消費の増加を要求し、それによってプローブ温度が上昇する。本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置は、様々な実施形態では、ポータブル、携帯型のフォームファクタにおいてよりよい画質を可能にする温度を減少させる多数の新技術を展開させる。
【0058】
図15を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、個別の熱ゾーン(33)間で方向付けられた熱流を利用する。
【0059】
図16および
図17を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、分離されたヒートシンクを備えた2つの分離された熱ゾーンを含む。この実施形態では、熱ゾーン1(34)は、トランスデューサヘッド回路アセンブリを含む。および、この実施形態では、熱ゾーン2(35)は、システムエレクトロニクスを含む。ヒートシンク1(36)は、熱ゾーン1(34)だけの構成部分に取付けられている。ヒートシンク2(37)は、熱ゾーン2(35)だけの構成部分に取付けられている。熱ゾーン1および熱ゾーン2は、いずれかの高熱伝導リンクを熱ゾーン1(34)から熱ゾーン2(35)に分断することによって単離される。機械的サポートは、BODY1(38)において低熱伝導材料から作られる一方、熱は、熱ゾーン1から高熱伝導のBODY2(39)に異方性熱伝導率(40)を有する高熱伝導材料によって導かれる。片方の方向の熱流は強化される一方、他方の方向の熱流は抑えられる。これによって、熱は、熱ゾーン2(35)へおよび熱ゾーン2(35)からの結合が制限されている一方、広く利用可能な材料を使用して、効率的方法で熱ゾーン1(34)から導かれ得る。熱は、異方性材料を通って特定の方向に移動され得、熱ゾーンの離散を可能にする。
【0060】
図18を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、熱を半導体チップから分散させるためにチップ(41)とシステムボード(42)との間に接合された(かつ接着剤(1810)とともに連結された)異方性熱伝導材料(40)を含み、ヒートシンク1(36)とヒートシンク2(37)との間の熱結合を縮小する。いくつかの実施形態では、異方性熱伝導材料(40)は、パイロリティックグラファイトシート(PGS)、ヒートパイプまたはその組合せを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、一時的な熱管理のために相変化材料を含む。さらなる実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、潜熱現象の使用によってトランスデューサヘッドの一時的な伝熱機能を拡張させる相変化材料が埋め込まれたヒートシンクを含む。ヒートシンクは、~40°Cの融解温度を有する未溶融材料の貯蔵器のため、固体の銅またはアルミニウムより長い時定数を提供する。ヒートシンク中の相変化材料の容量は、ヒートシンクベースの近くのインターフェースの一時的挙動を決定する。さらなる実施形態では、適切な相変化材料は、様々な融点温度に構成され得るパラフィン(ワックス)、およびビスマス、インジウム、および低融解温度を有するその他の材料などの金属マトリックスを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、音響吸収器および熱管理溶液の組合せを含む。さらなる実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、蒸気室または平面ヒートパイプなどの潜熱現象を使用する伝熱装置を含む。機器は、特定の温度で蒸気/凝結を促進するために、壁面の「芯」構造を備えた銅の外部ハウジングを随意に含む。機器は、対象温度で沸騰を生成するために必要な、ある大気圧で少量の液体を保持するために密封した内部の容積を有する。アセンブリ内在するのは、内部エアギャップであり、それは衝突する音波を反射するまたは減衰するために使用されてもよい。エアギャップの包含は、場合によっては、アセンブリの音響特質の鍵になる。そのような実施形態では、蒸気屋機能の利点は、音響の吸収または反射を維持する間に伝熱を向上させることである。蒸気屋を使用する伝熱は、固体の銅のブロックよりはるかに高い。この随意の特性は、適用装置の直下でエアギャップを維持する一方、高熱伝導アセンブリの使用を可能にする。
【0063】
いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、統合ヒートシンクを備えた2部のプローブ本体を含む。さらなる実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、2つ以上の別々の熱源からの熱流を分離することを支援するために利用された混合材料を備えた携帯型プローブ本体を含む。この実施形態は、個別の熱源を絶縁する一方、熱が高熱伝導部分に伝達されることを可能にするように、高熱伝導材料に接合された低熱伝導材料を含む。これは、同じエンクロージャーにおいて2つ以上のソースの熱流経路を分割する効果を有する。高熱伝導材料は、対流熱損失の増加を可能にするためにフィンまたはリブのような機械的特性を加えることができる。この実施形態は、分離され方向付けられた熱流を可能にするために本明細書に記載される他の熱管理オプションと共に随意に使用される。
【0064】
いくつかの実施形態では、超音波手順中の温度は能動的にモニタリングされ、および一時的な加熱範囲は過熱を制限するために利用可能な電力を調節するために適用される。
【0065】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、トランスデューサ基板下でリブセクション、およびトランスデューサ基板から熱を伝道する拡張プレートを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサモジュールと接触するヒートシンクは、熱をトランスデューサ基板から方向付けるために角錐形状を有するリブを含む。
【0066】
バッテリー
携帯型の超音波撮像装置におけるバッテリー操作は挑戦的である。携帯型の超音波撮像装置は、オペレーターの負傷を低下及び予防するために十分に小さく軽くあるべきであるが、医学的に有用な画像および治療効果さえも生成するために適切な電力を供給しないといけない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置は、一次電池およびバックアップバッテリーを含み、それにより、バッテリー余剰性を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態では、1以上のバッテリーは、USB-Cポータルを介してインターフェースする外部フラットパック/共形スタイルを含む。そのような実施形態では、バッテリーは新しい外装となり、外部寸法を増加させる。さらなる実施形態では、バッテリーは、プラスチックケースにおいてモールド成型された特性を介して機械的な衝撃吸収を提供する。
【0068】
いくつかの実施形態では、1以上のバッテリーは、120/240ボルトの差込口のための内蔵プロングを介して速い充電能力を含む。さらなる実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、充電を管理するために内部回路を使用する。様々な実施形態では、USB-Cポータルは、充電のために電源への挿入を促進するUSB-CブレードまたはUSB-Cコードを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、内蔵バッテリーコンパートメントを含み、そのコンパートメントは、内部その他から分離され、密閉され、バッテリーサービスのための工場でアクセス可能な外部開口部を含む。
【0070】
オペレーターハンドル
従来の医療用超音波イメージングは、患者の身体とインターフェースするために様々なプローブを使用する。プローブの形状は、イメージングされる身体部位のためにしばしば最適化され、および現在のシステムは多数のプローブを使用する。特定の身体器官をイメージングするためのプローブの最適化にもかかわらず、超音波イメージングを実行する超音波検査者のほぼ85%は仕事関連の苦痛を経験し、彼らの90%は、彼らの経歴の半分を超える期間に仕事関連の苦痛を経験した。米国およびカナダの10,000人の参加者からの応答に基づく、2000年のSDMSによる歴史的な研究によれば、5人の超音波検査者のうちの1人は引退の原因になる仕事関連の負傷を負い、超音波検査者は、該職業において平均時間5年で当該苦痛を経験する。
【0071】
新型のプローブである、13の身体器官のイメージングを可能にする普遍的な超音波撮像装置が2017年に出現した。より新しいプローブは、単一のプローブでより多くの身体器官を対象とする。しかしながら、1つのプローブ形状を広範囲の適用のために最適化することができないため、超音波検査者の手に対するより酷使し、これは超音波検査者の問題を増加させるであろう。本明細書に記載される携帯型の超音波撮像装置は、いくつかの実施形態では、普遍的な撮像装置の使用に起因するオペレーターの健康問題を減少させる。
【0072】
図19を参照して、特定の実施形態では、携帯型の超音波撮像装置は、超音波トランスデューサモジュール(43)、および撮像装置のケース(44)に取付け自在のカスタマイズ可能なオペレーターハンドル(45)、超音波検査者/オペレーターの手と典型的にインターフェースする部分を含む。カスタマイズ可能なオペレーターハンドルの挿入(例えば、オペレーターハンドル(45)を手動させて、撮像装置のケース(44)上に留めること)を可能にする撮像装置のケース(44)の変更は、多数のオペレーターハンドルのオプションを提供し、各々のハンドルは、特定の適用および特定のオペレーターのために最適化される。そのような実施形態は、適切な最適化ソフトウェアを装備した3Dハンドル印刷所へオペレーターの手の3D画像を送ることによって、オペレーターの手へのオペレーターハンドル(45)の最適化をさらに可能にする。さらに、そのような実施形態は、オペレーターハンドル(45)のパーソナル化を可能にする。
【0073】
そのような実施形態では、個別のオペレーターハンドルのさらなる利点は、より高いフレームレートおよび3Dイメージングにとって重要である可能な撮像装置の電力損失の増加である。オペレーターハンドルは、熱的に隔離するかつ反射する材料で随意に作られ、ハンドル・エレクトロニクス・エンクロージャーの温度がオペレーターの手に触れる表面温度より高いことを可能にする。
【0074】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことが当業者に明らかであろう。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。