(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】利用管理システム、利用管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20231011BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
(21)【出願番号】P 2022000577
(22)【出願日】2022-01-05
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】平林 涼子
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-004488(JP,A)
【文献】特開2014-112359(JP,A)
【文献】特開2006-252568(JP,A)
【文献】特開2005-149422(JP,A)
【文献】特開2003-030518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードスキャナと、
売上管理サーバと、
POS端末と、を備え、
前記売上管理サーバは、制御部と、データベースと、を備え、
前記バーコードスキャナは、
前記POS端末が紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であり、
前記POS端末は、前記バーコードスキャナから前記回数券情報を受信し、前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記
受信した回数券情報を前記売上管理サーバに送信し、
前記制御部は、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報を前記データベースに保存し、
前記制御部は、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定し、前記特定した利用実績が、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含み、
前記POS端末は、前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とを表示
し、
前記制御部は、前記紙製回数券の利用実績として、前記紙製回数券の利用回数を特定し、
前記POS端末は、前記紙製回数券の利用回数が閾値を超えると、前記セールストーク情報として、前記紙製回数券の購入を勧奨する内容を表示し、
前記POS端末は、前記クーポン情報として、注文の総額を値引きするクーポンを表示する、
紙製回数券の利用管理システム。
【請求項2】
バーコードスキャナと、
売上管理サーバと、
POS端末と、を備え、
前記売上管理サーバは、制御部と、データベースと、を備え、
前記バーコードスキャナは、
前記POS端末が紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であり、
前記POS端末は、前記バーコードスキャナから前記回数券情報を受信し、前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記
受信した回数券情報を前記売上管理サーバに送信し、
前記制御部は、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報を前記データベースに保存し、
前記制御部は、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定し、前記特定した利用実績が、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含み、
前記POS端末は、前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とを表示
し、
前記制御部は、前記紙製回数券の利用実績として、過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品を特定し、
前記POS端末は、前記セールストーク情報として、前記過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品のうち最も注文数の多かった商品とは別の商品の購入を勧奨する内容を表示し、
前記POS端末は、前記クーポン情報として、前記別の商品についてのクーポンを表示する、
紙製回数券の利用管理システム。
【請求項3】
バーコードスキャナと、
売上管理サーバと、
POS端末と、を備え、
前記売上管理サーバは、制御部と、データベースと、を備え、
前記バーコードスキャナは、
前記POS端末が紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であり、
前記POS端末は、前記バーコードスキャナから前記回数券情報を受信し、前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記
受信した回数券情報を前記売上管理サーバに送信し、
前記制御部は、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報を前記データベースに保存し、
前記制御部は、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定し、前記特定した利用実績が、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含み、
前記POS端末は、前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とを表示
し、
前記制御部は、前記紙製回数券の利用実績として、前記紙製回数券を初めて利用したことを特定し、
前記POS端末は、前記セールストーク情報として、前記紙製回数券を利用した際に注文可能な商品と別の商品の購入を勧奨する内容を表示し、
前記POS端末は、前記クーポン情報として、前記別の商品についてのクーポンを表示する、
紙製回数券の利用管理システム。
【請求項4】
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバによる紙製回数券の利用管理方法であって、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップ
であって、前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であるステップと、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とをPOS端末に表示するステップ
であって、前記特定した利用実績は、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含む
ステップと、を備え、
前記POS端末に表示するステップにおいて、
前記紙製回数券の利用実績として、前記紙製回数券の利用回数を特定し、
前記紙製回数券の利用回数が閾値を超えると、前記セールストーク情報として、前記紙製回数券の購入を勧奨する内容を前記POS端末に表示し、
前記クーポン情報として、注文の総額を値引きするクーポンを前記POS端末に表示する、
紙製回数券の利用管理方法。
【請求項5】
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバによる紙製回数券の利用管理方法であって、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップ
であって、前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であるステップと、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とをPOS端末に表示するステップ
であって、前記特定した利用実績は、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含む
ステップと、を備え、
前記POS端末に表示するステップにおいて、
前記紙製回数券の利用実績として、過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品を特定し、
前記セールストーク情報として、前記過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品のうち最も注文数の多かった商品とは別の商品の購入を勧奨する内容を前記POS端末に表示し、
前記クーポン情報として、前記別の商品についてのクーポンを前記POS端末に表示する、
紙製回数券の利用管理方法。
【請求項6】
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバによる紙製回数券の利用管理方法であって、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップ
であって、前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であるステップと、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とをPOS端末に表示するステップ
であって、前記特定した利用実績は、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含む
ステップと、を備え、
前記POS端末に表示するステップにおいて、
前記紙製回数券の利用実績として、前記紙製回数券を初めて利用したことを特定し、
前記セールストーク情報として、前記紙製回数券を利用した際に注文可能な商品と別の商品の購入を勧奨する内容を前記POS端末に表示し、
前記クーポン情報として、前記別の商品についてのクーポンを前記POS端末に表示する、
紙製回数券の利用管理方法。
【請求項7】
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバとして動作するコンピュータに、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップ
であって、前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であるステップと、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とをPOS端末に表示するステップ
であって、前記特定した利用実績は、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含む
ステップと、を実行させ、
前記POS端末に表示するステップにおいて、
前記紙製回数券の利用実績として、前記紙製回数券の利用回数を特定し、
前記紙製回数券の利用回数が閾値を超えると、前記セールストーク情報として、前記紙製回数券の購入を勧奨する内容を前記POS端末に表示し、
前記クーポン情報として、注文の総額を値引きするクーポンを前記POS端末に表示する、
プログラム。
【請求項8】
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバとして動作するコンピュータに、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップ
であって、前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であるステップと、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とをPOS端末に表示するステップ
であって、前記特定した利用実績は、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含む
ステップと、を実行させ、
前記POS端末に表示するステップにおいて、
前記紙製回数券の利用実績として、過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品を特定し、
前記セールストーク情報として、前記過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品のうち最も注文数の多かった商品とは別の商品の購入を勧奨する内容を前記POS端末に表示し、
前記クーポン情報として、前記別の商品についてのクーポンを前記POS端末に表示する、
プログラム。
【請求項9】
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバとして動作するコンピュータに、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって、前記紙製回数券の識別番号を含む回数券情報を取得し、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップ
であって、前記紙製回数券の識別番号は、顧客が予め購入可能な複数枚の紙製回数券から構成される1セットごとに振られた番号であるステップと、
前記受け付けた紙製回数券の利用による商品の注文の内容、及び前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報
として、セールストーク情報とクーポン情報とをPOS端末に表示するステップ
であって、前記特定した利用実績は、前記紙製回数券の識別番号、前記紙製回数券の利用回数、及び、前記紙製回数券を利用して購入した商品の内容を含む
ステップと、を実行させ、
前記POS端末に表示するステップにおいて、
前記紙製回数券の利用実績として、前記紙製回数券を初めて利用したことを特定し、
前記セールストーク情報として、前記紙製回数券を利用した際に注文可能な商品と別の商品の購入を勧奨する内容を前記POS端末に表示し、
前記クーポン情報として、前記別の商品についてのクーポンを前記POS端末に表示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用管理システム、利用管理方法、及びプログラムに関し、特に、紙製回数券の利用を管理する利用管理システム、利用管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードが付された紙製回数券を販売管理する販売管理装置の一例が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は以下の課題を発見した。
紙製回数券の利用実績を管理しながら、紙製回数券の利用実績に応じた販売促進を行うことが要求されている。このような販売管理装置は、紙製回数券の利用実績を管理しておらず、また、紙製回数券の利用実績に応じた販売促進を行っていない。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、紙製回数券の利用実績を管理しながら、紙製回数券の利用実績に応じた販売促進を行うことができる利用管理システム、利用管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施の形態の一つに係る利用管理システムは、
バーコードスキャナと、
売上管理サーバと、
POS端末と、を備え、
前記売上管理サーバは、制御部と、データベースと、を備え、
前記バーコードスキャナは、紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって回数券情報を取得し、前記取得した回数券情報を前記売上管理サーバに送信し、
前記制御部は、前記回数券情報を前記データベースに保存し、
前記制御部は、前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定し、
前記POS端末は、前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報を表示する。
【0007】
本開示の実施の形態の一つに係る利用管理方法は、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって回数券情報を取得し、前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップと、
前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報をPOS端末に表示するステップと、を備える。
【0008】
本開示の実施の形態の一つに係るプログラムは、
紙製回数券の利用管理システムの売上管理サーバとして動作するコンピュータに、
紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、前記紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって回数券情報を取得し、前記取得した回数券情報をデータベースに保存するステップと、
前記回数券情報に基づいて前記紙製回数券の利用実績を特定するステップと、
前記特定した前記紙製回数券の利用実績に応じた販促情報をPOS端末に表示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、紙製回数券の利用実績を管理しながら、紙製回数券の利用実績に応じた販売促進を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1にかかる利用管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる利用管理システムを用いた利用管理方法を示すフローチャートである。
【
図3】紙製回数券の利用実枚数に対する販促情報の第1の例を示す表である。
【
図4】POS端末の画面表示の第1の一例を示す図である。
【
図5】店員とリピーターとの会話の第1の例を示す概略図である。
【
図6】POS端末の画面表示の第2の一例を示す図である。
【
図7】店員とリピーターとの会話の第2の例を示す概略図である。
【
図8】利用管理システムに含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
図1を参照して実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる利用管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、利用管理システム100は、バーコードスキャナ101と、POS(Point of sales)端末102と、売上管理サーバ103とを備える。利用管理システム100は、例えば、紙製回数券104、紙製回数券105を含む紙製回数券を対象としている。なお、
図1に示す各構成の数量については特に制限はない。多くの場合、複数枚の紙製回数券からなる1セットが、顧客に購入される。紙製回数券は、顧客によって所持されて、店舗において利用される。
【0013】
バーコードスキャナ101は、特に限定されないが、手に取って操作可能なものであるとよい。バーコードスキャナ101は、紙製回数券104、105等の紙製回数券の利用による商品の注文を受け付けた際に、当該紙製回数券に付されたバーコードをスキャンすることによって回数券情報を取得する。回数券情報は、紙製回数券の識別番号(回数券No.)を含む。バーコードスキャナ101は、この取得した回数券情報をPOS端末102へ送信する。
【0014】
POS端末102は、バーコードスキャナ101から回数券情報を受信する。POS端末102は、この受信した回数券情報を売上管理サーバ103へ送信する。なお、POS端末102は、この受信した回数券情報を取得した際に、受け付けた注文の内容等を売上管理サーバ103へ送信する。POS端末102は、売上管理サーバ103から参照した、利用実績、及び販促情報を表示する。利用実績は、紙製回数券の識別番号(回数券No.)に加えて、例えば、紙製回数券の利用回数、紙製回数券の残数、紙製回数券を利用した日時、紙製回数券を利用して購入した商品の内容、有効期限等を含む。販促情報は、紙製回数券の利用実績に応じて販売促進を図るための情報である。販促情報は、例えば、セールストーク情報、クーポン情報を含む。POS端末102は、利用実績や販促情報を表示するディスプレイ装置を備える。POS端末102は、適宜、クーポンを発行する装置を備えてもよい。
【0015】
売上管理サーバ103は、一つ又は複数の店舗の売上げを集約する。売上管理サーバ103は、紙製回数券を使った会計情報、及び販促情報を管理する。当該紙製回数券を利用した注文は、客数の登録や在庫の減算のため、売上0(零)円として会計処理される。売上管理サーバ103は、当該紙製回数券を利用した注文を、紙製回数券を利用した会計情報として管理する。売上管理サーバ103は、紙製回数券の利用実績に応じた販促情報を特定する。売上管理サーバ103は、制御部103aと、データベース103bとを備える。制御部103aは、上記した紙製回数券を使った回数券情報と、上記した紙製回数券を使った会計情報とをデータベース103bに保存する。制御部103aは、回数券情報に基づいて紙製回数券の利用実績を特定する。データベース103bは、上記した一つ又は複数の店舗の売上げ、上記した紙製回数券を使った会計情報、及び、上記した販促情報等を記憶する。
【0016】
図1には、紙製回数券の具体例として、紙製回数券104、紙製回数券105が示されている。紙製回数券104、及び紙製回数券105は、それぞれ、全11枚の紙製回数券から構成される1セットにおける1枚の紙製回数券である。紙製回数券104は、全11枚の紙製回数券における1枚目である。紙製回数券105は、全11枚の紙製回数券における10枚目である。顧客は、全11枚の紙製回数券から構成される1セットを、10回分の商品金額で、前払いで予め購入することができる。当該1セットの紙製回数券の枚数は、11枚に限定されないが、幅広い範囲内から選択可能であり、商品額相当分の回数以上であればよい。例えば、10回分の商品金額によって、全11枚の紙製回数券から構成される1セットを購入し、その購入した紙製回数券を利用することによって11個の商品が提供される。11枚の紙製の回数券のバーコード、すなわち、回数券を識別する番号(回数券No.)は同じである。顧客は紙製の回数券を1枚利用する度に、その顧客がその度に選択した1つの商品が提供される。1つの商品は、例えば、飲み物1杯分である。
【0017】
(紙製回数券の利用管理方法)
図2を参照して、利用管理システムを用いた紙製回数券の利用管理方法について説明する。
図2は、
図1に示す利用管理システムを用いた利用管理方法を示すフローチャートである。
【0018】
紙製回数券を利用して、会計処理を行う(ステップST1)。具体的には、顧客から商品の注文を受け付けた後、紙製回数券を店員によって受領する。商品が店員から顧客へ譲渡される。バーコードスキャナ101が紙製回数券104又は紙製回数券105に貼付けされたバーコードをスキャンし、回数券情報を取得する。バーコードスキャナ101は、この取得した回数券情報を売上管理サーバ103に送信する。
【0019】
続いて、回数券情報を取得し、回数券情報に基づいて紙製回数券の利用実績、及び販促情報を特定する(ステップST2)。具体的には、売上管理サーバ103は、ステップST1で取得した回数券情報に基づいて、データベース103bを参照して、この紙製回数券の利用実績と販促情報とを特定する。POS端末102へ送信する。
【0020】
最後に、POS端末102が販促情報等を表示する(ステップST3)。具体的には、POS端末102は、紙製回数券の利用実績と、この利用実績に応じた販促情報とを表示する。販促情報は、例えば、セールストーク情報と、クーポン情報とを含む。ステップST1~ステップST3は即時に実施される。店員は、紙製回数券を利用して会計処理を行った後、POS端末102の表示を視認することができる。店員は、POS端末102の表示に従い、顧客にセールストークやクーポン発券処理をすることによって販売促進を行うことができる。
【0021】
以上より、利用管理システム100を用いた紙製回数券の利用管理方法によれば、顧客が紙製回数券104等の利用した場合、バーコードスキャナ101が紙製回数券104等に貼付けされたバーコードをスキャンし、回数券情報を取得する。売上管理サーバ103が、この取得した回数券情報を受信して、データベース103bに記憶させる。これらによって、紙製回数券の利用実績を管理することができる。また、店員は、POS端末102が表示した紙製回数券の利用実績に応じた販促情報に従って、販売促進を行うことができる。従って、紙製回数券の利用実績を管理しながら、紙製回数券の利用実績に応じた販売促進を行うことができる。
【0022】
また、利用管理システム100を用いた紙製回数券の利用管理方法のステップST2において、制御部103aは、紙製回数券の利用実績として、紙製回数券の利用枚数を特定してもよい。また、ステップST3において、POS端末102は、紙製回数券の利用枚数が閾値を超えると、セールストーク情報として、紙製回数券の購入を勧奨する内容を表示してもよい。さらに、POS端末102は、クーポン情報として、注文の総額を値引きするクーポンを表示してもよい。顧客の紙製回数券の利用枚数が閾値を超えた場合、その顧客の再来店率が高いと推測される。以上より、再来店率の高い顧客に対して、紙製回数券の購入を勧奨しつつ、注文の総額を値引きするクーポンを提供することができる。
【0023】
また、利用管理システム100を用いた紙製回数券の利用管理方法のステップST2において、制御部103aは、紙製回数券の利用実績として、過去に紙製回数券を利用した際に注文した商品を特定してもよい。また、ステップST3において、POS端末102は、セールストーク情報として、過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品のうち最も注文数の多かった商品の内容に応じた、別の商品の購入を勧奨する内容を表示してもよい。さらに、POS端末102は、クーポン情報として、別の商品についてのクーポンを表してもよい。顧客は、過去に前記紙製回数券を利用した際に注文した商品のうち最も注文数の多かった商品を気に入っていると推測される。以上より、顧客に対して、顧客の気に入った商品とは別の商品の購入を勧奨しつつ、別の商品の額を値引きするクーポンを提供することができる。
【0024】
また、利用管理システム100を用いた紙製回数券の利用管理方法のステップST2において、制御部103aは、紙製回数券の利用実績として、紙製回数券を初めて利用したことを特定してもよい。また、ステップST3において、POS端末102は、セールストーク情報として、紙製回数券を利用した際に注文可能な商品と別の商品の購入を勧奨する内容を表示してもよい。さらに、POS端末102は、クーポン情報として、別の商品についてのクーポンを表示してもよい。顧客の紙製回数券の利用が初めてである場合、その顧客は、再来店した回数が低く、店舗の商品をあまり知っていないと推測される。以上より、店舗の商品をあまり知っていない顧客に対して、顧客の注文した商品とは別の商品の購入を勧奨しつつ、別の商品の額を値引きするクーポンを提供することができる。
【0025】
(第1の例)
次に、
図3~
図5を参照して、利用管理システムを用いた紙製回数券の利用管理方法の第1の例について説明する。
図3は、紙製回数券の利用枚数に対する販売促進情報の第1の例を示す表である。
図4は、POS端末の画面表示の一例を示す図である。
図5は、店員とリピーターとの会話の第1の例を示す概略図である。
【0026】
図3に示すように、各利用枚数1、4、10に応じて、セールストーク及びクーポンが特定されている。紙製回数券105を使用した場合、紙製回数券の回数券情報が利用枚数10枚を示す。
図4に示すように、ステップST3においてPOS端末102が表示する画面の一例において、特定の利用実績、残数、セールストーク情報、及びクーポン情報が示される。
【0027】
店員C1は、
図4に示すPOS端末102が表示する画面の一例を確認する。すると、
図5に示すように、店員C1は、当該画面の一例のクーポン情報に従って、「10%OFFクーポン」を、顧客であるリピーターR1に提供することができる。顧客が「10%OFFクーポン」を利用すると、顧客の注文総額が10%値引きされる。また、店員C1は、当該画面の一例のセールストーク情報に従って、紙製回数券の残数の少なさを指摘するとともに紙製回数券の購入をリピーターR1に勧めることができる。なお、この時で紙製回数券が10枚使用されたことから、顧客は再来店率の高いリピーターであると推測される。これらによって、リピーターR1が「10%OFFクーポン」を提供されるとともに、自己を店員C1に覚えてもらっていると感じることから、リピーターR1の歓心を湧かせることができる。従って、リピーターR1に対して、リピーターR1の利用実績に応じた販売促進を行うことができる。
【0028】
(第2の例)
次に、
図6及び
図7を参照して、利用管理システムを用いた紙製回数券の利用管理方法の第2の例について説明する。
図6は、POS端末の画面表示の一例を示す図である。
図7は、店員とリピーターとの会話の第1の例を示す概略図である。
【0029】
図3に示すように、各利用枚数に応じて、セールストーク及びクーポンが特定されている。紙製回数券を使用して、紙製回数券の回数券情報が利用枚数4枚を示す場合がある。このような場合、
図6に示すように、ステップST3においてPOS端末102が表示する画面の一例において、特定の利用実績、残数、セールストーク情報、及びクーポン情報が示される。
【0030】
店員C2は、
図6に示すPOS端末102が表示する画面の一例を確認する。すると、
図7に示すように、店員C2は、当該画面の一例のクーポン情報に従って、「新商品試食券」を、顧客であるリピーターR2に提供することができる。顧客が「新商品試食券」を利用すると、新商品を試食することができる。また、店員C2は、「新商品試食券」を提供することによって、この時点まで同じ「カフェオレ」を繰り返して注文したリピーターR2に対して、「カフェオレ」と同時に注文を受けたい「新商品」の「試食」を勧めることができる。なお、この時点で紙製回数券が4枚使用されたことから、顧客はリピーターである可能性が高い。これによって、「新商品」の試食の機会を提供することによって、リピーターR2の歓心を湧かせることができる。「新商品」の内容は、特に限定されないが、リピーターR2が繰り返して注文する商品と異なるとよく、リピーターR2が繰り返して注文した商品と同時に注文を受けたい別の商品であるとよい。例えば、リピーターR2が繰り返して注文した商品が、「カフェオレ」である場合、「新商品」は「カフェオレ」と同時に注文を受けたい別の商品であり、「カフェオレ」に合うものである。リピーターR2が「新商品」を気に入った場合、次回以降の来店において、この繰り返して注文した商品「カフェオレ」と合わせてその「新商品」を再び注文する。そのため、さらなる販売促進を図ることができる。
【0031】
(第3の例)
次に、
図3を参照して、利用管理システムを用いた紙製回数券の利用管理方法の第3の例について説明する。
【0032】
図3に示すように、各利用枚数に応じて、セールストーク及びクーポンが特定されている。紙製回数券104を使用した場合、紙製回数券の回数券情報が利用枚数1枚を示す。POS端末102が表示する画面の一例(図示略)において、特定の利用実績、残数、セールストーク情報、及びクーポン情報が示される。セールストーク情報は、クーポン情報は、「フード3%OFF」を示す。
【0033】
店員は、POS端末102が表示する画面の一例を確認する。すると、当該店員は、当該画面の一例のクーポン情報に従って、「フード3%OFF」を、顧客であるリピーターに提供することができる。なお、この時点で紙製回数券が1枚使用されたことから、顧客はリピーターであるが、そのリピート回数が低く、リピーター歴が短い可能性が高い。当該顧客が「フード3%OFF」を利用すると、顧客のフードの注文総額が3%値引きされる。当該店員は、「フード3%OFF」の提供によって、紙製回数券の利用によって注文可能な商品とは別の商品「フード」の値引きをすることができる。これによって、「フード」を注文するインセンティブを当該顧客に与えて、当該顧客の歓心を湧かせることができる。また、顧客が「フード」について注文した商品を気に入った場合、次回以降の来店において、繰り返して注文する商品と合わせてその「フード」について注文した商品を再び注文する。そのため、さらなる販売促進を図ることができる。
【0034】
以上より、顧客が利用する紙製回数券の情報を、店員の記憶、経験、判断に依存することなく、利用管理システム100で管理することができる。そのため、店員が、顧客の利用実績に応じた販売促進を行うことができるため、顧客に添ったサービス提供が可能となる。これによって、顧客満足度の向上と再来店率の向上とを図ることができる。
【0035】
また、店員が、紙製回数券の残数による販促情報を覚えることなく、顧客の利用実績に応じた販売促進を行うことができる。これによって、店員の負担を減らすことができる。
【0036】
また、利用管理システム100の管理対象は、紙製回数券の利用実績である。紙製回数券は、電子化された回数券と比較して、年配のリピーターの支持が強く、他人へ譲渡やその残数の把握が容易である。そのため、紙製回数券は、コーヒー店等の店舗において以前から運用されており、その運用は現時点でも継続されている。また、紙製回数券を購入する顧客は、継続的にその店舗を利用する「上顧客(リピーター)」である。店舗運営者は、リピーターに対して、一般顧客と差別化した最適なサービスを提供することによって、リピーターの再来を希望している。上記した利用管理システムを用いた紙製回数券の利用管理方法によれば、リピーターに対して、一般顧客と差別化した最適なサービスを提供することができ、このような店舗運営者の希望の実現を図ることができる。
【0037】
(他の実施の形態等)
なお、上記実施の形態に係る紙製回数券の利用管理システムは、次のようなハードウェア構成を備えることができる。
図8は、紙製回数券の利用管理システムに含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。上述した様々な実施の形態において、紙製回数券の利用管理システムにおける処理の手順を説明したように、本開示は処理方法としての形態も採り得る。
【0038】
図8に示す紙製回数券の利用管理システム200は、インタフェース203とともに、プロセッサ201及びメモリ202を備える。上述した実施の形態で説明した紙製回数券の利用管理システム100の売上管理サーバ103の制御構成(
図1参照)は、プロセッサ201がメモリ202に記憶された制御プログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ201を紙製回数券の利用管理システム100、又はその一部として機能させるためのプログラムである。
【0039】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施の形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0040】
さらに、上述した様々な実施の形態において、紙製回数券の利用管理システム100における処理の手順を説明したように、本開示は、紙製回数券の利用管理システム100の制御方法としての形態も採り得る。また、上述のプログラムは、紙製回数券の利用管理システム100にこのような制御方法を実行させるためのプログラムであると言える。
【0041】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、紙製回数券の利用実績の有効期限が近い場合、POS端末102の画面に、セールストーク情報として、「有効期限が近いこと」を教示する内容を表示させてもよい。これによって、「紙製回数券」の利用を顧客に促すことによって、当該顧客の歓心を湧かせることができる。
【符号の説明】
【0042】
100、200 利用管理システム
101 バーコードスキャナ
102 POS端末
103 売上管理サーバ
103a 制御部
103b データベース
104、105 紙製回数券
201 プロセッサ
202 メモリ
203 インタフェース
ST1、ST2、ST3 ステップ