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特許7364262配達システム、配達方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】配達システム、配達方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20231011BHJP
【FI】
G06Q10/083
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022015708
(22)【出願日】2022-02-03
(65)【公開番号】P2023113374
(43)【公開日】2023-08-16
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 満輝
(72)【発明者】
【氏名】金子 輝和
(72)【発明者】
【氏名】中川西 知也
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕泰
(72)【発明者】
【氏名】柳浦 康次
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-134378(JP,A)
【文献】特開2010-200022(JP,A)
【文献】国際公開第2019/167291(WO,A1)
【文献】特開2019-149695(JP,A)
【文献】特開2008-252615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物の発送前に特定された、前記配達物を識別する、前記配達物の配達予定期間の情報を含む発送識別情報を取得する発送識別情報取得部と、
配達場所に設置された読取機器を用いて配達場所に配置された配達物を識別する配達物識別情報を取得する配達物識別情報取得部と、
前記発送識別情報と前記配達物識別情報とを照合し、双方の情報が一致すれば正と判断し一致しなければ否と判断する配達正否判断部と、
配達の正否の結果を配送業者が管理する端末に通知する配達結果通知部と、を備え、
前記配達物識別情報取得部は、前記発送識別情報から前記配達予定期間を取得し、前記配達予定期間の開始時に前記読取機器の起動を指示し、前記配達予定期間の終了時に前記読取機器の停止を指示する、
配達システム。
【請求項2】
前記発送識別情報取得部は、配達物を特定する認証ラベルを、発送識別情報として取得する、
請求項1に記載の配達システム。
【請求項3】
前記発送識別情報取得部は、文字、数字、図形、及びバーコードの少なくとも一つが記載された前記認証ラベルが貼付された配達物の梱包外装の画像を、発送識別情報として取得する、
請求項2に記載の配達システム。
【請求項4】
前記発送識別情報取得部は、RFIDタグ情報を読み込むことによって、前記発送識別情報を取得する、
請求項2に記載の配達システム。
【請求項5】
前記配達物識別情報取得部は、前記配達場所に設置されたカメラを用いて撮影された画像を解析することにより前記配達物識別情報を取得し、
前記配達正否判断部は、前記発送識別情報と前記配達物識別情報の画像の照合結果が、所定の閾値を超えれば正と判断し、所定の閾値を越えなければ否と判断する、
請求項3に記載の配達システム。
【請求項6】
前記配達物識別情報取得部は、前記配達場所に設置されたRFIDリーダを用いて、RFIDタグの情報を読み取ることにより前記配達物識別情報を取得し、
前記配達正否判断部は、前記発送識別情報と前記配達物識別情報のRFIDタグ情報を照合する、
請求項4に記載の配達システム。
【請求項7】
前記配達物識別情報取得部は、前記配達予定期間の開始時に前記カメラの撮影開始を指示し、
前記配達予定期間の終了時に前記カメラの撮影停止を指示する、
請求項5に記載の配達システム。
【請求項8】
前記配達物識別情報取得部は、前記配達予定期間の開始時に前記RFIDリーダに読取のための起動を指示し、
前記配達予定期間の終了時に前記RFIDリーダに停止を指示する、
請求項6に記載の配達システム。
【請求項9】
コンピュータが、
配達物の発送前に特定された、前記配達物を識別する、前記配達物の配達予定期間の情報を含む発送識別情報を取得し、
前記発送識別情報から前記配達予定期間を取得し、前記配達予定期間の開始時に配達場所に設置された読取機器の起動を指示し、前記配達予定期間の終了時に前記読取機器の停止を指示し、
前記読取機器を用いて配達場所に配置された配達物を識別する配達物識別情報を取得し、
前記発送識別情報と前記配達物識別情報とを照合し、双方の情報が一致すれば正と判断し一致しなければ否と判断し、
配達の正否の結果を配送業者が管理する端末に通知する、
配達方法。
【請求項10】
配達物の発送前に特定された、前記配達物を識別する、前記配達物の配達予定期間の情報を含む発送識別情報を取得し、
前記発送識別情報から前記配達予定期間を取得し、前記配達予定期間の開始時に配達場所に設置された読取機器の起動を指示し、前記配達予定期間の終了時に前記読取機器の停止を指示し、
前記読取機器を用いて配達場所に配置された配達物を識別する配達物識別情報を取得し、
前記発送識別情報と前記配達物識別情報とを照合し、双方の情報が一致すれば正と判断し一致しなければ否と判断し、
配達の正否の結果を配送業者が管理する端末に通知することをコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達システム、配達方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家にいても買い物ができる通信販売の利用が急増している。しかしながら、配達される時間が大まかなため、利用者が不在となり、再配達となるケースが配達の15%を占めている。それを解消する策として、自宅の玄関やメーターボックスの上などの場所を指定して、宅配物を非対面で受け取ることができるサービス、いわゆる「置き配」と呼ばれる配達方法がある。しかし、置き配の場合、荷物の受取時に受取人による宛先の確認ができないため、住所や受取人の間違いによる配達ミスがしばしば起きている。
【0003】
置き配においても確実に荷物の配達を完了できる配達システムとして、家の玄関ドアの前においた荷物のバーコードと、玄関にあらかじめ配置されている意思表示標識のバーコードを配達員が携帯端末等で読み取り、それらをサーバーに対して照合することで、確実に配達を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-103501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、家の玄関の前に置き配の意思表示標識を配置しておくことで、他人である通行人等から、これから置き配が行われることが分かってしまい、盗難等のセキュリティ上のリスクがある。また、配送業者が、荷物のバーコードと玄関の意思表示標識のバーコードを携帯端末で読み取り、サーバーに照合を行う作業は、配送業者の作業負荷が増加するという問題が生じる。
【0006】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、セキュリティ上のリスクを回避し、配送業者の作業負荷を増加させずに、確実に配達を行うことが可能な、配達システム、配達方法およびプログラムの提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる配達システムは、配達物の発送前に特定された、前記配達物を識別する発送識別情報を取得する発送識別情報取得部と、配達場所に設置された読取機器を用いて配達場所に配置された配達物を識別する配達物識別情報を取得する配達物識別情報取得部と、前記発送識別情報と前記配達物識別情報とを照合し、双方の情報が一致すれば正と判断し一致しなければ否と判断する配達正否判断部と、配達の正否の結果を配送業者が管理する端末に通知する配達結果通知部と、を備える。
【0008】
本開示にかかる配達方法は、配達物の発送前に特定された、前記配達物を識別する発送識別情報を取得し、配達場所に設置された読取機器を用いて配達場所に配置された配達物を識別する配達物識別情報を取得し、前記発送識別情報と前記配達物識別情報とを照合し、双方の情報が一致すれば正と判断し一致しなければ否と判断し、配達の正否の結果を配送業者が管理する端末に通知する。
【0009】
本開示にかかるプログラムは、配達物の発送前に特定された、前記配達物を識別する発送識別情報を取得し、配達場所に設置された読取機器を用いて配達場所に配置された配達物を識別する配達物識別情報を取得し、前記発送識別情報と前記配達物識別情報とを照合し、双方の情報が一致すれば正と判断し一致しなければ否と判断し、配達の正否の結果を配送業者が管理する端末に通知することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、セキュリティ上のリスクを回避し、配送業者の作業負荷を増加させずに確実に配達を行うことが可能な、配達システム、配達方法およびプログラムの提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1にかかる配達システムのブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる処理を示すフロー図である。
図3】実施の形態2にかかる配達システムのブロック図である。
図4】実施の形態2にかかるデータベースのテーブル構成を示す図である。
図5】実施の形態2にかかる処理を示すシーケンス図である。
図6】実施の形態3にかかる配達システムのブロック図である。
図7】実施の形態3にかかるデータベースのテーブル構成を示す図である。
図8】実施の形態3にかかる処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1を用いて、本開示の実施の形態1にかかる配達システム100の構成について説明する。図1に示す配達システム100は、発送識別情報取得部10、配達物識別情報取得部20、配達正否判断部30及び配達結果通知部40を備える。配達システム100及び各構成部は、一般的なコンピュータにより構成することができ、中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)等の記憶装置、入出力ポート、ネットワークアダプタ等を備える。
【0013】
続いて、各構成部について説明を行う。
発送識別情報取得部10は、配達物の発送前に特定された発送識別情報を取得する。発送識別情報とは、これから配達が実施される配達物を識別するための情報であり、配達の実施より事前に取得する。
発送識別情報は、発送業者によって作成されるものであり、例えば、発送業者が配達作業に入る前にカメラ等で撮影した配達物の梱包外装の写真画像等である。梱包外装には、配達物を容易に識別できるようにするために、文字、数字、図形、バーコード等を任意に組み合わせた識別情報を、印刷やラベル貼付等で付加する。また、発送識別情報は、RFIDタグの情報でもよい。
【0014】
発送識別情報には、配達予定期間の情報を含んでもよい。配達予定期間とは、配送業者が、注文者の指定した箇所に配達を行う予定日時を表すものであり、例えば、「2022年2月1日(火)18:00から20:00」等の情報である。発送識別情報取得部10は、取得した情報を、ROMやRAM等の記憶装置に保存する。
【0015】
配達物識別情報取得部20は、配達場所に設置された読取機器を用いて、注文者の指定した箇所に配達が実施されたことを検知する。例えば、配達物識別情報取得部20は、読取機器として、画像解析機能を持つカメラ等を制御する。カメラは、配達に指定した箇所を撮影し、配送業者によって配達物が配置されると、配達が実施されたことを検知する。
配達物識別情報取得部20は、カメラに対して、配達予定期間の開始時に撮影開始し、配達予定期間の終了時に撮影停止するように、指示してもよい。
【0016】
配達物識別情報取得部20は、検知された配達物より、配達物識別情報を取得する。例えば、カメラによって撮影された配達物の画像より、一般によく知られている画像解析の技術を用いて、文字、数字、図形、バーコード等の情報を読み取り、配達物識別情報を取得する。配達物識別情報取得部20は、取得した画像情報を、ROMやRAM等の記憶装置に保存する。
【0017】
配達正否判断部30は、発送識別情報取得部10が保存した発送識別情報と、配達物識別情報取得部20が保存した配達物識別情報を照合する。配達正否判断部30は、発送識別情報と、配達物識別情報を照合し、一致すれば正と判断し、一致しなければ否と判断する。
また、画像解析の技術を用いて、画像の照合結果が所定の閾値を超えれば一致と判断し、所定の閾値を越えなければ不一致と判断してもよい。ここで所定の閾値とは、例えば、画像や文字列の一致度を示す値である、「80%」「95%」等の数値である。
また例えば、発送識別情報と配達物識別情報の照合は、一般によく知られている人工知能の技術を用いて、文字、数字、図形から得られる画像の特徴量データを抽出し、特徴量データを照合することによって行ってもよい。
配達正否判断部30は、判断結果を、ROMやRAM等の記憶装置に保存する。
配達結果通知部40は、配達正否判断部30が保存した判断結果を、配送業者に通知する。
【0018】
次に、図2を用いて、本開示の実施の形態1にかかる配達システム100の処理の流れについて説明する。
処理が開始されると、配達システム100は、発送識別情報取得部10によって発送識別情報の取得を行う(S101)。次に、配達物識別情報取得部20によって、指定場所への配達物の配置を検知する(S102)。次に、配達物識別情報取得部20によって、配達物識別情報を取得する(S103)。次に、配達正否判断部30によって、発送識別情報と配達物識別情報の一致度が所定の閾値を超えているかどうか照合する(S104)。超えていた場合は、配達結果通知部40によって、配達が正しいことを配送業者に通知する(S105)。超えていない場合は、配達結果通知部40によって、配達が誤っていることを配送業者に通知する(S106)。
以上の説明により、本開示の配達システムは、セキュリティ上のリスクを回避し、配送業者の作業負荷を増加させずに確実に配達を実施することができる。
【0019】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2にかかる配達システムの構成例について記載する。実施の形態2では、配送業者が、倉庫から注文者の自宅の玄関前に、置き配を行うまでの具体的なシステム構成及び処理の流れを、図3図4及び図5を用いて説明する。
実施の形態2にかかる配達システムは、配送倉庫210、玄関前地点220、注文者居所240によって、構成される。
【0020】
配送倉庫210は、通信販売を営む業者が、出荷前の商品を格納する倉庫である。注文者が商品を注文すると、販売業者によって商品が梱包される。配達予定物211は梱包された商品である。
販売業者は、配達予定物211に、認証ラベル212を貼付する。例えば、販売業者は、認証ラベル212に、カメラからの画像認識の助けとなる、数字、文字、画像、バーコード、独自のカラー、デフォルメされた動物、乗り物、キャラクター等を印刷し、梱包外装である段ボールの1面に、シール状に貼付する。
【0021】
配送倉庫カメラ213は、販売業者が、認証ラベル212を含む、配達予定物211の梱包外装を撮影するために用いる撮影装置である。配送倉庫カメラ213による撮影は、販売業者が手動で行ってもよいし、特定の場所に置かれた配達予定物211を、自動的に撮影する方法でもよい。配送倉庫カメラ213が撮影した配達予定物画像は、後述する置き配管理サーバー214等の一般的なコンピュータ機器で処理が可能なデジタル画像である。
【0022】
置き配管理サーバー214は、中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)等の記憶装置、入出力ポート、ネットワークアダプタ等を備える一般的なコンピュータ機器より構成される。置き配管理サーバー214は、倉庫内ネットワーク215を介して、配送倉庫カメラ213と通信を行う。倉庫内ネットワーク215は、倉庫内のLAN(Local Area Network)であり、有線LANまたは無線LANのどちらでもよい。
なお、本開示の置き配管理サーバー214は配送倉庫210内に配置しているが、倉庫内ネットワーク215と接続可能な、外部のデータセンターや、クラウド上のサーバーに置き配管理サーバー214を構築することも可能である。
【0023】
置き配管理サーバー214は、置き配に関する情報を管理する置き配管理データベース217を備える。
置き配管理データベース217は、置き配管理テーブル218を保持する。ここで、置き配管理テーブル218の構成例を、図4を用いて説明する。
置き配管理テーブル218は、縦の列と横の行を保持する2次元の表である。ここで各列の内容について説明する。商品番号列251は、商品を一意に特定する識別番号を格納する列である。たとえば、「0000000」、「00001111」、「00002222」等の文字列を格納する。注文者列252は、注文者の氏名を格納する列である。たとえば、「置き太郎」、「配次郎」、「置き三郎」等の文字列を格納する。
【0024】
住所列253は、注文者の住所を格納する列である。たとえば、「神奈川県川崎市XXX」、「神奈川県鎌倉市XXX」等の文字列を格納する。配達予定期間列254は、配送業者が配達場所に配達する予定時間帯を格納する列である。たとえば、「2021/12/20 15:00-17:00」、「2021/12/20 17:00-19:00」、「2021/12/21 18:00-20:00」等の文字列を格納する。
配達予定物画像列255は、配送倉庫カメラ213が撮影した配達予定物画像を保存する列である。たとえば「00000001.png」、「00001111.png」、「00002222.png」等の画像を格納する。
【0025】
配達結果受信時刻列256は、置き配管理アプリ230が、置き配管理サーバー214に、配達結果を通知した時刻を格納する列である。たとえば、「2021/12/20 15:10」、「2021/12/20 17:30」等の文字列を格納する。まだ通知がされていないときは、「未配達」の文字列を格納する。
ステータス列257は、置き配管理アプリ230が、置き配管理サーバー214に通知した配達結果を格納する列である。たとえば、「OK」、「MISS」等の文字列を格納する。まだ通知がされていないときは、「未配達」の文字列を格納する。
【0026】
注文者メールアドレス列258は、注文者のメールアドレスを格納する列である。たとえば、「oki@ne.jp」、「hai0011@ne.jp」、「oki3@ne.jp」等の文字列を格納する。
配送業者メールアドレス列259は、配送業者のメールアドレスを格納する列である。たとえば、「haitatsu1@ne.jp」、「haitatsu1@ne.jp」、「haitatsu2@ne.jp」等の文字列を格納する。
上記に説明した置き配管理テーブル218の情報に基づき、置き配管理サーバー214は、インターネット回線216を介して、置き配管理アプリ230に対して、配達予定物画像と配達予定日時の情報を送信する。
【0027】
再び図3を用いて、システム構成要素について説明を行う。
置き配管理アプリ230は、配達システム100を制御するアプリケーションソフトウェアである。置き配管理アプリ230は、注文者に紐づくアプリケーションであり、例えば、注文者のメールアドレスが、置き配管理アプリ230の識別子となる。
置き配管理アプリ230は、注文者が所有する機器上に導入されるものであり、例えば、注文者のスマートフォンやPC(Personal Computer)上のアプリケーションとして構成される。または、後述する、玄関前カメラ222に付随して動作するアプリケーションでもよい。
インターネット回線216は、配送倉庫210の倉庫内ネットワーク215と、玄関前カメラ222と、配送業者端末224と、注文者端末242を相互に接続するインターネット回線である。
【0028】
玄関前地点220は、注文者が指定した配達予定場所であり、玄関ドア221の前の周辺地点を表す。配送業者223は、配達予定物211を、玄関ドア221の前に配置することで置き配を行う。
玄関前カメラ222は、玄関ドア221の前の置き配予定地点を撮影する撮影装置である。玄関前カメラ222は、置き配管理アプリ230によって、起動、撮影開始、撮影停止等の制御が行われる。
配送業者端末224は、配送業者223が所有する、スマートフォン、タブレット等の端末装置であり、インターネット回線216に接続する。配送業者端末224は、置き配の配達結果を、メールやアプリ通知等の手段で受信する。
【0029】
注文者居所240は、注文者241が置き配の配達予定時日時に存在する場所であり、自宅内であるかオフィス内であるか等の場所を問わない。注文者241は、注文者端末242を通じて、置き配の結果を受信する。注文者端末242は、注文者が所有する、PC、スマートフォン、タブレット等の端末装置であり、インターネット回線216に接続する。
【0030】
続いて、図5を用いて、実施の形態2に係る処理の流れを説明する。処理の開始は、商品に対する注文が入り、商品の梱包が完了し、認証ラベル212を貼付した時点である。まず、配送倉庫カメラ213は、梱包された配達予定物211の認証ラベル212を含む梱包外装を撮影する(S271)。続いて、置き配管理サーバー214は、配達予定物画像を、配送倉庫カメラ213から取得する(S272)。
置き配管理サーバー214は、配達予定物画像を、置き配管理テーブル218の配達予定物画像列255に格納する(S273)。
【0031】
次に、置き配管理サーバー214は、配達予定物画像列255と、配達予定期間列254から、配発予定物画像と、配達予定期間の情報を取得し、置き配管理アプリ230に送信する(S274)。置き配管理アプリ230は、取得した配達予定物画像と、配達予定期間の情報を、置き配管理アプリ230が稼働する注文者端末242のメモリに保存する(S275)。
次に、置き配管理アプリ230は、保存した配達予定期間の情報に基づき、配達予定期間の開始時に、玄関前カメラ222の起動を指示する(S276)。玄関前カメラ222は、起動指示に基づき、起動する(S277)。
玄関前カメラ222は、一般によく知られている画像処理機能等により、配達物が配置されたことを検知し、配達物を撮影する(S278)。
【0032】
次に、置き配管理アプリ230は、玄関前カメラ222が撮影した配達物画像を取得する(S279)。置き配管理アプリ230は、取得した配達物画像と、メモリに保存した配達予定物画像を照合する。画像の照合は、一般によく知られている画像処理の技術を用い、特に、認証ラベル212に記載されている数字、文字、画像、バーコード、独自のカラー、デフォルメされた動物、乗り物、キャラクター等の特徴画像を用いて行う(S280)。
【0033】
置き配管理アプリ230は、双方の画像を照合し、一致率を算出する。一致率は「90%」「75%」等の数値で表してもよい。置き配管理アプリ230は、所定の閾値をあらかじめ決めて置き、例えば、「一致率が80%以上」の場合は「OK」、「一致率が80%未満の場合は「MISS」等と結果を判断する。置き配管理アプリ230は、照合結果を置き配管理サーバー214に通知する(S281)。
置き配管理サーバー214は、取得した照合結果を、置き配管理テーブル218のステータス列257に格納する。また、受信した時刻を、置き配管理テーブル218の配達結果受信時刻列256に格納する(S282)。
【0034】
次に、置き配管理サーバー214は、置き配管理テーブル218の配送業者メールアドレス列259の情報に基づき、配送業者223が所有する配送業者端末224に配達結果を通知する(S283)。当該配達結果を確認することで、配送業者223は、置き配を正しく実行したか、誤って実行したかを知ることができ、もし誤って実行していた場合は、いったん配置した荷物を引き上げ、正しい配送先に修正することが可能となる。
また、置き配管理サーバー214は、ステータス列257が「OK」の場合は、配達完了の情報を、注文者メールアドレス列258に格納されているメールアドレス宛に送信してもよい。
以上の説明により、本開示の配達システム及び配達方法は、セキュリティ上のリスクを回避し、配送業者の作業負荷を増加させずに、確実に配達を実施することができる。
【0035】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3にかかる配達システムの構成例について説明する。実施の形態3は、実施の形態2の構成における画像の照合による置き配の正否の確認に代わり、RFID(radio frequency identifier)タグとRFIDリーダ・ライタを用いて照合を行う形態である。
図6を用いて、実施の形態3に係る全体構成を説明する。ここで、図3と同じ符号を付与した構成要素については、図3と同様であるため、説明を省略する。
RFIDライタ312は、RFIDタグ311に情報を書き込む機器である。
RFIDタグ311は、配達予定物211を識別するために、販売業者が配達予定物211に付与するタグである。RFIDタグ311には、例えば、商品番号、注文者情報、配達予定の住所、配達予定日時等から生成した文字列の情報、または、特定のパスフレーズ等の、梱包された商品を一意に特定できる情報が書き込まれる。
【0036】
置き配管理サーバー214は、RFIDタグ311に書き込まれた情報を取得し、置き配管理データベース217の、RFID用置き配管理テーブル314に情報を格納する。
ここで、RFID用置き配管理テーブル314の構成例を、図7を用いて説明する。
RFID用置き配管理テーブル314は、縦の列と横の行を保持する2次元の表である。ここで各列の内容について説明する。
実施の形態2で開示した図4と同じ符号を付与する項目は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
RFIDタグ情報列355は、RFIDタグ情報を格納する列である。たとえば、「aaaabbbbccccdddd」などのランダムに生成した一意のパスフレーズでもよいし、「00001111置き太郎神奈川県川崎市XXX」などの、商品番号と氏名と住所を組み合わせて生成した文字列でもよい。
【0037】
続いて、図8を用いて、実施の形態3に係る処理の流れを説明する。処理の開始は、商品に対する注文が入り、商品の梱包が完了した時点である。まず、RFIDライタ312は、梱包された配達予定物211のRFIDタグ311に情報を書き込む(S371)。続いて、置き配管理サーバー214は、RFIDタグ情報を、RFIDライタ312から取得する(S372)。
置き配管理サーバー214は、RFIDタグ情報を、RFID用置き配管理テーブル314のRFIDタグ情報列355に格納する(S373)。
【0038】
次に、置き配管理サーバー214は、RFIDタグ情報列355と、配達予定期間列254から、RFIDタグ情報と、配達予定期間の情報を取得し、置き配管理アプリ230に送信する(S374)。置き配管理アプリ230は、取得したRFIDタグ情報と、配達予定期間の情報を、置き配管理アプリ230が稼働する注文者端末242のメモリに保存する(S375)。
次に、置き配管理アプリ230は、保存した配達予定日時の情報に基づき、配達予定期間の開始時に、RFIDリーダ313の起動を指示する(S376)。RFIDリーダ313は、起動指示に基づき、起動する(S377)。
RFIDリーダ313は、配達物が置き配に指定した場所に配置されると、配達物が配置されたことを検知し、RFIDタグ311の情報を読み取る(S378)。
【0039】
次に、置き配管理アプリ230は、RFIDリーダ313が読み取ったRFIDタグ情報を取得する(S379)。置き配管理アプリ230は、取得したRFIDタグ情報と、メモリに保存したRFIDタグ情報を照合する(S380)。
【0040】
置き配管理アプリ230は、RFIDタグ情報が一致する場合は「OK」、一致しない場合は「MISS」と判定し、置き配管理サーバー214に送信する(S381)。置き配管理サーバー214は、受信した結果を、RFID用置き配管理テーブル314のステータス列257に格納する。また、受信した時刻を、RFID用置き配管理テーブル314の配達結果受信時刻列256に格納する(S382)。
【0041】
次に、置き配管理サーバー214は、RFID用置き配管理テーブル314の配送業者メールアドレス列259の情報に基づき、配送業者223が所有する配送業者端末224に配達結果を通知する(S383)。当該配達結果を確認することで、配送業者223は、置き配を正しく実行したか、誤って実行したかを知ることができ、もし誤って実行していた場合は、いったん配置した荷物を引き上げ、正しい配送先に修正することが可能となる。
また、置き配管理サーバー214は、ステータス列257が「OK」の場合は、配達完了の情報を、注文者メールアドレス列258に格納されているメールアドレス宛に送信してもよい。
以上の説明により、本開示の配達システム及び配達方法は、セキュリティ上のリスクを回避し、配送業者の作業負荷を増加させずに、配達を実施することができる。
【0042】
なお、実施の形態2および実施の形態3において、配達物識別情報を取得する処理と、配達正否判断をする処理(S275~S280と、S375~S380)は、置き配管理アプリ230において行われているが、置き配管理サーバーにおいて実施する構成でもよい。
上述のシステム構成例において、置き配管理サーバー214、置き配管理アプリ230が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明された処理をコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0043】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0044】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
100 配達システム
10 発送識別情報取得部
20 配達物識別情報取得部
30 配達正否判断部
40 配達結果通知部
210 配送倉庫
211 配達予定物
212 認証ラベル
213 配送倉庫カメラ
214 置き配管理サーバー
215 倉庫内ネットワーク
216 インターネット回線
217 置き配管理データベース
218 置き配管理テーブル
220 玄関前地点
221 玄関ドア
222 玄関前カメラ
223 配送業者
224 配送業者端末
230 置き配管理アプリ
240 注文者居所
241 注文者
242 注文者端末
251 商品番号列
252 注文者列
253 住所列
254 配達予定期間列
255 配達予定物画像列
256 配達結果受信時刻列
257 ステータス列
258 注文者メールアドレス列
259 配送業者メールアドレス列
311 RFIDタグ
312 RFIDライタ
313 RFIDリーダ
314 RFID用置き配管理テーブル
355 RFIDタグ情報列
図1
図2
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図8