(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】サーバ装置、および処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
G06F1/26 303
(21)【出願番号】P 2022042431
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】小島 貴司
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-293641(JP,A)
【文献】特開平08-230609(JP,A)
【文献】特開2014-209058(JP,A)
【文献】特開2019-212731(JP,A)
【文献】特開平06-147076(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0150563(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押下されるとオン状態になる機構を有し、オフ状態の場合にHighレベルの信号を出力し、オン状態の場合にLowレベルの信号を出力するスイッチと、
種類に応じてHighレベルの信号またはLowレベルの信号を出力するCPUと、
主電源がオン状態になる前にオン状態となる電源と、
前記電源を電力の供給源とし、前記主電源がオン状態になる前に
前記スイッチが押下された場合に、
前記CPUの種類に応じてLEDを点灯または消灯させる駆動回路
であって、抵抗、LED、およびトランジスタを備える駆動回路と、
否定論理和を演算する演算回路と、
出力インピーダンスを高くするためのインピーダンス回路と、
を備え
、
前記電源の出力端子は、前記抵抗の第1端子に接続され、
前記抵抗の第2端子は、前記LEDの第1端子に接続され、
前記LEDの第2端子は、前記トランジスタの第1端子に接続され、
前記トランジスタの第2端子は、グラウンドに接続され、
前記トランジスタの第3端子は、前記演算回路の第1端子および前記インピーダンス回路の一端子に接続され、
前記演算回路の第2端子は、前記スイッチの一端子に接続され、
前記演算回路の第3端子は、前記CPUの一端子に接続されるサーバ装置。
【請求項2】
前記演算回路は、
ハードウェア記述言語によって回路構成を変更することができるハードウェアにより実現される、
請求項
1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、
別の構成のサーバ装置における駆動回路の一部を流用することにより実現される、
請求項1
または請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
押下されるとオン状態になる機構を有するスイッチと、CPUと、電源と、前記電源を電力の供給源とし、抵抗、LED、およびトランジスタを備える駆動回路と、演算回路と、インピーダンス回路と、を備えるサーバ装置が実行する処理方法であって、
前記スイッチは、オフ状態の場合にHighレベルの信号を前記演算回路に出力し、オン状態の場合にLowレベルの信号を前記演算回路に出力し、
前記CPUは、種類に応じてHighレベルの信号またはLowレベルの信号を前記演算回路に出力し、
演算回路は、否定論理和を演算し、
前記電源は、主電源がオン状態になる前
にオン状態とな
り、
前記駆動回路は、前記主電源がオン状態になる前にスイッチが押下された場合に、
前記演算回路による演算結果に応じてLEDを点灯または消灯させ
る、
処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置、および処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信の普及に伴い、さまざまな分野や場所でサーバ装置が利用されている。一般的に、ラックに搭載されるサーバ装置は、ID LEDと呼ばれるLEDを備える。そして、ラック内に搭載された複数のサーバ装置は、スイッチによりID LEDを点灯または消灯されることにより、識別されている。特許文献1には、関連する技術として、LEDの駆動に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二重化されたサーバ装置や、CPUを複数搭載したサーバ装置の保守、検査、評価時などにおいて、何等かの理由(例えば、搭載されているCPUの不具合など)によりCPUを別のCPUに乗せ換える必要性が生じる場合がある。その場合に、CPUを想定しているCPUと異なるものに乗せ換えてしまうと、サーバ装置が正常に動作しなかったり、場合によっては、搭載しているCPUに不具合が発生する可能性がある。そのため、サーバ装置の主電源を入れる前にCPUの種類を判定することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできるサーバ装置、および処理方法を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、サーバ装置は、押下されるとオン状態になる機構を有し、オフ状態の場合にHighレベルの信号を出力し、オン状態の場合にLowレベルの信号を出力するスイッチと、種類に応じてHighレベルの信号またはLowレベルの信号を出力するCPUと、主電源がオン状態になる前にオン状態となる電源と、前記電源を電力の供給源とし、前記主電源がオン状態になる前に前記スイッチが押下された場合に、前記CPUの種類に応じてLEDを点灯または消灯させる駆動回路であって、抵抗、LED、およびトランジスタを備える駆動回路と、否定論理和を演算する演算回路と、出力インピーダンスを高くするためのインピーダンス回路と、を備え、前記電源の出力端子は、前記抵抗の第1端子に接続され、前記抵抗の第2端子は、前記LEDの第1端子に接続され、前記LEDの第2端子は、前記トランジスタの第1端子に接続され、前記トランジスタの第2端子は、グラウンドに接続され、前記トランジスタの第3端子は、前記演算回路の第1端子および前記インピーダンス回路の一端子に接続され、前記演算回路の第2端子は、前記スイッチの一端子に接続され、前記演算回路の第3端子は、前記CPUの一端子に接続される。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、押下されるとオン状態になる機構を有するスイッチと、CPUと、電源と、前記電源を電力の供給源とし、抵抗、LED、およびトランジスタを備える駆動回路と、演算回路と、インピーダンス回路と、を備えるサーバ装置が実行する処理方法であって、前記スイッチは、オフ状態の場合にHighレベルの信号を前記演算回路に出力し、オン状態の場合にLowレベルの信号を前記演算回路に出力し、前記CPUは、種類に応じてHighレベルの信号またはLowレベルの信号を前記演算回路に出力し、演算回路は、否定論理和を演算し、前記電源は、主電源がオン状態になる前にオン状態となり、前記駆動回路は、前記主電源がオン状態になる前にスイッチが押下された場合に、前記演算回路による演算結果に応じてLEDを点灯または消灯させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の各態様によれば、サーバ装置の主電源を入れる前にCPUの種類を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態において想定している一般的なサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態によるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態によるサーバ装置の処理フローの一例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態の変形例2によるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態によるサーバ装置の最小構成を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態による最小構成のサーバ装置の処理フローの一例を示す図である。
【
図7】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
本開示の一実施形態によるサーバ装置1は、コスト低減の観点から、一般的なサーバ装置1aが備えるハードウェアを有効利用して、搭載されているCPUの種類を識別できるように変更することが望ましい。そのため、まず、一般的なサーバ装置1aの構成について説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態において想定している一般的なサーバ装置1aの構成の一例を示す図である。サーバ装置1aは、ラックに搭載されるサーバ装置である。ラックに搭載されるサーバ装置は、スイッチによりLED(Light Emitting Diode)を点灯または消灯させることで、ラック内の複数のサーバ装置を識別可能にする。そのため、一般的に、ラックに搭載されるサーバ装置は、LEDを有する。なお、このLEDは、サーバ装置の識別に使用されることから、ID(IDentification) LEDと呼ばれる。また、スイッチは、IDスイッチと呼ばれる。
【0013】
サーバ装置1aは、
図1に示すように、LEDを制御するためのハードウェア10aを備える。ハードウェア10aは、
図1に示すように、IDスイッチ101a、LED駆動回路102a(駆動回路の一例)、LSI(Large-Scale Integration)103a、スタンバイ電源104a(主電源の一例)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)バッテリ105a、CPU(Central Processing Unit)106a、ダイオード107aを備える。ハードウェア10aは、サーバ装置1aのマザーボード上に実装される。
【0014】
IDスイッチ101aは、押下されるとオン状態になる機構を有する。LED駆動回路102aは、抵抗、LED、FET(Field Effect Transistor)を備える。LED駆動回路102aは、LSI103aによる制御の下、LEDを点灯または消灯させる。
【0015】
LSI103aは、IDスイッチ101aの押下を認識し、LED駆動回路102aを制御することにより、LEDの点灯および消灯を制御する。LSI103aの例としては、BMC(Baseboard Management Controller)および付属論理を含むFPGA(Field Programmable Gate Array)のようなハードウェア記述言語により回路構成を変更可能な回路などが挙げられる。
【0016】
スタンバイ電源104aは、PSU(Power Supply Unit)を供給源として直ちに起動できる電力を、LED駆動回路102aおよびLSI103aに供給する。CMOSバッテリ105aは、BIOSのセットアップ情報を保持するために用いられるバッテリである。また、CMOSバッテリ105aは、RTC(Real-Time Clock)(不図示)やバックアップメモリ(不図示)に電力を供給する。CMOSバッテリ105aは、主電源であるPSUがオン状態になる前にオン状態になる電源である。CPU106aは、LSI103aに接続される。LSI103aにCPUの種類を示すCPU識別信号を出力する。
【0017】
次に、本開示の一実施形態によるサーバ装置1について説明する。サーバ装置1は、サーバ装置1aが備えるハードウェア10aの一部を流用し、不足しているハードウェアを再構成または追加することにより実現される装置である。ハードウェア10aおよび再構成または追加するハードウェアは、サーバ装置1のマザーボード上に実装される。
【0018】
図2は、本開示の一実施形態によるサーバ装置1の構成の一例を示す図である。サーバ装置1は、
図2に示すように、IDスイッチ101a、LED駆動回路102、LSI103a、CMOSバッテリ105a(主電源がオン状態になる前にオン状態となる電源の一例)、CPU106を備える。
【0019】
IDスイッチ101aは、ハードウェア10aが備えるIDスイッチ101aを流用したものである。LED駆動回路102は、LED(後述するLED1022)を点灯または消灯させる。LED駆動回路102は、ハードウェア10aが備えるLED駆動回路102aの一部を流用して構成される。
【0020】
LED駆動回路102は、抵抗1021、LED1022、FET1023を備える。抵抗1021は、LED駆動回路102aが備える抵抗を流用したものである。LED1022は、LED駆動回路102aが備えるLEDを流用したものである。FET1023は、LED駆動回路102aが備えるFETを流用したものである。LED駆動回路102において、抵抗1021の第1端子は、LED1022のアノードに接続される。LED1022のカソードは、FETのドレインに接続される。FETのソースは、グラウンドGNDに接続される。
【0021】
LSI103aは、ハードウェア10aが備えるLSI103aを流用したものである。ただし、サーバ装置1におけるLSI103aは、サーバ装置1aにおけるLSI103aと異なる回路構成となっている。例えば、サーバ装置1におけるLSI103aは、NOR回路1031a(演算回路の一例)、Hi-Z回路1032aを備える。
【0022】
NOR回路1031aは、IDスイッチ101aから出力される出力信号(すなわち、Hi-ZまたはLow)(第1信号の一例)と、CPU106から出力される出力信号(すなわち、Hi-ZまたはLow)(第2信号の一例)とを入力信号とする。NOR回路1031aは、入力した2つの信号の否定論理和を演算する。そして、NOR回路1031aは、演算結果を出力信号としてLED駆動回路102に出力する。
【0023】
Hi-Z回路1032aは、サーバ装置1aが備えるLSI103aにおいて実現されている回路の出力インピーダンスを高くした回路である。この場合、Hi-Z回路1032aの出力に接続される装置や回路からは、Hi-Z回路1032aがオープン状態に見える。つまり、サーバ装置1のLSI103aは、Hi-Z回路1032aを備えず、NOR回路1031aを備えるように構成されてもよい。
【0024】
CMOSバッテリ105aは、ハードウェア10aが備えるCMOSバッテリ105aを流用したものである。CPU106は、識別対象のCPUである。CPU106は、自身のCPUの種類に応じて異なるCPU識別信号を出力する。例えば、CPU106の内部では、CPUの種類がAである場合にCPU識別信号としてオープン状態の信号(すなわち、プルアップ抵抗によるHighレベルの信号)が出力され、CPUの種類がBである場合にCPU識別信号としてグラウンドGNDレベルの信号(すなわち、Low得レベルの信号)が出力されるように設計されている。すなわち、例えば、CPU106は、CPU識別信号として、CPUの種類がAである場合Highレベルの信号を出力し、CPUの種類がBである場合Lowレベルの信号を出力する。ダイオード107aは、CMOSバッテリ105aがLSI103aに影響を及ぼさないようにする。
【0025】
サーバ装置1において、IDスイッチ101aの第1端子は、LSI103aの第1端子に接続される。LED駆動回路102が備えるFET1023のゲートは、LSI103aの第2端子に接続される。LED駆動回路102が備える抵抗1021の第2端子は、CMOSバッテリ105aの第1端子に接続される。LSI103aの第3端子は、CPU106の第1端子に接続される。
【0026】
次に、本開示の一実施形態によるサーバ装置1が行う処理について説明する。
図3は、本開示の一実施形態によるサーバ装置1の処理フローの一例を示す図である。
【0027】
CPU106は、CPU識別信号として、CPUの種類がAである場合Highレベルの信号をNOR回路1031aに出力し、CPUの種類がBである場合Lowレベルの信号をNOR回路1031aに出力する(ステップS1)。
【0028】
IDスイッチ101aが押下されていない場合、NOR回路1031aには、IDスイッチ101aからHighレベルの信号が入力される。よって、CPU106の種類に関わらず、NOR回路1031aには、少なくとも1つのHighレベルの信号が入力される。そのため、NOR回路1031aは、Lowレベルの信号をLED駆動回路102に出力する。この場合、FET1023のゲートがLowレベルとなり、LED1022には電流が流れない。そのため、LED1022は、発光しない。
【0029】
また、IDスイッチ101aが押下された場合、NOR回路1031aには、IDスイッチ101aからLowレベルの信号が入力される。また、CPU106の種類がAである場合、NOR回路1031aには、CPU106からHighレベルの信号が入力される。よって、CPU106の種類がAである場合、NOR回路1031aは、Lowレベルの信号をLED駆動回路102に出力する。この場合、FET1023のゲートがLowレベルとなり、LED1022には電流が流れない。そのため、IDスイッチ101aが押下され、CPU106の種類がAである場合、LED1022は発光しない。
【0030】
また、IDスイッチ101aが押下された場合、NOR回路1031aには、IDスイッチ101aからLowレベルの信号が入力される。また、CPU106の種類がBである場合、NOR回路1031aには、CPU106からLowレベルの信号が入力される。よって、CPU106の種類がBである場合、NOR回路1031aは、Highレベルの信号をLED駆動回路102に出力する。この場合、FET1023のゲートがHighレベルとなり、LED1022に電流が流れる。そのため、IDスイッチ101aが押下され、CPU106の種類がBである場合、LED1022は発光する。
【0031】
つまり、CPU106が、CPU識別信号として、CPUの種類がAである場合Highレベルの信号をNOR回路1031aに出力し、CPUの種類がBである場合Lowレベルの信号をNOR回路1031aに出力する場合、ユーザは、IDスイッチ101aを押下して、LED1022が発光しない場合に、CPU106の種類をAと判定し、IDスイッチ101aを押下して、LED1022が発光する場合に、CPU106の種類をBと判定することができる。その結果、サーバ装置1の主電源を投入する前であっても、流用したIDスイッチ101aを押下することにより、ユーザは、実装するCPU106の種類を判定することができる。
【0032】
なお、上述のサーバ装置1は、サーバ装置1aを流用したものに限定するものではない。また、CMOSバッテリ105aでLSI103aが動作できない場合には、CMOSバッテリ105aよりも大容量のバッテリを使用してLSI103aを動作させるものであってもよい。
【0033】
(利点)
以上、本開示の一実施形態によるサーバ装置1について説明した。このサーバ装置1は、主電源であるPSUがオン状態になる前にオン状態となるCMOSバッテリ105a(電源の一例)と、そのCMOSバッテリ105aを電力の供給源とし、PSUがオン状態になる前にIDスイッチ101a(スイッチの一例)が押下された場合に、搭載予定のCPU106の種類に応じてLED1022を点灯または消灯させるLED駆動回路102(駆動回路の一例)と、を備える。このサーバ装置1により、主電源を入れる前にCPUの種類を判定することができる。また、一般的なサーバ装置1aの一部を流用してサーバ装置1を実現した場合、構成の変更を抑制することができ、コストを抑えることができる。
【0034】
<実施形態の変形例1>
なお、本開示の一実施形態では、NOR回路1031aは、LSI103aの回路構成を変更して実現するものとして説明した。しかしながら、本開示の一実施形態の変形例1では、NOR回路1031aは、LSI103aにより実現されるものではなく、新たに追加したハードウェアによって実現されるものであってもよい。この場合、本開示の一実施形態のLSI103aよりも省電力なNOR回路1031aが動作すればよい。そのため、新たに追加したハードウェアによって実現されるNOR回路1031a(演算回路の一例)の場合、本開示の一実施形態で使用するLSI103aを動作させるためのバッテリに比べてより容量の小さいバッテリを使用することができるという効果が得られる。
【0035】
<実施形態の変形例2>
なお、本開示の一実施形態では、CPU106の種類の判定としてAとBの2種類について説明した、しかしながら、本開示の一実施形態の変形例2では、CPU106の種類は、2種類に限定するものではない。
図4は、本開示の一実施形態の変形例2によるサーバ装置1の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、例えば、IDスイッチ101aおよびCPU106に対して、NOR回路1031aおよびLED駆動回路102のそれぞれを複数用意し、用意したNOR回路1031aのそれぞれにIDスイッチ101aおよびCPU106から信号を入力する。これにより、用意したNOR回路1031aおよびLED駆動回路102の数に応じた種類(すなわち、用意した数がNである場合、2のN乗種類)のCPUを判定することができる。
【0036】
図5は、本開示の実施形態によるサーバ装置1の最小構成を示す図である。サーバ装置1は、
図5に示すように、電源105aおよび駆動回路102を備える。電源105aは、主電源がオン状態になる前にオン状態となる。駆動回路102は、前記電源105aを電力の供給源とし、前記主電源がオン状態になる前にスイッチが押下された場合に、搭載予定のCPUの種類に応じてLEDを点灯または消灯させる。
【0037】
図6は、本開示の実施形態による最小構成のサーバ装置1の処理フローの一例を示す図である。次に、本開示の実施形態による最小構成のサーバ装置1の処理について
図6を参照して説明する。
【0038】
電源105aは、主電源がオン状態になる前にオン状態となる(ステップS101)。駆動回路102は、前記電源105aを電力の供給源とし、前記主電源がオン状態になる前にスイッチが押下された場合に、搭載予定のCPUの種類に応じてLEDを点灯または消灯させる(ステップS102)。
【0039】
以上、本開示の実施形態による最小構成のサーバ装置1について説明した。このサーバ装置1により、主電源を入れる前にCPUの種類を判定することができる。
【0040】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0041】
本開示の実施形態について説明したが、上述のサーバ装置1、1a、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0042】
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、
図7に示すように、CPU106(106a)、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
【0043】
例えば、上述のサーバ装置1、1a、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU106(106a)は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU106(106a)は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0044】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0045】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【符号の説明】
【0047】
1、1a・・・サーバ装置
5・・・コンピュータ
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10a・・・ハードウェア
101a・・・IDスイッチ
102、102a・・・LED駆動回路
103a・・・LSI
104a・・・スタンバイ電源
105a・・・CMOSバッテリ
106、106a・・・CPU
1021・・・抵抗
1022・・・LED
1023・・・FET
1031a・・・NOR回路
1032a・・・Hi-Z回路