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特許7364292開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システムおよび開閉式ファラデーアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システムおよび開閉式ファラデーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231011BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01L21/302 101H
H01L21/302 101C
H05H1/46 L
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022513436
(86)(22)【出願日】2020-02-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2020077322
(87)【国際公開番号】W WO2021138986
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】202010021590.1
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519453825
【氏名又は名称】江蘇魯▲もん▼儀器股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LEUVEN INSTRUMENTS CO. LTD
【住所又は居所原語表記】Liaohe West Road 8, Pizhou Economic Development Zone Xuzhou, Jiangsu 221300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】劉 海洋
(72)【発明者】
【氏名】胡 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】劉 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 娜
(72)【発明者】
【氏名】程 実然
(72)【発明者】
【氏名】郭 頌
(72)【発明者】
【氏名】呉 志浩
(72)【発明者】
【氏名】許 開東
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-545224(JP,A)
【文献】特表2022-541054(JP,A)
【文献】特開2008-288437(JP,A)
【文献】特開2004-356430(JP,A)
【文献】特開2003-243362(JP,A)
【文献】特開平05-243185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ボタンと、高周波アクセスブロックと、前記高周波アクセスブロックを駆動するための昇降機構と、O軸の外側に均等に分布されかつそれぞれ設けられる複数の環状ファンブレードと、を含むファラデー層を有し、
前記回転ボタンは、全体が円環形状であり、O軸の外側に同心円状に回転可能に設けられ、前記環状ファンブレードと同じ数のガイドスライド溝が、前記回転ボタンの環状表面に沿って等間隔に設けられ、
前記各環状ファンブレードは、内側円弧面と、外側円弧面と、内側円弧面および外側円弧面の同じ側の側面をそれぞれ接続する第1側成形面および第2側成形面と、を含み、各環状ファンブレードの外弧面近傍のファン表面には第1位置決め部材および第2位置決め部材がそれぞれ設けられ、
前記各環状ファンブレードは、前記回転ボタンにより駆動されて対応するファン表面に設けられた第1位置決め部材の周りを同期回転でき、さらに、回転振幅は、前記第2位置決め部材と前記回転ボタンのガイドスライド溝との間のガイド接続によって第1限界位置と第2限界位置との間に制限され、
前記各環状ファンブレードが前記第1限界位置に位置される際、前記ファラデー層は閉じた状態にあり、この場合、前記各環状ファンブレードの内側円弧面は、前記O軸の外側の同心円aの円周上に等間隔に配置され、前記各環状ファンブレードの外側円弧面は、前記O軸の外側の同心円bの円周上に等間隔に配置され、前記同心円aの内径は前記同心円bの内径よりも小さく、
前記各環状ファンブレードが前記第2限界位置に位置される際、前記ファラデー層は開いた状態にあり、この場合、前記各環状ファンブレードの第1側成形面は、最大開口の内接円に接しており、前記回転ボタンの内側にある最大開口内接円に対応する領域を完全に露出でき、
前記高周波数アクセスブロックは、前記昇降機構の電力出力端に接続され、
前記昇降機構によって、前記高周波アクセスブロックは前記ファラデー層に向かって移動して閉じた状態のファラデー層の各環状ファンブレードの内側円弧面に導電的に接続でき、または、前記高周波数アクセスブロックがファラデー層から離れて開いた状態のファラデー層と分離できる、
開閉式ファラデーアセンブリ。
【請求項2】
前記ガイドスライド溝は帯状の溝である、ことを特徴とする請求項1に記載の開閉式ファラデーアセンブリ。
【請求項3】
前記ガイドスライド溝は傾斜して設けられている、ことを特徴とする請求2に記載の開閉式ファラデーアセンブリ。
【請求項4】
前記第1側成形面および前記第2側成形面はともに、平らな成形面、または前記第1側成形面が外向きに湾曲した成形面で、第2側成形面が内向きに湾曲した成形面である、ことを特徴とする請求1に記載の開閉式ファラデーアセンブリ。
【請求項5】
前記昇降機構は、エアシリンダ、エアシリンダ移送プレートおよびエアシリンダ移送絶縁ロッドを含み、前記エアシリンダの出力端は、前記エアシリンダ移送プレートおよび前記エアシリンダ移送絶縁ロッドを順次に介して前記高周波アクセスブロックに固設されている、ことを特徴とする請求1に記載の開閉式ファラデーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1位置決め部材および前記第2位置決め部材はともにピンである、ことを特徴とする請求1に記載の開閉式ファラデーアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の開閉式ファラデーアセンブリが外側に設けられた結合窓を含むプラズマ処理システムであって、
各環状ファンブレードは、対応するファン表面に設けられた第1位置決め部材を介して前記結合窓と定められた位置で接続され、
前記結合窓には、回転ボタンの外縁に対応する位置において回転位置決め面が設けられ、前記回転位置決め面の位置決めにより、前記回転ボタンはO軸を中心に回転できる、
開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システム。
【請求項8】
前記開閉式ファラデーアセンブリの外側には、中央コイルを含むコイル構造が設けられ、前記中央コイルは回転ボタンの内側領域に正射投影され、前記中央コイルの外径は最大開口の内接円の直径以下であり、
前記各環状ファンブレードが第1限界位置に位置される際、閉じた状態の各環状ファンブレードの内側円弧面は、高周波アクセスブロックを介してファラデー高周波電源に接続され、
前記各環状ファンブレードが第2限界位置に位置される際、前記中央コイルは結合窓の表面に完全に露出し、前記中央コイルおよびエッジコイルはともにコイル高周波電源に接続されている、
ことを特徴とする請求7に記載の開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システム。
【請求項9】
前記コイル構造は、前記中央コイルから独立して設けられたエッジコイルをさらに含み、前記エッジコイルは、回転ボタンの内側領域に正射投影でき、
前記各環状ファンブレードが第2限界位置に位置される際、前記中央コイルと前記エッジコイルはともに結合窓の表面に完全に露出し、ともにコイル高周波電源に接続されている、
ことを特徴とする請求8に記載の開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システム。
【請求項10】
第1位置決め部材は第1ピンであり、前記結合窓には、前記各環状ファンブレードの第1ピンに対応する位置にピンホールが設けられ、前記各環状ファンブレードは、それぞれのファン表面に設けられた第1ピンによって結合窓における各ピンホールと一対一に接続され、
前記結合窓の中央部には中央固定穴が設けられ、前記中央固定穴にはセラミック製の入口ポートが設けられ、該セラミック製の入口ポートの出口部分にはノズルが設けられている、
ことを特徴とする請求7に記載の開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システム。
【請求項11】
さらに、反応チャンバーを含み、前記反応チャンバーの上端は開口され、前記反応チャンバーの開口にはチャンバーカバーが密閉接続され、前記チャンバーカバーの中央位置には前記結合窓に対応する窓が設けられ、
前記反応チャンバー内にはベースが設けられ、前記ベースの上面はノズルと対向するバイアス電極に固定接続され、前記バイアス電極の上面にはウェーハが吸着され、
前記反応チャンバーの上部には断面がU字型のシールドボックスが固設され、前記シールドボックスと前記チャンバーカバーとは密閉接続され、
前記高周波アクセスブロックおよび前記昇降機構はともにシールドボックス内に配置され、前記昇降機構の一端は前記シールドボックスの上部に固定され、他端は前記高周波アクセスブロックに固定されている、
ことを特徴とする請求7に記載の開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システム。
【請求項12】
開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システムに基づく方法であって、結合窓洗浄工程と、ウェーハエッチング工程と、を含み、
前記ウェーハエッチング工程は、
(1.1) ウェーハを反応チャンバー内のバイアス電極の上方に配置するステップと、
(1.2) エアシリンダを上方に移動させ、高周波アクセスブロックとファラデー層とを分離するステップと、
(1.3) 回転ボタンを回転することによりファラデー層を第2限界位置まで開き、この場合、ファラデー層を構成する各環状ファンブレードの第1側成形面は最大開口の内接円に接することができ、最大開口の内接円に対向する中央コイルが直接結合窓に対向するステップと、
(1.4) セラミック製の入口ポートから反応チャンバー内にプロセスガスを導入し、中央コイルに要求を満たす高周波電源を供給するステップと、
(1.5) ウェーハの表面においてプラズマエッチングを行うステップと、
(1.6) エッチング工程が終了したら、反応チャンバーへのプロセスガスの導入および中央コイルへの電力供給を停止し、反応チャンバーを真空引きするステップと、
を含み、
前記結合窓洗浄工程は、
(2.1) 基板を前記反応チャンバー内のバイアス電極の上方に配置するステップと、
(2.2) 回転ボタンを回転することによりファラデー層を閉じた状態にし、この場合、各環状ファンブレードの内側円弧面はO軸の外側にある同心円aの円周上に位置され、各環状ファンブレードの外側円弧面はO軸の外側にある同心円bの円周上に位置されるステップと、
(2.3) エアシリンダを下降させ、閉じた状態のファラデー層の各環状ファンブレードの内側円弧面に近い部分に高周波アクセスブロックを強く押圧することにより、高周波アクセスブロックが各環状ファンブレードに導電的に接続されるようにするステップと、
(2.4) セラミック製の入口ポートを介して反応チャンバーに洗浄ガスを導入するステップと、
(2.5) 高周波アクセスブロックを介してファラデー層に要求を満たす高周波電源を供給するステップと、
(2.6) 洗浄終了後、反応チャンバーへの洗浄ガスの導入およびファラデー層への電力供給を停止し、反応チャンバーを真空引きするステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路製造の技術分野に属し、プラズマ処理システム、特に開閉式ファラデー洗浄アセンブリを有するプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造プロセスにおいて、エッチングは最も重要なプロセスの一つであり、プラズマエッチングは一般的に使用されるエッチング方法の一つである。通常、エッチングは真空反応チャンバー内で行われ、通常の真空反応チャンバー内には、ウェーハおよびRF負荷の吸着搬送やウェーハの冷却などに用いられる静電吸着チャックが含まれる。現在、半導体デバイスの製造プロセスにおいて、通常は静電吸着チャックを真空処理チャンバーの中央のベースに配置し、ウェーハを静電吸着チャックの上表面に配置する。そして、ベース上方の電極に高周波を印加することにより、導入された反応ガスのプラズマが処理チャンバー内で生成され、ウェーハを処理する。
【0003】
現在、一部の不揮発性金属材料のエッチングプロセスにおいて、プラズマはバイアス電圧の作用下で加速されて金属材料の表面に到達し、エッチングされた材料の表面からスパッタされる金属粒子は、チャンバー内の内壁および上部結合窓を含むあらゆる露出された表面の汚染原因になっている。そこで、汚染に対処するためには、チャンバー内に洗浄ガスを導入し、上部に高周波電力を負荷して洗浄ガスをイオン化し、これらの汚染粒子を運び去る必要がある。洗浄プロセス全体において、チャンバーが接地され、上部結合窓が絶縁材料でできているため、洗浄プロセスの上部に高周波電力が負荷されてプラズマが励起されると、アクティブされたプラズマは接地されたチャンバーを洗浄するが、結合窓に対する洗浄効果はほとんどない。時間の経過とともに汚染物質が積み重なって厚くなり、最終的には堆積物が脱落してウェーハを汚染してしまう。
【0004】
結合窓を完全に洗浄するためには、ファラデー層を用いることができる。プラズマ処理チャンバーにおいて、ファラデーシールドが使用されると、プラズマによるチャンバー材料の侵食を低減できるが、一部のプラズマは、ファラデー層間の隙間を通って結合窓を汚染できる。ファラデー層を高周波コイルと結合窓との間に配置すれば、高周波電界によって誘発されるイオンによるチャンバーの壁への侵食を減らすことができる。このようなシールドは、接地またはフローティングにすることができる。ファラデーシールドが接地される場合、容量結合が減少するために高周波電界強度が低下し、プラズマ放電を引き起こすことが非常に困難になる。また、プラズマがフローティング設計である場合、プラズマの励起は過度に妨げられないが、プラズマによるチャンバーへの侵食を防ぐにはあまり効果的ではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術における問題点に鑑みてなされ、ウェーハエッチングへの悪影響を効果的に回避でき、結合窓の洗浄中にファラデー層を使用することにより、結合窓の完全洗浄を実現できる開閉式ファラデーアセンブリを提供することを目的とする。該開閉式ファラデーアセンブリは、プラズマ処理システムの結合窓の外側に配置され、洗浄する際、開閉式ファラデーアセンブリを構成する各環状のファンブレードは閉じた状態にあり、結合窓とプラズマとの接触領域を覆うことができる。この場合、各環状のファンブレードの内側円弧面は同心円a上に配置され、各環状のファンブレードの外側円弧面は同心円b上に配置される。一方、エッチングする際、開閉式ファラデーアセンブリを構成する各環状のファンブレードは開く状態にあり、開閉式ファラデーアセンブリにおける中央コイルを完全に露出できる。この場合、各環状のファンブレードの第一断面はすべて、最大開口の内接円に接することができ、最大開口の内接円の直径は、中央コイルの外径よりも大きい。
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る開閉式ファラデーアセンブリは、回転ボタンと、高周波アクセスブロックと、前記高周波アクセスブロックを駆動するための昇降機構と、O軸の外側に均等に分布されかつそれぞれ設けられる複数の環状ファンブレードと、を含むファラデー層を有し、
前記回転ボタンは、全体が円環形状であり、O軸の外側に同心円状に回転可能に設けられ、前記環状ファンブレードと同じ数のガイドスライド溝が、前記回転ボタンの環状表面に沿って等間隔に設けられ、
前記各環状ファンブレードは、内側円弧面と、外側円弧面と、内側円弧面および外側円弧面の同じ側の側面をそれぞれ接続する第1側成形面および第2側成形面と、を含み、各環状ファンブレードの外弧面近傍のファン表面には第1位置決め部材および第2位置決め部材がそれぞれ設けられ、
前記各環状ファンブレードは、前記回転ボタンにより駆動されて対応するファン表面に設けられた第1位置決め部材の周りを同期回転でき、さらに、回転振幅は、前記第2位置決め部材と前記回転ボタンのガイドスライド溝との間のガイド接続によって第1限界位置と第2限界位置との間に制限され、
前記各環状ファンブレードが前記第1限界位置に位置される際、前記ファラデー層は閉じた状態にあり、この場合、前記各環状ファンブレードの内側円弧面は、前記O軸の外側の同心円aの円周上に等間隔に配置され、前記各環状ファンブレードの外側円弧面は、前記O軸の外側の同心円bの円周上に等間隔に配置され、前記同心円aの内径は前記同心円bの内径よりも小さく、
前記各環状ファンブレードが前記第2限界位置に位置される際、前記ファラデー層は開いた状態にあり、この場合、前記各環状ファンブレードの第1側成形面は、最大開口の内接円に接しており、前記回転ボタンの内側にある最大開口内接円に対応する領域を完全に露出でき、
前記高周波数アクセスブロックは、前記昇降機構の電力出力端に接続され、
前記昇降機構によって、前記高周波アクセスブロックは前記ファラデー層に向かって移動して閉じた状態のファラデー層の各環状ファンブレードの内側円弧面に導電的に接続でき、または、前記高周波数アクセスブロックがファラデー層から離れて開いた状態のファラデー層と分離できる。
【0007】
さらに、前記ガイドスライド溝は帯状の溝である。
【0008】
さらに、前記ガイドスライド溝は傾斜して設けられている。
【0009】
さらに、前記第1側成形面および前記第2側成形面はともに、平らな成形面、または前記第1側成形面が外向きに湾曲した成形面で、第2側成形面が内向きに湾曲した成形面である。
【0010】
さらに、前記昇降機構は、エアシリンダ、エアシリンダ移送プレートおよびエアシリンダ移送絶縁ロッドを含み、前記エアシリンダの出力端は、前記エアシリンダ移送プレートおよび前記エアシリンダ移送絶縁ロッドを順次に介して前記高周波アクセスブロックに固設されている。
【0011】
さらに、前記第1位置決め部材および前記第2位置決め部材はともにピンである。
【0012】
本発明の他の一つの目的は、上記開閉式ファラデーアセンブリが外側に設けられた結合窓を含むプラズマ処理システムを提供することであり、
各環状ファンブレードは、対応するファン表面に設けられた第1位置決め部材を介して前記結合窓と定められた位置で接続され、
前記結合窓には、回転ボタンの外縁に対応する位置において回転位置決め面が設けられ、前記回転位置決め面の位置決めにより、前記回転ボタンはO軸を中心に回転できる。
【0013】
さらに、前記開閉式ファラデーアセンブリの外側には、中央コイルを含むコイル構造が設けられ、前記中央コイルは回転ボタンの内側領域に正射投影され、前記中央コイルの外径は最大開口の内接円の直径以下であり、
前記各環状ファンブレードが第1限界位置に位置される際、閉じた状態の各環状ファンブレードの内側円弧面は、高周波アクセスブロックを介してファラデー高周波電源に接続され、
前記各環状ファンブレードが第2限界位置に位置される際、前記中央コイルは結合窓の表面に完全に露出し、前記中央コイルおよびエッジコイルはともにコイル高周波電源に接続されている。
【0014】
さらに、前記コイル構造は、前記中央コイルから独立して設けられたエッジコイルをさらに含み、前記エッジコイルは、回転ボタンの内側領域に正射投影でき、
前記各環状ファンブレードが第2限界位置に位置される際、前記中央コイルと前記エッジコイルはともに結合窓の表面に完全に露出し、ともにコイル高周波電源に接続されている。
【0015】
さらに、第1位置決め部材は第1ピンであり、前記結合窓には、前記各環状ファンブレードの第1ピンに対応する位置にピンホールが設けられ、前記各環状ファンブレードは、それぞれのファン表面に設けられた第1ピンによって結合窓における各ピンホールと一対一に接続され、
前記結合窓の中央部には中央固定穴が設けられ、前記中央固定穴にはセラミック製の入口ポートが設けられ、該セラミック製の入口ポートの出口部分にはノズルが設けられている。
【0016】
さらに、反応チャンバーを含み、前記反応チャンバーの上端は開口され、前記反応チャンバーの開口にはチャンバーカバーが密閉接続され、前記チャンバーカバーの中央位置には前記結合窓に対応する窓が設けられ、
前記反応チャンバー内にはベースが設けられ、前記ベースの上面はノズルと対向するバイアス電極に固定接続され、前記バイアス電極の上面にはウェーハが吸着され、
前記反応チャンバーの上部には断面がU字型のシールドボックスが固設され、前記シールドボックスと前記チャンバーカバーとは密閉接続され、
前記高周波アクセスブロックおよび前記昇降機構はともにシールドボックス内に配置され、前記昇降機構の一端は前記シールドボックスの上部に固定され、他端は前記高周波アクセスブロックに固定されている。
【0017】
本発明の更なる他の一つの目的は、開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システムに基づく方法を提供することであり、該方法は、結合窓洗浄工程と、ウェーハエッチング工程と、を含み、
前記ウェーハエッチング工程は、
(1.1) ウェーハを反応チャンバー内のバイアス電極の上方に配置するステップと、
(1.2) エアシリンダを上方に移動させ、高周波アクセスブロックとファラデー層とを分離するステップと、
(1.3) 回転ボタンを回転することによりファラデー層を第2限界位置まで開き、この場合、ファラデー層を構成する各環状ファンブレードの第1側成形面は最大開口の内接円に接することができ、最大開口の内接円に対向する中央コイルが直接結合窓に対向するステップと、
(1.4) セラミック製の入口ポートから反応チャンバー内にプロセスガスを導入し、中央コイルに要求を満たす高周波電源を供給するステップと、
(1.5) ウェーハの表面においてプラズマエッチングを行うステップと、
(1.6) エッチング工程が終了したら、反応チャンバーへのプロセスガスの導入および中央コイルへの電力供給を停止し、反応チャンバーを真空引きするステップと、
を含み、
前記結合窓洗浄工程は、
(2.1) 基板を前記反応チャンバー内のバイアス電極の上方に配置するステップと、
(2.2) 回転ボタンを回転することによりファラデー層を閉じた状態にし、この場合、各環状ファンブレードの内側円弧面はO軸の外側にある同心円aの円周上に位置され、各環状ファンブレードの外側円弧面はO軸の外側にある同心円bの円周上に位置されるステップと、
(2.3) エアシリンダを下降させ、閉じた状態のファラデー層の各環状ファンブレードの内側円弧面に近い部分に高周波アクセスブロックを強く押圧することにより、高周波アクセスブロックが各環状ファンブレードに導電的に接続されるようにするステップと、
(2.4) セラミック製の入口ポートを介して反応チャンバーに洗浄ガスを導入するステップと、
(2.5) 高周波アクセスブロックを介してファラデー層に要求を満たす高周波電源を供給するステップと、
(2.6) 洗浄終了後、反応チャンバーへの洗浄ガスの導入およびファラデー層への電力供給を停止し、反応チャンバーを真空引きするステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来技術に比して、以下のような有益な効果を奏する。
本発明に係る開閉式ファラデーアセンブリは、プラズマ処理システムの結合窓の外側に配置され、洗浄する際、開閉式ファラデーアセンブリを構成する各環状ファンブレードは閉じた状態にあり、結合窓とプラズマとの接触領域を覆うことができる。この場合、各環状ファンブレードの内側円弧面は同心円a上に位置し、各環状ファンブレードの外側円弧面は同心円b上に位置する。一方、エッチングする際、開閉式ファラデーアセンブリを構成する環状ファンブレードは開いた状態にあり、開閉式ファラデーアセンブリの中央コイルを完全に露出できる。この場合、各環状ファンブレードの第1断面はすべて、最大開口の内接円に接することができ、最大開口の内接円の直径は、中央コイルの外径よりも大きい。したがって、本発明に係る開閉式ファラデーアセンブリは、ウェーハエッチングへの悪影響を有効に回避でき、さらに、結合窓の洗浄中にファラデー層を使用することにより、結合窓の完全洗浄を実現できる。すなわち、本発明によれば、従来のファラデーシールドユニットに起因する高周波電界の強度低下の問題を解決でき、高周波電界の強度に影響を与えることなく結合窓の洗浄を容易にし、操作を容易にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システムを示す図である。
図2図1における結合窓の概略構造を示す図である。
図3】閉じた状態における図1の開閉式ファラデーアセンブリの概略構造を示す図である。
図4】開いた状態における図3の開閉式ファラデーアセンブリの概略構造を示す図である。
図5図3におけるファン(扇型)ブレードの概略構造を示す図である。
図6】本発明に係る開閉式ファラデーアセンブリを有するプラズマ処理システムに基づく方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る技術的解決手段について明確かつ完全に説明する。当然でありながら、以下に説明される実施形態は、本発明の実施形態の一部にすぎず、全ての実施形態ではない。以下に説明される少なくとも一つの例示的な実施形態は、単なる例示であり、本発明およびその応用または使用に対していかなる限定もしない。本発明の実施形態に基づき、いわゆる当業者が創作的な工夫をすることなく得られる他の実施形態は、全て本発明の保護範囲に属する。特に説明しない限り、以下に説明される実施形態に係る構成要素およびステップの相対的な配置、表現および数値は、本発明の範囲を限定するものでない。さらに、わかりやすく説明するため、図面に示された様々な部品の寸法は、実際の縮尺および関係に従って描かれていないことには理解されたい。関連する技術分野の通常の技術者の周知技術、方法および装置については、詳細に説明しないが、これらの技術、方法および装置は、必要であれば、本明細書の一部として考慮されるべきである。本明細書において示され議論される全ての実施形態において、任意の特定の値は、例示的なものであって、制限的なものではない。したがって、例示的な実施形態と異なるその他の実施形態では、異なる値を有することができる。
【0021】
わかりやすく説明するため、「上方」、「上部」、「上表面」、「上面」など空間的相対用語を使用して、図面に示される一つのデバイスまたは技術的特徴と他のデバイスまたは技術的特徴との間の空間的位置関係を説明してもよい。理解されるべきことは、空間的相対用語は、図面に示されたもの以外の使用または操作におけるデバイスの異なる向きを含むことを目的としていることである。たとえば、図面におけるデバイスが反転されている場合、「他のデバイスまたは構造の上方」または「他のデバイスまたは構造の上部」として説明されたデバイスは、その後、「他のデバイスまたは構造の下方」または「他のデバイスまたは構造の下部」として位置づけられることになる。したがって、例示的な用語「上方」は、「上方」や「下方」との2つの向きを含みうる。また、他の方法(90度回転または他の方向)により位置決めしてもよい。
【0022】
本発明に係る開閉式ファラデーアセンブリ14は、ファラデー層を有し、図1図5に示すように、ファラデー層は、回転ボタン10と、高周波アクセスブロック22と、高周波アクセスブロック22を駆動するための昇降機構と、O軸の外側に均等に分布されかつそれぞれ設けられる複数の環状ファンブレード14-1と、を含む。ファンブレードの材質は、好ましくは銅またはアルミニウムである。ここで、回転ボタン10は、全体が円環形状であり、O軸の外側に同心円状に回転可能に設けられ、環状ファンブレード14-1と同じ数のガイドスライド溝11が回転ボタンの環状表面に沿って等間隔に設けられている。図において、ガイドスライド溝11は、回転ボタン10の環状表面においてO軸を中心として中心対称に均等に設けられ、その中心線は、ファラデー層を開いた際に形成される最大開口の内接円と接する(接線となる)。回転ボタン10の材質は、好ましくは、絶縁材料ULTEM-1000であり、回転ボタン10の回転中心は、結合窓7の中心軸であるO軸と一致し、その回転位置決め面8は、結合窓7のエッジ部に設けられた回転位置決め面8である。なお、回転ボタン10は、手動で操作されてもよいが、外部電極や外部の回転式エアシリンダ19によって駆動されてもよく、本発明では限定しない。
【0023】
各環状ファンブレード14-1は、内側円弧面14-lbと、外側円弧面14-1dと、内側円弧面14-lbおよび外側円弧面14-1dの同じ側の側面をそれぞれ接続する第1側成形面14-laおよび第2側成形面14-lcと、を含む。異なる形状のファラデー層を形成するため、異なる形状の環状ファンブレード14-1を用いてもよい。すなわち、第1側成形面14-laおよび第2側成形面14-lcは、図5に示す形状、すなわち、第1側成形面14-laは外向きに湾曲した成形面で、第2側成形面14-lcは内向きに湾曲した成形面であってもよいし、いずれも平らな成形面であってもよい。さらに、各環状ファン羽根14-1の外周円弧面14-1d近傍のファン表面には、第1位置決め部材および第2位置決め部材がそれぞれ設けられている。第1位置決め部材および第2位置決め部材はともにピンであり、それぞれ第1ピン12および第2ピン13である。
【0024】
各環状ファンブレード14-1は、回転ボタン10により駆動されて対応するファン表面に設けられた第1位置決め部材の周りを同期回転でき、その回転振幅は、第2位置決め部材と回転ボタン10のガイドスライド溝11とのガイド接続によって第1限界位置と第2限界位置との間に制限されている。本発明において、ガイドスライド溝11は、帯状の溝であり、傾斜して設けられている。
【0025】
各環状ファンブレード14-1が第1限界位置に位置される際、ファラデー層は閉じた状態である。この場合、各環状ファンブレード14-1の内側円弧面14-lbは、O軸の外側の同心円aの円周上に等間隔に配置され、各環状ファンブレード14-1の外側円弧面14-ldは、O軸の外側の同心円bの円周上に等間隔に配置され、同心円aの内径は同心円bのそれよりも小さい。
【0026】
各環状ファンブレード14-1が第2限界位置に位置される際、ファラデー層は開いた状態である。この場合、各環状ファンブレード14-1の第1側成形面14-1aは、全て最大開口の内接円に接し(接線である)、回転ボタン10の内側にある最大開口内接円に対応する領域を完全に露出できる。
【0027】
高周波アクセスブロック22は、昇降機構の電力出力端に接続されている。本発明において、昇降機構は、エアシリンダ19、エアシリンダ移送プレート20およびエアシリンダ移送絶縁ロッド21を含む。エアシリンダの動力出力端は、エアシリンダ移送プレート20およびエアシリンダ移送絶縁ロッド21を順次に介して高周波アクセスブロック22に固設されている。
【0028】
昇降機構によって、高周波アクセスブロック22はファラデー層に向かって移動して閉じた状態のファラデー層の各環状ファンブレード14-1の内側円弧面14-lbに導電的に接続でき、または、高周波アクセスブロック22がファラデー層から離れて開いた状態のファラデー層と分離できる。
【0029】
上記開閉式ファラデーアセンブリ14をプラズマ処理システムに用いることにより、結合窓7を含む開閉式ファラデーアセンブリ14を有するプラズマ処理システムが得られる。本発明において、結合窓7の材質は、通常はセラミック製であり、反応チャンバー1およびチャンバーカバー6の真上に位置し、中央部には、中央固定孔を介してガス入口ノズル9が設けられている。該ノズルは、プロセス工程においてチャンバーにプロセスガス/洗浄ガスを供給するためのセラミック製の入口ポート16の出口部分に設けられている。反応チャンバー1内には、バイアス電極4およびバイアス電極4の真上に位置されるウェーハ5が配置されている。結合窓7の上方には、コイル構造が設けられ、該コイル構造は、立体式コイル17である。立体式コイル17は、2つの独立した部分である中央コイルおよびエッジコイルを含む。中央コイルおよびエッジコイルは、いずれも2つの単一立体式コイルを結合して形成され、各単一立体式コイルは、垂直方向に2段、3段またはそれ以上に設けられ、平面上は2巻き、3巻きまたはそれ以上に巻かれている。2つの単一立体式コイルの一端は、ともに外部の高周波装置に接続され、他端もともに接地されている。開閉式ファラデーアセンブリ14は、結合窓7と立体式コイル17との間の中間層に位置されている。この場合、各環状ファンブレード14-1は、対応するファン表面に設けられた第1位置決め部材を介して結合窓7と定められた位置で接続されている。結合窓7には、回転ボタン10の外縁に対応する位置において回転位置決め面8が設けられ、回転位置決め面8の位置決めにより、回転ボタン10はO軸を中心に回転できる。立体式コイル17は、回転ボタン10の内側領域に正射投影され、立体式コイル17の外径は、最大開口の内接円の直径以下である。すなわち、中央コイルおよびエッジコイルは、いずれも回転ボタン10の外周領域に正射投影でき、エッジコイルの外径は、最大開口の内接円の直径以下である。
【0030】
各環状ファンブレード14-1が第1限界位置に位置される際、閉じた状態の各環状ファンブレード14-1の内側円弧面14-lbは、高周波アクセスブロック22を介してファラデー高周波電源に接続される。
【0031】
各環状ファンブレード14-1が第2限界位置に位置される際、立体式コイル17は結合窓7の表面に完全に露出し、中央コイルおよびエッジコイルはともにコイル高周波電源に接続されている。
【0032】
第1位置決め部材は第1ピン12であり、結合窓7には、各環状ファンブレード14-1の第1ピン12に対応する位置にピンホール15が設けられ、各環状ファンブレード14-1はそれぞれのファン表面に設けられた第1ピン12によって結合窓7における各ピンホール15に一対一に接続される。
【0033】
さらに、反応チャンバー1を含み、反応チャンバー1の上端は開口され、反応チャンバー1の開口にはチャンバーカバー6が密閉接続され、チャンバーカバー6の中央位置には結合窓7に対応する窓が設けられている。
【0034】
反応チャンバー1内には、ベース3が設けられている。ベース3の上面はノズルと対向するバイアス電極4に固定接続され、バイアス電極4の上面にはウェーハ5が吸着されている。
【0035】
結合窓7の上方の開閉式ファラデーアセンブリ14と中央コイルとの間は絶縁部材を用いて絶縁され、上方の高周波全体はシールドボックス18によってシールドされている。さらに、シールドボックス18内には、高周波アクセス用の高周波アクセスブロック22および開閉式ファラデーアセンブリ14の昇降機構がともに固定配置されており、昇降機構の一端はシールドボックス18の上部に固定され、他端は高周波アクセスブロック22に固定されている。昇降機構は、エアシリンダ、エアシリンダ移送プレート20およびエアシリンダ移送絶縁ロッド21を含む。エアシリンダ移送プレート20の材質は、好ましくは316Lステンレス鋼であり、エアシリンダ移送絶縁ロッド21の材質は、好ましくはULTEM-1000であり、エアシリンダ移送絶縁ロッド21はエアシリンダ移送プレート20と高周波アクセスブロック22との間において絶縁支持を与え、さらに中央セラミック製のポートを介してガス導入のための十分な空間を残す。高周波アクセスブロック22の材質は、好ましくは銅またはアルミニウムであり、高周波数に接続されている。
【0036】
本発明の更なる他の一つの目的は、図6に示すように、結合窓7の洗浄工程とウェーハ5のエッチング工程とを含む開閉式ファラデーアセンブリ14を有するプラズマ処理システムに基づく方法を提供することである。
【0037】
ウェーハ5のエッチング工程は、具体的には以下のステップを含む。
(1.1) ウェーハ5を反応チャンバー1内のバイアス電極4の上方に配置する。
【0038】
(1.2) エアシリンダを上方に移動させ、高周波アクセスブロック22とファラデー層とを分離する。
【0039】
(1.3) 回転ボタン10を回転することによりファラデー層を第2限界位置まで開く。この場合、ファラデー層を構成する各環状ファンブレード14-1の第1側成形面14-laは、すべて最大開口の内接円に接することができ、最大開口の内接円に対向する中央コイルが直接結合窓7に対向する(向かい合う)。
【0040】
(1.4) セラミック製の入口ポート16から反応チャンバー1内にプロセスガスを導入し、中央コイルに要求を満たす高周波電源を供給する。
【0041】
(1.5) ウェーハ5の表面においてプラズマエッチングを行う。
【0042】
(1.6) エッチング工程が終了したら、反応チャンバー1へのプロセスガスの導入および中央コイルへの電力供給を停止し、反応チャンバー1を真空引きする。
【0043】
ウェーハ5のエッチング工程が終了すると、ファラデー層は開いた状態になる。
【0044】
ウェーハ5のエッチング工程の後、結合窓7の洗浄工程を行う必要があり、具体的には以下のステップを含む。
(2.1) 基板を反応チャンバー1内のバイアス電極4の上方に配置する。
【0045】
(2.2)回転ボタン10は結合窓7上の回転位置決め面8により位置決めされてO軸を中心に時計回り方向に回転され、回転ボタン10上のガイドスライド溝11が環状ファンブレード14-1における第2ピン13を回転させ、第2ピン13が環状ファンブレード14-1を第1ピン12に対してそれぞれ回転制御し、第1ピン12と結合窓7におけるピンホール15とが嵌り込んで連動して回転することにより、ファラデー層を閉じた状態にする。この場合、環状ファンブレード14-1の内側円弧面14-lbはO軸の外側にある同心円aの円周上に位置され、環状ファンブレード14-1の外側円弧面14-ldはO軸の外側の同心円bの円周上に位置される。
【0046】
(2.3) エアシリンダを下降させ、エアシリンダ移送プレート20およびエアシリンダ移送絶縁ロッド21を介して高周波アクセスブロック22を下降させることにより、高周波アクセスブロック22が各環状ファンブレード14-1を強く押圧するようにする。すなわち、閉じた状態のファラデー層の各環状ファンブレード14-1の内側円弧面14-lbに近い部分に高周波アクセスブロック22を強く押圧することにより、高周波アクセスブロック22が各環状ファンブレード14-1に導電的に接続される(導通する)ようにする。
【0047】
(2.4) セラミック製の入口ポート16を介して反応チャンバー1に洗浄ガスを導入する。
【0048】
(2.5) 高周波アクセスブロック22を介してファラデー層に要求を満たす高周波電源を供給する。
【0049】
(2.6) 一定期間洗浄を行った後、隣り合う2つの環状ファンブレード14-1の間に隙間がある場合、回転前の隣り合う2つの環状ファンブレード14-1の間のスリットを回転後の環状ファンブレード14-1で覆うことが可能な回転角度でファラデー層を押して回転させる。その後、このような状態を維持しながら一定期間洗浄を継続する。このステップを通じて、結合窓7の洗浄を良好に完了させることができる。逆に、隣り合う2つの環状ファンブレード14-1の間に隙間がなく、結合窓7とプラズマとの接触領域が完全に覆われている場合、ファラデー層を押して回転させる必要はない。
【0050】
(2.7) 洗浄終了後、反応チャンバー1への洗浄ガスの導入およびファラデー層への電力供給を停止し、反応チャンバー1を真空引きする。
【0051】
洗浄工程が終了すると、エアシリンダを上方に移動させ、エアシリンダ移送プレート20およびエアシリンダ移送絶縁ロッド21を介して高周波アクセスブロック22を上方に向かうように移動させ、高周波アクセスブロック22と各環状ファン翼14-1とを分離させる。回転ボタン10は、結合窓7に設けられた回転位置決め面8による位置決めを通じてO軸を中心に反時計回りに回転し、回転ボタン10に設けられたガイドスライド溝11が環状ファンブレード14-1に設けられた第2ピン13を回転させ、第2ピン13が環状ファンブレード14-1を第1ピン12を中心にそれぞれ回転制御し、第1ピン12と結合窓7のピンホール15とが嵌り込んで連動して回転することにより、ファラデー層を開いた状態にする。この場合、中央コイルは全くシールドされず、すなわち、中央コイルは結合窓7に完全に露出される。したがって、エッチング工程を開始できる。
【0052】
本発明に係る開閉式ファラデー組立体14は、結合窓7とプラズマとの接触領域を完全または部分的に覆うことができるため、完全な洗浄を確保できる。ファラデー層の開閉を制御することにより合わせてエッチングおよび洗浄工程を行い、チャンバー、特に、結合窓7の完全洗浄を実現できる。さらに、ファラデー層が開いた状態にある場合、励磁用高周波コイルは全くシールドされず、すなわち、開閉ファラデー層の存在は、コイルの励起に影響を与えず、コイル結合の場合の電界強度を弱めることがないため、エッチング工程に全く影響を与えない。
【符号の説明】
【0053】
1 反応チャンバー、
2 支持アーム、
3 ベース、
4 バイアス電極、
5 ウェーハ、
6 チャンバーカバー、
7 結合窓、
7-1 結合窓の中央固定穴、
8 回転位置決め面、
9 ガス入口ノズル、
10 回転ボタン、
11 ガイドスライド溝、
12第1ピン、
13第2ピン、
14 開閉式ファラデーアセンブリ、
14-1 環状ファンブレード、
14-1a 環状ファンブレードの第一側成形面、
14-1b 環状ファンブレードの内側円弧面、
14-1c 環状ファンブレードの第2側成形面、
14-1d 環状ファンブレードの外側円弧面、
15 ピンホール、
16 セラミック製の入口ポート、
17 立体式コイル、
18 シールドボックス、
19 エアシリンダ、
20 エアシリンダ移送プレート、
21 エアシリンダ移送絶縁ロッド、
22 高周波アクセスブロック、
23 スイッチボックス、
24 配電ボックス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6