(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】光拡散板及び直下型バックライトユニット
(51)【国際特許分類】
G02B 5/02 20060101AFI20231011BHJP
C08L 69/00 20060101ALI20231011BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231011BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20231011BHJP
【FI】
G02B5/02 B
C08L69/00
F21S2/00 481
F21V3/00 530
(21)【出願番号】P 2017249155
(22)【出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000165088
【氏名又は名称】恵和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【氏名又は名称】池田 義典
(72)【発明者】
【氏名】岡部 元彦
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】杉山 輝和
【審判官】河原 正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/082972(WO,A1)
【文献】特開2007-179018(JP,A)
【文献】特開2014-194466(JP,A)
【文献】特開平11-19928(JP,A)
【文献】特開2009-205876(JP,A)
【文献】国際公開第2017/078075(WO,A1)
【文献】特開2003-012790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00-5/136
G02F 1/13357
F21V 1/00-15/04
F21S2/ 00
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直下型バックライトユニット用の光拡散板であって、
樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する拡散剤とを有し、
上記樹脂マトリックスがポリカーボネート系樹脂であり、
上記拡散剤が有機粒子であり、
ゲルパーミエションクロマトグラフィーにより測定される上記ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.8以上3.2以下であり、
上記ポリカーボネート系樹脂の上記重量平均分子量Mwが30800以上63700以下であり、
黄色度が11.98以下であり、
外径20mmの筒体に180度巻き付けた際に割れが発生
せず、
平均厚さが0.1mm以上1.0mm以下であり、1m
2
あたりにおける200μm以上の長さを有する変色領域の個数が6以下である光拡散板。
【請求項2】
上記樹脂マトリックス100質量部に対する上記拡散剤の含有量が0.2質量部以上10質量部以下であり、
上記拡散剤の平均粒子径が1.0μm以上7.0μm以下である請求項
1に記載の光拡散板。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の光拡散板を備える直下型バックライトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光拡散板及び直下型バックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置用のバックライトには、LEDが用いられている。LEDを用いたバックライトの方式としては、エッジ型及び直下型の2種類が知られている。エッジ型バックライトは、画面の上下又は左右にLEDを直線的に配設するものであり、直下型バックライトは、画面の裏側の全面にLEDを2次元的に配設するものである。エッジ型バックライトは、画面の裏側にLEDを配設する必要がないので、液晶表示装置を薄型化できる。一方、直下型バックライトは、画面の裏側にLEDを配設するスペースを必要とするが、多数のLEDを用いることにより高い輝度が得られる。
【0003】
従来、直下型バックライトは、大型の液晶表示装置に採用されていたが、LEDの小型化により、小型の液晶表示装置への採用も検討されている。小型で薄い液晶表示装置に採用される直下型バックライトは、薄型化された光拡散板を必要とする。そして、薄型化された光拡散板には、光拡散性及び透明性に加えて耐熱性及び機械的強度が求められる。
【0004】
一般的な光拡散板には、形成材料としてポリメタクリルスチレンやポリスチレンが用いられる。しかしながら、これらの材料によっては、光拡散板の薄型化において十分な耐熱性及び機械的強度が得られない。そこで、形成材料としてポリカーボネートを用いた光拡散板が提案されている(特許文献1)。特許文献1の光拡散板は、粘度平均分子量が12000以上15000未満であり、分子量1000未満の低分子量含有率が2.5質量%以下である芳香族ポリカーボネートに拡散剤を加えた光拡散板であり、寸法安定性、光学特性及び機械的強度に優れるとされている。
【0005】
特許文献1の光拡散板は、2mm前後の厚さに成形されることを主眼として検討されたものである。しかしながら、より薄い光拡散板が要求される場合には、光拡散板の最適な光学特性及び機械的強度についてさらなる検討が必要である。
【0006】
一方、光拡散板の成形において、形成材料の流動性の確保のために光拡散板の成形温度が不可避的に高く設定される場合、光拡散板の内部に未溶解物、変質物等に由来する欠陥が発生し、光拡散板の光学特性が低下する可能性がある。光拡散板の形成材料を溶解した状態においてゲル状異物除去フィルターを用いてこれらの欠陥を分離することが考えられるが、光拡散板は拡散剤を含有しているため、欠陥のみを選択的に分離することは困難である。したがって、これらの欠陥が発生し難い光拡散板の形成材料についても検討が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる直下型バックライトユニット用の光拡散板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、直下型バックライトユニット用の光拡散板であって、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する拡散剤とを有し、上記樹脂マトリックスの主成分がポリカーボネート系樹脂であり、ゲルパーミエションクロマトグラフィーにより測定される上記ポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.8以上3.2以下であり、上記ポリカーボネート系樹脂の上記重量平均分子量Mwが3.0×104以上6.5×104以下である。
【0010】
当該光拡散板は、樹脂マトリックスの主成分がポリカーボネート系樹脂であり、このポリカーボネート系樹脂のMwが上記下限以上であるので、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる。また、当該光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwが上記上限以下であり、かつMw/Mnが上記下限以上であるので、高い温度での成形を不要とし、製造時において欠陥が発生し難い成形温度を選択できる。また、ポリカーボネート系樹脂の低分子量成分は成形時に劣化しやすく、ポリカーボネート系樹脂の高分子量成分は成形時に未溶解物となりやすい。当該光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mnが上記上限以下であるので、低分子量成分及び高分子量成分が少ない。このため、当該光拡散板は、製造時においてポリカーボネート系樹脂の低分子量成分及び高分子量成分に由来する欠陥の発生を抑制できる。つまり、当該光拡散板は、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる。ここで、主成分とは、最も含有量の多い成分を示し、例えば含有量が50質量%以上の成分を示す。
【0011】
当該光拡散板は、平均厚さが0.1mm以上1.0mm以下であるとよい。これにより、当該光拡散板は、薄く成形されかつ機械的強度に優れる。
【0012】
上記樹脂マトリックス100質量部に対する上記拡散剤の含有量が0.2質量部以上10質量部以下であり、上記拡散剤の平均粒子径が1.0μm以上7.0μm以下であるとよい。これにより、当該光拡散板は、適切な拡散性を保持できる。
【0013】
当該光拡散板は、黄色度が12以下であるとよい。光拡散板の黄ばみは、成形時の樹脂の劣化により生じるものである。当該光拡散板は、黄色度が上記上限以下であるので、劣化の少ない樹脂によって形成される。ここで、黄色度とは、JIS-K7373(2006)に準拠して計算される値を示し、平均厚さが1.0mmの光拡散板について測色色差計を用いて三刺激値(X、Y、Z)を求めることによって得られる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた別の発明の直下型バックライトユニットは、上記光拡散板を備える。
【0015】
当該直下型バックライトユニットは、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる上記光拡散板を備えているので、小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の光拡散板は、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の光拡散板の実施形態について詳説する。
【0018】
[光拡散板]
当該光拡散板は、直下型バックライトユニット用の光拡散板であり、厚みが略均一の板状に形成されている。当該光拡散板は、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する拡散剤とを有している。当該光拡散板は、一方の面からの入射光を他方の面へ透過させる際に、この透過光を樹脂マトリックス中の拡散剤により拡散させることで出射光の均一化を図るものである。また、特に限定されないが、当該光拡散板は、押出成形品であるとよく、例えば20インチ程度の液晶表示装置における直下型バックライトユニット用の光拡散板として採用される。
【0019】
当該光拡散板は、一般的な直下型バックライトユニット用の光拡散板よりも薄く形成されている。当該光拡散板の平均厚さの下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましく、0.3mmがさらに好ましい。一方、当該光拡散板の平均厚さの上限としては、1.0mmが好ましく、0.9mmがより好ましく、0.8mmがさらに好ましい。当該光拡散板の平均厚さが上記下限に満たないと、当該光拡散板の機械的強度が不足し、加工時や信頼性試験時等において割れが発生するおそれがある。逆に、当該光拡散板の平均厚さが上記上限を超えると、当該光拡散板が十分に薄型化されないおそれがある。
【0020】
当該光拡散板は、劣化の少ない樹脂によって形成される。光拡散板は、透明または白色に近い程好ましいため、当該光拡散板の黄色度の下限としては0が好ましい。一方、当該光拡散板の黄色度の上限としては、12が好ましく、11.7がより好ましく、11.5がさらに好ましい。当該光拡散板の黄色度が上記上限を超えると、当該光拡散板を採用したバックライトからの出射光が黄色くなるため、液晶パネルの出力画像が黄色に変色し、色再現性が悪くなるおそれがある。
【0021】
<樹脂マトリックス>
当該光拡散板を形成している樹脂マトリックスの主成分は、ポリカーボネート系樹脂である。ポリカーボネート系樹脂としては、直鎖ポリカーボネート系樹脂及び分岐ポリカーボネート系樹脂の少なくともいずれかが採用される。また、ポリカーボネート系樹脂の中でも、透明性、耐衝撃性、難燃性、寸法安定性等の観点から、芳香族ポリカーボネート系樹脂が採用されると好ましい。なお、樹脂マトリックスは、透明又は半透明であればよく、主成分のポリカーボネート系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
【0022】
樹脂マトリックスに対するポリカーボネート系樹脂の含有量の下限としては、90質量%が好ましく、93質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限は、100質量%であってよいが、この上限としては、99質量%が好ましく、98質量%がより好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、当該光拡散板の機械的強度が不足し、加工時や信頼性試験時等において割れが発生するおそれがある。逆に、上記含有量が好ましい上記上限を超えると、他の樹脂を加えることが困難となり、当該光拡散板の設計自由度が低下するおそれがある。
【0023】
樹脂マトリックスの主成分であるポリカーボネート系樹脂は、高い機械的強度を示し、製造時において欠陥が発生し難い成形温度を選択可能な分子量である。ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwの下限は、3.0×104であり、3.1×104が好ましく、3.2×104がより好ましい。一方、上記重量平均分子量Mwの上限は、6.5×104であり、6.4×104が好ましく、6.3×104がより好ましい。上記重量平均分子量Mwが上記下限に満たないと、当該光拡散板の機械的強度が不足し、加工時や信頼性試験時等において割れが発生するおそれがある。逆に、上記重量平均分子量Mwが上記上限を超えると、当該光拡散板の製造時において成形温度を高める必要性が生じ、製造時における欠陥の発生が抑制されないおそれがある。
【0024】
また、このポリカーボネート系樹脂は、製造時において欠陥が発生し難い分子量分布を有する。GPCにより測定されるポリカーボネート系樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの下限は、1.8であり、1.9が好ましく、2.0がより好ましい。一方、上記比Mw/Mnの上限は、3.2であり、3.1が好ましく、3.0がより好ましい。上記比Mw/Mnが上記下限に満たないと、当該光拡散板の製造時において成形温度を高める必要性が生じ、製造時における欠陥の発生が抑制されないおそれがある。逆に、上記比Mw/Mnが上記上限を超えると、ポリカーボネート系樹脂の低分子量成分及び高分子量成分が増加するため、当該光拡散板の製造時において低分子量成分及び高分子量成分に由来する欠陥の発生が抑制されないおそれがある。
【0025】
<拡散剤>
樹脂マトリックス中に分散する拡散剤は、透明又は半透明の略球状の粒子であり、樹脂マトリックス中の透過光を拡散させる機能を有している。拡散剤としては、例えばシリコーンビーズ、アクリルビーズ等の有機粒子、シリカ等の無機粒子が採用される。
【0026】
樹脂マトリックス100質量部に対する拡散剤の含有量の下限としては、0.2質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、8質量部がより好ましく、7質量部がさらに好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、樹脂マトリックス中の透過光が均一に拡散されないおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、当該光拡散板の機械的強度が不足し、加工時や信頼性試験時等において割れが発生するおそれがある。
【0027】
拡散剤の平均粒子径の下限としては、1.0μmが好ましく、1.5μmがより好ましく、2.0μmがさらに好ましい。一方、拡散剤の平均粒子径の上限としては、7.0μmが好ましく、6.0μmがより好ましく、5.0μmがさらに好ましい。拡散剤の平均粒子径が上記下限に満たないと、十分な拡散性が得られないおそれがある。逆に、拡散剤の平均粒子径が上記上限を超えると、樹脂マトリックス中の透過光が均一に拡散されないおそれがある。
【0028】
[光拡散板の製造方法]
当該光拡散板の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、押出成形装置で樹脂材料と拡散剤を混練することによりペレットを作成するコンパウンド工程と、押出成形装置を用いてコンパウンド工程後のペレットを押出成形する工程とを備える製造方法が採用できる。
【0029】
(利点)
当該光拡散板は、樹脂マトリックスをポリカーボネート系樹脂とし、このポリカーボネート系樹脂のMwを適切な下限以上としているので、機械的強度に優れる。また、当該光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwを適切な上限以下とし、Mw/Mnを適切な下限以上としているので、製造時に高い温度を必要としない。このため、当該光拡散板は、製造時において欠陥が発生し難い成形温度を選択できる。また、当該光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mnを適切な上限以下としているので、低分子量成分及び高分子量成分が少ない。このため、当該光拡散板は、製造時において低分子量成分及び高分子量成分に由来する欠陥の発生を抑制できる。つまり、当該光拡散板は、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる。
【0030】
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0031】
上記実施形態では、光拡散板のみについて説明したが、直下型バックライトユニットが上述の光拡散板を備える構成であってもよい。上述の光拡散板は、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる光拡散板であるので、直下型バックライトユニットは、この光拡散板を備えることで小型化を図ることができる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
[No.1~No.12の光拡散板]
押出成形によりNo.1~No.12の光拡散板を作成した。光拡散板の平均厚さは1.0mmとした。樹脂マトリックスに対するポリカーボネート系樹脂の含有量を100質量%とし、樹脂マトリックス100質量部に対する拡散剤の含有量を1質量部とした。また、拡散剤として平均粒子径3.0μmのシリコーンビーズを用いた。光拡散板の成形温度については、樹脂材料の流動性が押出成形に適したものとなる温度を採用した。ポリカーボネート系樹脂のMw、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mn、及び光拡散板の成形温度を表1に示す。
【0034】
[光拡散板の評価]
作成したNo.1~No.12の光拡散板について、黄色度及び欠陥の含有率を測定し、さらに機械的強度を検討するために可撓性試験を行った。これらの結果を表1に示す。
【0035】
黄色度は、測色色差計を用いて三刺激値(X、Y、Z)を求め、この値からJIS-K7373(2006)に準拠した計算により導出した。
【0036】
欠陥の含有率については、顕微鏡を用いて200μm以上の長さを有する変色領域を観察し、1m2あたりの変色領域の数を欠陥の含有率とした。
【0037】
可撓性試験としては、外径20mmの筒体の周りに光拡散板を180度巻き付けて、光拡散板に割れが発生するか否かを確認する手法を採用した。なお、表1では、光拡散板に割れが発生しなかったものをAとし、光拡散板に割れが発生したものをBとしている。
【0038】
【0039】
No.1~No.4の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwが3.0×104以上6.5×104以下であり、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mnが1.8以上3.2以下である。No.1~No.4の光拡散板は、黄色度が12以下であり、欠陥の含有率が6以下であり、可撓性試験において割れが発生しないことが確認された。つまり、No.1~No.4の光拡散板は、機械的強度に優れ、製造時における欠陥の発生が抑制されたものであるといえる。
【0040】
No.5~No.6の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwが3.0×104未満である。No.5~No.6の光拡散板は、可撓性試験において割れが発生することが確認された。つまり、No.5~No.6の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwが小さいため、機械的強度が不足しているといえる。
【0041】
No.7~No.8の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwが6.5×104超である。No.7~No.8の光拡散板は、黄色度が12超であり、欠陥の含有率が131以上であることが確認された。つまり、No.7~No.8の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMwが大きいため、製造時における欠陥の発生を抑制できず、成型時に樹脂の劣化も進行しているといえる。
【0042】
No.9~No.10の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mnが1.8未満である。また、No.11~No.12の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mnが3.2超である。No.9~No.12の光拡散板は、黄色度が12超であり、欠陥の含有率が12以上であることが確認された。つまり、No.9~No.12の光拡散板は、ポリカーボネート系樹脂のMw/Mnが適切な範囲内にないため、製造時における欠陥の発生を抑制できず、成型時に樹脂の劣化も進行しているといえる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の光拡散板は、製造時における欠陥の発生を抑制でき、薄く成形された場合においても機械的強度に優れる。このため、本発明の光拡散板を備える直下型バックライトユニットは、小型化を図ることができる。