(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】不要シート除去装置および不要シート除去方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20231011BHJP
B65H 41/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65H41/00 A
(21)【出願番号】P 2018177229
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-07-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 祐太
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-084688(JP,A)
【文献】特開2015-056613(JP,A)
【文献】特開2013-074102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
B65H 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接着シートと帯状の不要シートとが帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出す繰出手段と、
前記剥離シートから前記不要シートを剥離し、所定の回収動作を行って当該不要シートを回収する回収手段と、
前記剥離シートから前記不要シートが剥離される剥離開始部と、前記回収手段で前記不要シートが回収される回収開始部との間で、前記回収手段の回収動作に同期して前記不要シートを回収手段方向に送る不要シート送り手段とを備え、
前記不要シート送り手段は、前記不要シートを挟み込んで当該不要シートを湾曲させる複数のローラ部材と、前記複数のローラ部材に回転力を付与する回転力付与手段とを備え、前記複数のローラ部材は、前記不要シートの一方の面側と他方の面側とで互い違いに位置するように千鳥配置されていることを特徴とする不要シート除去装置。
【請求項2】
複数の接着シートと帯状の不要シートとが帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出す繰出工程と、
前記剥離シートから前記不要シートを剥離し、回収手段で所定の回収動作を行って当該不要シートを回収する回収工程と、
前記剥離シートから前記不要シートが剥離される剥離開始部と、前記回収手段で前記不要シートが回収される回収開始部との間で、前記回収手段の回収動作に同期して前記不要シートを回収手段方向に送る不要シート送り工程とを実施し、
前記不要シート送り工程では、前記不要シートの一方の面側と他方の面側とで互い違いに位置するように千鳥配置された複数のローラ部材で当該不要シートを挟み込んで当該不要シートを湾曲させた状態で、前記複数のローラ部材に回転力を付与することを特徴とする不要シート除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不要シート除去装置および不要シート除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の接着シートと帯状の不要シートとが帯状の剥離シートに仮着された原反から、当該不要シートを剥離して回収する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された連続ラベル製造装置11(不要シート除去装置)では、ラベル連続体12(原反)から剥離したラベルカス21A(不要シート)をカス巻取ローラ18(回収手段)で引っ張りながら回収するため、剥離紙23(剥離シート)から不要シートが剥離される剥離開始部と、回収手段で不要シートが回収される回収開始部との間に位置する支持なし不要シート部分が回収手段の張力によって切断され、不要シートの回収不良が生じるという不都合がある。このような不都合は、不要シートが軟弱または脆弱であったり、幅が細かったりした場合等において顕著化する。
【0005】
本発明の目的は、不要シートの回収不良を極力防止することができる不要シート除去装置および不要シート除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回収手段の回収動作に同期して不要シートを回収手段方向に送るので、剥離開始部と回収開始部との間に位置する支持なし不要シート部分が回収手段の張力によって切断されることが極力抑制され、不要シートの回収不良を極力防止することができる。
また、不要シートを挟み込んで湾曲させる複数のローラ部材や、プーリに掛け回されたベルト部材によって不要シートを回収手段方向に送るようにすれば、支持なし不要シート部分に接触する領域を多くして、当該支持なし不要シート部分を回収手段方向に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る不要シート除去装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
図1において、不要シート除去装置EAは、複数の接着シートASと帯状の不要シートUSとが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを繰り出す繰出手段10と、剥離シートRLから不要シートUSを剥離し、所定の回収動作を行って当該不要シートUSを回収する回収手段20と、剥離シートRLから不要シートUSが剥離される剥離開始部PT1と、回収手段20で不要シートUSが回収される回収開始部PT2との間で、回収手段20の回収動作に同期して不要シートUSを回収手段20方向に送る不要シート送り手段30とを備え、被着体としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」ともいう)WFに接着シートASを押圧して貼付する押圧手段40と、ウエハWFを支持する支持手段50とでシート貼付装置EA1を形成している。
【0011】
繰出手段10は、剥離シートRLに帯状の接着シート基材BSが仮着され、当該接着シート基材BS上にカバーシートCSが仮着された接着シート積層体RS1を支持する支持ローラ11と、接着シート積層体RS1等を案内する第1~第4ガイドローラ12A~12Dと、第2ガイドローラ12Bに掛け回されて接着シート基材BSから剥離されたカバーシートCSに、常に所定の張力を付与して当該カバーシートCSを巻回して回収するカバーシート回収ローラ13と、接着シート基材BSに閉ループ状の切込CUを形成し、当該切込CUの内側に位置する接着シートASと、当該切込CUの外側に位置する不要シートUSとを形成する切断手段14と、原反RSに繰出力を付与する繰出力付与手段15とを備え、原反RSを繰り出す構成となっている。
切断手段14は、駆動機器としての回動モータ14Aの出力軸14Bに支持され、円周面に平ループ状の切断部材としての切断刃14Cが設けられたダイカットローラ14Dと、ダイカットローラ14Dと同期回転するアンビルローラ14Eとを備えている。
繰出力付与手段15は、駆動機器としてのリニアモータ15Aのスライダ15Bに支持された支持プレート15Cと、支持プレート15Cに支持された駆動機器としての回動モータ15Dと、回動モータ15Dの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Eとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15Fと、ピンチローラ15Eとの間に存在する剥離シートRLに、常に所定の張力を付与して当該剥離シートRLを巻回して回収する剥離シート回収ローラ15Gとを備えている。
【0012】
回収手段20は、第4ガイドローラ12Dに掛け回されて剥離シートRLから剥離された不要シートUSを巻回して回収する不要シート回収ローラ21と、駆動機器としての回動モータ22によって駆動される駆動ローラ23と、不要シートUSを間に挟んで不要シート回収ローラ21を駆動ローラ23方向に付勢し、当該不要シート回収ローラ21に不要シートUSを巻回させる付勢手段24とを備えている。
付勢手段24は、支点軸24Aに回転自在に支持され、当該支点軸24Aの反対側で不要シート回収ローラ21を回転自在に支持する回動アーム24Bと、回動アーム24Bを駆動ローラ23方向に付勢するばね24Cとを備えている。
【0013】
不要シート送り手段30は、不要シートUSを挟み込んで当該不要シートUSを湾曲させる複数のローラ部材31と、複数のローラ部材31に回転力を付与する回転力付与手段であって駆動機器としての回動モータ32とを備え、剥離開始部PT1と回収開始部PT2との間に位置する支持なし不要シート部分US1を支持して不要シートUSを回収手段20方向に送るようになっている。なお、各ローラ部材31は、それぞれに取り付けられた図示しないプーリと、それら各プーリに掛け回された駆動力伝達手段としてのベルト33とを介して回動モータ32によって回転駆動される構成となっている。
【0014】
押圧手段40は、全部が繰出手段10と共用されており、リニアモータ15A、スライダ15B、支持プレート15C、回動モータ15D、ピンチローラ15E、駆動ローラ15Fおよび剥離シート回収ローラ15Gを備えている。
【0015】
支持手段50は、駆動機器としての直動モータ51と、直動モータ51の出力軸51Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持面52Aを有するテーブル52とを備えている。
【0016】
以上の不要シート除去装置EAを備えたシート貼付装置EA1の動作を説明する。
先ず、
図1中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EA1に対し、当該シート貼付装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が接着シート積層体RS1を同図に示すようにセットし、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、繰出手段10、回収手段20および不要シート送り手段30が回動モータ14A、15D、22、32を駆動し、接着シート積層体RS1を繰り出しつつ、ダイカットローラ14Dを回転させて接着シート基材BSに閉ループ状の切込CUを形成することにより、剥離シートRLに接着シートASと不要シートUSとが仮着された原反RSを形成し、当該原反RSを繰り出す。
【0017】
次いで、
図1に示すように、剥離シートRLに仮着された先頭の接着シートASの繰出方向先端部が第3ガイドローラ12Cの下方所定位置に到達したことを、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等からなる図示しないシート先端検知機器が検知すると、繰出手段10、回収手段20および不要シート送り手段30が回動モータ14A、15D、22、32の駆動を停止する。
なお、上記のようにして原反RSが繰り出されると、カバーシートCSは、第2ガイドローラ12Bで接着シート基材BSから剥離され、カバーシート回収ローラ13に巻回されて回収されるとともに、不要シートUSは、第4ガイドローラ12Dで剥離シートRLから剥離され、不要シート回収ローラ21に巻回されて回収される。
ここで、剥離シートRLから剥離された不要シートUSは、回収手段20の回収動作すなわち、不要シート回収ローラ21の回転動作に同期して回転駆動されるローラ部材31によって回収手段20方向に送られ、不要シート回収ローラ21に巻き取られる。
【0018】
その後、使用者または、ベルトコンベアや多関節ロボット等の図示しない搬送手段が、
図1に示すように、保持面52A上にウエハWFを載置すると、支持手段50が図示しない減圧手段を駆動し、保持面52AでのウエハWFの吸着保持を開始する。次に、繰出手段10が回動モータ15Dの駆動をロックした状態でリニアモータ15Aを駆動し、
図1中二点鎖線で示すように、支持プレート15Cを右方へ移動させて原反RSを繰り出す。この際も、繰出手段10、回収手段20および不要シート送り手段30が回動モータ14A、22、32を駆動し、カバーシート回収ローラ13でカバーシートCSを回収し、接着シート基材BSに切込CUを形成して原反RSを形成するとともに、ローラ部材31によって送られてくる不要シートUSを不要シート回収ローラ21で回収する。そして、先頭の接着シートASに次ぐ次の接着シートASの繰出方向先端部が第3ガイドローラ12Cの下方所定位置に到達したことを、図示しないシート先端検知機器が検知すると、繰出手段10、回収手段20および不要シート送り手段30がリニアモータ15A、回動モータ14A、22、32の駆動を停止する。
【0019】
次いで、支持手段50が直動モータ51を駆動し、
図1中二点鎖線で示すように、テーブル52を上昇させた後、押圧手段40がリニアモータ15Aおよび回動モータ15Dを駆動し、駆動ローラ15Fを転動させて原反RSをウエハWFに押圧しながら支持プレート15Cを左方に移動させる。これにより、ウエハWFの上面に接着シートASが貼付されるとともに、当該接着シートASから剥離シートRLが剥離され、剥離された剥離シートRLが剥離シート回収ローラ15Gに回収される。その後、接着シートASから剥離シートRLが完全に剥離され、支持プレート15Cが初期位置に復帰すると、押圧手段40がリニアモータ15Aおよび回動モータ15Dの駆動を停止する。
【0020】
次に、支持手段50が直動モータ51を駆動し、テーブル52を初期位置に復帰させた後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持面52AでのウエハWFの吸着保持を解除する。そして、使用者または図示しない搬送手段が、保持面52A上のウエハWFを次の工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、回収手段20の回収動作に同期して不要シートUSを回収手段20方向に送るので、剥離開始部PT1と回収開始部PT2との間に位置する支持なし不要シート部分US1が回収手段20の張力によって切断されることが極力抑制され、不要シートUSの回収不良を極力防止することができる。
【0022】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0023】
例えば、繰出手段10は、接着シート基材BSに予め切込CUが形成されることで剥離シートRLに接着シートASと不要シートUSとが仮着された原反RSを支持ローラ11で支持し、当該原反RSを繰り出してもよく、この場合、当該繰出手段10に切断手段14が備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
繰出手段10は、支持プレート15Cを移動させずにまたは移動させつつ、支持ローラ11、第1~第4ガイドローラ12A~12D、カバーシート回収ローラ13、切断手段14等を移動させ、原反RSを繰り出してもよいし、チャックシリンダや吸着パッド等の保持手段で原反RSを保持して繰り出してもよいし、巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持した接着シート積層体RS1や原反RSを繰り出してもよいし、カバーシートCSや剥離シートRLを巻回することなく例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだりして回収してもよいし、カバーシートCSや剥離シートRLを巻回したりファンフォールド折りにしたりすることなく単に集積して回収してもよい。
切断手段14は、接着シート積層体RS1を移動させずにまたは移動させつつ切断部材を移動させ、接着シート基材BSに切込CUを形成して原反RSを形成してもよいし、接着シート基材BSからカバーシートCSを剥離する前に当該カバーシートCSを貫通し、接着シート基材BSに切込CUを形成して原反RSを形成してもよいし、切断部材として、例えば、接着シート基材BSに離間接近することで、当該接着シート基材BSに所定形状の切込CUを形成する所謂平刃を採用してもよいし、切断刃14Cがダイカットローラ14Dに対して着脱可能でもよいし、着脱不能でもよい。
【0024】
回収手段20は、第4ガイドローラ12Dに掛け回されることなく剥離シートRLから剥離された不要シートUSを回収してもよいし、例えば、ファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだりして不要シートUSを回収してもよく、これらの場合、不要シート送り手段30は、ファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだりする回収手段20の回収動作に同期して、不要シートUSを回収手段20方向に送る動作を行うように構成すればよい。
回収手段20は、駆動機器としての回動モータで不要シート回収ローラ21を駆動してもよく、この場合、回動モータ22、駆動ローラ23および付勢手段24はなくてもよい。
付勢手段24は、駆動機器としての直動モータや、駆動機器としてのリニアモータによって、不要シート回収ローラ21を駆動ローラ23方向に付勢してもよいし、不要シート回収ローラ21を上下方向に自由移動可能に構成し、不要シート回収ローラ21の自重で当該不要シート回収ローラ21を駆動ローラ23方向に付勢してもよい。
【0025】
不要シート送り手段30は、ローラ部材31を不要シートUSから離間接近させる駆動機器を備えていてもよいし、不要シートUSにおける剥離シートRLに仮着していた面のみに当接し、回収手段20の回収動作に同期して不要シートUSを回収手段20方向に送る構成でもよいし、不要シートUSにおける剥離シートRLに仮着していなかった面のみに当接し、回収手段20の回収動作に同期して不要シートUSを回収手段20方向に送る構成でもよい。
不要シート送り手段30は、例えば、
図1中左上に示した符号AAの図のように、駆動機器としての回動モータ34Aによって駆動される第1プーリ34と、自由回転可能な第2プーリ35と、第1プーリ34および第2プーリ35に掛け回されたベルト部材36とを備えていてもよい。この場合も前記実施形態と同様に、ベルト部材36で不要シートUSを挟み込んで当該不要シートUSを回収手段20方向に送るように構成してもよいし、不要シートUSにおける剥離シートRLに仮着していなかった面のみに当接し、回収手段20の回収動作に同期して不要シートUSを当該回収手段20方向に送る構成としてもよいし、
図1中符号AAの図に二点鎖線で示すように、ベルト部材36を多孔質部材で構成し、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸引が可能な吸引面37Aを有する吸引チャンバ37を採用し、ベルト部材36で不要シートUSを吸着保持しながら、当該不要シートUSを回収手段20方向に送るように構成してもよいし、前記実施形態で示した不要シート送り手段30と、
図1中符号AAの図に示した不要シート送り手段30とを併用してもよい。
ローラ部材31は、不要シートUSの幅と同じ長さであってもよいし、不要シートUSの幅の長さよりも長くてもよいし、短くてもよい。
回転力付与手段は、全てのローラ部材31を個別に回転駆動させる駆動機器としての回動モータを採用してもよいし、前記実施形態の態様において、不要シートUSにおける剥離シートRLに仮着していた面側に当接するローラ部材31のみに回転力を付与してもよいし、不要シートUSにおける剥離シートRLに仮着していなかった面側に当接するローラ部材31のみに回転力を付与してもよい。
駆動力伝達手段は、ギヤやチェーン等で構成してもよい。
【0026】
押圧手段40は、リニアモータ15A、スライダ15B、支持プレート15C、回動モータ15D、ピンチローラ15E、駆動ローラ15Fおよび剥離シート回収ローラ15Gの一部または全部に代えて、繰出手段10と共用することのない部材を採用してもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持された押圧部材で剥離シートRL上から原反RSをウエハWFに押圧し、接着シートASを当該ウエハWFに貼付してもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材で剥離シートRLを保持し、当該保持部材で保持した剥離シートRLを接着シートASから離間させて剥離する構成を採用してもよい。
【0027】
支持手段50は、保持手段がなくてもよいし、テーブル52を上昇させた際、ウエハWFを接着シートASに当接させてもよいし、当接させなくてもよいし、他の装置でウエハWFを支持する場合、シート貼付装置EA1に備わっていなくてもよい。
【0028】
不要シート除去装置EAは、シート貼付装置EA1以外に、例えば、帯状の剥離シートRLに所定の間隔を隔てて複数の接着シートASが仮着された原反RSであって、不要シートUSのない原反RSを形成する原反製造装置や、接着シートASに所定の印刷や印字を行う印刷機械やプリンタ等、どのようなものに採用されてもよい。
不要シートUSは、剥離シートRLにおける接着シートASが仮着された面に仮着されていてもよいし、剥離シートRLにおける接着シートASが仮着されていない面に仮着されていてもよいし、剥離シートRLにおける接着シートASが仮着された面に仮着されている場合、接着シートASと重ならないように当該接着シートASに隣接して仮着されていてもよいし、接着シートASと重ならないように当該接着シートASから離れるようにして仮着されていてもよいし、接着シートASと重なるように仮着されていてもよい。
【0029】
本発明における接着シートAS、不要シートUSおよび被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とを有するもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの等1層または2層以上のもの、更には、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0030】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、繰出手段は、複数の接着シートと帯状の不要シートとが帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出すことが可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材を支持または保持するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよいし、付勢手段が採用されている場合、ばね、ゴム、樹脂等で構成してもよい。
【符号の説明】
【0031】
EA…不要シート除去装置
10…繰出手段
20…回収手段
30…不要シート送り手段
31…ローラ部材
32…回動モータ(回転力付与手段)
34…第1プーリ
35…第2プーリ
36…ベルト部材
AS…接着シート
PT1…剥離開始部
PT2…回収開始部
RL…剥離シート
RS…原反
US…不要シート