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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】機械式駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20231011BHJP
   E04H 6/28 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/28 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019008198
(22)【出願日】2019-01-22
(65)【公開番号】P2020117889
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】小林 陽介
(72)【発明者】
【氏名】山田 圭介
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-270555(JP,A)
【文献】特開平09-100646(JP,A)
【文献】実開平06-082317(JP,U)
【文献】特開2006-188136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出庫フロアにおいて昇降路の真上に位置する開口を有する機械式駐車装置であって
隣接する境界部近傍で互いに平行な水平軸で連結され、前記開口を互いに密接して順に水平に閉鎖する第1可動床、第2可動床、及び第3可動床と、駆動装置と、を有し、前記開口を開閉する可動デッキと、
前記入出庫フロアの入出庫高さの固定床の上面と上面高さが実質的に一致しており、前記開口の側方端に沿って水平に延び、前記第1可動床をその閉鎖位置から全開位置まで案内する案内レールと、を備え、
前記第1可動床、前記第2可動床、及び前記第3可動床の上面が、閉鎖位置において前記開口の入出庫方向の内側に位置し、かつ上面高さが前記固定床の上面と実質的に一致しており、
前記第1可動床は、前記開口の前記側方端に沿って水平移動可能に案内され、
前記第3可動床の外方端部は、前記昇降路の外側に位置し、
前記入出庫フロアは、前記昇降路の外側に前記固定床より下方に設けられた底面を有し、
前記駆動装置は、前記底面に設置されて前記固定床より下方に位置し、前記第3可動床の前記外方端部の下方に位置する水平駆動軸を中心に前記第3可動床を揺動駆動する、機械式駐車装置。
【請求項2】
前記第1可動床と前記第2可動床は、第1水平軸を介して互いに揺動可能に連結され、
前記第2可動床と前記第3可動床は、第2水平軸を介して互いに揺動可能に連結され、
前記開口の全開時において、
前記第3可動床は、前記水平駆動軸を中心に上方に揺動して前記第2水平軸を上方かつ外方に移動し、
前記第2可動床は、前記第2水平軸の移動に連動して外方に移動し、前記第1水平軸を水平かつ外方に移動し、かつ前記第1水平軸を中心に上方に揺動し、
前記第1可動床は、前記第1水平軸の移動に連動して水平かつ外方に移動し、その内方端の内側に前記開口を形成する、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
前記第1可動床は、その両端部に、水平軸を中心に自由に回転する水平ローラと、鉛直軸を中心に自由に回転する鉛直ローラと、を有する、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
前記昇降路の外側かつ前記固定床の下に位置する前記底面に固定され前記案内レールを支持する支持部材を備える、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記昇降路の外側において、閉鎖位置の前記第1可動床、前記第2可動床又は前記第3可動床を支持する支持ライナーを有する、請求項4に記載の機械式駐車装置。
【請求項6】
前記固定床は、前記入出庫フロアの前記入出庫高さに固定されケージが通過可能な十字型開口を有し、
前記開口は、平面視で入出庫方向に水平旋回したパレットと前記十字型開口との間に生じる、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項7】
前記機械式駐車装置は、パレットを載せて前記昇降路を昇降するケージを備え、
前記ケージは、旋回中心を中心に前記パレットを水平に旋回させる旋回装置を備える、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項8】
前記機械式駐車装置は、車両がパレット上に入出庫する入出庫方向と格納棚に格納されたパレットの長手方向である格納方向とが90度異なる、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地下式の機械式駐車装置において、入出庫フロアに形成される車両昇降用の開口を開閉する可動デッキに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば地下式の機械式駐車装置は、車両の載せるパレットと、パレットを載せて昇降路を昇降するケージとを備える。ケージはパレットを水平に旋回させる旋回装置を備えており、入出庫フロアにおいて入庫時に前進してパレット上に車両が載り、車両が載るパレットを水平旋回させて、出庫時に前進して出庫できるようになっている。
【0003】
かかる機械式駐車装置において、入出庫フロアにおける車両の乗入方向(入出庫方向)と、車両の格納方向とが、90度異なる場合がある。この場合、パレットは入出庫フロアにおいて90度異なる2つの向きに位置するため、入出庫フロアに2つパレットが直交した大きさの十字形開口が形成される。
【0004】
入出庫フロアにおいて、車両が入出庫(入庫又は出庫)する際は、パレットが車両の乗入方向に位置しているため、十字形開口のうち、90度異なる方向の両側に2つの矩形開口ができる。
この矩形開口はケージが昇降する昇降路の一部なため、非常に深い(例えば10m以上)の鉛直孔となっている。そのため、入出庫時に人が乗り降りするためには、この矩形開口をその上を人が安全に歩行できるように全閉し、かつ人が退出し装置が作動するときはパレットを水平旋回しかつケージが昇降できるように全開する必要がある。
【0005】
そこで、上記矩形開口を開閉する装置として、例えば、特許文献1,2が開示されている。
【0006】
特許文献1の「可動デッキ」は、3枚折りの第1、第2、第3のデッキで構成され、中間の第2のデッキの下面に設置されたデッキ駆動装置で3枚折りのデッキを展開駆動又は折り畳み駆動する。
【0007】
特許文献2の「可動床装置」は、1対の第一スプロケット、1対の第二スプロケット、1対のチェーン、及び、チェーンの長手方向に沿って並列するように両端を各々に固定された複数の床板を備え、複数の床板により可動床面を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2007-270555号公報
【文献】特開2011-190597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の「可動デッキ」の場合、デッキ駆動装置が、昇降路の真上、かつ第2デッキの下側に位置する。そのため、修理又はメンテナンスの際に、作業員はデッキの床下に潜り、かつ深い鉛直孔である昇降路の真上で作業する必要があり、部品や人が昇降路に落下するおそれがあった。
また、デッキ駆動装置のチェーンが、昇降路の真上に位置するため、チェーンに塗布した潤滑油が昇降中の車両に落下して汚染するおそれもあった。
【0010】
一方、特許文献2の「可動床装置」の場合、多数の細長い床板の両端がチェーンで支持されるため、床板間の隙間が多く、人が歩行しにくい。また部品数が多く、メンテナンスに手間と時間がかかる。
さらに、特許文献1,2の駆動装置は、チェーン(又はベルト)を用いるため、伸び等のため作動が不安定になりやすく、かつ騒音が発生する。
【0011】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の第1の目的は、昇降路の真上で床下に潜ることなく安全かつ楽な姿勢で修理又はメンテナンスができる機械式駐車装置の可動デッキを提供することにある。また第2の目的は、床板間の隙間が少なくその上に載るものを確実に支持でき、部材に伸び等が生じにくく安定作動ができ、騒音の発生を抑制できる機械式駐車装置の可動デッキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、入出庫フロアにおいて昇降路の真上に位置する開口を有する機械式駐車装置であって
隣接する境界部近傍で互いに平行な水平軸で連結され、前記開口を互いに密接して順に水平に閉鎖する第1可動床、第2可動床、及び第3可動床と、駆動装置と、を有し、前記開口を開閉する可動デッキと、
前記入出庫フロアの入出庫高さの固定床の上面と上面高さが実質的に一致しており、前記開口の側方端に沿って水平に延び、前記第1可動床をその閉鎖位置から全開位置まで案内する案内レールと、を備え、
前記第1可動床、前記第2可動床、及び前記第3可動床の上面が、閉鎖位置において前記開口の入出庫方向の内側に位置し、かつ上面高さが前記固定床の上面と実質的に一致しており、
前記第1可動床は、前記開口の前記側方端に沿って水平移動可能に案内され、
前記第3可動床の外方端部は、前記昇降路の外側に位置し、
前記入出庫フロアは、前記昇降路の外側に前記固定床より下方に設けられた底面を有し、
前記駆動装置は、前記底面に設置されて前記固定床より下方に位置し、前記第3可動床の前記外方端部の下方に位置する水平駆動軸を中心に前記第3可動床を揺動駆動する、機械式駐車装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明によれば、第3可動床の外方端部が、昇降路の外側に位置しており、駆動装置が、外方端部の下方に位置する水平駆動軸を中心に第3可動床を揺動駆動するので、駆動装置を昇降路の外側に設置することができる。
従って、昇降路の真上で床下に潜ることなく、昇降路から離れた位置で、安全かつ楽な姿勢で修理又はメンテナンスができる。
【0014】
また、3枚の可動床(第1可動床、第2可動床、及び第3可動床)で昇降路の真上に位置する開口を互いに密接して順に水平に閉鎖するので、床板間の隙間が少なく、人が安心して歩行できる。
さらに、チェーン又はベルトを用いずに水平駆動軸の揺動駆動により、3枚の可動床を互いに密接して水平に閉鎖できるので、部材に伸び等が生じにくく安定作動ができ、騒音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による可動デッキを備えた機械式駐車装置の入出庫フロアの平面図である。
図2図1から固定床を除去した平面図である。
図3】可動デッキをX方向から見た側面図である。
図4図2の部分拡大図である。
図5図3の部分拡大図である。
図6】可動デッキをY方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明による可動デッキ10を備えた機械式駐車装置の入出庫フロアの平面図である。
この例において、機械式駐車装置は、地下式の機械式駐車装置であり、入出庫フロアにおいてパレット上に車両が入出庫する入出庫方向Xと格納棚(図示せず)に格納されたパレット2の長手方向である格納方向Yとが90度異なる。
この機械式駐車装置は、例えば、水平循環式駐車装置、又はエレベータ式駐車装置であるが、その他の機械式駐車装置であってもよい。
【0018】
この機械式駐車装置は、車両を載せるパレット2と、パレット2を載せて昇降路4を昇降するケージ6とを備える。ケージ6の一部は、平面視でパレット2よりも外側に位置する。
ケージ6は、旋回中心Oを中心にパレット2を水平に旋回させる旋回装置(図示せず)を備えており、入出庫フロアにおいて車両が載るパレット2を入出庫高さFLより少し上の高さで水平旋回できるようになっている。
なお、この図で、7は入出庫フロアの入口に設けられた開閉扉である。
【0019】
この図において、機械式駐車装置は、入出庫フロアの入出庫高さFLに固定された固定床8を有する。この固定床8は、その中央にケージ6が上下に通過可能な十字型開口8bを有する。
開口11は、平面視で入出庫方向Xに水平旋回したパレット2と十字型開口8bとの間に生じる。開口11は、図の右側にA-B-C-Dで示す矩形開口である。
【0020】
図1において、入出庫フロアにおける車両の入出庫方向Xと、車両の格納方向Yとが、90度異なっている。この場合、パレット2は入出庫フロアにおいて入出庫方向Xと格納方向Yの2つの向きに位置する。
以下区別が必要な場合、入出庫方向Xのパレット2を「乗入時パレット2X」と呼び、格納方向Yのパレット2を「格納時パレット2Y」と呼ぶ。また、入出庫方向Xを単に「X方向」、格納方向Yを単に「Y方向」と呼ぶ。
【0021】
図1は、パレット2がX方向に位置し、本発明による可動デッキ10が昇降路4の真上に位置する開口11を全開している状態を示している。
この図において、ケージ6の平面形状はパレット2よりも大きく、昇降路4の平面形状はケージ6より大きい。
従って、図の右側にa-b-c-dで示す矩形部分が昇降路4の真上部分であり、非常に深い(例えば10m以上)の鉛直孔となっている。図の左側も同様である。
【0022】
図1において、本発明による可動デッキ10が開閉する開口11、すなわち図の右側にA-B-C-Dで示す矩形部分は、昇降路4の真上部分の矩形部分(a-b-c-d)より大きく設定されている。図の左側も同様である。
【0023】
図1において、本発明による可動デッキ10は、旋回中心Oを通るX方向の中心軸に対して左右に1対設けられる。この例で左右1対の可動デッキ10は、旋回中心Oを通るX方向の中心軸に対して線対称(勝手反対)に構成されている。
なお、左右1対の可動デッキ10は、線対称(勝手反対)に限定されず、同一の可動デッキ10を旋回中心Oに対して点対称に配置してもよい。
【0024】
以下、図1の右側の可動デッキ10について説明する。
【0025】
図2は、図1から固定床8を除去した平面図である。なおこの図において、可動デッキ10は、昇降路4の真上に位置する開口11(A-B-C-Dで示す矩形部分)を全閉した閉鎖位置を示している。
【0026】
図3は、可動デッキ10をX方向から見た側面図であり、(A)は開口11を全閉した閉鎖位置、(B)は開口11を全開した全開位置を示している。この図において、入出庫高さFLは、車両が入出庫する際の走行高さであり、固定床8の上面高さである。
【0027】
図1図3において、可動デッキ10は、第1可動床12、第2可動床14、及び第3可動床16と、第3可動床16を揺動駆動する駆動装置30と、を備える。
第1可動床12、第2可動床14、及び第3可動床16は、隣接する境界部近傍で互いに平行な水平軸18,20で連結され、開口11を互いに密接して順に水平に閉鎖する。
すなわち、第1可動床12と第2可動床14は、第1水平軸18を介して互いに揺動可能に連結され、第2可動床14と第3可動床16は、第2水平軸20を介して互いに揺動可能に連結されている。
【0028】
図1図2に示すように、第3可動床16の外方端部は、昇降路4(右側にa-b-c-dで示す矩形部分)の外側に位置している。昇降路4の外側部分は、固定床8の下方に設けられた入出庫フロアの底面9である。固定床8の上面高さ(入出庫高さFL)と底面9の上面との高低差は、駆動装置30を設置できる高さ(例えば40~80cm)に設定されている。
【0029】
図4図2の部分拡大図、図5図3の部分拡大図である。
【0030】
図4に示すように、駆動装置30は、電動機31、減速機32、軸受33a,33b、カップリング34、及び水平駆動軸36を有し、水平駆動軸36をその軸心を中心に揺動駆動する。
【0031】
図5(A)(B)に示すように、駆動装置30は、固定床8の下方に設けられた入出庫フロアの底面9に設置されている。また、水平駆動軸36は、第3可動床16の外方端部(図で右端部)の下方に固定され、第3可動床16と共に揺動するようになっている。
この構成により、駆動装置30は、水平駆動軸36を中心に第3可動床16を揺動駆動し、第3可動床16を閉鎖位置(図5A)と全開位置(図5B)との間で揺動させるようになっている。
【0032】
図6は、可動デッキ10をY方向から見た側面図であり、(A)は図5(A)のA矢視図であり、(B)は図6(A)のB部拡大図、(C)は図6(B)のC部拡大図、(D)は図5(A)のD矢視図である。
【0033】
図4図5に示すように、第1可動床12は、その両端部に、水平軸を中心に自由に回転する水平ローラ12aと、鉛直軸を中心に自由に回転する鉛直ローラ12bと、を有する
この例で、1対の水平ローラ12aが、第1可動床12のX方向の両端に、Y方向に間隔を隔てて取り付けられている。1対の水平ローラ12aは、互いに平行かつ水平な回転軸を中心に自由に回転する。
またこの例で、それぞれ単一の鉛直ローラ12bが、第1可動床12のX方向の両端に取り付けられている。鉛直ローラ12bはそれぞれ鉛直の回転軸を中心に自由に回転する。
【0034】
図4に示すように、第1可動床12のX方向の両端の外側には、第1可動床12を案内する案内レール22が設置されている。この案内レール22は固定床8の下面に位置し、開口11のX方向の側方端に沿ってY方向に水平に延び、第1可動床12をその閉鎖位置から全開位置まで案内する。
【0035】
図6(C)に示すように、案内レール22は、断面がH型(又はコの字形)の部材であり、水平ローラ12aの上下動を防止し、かつ鉛直ローラ12bのX方向の移動を防止している。案内レール22は、型鋼でも溶接部材でもよい。
この構成により、第1可動床12は、開口11の側方端に沿って水平移動可能に案内される。
【0036】
図6(B)に示すように、案内レール22は、支持部材24により支持されている。この支持部材24は、昇降路4の外側に位置する入出庫フロアの底面9に下面が固定されている。
また、支持部材24は、その上面に第1可動床12のX方向両端部を支持する支持ライナー25を有する。支持ライナー25は、例えば上面が水平な部材(ナイロン、プラスチック、ゴム等)からなり、第1可動床12の水平移動を阻害せず、かつ閉鎖位置の第1可動床12の両端部を支持するようになっている。
この構成により、閉鎖位置の第1可動床12のX方向両端部を水平ローラ12a及び支持ライナー25で支持し、その上に人や物が載る際に、第1可動床12を安定して支持することができる。
【0037】
図5(A)に示すように、支持部材24は、昇降路4のX方向外側の入出庫フロアの底面9に固定され、Y方向に水平に延びている。また、複数(この例では5つ)の支持ライナー25が、支持部材24の上面にY方向に間隔を隔てて設けられ、閉鎖位置の第2可動床14及び第3可動床16を支持するようになっている。
この構成により、閉鎖位置の第2可動床14及び第3可動床16を4箇所の支持ライナー25で支持し、その上に人や物が載る際に、第2可動床14及び第3可動床16を安定して支持することができる。
【0038】
図3(A)に示すように、第1可動床12、第2可動床14、及び第3可動床16は、開口11の全閉時において、隣接する境界部近傍で互いに平行な水平軸18,20で連結され、開口11を互いに密接して順に水平に閉鎖する。
【0039】
また、図3(B)に示すように、開口11の全開時において、第3可動床16は、水平駆動軸36を中心に上方に揺動して第2水平軸20を上方かつ外方に移動する。また第2可動床14は、第2水平軸20の移動に連動して外方に移動し、第1水平軸18を水平かつ外方に移動し、かつ第1水平軸18を中心に上方に揺動する。さらに、第1可動床12は、第1水平軸18の移動に連動して水平かつ外方に移動し、その内方端の内側に開口11を形成する。
【0040】
上述した本発明の実施形態によれば、第3可動床16の外方端部が、昇降路4の外側に位置しており、駆動装置30は、外方端部の下方に位置する水平駆動軸36を中心に第3可動床16を揺動駆動する。これにより、駆動装置30を昇降路4の外側(入出庫フロアの底面9)に設置することができる。
従って、昇降路4の真上で床下に潜ることなく、昇降路4から離れた位置で、安全かつ楽な姿勢で修理又はメンテナンスができる。
【0041】
なお、図1に示すように、駆動装置30の上部に位置する固定床8には、取り外し可能な床蓋8aを適宜設けることが好ましい。この構成により、修理又はメンテナンスの際に床蓋8aを取り外し、固定床8の下方に設けられた入出庫フロアの底面9に立って、安全かつ楽な姿勢で作業することができる。
【0042】
また、3枚の可動床(第1可動床12、第2可動床14、及び第3可動床16)で昇降路4の真上に位置する開口11を互いに密接して順に水平に閉鎖するので、床板間の隙間が少なく、人が安心して歩行できる。
特に、閉鎖位置の3枚の可動床(第1可動床12、第2可動床14、及び第3可動床16)を固定された複数の支持ライナー25で支持するので、その上に人や物が載る際に、3枚の可動床を安定して支持することができる。
【0043】
さらに、チェーン又はベルトを用いずに水平駆動軸36の揺動駆動により、3枚の可動床を互いに密接して水平に閉鎖できるので、部材に伸び等が生じにくく安定作動ができ、騒音の発生を抑制できる。
【0044】
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
X 入出庫方向、Y 格納方向、FL 入出庫高さ、O 旋回中心、2 パレット、
2X 乗入時パレット、2Y 格納時パレット、4 昇降路、6 ケージ、8 固定床、
8a 床蓋、8b 十字型開口、9 入出庫フロアの底面、10 可動デッキ、
11 開口、12 第1可動床、12a 水平ローラ、12b 鉛直ローラ、
14 第2可動床、16 第3可動床、18 第1水平軸、20 第2水平軸、
22 案内レール、24 支持部材、25 支持ライナー、30 駆動装置、
31 電動機、32 減速機、33a,33b 軸受、34 カップリング、
36 水平駆動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6