(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】乾燥床液体処分システム
(51)【国際特許分類】
B64D 11/00 20060101AFI20231011BHJP
B61D 35/00 20060101ALN20231011BHJP
【FI】
B64D11/00
B61D35/00 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019080950
(22)【出願日】2019-04-22
【審査請求日】2022-04-01
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジョナサン・チルドレス
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-206236(JP,A)
【文献】米国特許第4420180(US,A)
【文献】実開昭63-118872(JP,U)
【文献】米国特許第7316834(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0015862(US,A1)
【文献】特表2002-542862(JP,A)
【文献】特開平9-249062(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0177572(US,A1)
【文献】特表2005-525256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0041238(US,A1)
【文献】特表2009-506235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0099055(US,A1)
【文献】米国特許第5020638(US,A)
【文献】米国特許第5199457(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/00,
B61D 35/00,
B64C 1/18,
A47L 23/22,
B60N 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖空間の床を形成するかまたは前記床上に配置されるように構成された乾燥床アセンブリ(100)であって、前記乾燥床アセンブリ(100)は、
液体の通過を可能にする開口部(114)の配列(112)を有する格子(110)であって、前記格子(110)が、底面(122)から上面(124)まで延在する部材(120)を有し、前記上面(124)が、歩行されるように構成されており、前記部材(120)が、前記底面(122)から前記上面(124)に向けて
漸次先細
る断面を有する、格子と、
前記格子(110)の下に配置された受皿(130、1100)であって、前記受皿(130)が、空隙部(132)を画定する、受皿と、
前記受皿(130、1100)と前記格子(110)との間に介装された吸取層(140)であって、前記吸取層(140)が、前記受皿(130、1100)に向けて前記格子(110)の前記開口部(114)を通過する液体を吸い取るように構成されている、吸取層と
を備える乾燥床アセンブリ。
【請求項2】
前記吸取層(140)が、複数の副層を備え、前記副層の各々が、隣接する副層および前記格子(110)の少なくとも一方に離散点(702)で接着されている、請求項1に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項3】
前記吸取層(140)と前記受皿(130、1100)との間に介装された支持層(150)をさらに備え、前記支持層(150)が、前記格子(110)の前記配列(112)の前記開口部(114)よりも小さい支持開口部(152)を備える、請求項1または2に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項4】
前記格子(110)の周囲(117)を取り囲むように延在し、前記格子(110)に接着されたストリップ(116)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項5】
前記受皿(130)が、棚部(134)を備え、前記ストリップ(116)が、金属材料で作られており、前記ストリップ(116)が、磁石(118、119)によって前記棚部(134)に固定されている、請求項4に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項6】
前記ストリップ(116)に固定された少なくとも1つの包囲部材(160)をさらに備える、請求項4または5に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項7】
前記受皿(130、1100)と流体連通するリザーバ(170、1170)をさらに備え、前記受皿(130)が、前記リザーバ(170、1170)に流体を誘導する傾斜床(136)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項8】
前記吸取層(140)の下に配置され、前記格子(110)を通過する液体を吸収する吸収パッドをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ。
【請求項9】
閉鎖空間の床を形成するかまたは前記床上に配置されるように構成された乾燥床アセンブリ(100)を用意するための方法(1300)であって、前記方法(1300)が、
液体の通過を可能にする開口部(114)の配列(112)を有する格子(110)を用意するステップ(1302)であって、前記格子(110)が、底面(122)から上面(124)まで延在する部材(120)を有し、前記上面(124)が、歩行されるように構成されており、前記部材(120)が、前記底面(122)から前記上面(124)に向けて
漸次先細
る断面を有する、ステップ(1302)と、
前記格子(110)の下に受皿(1100)を配置するステップ(1310)であって、前記受皿(1100)が、空隙部を画定する、ステップ(1310)と、
前記受皿(1100)と前記格子(110)との間に介装された吸取層(140)を設けるステップ(1312)であって、前記吸取層(140)が、前記受皿に向けて前記格子(110)の前記開口部(114)を通過する液体を吸い取るように構成されている、ステップ(1312)と
を含む、方法。
【請求項10】
前記格子(110)を用意するステップが、不燃性材料を使用して前記格子(110)を成型するステップ(1304)と、疎水性コーティングで前記格子(110)をコーティングするステップ(1306)とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記吸取層(140)を設けるステップが、複数の副層を用意するステップ(1314)と、前記副層の各々を隣接する副層および前記格子の少なくとも一方に離散点(702)で接着するステップ(1316)とを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記吸取層(140)と前記受皿(130、1100)との間に介装された支持層(150)を設けるステップ(1318)であって、前記支持層(150)が、前記格子の前記配列(112)の前記開口部(114)よりも小さい支持開口部(152)を備える、ステップ(1318)をさらに含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記格子(110)の周囲(117)を取り囲むように延在する、金属材料で作られたストリップ(116)を前記格子(110)に接着するステップと、磁石(118、119)によって前記受皿(130)の棚部(134)に前記ストリップ(116)を固定するステップ(1320)とをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記受皿(1100)と流体連通するリザーバ(1170)を設けるステップ(1322)であって、前記受皿(1100)が、前記リザーバに流体を誘導する傾斜床(136)を有する、ステップ(1322)をさらに含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記閉鎖空間が、ビークルの洗面所(99)である、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2018年7月13日に出願された「乾燥床液体処分システム」と題する米国仮特許出願第62/697,727号に関し、その優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、民間航空機内の洗面所の床など、液体を収集および/または除去するための床を提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な環境において、床に液体がこぼれたり漏れたりすることがある。望み通りの短い時間で床から液体を手作業で除去することは可能ではないまたは現実的ではないかもしれない。例えば、民間航空機は、様々な場所間で乗客を輸送するために使用されている。フライト中、特に、大洋横断フライト中または他の長距離フライト中、乗客は一般的に、航空機の特定のエリア(例えばキャビン)内に閉じ込められる。様々な個人(乗客、パイロット、および客室乗務員など)が、フライト中に航空機の特定の内部部分を使用する。例えば、多くの個人が、フライト中に内部キャビン内の洗面所を使用し得る。液体が、(例えば流しから)洗面所の床にこぼれる可能性がある。
【0004】
航空機の洗面所は、一般にフライト間に清掃される。例えば、保守または清掃スタッフは、洗面所を清掃するためにフライトの前および/または後に地上の航空機に乗り込む。しかしながら、多くの個人がフライト中に洗面所を使用し得るという事実にもかかわらず、フライト中に洗面所は一般的に清掃されない。客室乗務員は、洗面所を清掃することができるかもしれないが、彼らは通常、フライト中は他の職務に専念している。そのため、フライト中またはフライト間でさえも、洗面所の清掃は、客室乗務員にとって最優先事項ではない可能性がある。その結果、航空機の機内の洗面所の床の乾燥度が、特にフライト中に犠牲にされる可能性がある。そのため、航空機に搭乗する個人のフライト体験が、悪影響を受ける可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
乾燥床アセンブリを提供するためのシステムおよび方法の必要性が存在する。乾いた床を(例えば使用後の洗面所に関して)提供するためのシステムおよび方法の必要性が存在する。特にフライト中に航空機の機内で乾いた洗面所の床を効果的かつ効率的に提供するためのシステムおよび方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの必要性を考慮して、本開示の特定の実施形態は、乾燥床アセンブリを提供する。乾燥床アセンブリは、閉鎖空間の床を形成するように、または閉鎖空間の床上に配置されるように構成される。乾燥床アセンブリは、格子、受皿、および吸取層(wicking layer)を含む。格子は、液体の通過を可能にするように構成された開口部の配列を有する。格子は、底面から上面まで延在する部材を有し、上面は、歩行されるように構成される。この部材は、底面から上面に向けて先細の断面を有する。受皿は、格子の下に配置され、空隙部を画定する。吸取層は、受皿と格子との間に介装され、受皿に向けて開口部を通過する液体を吸い取るように構成される。
【0008】
本開示の特定の実施形態は、閉鎖空間の床を形成するかまたはその上に配置されるように構成された乾燥床アセンブリを用意するための方法を提供する。本方法は、液体の通過を可能にするように構成された開口部の配列を有する格子を用意するステップを含む。格子は、底面から上面まで延在する部材を有し、上面は、歩行されるように構成される。この部材は、底面から上面に向けて先細の断面を有する。本方法は、格子の下に受皿を配置するステップも含む。受皿は、空隙部を画定する。さらに、本方法は、受皿と格子との間に介装された吸取層を設けるステップを含む。吸取層は、受皿に向けて格子の開口部を通過する液体を吸い取る(wick)ように構成される。
【0009】
本開示の特定の実施形態は、(例えば、乾燥床アセンブリと共に使用するための)吸収パッドを提供する。吸収パッドは、吸収性コア部、吸取部、およびガラス繊維外側プライを含む。吸取部は、吸収性コア部を囲む。ガラス繊維外側プライは、吸取部を囲み、吸収パッドの外面を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態による、航空機の上面斜視図を示す。
【
図2A】本開示の一実施形態による、航空機の内部キャビンの平面図を示す。
【
図2B】本開示の一実施形態による、航空機の内部キャビンの平面図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、乾燥床アセンブリの分解側面断面図を示す。
【
図4】
図3の乾燥床アセンブリの格子110の平面図を提供する。
【
図6】本開示の一実施形態による、例示的な吸取層の分解側面図を提供する。
【
図8】
図3のアセンブリの支持層の平面図を提供する。
【
図9】本開示の一実施形態による、包囲部材を含むシステムの分解斜視図を示す。
【
図10】本開示の一実施形態による、リザーバを伴う受皿の側面図を提供する。
【
図11】本開示の一実施形態による、連結動作可能な(articulable)リザーバを伴う受皿の側面図を提供する。
【
図12】本開示の一実施形態による、吸収パッドの概略図を提供する。
【
図13】本開示の一実施形態による、乾燥床アセンブリを提供するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前述の概要および特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれるときによりよく理解される。本明細書で使用されるとき、語「1つの(a)」または「1つの(an)」が前に置かれる、単数形で記載される要素またはステップは、必ずしも複数の要素またはステップを排除しないと理解されるべきである。さらに、「一実施形態」への言及は、記載された特徴をも含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない。さらに、明示的に別段の記載がない限り、特定の条件を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その条件を有さないさらなる要素を含み得る。
【0012】
本開示の実施形態は、洗面所の床などの乾燥床を提供するためのシステム、方法、およびアセンブリを提供する。このシステム、方法、およびアセンブリは、ビークルの洗面所、建築物内の公衆便所、および/または研究室などの中など、様々な状況で使用され得る。様々な実施形態に関するビークルの例としては、航空機、船、またはバスもしくは電車などの地上ビークルが挙げられる。
【0013】
本開示の様々な実施形態は、床面または歩行面から液体を除去するための乾燥床アセンブリを提供する。様々な実施形態は、最上層の手触りを乾いたままにし、下層が最上層から液体を引き出すようにして、液溜まりを低減または除去するための多層システムを提供する。
【0014】
様々な実施形態は、床からの液体の除去を実現する。さらに、様々な実施形態は、既存の基礎構造(例えば航空機の基礎構造)にシームレスに結合される容易に交換可能な構成要素を提供する。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態による、航空機10の上面斜視図を示す。航空機10は、例えば2つのターボファンエンジン14を含み得る推進システム12を含み得る。任意選択で、推進システム12は、図示よりも多いエンジン14を含んでもよい。エンジン14は、航空機10の翼16によって保持される。他の実施形態では、エンジン14は、胴体18および/または尾部20によって保持され得る。尾部20は、水平安定板22および垂直安定板24も支持し得る。航空機に関連して様々な実施形態が述べられているが、例えば、船などの他のビークルまたはバスもしくは電車などの地上ビークルに関連して他の実施形態が利用され得ることに再び気付かれるだろう。
【0016】
航空機10の胴体18は、内部キャビンを画定し、内部キャビンは、コックピット、1つ以上の作業区画(例えば、調理室および乗員用の機内持ち込み手荷物エリアなど)、1つ以上の乗客区画(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、および普通席の区画)、ならびに後部レストエリアアセンブリが配置され得る後部区画を含み得る。これらの区画の各々は、1つ以上のクラス分割アセンブリを含み得るキャビン移行エリアによって区分され得る。頭上の荷物入れアセンブリは、内部キャビン全体に配置され得る。
【0017】
内部キャビンは、例えば、1つ以上の洗面所を含む。本開示の実施形態は、洗面所内の床を自動的に乾かすように構成されたシステムおよび方法を提供する。
【0018】
代替的に、航空機の代わりに、本開示の実施形態は、自動車、バス、機関車および電車の車両、船舶、および宇宙船などの様々な他のビークルと共に使用され得る。さらに、本開示の実施形態は、商業建築物および住宅建築物などの固定構造物に対して使用され得る。一例として、本開示の実施形態は、洗面所がビークル内にあるかどうかにかかわらず、洗面所の床を自動的に乾かすために使用され得る。
【0019】
図2Aは、本開示の一実施形態による、航空機の内部キャビン30の平面図を示す。内部キャビン30は、航空機の胴体32内にあり得る。例えば、1つ以上の胴体壁が、内部キャビン30を画定し得る。内部キャビン30は、複数の区画を含み、複数の区画は、前部区画33と、ファーストクラス区画34(または例えばファーストクラススイート、キャビン)と、ビジネスクラス区画36と、前部調理室ステーション38と、拡張エコノミーまたは普通席区画40と、標準エコノミーまたは普通席区画42と、複数の洗面所および調理室ステーションを含み得る後部区画44とを含む。内部キャビン30は図示よりも多いまたは少ない区画を含み得ることを理解されたい。例えば、内部キャビン30は、ファーストクラス区画を含まなくてもよく、図示よりも多いまたは少ない調理室ステーションを含んでもよい。これらの区画の各々は、通路48間にクラス分割アセンブリを含み得るキャビン移行エリア46によって区分され得る。
【0020】
図2Aに示すように、内部キャビン30は、後部区画44に通じる2つの通路50および52を含む。任意選択で、内部キャビン30は、図示よりも少ないまたは多い通路を有してもよい。例えば、内部キャビン30は、後部区画44に通じる、内部キャビン30の中央を通って延びる単一の通路を含んでもよい。
【0021】
内部キャビン30内には1つ以上の洗面所99が配置され得る。洗面所99は、本明細書で述べるような乾燥床アセンブリを含むことができ、乾燥床アセンブリは、胴体の一部内に固定され得る。乾燥床アセンブリは、露出した上面上の目に見える液体の量を低減するか、またはこのような液体を除去するように構成される。
【0022】
図2Bは、本開示の一実施形態による、航空機の内部キャビン80の平面図を示す。内部キャビン80は、航空機の胴体81内にあり得る。例えば、1つ以上の胴体壁が、内部キャビン80を画定し得る。内部キャビン80は、乗客席83を有するメインキャビン82と、メインキャビン82の後方にある後部区画85とを含む複数の区画を含む。内部キャビン80は図示よりも多いまたは少ない区画を含み得ることを理解されたい。
【0023】
内部キャビン80は、後部区画85に通じる単一の通路84を含み得る。単一の通路84は、内部キャビン80の中央を通って延び、後部区画85に通じ得る。例えば、単一の通路84は、内部キャビン80の長手方向中心平面と同軸に位置合わせされてもよい。
【0024】
乾燥床アセンブリは、コックピットエリア89に隣接する前部区画87にある、メインキャビン82の洗面所99内に配置され得る。メインキャビン82全体にはさらなる洗面所99が配置されてもよい。
【0025】
図3は、乾燥床アセンブリ100の分解側面断面図を示す。
図3に見られるように、図示の例の乾燥床アセンブリ100は、格子110と、受皿130と、吸取層140と、支持層150と、吸収パッド180とを含む。乾燥床アセンブリ100は、閉鎖空間(例えば、航空機の洗面所、船の洗面所、またはバスもしくは電車などの地上ビークルの洗面所)の床の一部を形成するように、または閉鎖空間の床の上または中に配置されるように構成される。一般に、格子110は、歩行される表面を提供し、歩行面上にこぼれた液体が通過する開口部を有する。吸取層140は、格子110を通過した液体を受皿130へ誘導するのを助ける。受皿130は、処分のために液体を収集し、貯蔵し、および/または誘導するために使用される。例えば、
図3に示す実施形態では、吸収パッド180は、吸取層140の下(例えば、受皿130内)に配置され、格子110を通過する液体を吸収するために使用される。吸収パッド180は、例えば、吸収パッド180が所定量の液体を吸収した後におよび/または所定の時間間隔で交換されてもよい。他の実施形態では、液体は、受皿130内に貯蔵され、(例えば、受皿130を吸引することによって)後に除去されてもよい。別の代替案として、本明細書で述べられているように、受皿130は、液体を別個のリザーバに誘導するために使用されてもよい。そのとき、別個のリザーバが、後の除去のために液体を収集してもよく、または代替的に、吸収パッドが、別個のリザーバに配置されてもよい。したがって、水は、その後の除去のために歩行面から貯蔵・収集領域へ誘導されるため、清潔で安全な歩行面が提供される。本明細書の様々な実施形態は、民間航空機(例えば、航空機の洗面所)での使用に関連して述べられていることに気付かれるだろう。しかしながら、代替の実施形態が他の用途で使用され得ることに気付かれるだろう。
【0026】
図4は、格子110の平面図を提供し、
図5は、格子110の部材の断面図を提供する。
図4に見られるように、格子110は、液体の通過を可能にするように構成された開口部114の配列112を有する。
図3、
図4、および
図5を参照すると、格子110は、底面122から上面124まで延在する部材120を有する。
図5の例示的な断面図に最もよく見られるように、部材120は、底面122から上面124に向けて先細の断面126を有する。先細にすることにより、上面124から底面122(および受皿130)の方へ水を誘導するのを助ける傾斜面が設けられる。様々な実施形態において、部材120は、部材120の交点でテーパ形状を保持し、部材120の交点で液体が水滴状になる(beading)または他の貯留を防ぐのを助けることにさらに気付かれるだろう。格子は、容易に取り外し可能であり、必要に応じて(例えば、磨耗により)交換され得る。
【0027】
一般に、部材120は、開口部114を画定するように互いに交差する。様々な実施形態において、開口部114のサイズは、上面124からの排液を可能にしながらも安全で好適な歩行面を提供するためにスティレットヒールの底面よりも小さくされる。図示の実施形態の部材120は、寸法および断面において互いに実質的に同じであるが、異なる形状の部材が様々な実施形態で使用され得ることに気付かれるだろう。図示の例の格子110は、等間隔の長方形格子を提供しているが、他の実施形態では他の形状または間隔が使用されてもよいことにさらに気付かれるだろう。
【0028】
図3および
図4にも見られるように、図示の例は、格子110の周囲117を取り囲むように延在するストリップ116を含む。ストリップ116は、格子110に接着される。追加的または代替的に、ストリップ116は、吸取層140および/または支持層150に接着される。ストリップ116は、格子110を支持し、格子110を取り付けるおよび/または配置するために使用され得る。例えば、
図3に見られるように、図示の受皿130は、棚部134を含む。一部の実施形態では、ストリップ116は、金属材料(例えば鋼)で作られ、磁石118によって棚部134に固定されてもよい(例えば、棚部134上の所定の位置に保持されてもよい)。
【0029】
様々な実施形態において、ストリップ116および/または棚部134ならびに関連する磁石は、追加の構造を(例えば、乾燥床アセンブリ100の上に)取り付けるためにも使用され得る。例えば、様々な実施形態において、少なくとも1つの包囲部材160は、磁石によってストリップ116に固定され得る。
図9は、乾燥床アセンブリ100(例えば、受皿130および格子110)を含むシステム900の分解斜視図を示す。
図9には支持層150および吸取層140が示されていないが、これらの一方または両方は、
図9に関連して述べられている態様に関連して様々な実施形態で利用され得ることに気付かれるだろう。
図9に見られるように、受皿130および格子110は、床用受皿910(例えば、民間航空機の床用受皿)内に配置されるように構成される。補助壁縁取材160a、敷居縁部160b、単一壁縁取材160c、およびトイレ縁取材160dを含む様々な包囲部材160が利用される。各包囲部材160は、磁石119とストリップ116との間の磁気引力および/または包囲部材160の磁石119と受皿130の棚部134の磁石118との間の磁気引力によって対応する包囲部材160をストリップ116に固定するために使用される1つ以上の磁石119を含む(例えば、磁石119および磁石118は、互いに位置合わせされ、それぞれのN極およびS極が互いに向き合うように配置されてもよい)。様々な実施形態において、包囲部材は、標準的な格子サイズの使用を可能にするために使用されてもよく、包囲部材は、様々な環境(例えば、異なるサイズの洗面所)でこの格子サイズとの差異に対応する。
【0030】
様々な実施形態において、格子110は、不燃性材料で形成される。本明細書で使用されるとき、不燃性材料は、民間航空機の不燃性基準または規定を満たす材料である。格子110は、熱硬化性樹脂を使用して成型(cast)されてもよい。一例として、格子110を形成するために892ウレタンが使用されてもよい。さらに、様々な実施形態における格子110は、格子110から吸取層140および受皿130へ水を移動させるのを助ける疎水性コーティングを有する。
【0031】
図5に最もよく見られるように、図示の実施形態では、格子110の部材120の断面126は、上面124の点128に向けて先細の二等辺三角形127を形作っている。他の実施形態では他の形状が採用されてもよいことに気付かれるだろう。例えば、図示の例は点128を通る垂直軸線に関して対称であるが、他の実施形態は点128を通る垂直軸線に関して非対称であってもよい。例えば、一部の実施形態では、点128は、図示の実施形態のように中心に配置される代わりに、断面126の側縁部にあってもよい。図示の例では、すべての部材120が同じ断面126を有するが、他の実施形態では、少なくとも一部の部材120に、他とは異なる断面が利用されてもよいことにさらに気付かれるだろう。
【0032】
引き続き
図3を参照すると、吸取層140は、格子110の下に配置され、格子110と受皿130との間に介装される。図示の実施形態では、支持層150が、吸取層140と受皿130との間に直接介装されることに気付かれるだろう。一般に、吸取層140は、受皿130に向けて格子110の開口部114を通過する液体を吸い取るように構成される。様々な実施形態(例えば、民間航空機で使用するための)において、吸取層140は、1種類以上の不燃性材料で作られてもよい。一部の実施形態では、グラファイトベール(またはフェルト)が、吸取層に使用されてもよい。追加的または代替的に、ガラス繊維が、吸取層に使用されてもよい。
【0033】
様々な実施形態において、吸取層140は、2つ以上の副層を含み得ることに気付かれるだろう。
図6は、複数の副層を有する例示的な吸取層140の分解側面図を提供し、
図7は、例示的な吸取層140の平面図を提供する。
図6に見られるように、図示の吸取層は、4つの副層142a、142b、142c、142dを含む。様々な実施形態において、複数の比較的薄い吸取層を使用することにより、格子110から受皿130への吸い取りが向上する。一部の実施形態では、吸取副層は、同じ材料で作られてもよく、他の実施形態では、吸取副層は、所望の色および/または所望の吸い取り性能を実現するために、互いに異なる材料で作られてもよい。例えば、図示の実施形態では、副層142a、142bは、グラファイトベールで作られてもよく、副層142c、142dは、ガラス繊維で作られてもよい。
【0034】
図示の実施形態における吸取副層は、隣接する副層および格子110の少なくとも一方に(例えば、接着剤を使用して)離散点で接着される。例えば、最も高い副層は、一方の面では格子110の底面122に接着され、他方の面では2番目に最も高い副層に接着される。別の例として、最も低い副層は、その最も低い面では支持層150に接着され、他方の面では2番目に最も低い層に接着される。
図7に見られるように、この接着は、離散点702で行われる。点702は、格子110の固体部分(例えば、部材120または部材120の交点)および支持層150の固体部分と点702とを位置合わせするように構成された配列704で配置され得る。正確な配置を確実にするのを助けるために、工具または型板を使用して点702に接着剤を塗布してもよい。様々な実施形態での不連続な接着点の使用は、吸取副層が、局所的なこぼれに対する広範囲の吸い取り能力を助けるように均一またはほぼ均一な接触を保持するのを助ける。
【0035】
引き続き
図3を参照すると、図示の実施形態の支持層150は、吸取層140の下に配置され、吸取層140と受皿130との間にある。支持層150は、格子110の上面124にかかる荷重を支持するのを助けるために吸取層140および格子110に支持または剛性を与えるのを助ける。様々な実施形態における支持層150は、金属材料で作られてもよい。
図8は、支持層150の平面図を提供する。
図8に見られるように、支持層150は、格子110の配列112の開口部114よりも小さい支持開口部152を含む。したがって、支持層150の開口部152が、格子110の開口部114と位置合わせされていれば、支持層150は、部材120の直下に固体部分を有し、(例えば、格子110の上面124上を歩く人および/または上面124上に立つ人によって)部材120に加えられる力を支持する。
【0036】
図3に戻ると、図示の受皿130は、格子110の下に配置され、空隙部132を画定する。空隙部132は、格子110を通過する液体を収集し、かつ/またはこれを誘導し直すように構成される。例えば、図示の実施形態では、吸収パッド180が、空隙部132内に配置されている。格子110および吸取層140を通過する液体は、その後の除去のために吸収パッド180によって吸収される。他の実施形態では、吸収パッド180は使用されなくてもよく、液体を受皿130内に貯留することが可能である。その後、後の好適な時間に(例えば、フライト間におよび/または予定された保守期間中に)、液体は、(例えば吸引によって)受皿130から除去されてもよい。受皿130は、それが関連する床材とは別個のものであってもよく(例えば、既存の位置に後付けされ得るはめ込み式の交換品として構成されてもよく)、または他の実施形態では、部屋の床システムの一部品であってもよいことに気付かれるだろう。
【0037】
一部の実施形態では、受皿130は、追加のまたは補足的なリザーバに液体を誘導し直すために使用され得る。例えば、
図10は、様々な実施形態に従って形成された受皿130の側面断面図を示す。
図10に見られるように、図示の例示的な乾燥床アセンブリ100は、受皿130と流体連通するリザーバ170を含む。受皿130は、リザーバ170に流体を誘導するように構成された傾斜床136を含む。例えば、リザーバ170は、受皿130の側面から離して配置されてもよく、乾燥床アセンブリ100から液体を除去するのにより好適な位置を提供し得る。図示を容易かつ明確にするために、
図10には単一の傾斜面が示されていることに気付かれるだろう。しかしながら、様々な実施形態において、複数の傾斜した部分および/または溝もしくは他の通路が、リザーバ170に液体を誘導し直すために使用され得る。リザーバ170は、液体を収集して貯蔵するために使用されてもよく、あるいは追加的または代替的に、液体を収集するための吸収パッドを保持するために使用されてもよい。
【0038】
さらに、一部の実施形態では、リザーバ170は、受皿130に対して摺動可能、また他の方法で移動可能であってもよい。例えば、
図11は、連結動作可能なリザーバ1170を伴う受皿1100の側面図を提供する。
図11に見られるように、リザーバ1170は、収集位置(実線で示す)と液体除去位置(仮想線で示す)との間で連結動作可能(例えば摺動可能)である。液体除去位置は、リザーバ1170から、貯留された液体および/または吸収パッドを除去するのに好適な位置を提供する。
【0039】
本明細書で述べられているように、様々な実施形態が、厳しい耐燃性基準または規定が有効であり得る民間航空機に関連して使用され得る。様々な実施形態は、火災の危険性を低減または排除するのを助ける吸収パッドを提供する。例えば、
図12は、吸収パッド1200の概略図を提供する。図示の吸収パッド1200は、吸収性コア部1210、吸取部1220、およびガラス繊維外側プライ1230を含む。吸収性コア部1210は、液体を吸収するように構成され、例えばリン酸ナトリウムで作られてもよい。吸取部1220は、吸収性コア部1210を囲み、吸収性コア部1210に向けて液体を吸い取るように構成される。ガラス繊維外側プライ1230は、吸取部を囲み、吸収パッド1200の外面1232を画定する。ガラス繊維外側プライ1230は、火災の危険性を低減または排除するのを助け、適用可能な安全基準を満たすのを助けるために不燃性のガラス繊維で作られる。一部の実施形態では、吸取部1220は、セルロースで作られてもよい。セルロースは可燃性であり得るが、セルロースは、十分に低い温度で燃える可能性があるため、ガラス繊維外側プライ1230は、セルロースから生じる炎を封じ込めるかまたは抑制することができるようになっている。他の実施形態では、さらなる安全性を提供するために、吸取部1220は、不燃性材料で作られてもよい。例えば、一部の実施形態では、吸取部1220は、ガラス繊維バッティング断熱材などのガラス繊維材料で作られる。
【0040】
図13は、閉鎖空間(例えば、航空機の洗面所)の床を形成するかまたはその上に配置されるように構成された乾燥床アセンブリ(例えば、アセンブリ100)を用意するための方法1300のフローチャートを示す。方法1300は、例えば、本明細書で述べられている様々な実施形態(例えば、システムおよび/または方法)の構造または態様を採用し得る。様々な実施形態において、特定のステップ(または動作)は省略もしくは追加されてもよく、特定のステップは組み合わされてもよく、特定のステップは同時に実行されてもよく、特定のステップは並行して実行されてもよく、特定のステップは複数のステップに分割されてもよく、特定のステップは異なる順序で実行されてもよく、または特定のステップまたは一連のステップは反復的に再実行されてもよい。
【0041】
ステップ1302で、格子(例えば格子110)が用意される。一般に、格子は、歩行または直立のための支持面を提供し、歩行面からの液体の排液または除去のための開口部も提供するように構成される。様々な実施形態において、格子は、液体の通過を可能にするように構成された開口部の配列を有し、底面から、歩行されるように構成された上面まで延在する部材を含み、この部材は、底面から上面に向けて先細の断面を有する。
【0042】
一部の実施形態では、格子は、成型または成形されてもよい。例えば、図示の実施形態では、ステップ1304で、格子は、不燃性材料を使用して成型される。ステップ1306で、格子は、疎水性コーティングでコーティングされる。さらに、図示の実施形態では、ストリップ(例えばストリップ116)が、格子に接着される。様々な実施形態におけるストリップは、金属材料で作られ、格子の周囲を取り囲むように延在する。
【0043】
ステップ1310で、受皿(例えば受皿130)が、格子の下に配置される。受皿は、空隙部を画定し、格子を通過する液体の流れを収集および/または誘導するように構成される。
【0044】
ステップ1312で、吸取層(例えば吸取層140)が設けられる。吸取層は、受皿と格子との間に介装されるように構成され、受皿に向けて格子の開口部を通過する液体を吸い取るように構成される。一部の実施形態では、吸取層は、複数の副層を含む。例えば、図示の例では、ステップ1314で、複数の副層が用意され、ステップ1316で、各副層は、隣接する副層および格子の少なくとも一方に離散点で接着される。
【0045】
図示の例のステップ1318で、支持層(例えば支持層150)が設けられる。支持層は、吸取層と受皿との間に介装される。例えば、支持層は、吸取層の底面に接着されてもよい。様々な実施形態において、支持層は、格子の開口部よりも小さい支持開口部を含む。
【0046】
図示の実施形態では、様々な部分を、直接的または間接的に格子に接着した状態(例えば、ストリップ、格子、吸取層、および支持層の部分組立品を形成した状態)で、格子は、(例えばストリップを介して)受皿に結合され得る。ステップ1320で、ストリップ(金属材料で作られた)は、磁石によって受皿の棚部に固定される。例えば、磁石は、受皿の棚部に分散され、ストリップと位置合わせされてもよい。代替的に、棚部は、金属材料で作られてもよく、ストリップが、ストリップに取り付けられた磁石を有してもよい。さらに代替的に、ストリップと棚部の両方が、磁石を有してもよい。
【0047】
図示の実施形態のステップ1322で、リザーバ(例えば、リザーバ170、リザーバ1170)が、受皿と流体連通するように設けられる。受皿は、流体をリザーバに誘導するように構成された傾斜床を有する。一部の実施形態では、リザーバは設けられなくてもよく、液体を受皿内に貯留することが可能であることに気付かれるだろう。さらに、追加的または代替的に、吸収パッド(例えば、吸収パッド180、吸収パッド1200)が、受皿の空隙部内に、または別個のリザーバ内に設けられてもよい。
【0048】
図示の実施形態のステップ1324で、少なくとも1つの包囲部材(例えば、
図9の160a、160b、160c、160d)が、ストリップに固定される。例えば、受皿は、洗面所の床に配置されてもよく、包囲部材は、ストリップの上に配置され、包囲部材は、(例えば、棚部の磁石および/または包囲部材に配置されたさらなる磁石によって)ストリップに固定される。
【0049】
本開示の実施形態を説明するために、最上、底、下方、中間、横、水平、垂直、および前などの様々な空間的および方向的な用語が使用されている場合があるが、このような用語は、図面に示されている向きに関して使用されているにすぎないことが理解される。この向きは、例えば上部が下部になり、その逆になり、水平方向が垂直方向になるように、反転、回転、または他の方法で変更され得る。
【0050】
本明細書で使用されるとき、タスクまたは動作を実行するように「構成」される構造、制限、または要素は、タスクまたは動作に対応する方法で特に構造的に形成、構築、または適合される。明確にし、誤解を避けるために、タスクまたは動作を実行するように修正され得るにすぎない対象は、本明細書で使用されるとき、タスクまたは動作を実行するように「構成」されるわけではない。
【0051】
上記の説明は例示的であることを意図しており、限定的ではないことが理解されよう。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。さらに、本開示の様々な実施形態の教示に特定の状況または材料を適合させるために、それらの範囲から逸脱することなく多くの修正が加えられ得る。本明細書に記載の材料の寸法およびタイプは、本開示の様々な実施形態のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施形態は、決して限定的なものではなく、例示的な実施形態である。他の多くの実施形態は、上記の説明を検討することにより当業者に明らかになり得る。したがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に、この特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「その場合(in which)」は、それぞれの用語「含む(comprising)」および「その場合(wherein)」の平易な英語の同義語として使用される。さらに、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、ラベルとして使用されているにすぎず、それらの対象に数的要求を課すことを意図するものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクションの形式で書かれておらず、特許請求の範囲の限定が、さらなる構造を欠く機能の陳述が後に続く「するための手段(means for)」という語句を明示的に使用しない限り、かつ使用するまで、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図していない。
【0052】
したがって、本開示は、以下の付記項による実施形態を含む。
【0053】
付記項1.閉鎖空間の床を形成するかまたはその上に配置されるように構成された乾燥床アセンブリ(100)であって、
液体の通過を可能にする開口部(114)の配列(112)を有する格子(110)であって、格子(110)が、底面(122)から上面(124)まで延在する部材(120)を有し、上面(124)が、歩行されるように構成されており、部材(120)が、底面(122)から上面(124)に向けて先細の断面を有する、格子(110)と、
格子(110)の下に配置された受皿(130、1100)であって、受皿(130)が、空隙部(132)を画定する、受皿(130、1100)と、
受皿(130、1100)と格子(110)との間に介装された吸取層(140)であって、吸取層(140)が、受皿(130、1100)に向けて格子(110)の開口部(114)を通過する液体を吸い取るように構成されている、吸取層(140)と
を備える乾燥床アセンブリ(100)。
【0054】
付記項2.格子(110)が、疎水性コーティングを有する不燃性材料で形成されている、付記項1に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0055】
付記項3.格子(110)の部材(120)の断面(126)が、上面(124)の点(128)に向けて先細の二等辺三角形(127)を形作っている、付記項1または2に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0056】
付記項4.吸取層(140)が、複数の副層を備え、各副層が、隣接する副層および格子(110)の少なくとも一方に離散点(702)で接着されている、付記項1、2、または3に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0057】
付記項5.吸取層(140)と受皿(130、1100)との間に介装された支持層(150)をさらに備え、支持層(150)が、格子(110)の配列(112)の開口部(114)よりも小さい支持開口部(152)を備える、付記項1から4のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0058】
付記項6.格子(110)の周囲(117)を取り囲むように延在し、格子(110)に接着されたストリップ(116)をさらに備える、付記項1から5のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0059】
付記項7.受皿(130)が、棚部(134)を備え、ストリップ(116)が、金属材料で作られており、ストリップ(116)が、磁石(118、119)によって棚部(134)に固定されている、付記項6に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0060】
付記項8.ストリップ(116)に固定された少なくとも1つの包囲部材(160)をさらに備える、付記項7に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0061】
付記項9.受皿(130、1100)と流体連通するリザーバ(170、1170)をさらに備え、受皿(130)が、リザーバ(170、1170)に流体を誘導する傾斜床(136)を有する、付記項1から8のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0062】
付記項10.リザーバ(170、1170)が、収集位置と液体除去位置との間で連結動作可能である、付記項9に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0063】
付記項11.吸取層(140)の下に配置され、格子(110)を通過する液体を吸収する吸収パッドをさらに備える、付記項1から10のいずれか一項に記載の乾燥床アセンブリ(100)。
【0064】
付記項12.閉鎖空間の床を形成するかまたはその上に配置されるように構成された乾燥床アセンブリ(100)を用意するための方法(1300)であって、方法(1300)が、
液体の通過を可能にする開口部(114)の配列(112)を有する格子(110)を用意するステップ(1302)であって、格子(110)が、底面(122)から上面(124)まで延在する部材(120)を有し、上面(124)が、歩行されるように構成されており、部材(120)が、底面(122)から上面(124)に向けて先細の断面を有する、ステップ(1302)と、
格子(110)の下に受皿(1100)を配置するステップ(1310)であって、受皿(1100)が、空隙部を画定する、ステップ(1310)と、
受皿(1100)と格子(110)との間に介装された吸取層(140)を設けるステップ(1312)であって、吸取層(140)が、受皿に向けて格子(110)の開口部(114)を通過する液体を吸い取るように構成されている、ステップ(1312)と
を含む、方法(1300)。
【0065】
付記項13.格子(110)を用意するステップが、不燃性材料を使用して格子(110)を成型するステップ(1304)と、疎水性コーティングで格子(110)をコーティングするステップ(1306)とを含む、付記項12に記載の方法(1300)。
【0066】
付記項14.吸取層(140)を設けるステップが、複数の副層を用意するステップ(1314)と、各副層を隣接する副層および格子の少なくとも一方に離散点(702)で接着するステップ(1316)とを含む、付記項12に記載の方法(1300)。
【0067】
付記項15.吸取層(140)と受皿(130、1100)との間に介装された支持層(150)を設けるステップ(1318)であって、支持層(150)が、格子の配列(112)の開口部(114)よりも小さい支持開口部(152)を備える、ステップ(1318)をさらに含む、付記項12、13、または14に記載の方法(1300)。
【0068】
付記項16.格子(110)の周囲(117)を取り囲むように延在する、金属材料で作られたストリップ(116)を格子(110)に接着するステップと、磁石(118、119)によって受皿(130)の棚部(134)にストリップ(116)を固定するステップ(1320)とをさらに含む、付記項12から15のいずれか一項に記載の方法(1300)。
【0069】
付記項17.少なくとも1つの包囲部材(160)をストリップに固定するステップ(1324)をさらに含む、付記項16に記載の方法(1300)。
【0070】
付記項18.受皿(1100)と流体連通するリザーバ(1170)を設けるステップ(1322)であって、受皿(1100)が、リザーバに流体を誘導する傾斜床(136)を有する、ステップ(1322)をさらに含む、付記項12から17のいずれか一項に記載の方法(1300)。
【0071】
付記項19.閉鎖空間が、ビークルの洗面所(99)である、付記項12に記載の方法(1300)。
【0072】
付記項20.吸収パッド(1200)であって、
吸収性コア部(1210)と、
吸収性コア部(1210)を囲む吸取部(1220)であって、吸取部(1220)が、ガラス繊維材料を含む、吸取部(1220)と、
吸取部(1220)を囲むガラス繊維外側プライ(1230)であって、吸収パッド(1200)の外面(1232)を画定するガラス繊維外側プライ(1230)と
を備える吸収パッド(1200)。
【0073】
本明細書は、最良の形態を含む、本開示の様々な実施形態を開示するために、また、当業者が、任意の装置またはシステムの製造および使用ならびに任意の組み込み方法の実行を含めて、本開示の様々な実施形態を実施できるようにするために例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思い付く他の例を含み得る。このような他の例は、これらの例が特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはこれらの例が特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図するものである。
【符号の説明】
【0074】
10 航空機、12 推進システム、14 ターボファンエンジン、16 翼、18,32,81 胴体、20 尾部、22 水平安定板、24 垂直安定板、30,80 内部キャビン、33,87 前部区画、34 ファーストクラス区画、36 ビジネスクラス区画、38 前部調理室ステーション、40 拡張エコノミー,普通席区画、42 標準エコノミー,普通席区画、44,85 後部区画、46 キャビン移行エリア、48,50,52 通路、82 メインキャビン、83 乗客席、84 単一の通路、89 コックピットエリア、99 洗面所、100 乾燥床アセンブリ、110 格子、112 配列、114 格子の開口部、116 ストリップ、117 格子の周囲、118,119 磁石、120 部材、122 底面、124 上面、126 断面、127 二等辺三角形、128 上面の点、130,1100 受皿、132 空隙部、134 棚部、136 傾斜床、140 吸取層、142a,142b,142c,142d 副層、150 支持層、152 支持開口部、160 包囲部材、160a 補助壁縁取材、160b 敷居縁部、160c 単一壁縁取材、160d トイレ縁取材、170,1170 リザーバ、180,1200 吸収パッド、702 離散点、704 配列、900 システム、910 床用受皿、1210 吸収性コア部、1220 吸取部、1230 ガラス繊維外側プライ、1232 外面