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特許7364368ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20231011BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20231011BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/35
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019115125
(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公開番号】P2021000246
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 英生
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-161689(JP,A)
【文献】特許第5797012(JP,B2)
【文献】特開2013-215379(JP,A)
【文献】特許第5670597(JP,B1)
【文献】特許第6258941(JP,B2)
【文献】特表2008-536616(JP,A)
【文献】特開2001-92880(JP,A)
【文献】特許第4406799(JP,B2)
【文献】特許第6312129(JP,B2)
【文献】特許第6249457(JP,B2)
【文献】特許第3892979(JP,B2)
【文献】特許第4012981(JP,B2)
【文献】特開2009-187143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、
プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するアイテム指定処理部、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格を前記アイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する前記価格表を指定する価格表指定処理部、
前記プレイヤが前記ゲーム内で取得した前記アイテムが指定された前記アイテムか否かを判定するアイテム判定処理部、
前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムの前記出品価格を指定された前記価格表に基づいて特定し、前記取得したアイテムに特定された前記出品価格を設定する出品価格設定処理部、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記価格表を変更する権限を前記プレイヤとは異なる他の所定のプレイヤに設定する権限設定処理部、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、
前記価格表が変更された場合に、前記価格表を利用して出品されている前記アイテムの出品価格を連動して変更する出品価格変更処理部、
としてさらに機能させる、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
価格表指定処理部は、
前記プレイヤが自分で作成した価格表、他のプレイヤにより作成され公開された価格表、前記プレイヤが所属するグループにより作成された価格表、及び、前記プレイヤが所属していない他のグループにより作成され公開された価格表、を含む前記複数の価格表の中から、前記利用する価格表を指定する、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記情報処理装置を、
前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムを設定された前記出品価格で前記ゲーム内取引に出品するアイテム出品処理部、
出品された前記アイテムが売却された場合に、当該アイテムを出品した前記プレイヤに売上を付与する第1売上付与処理部、
としてさらに機能させる、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置を、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記取得したアイテムを設定された前記出品価格で前記ゲーム内取引に代理で出品可能な他のプレイヤを指定するプレイヤ指定処理部、
前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムを指定された前記他のプレイヤがアクセス可能な保管庫に保管するアイテム保管処理部、
としてさらに機能させる、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、
前記指定された他のプレイヤにより出品された前記アイテムが売却された場合に、売上の一部を前記他のプレイヤに付与すると共に、残りの売上を前記プレイヤに付与する第2売上付与処理部、
としてさらに機能させる、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するステップと、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格を前記アイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する前記価格表を指定するステップと、
前記プレイヤが前記ゲーム内で取得した前記アイテムが指定された前記アイテムか否かを判定するステップと、
前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムの前記出品価格を指定された前記価格表に基づいて特定し、前記取得したアイテムに特定された前記出品価格を設定するステップと、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記価格表を変更する権限を前記プレイヤとは異なる他の所定のプレイヤに設定するステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【請求項8】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、
プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するアイテム指定処理部と、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格を前記アイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する前記価格表を指定する価格表指定処理部と、
前記プレイヤが前記ゲーム内で取得した前記アイテムが指定された前記アイテムか否かを判定するアイテム判定処理部と、
前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムの前記出品価格を指定された前記価格表に基づいて特定し、前記取得したアイテムに特定された前記出品価格を設定する出品価格設定処理部と、
前記プレイヤの入力に基づいて、前記価格表を変更する権限を前記プレイヤとは異なる他の所定のプレイヤに設定する権限設定処理部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ装置からネットワークを介して端末装置にゲームデータを提供し、当該端末装置において提供されたゲームデータを用いてゲームが実行される、いわゆるオンラインゲームが知られている。
【0003】
このようなオンラインゲームにおいては、ゲーム内で使用されるアイテムをプレイヤ間で交換するための機能が実装される場合がある。例えば、特許文献1には、オンラインゲームで使用されるアイテムの仮想空間内での取引を実行する取引システムが開示されている。この取引システムは、仮想通貨を用いてアイテムを購入することができるように構成されており、購入条件はオークションにより決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-187143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オンラインゲームにおいては、例えば新しいアイテムが投入されたり、アップデートが実行される等により、アイテムの相場が変動する場合がある。そして、上記従来技術では、アイテムを出品したプレイヤが希望価格を設定する。このため、設定された希望価格が相場に比べて高すぎる場合には売れ難くなり、相場に比べて安すぎる場合には損をすることとなる。したがって、プレイヤは適正な価格を設定することが好ましいが、ゲーム内における適正な価格やトレンドを調査するには多大な手間や労力を要する。このため、プレイヤは調査を省略して損をしないように高めに価格を設定して出品したり、アイテムを適正な価格でゲーム内取引に出品する手間を惜しんで破棄する等をしがちであり、ゲーム内取引が活性化しないという課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、オンラインゲームにおけるゲーム内取引を活性化することができるゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するアイテム指定処理部、前記プレイヤの入力に基づいて、前記ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格を前記アイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する前記価格表を指定する価格表指定処理部、前記プレイヤが前記ゲーム内で取得した前記アイテムが指定された前記アイテムか否かを判定するアイテム判定処理部、前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムの前記出品価格を指定された前記価格表に基づいて特定し、前記取得したアイテムに特定された前記出品価格を設定する出品価格設定処理部、として機能させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するステップと、前記プレイヤの入力に基づいて、前記ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格を前記アイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する前記価格表を指定するステップと、前記プレイヤが前記ゲーム内で取得した前記アイテムが指定された前記アイテムか否かを判定するステップと、前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムの前記出品価格を指定された前記価格表に基づいて特定し、前記取得したアイテムに特定された前記出品価格を設定するステップと、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するアイテム指定処理部と、前記プレイヤの入力に基づいて、前記ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格を前記アイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する前記価格表を指定する価格表指定処理部と、前記プレイヤが前記ゲーム内で取得した前記アイテムが指定された前記アイテムか否かを判定するアイテム判定処理部と、前記取得したアイテムが前記指定されたアイテムと判定された場合に、前記取得したアイテムの前記出品価格を指定された前記価格表に基づいて特定し、前記取得したアイテムに特定された前記出品価格を設定する出品価格設定処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、オンラインゲームにおけるゲーム内取引を活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
図2】端末装置の構成の一例を表す構成図である。
図3】サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図4】出品アイテムの指定画面の一例を表す説明図である。
図5】価格表の指定画面の一例を表す説明図である。
図6】価格表の一例を表す説明図である。
図7】オークション画面の一例を表す説明図である。
図8】価格表を変更する権限の設定画面の一例を表す説明図である。
図9】サーバのCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図10】他のプレイヤに代理出品を依頼する変形例におけるサーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図11】代理出品者の設定画面の一例を表す説明図である。
図12】保管庫画面の一例を表す説明図である。
図13】他のプレイヤに代理出品を依頼する変形例におけるサーバのCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図14】サーバのハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数の端末装置3と、サーバ装置5を有する。複数の端末装置3とサーバ装置5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、図1ではサーバ装置5が1台のコンピュータで構成されているが、複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
図2に示すように、各端末装置3は、ゲームコントローラ7と表示装置9に有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0015】
端末装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、携帯電話、スマートフォン、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
【0016】
プレイヤは、ゲームコントローラ7を用いて各種の操作入力を行う。図2に示す例では、ゲームコントローラ7は例えば十字キー11や複数のボタン13等を有する。なお、ゲームコントローラ7は上記に代えて又は加えて、例えばジョイスティックやタッチパッド等を有してもよい。
【0017】
表示装置9は、例えばブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL、プロジェクター等によるディスプレイ装置である。表示装置9は、音声を出力するスピーカー(図示省略)等を一体又は別体として備えてもよい。
【0018】
サーバ装置5(情報処理装置の一例)は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したゲームサービス(オンラインゲーム)を提供する。
【0019】
サーバ装置5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ装置5に実装されており、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ装置5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ装置5が提供してもよい。また、サーバ装置5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ装置5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ装置5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ装置5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0020】
<2.サーバの機能的構成>
次に、図3及び図4図8を用いて、サーバ装置5の機能的構成の一例について説明する。
【0021】
図3に示すように、サーバ装置5は、アイテム指定処理部15と、価格表指定処理部17と、アイテム判定処理部19と、出品価格設定処理部21と、アイテム出品処理部23と、第1売上付与処理部25と、権限設定処理部27と、出品価格変更処理部29とを有する。
【0022】
アイテム指定処理部15は、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定する。「ゲーム内取引」とは、プレイヤ同士(プレイヤが操作するプレイヤキャラクタ同士を含む)の間でアイテムの売買を行うためのゲーム内に組み込まれた取引システムであり、例えばオークションやショップ等である。「アイテム」は、ゲーム内で使用することによって何らかの効果が得られる道具全般をいい、例えば武器、防具、装具、機器、飲食物、薬、これらを生成するための素材や材料等である。なお、「アイテム」に、プレイヤキャラクタと協力して行動可能な、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズムにより自動制御されるキャラクタ(いわゆるノンプレイヤキャラクタ)を含めてもよい。
【0023】
プレイヤが出品するアイテムを指定する方法は特に限定されるものではないが、例えばアイテムが一覧表示されたアイテムリストから一つ一つ指定してもよいし、所定の条件を設定して当該条件を満たすアイテムを一括指定できるようにしてもよい。なお、以下ではアイテム指定処理部15により指定されたアイテムを適宜「指定アイテム」という。
【0024】
図4に、出品アイテムの指定画面の一例を示す。図4に示す例では、出品アイテムの指定画面31に、指定方法を選択するための選択入力部33が表示されている。プレイヤは、選択入力部33を用いて、アイテムを個別に選択する方法、又は、条件を指定して当該条件を満たすアイテムを一括選択する方法、のいずれかを選択できる。プレイヤは、アイテムを個別に選択する方法を選択した場合には、「アイテムリストの表示」ボタン35を操作してアイテムが一覧表示されたアイテムリスト(図示省略)を別途表示させ、当該アイテムリストからアイテムを一つ一つ指定することができる。
【0025】
また、プレイヤは、条件を指定して選択する方法を選択した場合には、条件入力部37を用いて条件を設定することができる。条件入力部37は、アイテムを指定する条件の項目(この例ではレア度)を指定するための項目入力部39と、項目入力部39で指定された項目のしきい値(この例ではノーマル)を指定するためのしきい値入力部41とを有する。項目入力部39としきい値入力部41は、例えばプルダウンメニューとして構成されている。但し、これ以外の入力方式(例えば別の入力ウィンドウの表示、アップダウンボタン等による数値入力ボックス、スライドバー等)としてもよい。図4に示す例では、条件を指定して選択する方法が選択されると共に、レア度がノーマル以下であることが条件として設定されており、この条件を満たすアイテムがゲーム内取引に出品されるアイテムとして一括して指定される。
【0026】
なお、上記のアイテム指定条件は一例であり、上記以外にも、例えばアイテムのパラメータ(アイテムのレベル、能力値等)が所定のしきい値以下であること、アイテムの用途、属性、スキル、使用可能なキャラクタ等が特定の対象であること、敵レベルが所定のしきい値以下の敵から取得したアイテムであること、特定のエリアで取得されたアイテムであること等、多種多様な条件を設定することが可能である。
【0027】
図3に戻り、価格表指定処理部17は、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格をアイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する価格表を指定する。「出品価格」は、ゲーム内取引がオークションである場合には例えば開始価格となり、ゲーム内取引がショップである場合には売値となる。なお、オークションの場合には、出品価格を開始価格でなく、例えば即決価格(この価格でしか入札できず、入札された時点で落札となる)、希望落札価格(この価格で入札された時点で落札となるが、オークション終了時までにこの価格に達しなかった場合には最高額で入札したプレイヤが落札する)、又は最低落札価格(オークション終了時までにこの価格に達しなかった場合には落札されず、この価格に達した場合には最高額で入札したプレイヤが落札する)等としてもよい。
【0028】
具体的には、価格表指定処理部17は、プレイヤが自分で作成した価格表、他のプレイヤにより作成され公開された価格表、プレイヤが所属するグループにより作成された価格表、及び、プレイヤが所属していない他のグループにより作成され公開された価格表、を含む複数の価格表の中から、利用する価格表を指定する。「グループ」とは、複数のプレイヤ(複数のプレイヤキャラクタ)間で交流したり情報交換等をするために結成される集まりや施設であり、例えばギルド等である。なお、上記以外の価格表から指定できるようにしてもよい。
【0029】
図5に、価格表の指定画面の一例を示す。図5に示す例では、価格表の指定画面43に、価格表を選択するための選択入力部45が表示されている。プレイヤは、選択入力部45を用いて、自分で価格表を作成する、プレイヤが所属するグループにより作成された価格表を利用する、他のプレイヤにより作成され公開された価格表を利用する、又は、プレイヤが所属していない他のグループにより作成され公開された価格表を利用する、のいずれかを選択できる。
【0030】
プレイヤは、自分で価格表を作成することを選択した場合には、「価格表の作成」ボタン47を操作して価格表の作成画面(図示省略)を別途表示させ、自分自身でアイテムごとに価格を設定して価格表を作成することができる。なお、自分で作成した価格表は公開又は非公開を設定することができる。非公開設定の場合には自分のみが利用でき、公開設定の場合には他のプレイヤも利用可能となる。
【0031】
またプレイヤは、プレイヤが所属するグループの価格表を利用することを選択した場合には(図5に示す例)、「価格表の表示」ボタン49を操作して価格表を別途表示させ、価格表の内容を確認することができる。なお、グループの価格表は、所定の権限を有するプレイヤ(例えばグループリーダや上位メンバ等)によって公開又は非公開が設定されており、非公開設定の場合にはそのグループに所属するプレイヤのみが利用でき、公開設定の場合にはそのグループに所属しない他のプレイヤも利用可能となる。
【0032】
またプレイヤは、他のプレイヤの価格表を利用することを選択した場合には、「価格表の一覧表示」ボタン51を操作することにより、公開中の他のプレイヤによる価格表が一覧表示されたリスト(図示省略)を別途表示させ、当該リストから所望の価格表を指定することができる。
【0033】
またプレイヤは、他のグループの価格表を利用することを選択した場合には、「価格表の一覧表示」ボタン53を操作することにより、公開中の他のグループによる価格表が一覧表示されたリスト(図示省略)を別途表示させ、当該リストから所望の価格表を指定することができる。
【0034】
図6に、価格表の一例を示す。図6に示すように、価格表55ではアイテムの出品価格がアイテムごとに設定されている。出品価格の数字は、ゲーム内においてアイテムの売買に利用される仮想通貨の額であり、例えばゴールド等である。なお、出品価格を仮想通貨の代わりとなるアイテムの個数やゲームポイント等としてもよい
【0035】
図3に戻り、アイテム判定処理部19は、プレイヤがゲーム内で取得したアイテムが、上記アイテム指定処理部15により指定された指定アイテムか否かを判定する。アイテムは、例えばバトルにより敵キャラクタを倒したとき、所定のクエストやミッションをクリアしたとき、宝箱等のアイテムの収容物を開放したとき、ゲームフィールド上の所定の場所で見つけたり拾ったりしたとき、錬金や調合等により所定の素材や材料から生成されたとき、等に取得される。
【0036】
出品価格設定処理部21は、プレイヤが取得したアイテムが上記アイテム判定処理部19により指定アイテムであると判定された場合に、取得したアイテムの出品価格を上記価格表指定処理部17により指定された価格表に基づいて特定し、取得したアイテムに特定された出品価格を設定する。なお、指定アイテムが価格表に含まれていない場合には、当該指定アイテムの価格設定画面を表示する等により、プレイヤに出品価格の設定を促してもよい。
【0037】
アイテム出品処理部23は、プレイヤが取得したアイテムが上記アイテム判定処理部19により指定アイテムであると判定された場合に、取得したアイテムを、上記出品価格設定処理部21により設定された出品価格でゲーム内取引に出品する。このとき、ゲーム内取引がオークションである場合は、アイテム出品処理部23は、上記取得したアイテムを上記設定された出品価格を例えば開始価格としてオークションに出品する。また、ゲーム内取引がショップである場合は、アイテム出品処理部23は、上記取得したアイテムを上記設定された出品価格を売値としてショップに出品する。
【0038】
図7に、オークション画面の一例を示す。図7に示すように、オークション画面57では、アイテムごとに、出品者、開始価格、現在価格、入札数、残り時間が表示されている。プレイヤは、所望のアイテムの「入札する」ボタン59を操作することにより、入札価格の入力画面(図示省略)を別途表示させ、当該アイテムを入力した価格で入札することができる。図7に示す例では、オークション時間が例えば24時間に設定されており、アイテムcが図6に示す価格表により設定された出品価格(この例では210)を開始価格として出品された直後の状態を表している。
【0039】
第1売上付与処理部25は、上記アイテム出品処理部23により出品されたアイテムが売却された場合に、当該アイテムを出品したプレイヤに売上を付与する。なお、ゲーム内取引がオークションである場合、「売却された場合」とは落札された場合のことであり、「売上」は落札額のことをいう。
【0040】
以上により、プレイヤはゲーム内取引に出品するアイテムと利用する価格表を指定するだけで、その後の出品価格の設定、出品、及び売上の受け取りについては、全て自動で実行することができる。
【0041】
権限設定処理部27は、プレイヤの入力に基づいて、価格表を変更する権限を所定のプレイヤに設定する。「所定のプレイヤ」とは、例えばプレイヤが所属するグループのリーダ(ギルドマスター等)や上位メンバ、又はゲーム内における友人等である。例えば、プレイヤが自分で価格表を作成した場合には、作成した価格表を変更する権限を、プレイヤが所属するグループのリーダや上位メンバ、又はゲーム内における友人等に設定し、これらのプレイヤと価格表を共有して内容を更新してもらうことによって、価格表の信頼性を向上できる。なお、グループにより生成された価格表の場合は、グループのリーダが当該価格表を変更する権限をグループの特定のメンバ(リーダ及びリーダが指定したメンバを含む)に設定することによって、価格表の信頼性を確保できる。
【0042】
図8に、価格表を変更する権限の設定画面の一例を示す。図8に示す例では、設定画面61に、価格表を変更可能なプレイヤを指定するためのプレイヤ入力部63が表示されている。プレイヤ入力部63は、グループメンバからプレイヤを指定するための第1入力部65と、プレイヤ名又はアカウント等によりプレイヤを指定するための第2入力部67とを有する。図8に示す例では、第1入力部65及び第2入力部67はそれぞれ3個ずつ設けられており、1人から6人の間で任意の数のプレイヤを指定することができる。第1入力部65は例えばプルダウンメニューとして構成されており、第2入力部67は例えばテキスト入力ボックスとして構成されている。但し、これ以外の入力方式(例えば別の入力ウィンドウの表示等)としてもよい。なお、サーバ装置5ではグループごとにメンバに関する情報が登録されており、プルダウンメニューによりそれらの情報が一覧表示されるようになっている。
【0043】
図3に戻り、出品価格変更処理部29は、価格表が変更された場合に、当該価格表を利用して出品されているアイテムの出品価格を連動して変更する。具体的には、前述の出品価格設定処理部21により、プレイヤが取得したアイテムに価格表から特定された出品価格が設定される際に、当該アイテムと価格表の出品価格にリンクが形成されており、出品価格変更処理部29はそのリンクを利用して出品中のアイテムの価格を変更する。例えばゲーム内取引がオークションである場合には、価格表において価格が変更されたアイテムに対応する出品中のアイテムの開始価格が連動して変更される。また、例えばゲーム内取引がショップである場合には、価格表において価格が変更されたアイテムに対応する出品中のアイテムの売値が連動して変更される。
【0044】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(後述の図14参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ装置5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0045】
<3.サーバが実行する処理手順>
次に、図9を用いて、サーバ装置5のCPU501によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0046】
ステップS5では、サーバ装置5は、アイテム指定処理部15により、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定する。
【0047】
ステップS10では、サーバ装置10は、価格表指定処理部17により、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格をアイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する価格表を指定する。前述のように複数の価格表には、プレイヤが自分で作成した価格表、他のプレイヤにより作成され公開された価格表、プレイヤが所属するグループにより作成された価格表、及び、プレイヤが所属していない他のグループにより作成され公開された価格表等が含まれる。
【0048】
ステップS15では、サーバ装置5は、プレイヤがゲーム内でアイテムを取得したか否かを判定する。プレイヤがアイテムを取得していない場合には(ステップS15:NO)、本ステップを繰り返し、プレイヤがアイテムを取得した場合には(ステップS15:YES)、ステップS20に移る。
【0049】
ステップS20では、サーバ装置5は、アイテム判定処理部19により、プレイヤがゲーム内で取得したアイテムが、上記ステップS5で指定された指定アイテムか否かを判定する。指定アイテムでない場合には(ステップS20:NO)、上記ステップS15に戻り、指定アイテムである場合には(ステップS20:YES)、ステップS25に移る。
【0050】
ステップS25では、サーバ装置5は、出品価格設定処理部21により、取得したアイテムの出品価格を上記ステップS10で指定した価格表に基づいて特定し、取得したアイテムに特定した出品価格を設定する。
【0051】
ステップS30では、サーバ装置5は、アイテム出品処理部23により、取得したアイテムを、上記ステップS25で設定した出品価格でゲーム内取引に出品する。
【0052】
ステップS35では、サーバ装置5は、出品したアイテムが売却されたか否かを判定する。売却された場合には(ステップS35:YES)、ステップS40に移る。
【0053】
ステップS40では、サーバ装置5は、第1売上付与処理部25により、売却されたアイテムを出品したプレイヤに売上を付与する。その後、本フローチャートを終了する。
【0054】
一方、上記ステップS35において、出品したアイテムが売却されていない場合には(ステップS35:NO)、ステップS45に移る。
【0055】
ステップS45では、サーバ装置5は、価格表が変更されたか否かを判定する。なお、このフローチャートでは図示していないが、価格表を変更する権限は、例えば当該価格表が作成された時点等において、例えば当該価格表を作成したプレイヤの入力に基づいて、所定のプレイヤに設定されている。価格表が変更されていない場合には(ステップS45:NO)、後述のステップS55に移る。一方、価格表が変更された場合には(ステップS45:YES)、ステップS50に移る。
【0056】
ステップS50では、サーバ装置5は、出品価格変更処理部29により、変更のあった価格表を利用して出品されているアイテムの出品価格を連動して変更する。
【0057】
ステップS55では、サーバ装置5は、ゲーム内取引が終了したか否かを判定する。例えばゲーム内取引がオークションである場合には、残り時間が0となった場合に終了と判定する。また、例えばゲーム内取引がショップである場合には、販売期間が終了した場合に終了と判定する。ゲーム内取引が終了していない場合には(ステップS55:NO)、先のステップS35に戻る。一方、ゲーム内取引が終了した場合には(ステップS55:YES)、本フローチャートを終了する。
【0058】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0059】
<4.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、複数の端末装置3と通信可能に接続されたサーバ装置5を、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引に出品するアイテムを指定するアイテム指定処理部15、プレイヤの入力に基づいて、ゲーム内取引で取引きされるアイテムの出品価格をアイテムごとに設定した複数の価格表の中から、利用する価格表55を指定する価格表指定処理部17、プレイヤがゲーム内で取得したアイテムが指定されたアイテムか否かを判定するアイテム判定処理部19、取得したアイテムが指定されたアイテムと判定された場合に、取得したアイテムの出品価格を指定された価格表に基づいて特定し、取得したアイテムに特定された出品価格を設定する出品価格設定処理部21、として機能させる。
【0060】
オンラインゲームにおいては、例えば新しいアイテムが投入されたり、アップデートが実行される等により、アイテムの相場が頻繁に変動することがある。このため、プレイヤがアイテムをゲーム内取引に出品する際、出品価格が相場に比べて高すぎる場合には売れ難くなり、相場に比べて安すぎる場合には損をすることとなる。したがって、プレイヤは出品するアイテムに適正な価格を設定することが好ましいが、ゲーム内における適正な価格やトレンドを調査するには、多大な労力や手間を要する。このため、プレイヤは調査を省略して損をしないように高めに価格を設定して出品したり(この場合売れにくくなる)、アイテムを適正な価格でゲーム内取引に出品する手間を惜しんで破棄する等をしがちであり、ゲーム内取引が活性化しないという課題があった。
【0061】
本実施形態では、プレイヤは複数の価格表の中から利用する価格表55を指定する。そして、プレイヤがゲーム内で取得したアイテムが指定アイテムである場合、利用する価格表55に基づいて出品価格が特定され、指定アイテムに特定された出品価格が自動的に設定される。
【0062】
これにより、プレイヤは、例えば当該ゲームの熟練者(ランキング上位者、ヘビーユーザ等)が公開している価格表や、プレイヤが所属するグループ(ギルド等)の価格表など、適正な出品価格やトレンドが反映されている可能性の高い価格表を指定するだけで、自分自身はそれらの調査を行わなくとも、自動的に出品しようとするアイテムに適正な出品価格を設定することができる。その結果、各プレイヤは不要なアイテムを積極的にゲーム内取引に出品するようになると共に、適正な価格が設定されていることで売買も活発に行われるようになり、オンラインゲームにおけるゲーム内取引を活性化することができる。
【0063】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、プレイヤの入力に基づいて、価格表55を変更する権限を所定のプレイヤに設定する権限設定処理部27、としてさらに機能させる。
【0064】
これにより、例えばプレイヤ自身が価格表を作成した場合には、当該価格表を変更する権限をプレイヤが所属するグループのリーダや上位メンバ、又はゲーム内における友人等に設定し、これらのプレイヤと価格表を共有して内容を更新してもらうことによって、価格表の信頼性を向上できる。また、適正価格やトレンドの調査及び価格表の更新の手間が省けるので、プレイヤの利便性を向上できる。また例えば、グループにより生成された価格表の場合は、当該グループのリーダが当該価格表を変更する権限をグループの指定メンバに設定することによって、価格表の信頼性を確保できる。
【0065】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、価格表55が変更された場合に、価格表55を利用して出品されているアイテムの出品価格を連動して変更する出品価格変更処理部29、としてさらに機能させる。
【0066】
例えば、グループの価格表を当該グループに所属する複数のプレイヤで利用して各プレイヤがアイテムを出品している場合など、1つの価格表を複数のプレイヤで共有している場合、価格表が変更されると、各プレイヤがそれぞれ出品したアイテムの出品価格をそれぞれにおいて変更する必要が生じ、多大な手間を要することになる。また、例えばプレイヤが失念する等により価格を変更しなかった場合には、アイテムの出品価格が相場から剥離したものとなり、プレイヤの損失や取引の不活性化を招く可能性もある。
【0067】
本実施形態によれば、価格表が変更されると、当該価格表を利用して出品されているアイテムの出品価格が連動して自動的に変更されるので、各プレイヤが価格の変更作業を行う必要が無くなり、プレイヤの利便性を大幅に向上できる。また、出品価格の変更のし忘れ等も無くなるので、上述したプレイヤの損失や取引の不活性化も防止できる。
【0068】
また、本実施形態では特に、価格表指定処理部17は、プレイヤが自分で作成した価格表、他のプレイヤにより作成され公開された価格表、プレイヤが所属するグループにより作成された価格表、及び、プレイヤが所属していない他のグループにより作成され公開された価格表、を含む複数の価格表の中から、利用する価格表を指定する。
【0069】
これにより、例えば、プレイヤがゲームの初心者やライトユーザ等である場合には、他のプレイヤにより作成された価格表、グループにより作成された価格表、他のグループにより作成された価格表等を利用することで、ゲームに精通したプレイヤの相場情報やトレンド情報を利用して(便乗して)出品価格を設定することができる。また例えば、プレイヤがゲームの熟練者(ランキング上位者、ヘビーユーザ等)である場合には、自分自身が所有する相場情報やトレンド情報に基づいて自分で価格表を作成して利用することもできる。このように、プレイヤは多種多様な価格表の選択肢の中から、自身のプレイスタイル、好み、戦略、その他の判断等に応じて所望の価格表を選択することができ、ゲームの興趣性を向上できる。
【0070】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、取得したアイテムが指定されたアイテムと判定された場合に、取得したアイテムを設定された出品価格でゲーム内取引に出品するアイテム出品処理部23、出品されたアイテムが売却された場合に、当該アイテムを出品したプレイヤに売上を付与する第1売上付与処理部25、としてさらに機能させる。
【0071】
これにより、プレイヤはゲーム内取引に出品するアイテムと価格表を指定するだけで、その後の出品価格の設定、出品、及び売上の受け取りについては全て自動で実行することができ、プレイヤの利便性を大幅に向上できる。またその結果、プレイヤがゲーム内の相場情報やトレンド情報に疎い初心者やライトユーザ等である場合でも、気軽にゲーム内取引を利用できるようになる。したがって、ゲーム内取引を活性化できる。
【0072】
さらに、一般にオンラインゲームでは非常に多数のアイテムが用意されるため、プレイヤの所持品がすぐに一杯となる可能性があるが、本実施形態によれば指定したアイテムを自動的に出品できるので、プレイヤの所持品が一杯となるのを防止できる。
【0073】
<5.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0074】
(5-1.他のプレイヤに代理出品を依頼する場合)
上記実施形態では、プレイヤが取得したアイテムが指定表品である場合には自動的にゲーム内取引に出品されるようにしたが、これに限らず、例えば他のプレイヤを指定して当該プレイヤに代理出品を依頼してもよい。
【0075】
図10に、本変形例のサーバ装置5Aの機能的構成の一例を示す。なお、図10において前述の図3と同様の構成には同符号を付し、説明を省略する。図10に示すように、サーバ装置5Aは、上記実施形態のサーバ装置5のアイテム出品処理部23及び第1売上付与処理部25に代えて、プレイヤ指定処理部69と、アイテム保管処理部71と、第2売上付与処理部73とを有する。
【0076】
プレイヤ指定処理部69は、プレイヤの入力に基づいて、プレイヤが取得した指定アイテムを上記出品価格設定処理部21により設定された出品価格でゲーム内取引に代理で出品可能な他のプレイヤを指定する。「他のプレイヤ」とは、例えばプレイヤが所属するグループのリーダや上位メンバ、又はゲーム内における友人等である。
【0077】
図11に、代理出品者の設定画面の一例を示す。図11に示す例では、代理出品者の設定画面75に、代理出品を依頼するプレイヤを指定するためのプレイヤ入力部77が表示されている。プレイヤ入力部77は、グループメンバからプレイヤを指定するための第1入力部79と、プレイヤ名又はアカウント等によりプレイヤを指定するための第2入力部81とを有する。図11に示す例では、第1入力部79及び第2入力部81はそれぞれ3個ずつ設けられており、1人から6人の間で任意の数のプレイヤを指定することができる。第1入力部79は例えばプルダウンメニューとして構成されており、第2入力部81は例えばテキスト入力ボックスとして構成されている。但し、これ以外の入力方式(例えば別の入力ウィンドウの表示等)としてもよい。なお、サーバ装置5Aではグループごとにメンバに関する情報が登録されており、プルダウンメニューによりそれらの情報が一覧表示されるようになっている。
【0078】
なお、図示は省略するが、上述のようにして代理出品を依頼する他のプレイヤが指定された場合に、当該他のプレイヤの端末装置3の表示装置9に通知画面を表示してもよい。また、当該通知画面において、他のプレイヤが代理出品の依頼を受諾するか拒否するかを選択できるようにしてもよい。
【0079】
図10に戻り、アイテム保管処理部71は、プレイヤが取得したアイテムが指定アイテムと判定された場合に、取得したアイテムを上記プレイヤ指定処理部69により指定された他のプレイヤがアクセス可能な保管庫に保管する。「保管庫」は、代理出品を依頼する他のプレイヤを指定する度に当該指定されたメンバのみがアクセス可能な保管庫が新たに生成されてもよいし、例えばプレイヤが所属するグループに用意された、当該グループの一部又は全員のメンバがアクセス可能な保管庫を利用してもよい。
【0080】
図12に、保管庫画面の一例を示す。図12に示すように、保管庫画面83では、アイテムごとに、出品依頼者及び出品価格が表示されている。出品価格は、前述の出品価格設定処理部21により設定された価格である。依頼されたプレイヤは、任意のタイミングで、保管庫に収容されたいずれかのアイテムの「出品する」ボタン85を操作することにより、当該アイテムを設定された出品価格で出品することができる。出品価格は、オークションに出品する場合には例えば開始価格となり、ショップに出品する場合には売値となる。
【0081】
図10に戻り、第2売上付与処理部73は、上記プレイヤ指定処理部69により指定された他のプレイヤにより出品されたアイテムが売却された場合に、売上の一部を代理出品者である他のプレイヤに付与すると共に、残りの売上を出品依頼者であるプレイヤに付与する。「売上の一部」は、売上に予め設定された一定の割合を乗じたものである。なお、例えば売上額が大きいほど割合も大きくなるというように、売上額の大小に応じて割合を変動させてもよい。
【0082】
図13に、サーバ装置5AのCPU501によって実行される処理手順の一例を示す。
【0083】
ステップS105及びステップS110は、前述の図9に示すステップS5及びステップS10と同様であるので説明を省略する。
【0084】
ステップS115では、サーバ装置5Aは、プレイヤ指定処理部69により、プレイヤの入力に基づいて、プレイヤが取得した指定アイテムを設定された出品価格でゲーム内取引に代理で出品可能な他のプレイヤを指定する。
【0085】
ステップS120~ステップS130は、前述の図9に示すステップS15~ステップS25と同様であるので説明を省略する。
【0086】
ステップS135では、サーバ装置5Aは、アイテム保管処理部71により、取得した指定アイテムを上記ステップS130で設定した出品価格と関連付けた上で、上記ステップS115で指定した他のプレイヤがアクセス可能な保管庫に保管する。
【0087】
ステップS140では、サーバ装置5Aは、保管庫に収容されたアイテムが代理出品者である上記他のプレイヤにより出品されたか否かを判定する。出品されていない場合には(ステップS140:NO)、本ステップを繰り返し、出品された場合には(ステップS140:YES)、ステップS145に移る。
【0088】
ステップS145では、サーバ装置5Aは、代理出品者が出品したアイテムが売却されたか否かを判定する。売却された場合には(ステップS145:YES)、ステップS150に移る。
【0089】
ステップS150では、サーバ装置5Aは、第2売上付与処理部73により、売上の一部を代理出品者である他のプレイヤに付与すると共に、残りの売上を出品依頼者であるプレイヤに付与する。そして、本フローチャートを終了する。
【0090】
一方、上記ステップS145において、代理出品者が出品したアイテムが売却されていない場合には(ステップS145:NO)、ステップS155に移る。
【0091】
ステップS155~ステップS165は、前述の図9に示すステップS45~ステップS55と同様であるので説明を省略する。
【0092】
以上説明した変形例では、ゲームプログラムは、サーバ装置5Aを、プレイヤの入力に基づいて、取得したアイテムを設定された出品価格でゲーム内取引に代理で出品可能な他のプレイヤを指定するプレイヤ指定処理部69、取得したアイテムが指定されたアイテムと判定された場合に、取得したアイテムを指定された他のプレイヤがアクセス可能な保管庫に保管するアイテム保管処理部71、としてさらに機能させる。
【0093】
本変形例によれば、プレイヤは他のプレイヤを指定して、指定アイテムを自身が指定した価格表の価格で、代理で出品してもらうことができる。このとき、価格については自身が指定できるので、不当に出品価格が変更される(例えばプレイヤの意に反して安く売りさばかれてしまう等)ことを防止できる。また、このようにして、自分自身のアイテムを出品する権限を他のプレイヤに委譲することにより、人による高度な戦略、知識、情報等に基づいて出品するタイミング等を判断してもらうことができる。これにより、プレイヤが指定アイテムを取得したタイミングで機械的に出品される場合に比べて、アイテムを効率的に売却することができる。
【0094】
また、本変形例では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5Aを、指定された他のプレイヤにより出品されたアイテムが売却された場合に、売上の一部を他のプレイヤに付与すると共に、残りの売上をプレイヤに付与する第2売上付与処理部73、としてさらに機能させる。
【0095】
これにより、プレイヤが代理出品者を引き受けるインセンティブを増大できる。したがって、代理出品者による出品が活発に行われるようになり、オンラインゲームにおけるゲーム内取引を活性化することができる。
【0096】
また、ゲームシステムによっては例えばプレイヤが所属するグループの維持や拡張にゲーム内通貨等の資産が必要となる場合があり、メンバのうちの誰がその資産を出すかでトラブルが生じる場合がある。本変形例によれば、代理出品者として例えばそのグループのリーダや上位メンバ等を指定しておき、代理出品された場合に当該代理出品者に付与される売上の一部や、出品依頼者に付与される残りの売上を、例えばグループの金庫(ギルド金庫等)に入れるようにすることで、当該金庫の資産を上記グループの維持や拡張に当てることが可能となる。このようにすることで、上記のようなトラブルが生じるのを防止できると共に、グループの拡張機能等をゲームシステムに組み込みやすくすることができる。
【0097】
(5-2.その他)
前述のように、ゲーム内における適正な価格やトレンドを調査するには多大な労力や手間を要する。このため、価格表を変更する権限を設定されたプレイヤも、多大な労力や手間をかけて価格表をトレンドを反映した最新の内容に更新することになる。したがって、価格表を変更する権限を設定されたプレイヤに対し、当該価格表を利用して出品されたアイテムが売却された場合に、売上の一部を付与するようにしてもよい。これにより、価格表を変更する権限を設定されたプレイヤが価格表の更新作業を行うインセンティブを増大できる。
【0098】
また、以上では各プレイヤが出品可能なアイテムの個数(保管庫に保管可能なアイテムの個数)に特に制限を設けなかったが、所定の値(例えば10個)に制限しておき、プレイヤが例えば課金アイテムを使用することによって、当該個数を増大できるようにしてもよい。
【0099】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0100】
<6.サーバのハードウェア構成>
次に、図14を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ装置5,5Aのハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0101】
図14に示すように、サーバ装置5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0102】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、記録装置517等に記録しておくことができる。
【0103】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0104】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0105】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0106】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のアイテム指定処理部15、価格表指定処理部17、アイテム判定処理部19、出品価格設定処理部21等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0107】
また、CPU501は、各端末装置3のゲームコントローラ7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0108】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0109】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3の表示装置9に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0110】
3 端末装置
5 サーバ装置(情報処理装置)
5A サーバ装置(情報処理装置)
15 アイテム指定処理部
17 価格表指定処理部
19 アイテム判定処理部
21 出品価格設定処理部
23 アイテム出品処理部
25 第1売上付与処理部
27 権限設定処理部
29 出品価格変更処理部
55 価格表
69 プレイヤ指定処理部
71 アイテム保管処理部
73 第2売上付与処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14