(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ゼロアジャスト補正方法及びインピーダンス測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 27/02 20060101AFI20231011BHJP
G01R 35/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G01R27/02 A
G01R35/00 J
(21)【出願番号】P 2019206275
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】飯島 淳司
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-086474(JP,A)
【文献】特開2015-117971(JP,A)
【文献】特許第7315372(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/00-27/32
G01R 35/00-35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の端子を有する測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記測定対象電子部品の両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ前記測定対象電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成し、
前記電圧検出部の一方の端子を、前記測定対象電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして前記測定対象電子部品の外部表面に沿って延在する接続線を介して前記測定対象電子部品の他方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記測定対象電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。
【請求項2】
一対の端子を有する測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記測定対象電子部品の両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ前記測定対象電子部品と同種の電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成し、
前記電圧検出部の一方の端子を、前記同種の電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして前記同種の電子部品の外部表面に沿って延在する接続線を介して前記同種の電子部品の他方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記同種の電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。
【請求項3】
それぞれ一対の端子を有する第1~第N(Nは2以上の整数)の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子と他方の端子に個別に接続して電流経路を形成し、
前記電圧検出部の一方の端子を、前記第1~第Nの測定対象電子部品の測定ごとに、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの外部表面に沿って延在する接続線を介して前記第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子のそれぞれに接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。
【請求項4】
それぞれ一対の端子を有する第1~第N(Nは2以上の整数)の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する第1~第N(Nは2以上の整数)の電圧検出部とを含み、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子と他方の端子に個別に接続して電流経路を形成し、
前記第1~第Nの電圧検出部の一方の端子を、前記第1~第Nの測定対象電子部品の一方の端子に対してそれぞれ直流的に絶縁した状態にして、前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの外部表面に沿って延在する接続線を介してそれぞれ前記第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子に接続し、前記第1~第Nの電圧検出部の他方の端子をそれぞれ前記第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行する、
ことを特徴とするゼロアジャスト補正方法。
【請求項5】
請求項1に記載のゼロアジャスト補正方法を実施した後に、前記測定対象電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態を解除し、前記接続線を前記測定対象電子部品から外した状態で前記電圧検出部の一方の端子を前記測定対象電子部品の一方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記測定対象電子部品の他方の端子に接続して前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定する、
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
【請求項6】
請求項2に記載のゼロアジャスト補正方法を実施した後に、前記測定対象電子部品と同種の電子部品
を取り外して、前記測定対象電子部品に入れ替え、前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ測定対象電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成するとともに、前記電圧検出部の一方の端子を測定対象電子部品の
前記一方の端子に接続し、前記電圧検出部の他方の端子を前記測定対象電子部品の
前記他方の端子に接続して前記測定対象電子部品のインピーダンスを測定する、
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼロアジャスト補正方法及びインピーダンス測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5に示すように、四端子測定法によるインピーダンス測定装置は、基本的な構成として、被測定抵抗体(図示せず)に測定電流を供給する測定信号源(定電流電源)100と、その測定電流により被測定抵抗体に生ずる電圧降下分を測定する電圧計200と、演算部(図示せず)を備える。このインピーダンス測定には、測定信号源100の正極(Hi)に接続されるHi側の電流供給側端子(SOURCE Hi)101と、負極(Lo)に接続されるLo側の電流供給側端子(SOURCE Lo)102と、電圧計200の正極(Hi)に接続されるHi側の電圧検出端子(SENSE Hi)201と負極(Lo)に接続されるLo側の電圧検出端子(SENCE Lo)202の合計4本の端子が用いられる。
【0003】
測定に先立って、種々の補正(調整)が行われるが、その一つにゼロアジャスト補正(ショート補正とも言う)がある(以下の特許文献1参照)。従来のゼロアジャスト補正方法は、例えば、電流供給側端子101と電流供給側端子102を接続するとともに電圧検出端子201と電圧検出端子202とを接続し、接続された電流供給側端子101,102と電圧検出端子201,202を1点で接続するという接続態様をもって行われていた(
図5参照)。電圧計200は入力インピーダンスが高いため、測定信号源100から供給される測定電流Isは電流供給側端子101,102を流れる。上記したように接続された電流供給側端子101,102と電圧検出端子201,202が1点で接続され、電圧計200にて測定された電圧をVとすると、測定電流Isは、定電流電源100、電流供給側端子101および電流供給側端子102を通るいわゆるソースリード線のみに流れる。そのため、電圧検出端子201と電圧検出端子202の間に発生する電圧は0ボルト(V)となり、電圧検出端子201と電圧検出端子202の間のインピーダンスZ(=V/Is)は0となる。ゼロアジャスト補正は、電圧検出端子201,202との間を0Ωとして測定を行い、そのとき電圧計200に表示される電圧Vと測定電流Isから算出されるインピーダンス値がオフセット値となり、実際の測定時においてそのオフセット値を差し引いて、引いた値をゼロアジャスト後の測定インピーダンス値とする。なお、抵抗R
SOH,R
SEH,R
SOL,R
SELは各配線抵抗および接触抵抗である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
図6に示すように、測定対象電子部品であるバッテリセル300の測定時には以下の誤差要因により測定誤差が発生する。第1の要因として、測定電流により発生する磁束(
図6参照)により電圧計200に誘導電圧が発生してしまう点が挙げられ、この誘導電圧によって測定誤差が生じてしまう。第2の要因として、測定電流Isにより発生する磁束によりバッテリー外装金属内に渦電流(
図6参照)が発生し、その渦電流により発生する磁束により電圧計200に誘導電圧が発生してしまう点が挙げられ、この誘導電圧によって測定誤差が生じてしまう。
【0006】
この場合、上記した方法により正しくゼロアジャストを実施しても、バッテリー測定時に新たなオフセット要因が生じてしまうことになる。ところで、ゼロアジャスト治具を、測定するバッテリーと同じ形状にしてゼロアジャストする方法が知られているが、この場合、ゼロアジャスト治具と実際のバッテリーでは測定電流が流れる経路が同じではないため発生する磁束の状態も実際のバッテリーとは異なるため電磁誘導を原因とする測定誤差に影響を与える量(影響量)も異なってくる。さらにバッテリー自体は外装が金属で覆われているため渦電流が生じる。そのため、異種金属や非磁性体でゼロアジャスト治具を構成した場合も、実際のバッテリーとは上記した測定誤差に影響を与える量が異なってくるため、実際の測定時において測定誤差をなくすことは困難である。
【0007】
したがって、本発明の課題は、四端子測定法によるインピーダンス測定方法において精度の高いゼロアジャスト補正(ショート補正)が行えるようにしたゼロアジャスト補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るゼロアジャスト補正方法の一側面は、一対の端子を有する測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、測定対象電子部品の両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、測定対象電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ測定対象電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成し、電圧検出部の一方の端子を、測定対象電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして測定対象電子部品の外部表面に沿って延在する接続線を介して測定対象電子部品の他方の端子に接続し、電圧検出部の他方の端子を測定対象電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るゼロアジャスト補正方法の他の側面は、一対の端子を有する測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、測定対象電子部品の両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、測定対象電子部品のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方をそれぞれ測定対象電子部品と同種の電子部品の一方の端子と他方の端子に接続して電流経路を形成し、前記電圧検出部の一方の端子を、同種の電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして同種の電子部品の外部表面に沿って延在する接続線を介して同種の電子部品の他方の端子に接続し、電圧検出部の他方の端子を同種の電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るゼロアジャスト補正方法の他の側面は、それぞれ一対の端子を有する第1~第N(Nは2以上の整数)の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する電圧検出部とを含み、第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方を前記第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子と他方の端子に個別に接続して電流経路を形成し、電圧検出部の一方の端子を、第1~第Nの測定対象電子部品の測定ごとに、第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子に対して直流的に絶縁した状態にして第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの外部表面に沿って延在する接続線を介して第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子のそれぞれに接続し、電圧検出部の他方の端子を第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの他方の端子に接続してゼロアジャストを実行することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るゼロアジャスト補正方法の他の側面は、それぞれ一対の端子を有する第1~第N(Nは2以上の整数)の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する第1~第N(Nは2以上の整数)の電圧検出部とを含み、第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置におけるゼロアジャスト補正方法であって、測定信号発生源の一対の出力端子の一方と他方を第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの一方の端子と他方の端子に個別に接続して電流経路を形成し、第1~第Nの電圧検出部の一方の端子を、第1~第Nの測定対象電子部品の一方の端子に対してそれぞれ直流的に絶縁した状態にして、第1~第Nの測定対象電子部品のそれぞれの外部表面に沿って延在する接続線を介してそれぞれ第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子に接続し、第1~第Nの電圧検出部の他方の端子をそれぞれ第1~第Nの測定対象電子部品の他方の端子に接続してゼロアジャストを実行することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るインピーダンス測定方法の一側面は、上記したゼロアジャスト補正方法を実施した後に、測定対象電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態を解除し、接続ループを測定対象電子部品から外した状態で電圧検出部の一方の端子を測定対象電子部品の一方の端子に接続し、電圧検出部の他方の端子を測定対象電子部品の他方の端子に接続して測定対象電子部品のインピーダンスを測定することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るインピーダンス測定方法の他の側面は、上記したゼロアジャスト補正方法を実施した後に、測定対象電子部品と同種の電子部品の一方の端子に対して直流的に絶縁した状態を解除し、接続線を測定対象電子部品と同種の電子部品から外した状態で電圧検出部の一方の端子を測定対象電子部品の一方の端子に接続し、電圧検出部の他方の端子を測定対象電子部品の他方の端子に接続して測定対象電子部品のインピーダンスを測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
測定対象の端子付近における電流計測線の一部で発生する磁束漏れにより測定対象の端子付近における電圧計測線の一部で生じる電磁誘導の影響を低減できるインピーダンス測定システムおよび測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るゼロアジャスト補正方法を説明するための接続構成態様を示した図である。
【
図2】測定値の再現性試験の実施における電流計測ループと電圧計測ループの配線パターンを示した図である。
【
図3】測定値の再現性試験における第1の実施の形態に係るゼロアジャスト治具と従来のゼロアジャスト治具を用いて
図2の3種類の配線パターンにおいて実施したインピーダンス測定の結果を示したグラフである。
【
図4】本発明の第2の実施の形態に係るゼロアジャスト補正方法を説明するための図である。
【
図5】従来のゼロアジャスト補正方法を説明するための図である。
【
図6】従来のゼロアジャスト補正方法を説明するための接続構成態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施の形態>
以下に、
図1を参照して本発明に係るゼロアジャスト補正方法の第1の実施の形態について、測定対象としてバッテリセルを例に挙げて説明する。なお、インピーダンス測定装置の測定対象電子部品(以下、「測定対象」と呼ぶ。)は、バッテリセル(電池セル)、電気回路を構成する素子であり、インピーダンスの測定は、バッテリセルや素子の特性評価等に重要な電気的パラメータとしてのインピーダンスを測定する。
【0017】
[インピーダンス測定装置の構成]
インピーダンス測定装置1は、測定信号を発生する測定信号源10、電流検出部としての電流計15及び電圧検出部としての電圧計20を含んで構成されている。なお、測定信号源10は請求項1の測定信号発生源に相当する。
【0018】
[測定装置とバッテリセルとの接続態様]
以下に、インピーダンス測定装置1と測定対象であるバッテリセル30との接続態様について説明する。インピーダンス測定装置1でバッテリセル30のインピーダンスを測定するにあたって、測定信号源10、電流計15および電圧計20とバッテリセル30とを電流計測線12、電圧計測線22を介して接続させる。ここで、プローブについては、測定信号源10からバッテリセル30を介して電流計15に流れる電流の経路である測定電流ループ内に含まれる2つの電流プローブ25、26と、バッテリセル30の電圧検出の経路である電圧検出ループ内に含まれる2つの電圧プローブ27、28が用いられる。また、電流プローブ25、26の電気配線として電流計測線12a,12bを互いに捩って形成されたツイストケーブル12が用いられ、電圧プローブ27、28の電気配線として電圧計測線22a,22bを互いに捩って形成されたツイストケーブル22が用いられる。
【0019】
なお、電流計測線12aはHi側ソース線(SOURCE Hi)であり電流プローブ25に接続されており、電流計測線12bはLo側ソース線(SOURCE Lo)であり電流プローブ26に接続されている。電圧計測線22aはHi側センス線(SENSE Hi)であり電流プローブ27に接続されており、電圧計測線22bはLo側センス線(SENSE Lo)であり電流プローブ28に接続されている。
【0020】
測定信号源10の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電流計測線12a、電流プローブ25を介してバッテリセル30のタブ端子31に接続され、測定信号源10の一対の出力端子の他方は、電流計15、電流計測線12b、電流プローブ26を介してバッテリセル30のタブ端子35に接続されている。
【0021】
電圧計20は、ツイストケーブル22の一端側における電圧計測線22aの端部と電圧計測線22bの端部との間に配設され、上記測定電流ループに流れる測定電流Isに起因して電圧計測線22aの端部と電圧計測線22bの端部との間に生じる電圧V1を測定する機能を有する。なお、測定された電圧V1は図示しない演算処理部(測定装置1内に含まれる)に出力され、後述するインピーダンスのR値とX値を算出する。
【0022】
[ゼロアジャスト治具の構成]
以下に、本発明に係るゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具の構成について説明する。
【0023】
ここで、本発明に係るゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具36は、測定対象のバッテリー30を用いて構成されており、第1の特徴として測定対象であるバッテリセル30の一対のタブ端子31、35間にHi側センス線(SENSE Hi)とLo側センス線(SENSE Lo)を短絡してなる接続ループ29を形成して構成されている。接続ループ29は、タブ端子31から所定距離をおいた点に位置する接続点32から、タブ端子35の厚み方向に直交する端面(バッテリセル30の長手方向に対して直交するタブ端子の側面)における接続点37にかけてバッテリセル30のセル表面に近接させた状態で、かつバッテリセル30のセル表面に沿って形成されている。なお、接続点32は請求項1の電圧検出部の一方の端子に相当し、接続点37は請求項1の測定対象電子部品の他方の端子に相当する。
【0024】
第2の特徴として、バッテリセル30のHi側において、電流計測線12a(Hi側ソース線)の一端における接続点33と電圧計測線22a(Hi側センス線)の一端における接続点32が直流的に絶縁されている。すなわち、プローブ25とプローブ27のタブ端子31上における電位が直流的に絶縁されるようにコンデンサ34をプローブ25とプローブ27の間に介在させている。因みに直流的に絶縁できるのであればコンデンサ34をプローブ25とプローブ27の間に介在させる以外の方法でも構わない。また、接続点33は請求項1の測定対象電子部品の一方の端子に相当する。
【0025】
上記した従来のゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具が、測定対象であるバッテリセルと同形状のものであり測定電流の流れる電流経路と異なる電流経路をゼロアジャスト治具の内部に有するものであるのに対し、本発明に係るゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具は、上記したように測定対象のバッテリセルと同形状のものであり測定電流の流れる電流経路も同じである点で両者は異なる。
【0026】
[測定方法]
ゼロアジャスト治具36を用いて測定装置1を構成する電流プローブ25と電圧プローブ27をそれぞれタブ端子31の接続点(ノード)33と接続点32に接続し、電流プローブ26と電圧プローブ28をそれぞれタブ端子35の接続点38と接続点37に接続した上で、測定信号源10から供給される測定電流Isが電流計15により測定され、接続点32と接続点37の間に発生する電圧V
1が電圧計20により測定される。測定された電圧Vと測定電流Isに基づいて算出されるインピーダンスのR値とX値(Z=R+jX;R値:レジスタンス値、X値:リアクタンス値)をオフセット値とし、このゼロアジャストを実行した後にゼロアジャスト治具36(接続ループ29が形成されたバッテリセル30)を外し、さらにコンデンサ34も外した上で、測定対象であるバッテリセル30に対してインピーダンス測定をする時に、電圧プローブ27をバッテリセル30のタブ端子31の接続点39(
図1右下側のインピーダンス測定時の部分拡大図参照)に接続してHi側センス線22aとLo側センス線22bをバッテリセル30の内部を介して接続させた状態でバッテリセル30のインピーダンスのR値とX値を測定する。測定されたインピーダンスのR値とX値から上記オフセット値を差し引いた値を算出し、その算出された値がゼロアジャスト実行後の測定インピーダンス(R値、X値)となる。なお、電流計測線12aはHi側ソース線(SOURCE Hi)であり電流プローブ25に接続されており、電流計測線12bはLo側ソース線(SOURCE Lo)であり電流プローブ26に接続されている。電圧計測線22aはHi側センス線(SENSE Hi)であり電圧プローブ27に接続されており、電圧計測線22bはLo側センス線(SENSE Lo)であり電圧プローブ28に接続されている。
【0027】
[測定値の再現性試験]
以下に、本発明のゼロアジャスト補正方法を実施するためのインピーダンス測定装置に用いられるゼロアジャスト治具36、すなわち測定対象のバッテリセル30を用いて構成されるゼロアジャスト治具36と、上記した従来の測定対象であるバッテリセルと同形状のゼロアジャスト治具を用いて行った測定値の再現性試験について説明する。
図3は測定値の再現性試験における本実施の形態のゼロアジャスト治具と従来のゼロアジャスト治具を用いて3種類の配線パターンにおいて実施したインピーダンス測定の結果を示したグラフである。なお、3種類の配線パターン(
図2参照)で測定を行ったのは、電磁誘導の影響が異なる配線パターンで測定することにより再現性の判定をより正確に行うことができるからである。
【0028】
再現性試験は、本発明に係るゼロアジャスト補正方法に用いられるゼロアジャスト治具36を用いてインピーダンス測定装置1を構成する電流プローブ25と電圧プローブ27をそれぞれタブ端子31の接続点33と接続点32に接続し、電流プローブ26と電圧プローブ28をそれぞれタブ端子35の接続点38と接続点37に接続した上で、測定信号源10から供給される測定電流Isとその時の接続点32と接続点37の間に発生する電圧V
1が電圧計20により測定され、その、電圧Vと測定電流Isに基づいて算出されるインピーダンスのR値、X値をオフセット値としてゼロアジャストを実行する。そしてゼロアジャストを実行した後にゼロアジャスト治具36を外す。すなわち、バッテリセル30から接続ループ29を外し、さらにコンデンサ34も外した上で、測定対象であるバッテリセル30に対してインピーダンス測定をする時に、電圧プローブ27をバッテリセル30のタブ端子31の接続点39(
図1右下側のインピーダンス測定時の部分拡大図参照)に接続してHi側センス線22aとLo側センス線22bをバッテリセル30の内部を介して接続させた状態でバッテリセル30のインピーダンスを測定し、測定されたインピーダンスのR値、X値から上記オフセット値を差し引いた値をゼロアジャスト後の測定インピーダンスのR値、X値とする。
【0029】
上記測定において
図3のA1は、
図2の左側上下図に示す配線パターン1、すなわちHi側ソース線12aおよびLow側ソース線12bのループの面(ループで囲まれた領域の面をいい、「以下、「ループ面」と呼ぶ。)とHi側センス線22aおよびLow側センス線22bのループ面を、バッテリセル30を用いたゼロアジャスト治具36を挟んで左右に配置させた状態で上記したゼロアジャストを実行した後に接続ループ29を外し、さらにコンデンサ34も外した上で、測定対象であるバッテリセル30に対してインピーダンス測定をする時に、電圧プローブ27をバッテリセル30のタブ端子31の接続点39(
図1右下側のインピーダンス測定時の部分拡大図参照)に接続してHi側センス線22aとLo側センス線22bをバッテリセル30の内部を介して接続させた状態でインピーダンス測定して得られた測定インピーダンス(R値、X値)を示したものである。なお、A1配線パターンによる実施例は以降、「実施例A1」と呼ぶこととする。
【0030】
図3のA2は、
図2の中央上下図に示す配線パターン2、すなわちHi側ソース線12aおよびLow側ソース線12bのループ面とHi側センス線22aおよびLow側センス線22bのループ面をそれぞれ互いに直交させて、かつ、ゼロアジャスト治具36を挟んで配置させた状態で上記したゼロアジャストを実行した後に接続ループ29を外し、さらにコンデンサ34も外した上で、測定対象であるバッテリセル30に対してインピーダンス測定をする時に、電圧プローブ27をバッテリセル30のタブ端子31の接続点39(
図1右下側のインピーダンス測定時の部分拡大図参照)に接続してHi側センス線22aとLo側センス線22bをバッテリセル30の内部を介して接続させた状態でインピーダンス測定して得られた測定インピーダンスZのR値とX値(Z=R+jX;R値:レジスタンス値、X値:リアクタンス値)を示したものである。なお、A2配線パターンによる実施例は以降、「実施例A2」と呼ぶこととする。
【0031】
図3のA3は、
図2の右側上下図に示す配線パターン3、すなわちHi側ソース線12aおよびLow側ソース線12bのループ面とHi側センス線22aおよびLow側センス線22bのループ面をそれぞれ重ねて、かつ、ゼロアジャスト治具36を挟んで配置させた状態で上記したゼロアジャストを実行した後に接続ループ29を外し、さらにコンデンサ34も外した上で、測定対象であるバッテリセル30に対してインピーダンス測定をする時に、電圧プローブ27をバッテリセル30のタブ端子31の接続点39(
図1右下側のインピーダンス測定時の部分拡大図参照)に接続してHi側センス線22aとLo側センス線22bをバッテリセル30の内部を介して接続させた状態でインピーダンス測定して得られた測定インピーダンス(R値、X値)を示したものである。なお、A3配線パターンによる実施例は以降、「実施例A3」と呼ぶこととする。
【0032】
図3のB1は、
図5に示した方法(上記段落(0003)に記載したゼロアジャスト方法)でゼロアジャスト実行した後に、または、測定対象であるバッテリセルの形状と同一形状であって内部構造が異なるゼロアジャスト治具でゼロアジャスト実行(上記段落(0006)に記載した方法でゼロアジャスト実行)した後に、Hi側ソース線およびLow側ソース線、Hi側センス線およびLow側センス線を測定対象であるバッテリセルに接続し直してインピーダンス測定して得られた測定インピーダンス(R値、X値)を示す。ここで、Hi側ソース線およびLow側ソース線のループ面と、Hi側センス線およびLow側センス線のループ面はバッテリセルを挟んで左右に配置された状態となっている(ループ面同志の配置状態は
図2左側下図と同様)。なお、B1配線パターンによる実施例は以降、「実施例B1」と呼ぶこととする。
【0033】
図3のB2は、
図5に示した方法(上記段落(0003)に記載したゼロアジャスト方法)でゼロアジャスト実行した後に、または、測定対象であるバッテリセルの形状と同一形状であって内部構造が異なるゼロアジャスト治具でゼロアジャスト実行(上記段落(0006)に記載した方法でゼロアジャスト実行)した後に、Hi側ソース線およびLow側ソース線、Hi側センス線およびLow側センス線を測定対象であるバッテリセルに接続し直してインピーダンス測定して得られた測定インピーダンス(R値、X値)を示す。ここで、Hi側ソース線およびLow側ソース線のループ面と、Hi側センス線およびLow側センス線のループ面をそれぞれ互いに直交させて、かつ、バッテリセルを挟んで左右に配置された状態となっている(ループ面同志の配置状態は
図2中央下図と同様)。なお、B2配線パターンによる実施例は以降、「実施例B2」と呼ぶこととする。
【0034】
図3のB3は、
図5に示した方法(上記段落(0003)に記載したゼロアジャスト方法)でゼロアジャスト実行した後に、または、測定対象であるバッテリセルの形状と同一形状であって内部構造が異なるゼロアジャスト治具でゼロアジャストを実行(上記段落(0006)に記載した方法でゼロアジャスト実行)した後に、Hi側ソース線およびLow側ソース線、Hi側センス線およびLow側センス線を測定対象であるバッテリセルに接続し直してインピーダンス測定して得られた測定インピーダンス(R値、X値)を示す。ここで、Hi側ソース線およびLow側ソース線のループ面と、Hi側センス線およびLow側センス線のループ面をそれぞれ重ねて、かつ、バッテリセルを挟んで配置された状態となっている(ループ面同志の配置状態は
図2右側下図と同様)。なお、B3配線パターンによる実施例は以降、「実施例B3」と呼ぶこととする。
【0035】
以下に、測定値の再現性試験の結果について考察する。
図3に示すように本発明に係るゼロアジャスト補正方法に用いられるゼロアジャスト治具36を用いたインピーダンス測定におけるR値は実施例A1~実施例A3で6.29(mΩ)~6.31(mΩ)の範囲内であるのに対し、従来のゼロアジャスト治具を用いたインピーダンス測定におけるR値は、6.27(mΩ)~6.31(mΩ)の範囲内であった。実施例A1~実施例A3におけるR値の最大値と最小値の差は0.02mΩを下回っており、実施例B1~実施例B3におけるR値の最大値と最小値の差である概ね0.04mΩと比較して測定結果の変動量が減少していることがわかる。
【0036】
また、X値はA1~A3で2.05(mΩ)~2.15(mΩ)の範囲内であるのに対し、従来のゼロアジャスト治具を用いたインピーダンス測定におけるX値は、1.8(mΩ)~2.25(mΩ)の範囲内であった。実施例A1~実施例A3におけるX値の最大値と最小値の差は0.1mΩを下回っており、実施例B1~実施例B3におけるX値の最大値と最小値の差である概ね0.45mΩと比較して測定結果の変動量が減少していることがわかる。
【0037】
このことは、本発明に係るゼロアジャスト補正方法に用いられるゼロアジャスト治具を用いたインピーダンス測定による測定値が測定誤差を抑制し再現性のあるものであることがわかる。つまり、実際の測定対象であるバッテリセルをそのまま利用することによりバッテリセルの内部構造に起因して発生する渦電流、磁束を考慮してゼロアジャストできるので、ゼロアジャスト実行後に算出されるオフセット値も渦電流、磁束を考慮した値となっている。そのため、ゼロアジャスト実行後の実際の測定において、バッテリセルの内部構造に起因して発生する渦電流、磁束を原因とするインピーダンス測定誤差に結び付く影響の量(誤差影響量)がキャンセル(相殺)され、電磁誘導、渦電流に起因する誤差(オフセット)を抑制できるため測定値はより誤差の少ない値となる。したがって、EV向けの1mΩ以下のバッテリセルのような微小な内部インピーダンスの測定の精度を上げることが可能となる。
【0038】
(変形例)
上記第1の実施の形態は測定対象そのものを用いて構成されたゼロアジャスト治具を利用してゼロアジャストを実施した例であるが、測定対象と同種のものを用いて上記第1の実施の形態と同様の接続態様で構成したゼロアジャスト治具を用いてゼロアジャストを実施することもできる。例えば、測定対象がバッテリセルの場合には、そのバッテリセルと同種のバッテリセルを用いてゼロアジャストを行い、ゼロアジャスト後は、実際の測定対象のバッテリセルに入れ変えて、かつ、配線(電流計測線、電圧計測線)の状態をインビーダンス測定時の配線の状態と同じにして測定を行う。なお、接続ループは、バッテリセルと同種のバッテリセル(以下、「同種バッテリセル」と呼ぶ。)の一方のタブ端子から所定距離をおいた点に位置する他方のタブ端子にかけてバッテリセル30のセル表面に近接させた状態で、かつバッテリセルの表面に沿って形成させる。なお、同種とは測定対象の形状(規格)と概ね同形状(同一規格)のものをいう。
【0039】
この変形例によれば、最初に測定対象と同種のものを用いてゼロアジャストしているのでその後複数の測定対象に対して測定する場合にその都度ゼロアジャストを行う必要はない。
【0040】
[第2の実施の形態]
以下に、
図4を参照して本発明に係るゼロアジャスト補正方法の第2の実施の形態について説明する。上記した第1の実施の形態に係るゼロアジャスト補正方法が、一つのゼロアジャスト治具が用いられるバッテリセルの個数が一つ(単数)であったのに対し、本第2の実施の形態では一つのゼロアジャスト治具が用いられるバッテリセルの個数が複数である点が異なる。なお、
図4において電圧計測ループ(Hi側センス線、Lo側センス線)およびHi側センス線の一端に接続される接続点、Lo側センス線の一端に接続される接続点については便宜上省略する。
【0041】
バッテリセルの測定検査は、一般に生産ラインに複数個のバッテリセルが収容された専用トレイ(図示せず)が搬送される。この専用トレイの中に収容された複数個のバッテリセルはそれぞれ同じ向きに並べられている。この専用トレイの中に収容された複数個のバッテリセルのインピーダンスを測定する際、インピーダンス測定装置の定電流源から流れる測定電流による漏れ磁束と隣接するバッテリセルの金属ケースで生じる渦電流により測定誤差が生じてしまう。
【0042】
例えば、
図4の左上図に示すように、専用トレイの中に5個のバッテリセル40,42,44,46,48(電圧計測ループにおける接続点は41,43,45,47,49である)が収容され、中央のバッテリセル44に対してインピーダンス測定をする場合に、中央のバッテリセル44は、両側のバッテリセル42,46の金属ケースから生じる渦電流の影響を受けてしまい測定誤差が生じる原因になってしまう。また、両端に配置されたバッテリセル48(または40)に対してインピーダンス測定をする場合に、
図4の左下図に示すように、両側のバッテリセル48(または40)は、それぞれ隣接するバッテリセル46(または42)の金属ケースから生じる渦電流の影響を受けてしまい測定誤差が生じる原因になってしまう。
【0043】
これに対して、本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に係るゼロアジャスト治具を複数個専用トレイの中に収容し、ゼロアジャスト治具50,52,54,56,58のそれぞれに対して個別に上記した第1の実施の形態と同様の方法でゼロアジャストを実行し、ゼロアジャストを実行した後にそれぞれ接続ループ60,62,64,66,68を外して、Hi側センス線とLo側センス線を、各ゼロアジャスト治具を構成するバッテリセルの内部を介して接続させた状態で各バッテリセルのインピーダンスのR値とX値を測定する(
図4右図参照)。なお、インピーダンス測定装置をゼロアジャスト治具の個数と同じ個数用意し、同時にインピーダンス測定をするようにしてもよい。また、同時測定の場合は電磁誘導の影響量の変動を抑制するために各測定信号の同期が必要となる。
【0044】
本第2の実施の形態に係るインピーダンス測定方法によれば、複数のバッテリセルの間(複数チャンネル間)においてバッテリセルごとに電磁誘導、渦電流の影響が異なり、それに起因してチャンネル間ごとのバッテリセルのインピーダンス値の最大値と最小値の差分のバラツキを低減するとともに、測定処理時間の短縮を図ることができる。
【0045】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 インピーダンス測定装置
10 測定信号源
12 電流計測線
15 電流計
20 電圧計
22 電圧計測線
25、26 電流プローブ
27,28 電圧プローブ
29、60、62、64、66、68 接続ループ(接続線)
30、40、42、44、46、48、 バッテリセル
31、35 タブ端子
32、33、37、38、39 接続点
34 コンデンサ
36、50、52、54、56、58 ゼロアジャスト治具