(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】展開型着用物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/56 20060101AFI20231011BHJP
A61F 13/51 20060101ALI20231011BHJP
A61F 13/62 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
A61F13/56 210
A61F13/51
A61F13/62 100
(21)【出願番号】P 2019226714
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002631
【氏名又は名称】弁理士法人イイダアンドパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100076439
【氏名又は名称】飯田 敏三
(74)【代理人】
【識別番号】100161469
【氏名又は名称】赤羽 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100164345
【氏名又は名称】後藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 倫宏
(72)【発明者】
【氏名】富田 美奈
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-229072(JP,A)
【文献】実開平02-088626(JP,U)
【文献】特開2004-305599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/56
A61F 13/51
A61F 13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹側、股下及び背側それぞれに配される腹側部、股下部及び背側部を備え、前記腹側部、前記股下部及び前記背側部が繋がる方向に相当する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有する展開型着用物品であって、
前記展開型着用物品が、吸収体を有し、
前記背側部の両側縁部から前記幅方向に延出する一対のファスニングテープと前記腹側部の非肌面側に配されたループテープを有し、
前記背側部及び前記腹側部の肌面側に、前記展開型着用物品の装着時に互いに向かい合う位置に、仮止めファスニングテープと仮止めループテープとを有
し、
前記仮止めファスニングテープ及び前記仮止めループテープが、前記幅方向において、前記吸収体より外側の領域に存在し、
前記背側部には、前記仮止めファスニングテープ又は前記仮止めループテープと前記吸収体との間の領域に前記幅方向に剛性が変化する領域が存在する、展開型着用物品。
【請求項2】
着用者の腹側、股下及び背側それぞれに配される腹側部、股下部及び背側部を備え、前記腹側部、前記股下部及び前記背側部が繋がる方向に相当する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有する展開型着用物品であって、
前記背側部の両側縁部から前記幅方向に延出する一対のファスニングテープと前記腹側部の非肌面側に配されたループテープを有し、
前記背側部及び前記腹側部の肌面側に、前記展開型着用物品の装着時に互いに向かい合う位置に、仮止めファスニングテープと仮止めループテープとを有
し、
前記仮止めファスニングテープが有するピンの方向が前記長手方向である、展開型着用物品。
【請求項3】
前記仮止めループテープが有するループの配向が前記幅方向である請求項
2記載の展開型着用物品。
【請求項4】
前記剛性が変化する領域には、構成部材の接合によって剛性が部分的に高められた剛性の変化点がある請求項
1~3
のいずれか1項に記載の展開型着用物品。
【請求項5】
前記仮止めループテープの方が前記仮止めファスニングテープよりも面積が大きい請求項1~4のいずれか1項に記載の展開型着用物品。
【請求項6】
前記背側部に前記仮止めループテープが配され、前記腹側部に前記仮止めファスニングテープが配されている請求項1~5のいずれか1項に記載の展開型着用物品。
【請求項7】
前記ファスニングテープの前記長手方向の中心が、前記仮止めループテープの前記長手方向の領域と重なる請求項6記載の展開型着用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開型着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
展開型おむつなどの着用物品について、従来、装着手段に関して種々の提案がされてきた。例えば、展開型おむつにおいては、背側の側縁部から延出するファスニングテープを非肌面の腹側にあるループテープに係合することで装着を可能にしている。
これとは別に、特許文献1記載のおむつには、ファスニングテープに加えて、仮止め帯がおむつ幅方向に沿ってベルト状に取り付けられている。該仮止め帯は、ファスニングテープと同様の方向に引っ張って着用者の腰部に巻き付けて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファスニングテープを備えるおむつを装着する際、おむつの背側部分の上に赤ちゃんをねかせておむつの腹側部分を引き上げ、ファスニングテープをループテープに係合させる。その際、赤ちゃんが動く(例えば、足をバタつかせたり寝返りをうとうとしたりする)ことで装着がスムーズにいかず、装着完了までに時間が掛かることがある。その動きの程度によっては、装着状態がよくなく、尿モレにつながることもある。この点、特許文献1記載のおむつでは、仮止め帯はファスニングテープと同様の操作方法で用いるため、上記のような装着時の問題を抱えることは変わらない。
本発明1は、上記の点を鑑み、着用者の動きがあっても、操作性良く、良好な装着を可能にする展開型着用物品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、着用者の腹側、股下及び背側それぞれに配される腹側部、股下部及び背側部を備え、前記腹側部、前記股下部及び前記背側部が繋がる方向に相当する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有する展開型着用物品であって、前記背側部の両側縁部から前記幅方向に延出する一対のファスニングテープと前記腹側部の非肌面側に配されたループテープを有し、前記背側部及び前記腹側部の肌面側に、前記展開型着用物品の装着時に互いに向かい合う位置に、仮止めファスニングテープと仮止めループテープとを有する展開型着用物品を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の展開型着用物品は、着用者の動きがあっても、操作性良く、良好な装着を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明における吸収性物品の好ましい一実施形態としての展開型おむつの肌面側を模式的に示す一部切欠平面図である。
【
図2】
図1に示す展開型おむつの非肌面側を模式的に示す平面図である。
【
図3】展開型おむつの背側部において、ファスニングテープの長手方向の中心と仮止めループテープの長手方向の領域との位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る展開型着用物品について、その好ましい実施形態である展開型おむつの一例に基づいて図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
本発明においては、着用者の肌に接触する側を肌面側又は肌側といい、これと反対側を非肌面側又は非肌側という。これらは、着用者の肌に接触する面を有さない部材に関しても、吸収性物品の部材構成における相対的な位置関係を示す用語として用いる。また、着用時に着用者の腹側に位置する方向を前方といい、背側に位置する方向を後方という。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向という。
【0010】
図1は、本実施形態の展開型おむつ10(以下、単におむつ10ともいう)を展開して肌面側10Aから平面視した状態を示している。ここで展開状態とは、各部を伸長させておむつ10を平面状に広げた状態をいう。この状態で、おむつ10は、着用者の肌側、股下及び背側それぞれに配される腹側部F、股下部C及び背側部Rに区分される。また、おむつ10は、腹側部F、股下部C及び背側部Rが繋がる方向に相当する長手方向Yと、長手方向Yに直交する幅方向Xとを有する。腹側部F、股下部C及び背側部Rは、おむつ10を長手方向Yに3等分した各部に相当する。なお、
図1に示すおむつ10の肌面側10Aの反対面側を非肌面側10B(
図2参照)と称する。
【0011】
おむつ10は、構成部材として、排泄液を吸収保持する吸収体3を備える。吸収体3の肌面側に液透過性の表面シート1が配され、吸収体3の非肌面側に防漏性の裏面シートが配されている。表面シート1及び裏面シート2は、吸収体3よりも長手方向Y及び幅方向Xに長くされている。また、表面シート1の長手方向Yの両側部を覆いながら幅方向外方に延出するサイドシート4が積層されている。さらに、ウエストギャザーを形成する弾性部91が背側部Rの長手方向Yの端部に配され、レッグギャザーを形成する弾性部材92が股下部Cの幅方向Xの左右端部に配されている。サイドシート4の幅方向Xの内方側には、着用者の鼠蹊部付近に当接する立体ギャザーを形成する弾性部材93が配されている。これら構成部材は、吸収性物品において通常用いられる種々の素材から形成することができる。
【0012】
おむつ10は、平面視において、股下部Cが幅方向に括れ、腹側部F及び股下部Rが相対的に股下部Cよりも幅方向に張り出した形状を有する。この張り出した部分をフラップ部という。フラップ部は、腹側部F及び背側部Rにおいて、吸収体3の幅方向X外方に位置する部分であり、吸収体3を含まない部分である。腹側部Fのフラップ部を腹側フラップ部11、11といい、背側部Rのフラップ部を背側フラップ部12、12という。
【0013】
おむつ10は、背側部Rの両側縁部、すなわち背側フラップ部12、12の幅方向Xの端部から幅方向X外方に延出する一対のファスニングテープ13、13を有する。また、おむつ10は、
図2に示すように、腹側部Fの非肌面側10Bにループテープ14を有する。ループテープ14は、ファスニングテープ12が有するピンを係合するループを有する。一対のファスニングテープ13、13はそれぞれ、背側部Rの幅方向Xの外方に引っ張り、腹側部Fへと巻き回して、ループテープ14にて脱着可能に係合することができる。
【0014】
加えて、おむつ10は、背側部R及び腹側部Fの肌面側10Aに、仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16とを有する。仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16とは、おむつ10の装着時、すなわち、装着のために2つ折りした際に、互いに向かい合う位置に配されている。仮止めループテープ16は、仮止めファスニングテープ15が有するピンを係合するループを有する。これにより、仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16とは着脱可能に係合することができる。
【0015】
図1に示す本実施形態では、仮止めファスニングテープ15は腹側部Fに配され、仮止めループテープ16は背側部Rに配されているが、本発明はこれに限定されない。仮止めファスニングテープ15が背側部Rに配され、仮止めループテープ16が腹側部Fに配されていてもよい。ただし、通常テープおむつは、包装袋にパック充填される際にファスニングテープ13がフラップ部分に折りたたまれる。そのとき、ファスニングテープ13を仮止めループテープ16に係合して包装袋内で安定化させるために、
図1に示す配置形態が好ましい。
【0016】
おむつ10は、仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16とを有することにより、着用者(例えば乳幼児)の動きがあっても、着用者に穿かせる操作性が良く、良好な装着を可能する。
具体的には、まず、寝かせた着用者の背中におむつ10の背側部Rを沿わせて固定した状態で、手前の腹側部Fをやや引っ張りながら、着用者の腹側を覆う。この操作には、着用者の足回りを腹側部Fによって押さえる動作が伴う。これにより着用者の足回りの動きをある程度抑えることができる。
続けて、おむつ10の腹側部Fによって着用者の腹側を覆いながら、そのまま仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16とを係合させて、おむつ10を仮止めすることができる。このとき、おむつ10の腹側部Fによって、着用者の前述の足回りの動きだけでなく、着用者の胴回りの動き(例えば寝返りするような動き)までも抑えて、おむつ10を着用者にフィットさせることができる。
次いで、仮止めによって装着位置が決められた状態で、一対のファスニングテープ13、13を腹側部Fへと巻き回して、ループテープ14に係合しておむつ10の装着を完了する。
この一連のおむつ10の操作によって、おむつを穿かせる者(例えば保護者)が着用者の動きを抑えながら、しっかりと着用者の足回り及び胴回りにおむつ10を位置合わせして固定することができる。特に仮止めまでの操作を、おむつ10を持つ手を変えることなく円滑に行うことができる。これにより、おむつ10は、着用者(例えば乳幼児)の動きがあっても、着用者に穿かせる操作性が良く、良好な装着を可能にする。
【0017】
仮止めファスニングテープ15及び仮止めループテープ16は、おむつ10の幅方向Xにおいて吸収体3より外側の領域に存在することが好ましい。すなわち、仮止めファスニングテープ15及び仮止めループテープ16がそれぞれ、吸収体3より幅方向X外方の左右のフラップ部(腹側フラップ部11、11、背側フラップ部12、12)に一対ずつ配されることが好ましい。例えば、
図1に示すように、吸収体3より幅方向X外方において、左右の背側フラップ部12、12(肌面側10A)に一対の仮止めループテープ16、16が配され、左右の腹側フラップ部11、11(肌面側10A)に一対の仮止めファスニングテープ15、15が配される形態が挙げられる。また、仮止めループテープ16と仮止めファスニングテープ15とは、前述のとおり入れ替えた配置であってもよい。
これにより、おむつ10の仮止め時に仮止めファスニングテープ15及び仮止めループテープ16が肌に当たることを防ぐことができる。また、おむつ10の腹側部Fの一対の仮止めファスニングテープ15(又は仮止めループテープ16)を摘まんでそのまま、背側部Rの一対の仮止めループテープ16(又は仮止めファスニングテープ15)の位置まで引っ張ることで(例えば、
図1に示す引張方向P、P)、仮止めをより円滑に行うことができる。その結果、おむつ10は、前述の操作性をより高め、良好な装着をより確実に実現できる。
【0018】
さらに、背側部Rには、仮止めループテープ16(又は仮止めファスニングテープ15)と吸収体3との間の領域に幅方向Xに剛性が変化する領域17が存在することが好ましい。また、上記の剛性が変化する領域17には、構成部材の接合によって剛性が部分的に高められた剛性の変化点18があることが好ましい。この剛性の変化点18は、構成部材(例えば、表面シート1、裏面シート2、サイドシート4)同士を接合するエンボス部、ホットメルト型等の接着剤を塗工した接着部によって形成することができる。また、剛性の変化点18は、構成部材の積層数等によって部分的に周囲よりも厚みを持たせた部分であってもよい。
これにより、おむつ10の背側フラップ部12、12が適切に折れ曲がりやすく、仮止めした状態の仮止めループテープ16及び仮止めファスニングテープ15、並びにファスニングテープ13が着用者の肌に触れることを防ぐことができる。
【0019】
上記の幅方向Xに剛性が変化する領域17及び剛性の変化点18は、背側部Rに配されて上記の作用を奏し得る限り、おむつ10の長手方向Yに更に延出していてもよい。また、背側部Rにおいては、全体でなく一部に配されていてもよい。
例えば、
図1に示すように、幅方向Xに剛性が変化する領域17及び剛性の変化点18が、背側部Rから股下部C及び腹側部Fにまで延出していてもよい。また、幅方向Xに剛性が変化する領域17及び剛性の変化点18が、股下部Cに配されず、背側部R及び腹側部Fの一部又は全体に配されていてもよい(図示せず)。
【0020】
さらに、おむつ10において、仮止めループテープ16の方が仮止めファスニングテープ15よりも面積が大きいことが好ましい。これにより、おむつ10を着用者に装着する一連の操作の中で、より確実に仮止めを行うことができる。なお、仮止めループテープ16の面積と仮止めファスニングテープ15の面積とは、おむつ10の装着時に互いに向かい合うもの同士で比較される。
仮止めループテープ16の面積は、確実な仮止めを行う観点から、仮止めファスニングテープ15の面積の1倍超が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、2倍以上が更に好ましい。
また、仮止めループテープ16の面積は、フラップ部分の係合の安定性を高める観点から、仮止めファスニングテープ15の面積の60倍以下が好ましく、50倍以下がより好ましく、40倍以下が更に好ましい。
【0021】
加えて、
図1に示す本実施形態において、背側部Rに配されたファスニングテープ13の長手方向Yの中心13Mが、背側部Rに配された仮止めループテープ16の長手方向Yの領域16Rと重なることが好ましい(
図3参照)。すなわち、ファスニングテープ13の長手方向Yの中心13Mは、領域16Rの背側部側の端縁16Tから腹側部側の端縁16Bまでの範囲にあることが好ましい。なお、ファスニングテープ13の長手方向Yの中心13Mは、ファスニングテープ13の長手方向Yの長さが最も長い部分の中心を言う。
これにより、使用前のおむつ10において、ファスニングテープ13を仮止めループテープ16に係合させて収納しておくことができる。また、おむつ10の装着時には、仮止め後にファスニングテープ13、13をそれぞれ引っ張って腹側部Fへと巻き回す際に、おむつ10の仮止めした部分(仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16を係合した部分)を適切に着用者の胴回りに沿わせてフィットさせることができる。これにより、おむつ10と着用者の胴回りとの間の隙間の発生を効果的に抑えることができる。
【0022】
ファスニングテープ13は、
図1に示すように左右の背側フラップ部12、12にそれぞれ1つずつ配される場合に限らず、それぞれ2つ以上配されていてもよい。2つ以上配される場合、各ファスニングテープ13の中心13Mが、背側部Rに配された仮止めループテープ16の長手方向Yの領域16Rと重なることが好ましい。
【0023】
さらに、仮止めファスニングテープ15が有するピンの方向が長手方向Yであることが好ましい。これにより、仮止めファスニングテープ15が有するピンが、前述した仮止め操作の中で自然に仮止めループテープ16に係合させることができ、かつ、仮止め後のズレが生じ難くなる。
同様の観点から、仮止めループテープ16が有するループの配向が幅方向Xであることが好ましい。
ピンは、ファスニングテープに存在するマイクロサイズフックのキャップ部の出っ張りで、このキャップ部の出っ張り方向が「ピンの方向」である。なお、キャップ部の出っ張りが大小複数個所に見られる場合は、出っ張りが最も大きいところで上記の「ピンの方向」を判断する。「ループの配向」は、ループテープを構成する繊維性材料の繊維配向性のことである。仮止めファスニングテープ15と仮止めループテープ16の係合は、キャップ部分の出っ張りによる雄型締結材料と、繊維材料により構成される雌型締結材料の嵌合により成立する。出っ張り部分が長手方向側であることにより、またループの幅方向への配向率が高いほど、仮止め時に強固に係合することができる。
【0024】
一方、ファスニングテープ13のピンの方向は幅方向であることが好ましい。また、ループテープ14のループの配向は長手方向Yであることが好ましい。
【0025】
以上、本実施形態の展開型おむつ10は、着用者の動きがあっても、操作性良く、良好な装着を可能にする。なお、本実施形態の展開型おむつ10においては、全体形状、各構成部材の形状、構成部材同士の積層形態等は、
図1及び2に示すものに限定されず適宜設定し得る。また、本実施形態の展開型おむつ10においては、前述した構成部材以外の他の部材が含まれていてもよい。
【0026】
本発明の展開型着用物品は、上記実施形態の展開型使い捨ておむつに限定されず、種々の形態の物品に適用できる。例えば、おむつカバー(パットカバー)や胴回りで脱着する帯状態に適用でき、乳幼児用のものであっても、成人用のものであってもよい。また本発明の展開型着用物品は、上記実施形態のものに用途や機能に合わせ適宜他の部材を組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 サイドシート
10 展開型おむつ
10A 肌面側
10B 非肌面側
11 腹側フラップ部
12 背側フラップ部
13 ファスニングテープ
14 ループテープ
15 仮止めファスニングテープ
16 仮止めループテープ
17 幅方向に剛性が変化する領域
18 剛性の変化点
13M ファスニングテープの長手方向の中心
16R 仮止めループテープの長手方向の領域
16T 仮止めループテープの長手方向の領域の背側部側の端縁
16B 仮止めループテープの長手方向の領域の腹側部側の端縁
F 腹側部
C 股下部
R 背側部