(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】固定子鉄心の外側に配置された筒状部材を備える電動機の固定子
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20231011BHJP
H02K 5/04 20060101ALI20231011BHJP
H02K 1/18 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K5/04
H02K1/18 A
H02K1/18 E
(21)【出願番号】P 2020009520
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】河合 健司
(72)【発明者】
【氏名】古仲 雄大
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-082517(JP,A)
【文献】特開2008-167609(JP,A)
【文献】特開2015-198515(JP,A)
【文献】特開2001-045701(JP,A)
【文献】特開2016-046866(JP,A)
【文献】国際公開第2010/116486(WO,A1)
【文献】特開2019-122185(JP,A)
【文献】特開2020-191712(JP,A)
【文献】特開2006-025573(JP,A)
【文献】国際公開第2016/113846(WO,A1)
【文献】特開平05-328655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
H02K 5/04
H02K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の継鉄部および継鉄部から内側に向かって延びる歯部を有する固定子鉄心と、
前記歯部を囲むように巻かれた巻き線を含むコイルと、
前記固定子鉄心の外周面に接触する内周面を有する筒状部材と、
前記固定子鉄心と前記筒状部材と間に生じる隙間を埋めるように形成された樹脂部と、を備え、
前記コイルは、前記固定子鉄心の軸方向の端面から突出する突出部を有し、
前記樹脂部は、前記コイルの前記突出部の全体を覆うように形成されており、
前記筒状部材は、前記固定子鉄心の軸方向に沿って延びるように内周面に形成された溝部を有し、
前記溝部の内部には前記樹脂部が形成されており、
前記溝部の一方の端部は、前記固定子鉄心の一方の端面の外側の前記樹脂部が形成されている領域に連通しており、
前記溝部の他方の端部は、前記固定子鉄心の他方の端面の外側の前記樹脂部が形成されている領域、または、固定子の外側の空間まで延びるように前記筒状部材の内部に形成された穴部に連通している、電動機の固定子。
【請求項2】
前記溝部は、前記固定子鉄心の周方向において、前記歯部が形成されている位相と同じ位相に形成されている、請求項1に記載の電動機の固定子。
【請求項3】
前記溝部は、前記固定子鉄心の軸方向の長さよりも長く形成されており、
前記溝部の他方の端部は、前記固定子鉄心の他方の端面の外側の前記樹脂部が形成されている領域に連通している、請求項1または2に記載の電動機の固定子。
【請求項4】
前記溝部の一方の端部および他方の端部のうち少なくとも1つの端部は、前記溝部の先端に向かって深さが徐々に浅くなるように形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電動機の固定子。
【請求項5】
前記固定子鉄心の一方の端面は、径方向の外側に向かって前記固定子鉄心の軸方向の長さが徐々に短くなるように傾斜している、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機の固定子。
【請求項6】
筒状の継鉄部および継鉄部から内側に向かって延びる歯部を有する固定子鉄心と、
前記歯部を囲むように巻かれた巻き線を含むコイルと、
前記固定子鉄心の外周面に接触する内周面を有する筒状部材と、
前記固定子鉄心と前記筒状部材と間に生じる隙間を埋めるように形成された樹脂部と、を備え、
前記コイルは、前記固定子鉄心の軸方向の端面から突出する突出部を有し、
前記樹脂部は、前記コイルの前記突出部の全体を覆うように形成されており、
前記固定子鉄心は、前記固定子鉄心の軸方向に沿って延びるように外周面に形成された溝部を有し、
前記溝部の内部には前記樹脂部が形成されており、
前記溝部は、前記固定子鉄心の軸方向の一方の端面から他方の端面まで形成されており、
前記固定子鉄心の一方の端面は、径方向の外側に向かって前記固定子鉄心の軸方向の長さが徐々に短くなるように傾斜している、電動機の固定子。
【請求項7】
前記溝部の一方の端部および他方の端部のうち少なくとも1つの端部は、前記溝部の先端に向かって深さが徐々に深くなるように形成されている、請求項6に記載の電動機の固定子。
【請求項8】
筒状の継鉄部および継鉄部から内側に向かって延びる歯部を有する固定子鉄心と、
前記歯部を囲むように巻かれた巻き線を含むコイルと、
前記固定子鉄心の外周面に接触する内周面を有する筒状部材と、
前記固定子鉄心と前記筒状部材と間に生じる隙間を埋めるように形成された樹脂部と、を備え、
前記コイルは、前記固定子鉄心の軸方向の端面から突出する突出部を有し、
前記樹脂部は、前記コイルの前記突出部の全体を覆うように形成されており、
前記固定子鉄心は、前記固定子鉄心の軸方向における一方の端面と他方の端面とを有し、
前記固定子鉄心の一方の端面は、径方向の外側に向かって前記固定子鉄心の軸方向の長さが徐々に短くなるように傾斜している、電動機の固定子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子鉄心の外側に配置された筒状部材を備える電動機の固定子に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機は、回転軸の周りに回転する回転子と、回転子の周りに配置された固定子とを備える。回転子は、例えば、永久磁石が配置された回転子鉄心を含む。回転子は、固定子が生成する磁気の作用により回転する。固定子は、継鉄部および継鉄部から内側に突出するように形成された歯部を含む固定子鉄心と、歯部の周りに配置されたコイルとを含む。
【0003】
電動機は駆動すると発熱するために、冷却水が流れる流路を有する冷却部材を固定子鉄心の周りに配置することが知られている(例えば、特開2015-95908号公報)。このような固定子鉄心を冷却するための部材は冷却ジャケットと称される。固定子鉄心の熱は効率よく冷却ジャケットに伝達されることが好ましい。このために、固定子鉄心と冷却ジャケットとの間に生じる隙間に樹脂を充填することが知られている(例えば、特開2001-45701号公報および特開2016-46866号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-95908号公報
【文献】特開2001-45701号公報
【文献】特開2016-46866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
固定子鉄心と冷却ジャケットとの間に生じる隙間を樹脂にて埋めることにより、樹脂を介して熱が伝達される。このために、効率よく固定子鉄心を冷却することができる。または、固定子鉄心と巻き線との間に生じる隙間に樹脂を充填する場合がある。このように、固定子には、樹脂部を形成することができる。
【0006】
固定子に樹脂部を形成する場合には、樹脂部を形成する部分に硬化前の樹脂を流入することにより樹脂を充填することができる。硬化前の樹脂は流動性があるために、固定子鉄心と冷却ジャケットと間の空間および固定子鉄心とコイルとの間の空間等を通って樹脂が充填される。そして、樹脂を加熱することにより樹脂を硬化して樹脂部を形成することができる。
【0007】
ところが、大気圧の雰囲気中にて樹脂を流入した時に、樹脂を配置すべき全ての領域に樹脂が流入せずに、気泡が残存する場合がある。例えば、固定子鉄心の歯部とコイルとの間の領域、またはコイル同士の間の領域等に気泡が残存する場合がある。
【0008】
樹脂部の内部において気泡の残存を抑制するために、真空の雰囲気において樹脂を流入することができる。固定子鉄心を大気圧の雰囲気中に戻すことにより、樹脂の内部に形成される気泡を圧迫して気泡の残存を抑制することができる。しかしながら、この場合においても、樹脂が流入しない部分に気泡が生じて、樹脂部に気泡が残存する場合がある。
【0009】
樹脂部に気泡が残存すると、電動機を駆動した時にコロナ放電が生じる場合がある。コロナ放電が生じることにより、コイルの巻き線の表面に形成されている絶縁層が破壊され、コイル同士の短絡またはコイルと固定子鉄心との間で地絡等を引き起こす場合が有った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様の電動機の固定子は、筒状の継鉄部および継鉄部から内側に向かって延びる歯部を有する固定子鉄心と、歯部を囲むように巻かれた巻き線を含むコイルとを備える。電動機の固定子は、固定子鉄心の外周面に接触する内周面を有する筒状部材と、固定子鉄心と筒状部材と間に生じる隙間を埋めるように形成された樹脂部とを備える。コイルは、固定子鉄心の軸方向の端面から突出する突出部を有する。樹脂部は、コイルの突出部の全体を覆うように形成されている。筒状部材は、固定子鉄心の軸方向に沿って延びるように内周面に形成された溝部を有する。溝部の内部には樹脂部が形成されている。溝部の一方の端部は、固定子鉄心の一方の端面の外側の樹脂部が形成されている領域に連通している。溝部の他方の端部は、固定子鉄心の他方の端面の外側の樹脂部が形成されている領域、または、固定子の外側の空間まで延びるように筒状部材の内部に形成された穴部に連通している。
【0011】
本開示の第2の態様の電動機の固定子は、筒状の継鉄部および継鉄部から内側に向かって延びる歯部を有する固定子鉄心と、歯部を囲むように巻かれた巻き線を含むコイルとを備える。電動機の固定子は、固定子鉄心の外周面に接触する内周面を有する筒状部材と、固定子鉄心と筒状部材と間に生じる隙間を埋めるように形成された樹脂部とを備える。コイルは、固定子鉄心の軸方向の端面から突出する突出部を有する。樹脂部は、コイルの突出部の全体を覆うように形成されている。固定子鉄心は、固定子鉄心の軸方向に沿って延びるように外周面に形成された溝部を有する。溝部の内部には樹脂部が形成されている。溝部は、固定子鉄心の軸方向の一方の端面から他方の端面まで形成されている。固定子鉄心の一方の端面は、径方向の外側に向かって固定子鉄心の軸方向の長さが徐々に短くなるように傾斜している。
【0012】
本開示の第3の態様の電動機の固定子は、筒状の継鉄部および継鉄部から内側に向かって延びる歯部を有する固定子鉄心と、歯部を囲むように巻かれた巻き線を含むコイルとを備える。電動機の固定子は、固定子鉄心の外周面に接触する内周面を有する筒状部材と、固定子鉄心と筒状部材と間に生じる隙間を埋めるように形成された樹脂部とを備える。コイルは、固定子鉄心の軸方向の端面から突出する突出部を有する。樹脂部は、コイルの突出部の全体を覆うように形成されている。固定子鉄心は、固定子鉄心の軸方向における一方の端面と他方の端面とを有する。固定子鉄心の一方の端面は、径方向の外側に向かって固定子鉄心の軸方向の長さが徐々に短くなるように傾斜している。
【発明の効果】
【0013】
本開示の態様の電動機の固定子は、樹脂部の内部に残存する気泡により生じる故障を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態における電動機の概略部分断面図である。
【
図2】実施の形態における固定子の概略斜視図である。
【
図3】実施の形態における第1の固定子の断面図である。
【
図4】第1の固定子の固定子鉄心およびコイルの斜視図である。
【
図5】第1の固定子の冷却ジャケットの斜視図である
【
図6】第1の固定子における固定子鉄心、コイル、および冷却ジャケットの平面図である。
【
図7】第1の固定子の製造工程において、樹脂部の内部に生じる気泡を説明する第1の固定子の概略断面図である。
【
図8】実施の形態における第2の固定子の概略断面図である。
【
図9】実施の形態における第3の固定子の概略断面図である。
【
図10】実施の形態の第4の固定子における固定子鉄心およびコイルの斜視図である。
【
図11】実施の形態における第5の固定子の概略断面図である。
【
図12】実施の形態における第6の固定子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から
図12を参照して、実施の形態における電動機の固定子について説明する。
図1に、本実施の形態の電動機の概略部分断面図を示す。本実施の形態の電動機20は、回転軸81の周りに回転する回転子21と、回転子21の周りに配置された不動の固定子1とを備える。固定子1は、ハウジング26に固定されている。回転子21は、回転力を出力するシャフト22と、シャフト22の周りに配置された回転子鉄心23とを含む。回転子鉄心23には、例えば永久磁石が配置されている。シャフト22は、ベアリング24,25により支持されている。ベアリング24,25は、ハウジング26に支持されている。
【0016】
図2に、本実施の形態における固定子の斜視図を示す。
図3に、本実施の形態の第1の固定子の断面図を示す。
図3は、固定子鉄心3の歯部32が形成されている位置で切断した時の断面図である。
図2および
図3を参照して、第1の固定子1は、回転子21を囲むように形成された固定子鉄心3と、固定子鉄心3に固定されたコイル4と、コイル4を覆うように形成された樹脂部5とを含む。樹脂部5の端面からはコイル4の動力線などの配線68が引き出されている。
【0017】
図4に、第1の固定子の固定子鉄心およびコイルの斜視図を示す。
図2から
図4を参照して、本実施の形態においては、矢印91に示すように、固定子鉄心3の延びる方向を軸方向と称する。軸方向は、回転子21の回転軸81と平行な方向である。また、矢印92に示すように、回転子21の回転軸81を中心とする円に沿う方向を周方向と称する。本実施の形態では、固定子鉄心3の外周面に沿う方向が周方向に相当する。更に、矢印93に示すように、回転軸81を中心とする円の半径に平行な方向を径方向と称する。
【0018】
固定子鉄心3は、筒状の継鉄部31と、継鉄部31から径方向の内側に突出する歯部32とを有する。本実施の形態の継鉄部31は、円筒状に形成されている。複数の歯部32は、周方向に沿って互いに同じ間隔にて形成されている。歯部32は、矢印91に示す軸方向に沿って延びるように形成されている。本実施の形態の歯部32は、軸方向において、継鉄部31の一方の端面から他方の端面まで延びるように形成されている。
【0019】
互いに隣り合う歯部32同士の間には、コイル4が配置されるコイル配置部33として凹んだ部分が形成されている。コイル配置部33は、2つの歯部32に挟まれる領域であり、スロットとも称される。歯部32およびコイル配置部33の個数は、電動機に配置されるコイルの数およびコイルを巻く方法等に応じて任意に設定することができる。
【0020】
コイル4は、環状に形成されている。コイル4は、巻き線4aを含む。巻き線4aは、歯部32を囲むように巻回されている。第1の固定子1では、1つの歯部32に対して1つのコイル4が配置されている集中巻きの形態にて巻き線4aが巻回されている。複数のコイル4は、矢印92に示す周方向に並んで配置されている。
【0021】
図5に、本実施の形態における冷却ジャケットの斜視図を示す。
図2、
図3、および
図5を参照して、第1の固定子1は、固定子鉄心3の外周面に接触する内周面を有する筒状部材としての冷却ジャケット6を備える。冷却ジャケット6は、固定子鉄心3を囲むように筒状に形成されている。冷却ジャケット6の軸方向の長さは、固定子鉄心3の軸方向の長さよりも長くなるように形成されている。
【0022】
冷却ジャケット6は、外周面に凹部42を有する。複数の凹部42は、矢印92に示す周方向に延びるように形成されている。冷却ジャケット6の外側に、筒状のスリーブ7を配置することにより、凹部42が冷却水の流路となる。流路に冷却水を流すことにより、固定子鉄心3およびコイル4を効果的に冷却することができる。
【0023】
冷却ジャケット6は、内周面に形成された溝部41を有する。溝部41は、矢印91に示す固定子鉄心3の軸方向に沿って延びるように形成されている。溝部41は、軸方向において、冷却ジャケット6の一方の端面の近傍から他方の端面の近傍まで形成されている。溝部41は、軸方向における一部の領域に形成されている。
【0024】
図6に、第1の固定子の固定子鉄心、コイル、および冷却ジャケットの平面図を示す。冷却ジャケット6に形成された溝部41は、周方向において、固定子鉄心3の歯部32が形成されている位相と同じ位相に形成されている。溝部41は、歯部32の位置に対応して、歯部32の外側に形成されている。換言すると、溝部41は、コイル配置部33が形成されている領域同士の間の領域に形成されている。溝部41は、コイル配置部33が形成されている位相同士の間の位相に形成されている。
【0025】
本実施の形態における溝部41は、固定子鉄心3の全ての歯部32に対応する位置に形成されているが、この形態に限られない。溝部は、一部の歯部に対応する位置に形成されていても構わない。例えば、周方向において、所定の数の歯部ごとの位相に溝部が形成されていても構わない。
【0026】
図3を参照して、固定子鉄心3は、矢印91に示す軸方向において、一方の端面3aと他方の端面3bとを有する。溝部41は、軸方向において、一方の端部41aと他方の端部41bとを有する。第1の固定子1において、溝部41は、固定子鉄心3の軸方向の長さよりも長くなるように形成されている。溝部41の一方の端部41aは、固定子鉄心3の一方の端面3aよりも軸方向に飛び出すように形成されている。溝部41の他方の端部41bは、固定子鉄心3の他方の端面3bよりも軸方向に飛び出すように形成されている。
【0027】
図2から
図4を参照して、樹脂部5は、固定子1を構成する構成部材同士の隙間を埋めるように形成されている。樹脂部5は、固定子鉄心3と冷却ジャケット6との間の領域を充填するように形成されている。特に、樹脂部5は、固定子鉄心3と冷却ジャケット6との間に生じる隙間を埋めるように形成されている。樹脂部5は、コイル4同士の間の領域、および固定子鉄心3とコイル4との間の領域に形成されている。樹脂部5は、コイル4の巻き線4a同士の間に形成されている。一方で、樹脂部5は、固定子鉄心3の歯部32の端面が露出するように形成されている。
【0028】
本実施の形態のコイル4は、固定子鉄心3の軸方向の端面3a,3bから突出する突出部19を有する。樹脂部5は、コイル4の突出部19の全体を覆うように形成されている。更に、第1の固定子1においては、冷却ジャケット6の溝部41の内部の全体に樹脂部5が形成されている。樹脂部5は、任意の樹脂を硬化することにより形成することができる。例えば、樹脂部5は、エポキシ樹脂を加熱して硬化することにより形成することができる。
【0029】
溝部41の一方の端部41aは、固定子鉄心3の一方の端面3aの軸方向の外側の樹脂部5が形成されている領域に連通している。また、溝部41の他方の端部41bは、固定子鉄心3の他方の端面3bの軸方向の外側の樹脂部5が形成されている領域に連通している。一方の端部41aおよび他方の端部41bのそれぞれは、コイル4の突出部19を覆う樹脂部5が形成されている領域に連通している。
【0030】
図7に、本実施の形態における第1の固定子の製造工程において樹脂を充填する工程を説明する第1の固定子の概略断面図を示す。作業者は、固定子鉄心3を準備する。固定子鉄心3は、磁性体にて形成することができる。固定子鉄心3は、例えば電磁鋼板を積層することにより形成することができる。固定子鉄心3の歯部32の周りにコイル4を配置する。また、固定子鉄心3の外側に冷却ジャケット6を配置する。冷却ジャケット6には、溝部41が形成されている。また、本実施の形態においては、溝部41の位相が歯部32の位相と一致するように、冷却ジャケット6を配置する。
【0031】
固定子鉄心3および冷却ジャケット6は、矢印91に示す固定子鉄心3の軸方向が、鉛直方向と平行になるように配置する。
図7に示す例では、固定子鉄心3の一方の端面3aは、他方の端面3bよりも下側に配置される。また、溝部41の一方の端部41aは、他方の端部41bよりも下側に配置される。
【0032】
次に、固定子1の構成部材同士の間に硬化前の樹脂62を充填する。溝部41の内部に樹脂62が充填される。また、コイル4同士の間の領域およびコイル4の巻き線4a同士の隙間に樹脂を充填する。また、固定子鉄心3の端面3a,3bの外側の領域に樹脂62を充填する。コイル4と固定子鉄心3との間の領域に樹脂62が充填される。樹脂62を配置する方法は、任意の方法にて行うことができる。例えば、固定子鉄心3、コイル4、および冷却ジャケット6を含む組立体を金型の内部に配置して、金型の内部に樹脂を供給することができる。または、固定子鉄心3および冷却ジャケット6に接触して樹脂62を堰き止める枠部材を準備することができる。樹脂62が漏れないように枠部材を固定子鉄心4および冷却ジャケット6に固定した後に、樹脂62を供給することができる。樹脂62の供給は任意の方向から行うことができる。例えば、端面3bの上側または端面3aの下側に樹脂の供給管を配置して樹脂を供給することができる。
【0033】
樹脂62は、構成部材同士の間の隙間を通って進行することにより、構成部材同士の間に充填される。例えば、樹脂62は、コイル4同士の間の空間を通って流れる。樹脂62は、コイル4と固定子鉄心3との間の空間を通って流れる。樹脂62は、コイル4の巻き線4a同士の間の空間を通って流れる。また、樹脂62は、冷却ジャケット6の溝部41を流れる。
【0034】
本実施の形態においては、冷却ジャケット6の一方の端部から他方の端部まで樹脂部5が形成されるように、樹脂62を供給している。また、樹脂62は、コイル4の突出部19の全体を覆うまで充填することができる。ここでの例では、樹脂62を充填するときに、固定子鉄心3、コイル4、および冷却ジャケット6の周りの空間を減圧する。すなわち、真空の雰囲気中で樹脂62を充填する。
【0035】
ところで、樹脂62が充填されるときに樹脂62が十分に進行せずに、樹脂62の内部に、気泡69が形成される場合がある。気泡69は、構成部材同士の間の領域を上昇して樹脂62の上面に到達することにより消滅する。ところが、気泡69は、構成部材に挟まれる狭い空間に残存する場合が有る。例えば、コイル4と固定子鉄心3の端面3aとの間の領域に気泡69が生成される場合がある。このような気泡69は、コイル4等の構成部材の形状および配置に依存して生じる。例えば、固定子鉄心3の一方の端面3aは、固定子鉄心3の底面になる。端面3aにより気泡69の上昇が妨げられて、気泡69が樹脂62の内部に残存する場合が有る。
【0036】
本実施の形態における冷却ジャケット6の内周面には、固定子鉄心3の端面3aの下側の領域および固定子鉄心3の端面3bの上側の領域に連通する溝部41が形成されている。固定子鉄心3の下側に生じた気泡69は、溝部41の一方の端部41aに流入する。気泡69は、矢印95に示すように溝部41を通って上昇する。気泡69は、他方の端部41bを通って、固定子鉄心3の上側に貯留する樹脂62に流入する。そして、気泡69は、固定子鉄心3の上側に貯留する樹脂62の上面に到達して消滅する。
【0037】
樹脂62の供給が完了した後には、固定子鉄心3の周りの圧力を大気圧まで戻す。この後に、樹脂62を加熱することにより、樹脂62が硬化して樹脂部5を形成することができる。
【0038】
樹脂62の内部に気泡69が残存した状態で、樹脂62が硬化されると、樹脂部5に気泡69が残存する。電動機20を駆動すると、気泡69においてコロナ放電が生じてコイル等の構成部品が破損する虞がある。しかしながら、本実施の形態の固定子1は、樹脂62を配置する製造工程において、溝部41を通って気泡69を上昇させることができる。このために、樹脂62の内部に気泡69が残存することを抑制できる。換言すると、気泡69を樹脂62が貯留する部分から排除することができる。この結果、樹脂62の硬化後に、樹脂部5の内部に気泡69が残存することを抑制できる。
【0039】
本実施の形態における溝部41は、固定子鉄心3の歯部32が形成されている位置に対応する位置に形成されている。コイル4にて生成される磁束は、主に固定子鉄心3の内部を通る。更に、冷却ジャケット6も磁束の流路を構成することができる。冷却ジャケット6において、歯部32同士の間のコイル配置部33に対応する領域は、コイル4にて生成される磁束の流路になる。この領域に溝部41が形成されると磁束が妨げられて、電動機20が出力するトルクが低下する場合が有る。本実施の形態では、溝部41は歯部32が形成されている位相と同じ位相に形成されている。このために、溝部41が磁束の妨げになることを抑制することができる。溝部41による電動機のトルクの低下を抑制することができる。
【0040】
なお、溝部は、この形態に限られず、冷却ジャケットの内周面の任意の位置に軸方向に延びるように形成することができる。例えば、歯部同士の間の位相に溝部を形成しても構わない。
【0041】
図3を参照して、第1の固定子1においては、溝部41の一方の端部41aは、固定子鉄心3の一方の端面3aの軸方向の外側の樹脂部5が形成されている領域に連通している。溝部41の他方の端部41bは、固定子鉄心3の他方の端面3bの軸方向の外側の樹脂部5が形成されている領域に連通している。この溝部41の構成により、
図7に示すように、気泡69を固定子鉄心3の下側の領域から、固定子鉄心3の上側の領域に導くことができて、気泡69を樹脂部5から排除することができる。
【0042】
また、本実施の形態における溝部41の一方の端部41aおよび他方の端部41bは、溝部41の先端に向かって深さが徐々に浅くなるように形成されている。すなわち、端部41a,41bの底面は傾斜している。端部41a,41bにおいて溝部41の底面が傾斜していることにより、気泡69が溝部41に流入する時の抵抗および気泡69が溝部41から流出するときの抵抗を抑制することができる。このように、端部の底面が傾斜していない溝部よりも気泡69を確実に樹脂部5から排除することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、溝部41の両方の端部41a,41bが先端に向かって徐々に浅くなるように形成されているが、この形態に限られない。溝部41のいずれか1つの端部41a,41bが先端に向かって徐々に浅くなるように形成されていても構わない。または、溝部41の端部41a,41bは、深さが一定になるように形成されていても構わない。
【0044】
また、第1の固定子1においては、溝部41の内部の全体を埋めるように樹脂部5が形成されている。この構成を採用することにより、溝部41においても樹脂部5を介して固定子鉄心3の熱を冷却ジャケット6に伝達することができる。固定子鉄心3を効果的に冷却することができる。また、本実施の形態においては、樹脂部5はコイル4の突出部19の全体を覆うように形成されている。この構成を採用することにより、樹脂部5にてコイル4を固定すると共に、コイル4を効果的に冷却することができる。
【0045】
上記の製造方法においては、真空の雰囲気中で樹脂62を流入しているが、この形態に限られない。樹脂を供給する工程を大気圧の雰囲気中で行っても構わない。
【0046】
本実施の形態においては、固定子鉄心の周りに配置される筒状部材として、冷却ジャケットを例示しているが、この形態に限られない。筒状部材は、固定子鉄心を囲む筒状の部材を採用することができる。例えば、筒状部材は、スリーブ等の溝部を有しない部材であっても構わない。この場合においても、筒状部材の内周面に溝部を形成することにより、樹脂部の内部に気泡が残存することを効果的に抑制することができる。
【0047】
図8に、本実施の形態における第2の固定子の概略断面図を示す。第2の固定子2においては、固定子鉄心の構成が第1の固定子1と異なる。第2の固定子2は、固定子鉄心9を備える。固定子鉄心9は、軸方向における一方の端面9aと他方の端面9bとを有する。固定子鉄心9の端面9aは、固定子鉄心9の軸方向の長さが徐々に短くなるように、径方向の外側に向かって傾いている傾斜部を有する。他方の端面9bは、固定子鉄心9の軸方向に垂直な方向に延びるように形成されている。
【0048】
第2の固定子鉄心9の構造を採用することにより、樹脂62を充填する時に生じる気泡69は、端面9aに沿って固定子鉄心9の径方向の外側に向かって移動する。気泡69を、矢印96に示すように、溝部41の内部に効果的に導くことができる。また、溝部41の内部を上昇する気泡69を、固定子鉄心9の端面9bの上側の領域に導くことができる。この結果、気泡69を樹脂部5から排除することができる。同様に、大気圧の雰囲気中で行っても構わない。
【0049】
なお、
図8に示す例においては、固定子鉄心9の端面9aの全体が、径方向の外側に向かって傾いているが、この形態に限られない。端面9aの一部が傾いていても構わない。例えば、端面9aにおいて、溝部41に近い外周部が外側に向かって傾いていると共に、中央部は傾いていなくても構わない。
【0050】
図9に、本実施の形態における第3の固定子の断面図を示す。第3の固定子10においては、冷却ジャケットの構造が第1の固定子1と異なる。第3の固定子10は、筒状部材としての冷却ジャケット11を備える。冷却ジャケット11は、溝部43を有する。溝部43は、軸方向において、固定子鉄心3の外周面の途中まで形成されている。
【0051】
溝部43の一方の端部43aは、軸方向において固定子鉄心3の一方の端面3aの外側の領域に連通するように形成されている。一方で、溝部43の他方の端部43bは、固定子鉄心3の他方の端面3bの外側の領域に連通していない。冷却ジャケット11は、溝部43の端部43bに連通する穴部44を有する。穴部44は、冷却ジャケット11の内部に形成されている。穴部44は、固定子10の外側の空間まで延びるように形成されている。
【0052】
穴部44は、冷却ジャケット11の内部を通る通路を構成している。固定子10に硬化前の樹脂を供給する場合に、固定子鉄心3の一方の端面3aが他方の端面3bよりも下側に配置される様に、固定子鉄心3および冷却ジャケット11を配置する。また、溝部43の一方の端部43aが他方の端部43bよりも下側に配置されるように、固定子鉄心3および冷却ジャケット11を配置する。硬化前の樹脂を供給すると、端面3aよりも下側の領域において生じた気泡は、溝部43および穴部44を通って外側に放出されることができる。なお、
図9に示す例では、樹脂部5は、穴部44の一部に形成されているが、この形態に限られない。樹脂部5は、穴部44の少なくとも一部に形成されることができる。例えば、樹脂部5は、穴部44の全体を埋めるように形成されていても構わない。このように、溝部43は固定子鉄心3の他方の端面3bの外側の領域に連通していなくても構わない。
【0053】
前述の固定子においては、1つの歯部32に1つのコイル4が配置される集中巻きの形態が示されている。コイルの巻き方としては、この形態に限られず、分布巻きを行うことができる。
【0054】
図10に、本実施の形態における第4の固定子の固定子鉄心およびコイルの斜視図を示す。
図10には、分布巻きのうち同心巻きの形態が示されている。第4の固定子は、固定子鉄心12を有する。固定子鉄心12は、筒状に形成された継鉄部34と、継鉄部34から内側に向かって突出する歯部35とを有する。歯部35同士の間には凹んだ形状を有するコイル配置部36が形成されている。第4の固定子においては、複数のコイル16が同心円状に歯部35に巻かれている。分布巻きの形態としては、同心巻きに限られず、例えば、同一ピッチにてコイルを重ねて配置する構造として、重ね巻きを例示することができる。
【0055】
このように、分布巻きにてコイルが巻かれた固定子においては、固定子鉄心12の端面の外側の領域において、複数のコイル16の突出部が重なり合う場合がある。複数のコイルが重なる領域では、樹脂が進行せずに気泡が生じやすくなる。または、気泡が排出されにくくなる。このために、分布巻きにてコイルが配置されている固定子に、本実施の形態における構造を適用することにより、気泡を排除する効果が顕著になる。また、コイル16同士が接触する部分には絶縁紙が配置される場合がある。絶縁紙の形状および絶縁紙の配置に依存して、樹脂部に気泡が残存しやすくなる場合がある。例えば、コイル16が重なり合っている部分に絶縁紙が配置されると、コイル16同士の間に気泡が残存する場合が有る。このために、絶縁紙が配置されている固定子に、本実施の形態における構造を適用することにより、気泡を排除する効果が顕著になる。
【0056】
図11に、本実施の形態における第5の固定子の断面図を示す。前述の第1の固定子から第4の固定子においては、固定子鉄心の周りに配置される筒状部材に溝部が形成されているが、この形態に限らない、溝部は、固定子鉄心の外周面に形成されることができる。第5の固定子13は、固定子鉄心14と冷却ジャケット15とを備える。冷却ジャケット15の内周面には、溝部が形成されていない。固定子鉄心14の外周面に、溝部45が形成されている。溝部45の内部には樹脂部5が形成されている。
【0057】
溝部45は、固定子鉄心14の軸方向に沿って、一方の端面14aから他方の端面14bまで形成されている。この構成を採用することにより、硬化前の樹脂を配置した場合に、固定子鉄心14の一方の端面14aの外側に残存する気泡69を、矢印96に示すように、溝部45を通って上昇させることができる。固定子鉄心14の他方の端面14bの外側の領域に、気泡69を導くことができる。気泡69を樹脂の外側に排出することができる。この結果、樹脂部5の内部に気泡69が残存することを抑制できる。
【0058】
固定子鉄心14の外周面に溝部45を形成する場合においても、溝部45は、固定子鉄心14の歯部32に対応する位置に形成されることが好ましい。また、大気圧の雰囲気中にて硬化前の樹脂を配置する時に生じる気泡についても、真空の雰囲気中において硬化前の樹脂を配置する時に生じる気泡と同様の作用および効果を奏する。
【0059】
第5の固定子13においては、固定子鉄心14の端面14aは、固定子鉄心14の軸方向の長さが径方向の外側に向かって徐々に短くなるように形成されている。端面14aは、固定子鉄心14の外周に向かって徐々に高くなるように傾斜している。このように端面14aが傾斜するように傾斜部を形成することにより、本実施の形態の第2の固定子2と同様に、樹脂の内部に生じる気泡を溝部45に導くことができる。この結果、気泡を効果的に樹脂部5から排除することができる。
【0060】
また、第5の固定子13において、溝部45の一方の端部45aおよび他方の端部45bは、溝部45の先端に向かって深さが徐々に深くなるように形成されている。この構成を採用することにより、固定子鉄心14の端面14aの軸方向の外側の領域に生じる気泡69を、一方の端部45aを通って溝部45の内部に導くことができる。また、溝部45の内部を上昇する気泡69を、他方の端部45bを通って固定子鉄心14の端面14bの外側の領域に導くことができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、溝部45の両方の端部45a,45bにおいて、溝部45の深さが変化するように形成されているが、この形態に限られない。溝部45の深さは、固定子鉄心の軸方向において一定であっても構わない。または、2つの端部45a,45bのうち1つの端部の深さが変化するように形成されていても構わない。
【0062】
上記の実施の形態においては、冷却ジャケットの内周面または固定子鉄心の外周面に溝部が形成されているが、この形態に限られず、冷却ジャケットの内周面および固定子鉄心の外周面の両方に溝部が形成されていても構わない。
【0063】
図12に、本実施の形態における第6の固定子の概略断面図を示す。第6の固定子17は、第2の固定子2および第5の固定子13において、溝部41,45が形成されていない構成を有する。第6の固定子17は、固定子鉄心9および冷却ジャケット15を備える。固定子鉄心9は、軸方向において、一方の端面9aと他方の端面9bとを含む。端面9aは、固定子鉄心9の軸方向の長さが徐々に短くなるように、径方向の外側に向かって傾いている傾斜部を有する。
【0064】
第6の固定子17の製造工程においては、固定子鉄心9の軸方向が鉛直方向とほぼ平行になるように固定子鉄心9を配置する。一方の端面9aが他方の端面9bよりも下側に配置される。硬化前の樹脂を供給した時に端面9aよりも下側の領域において発生した気泡69は、上昇して端面9aに接触する。気泡69は、端面9aに沿って矢印97に示すように径方向の外側に向かって移動する。気泡69は、冷却ジャケット15と接触して停止する。第6の固定子においては、樹脂が硬化された後に樹脂部5に気泡69が残存する場合が有る。ところが、気泡69は、樹脂部5の外周部に配置されるために、コイル4から離れている。このために、気泡69の内部でコロナ放電が生じてコイル等の構成部品が破損することを抑制できる。
【0065】
上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に示される実施の形態の変更が含まれている。
【符号の説明】
【0066】
1,2,10,13,17 固定子
3,9,12,14 固定子鉄心
3a,3b,9a,9b,14a,14b 端面
4,16 コイル
19 突出部
5 樹脂部
6,11,15 冷却ジャケット
20 電動機
31,34 継鉄部
32,35 歯部
41,43 溝部
41a,41b,43a,43b 端部
44 穴部
45 溝部
45a,45b 端部