(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】シリコーン材料を含む化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20231011BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20231011BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q5/06
A61Q5/12
(21)【出願番号】P 2020530346
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018065950
(87)【国際公開番号】W WO2019126010
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-03
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディミトローバ、タチアナ
(72)【発明者】
【氏名】フルニエ、シャリーン
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0142599(US,A1)
【文献】特表2005-516102(JP,A)
【文献】特開2001-048735(JP,A)
【文献】特表2011-513407(JP,A)
【文献】国際公開第2017/085296(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用として受容可能な媒体中に、未硬化シリコーン系ポリマー及び少なくとも1種の化粧品成分を含む化粧品組成物であって、前記未硬化シリコーン系ポリマーが直鎖状又は分枝状であり、式:
(R
1O)
3-x-Si(R
2)
x-(Z)
d-(O)
q-(R
3
2SiO)
N-(SiR
3
2-Z)
d-Si(R
2)
y(OR
1)
3-y
(式中、
xは0(ゼロ)又は1であり、
yは0,1,2又は3であり、
Nは300~10,000であり、
dは0又は1であり、qは0又は1であり、d+q=1であり、R
1,R
2及びR
3はそれぞれ独立して、1~
3個の炭素を含有する直鎖状アルキル基であり、
各Zは、独立して、
(i)1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断され得る、1~
6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン
基である)
を有し、
ただし、触媒としてオルガノチタネート又はオルガノジルコネートを含む組成物を除く、化粧品組成物。
【請求項2】
yが0若しくは3、又は0及び3の混合である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記未硬化シリコーン系ポリマーが、純粋形態、希釈形態又はエマルジョン形態である、請求項1又は2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記化粧品成分が、シャンプー成分、ヘアコンディショナー成分、皮膚軟化剤、ワックス、保湿剤、界面活性物質、増粘剤、水相安定化剤、pH調整剤、防腐剤及び化粧品殺生物剤、皮脂吸収剤、皮脂調整剤、野菜抽出物、植物抽出物、ビタミン、タンパク質及びタンパク質の誘導体、アミノ酸及びアミノ酸の誘導体、顔料、着色剤、充填剤、シリコーンコンディショニング剤、カチオン性コンディショニング剤、UV吸収剤、日焼け防止剤、ふけ防止剤、制汗剤、脱臭剤、皮膚保護剤、染毛剤、ネイルケア成分、芳香剤、香料、酸化防止剤、酸化剤、還元剤、被膜形成剤、噴射剤ガス、脂肪族アルコール、カラーケア添加剤、真珠光沢剤、キレート化剤、スタイリング剤、セラミド、懸濁化剤、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記化粧品成分が、ヘアケア成分及び/又はネイルケア成分から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
クリーム、ゲル、粉末(自由流動性の粉末又は圧縮された粉末)、ペースト、固体、自由に注ぐことができる液体、エアロゾルの形態である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
シャンプー、クリーム、リンスオフコンディショナー、リーブインコンディショナー、ゲルの形態である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
キューティクルコンディショニングクリーム、キューティクルセラム、ネイルエナメルベースコート、ネイルエナメル及び/又はネイルエナメル除去剤の形態である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
化粧品組成物のエマルジョンを調製する方法であって、
I)
A)100重量部の、請求項1~3のいずれか一項に記載の未硬化シリコーン系ポリマーと、
B)0.1~50重量部の界面活性剤と、
を含む混合物を形成する工程と、
II)十分な量の水を前記工程I)の混合物と混合してエマルジョンを形成する工程と、
により調製する方法。
【請求項10】
化粧品組成物を調製する方法であって、
(i)請求項1~3のいずれか一項に記載の未硬化シリコーン系ポリマーと、
ii.少なくとも1種の化粧品成分を
混合する工程を含む、方法。
【請求項11】
前記化粧品組成物が、純粋形態の前記未硬化シリコーン系ポリマーを疎水性相中の成分と、混合することにより調製される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記化粧品組成物が、エマルジョン形態の前記未硬化シリコーン系ポリマーを親水性相の成分と、混合することにより調製される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ケラチン基質をケアする方法であって、
a.請求項1~6のいずれか一項に記載の未硬化シリコーン系ポリマー及び少なくとも1種の化粧品成分を含む化粧品組成物を準備する工程と、
b.前記ケラチン基質に前記組成物を塗布する工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
ケラチン基質をケアするための、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項15】
前記ケラチン基質が、毛髪、手指の爪及び/又は足指の爪である、請求項14に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項16】
ヘアケア組成物又はネイルケア組成物の形態である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧用として受容可能な媒体中に、未硬化シリコーン系ポリマー及び少なくとも1種の化粧品成分を含む化粧品組成物に関する。化粧品組成物の調製方法、及びケラチン基質をケアするための化粧品組成物の使用もまた開示される。
【0002】
化粧品組成物は、人体の外部部分、例えば皮膚(表皮)、毛髪システム、爪、粘膜など(以下「ケラチン基質」という)と接触して置かれことが意図される組成物を含み、専ら又は主に、手入れ、芳香、外観の変化、良好な状態の維持、又は体臭の矯正を目的としている。場合によっては、化粧品組成物は、ヘルスケア成分も含んでよい。
【0003】
様々な種類のシリコーン材料は、感覚的利点、コンディショニングの利点をもたらすために、化粧品用途で使用され、場合によっては、レオロジー変性剤として使用され得る。これらのシリコーン材料は、ポリマー構造、粘度又はちょう度、及び、一般的な多くの性質(例えば硬さ、流動性、粘着性、相溶性)が異なる。
【0004】
化粧品用途において、ケラチン基質のケアに、また改善された審美性に有用なシリコーン材料が継続して求められている。例えば、毛髪に、脂っぽい感触及び外観でなく、光沢のある外観をもたらすヘアケア組成物が引き続き求められている。加えて、外観及び感触が一層良好で、相分離及び凝集の点において時間の経過と共に一層安定する、使用中良い体感を有する化粧品組成物が求められている。滑らかで軽やかな感触を皮膚に与えながら、改善された保湿効果を有し、改善された被覆度及びしわ、細い線及び細孔の隠蔽をもたらす、化粧品組成物が更に求められている。
【0005】
本開示は、未硬化シリコーン系ポリマーを含む化粧品組成物に関する。特に、本開示は、化粧用として受容可能な媒体中に、未硬化シリコーン系ポリマー及び少なくとも1種の化粧品成分を含む化粧品組成物に関し、未硬化シリコーン系ポリマーが直鎖状又は分枝状であり、式:
(R1O)3-x-Si(R2)x-(Z)d-(O)q-(R3
2SiO)N-(SiR3
2-Z)d-Si(R2)y(OR1)3-y
(式中、
xは0(ゼロ)又は1であり、
yは0、1、2又は3であり、
Nは300~10,000であり、
dは0又は1であり、qは0又は1であり、d+q=1であり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、1~10個の炭素を含有する直鎖状アルキル基であり、
各Zは、独立して、
(i)1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断され得る、1~12個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基、又は
(ii)1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断され得る、ポリオキシアルキレン系単位に基づく有機鎖、である)
を有する。
【0006】
本発明の目的のために、「化粧用として受容可能な組成物」は、人体の外部部分、すなわち前述のケラチン基質、と接触して置かれることが意図される組成物を含み、専ら又は主に、手入れ、芳香、外観の変化、良好な状態の維持、又は体臭の矯正を目的としている。
【0007】
組成物は、化粧品用途で使用でき、それはシャンプー、コンディショナー、スタイリング製品のようなヘアケア製品に使用される場合、コンディショニング、保持、心地よい感触;スキンケアクリームに存在する場合は滑らかでかつ/又は快適な肌触り;サンケアクリームに存在する場合は紫外線防御指数(SPF)の増加;のように1つ以上の利点をもたらす。
【0008】
用語「シラノール」、「ヒドロキシシリル」、「ヒドロキシル」、「SiOH」は本発明の範囲内で同じ意味で用いられ得、少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有する、ポリマーの縮合硬化性シリル末端基を示す。
【0009】
用語「アルコキシ」、「加水分解性」、「SiOR」は本発明の範囲内で同じ意味で用いられ得、少なくとも1個の加水分解性官能基を有する、ポリマーの縮合硬化性シリル末端基を示す。
【0010】
分子量とポリジメチルシロキサンの粘度との関係は科学文献、例えば少なくともMills,E.,European Polymer Journal,1969,vol.5,p.675-695に記載されている。この記事で公開されている式を使用して、ポリマーの重量平均分子量(Mw)を、およそ10%の精度で近似的に計算することができる。多分散指数(PI)はMw/Mnであり、この関係から数平均分子量(Mn)を算出することができる。
【0011】
シリコーンポリマーのMn及びMwは、通常/多くの場合、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。この技法は標準的技法であり、Mw(重量平均)、Mn(数平均)及び多分散指数(PI)[ここで、PI=Mw/Mn]の値が得られる。
【0012】
本出願で提供されるMn値は、GPCによって測定されており、使用されるポリマーの典型値を表す。GPCによって提供されない場合、Mnはまた、上記ポリマーの動的粘度に基づく計算から得ることができる。
【0013】
先に述べたように未硬化シリコーン系ポリマーは直鎖状又は分枝状で、式:
(R1O)3-x-Si(R2)x-(Z)d-(O)q-(R3
2SiO)N-(SiR3
2-Z)d-Si(R2)y(OR1)3-y
(式中、
xは0(ゼロ)又は1であり、
yは0、1、2又は3であり、
Nは300~10,000であり、
dは0又は1で、qは0又は1であり、d+q=1であり、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、1~10個の炭素を含有する直鎖状アルキル基であり、
各Zは、独立して、
(i)1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断され得る、1~12個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基、又は
(ii)1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断され得る、ポリオキシアルキレン系単位に基づく有機鎖である)
を有する、化粧品組成物。
【0014】
xは0又は1であり得るが、xは0であることが好ましい。yは0,1,2又は3であってもよいが、yは0若しくは3であるか、又は0及び3の混合であることが好ましい。Nは300~10,000、あるいは300~1000、あるいは500~1000、あるいは600~900である。R1、R2及びR3は、独立して、1~10個の炭素、あるいは1~3個の炭素を含有する直鎖状アルキル基、あるいはメチル又はエチルである。一実施形態では、R1=メチル又はエチルであり、
R2=メチル及び/又はR3=メチルである。本明細書には、x、y及びNの異なる値を有するポリマーのブレンド、特にxが0であり、yが0及び/又は3であるブレンドが含まれる。
【0015】
Z(i)又は(ii)の両方の場合、ポリマー鎖は、1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断されてもよく、存在するなら、直鎖状又は分枝状シロキサン基は、構造-[R5
aSiO(4-a)/2]-(式中、aは2~4であり得、R5は飽和アルキル、フェニル又はアルコキシシリルフラグメント:型-(CbH2b)e-Si(R2)v(OR1)3-v(式中、bは1~10であり、eはゼロ又は1であり、vは0、1又は2である)のいずれかである)の単位から構成される。このような単位では、典型的には、aは2で、シロキサン単位の直鎖状基をもたらす。しかしながら、分枝は、1つ以上の単位において、aがゼロ又は1であるときに生じる。
【0016】
Zの両オプション(以下、それぞれZ(i)及びZ(ii)という)の場合、ポリマー鎖は、1~20個のケイ素原子を含む1つ以上の直鎖状又は分枝状シロキサン基によって中断されてもよく、存在するなら、直鎖状又は分枝状シロキサン基は、構造-[R5
aSiO(4-a)/2]-(式中、aは2~4であり得、R5は飽和アルキル、フェニル又はアルコキシシリルフラグメント:型-(CbH2b)e-Si(R2)v(OR1)3-v(式中、bは1~10であり、eはゼロ又は1であり、vは0、1又は2である)のいずれかである)の単位から構成される。このような単位では、典型的には、aは2で、シロキサン単位の直鎖状基をもたらす。しかしながら、分枝は、1つ以上の単位において、aがゼロ又は1であるときに生じる。
【0017】
Z(i)の1つの代替例では、Z(i)は直鎖状又は分枝状シロキサン基を含有せず、すなわち、Z(i)は1~12個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基であり、あるいはZ(i)は1~6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基であり、Z(i)は1~6個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン基であり、あるいはZ(i)は2~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基である。
【0018】
Zが型(ii)であるときは、Z(ii)はポリオキシアルキレン系単位に基づく有機鎖であり、このようなポリオキシアルキレン単位は、平均式(-CnH2n-O-)m(式中、nは2~4の整数(2と4を含めて)であり、mは少なくとも4の整数である)により示される、オキシアルキレン繰り返し単位(-CnH2n-O-)からなる主に直鎖状オキシアルキレンポリマーを含むのが好ましい。各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの数平均分子量は、約300~約10,000の範囲であってよいが、より大きな数平均Mn分子量とすることができる。更に、オキシアルキレン単位は、不要にポリオキシアルキレンモノマー全体に渡って同一でなく、単位ごとに異なっていてもよい。ポリオキシアルキレンブロックは、例えば、オキシエチレン単位(-C2H4-O-)、オキシプロピレン単位(-C3H6-O-)、若しくはオキシブチレン単位(-C4H8-O-)、又はこれらの混合単位から構成され得る。ポリグリコールフラグメントの特定の触感及び/又はブロッキネス(Brockiness)は暗示されていない。
【0019】
1つの代替例Z(ii)は、直鎖状又は分枝状シロキサン基を含有しない、すなわち、Z(ii)は、オキシアルキレン繰り返し単位から構成される主に直鎖状オキシアルキレンポリマーである。Z(ii)において、1つ以上の2~6個の炭素原子を有するアルキレン基が提供され得る。
【0020】
先に述べた未硬化シリコーン系ポリマーは、増量剤の存在下で提供され得る。使用される場合、増量剤は、ポリマーの調製前、調製後又は調製中に添加することができる。しかし、これが重合プロセスに助長又は関与することはない。取り扱い易くするため、希釈剤が重合反応の開始前に添加されてもよい。本明細書に記載される増量剤は、ポリマーを希釈し、また加工(すなわち更なる使用)中に粘稠になることを防止するために与えられる。
【0021】
増量剤の例としては、以下が挙げられる:
(i)ケイ素含有液体、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及びその他短鎖直鎖状シロキサン(例えば、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン)、環状シロキサン(例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン)、更に、ブルックフィールドコーンプレート粘度計RV DIII(5rpmでコーンプレートCP-52を使用)を使用して25℃で測定の500~12,500mPa.sの粘度を有するアリール官能性シロキサンを所望により含む、ポリジオルガノシロキサン;
(ii)有機液体、例えば酢酸ブチル、アルカン、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、炭化水素、ヒドロフルオロカーボン、又は構成成分の材料のいずれかに悪影響を及ぼすことなく組成物を希釈することができる、任意の他の材料が挙げられる。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11~C13)、Isopar H(C11~C12)、水素添加ポリデセン、鉱油、特に水素添加鉱油若しくはホワイト油、液状ポリイソブテン、イソパラフィン系油、又は石油ゼリーが挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールnブチルエーテル、エチル-3-エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、及びオクチルパルミテートが挙げられる。更なる有機希釈剤としては、脂肪、油、脂肪酸、及び脂肪族アルコールが挙げられる。希釈剤の混合物もまた使用できる。
【0022】
未硬化シリコーン系ポリマー対増量剤/希釈剤の重量比は、例えば100/0~10/90、あるいは70/30~20/80であり得る。
【0023】
先に述べた組成物は、更に1つ以上の化粧品成分を含む。化粧品成分は、化粧品用途で用いることが知られている成分である。かかる成分の広範な概要は、CTFA化粧品成分ハンドブックに見出すことができる。
【0024】
化粧品成分としては、皮膚軟化剤、ワックス、保湿剤、界面活性物質(界面活性剤又は洗浄剤又は乳化剤)、増粘剤、水相安定化剤、pH調整剤、防腐剤及び化粧品殺生物剤、皮脂吸収剤又は皮脂調整剤、野菜又は植物抽出物、ビタミン、タンパク質又はアミノ酸及びこれらの誘導体、顔料、着色剤、充填剤、シリコーンコンディショニング剤、カチオン性コンディショニング剤、疎水性コンディショニング剤、UV吸収剤、日焼け防止剤、ふけ防止剤、制汗剤、脱臭剤、皮膚保護剤、染毛剤、ネイルケア成分、芳香剤又は香料、酸化防止剤、酸化剤、還元剤、噴射剤ガス、被膜形成剤並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0025】
化粧品組成物において用いることができる追加成分としては、脂肪族アルコール、カラーケア添加剤、抗セルライト、真珠光沢剤、キレート化剤、スタイリング剤、セラミド、懸濁化剤及びその他が挙げられる。
【0026】
皮膚軟化剤の例としては、揮発性又は不揮発性シリコーン油;ポリプロピルシルセスキオキサン及びフェニルトリメチコン等のシリコーン樹脂;ジメチコンクロスポリマー等のシリコーンエラストマー;C30~45アルキルメチコン等のアルキルメチルシロキサン;スクアレン、パラフィン油、ペトロラタム油及びナフタレン油等の揮発性又は不揮発性の炭化水素化合物;水素添加又は部分水素添加ポリイソブテン;イソエイコサン;スクアラン;イソパラフィン;イソドデカン;イソデカン若しくはイソヘキサデカン;分枝状C8~C16エステル;イソヘキシルネオペンタノエート;アルコール若しくはポリアルコール又はこれらの混合物の、イソノニルイソノナノエート、セトステアリルオクタノエート、イソプロピルミリステート、パルミテート誘導体、ステアレート誘導体、イソステアリルイソステアレート、ヘプタノエート、オクタノエート、デカノエート若しくはリシノレエート等のエステル油;小麦胚芽、ヒマワリ、ブドウ種子、ヒマシ、シア、アボカド、オリーブ、ダイズ、スイートアーモンド、ヤシ、菜種、綿実、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ホホバ、クロフサスグリ、オオマツヨイグサ等の植物由来の炭化水素油;又はカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド;オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸等の高級脂肪酸;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
ワックスの例として、炭化水素ワックス、例えば蜜蝋、ラノリンワックス、ライスワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィン、オゾケライト、ポリエチレンワックス、合成ワックス、セレシン、ラノリン、ラノリン誘導体、ココアバター、セラックワックス、ぬかワックス、カポックワックス、サトウキビワックス、モンタンワックス、鯨ワックス、ベーベリワックス、シリコーンワックス(例:ポリメチルシロキサンアルキル、アルコキシ及び/又はエステル、C30~45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサン)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0028】
保湿剤の例としては、プロピレングリコール及びブチレングリコール等の低分子量脂肪族ジオール;グリセリン及びソルビトール等のポリオール、並びにポリエチレングリコール200等のポリオキシエチレンポリマー;ヒアルロン酸及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
界面活性物質の例は、アニオン性、カチオン性又は非イオン性であってよく、ジメチコンコポリオール等の有機変性シリコーン;グリセロールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル;セテアレス-30、C12~C15パレス-7等の、脂肪族アルコールのオキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エーテル;PEG-50ステアレート、PEG-40モノステアレート等の、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;スクロースステアレート、スクロースココエート及びソルビタンステアレート及びこれらの混合物等のサッカリドエステル並びにエーテル、;DEAオレス-10ホスフェート等のリン酸エステル及びそれらの塩;二ナトリウムPEG-5シトレートラウリルスルホスクシネート及び二ナトリウムリシノールアミドMEAスルホスクシネート等のスルホスクシネート;ナトリウムラウリルエーテルサルフェート等のアルキルエーテルサルフェート;イセチオネート;ベタイン誘導体、並びにこれらの混合物があり得る。界面活性物質は、上述した乳化に用いられる界面活性剤と同一であっても異なっていてもよい。
【0030】
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンラウリルエーテル、直鎖状第一級アルコールアルコキシレートを含むアルコキシル化アルコール、直鎖状第二級アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、オレフィンアルコキシレート、分枝状アルコキシレート、エトキシル化アルコール、例えばエトキシル化トリメチルノナノール、C12~C14第二級アルコールエトキシレート、エトキシル化C10-ゲルベアルコール、エトキシル化イソーC13アルコール等を含む具体例;ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリブロックコポリマー(ポロクサマーともいう);プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続付加することで誘導される、四官能性ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマー(ポロキサミンともいう)、シリコーンポリエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。非イオン性界面活性剤の更なる例としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
非イオン性界面活性剤の更なる例としては、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えば、ソルビトール又はグリセリルモノ-、ジ-、トリ-若しくはセスキオレエート又はステアレート、グリセリル又はポリエチレングリコールラウレート;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールモノステアレート又はモノラウレート)、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアレート又はオレエート);ポリオキシエチレン化アルキル(ラウリル、セチル、ステアリル若しくはオクチル)エーテル、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール又は脂肪酸(例えばC12~16アルコール)との縮合物、エチレンオキシドとアミン又はアミドとの縮合物、エチレンとプロピレンオキサイドとの縮合生成物、グリセロールのエステル、スクロース、ソルビトール、脂肪酸アルキロールアミド、スクロースエステル、フルオロ界面活性剤、脂肪族アミンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
カチオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩及びホスホニウム塩が挙げられる。
【0033】
アニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩(2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸ナトリウム)、アミノ酸誘導体(N-アシルグルタメート、N-アシルグリシネート又はアシルサルコシネート)、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート及びそのオキシエチレン化誘導体、スルホスルホネート、イセチオネート及びN-アシルイセチオネート、タウレート及びN-アシルN-メチルタウレート、スルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、ホスフェート及びアルキルホスフェート、ポリペプチド、アルキルポリグリコシドのアニオン性誘導体(アシル-D-ガラクトシドウロネート)、及び脂肪酸石鹸、高級脂肪酸のアルカリ金属、アミン又はアンモニウム塩、アルキルアリールスルホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、長鎖脂肪族アルコールスルフェート、オレフィンスルフェート等、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、硫酸化エトキシル化アルコール、スルホスクシネート、アルカンスルホネート、ホスフェートエステル、アルキルイセチオネート、アルキルタウレート、アルキルサルコシネート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
両性及び双性イオン界面活性剤としては、ベタイン、N-アルキルアミドベタイン及びこれらの誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート及びアルキルアンホアセテート、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
増粘剤の例としては、アクリルアミドポリマー及びコポリマー、アクリレートコポリマー及びその塩(例えば、ナトリウムポリアクリレート等)、キサンタンガム及び誘導体、セルロースガム及びセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロース等)、デンプン及びデンプン誘導体(例えば、ヒドロキシエチルアミロース及びデンプンアミラーゼ等)、ポリオキシエチレン、カルボマー、ヘクトライト及びヘクトライト誘導体、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カシアガム、グアーガム及びグアーガム誘導体、コカミド誘導体、アルキルアルコール、ゼラチン、PEG誘導体、サッカリド(例えば、フラクトース、グルコース等)及びサッカリド誘導体(例えば、PEG-120メチルグルコースジオレート等)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
水相安定化剤の例としては、電解質(例えば、アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩、特に、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩化物、ホウ酸塩、クエン酸塩及び硫酸塩、並びにアルミニウムクロロヒドラ-ト、及び高分子電解質、特に、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウム)、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びソルビトール)、アルコール(例えば、エチルアルコール等)、及びヒドロコロイド、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
pH調整剤の例としては、任意の水溶性酸(例えばカルボン酸等)、又は鉱酸(例えば、塩酸、硫酸及びリン酸等)、モノカルボン酸(例えば、酢酸及び乳酸等)、及びポリカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、及びクエン酸等)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
防腐剤及び化粧品殺生物剤の例としては、パラベン誘導体、ヒダントイン誘導体、クロルヘキシジン及びその誘導体、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、銀誘導体、サリチレート誘導体、トリクロサン、シクロピロックスオルアミン、ヘキサミジン、オキシキノリン及びその誘導体、PVP-ヨード、亜鉛塩及び誘導体(例えば、亜鉛ピリチオン等)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
皮脂吸収剤又は皮脂調整剤の例としては、シリル化シリカ、ジメチルシリル化シリカ、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ポリメチルメタクリレート、架橋メチルメタクリレート、アルミニウムデンプンコハク酸オクテニル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
野菜抽出物又は植物抽出物の例は、植物、例えば、ココナッツ、緑茶、白茶、紅茶、ツクシ、イチョウ(ginkgo biloba)、ヒマワリ、小麦胚芽、海藻、オリーブ、ブドウ、ザクロ、アロエ、杏仁、アンズ、ニンジン、トマト、タバコ、豆、ジャガイモ、小豆、カテキュー、オレンジ、キュウリ、アボカド、スイカ、バナナ、レモン又はヤシ等、の植物(草本、根、花、果実、又は種子)から油又は水溶性形態で抽出される。ハーブ抽出物の例としては、ディル、ワサビダイコン、カラスムギ、ニーム、ビート、ブロッコリ、茶、カボチャ、大豆、大麦、クルミ、亜麻、朝鮮人参、ケシ、アボカド、エンドウ豆、ごま、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
ビタミンの例としては、様々な異なる有機化合物、例えば、アルコール、酸、ステロール、及びキノン等が挙げられる。これらは、2つの溶解度群:脂溶性ビタミン及び水溶性ビタミンに分類することができる。パーソナルケア処方において有用性のある脂溶性ビタミンとしては、レチノール(ビタミンA)、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、フィトナジオン(ビタミンK1)及びトコフェロール(ビタミンE)が挙げられる。パーソナルケア処方において有用性のある水溶性ビタミンとしては、アスコルビン酸(ビタミンC)、チアミン(ビタミンB1)、ナイアシン(ニコチン酸)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、リボフラビン(ビタミンB2)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン、葉酸、ピリドキシン(ビタミンB6)、及びシアノコバラミン(ビタミンB12)が挙げられる。ビタミンの更なる例としては、パルミチン酸レチニル(ビタミンAパルミテート)、酢酸レチニル(ビタミンAアセテート)、リノール酸レチニル(ビタミンAリノレエート)、及びプロピオン酸レチニル(ビタミンAプロピオネート)、酢酸トコフェリル(ビタミンEアセテート)、リノール酸トコフェリル(ビタミンEリノレエート)、コハク酸トコフェリル(ビタミンEスクシネート)、トコフェレス-5、トコフェレス-10、トコフェレス-12、トコフェレス-18、トコフェレス-50(エトキシル化ビタミンE誘導体)、PPG-2トコフェレス-5、PPG-5トコフェレス-2、PPG-10トコフェレス-30、PPG-20トコフェレス-50、PPG-30トコフェレス-70、PPG-70トコフェレス-100(プロポキシル化及びエトキシル化ビタミンE誘導体)、トコフェリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸テトラヘキサデシル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、ニコチン酸トコフェリル、並びにこれらの混合物等の、ビタミンの誘導体が挙げられる。
【0042】
タンパク質又はアミノ酸及びこれらの誘導体の例としては、小麦、大豆、米、トウモロコシ、ケラチン、エラスチン又はシルクから抽出されたものが挙げられる。タンパク質は加水分解形態であってよく、第四級化されていてもよい、例えば加水分解エラスチン、加水分解小麦粉末、加水分解絹であってもよい。タンパク質の例としては、酵素、例えば、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、レダクターゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。ヒドロラーゼの例としては、プロテアーゼ(細菌性、真菌性、酸性、中性又はアルカリ性)、アミラーゼ(アルファ又はベータ)、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、コラゲナーゼ、リゾチーム(lisozymes)、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
顔料及び着色剤の例としては、表面処理又は未処理酸化鉄、表面処理又は未処理二酸化チタン、表面処理又は未処理雲母、酸化銀、ケイ酸塩、酸化クロム、カロテノイド、カーボンブラック、ウルトラマリン、クロロフィリン誘導体、及び黄土が挙げられる。有機顔料の例としては、D&C及びFD&C青色、褐色、緑色、橙色、赤色、黄色等として指定される、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノン及びキサンチン染料、並びにこれらの混合物が挙げられる芳香族型を含む。表面処理としては、レシチン、シリコーン、シラン、フルオロ化合物及びこれらの混合物に基づく処理が挙げられる。
【0044】
化粧品充填剤の例としては、タルク、雲母、カオリン、酸化亜鉛又は酸化チタン、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウム、シリカ、シリル化シリカ、二酸化チタン、ガラス又はセラミックビーズ、ポリメチルメタクリレートビーズ、窒化ホウ素、アルミニウムデンプンコハク酸オクテニル、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ナイロン、シルク粉末、8~22個の炭素原子を有するカルボン酸から誘導される金属石鹸、非発泡合成ポリマー粉末、架橋されても架橋されていなくてもよい天然有機化合物(例えば穀物デンプン等)などからの発泡粉末及び粉末、コポリマーミクロスフェア、ポリトラップ(polytrap)、シリコーン樹脂マイクロビーズ、並びにこれらの混合物が挙げられる。充填剤は、他の成分との親和性又は相溶性を改質するために必要なら表面処理され得る。
【0045】
シリコーンコンディショニング剤の例としては、ジメチコン等のシリコーン油;ジメチコノール等のシリコーンガム;トリメチルシロキシシリケート、ポリプロピルシルセスキオキサン等のシリコーン樹脂;シリコーンエラストマー;アルキルメチルシロキサン;アモジメチコン、アミノプロピルフェニルトリメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、シリコーンクオタニウム-16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、シリコーンクオタニウム-16等の有機変性シリコーン油、サッカリド官能性シロキサン;カルビノール官能性シロキサン;シリコーンポリエーテル;シロキサンコポリマー(ジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマー);アクリレート又はアクリル官能性シロキサン、及びこれらの混合物又はエマルジョンが挙げられる。
【0046】
カチオン性コンディショニング剤の例としては、グアーガムのヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム誘導体等のグアー誘導体;カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体;セルロースエーテルの第四級窒素誘導体;ジメチルジアリルアンモニウムクロライドのホモポリマー;アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー;エステル又はアミド結合によってポリマーに結合するカチオン性窒素官能基を含むアクリル酸又はメタクリル酸から誘導されたホモポリマー又はコポリマー;脂肪族アルキルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー性第四級アンモニウム塩;N,N’-ビス-(2,3-エポキシプロピル)-ピペラジン又はピペラジン-ビス-アクリルアミドとピペラジンとの重縮合生成物;並びに、ビニルピロリドン及び第四級窒素官能基を有するアクリル酸エステルのコポリマーが挙げられる。具体的な材料としては、様々なポリクォート、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-8、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、及びポリクオタニウム-23が挙げられる。他の種類のコンディショナーとしては、カチオン性界面活性剤、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド及びステリアルトリメチルアンモニウムクロライド等、及びこれらの混合物が挙げられる。場合によっては、カチオン性コンディショニング剤はまた、例えば、疎水化変性第四級化ヒドロキシエチルセルロースポリマー、カチオン性疎水化変性ガラクトマンナンエーテル、及びこれらの混合物等、疎水的に変性されたものである。
【0047】
疎水性コンディショニング剤の例としては、グアー誘導体、ガラクトマンナンガム誘導体、セルロース誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。
UV吸収剤及び日焼け防止剤としては、約290~320ナノメートルの間の紫外線(UV-B領域)を吸収するもの、及び320~400ナノメートルの範囲の紫外線(UV-A領域)を吸収するものが挙げられる。
【0048】
日焼け防止剤のいくつかの例は、アミノ安息香酸、シノキサート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、ジガロイルトリオレエート、ジオキシベンゾン、エチル-4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノベンゾエート、グリセリルアミノベンゾエート、ホモサレート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、メンチルアントラニレート、オクトクリレン、エチルヘキシルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パジメートO、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、赤色ワセリン、スリソベンゾン、二酸化チタン、トロラミンサリチレート、及びこれらの混合物である。
【0049】
UV吸収剤のいくつかの例は、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1-12、3-ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、シノキサート、DEA-メトキシシンナメート、ジベンゾオキサゾールナフタレン、ジ-t-ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸ジガロイル、ジイソプロピルメチルシンナメート、ジメチルPABAエチルセテアリールジモニウムトシレート、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベンゼンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、エチルジイソプロピルシンナメート、エチルメトキシシンナメート、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトクリレンフェルラ酸、グリセリルオクタノエートジメトキシシンナメート、グリセリルPABA、グリコールサリチレート、ホモサレート、イソアミルp-メトキシシンナメート、イソプロピルベンジルサリチレート、イソプロピルジベンゾリルメタン、イソプロピルメトキシシンナメート、メンチルアントラニレート、メンチルサリチレート、4-メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、エチルヘキシルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オクチルトリアゾン、PABA、PEG-25PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイ皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、赤色ワセリン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、TEA-フェニルベンズイミダゾールスルホネート、TEA-サリチレート、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、VA/クロトネート/メタクリルオキシベンゾフェノン-1コポリマー、及びこれらの混合物である。
【0050】
ふけ防止剤の例としては、ピリジンチオン塩、セレン化合物(例えば、二硫化セレン)、及び可溶性ふけ防止剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
制汗剤及び脱臭剤の例としては、塩化アルミニウム、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスPEG、アルミニウムクロロヒドレックス、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスPG、アルミニウムクロロヒドレックスPEG、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムクロロヒドレックスPG、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレックスGLY、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、アルミニウムセスキクロロヒドレート、重炭酸ナトリウム、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPEG、クロロフィリン-銅錯体、トリクロサン、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレート、リシノール酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
皮膚保護剤の例としては、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、カカオバター、タラ肝油、コロイドオートミール、ジメチコン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ワセリン、サメ肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、ウィッチヘーゼル、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
染毛剤の例としては、1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、酸性染料、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール、5-アミノ-2,6-ジメトキシ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、2-アミノ-5-エチルフェノールHCl、5-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェノールスルフェート、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソールスルフェート、2-アミノ-5-ニトロフェノール、4-アミノ-2-ニトロフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-4-ニトロフェノールスルフェート、m-アミノフェノールHCl、p-アミノフェノールHCl、m-アミノフェノール、o-アミノフェノール、4,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-m-フェニレンジアミンHCl、2,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ピリジンジアミンHCl、2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール、2-クロロ-5-ニトロ-N-ヒドロキシエチルp-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、3,4-ジアミノ安息香酸、4,5-ジアミノ-1-((4-クロロフェニル)メチル)-1H-ピラゾール-スルフェート、2,3-ジアミノジヒドロピラゾロピラゾロンジメトスルホネート、2,6-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノ-3-((ピリジン-3-イル)アゾ)ピリジン、ジヒドロキシインドール、ジヒドロキシインドリン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミンスルフェート、直接染料、4-エトキシ-m-フェニレンジアミンスルフェート、3-エチルアミノ-p-クレゾールスルフェート、N-エチル-3-ニトロPABA、グルコンアミドプロピルアミノプロピルジメチコン、ヘマトキシロンブラジレット木材抽出物、HC染料、ローソニアイネルミス(ヘナ)抽出物、ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリンHCl、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミンスルフェート、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、ヒドロキシピリジノン、ヒドロキシスクシンイミジルC21~22イソアルキルアシデート;イサチン、ホソバタイセイ(Insatis Tinctoria)葉粉末、2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミンスルフェート、2-メトキシ-p-フェニレンジアミンスルフェート、6-メトキシ-2,3-ピリジンジアミンHCl、4-メチルベンジル4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、2,2’-メチレンビス4-アミノフェノール、2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノールHCl、3,4-メチレンジオキシアニリン、2-メチルレゾルシノール、メチルロザニリニウムクロライド、1,5-ナフタレンジオール、1,7-ナフタレンジオール、3-ニトロ-p-クレゾール、2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン、4-ニトログアイアコール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-ニトロ-N-ヒドロキシエチル-p-アニシジン、ニトロフェノール、4-ニトロフェニルアミノエチル尿素、4-ニトロ-o-フェニレンジアミンジヒドロクロライド、2-ニトロ-p-フェニレンジアミンジヒドロクロライド、4-ニトロ-o-フェニレンジアミンHCl、4-ニトロ-m-フェニレンジアミン、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、4-ニトロ-m-フェニレンジアミンスルフェート、4-ニトロ-o-フェニレンジアミンスルフェート、2-ニトロ-p-フェニレンジアミンスルフェート、6-ニトロ-2,5-ピリジンジアミン、6-ニトロ-o-トルイジン、PEG-3 2,2’-ジ-p-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミンHCl、p-フェニレンジアミンスルフェート、フェニルメチルピラゾロン、N-フェニル-p-フェニレンジアミンHCl、ピグメントブルー15:1、ピグメントバイオレット23、ピグメントイエロー13、ピロカテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ピクラミン酸ナトリウム、スルファニル酸ナトリウム、ソルベントイエロー85、ソルベントイエロー172、テトラアミノピリミジン、テトラブロモフェノールブルー、2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノールスルフェート、並びに1,2,4-トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
【0054】
ネイルケア成分の例としては、酢酸ブチル、酢酸エチル、ニトロセルロース、アセチルクエン酸トリブチル、イソプロピルアルコール、アジピン酸/ネオペンチルグリコール/無水トリメリト酸コポリマー、ステアラルコニウムベントナイト、アクリレートコポリマー、パントテン酸カルシウム、エイランタイ(Cetraria islandica)抽出物、コンドルスクリプス、スチレン/アクリレートコポリマー、トリメチルペンタンジイルジベンゾエート-1、ポリビニルブチラール、N-ブチルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、雲母、シリカ、酸化スズ、ホウケイ酸カルシウム、合成フッ素金雲母、ポリエチレンテレフタレート、ソルビタンラウレート誘導体、タルク、ホホバ抽出物、ダイアモンド粉末、イソブチルフェノキシエポキシ樹脂、シルク粉末、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
芳香剤又は香料の例としては、ヘキシルけい皮アルデヒド、アニスアルデヒド、メチル-2-n-ヘキシル-3-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート、γ-ドデカラクトン、メチルフェニルカルビニルアセテート、4-アセチル-6-tert-ブチル-1,1-ジメチルインダン、パチョリ、オリバナム樹脂状物質、ラブダナム、べチベル、コパイババルサム、バルサムモミ、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボアルデヒド、メチルアントラニレート、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、リナロール、シトロネロール、テルピニルアセテート、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(p-イソプロピルフェニル)-プロパナール、フェノキシエチルイソブチレート、セドリルアセタール、オーベピン、ムスク芳香剤、大環状ケトン、大環状ラクトンムスク芳香剤、ブラシル酸エチレン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
酸化防止剤の例は、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチン、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p-ヒドロキシアニソール、BHT、t-ブチルヒドロキノン、コーヒー酸、チャノキ(カメリアシネンシス)油、キトサンアスコルビン酸塩、キトサングリコール酸塩、キトサンサリチル酸塩、クロロゲン酸、システイン、システインHCl、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ-t-ブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエン/t-ブチルクレゾールコポリマー、トリオレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミンHCl、硫酸ヒドロキシルアミン、チオグリコール酸イソオクチル、コウジ酸、マデカッソシド(madecassicoside)、アスコルビン酸マグネシウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、メラトニン、メトキシ-PEG-7コハク酸ルチニル(methoxy-PEG-7 rutinyl succinate)、メチレンジ-t-ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログリシノール、アスコビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ロスマリン酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、ティーツリー(Melaleuca aftemifolia)油、トコフェリルアセテート、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノール酸/オレイン酸トコフェロール、チオジグリコール、トコフェリルスクシネート、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス-5、トコフェレス-10、トコフェレス-12、トコフェレス-18、トコフェレス-50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノール酸トコフェロール、トコフェリルニコチネート、トコキノン、o-トリルビグアニド、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、ユビキノン、及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、及びこれらの混合物である。
【0057】
酸化剤の例は、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン、臭素酸カリウム、カロ酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ素酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素、過酸化亜鉛、及びこれらの混合物である。
【0058】
還元剤の例は、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システアミン(cystemaine)HCl、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン、p-ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、及びこれらの混合物である。
【0059】
噴射剤ガスの例としては、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、揮発性炭化水素(ブタン、イソブタン、又はプロパン等)、並びにジクロロジフルオロメタン及びジクロロテトラフルオロエタン等の塩素化又はフッ素化炭化水素、又はジメチルエーテル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
被膜形成剤の例としては、そのものが又は補助的な被膜形成剤の存在下で、支持体上、特にケラチン物質上に、巨視的に連続性のフィルム、好ましくは凝集フィルム、更に好ましくは、その凝集及び機械的特性が上記フィルムを上記支持体から単離できるようなものであるフィルム、を形成することができるポリマーが挙げられる。
【0061】
適切な場合、すなわち最終用途に依存する場合、ヘルスケア成分は化粧品組成物に使用され得る。本明細書に含まれ得るヘルスケア成分としては、抗にきび剤、抗菌剤、抗真菌剤、皮膚漂白剤、皮膚及び頭皮無痛化剤、消毒剤、抗菌剤及び/又は抗炎症剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
抗にきび剤の例としては、サリチル酸、硫黄、過酸化ベンゾイル、トレチノイン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
抗菌剤の例としては、クロルヘキシジングルコン酸塩(Chlorohexadiene gluconate)、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー188、ポビドンヨード、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0064】
抗真菌剤の例としては、ミコナゾール硝酸塩、ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
外用鎮痛剤の例は、ベンジルアルコール、カプシカム含油樹脂(キダチトウガラシ(Capsicum frutescens)含油樹脂)、サリチル酸メチル、カンファー、フェノール、カプサイシン、ジュニパータール(ケードネズ(Juniperus oxycedrus)タール)、ナトリウムフェノレート(ナトリウムフェノキシド)、カプシカム(キダチトウガラシ(Capsicum frutescens))、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、テレビン油(ターペンチン)、及びこれらの混合物である。
【0066】
皮膚漂白剤の例はヒドロキノンである。
【0067】
化粧品組成物中の未硬化シリコーン系ポリマーの一般的なレベルは、化粧品組成物の総重量に対して、0.1重量%~80重量%、あるいは0.1重量%~10重量%、あるいは0.5重量%~5重量%で変動し得る。化粧品成分は、化粧品組成物の総重量に対して、0.01重量%~99.99重量%の濃度で存在する。化粧品成分は、上に列挙した化粧品成分の混合物であってもよい。
【0068】
場合によっては、未硬化シリコーン系ポリマーは、化粧用として受容可能な媒体中で、カチオン性コンディショニング剤、疎水性コンディショニング剤又はこれらの混合物から選択される化粧品成分と共に使用される。
【0069】
先に述べた化粧用として受容可能な媒体としては、水、溶媒並びに/又はこれらの混合物及びエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。溶媒には、水に非常に可溶性である低分子量有機溶媒、例えばC1~C4一価アルコール、C2~C5多価アルコールで、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレンカーボネートを含み、及びこれらの混合物である。典型的な溶媒には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、プロピレンカーボネート及びこれらの混合物が挙げられる。化粧用として受容可能なキャリアに適する他の例としては、10mPa.s以下、あるいは5mPa.s以下、あるいは3mPa.s以下の粘度を有する短鎖ポリシロキサン、あるいは3~12個のケイ素原子、あるいは4~7個のケイ素原子、あるいは4~6個のケイ素原子を含む環式ポリシロキサン、又はこれらのブレンド、有機鉱油、有機ポリエステル、及び上記のいずれかの適するブレンドが挙げられる。これらの材料の粘度は、例えば、ウェルズ・ブロックフィールド(商標)コーンプレート機器DV3TLVCP又はDV2TLVCP又はDV1MLVCP(低粘度に適したコーンプレートスピンドル、例えば、CPA-40Z、CPA-41Z、CPA-42Zを備えた)として当該技術分野において公知の任意の方法を使用して、25℃で測定することができる。詳細及び範囲は、www.brookfieldengineering.com.から入手可能である。
【0070】
本明細書に記載の未硬化シリコーン系ポリマーは、本明細書にも記載されるように、任意の受容可能な形態で化粧品組成物に導入され得る。例えば、純粋(未希釈)で、希釈形態で(例えば、前述したような増量剤で)、又はエマルジョン形態で提供されてもよく、これらは、任意の公知の方法、例えば、以下に記載される方法によって調製され得る。
【0071】
本開示は、更に、エマルジョンを調製する方法であって、
I)
A)100重量部の、上記の未硬化シリコーン系ポリマーと、
B)0.1~50重量部の界面活性剤と
を含む混合物を形成する工程と、
II)十分な量の水を工程I)の混合物と混合して、連続相と分散相を有するエマルジョンを形成する工程と、
III)所望により、エマルジョンを更に剪断混合し、かつ/又はエマルジョンを連続相で希釈する工程と、
により、調製する方法を提供する。
【0072】
工程(I)で添加する界面活性剤(先に示したように、適切な化粧品成分である)の量は、それぞれ100重量部の未硬化シリコーン系ポリマーに対して、0.1~50重量部、あるいは1~50重量部、あるいは2~20重量部とするべきである。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物であってもよく、界面活性剤は、実例のため、先に特定したもののいずれかである。
【0073】
工程(I)の混合は、混合をもたらすために、当該技術分野における任意の適切な方法によって達成され得る。混合は、バッチ法、半連続法又は連続法のいずれかとして行うことができる。混合は、例えば、チェンジカンミキサー、ダブルプラネタリーミキサー、コニカルスクリューミキサー、リボンブレンダー、ダブルアーム又はシグマブレードミキサーを含む、中/低剪断によるバッチ混合装置;Charles Ross&Sons(NY),Hockmeyer Equipment Corp.(NJ)により製造されたものを含む、高剪断高速ディスペンサーを備えたバッチ装置;Banbury型(CW Brabender Instruments Inc.,NJ)及びHenschel型(Henschel mixers,America(TX))を含む高剪断作用を持つバッチ装置;Speed Mixer(登録商標)(Hauschild&Co KG,Germany)のような遠心力型高剪断混合装置を用いて行うことができる。連続ミキサ/コンパウンダ-の実例としては、Krupp Werner&Pfleiderer Corp(Ramsey,NJ)及びLeistritz(NJ)により製造されたものなどの、単軸押出機、二軸押出機、及び多軸押出機、同方向押出機;二軸異方向押出機、二段階押出機、ツインローター連続ミキサー、動的若しくは静的ミキサー、又はこれら装置の組み合わせが挙げられる。
【0074】
工程(I)の混合が生じる温度及び圧力は重要ではないが、一般に、周囲温度(20~25℃)及び周囲圧力で行われる。典型的には、混合物の温度は、そのような高粘度材料の剪断に伴う機械的エネルギーのため、混合プロセス中に上昇する。
【0075】
方法の工程(II)は、水を工程(I)の生成物に混合してエマルジョンを形成する工程を伴う。典型的には、工程(I)の生成物100重量部ごとに対して5~2000重量部の水を導入して、エマルジョンを形成する。水は、更に混合しながら、工程(I)の生成物のエマルジョンが形成されるように、適切な速度で、工程(I)の生成物に添加される。この水の量は界面活性剤の選択に応じて可変であり得るが、一般的に水の量は工程(I)の生成物100重量部あたり0.1~2000部、あるいは工程(I)の生成物100重量部あたり5~500部、あるいは工程(I)の生成物100重量部あたり5~100部である。
【0076】
工程(I)からの生成物への水の添加は、各増分が工程(I)からの混合物の30重量%未満を成し、及び水の各増分は、前の回の増分の水が分散した後それに連続的に添加されるように、漸増分で行われてよく、十分な増分の水が加えられて未硬化シリコーン系ポリマーのエマルジョンを形成する。
【0077】
工程(II)の混合は、高粘度材料の混合をもたらすため、当該技術分野において公知の任意の方法によって達成することができる。混合は、バッチ法、半連続法又は連続法のいずれかとして行うことができる。工程(I)に記載された混合法のいずれかを、工程(II)での混合をもたらすように使用することができる。あるいは、工程(II)における混合は、エマルジョンの形成をもたらすために、高剪断混合を与える当該技術分野において公知の技法によって行ることができる。そのような高剪断混合技法の代表的なものには、ホモジナイザー、ソノレーター及びその他の類似の剪断装置が挙げられる。
【0078】
所望により、工程(II)で形成されたエマルジョンを工程(III)によって更に剪断して、粒径を小さくし及び/又は長期保存安定性を改善することができる。剪断は、上述の混合技法のいずれかにより行うことができる。場合によっては、低圧又は真空下で、工程(I)~(III)のうちの1つ又はいくつかを実行することが必要となる。
【0079】
上記の方法は、界面活性剤及び希釈剤が、存在するなら、化粧品成分である、化粧品組成物を製造する方法を提供する。とはいえ、上記は、シリコーン系ポリマーを組成物の他の成分に導入する手段としての部分的調製工程であってもよい。
【0080】
化粧品組成物は、以下の工程を含む方法によって調製することができる:
i.先に述べた未硬化シリコーン系ポリマーと
ii.少なくとも1種の化粧品成分とを、
iii.所望により化粧用として受容可能な媒体の存在下で、
混合する工程。
【0081】
未硬化のシリコーン系ポリマーは、任意の適切な形態で提供することができ、すなわち純粋の又は未希釈の形態で、増量された形態で(すなわち、上記のような増量剤との混合物中で)、又は化粧用として受容可能な媒体の存在下(例えば、エマルジョン中)であってもよい。化粧品組成物は、上記成分を一緒に混合する際にエマルジョンの形態で調製することができる。
【0082】
本開示のエマルジョンは、油/水エマルジョン、水/油エマルジョン、多相又は三相エマルジョンであってよい。エマルジョンは、上記の混合装置を使用して調製され得る。
【0083】
一実施形態では、本開示のエマルジョンは油/水エマルジョンである。本発明の油/水エマルジョンは、連続水相中に分散した(油)相の平均体積の粒子により特徴付けることができる。粒径は、エマルジョンのレーザー回折により測定することができる。適切なレーザー回折技術は、当該技術分野において公知である。粒径は粒径分布(PSD)から得られる。PSDは、体積、表面、長さを基準に決定することができる。体積粒径は、所定の粒子と同じ体積を有する球体の直径と等しい。用語Dvは、分散粒子の体積平均粒径を表す。Dv0.5は、体積をもとに測定された粒径のうち、累積粒子集団の50%に相当するものである。換言すると、Dv0.5=10μmである場合、50%の粒子は、10μmを下回る平均体積粒径を有し、50%の粒子は、10μmを超える体積平均粒径を有する。特に記載のない限り、全ての平均容量粒径は、Dv0.5を使用して計算される。
【0084】
油/水エマルジョンに分散したシロキサン粒子の平均体積粒径は、0.1μm~150μmの間、又は0.1μm~30μmの間、又は0.2μm~5.0μmの間で変動できる。
【0085】
本発明の一実施形態では、組成物はセラムとして配合され得る。本発明の目的のために、「セラム」は、少なくとも1種の低粘度の化粧用として受容可能なキャリア、好ましくは揮発性のもの、例えば上述した溶媒のうちの1つと、未硬化シリコーン系ポリマーとのブレンドとして定義され、また少なくとも1種の化粧品成分も含有する。
【0086】
化粧品組成物は、先に述べたように最終化粧品組成物の適した相中で未硬化シリコーン系ポリマーを混合することにより調製することができる。
【0087】
未硬化シリコーン系ポリマーを、純粋の(未希釈の)形態で使用する場合、疎水性相に添加してよい。疎水性相は、単相、すなわち単相系、又は無水系中の疎水性相であってもよい。いくつかの事象において、第2の親水性相又は水相を疎水性相と混合して、分散液又はエマルジョンを提供することができる。
【0088】
未硬化シリコーン系ポリマーをエマルジョン形態で使用する場合、シリコーン系ポリマーを水相成分と混合し、所望により続いて任意の第2疎水性相と混合してよい。多相である場合、異なる相を続いて、所望により加熱下で、混合してよい。
【0089】
その方法は、シンプルなプロペラミキサー、二重反転ミキサー又はホモジナイジングミキサーを用いて、15~90℃、あるいは20~60℃の範囲の温度で、あるいは室温(25℃)で実施し得る。特別な装置又は加工条件は、通常必要ない。調製される組成物の種類に応じて調製方法は異なるが、そのような方法は当該技術分野において公知である。
【0090】
化粧品組成物は、任意の従来の形態、例えば、液体、リンス、ローション、クリーム、ペースト、ゲル、発泡体、ムース、軟膏、スプレー、エアロゾル、石鹸、スティック、軟質固形物、固体ゲル及びゲルの形態で、塗布を可能にするキャリアと共に調製され得る。化粧品組成物は、単相系、二相系又は別の多相系の形態で、エマルジョン(例えば、水中油型、油中水型、水中シリコーン型、シリコーン中水型);多重エマルジョン(例えば、油中水中油型、水中シリコーン中ポリオール型、シリコーン中水中油型)であってもよい。概して、そのような組成物は、室温で固形の材料が組成物中に存在しない場合、シンプルなプロペラミキサー、ブルックフィールド二重反転ミキサー又はホモジナイジングミキサーを使用して通常室温で調製することができる。特別な装置又は加工条件は、通常必要ない。作られる形態の種類に応じて調製方法は異なるが、そのような方法は当該技術分野において公知である。
【0091】
パーソナルケア製品は、塗布される身体部分に対して、機能的であって、美容的な、治療的な又はいくつかの組み合わせであってもよい。かかる製品の従来の例としては、制汗剤及び消臭剤、スキンケアクリーム、スキンケアローション、保湿剤、ニキビ及びシワ除去等の美顔法、身体及び顔用洗浄剤、バスオイル、香料、コロン、サッシェ、日焼け防止、プレシェーブ及びアフターシェーブローション、シェービングソープ、及びシェービング用泡剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、毛髪着色剤、毛髪弛緩剤、ヘアスプレー、ムース、ゲル、パーマネント、脱毛剤、及びキューティクルコート、メークアップ、カラー化粧品、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、口紅、アイライナー、マスカラ、オイル除去剤、カラー化粧品除去剤、ネイルケア組成物及び粉末、薬用クリーム、ペースト又はスプレーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
スキンケア組成物としては、シャワージェル、石鹸、ヒドロゲル、クリーム、ローション及びバーム;制汗剤;スティック、軟質固形物、ロールオン、エアロゾル、及びポンプスプレー等のデオドラント;スキンクリーム;スキンケアローション;保湿剤;しわ制御又は縮減処理等の美顔法;角質の除去;身体及び顔用洗浄剤;バスオイル;香料;コロン;サッシェ;日焼け防止;ムース;プレシェーブ及びアフターシェーブローション;シェービングソープ;シェービング用泡剤;脱毛剤;メークアップ;カラー化粧品;ファンデーション;コンシーラー;頬紅;口紅;アイライナー;マスカラ、オイル除去剤;カラー化粧品除去剤、粉末、並びにこれらのキットが挙げられる。スキンケア組成物からは貼付剤を除外する。
【0093】
ヘアケア組成物としては、シャンプー、リンスオフコンディショナー、リーブインコンディショナー及びスタイリングエイド、ゲル、スプレー、ポマード、ムース、ワックス、キューティクルコート、毛髪着色剤、毛髪弛緩剤、縮毛矯正剤、パーマメント、及びこれらのキットが挙げられる。
【0094】
ネイルケア組成物としては、カラーコート、ベースコート、ネイルハードナー、及びこれらのキットが挙げられる。
【0095】
化粧品組成物は、標準的な方法、例えば、組成物をヒト又は動物の身体(例えば、皮膚又は毛髪)に、塗布器、ブラシを用い、手によって塗布し、流しかけ、及び/又は場合によっては組成物を身体上若しくは体内に擦り込む若しくはマッサージする、によって使用することができる。例えば、カラー化粧品の除去方法もまた、洗浄、ふき取り、こすり洗いなどを含む周知の標準的な方法である。
【0096】
また、本発明はまた、先に述べた化粧品組成物を毛髪又は皮膚等のケラチン基質に塗布することによる、該ケラチン基質を処理する方法を含む。
【0097】
化粧品組成物は、従来の方法で毛髪に使用され得る。有効量の、毛髪の洗浄又はコンディショニング用組成物が毛髪に塗布される。かかる有効量は、一般には約1g~約50g、好ましくは約1g~約20gの範囲である。毛髪への塗布は、典型的には、毛髪の大部分又は全てが化粧品組成物と接触するように、化粧品組成物を毛髪じゅうに作用させることを含む。これらの工程は、所望の利点を達成するために、所望に応じて何度でも繰り返すことができる。
【0098】
毛髪に化粧品組成物を使用することから得られる利点は、以下の利点のうちの1つ以上を含む:ヘアコンディショニング、柔らかさ、もつれた髪のほぐし易さ、シリコーン付着、静電防止、縮れ防止、滑らかさ、光沢、強度増加、粘度、触感、濡れた髪の櫛通り、乾燥時の櫛通り、着色工程での改善、保色、縮毛矯正、熱保護、スタイリング、及びカール保持。
【0099】
化粧品組成物は、従来の方法で皮膚に使用できる。その目的のための有効量の組成物を皮膚に塗布する。このような有効量は、一般に約1mg/cm2~約3mg/cm2の範囲である。皮膚への塗布は、典型的には、化粧品組成物を皮膚内に作用させることを含む。皮膚に塗布するための本方法は、有効量の化粧品組成物を皮膚と接触させ、次いで、組成物を皮膚に擦り込む工程を含む。これらの工程は、所望の利点を達成するために、所望に応じて何度でも繰り返すことができる。
【0100】
化粧品組成物を皮膚に使用することから得られる利点は、以下の利点のうちの1つ以上を含む:皮膚の柔らかさ、しなやかさ、保湿、皮膚感触、泡の発生、耐久性、持続性、長続き、長寿命、光沢効果又はテカリ抑制効果、SPF増大、汚染物質からの保護。
【0101】
このように、本発明は、毛髪又は皮膚などのケラチン基質に上述した化粧品組成物を塗布することによる、ケラチン基質のケアする方法も含む。
【0102】
ケラチン基質をケアする方法は、
a.未硬化シリコーン系ポリマーと、少なくとも1種の化粧品成分を、所望により化粧用として受容可能な媒体中に、含む化粧品組成物を準備する工程と、
b.ケラチン基質に組成物を塗布する工程と、
c.所望によりすすぐ工程と
を含む。
【0103】
ケラチン基質、例えば毛髪繊維、のケア又はコンディショニング方法の、任意の放置時間は10秒~1時間、あるいは30秒~30分、あるいは30秒~10分の範囲であってよい。
【0104】
一実施形態では、本発明は、ケラチン基質をケアする、即ち洗浄、コンディショニング、リフレッシュ、メークアップ、メークアップの除去、髪の固定のケア及びネイルケア用途のケアのために、本化粧品組成物の使用を提供する。
【0105】
更に別の態様では、本エマルジョンは、固定剤組成物の着色剤の一部として使用され、毛髪を染める又はパーマをかけるプロセス中、事前、中途、事後トリートメントとして塗布され得る。目的は、色の保持及び色の強化から、この場合もやはり、着色された毛髪繊維のコンディショニングに及び得る。
【実施例】
【0106】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を例証するために挙げられている。特に指示がない限り、全ての配合は重量部で%でない、それ故合計は必ずしも100ではない。
【0107】
毛髪疎水化試験が、以下に関して行われた:
(i)先に述べたように、本開示による2つの実施例
(ii)参照材料デカメチルシクロペンタシロキサン(以下「D5」という)
(iii)比較例1~6として特定された6つの市販製品
(iv)比較例7~10として同定された4つの縮合硬化シリコーン系材料。
【0108】
上記のように、比較例7~10は、以下の表1に提示された量で以下の成分から予め調製された硬化生成物である。
【0109】
以下の略語が表1で用いられる。
1)ポリマー型1は、23℃における粘度が13,500mPa.sであるα,ω-ジメチルヒドロキシシリル末端ポリジメチルシロキサン(粘度は、ブルックフィールドのコーンプレート粘度計RV DIIIを使用して、コーンプレートCP-52を5rpmで用いて測定)
2)ポリマー型2は、23℃における粘度が50,000mPa.sであるα,ω-ジメチルヒドロキシシリル末端ポリジメチルシロキサン(粘度は、ブルックフィールドのコーンプレート粘度計RV DIIIを使用して、コーンプレートCP-52を0.55rpmで用いて測定)
3)X-リンカー::23℃にて50,000mPa.sの粘度を有する(EtO)
3-Si-C
2H
4-[SiO(CH
3)
2]
(800-900)-Si(CH
3)
2C
2H
4-Si-(EtO)
3
(粘度は、ブルックフィールドのコーンプレート粘度計RV DIIIを使用して、コーンプレートCP-52を3rpmで用いて測定)有する。
4)TNBT=テトラn-ブチルチタネート(Dorf KetalからTyzor(登録商標)TNBTとして市販)
5)200フルイド2mPa.s:Dow CorningからDow Corning(登録商標)200フルイド2cStの商品名にて市販されている、23℃にて2mPa.sの粘度を有する、トリメチル末端キャップ化ポリジメチルシロキサン粘度値は、この製品において特に測定されなかった。
【表1】
【0110】
典型的には、比較例7~10の80-90gを、以下のプロトコルを使用して調製した:
直鎖状OH-末端ポリジメチルシロキサン(複数可)を、架橋剤と任意の希釈剤(200フルイド2mPa.s)と、スピードミキサーDAC150.1FV(Hauschield,Germanyから入手可能)を用いて、3000rpmで30秒間混合した。次に触媒、通常はテトラブチルチタネート(TNBT)を、混合物に添加し、同じ装置を用いて最高速度で90秒間再度混合した。次いで、比較例7~10のそれぞれの最終的に得られた材料を、完全な硬化を可能にするため、周囲条件下3週間開放容器内で放置した。Dow Corning(登録商標)200フルイド2cStは、その低粘度を考慮すると高揮発性である。希釈剤として使用したとき、揮発性によって失われた容積を毎日元に戻した。比較例7~10の得られた硬化材料は、結晶透明ポリマー又はゲルであった。
【0111】
参照材料及び他の比較材料を、以下の表2にそれぞれの商標名で列挙する。括弧内の詳細は、INCI名(入手可能なとき)である。
【0112】
毛髪疎水化試験
接触角試験は、製品又は製剤で処理された毛髪繊維の疎水性を評価するように設計される。毛髪の疎水性は、毛髪の損傷の非常に良い指標である。健康で損傷していない毛髪は、典型的には疎水性である。毛髪が損傷、すなわち化学的、機械的、物理的又は環境的要因によって、されるとすぐに、より多孔性及び親水性になる。
【0113】
市販の毛髪房(International Hair Importers&Products(IHIP)からの漂白済み白人毛髪2g/25cm)を洗浄し、乾燥させ、次いで、Dow Corning(登録商標)245フルイド(100%:シクロペンタシロキサン、一般にD5又は200フルイド2mPa.sと略記される)中、表2の各材料の3%溶液200μlを塗布し、各房に手作業で広げた。髪房を2回櫛通した後、一晩乾燥させた。
【0114】
典型的には、材料は、その水接触角値が90°超であるときに疎水性として定義され、90°以下であるときに親水性と定義されることが理解される。したがって、本発明の結果を以下のように分類することは、公正と考えられる。
超疎水性:150°以上
非常に疎水性の値:100°超、150°未満
適度な疎水性の値:90°超、100°以下
適度な親水性の値:60°超、90°以下
非常に親水性の値:60°以下
【0115】
毛髪房に付着した3μlの水の滴の静的接触角を、角度計(KSV Instruments Ltd.製の接触角CAM200)を使用して測定した。サンプル当たり、少なくとも3回の測定を行った。接触角値が高いほど、サンプルがより疎水性(より良好)である。表2の各値は、個別に実行された全ての測定値の平均である。
【表2】
【0116】
表2から、実施例1及び2の両方が、
対照例(キャリア(シクロペンタシロキサン又は直鎖状ジメチコン)としても機能する)よりも、良好な毛髪繊維疎水化;
シリコーンアクリレート、ジメチコン(及び)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー並びにアクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマーよりも、優れた毛髪繊維疎水化
アミノ官能性ポリシロキサンと同様又はより良好な毛髪繊維疎水化;
縮合硬化化学を介して硬化されたシリコーン系材料と同様又はより良好な毛髪繊維疎水化;
を与えていることを知ることができる。
【0117】
実施例は、アミノ官能性シリコーンよりもこれらの用途で使用するのに適切である、というのは後者は黄変の問題、高い臭気を有する傾向があり、皮膚刺激性であり得るためである。更に、本明細書に記載され、実施例1及び2に例示されるシリコーンポリマーは、多くのアミノ変性シロキサン(例えば、アモジメチコン)とは対照的に、エアロゾル製剤に使用することができる。
【0118】
縮合硬化化学を介して硬化したシリコーン系材料(比較例7~10)は良好な結果をもたらしたが、それらは、本明細書で使用されるポリマーと比較して、特に混合されるいくつかの成分の必要性、並びに得られる組成物を硬化させる必要性のために、製造及び硬化により多くの扱いにくさがある。本発明者らは、未硬化ポリマーを使用するだけで、この努力が打ち消される。
【0119】
複数の洗浄後の疎水化効果の維持
表3に示される結果は、複数回洗浄後(蒸留水中のSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)の9%溶液で15回洗浄・乾燥させた後)の毛髪サンプル上の疎水性効果の維持を示す。洗浄した髪房の水の接触角を上記と同様に測定した。
【表3】
【0120】
本明細書の実施例は、競合材料よりも長期の結果を改善したことが分かる。