(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】相互作用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20231011BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20231011BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20231011BHJP
A63G 33/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06K7/10 264
G06F3/048
A63G33/00
(21)【出願番号】P 2020538113
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 US2018061353
(87)【国際公開番号】W WO2019139673
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-10-12
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】コセアート トラビス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-045210(JP,A)
【文献】特開2018-000941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0169449(US,A1)
【文献】特開2007-272365(JP,A)
【文献】国際公開第2013/154295(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06K 7/10
G06F 3/048
A63G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連するRFIDタグ上に記憶されたデータを読み取り、
前記RFIDタグによって送信されたRFID信号の強度に基づいて、前記データと前記RFIDタグの第1の位置とを示す第1の信号を生成するように構成された無線周波数識別(RFID)リーダと、
相互作用要素とのユーザインタラクションを検出して、前記ユーザインタラクションと前記相互作用要素に関連する第2の位置とを示す第2の信号を生成するように構成されたセンサシステムと、
前記第1の信号によって示される前記第1の位置と、前記第2の信号によって示される前記第2の位置とが一致することに基づいて、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させ、
前記ユーザが前記ユーザインタラクションに合致したことを反映するようにユーザデータベースを更新する、
ように構成されたプロセッサと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記相互作用要素は、画像を表示するように構成されたディスプレイ含み、前記プロセッサは、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させたことに応答して、前記ディスプレイ上に提示するための別の画像をレンダリングするように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RFIDリーダは、極超短波RFIDリーダである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記RFIDリーダは、前記RFIDタグから前記RFIDリーダに送信されたRFID信号の強度を示す第3の信号を生成するように構成され、前記プロセッサは、前記第3の信号に基づいて、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサシステムは、1又は2以上の光学検出器を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサシステムは、第1の相互作用要素を表示するように構成されたディスプレイの周辺に位置する複数の光学検出器を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサシステムは、複数の近距離通信リーダを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサシステムは、光検出及び測距(LIDAR)システムを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサシステムは、抵抗式タッチ画面パネル、容量式タッチ画面パネル、表面音響波パネル、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記RFIDリーダは、さらなるユーザに関連するさらなるRFIDタグ上に記憶されたそれぞれのデータを読み取って、前記それぞれのデータと、前記さらなるRFIDタグの第3の位置とを示す第3の信号を生成するように構成され、前記センサシステムは、さらなる相互作用要素とのユーザインタラクションを検出して、前記さらなるユーザインタラクションと、前記さらなる相互作用要素の第4の位置とを示す第4の信号を生成するように構成され、前記プロセッサは、前記第3の信号によって示される前記第3の位置と、前記第4の信号によって示される前記第4の位置とが一致すること基づいて、前記さらなるユーザを前記さらなるユーザインタラクションに合致させ、前記さらなるユーザが前記さらなるユーザインタラクションに合致したことを反映するように前記ユーザデータベースを更新するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記センサシステムは、前記ユーザインタラクション及び前記さらなるユーザインタラクションが実質的に同時に発生した時に、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させて、前記さらなるユーザを前記さらなるユーザインタラクションに合致させるように構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記RFIDタグ上に記憶されたデータを読み取り、前記RFIDタグから前記1又は2以上のさらなるRFIDリーダに送信されたそれぞれのRFID信号のそれぞれの強度を示す1又は2以上のさらなる信号を生成するように構成された1又は2以上のさらなるRFIDリーダ備え、前記プロセッサは、前記第1の信号及び前記1又は2以上のさらなる信号に基づいて、前記相互作用要素に対する前記RFIDタグの位置を特定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
1又は2以上のそれぞれのユーザに関連する1又は2以上のRFIDタグ上に記憶されたデータを読み取るように構成された無線周波数識別装置(RFID)リーダと、
ディスプレイ上の第1の位置における第1のユーザインタラクション、及び前記ディスプレイ上の第2の位置における第2のユーザインタラクションを検出するように構成されたセンサシステムと、
前記RFIDリーダから、前記データを示すRFID信号を受け取り、前記センサシステムから、前記第1のユーザインタラクション及び前記第2のユーザインタラクションを示すセンサ信号を受け取るように構成されたプロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、前記センサ信号と、前記1又は2以上のRFIDタグのうちの第1のRFIDタグ上に記憶されたデータを前記RFIDリーダが読み取ったこととに基づいて、前記ディスプレイ上の前記第1の位置に表示するための第1の画像をレンダリングするように構成されるとともに、前記センサ信号と、前記1又は2以上のRFIDタグのうちの第2のRFIDタグ上に記憶されたデータを前記RFIDリーダが読み取ったこととに基づいて、前記ディスプレイ上の前記第2の位置に表示するための第2の画像をレンダリングするように構成され、
前記RFID信号はRFID信号の強度に基づいて前記1又は2以上のRFIDタグの各々のそれぞれの位置を示す、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記RFID信号及び前記センサ信号に基づいて、前記1又は2以上のそれぞれのユーザのうちの第1のユーザを前記第1のユーザインタラクションに合致させ、前記1又は2以上のそれぞれのユーザのうちの前記第1のユーザが前記第1のユーザインタラクションに合致したことを反映するようにユーザデータベースを更新するように構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
プロセッサにおいて、無線周波数識別装置(RFID)リーダによって読み取られた、ユーザに関連するRFIDタグ上に記憶されたデータと前記RFIDタグの第1の位置とを示す第1の信号を前記RFIDリーダから受け取るステップ
であって、前記第1の信号は前記RFIDタグから受信されたRFID信号の強度に基づいて前記RFIDの第1の位置を示す、受け取るステップと、
前記プロセッサにおいて、相互作用要素とのユーザインタラクションと、前記相互作用要素に関連する第2の位置とを示す第2の信号をセンサシステムから受け取るステップと、
前記プロセッサを使用して、前記第1の信号によって示される前記第1の位置と、前記第2の信号によって示される前記第2の位置とに基づいて、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させるステップと、
前記プロセッサを使用して、前記ユーザが前記ユーザインタラクションに合致したことを反映するようにユーザデータベースを更新するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記プロセッサを使用して、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させたことに応答して、ディスプレイ上に表示するための画像をレンダリングするステップを含む、
請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサシステムを使用して、発光素子によって放出された光の遮断を検出するステップと、
前記センサシステムを使用して、前記光の遮断に応答して前記第2の信号を生成するステップと、
を含む請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサにおいて、前記RFIDリーダによって読み取られたさらなるユーザに関連するさらなるRFIDタグ上に記憶されたそれぞれのデータと、前記さらなるRFIDタグの第3の位置とを示す第3の信号を前記RFIDリーダから受け取るステップと、
前記プロセッサにおいて、さらなる相互作用要素とのさらなるユーザインタラクションと、前記さらなる相互作用要素に関連する第4の位置とを示す第4の信号を前記センサシステムから受け取るステップと、
前記プロセッサを使用して、前記第3の信号によって示される前記第3の位置と、前記第4の信号によって示される前記第4の位置とに基づいて、前記さらなるユーザを前記さらなるユーザインタラクションに合致させるステップと、
前記プロセッサを使用して、前記さらなるユーザが前記さらなるユーザインタラクションに合致したことを反映するように前記ユーザデータベースを更新するステップと、
を含む請求項
15に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサにおいて、前記RFIDタグ上に記憶されたデータを読み取るように構成された1又は2以上のさらなるRFIDリーダから1又は2以上のさらなる信号を受け取るステップと、
前記プロセッサを使用して、前記第1の信号及び前記1又は2以上のさらなる信号に基づいて、前記相互作用要素に対する前記RFIDタグの位置を特定して、前記ユーザを前記ユーザインタラクションに合致させることを容易にするステップと、
を含む請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年1月15日に出願された「相互作用システム及び方法(INTERACTIVE SYSTEMS AND METHODS)」という名称の米国仮特許出願第62/617,531号に基づく優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地内で使用するための相互作用システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地及び/又はテーマパークは、様々な娯楽アトラクションを含むことができる。いくつかの既存のアトラクションは、来園客に没入的体験又は相互作用体験を提供することができる。例えば、来園客は、オーディオ、ビデオ及び特殊効果機能などの様々な特徴を有するエリアを訪れることができる。最新のアトラクションがますます高度かつ複雑になり、これに対応して遊園地及び/又はテーマパークの来園客間で期待が高まるとともに、より相互作用的な個人化された体験を提供するアトラクションを含む改善された独創性の高いアトラクションが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態では、システムが、ユーザに関連するRFIDタグ上に記憶されたデータを読み取って、このデータとRFIDタグの位置とを示す第1の信号を生成するように構成された無線周波数識別(RFID)リーダと、相互作用要素とのユーザインタラクションを検出して、ユーザインタラクションを示す第2の信号を生成するように構成されたセンサシステムと、第1の信号及び第2の信号に基づいて、ユーザをユーザインタラクションに合致させて、ユーザがユーザインタラクションに合致したことを反映するようにユーザデータベースを更新するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0005】
1つの実施形態では、システムが、それぞれのユーザに関連するRFIDタグ上に記憶されたデータを読み取るように構成された無線周波数識別装置(RFID)リーダと、ディスプレイの第1の部分における第1のユーザインタラクション、及びディスプレイの第2の部分における第2のユーザインタラクションを検出するように構成されたセンサシステムと、RFIDリーダから、上記データを示すRFID信号を受け取り、センサシステムから、第1のユーザインタラクション及び第2のユーザインタラクションを示すセンサ信号を受け取るように構成されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、RFID信号及びセンサ信号に基づいて、ディスプレイの第1の部分に表示するための第1の画像と、ディスプレイの第2の部分に表示するための第2の画像とをレンダリングするように構成される。
【0006】
1つの実施形態では、方法が、プロセッサにおいて、RFIDリーダから第1の信号を受け取り、その後にプロセッサにおいて、センサシステムから第2の信号を受け取るステップを含む。第1の信号は、RFIDリーダによって読み取られた、ユーザに関連するRFIDタグ上に記憶されたデータとRFIDタグの位置とを示し、第2の信号は、相互作用要素とのユーザインタラクションを示す。この方法は、プロセッサを使用して、第1の信号及び第2の信号に基づいて、ユーザをユーザインタラクションに合致させるステップと、最後にプロセッサを使用して、ユーザがユーザインタラクションに合致したことを反映するようにユーザデータベースを更新するステップとをさらに含む。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の態様による相互作用システムの概略図である。
【
図2】本開示の態様による、
図1の相互作用システムで使用できる無線周波数識別(RFID)システムの概略図である。
【
図3】本開示の態様による、
図1の相互作用システムと相互作用する複数のユーザの概略図である。
【
図4】本開示の態様による、
図1の相互作用システムで使用できるセンサシステムの概略図である。
【
図5】本開示の態様による、
図1の相互作用システムと共に使用してユーザの相互作用の深さを検出できるセンサシステムの概略図である。
【
図6】本開示の態様による、
図1の相互作用システムの動作方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の1又は2以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実際の実装の特徴を全て説明していない場合もある。なお、あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実際の実装の開発においては、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0010】
遊園地は、遊園地乗り物、実演ショー及びゲームなどの様々な娯楽を呼び物とする。様々なタイプの娯楽は、遊園地における来園客の体験を強化する特徴を含むことができる。しかしながら、娯楽の形態の多くは、来園客の以前の体験又は行動に基づいて変化することはない。例えば、ゲームは、各来園客について同じルール、要素及びゲームプレーを含むことができる。来園客の中には、来園客毎に及び/又は各相互作用中に異なる、より相互作用的な形態の娯楽を好む者もいる。従って、来園客と相互作用要素との相互作用を検出し、及び/又は来園客の相互作用に少なくとも部分的に基づいて独自の体験を提供するように相互作用要素を更新する相互作用システムを形成する必要があると考えられる。
【0011】
本開示は、無線周波数識別(RFID)を使用する相互作用システムに関する。相互作用システムのユーザは、遊園地の来園客とすることができる。ユーザは、RFIDタグを支持する装置を着用又は携行することができる。相互作用システムは、RFIDタグを読み取って、ユーザと相互作用要素との相互作用を検出することができる。1つの実施形態では、相互作用システムが、ユーザとシステムとの相互作用に応じて異なる要素を表示することができる。各ユーザは、システムとの間で異なるそれぞれの相互作用を行った可能性があり、従ってシステムは、ユーザ毎に異なる相互作用要素を表示することができる。さらに、相互作用システムは、ユーザの成果又は実績に基づいて異なる特徴をアクティブにすることができる。このようにして、相互作用システムとの間の各ユーザの体験を異なるものにし、より適切にユーザに適合するように調整することができる。
【0012】
図面を参照すると、
図1は、相互作用システム8の実施形態の概略図である。1つの実施形態では、相互作用システム8をアトラクションの室内又はエリア内に配置することができる。
図1に示すように、相互作用システム8は、RFIDリーダ10と、センサシステム12と、コンピュータシステム14(例えば、クラウドコンピュータシステム)とを含む。各RFIDリーダ10は、ユーザ18が着用又は携行できるウェアラブル装置16(例えば、ブレスレット、ネックレス、装飾品、ピン又は玩具などのウェアラブル装置又はポータブル装置)によって支持されたRFIDタグ50を読み取ることができる。1つの実施形態では、RFIDリーダ10を、RFIDタグ50及び/又は他の装置に情報を送信できるトランシーバとすることができる。例えば、RFIDリーダ10は、RFIDタグ50から受け取られた情報を示す信号をコンピュータシステム14に送信し、コンピュータシステム14は、この信号に基づいてユーザ18のおおよその位置を特定することができる。動作中、ユーザ18は、相互作用要素20(例えば、物体又は画像)と相互作用し、この相互作用をセンサシステム12が検出することができる。1つの実施形態では、相互作用要素20を、ディスプレイ21(例えば、画面又は壁部)上に表示された画像(例えば、視覚的要素又はグラフィック要素)とすることができる。ユーザ18が相互作用要素20と相互作用すると、センサシステム12は、実行された動作を検出し、コンピュータシステム14に動作を示す信号を送信することができる。コンピュータシステム14は、受け取られた信号に応答して、ユーザ18に関する情報を更新し(例えば、ポイントを割り当て、レベルを更新し、課題を完了としてマークし)、及び/又は相互作用要素20を変更することができる。コンピュータシステム14は、1又は2以上のデータベース22と、相互作用要素20及び1又は2以上のデータベース22を更新することに関する命令を含むメモリ24と、命令を実行する1又は2以上のプロセッサ26とを含むことができる。メモリ24は、命令を記憶できる非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0013】
図2は、相互作用システム8において使用できるRFIDシステム28の概略図である。RFIDシステム28は、RFIDリーダ10及びRFIDタグ50を含む。RFIDリーダ10は、ユーザ18に関連するウェアラブル装置16のRFIDタグ50を読み取ることによって情報を取得することができる。RFIDタグ50は、マイクロチップ52と、マイクロチップ52に給電を行う集積回路54と、情報を記憶するメモリ56と、信号を送受信できるアンテナ58とを含むことができる。RFIDリーダ10は、電磁波の形の信号を連続的に送出する。1つの実施形態では、RFIDリーダ10及びRFIDタグ50が、約300MHz~3GHzに及ぶことができる極超短波(UHF)を使用する。なお、RFIDリーダ10は、あらゆる好適な周波数の電波を放出することができると理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、これに加えて、又はこれとは別に、RFIDタグ50が近距離通信(NFC)を使用することもでき(例えば、RFIDタグ50を二重周波数RFIDタグとすることができ)、これをNFCリーダが読み取ることができる。ウェアラブル装置16がRFIDリーダ10から一定の距離(例えば、約10又は20フィート)内に存在する場合、RFIDタグ50のアンテナ58は、放出された電磁波をエネルギーとして取り込む。集積回路54は、このエネルギーを使用してマイクロチップ52に電力を供給し、マイクロチップ52は後方散乱を生成する。この後方散乱は、RFIDタグ50のメモリ56に記憶された情報を含む信号である。RFIDタグ50は、アンテナ58を介してRFIDリーダ10に後方散乱を送信し、RFIDリーダ10は、この後方散乱を解釈して情報を取得する。RFIDリーダ10は、RFIDタグ50から取得された後方散乱を示す信号をコンピュータシステム14に送信することができる。コンピュータシステム14は、この情報を使用して、相互作用システム8の相互作用要素20を変更することができる。さらに、RFIDリーダ10は、RFIDタグ50によって送信された後方散乱の強度を検出することができ、この結果、コンピュータシステム14は、RFIDタグ50の、従ってユーザ18のおおよその位置を特定することができる。1つの実施形態では、相互作用システム8内で複数のRFIDリーダ10を使用して、受け取られた後方散乱のそれぞれの強度に基づいて、(例えば、三角測量を介して)より効率的に及び/又は正確にユーザ18の位置を特定することができる。
【0014】
ウェアラブル装置16は、複数の相互作用システム8内に配置された複数のRFIDリーダ10と互換性を有することができ、複数回の遊園地の訪問にわたって再利用することができる。動作中、RFIDリーダ10がRFIDタグ50から信号を受け取ると、RFIDリーダ10は、ウェアラブル装置16を識別することができ、コンピュータシステム14は、1又は2以上のデータベース22からの対応する情報にアクセスすることができる。1又は2以上のデータベース22内の対応する情報は、ユーザのアイデンティティ、基本設定、ゲーム内レベル、完了した課題又は行動、チーム加入、或いはユーザ18、ウェアラブル装置16、及び/又は1又は2以上の相互作用システム8との過去の相互作用に関連する様々な他の情報のいずれかを含むことができる。このようにして、ユーザ18は、過去の実績及び体験を積み重ねることができる。1又は2以上のデータベース22は、ディスプレイ21上などにレンダリングできる蓄積メディアを(例えば、モデル又はメディアデータベース内に)含むこともできる。1つの実施形態では、メモリ56とリモートコンピュータシステム(例えば、ゲーム機)との間でデータを転送することができる。例えば、リモートコンピュータシステム上の成果を示すデータをメモリ56に書き込んで記憶することができる。その後、RFIDリーダ10は、メモリ56内のデータを読み取ることができ、コンピュータシステム14は、このデータに基づいてゲームプレーを調整する(例えば、ディスプレイ21上に新たな相互作用要素20を生成する)ことができる。
【0015】
再び
図1を参照すると、センサシステム12及びRFIDシステム28(
図2)は、相互作用の発生、及びその相互作用を誰が引き起こしたかの両方を特定するように連動することができる。例えば、ユーザ18は、相互作用要素20と相互作用する(例えば、ディスプレイ21上の画像とすることができる相互作用要素20に触れる)ことができる。センサシステム12は、相互作用要素20との相互作用が発生したことを検出し、コンピュータシステム14に信号を送信することができる。センサシステム12によって生成された信号は、相互作用の発生、及び/又はセンサシステム12及び相互作用要素20に対する相互作用の位置に関する情報を示し又は提供することができる。しかしながら、センサシステム12は、ユーザ18のアイデンティティを検出することも、どのユーザ18が相互作用要素20と相互作用したかを特定することもできない。上述したように、RFIDシステム28は、ユーザ18のRFIDタグ50から受け取られた後方散乱に基づいてユーザ18の識別を特定することができる。RFIDシステム28は、受け取られた後方散乱の強度に基づいてユーザ18のおおよその位置を特定することもできる。RFIDシステム28は、これらの識別及びおおよその位置に関する情報をコンピュータシステム14に送信することができる。その後、コンピュータシステム14は、相互作用の発生、相互作用の位置、ユーザ18の識別及びユーザ18の位置に関する情報を使用して、どのユーザ18が相互作用要素20と相互作用したかを特定することができる。コンピュータシステム14は、ユーザ18が相互作用要素20と相互作用したと判定した結果、この相互作用を反映するようにユーザ18に関する情報を更新する(例えば、ポイントを割り当てる)ことができる。従って、センサシステム12及びRFIDシステム28は、共にアトラクション内の各ユーザ18の相互作用を効率的に追跡するシステムを提供する。
【0016】
1つの実施形態では、コンピュータシステム14のプロセッサ26が、ユーザ18が着用又は携行しているウェアラブル装置16に支持されているRFIDタグ50の識別を特定することができる。1つの実施形態では、データベース22が、ユーザ18に関連することができるRFIDタグ50の対応する情報を含むことができる。例えば、ユーザ18は、ウェアラブル装置16を取得すると、ウェアラブル装置16を登録してユーザ18に関連付け、及び/又は(例えば、コンピュータシステム14に通信可能に結合された携帯電話機などのユーザのコンピュータ装置を介して)ユーザの名前、年齢、物理的属性及び/又は制限、好みの難易度、好みのキャラクタ、好みのゲームタイプ、好みのチーム加入又は好みのテーマなどなどのいずれかのユーザ情報及び/又は基本設定を入力し、これらをRFIDタグ50の対応する情報としてデータベース22内に記憶することができる。ユーザ18が相互作用システム8と相互作用すると、データベース22内に記憶されたRFIDタグ50の対応する情報を、完了した相互作用、成果又はゲーム内レベルなどを含むように更新することができる。
【0017】
なお、データベース22は、それぞれのユーザ18が着用又は携行しているそれぞれのウェアラブル装置16にそれぞれが支持された複数のRFIDタグ50の対応する情報を含むことができると理解されたい。1つの実施形態では、プロセッサ26が、RFIDタグ50の識別を特定した時点でデータベース22内の(例えば、ウェアラブル装置16のRFIDタグ50に対応又は関連する)対応する情報にアクセスすることができる。上述したように、データベース22は、別の相互作用システム8に結合できる複数のコンピュータシステム14と通信することができる。
【0018】
上述したように、コンピュータシステム14においてRFIDリーダ10から受け取られた信号は、ユーザ18の位置に関する情報を提供することができる。例えば、RFIDリーダ10からの信号は、RFIDタグ50からの後方散乱の検出、及び/又はRFIDタグ50から受け取られた後方散乱の強度を示すことができ、後方散乱の強度は、ウェアラブル装置16の、従って対応するユーザ18のおおよその位置をさらに示すことができる。例えば、RFIDリーダ10は、RFIDリーダ10から一定の範囲又は距離内のRFIDタグ10しか読み取らないことができる。従って、RFIDリーダ10による後方散乱の検出は、ウェアラブル装置16のRFIDタグ50がRFIDリーダ10から一定の範囲又は距離内に存在することを示す。
【0019】
動作中、コンピュータシステム14は、センサシステム12から信号を受け取ることもできる。この信号は、相互作用要素20との相互作用の発生を示すことができる。図示の実施形態では、相互作用要素20が、ディスプレイ21上に提示された画像である。1つの実施形態では、プロセッサ26が、センサシステム12からの信号を処理して相互作用要素20との相互作用を検出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ26が、センサシステム12からの信号を処理して、相互作用要素20に対する相互作用の位置を特定して相互作用要素20との相互作用が発生したかどうかを判定することができる。例えば、相互作用要素20は、ディスプレイ21の隅部に位置する画像とすることができる。センサシステム12がディスプレイの21の隅部の相互作用要素20の位置又はその近傍で行われた動作(例えば、タッチ、スワイプ、動き)を感知すると、プロセッサ26は、相互作用要素20との相互作用が発生したと判定することができる。従って、プロセッサ26は、センサシステム12から受け取られた信号を処理して、相互作用の発生及び/又は相互作用の位置を特定することができる。
【0020】
1つの実施形態では、プロセッサ26が、RFIDリーダ10からの信号を受け取って処理し、相互作用要素20との相互作用を実行したユーザ18に関連するRFIDタグ50のアイデンティティを特定することもできる。なお、RFIDリーダ10からの信号が後方散乱の強度を示すこともでき、及び/又は複数のRFIDリーダ10を利用してユーザ18に関連するRFIDタグ50の位置の特定を容易にすることもできると理解されたい。RFIDタグ50の位置を特定すると、とりわけそれぞれのRFIDタグ50を有するそれぞれのウェアラブル装置16をそれぞれが有する複数のユーザ18が互いに近接している場合、又はRFIDタグ50の範囲内に存在する場合に、ユーザ18と相互作用要素20との相互作用の合致を促すことができる。
【0021】
プロセッサ26は、ユーザ18が相互作用要素20との相互作用を完了したとの判定に応答して、1又は2以上の相互作用要素20を更新する信号を送信することができる。例えば、プロセッサ26は、ユーザ18が相互作用要素20に触れたと判定したことに応答して、相互作用要素20を消滅させて新たな相互作用要素20に置き換えさせる信号を送信することができる(例えば、プロセッサ26は、1又は2以上のデータベース22からの関連情報に基づいて、ディスプレイ21上に表示するための画像をレンダリングすることができる)。1つの実施形態では、コンピュータシステム14が、RFIDタグ50のアイデンティティ及び/又はデータベース22からアクセスされる対応する情報に基づいて、新たな相互作用要素20の表示をレンダリング及び/又は指示することができる。例えば、コンピュータシステム14は、RFIDタグ50が特定のチームに属することを示すデータベース22内の対応する情報にアクセスし、その後にこの特定のチームに関連するアニメキャラクタの表示をレンダリング及び/又は指示することができる。これに加えて、又はこれとは別に、コンピュータシステム14は、オーディオをレンダリング及び/又は再生することもできる。従って、コンピュータシステム14は、相互作用要素20との相互作用を検出したことに応答して、異なるタイプのメディア(例えば、オーディオ、画像)をレンダリングすることができる。さらに、1つの実施形態では、プロセッサ26が、相互作用要素20との相互作用を反映するようにデータベース22を更新することができる。例えば、プロセッサ26は、ユーザ18が相互作用要素20と相互作用したと判定したことに応答して、ユーザ18が着用又は携行しているウェアラブル装置16に支持されたRFIDタグ50の対応する情報(例えば、相互作用要素20との相互作用からユーザ18が獲得したポイント、ゲーム内レベル、完了した相互作用)を更新する信号をデータベース22に送信することができる。このように、プロセッサ26は、センサシステム12によって送信された信号とRFIDリーダ10によって送信された信号との組み合わせを処理して、相互作用要素20及び/又はデータベース22を更新することができる。
【0022】
1つの実施形態では、RFIDシステム28が、複数のユーザ18の情報を同時に更新することができる。例えば、RFIDリーダ10は、相互作用要素20に近接するゾーン(例えば、所定のゾーン)内に複数のユーザ18が存在すると判定することができる。その後、ユーザ18のうちの1人が相互作用要素20と相互作用すると、コンピュータシステム14は、相互作用要素20に近接するゾーン内に存在する全てのユーザ18の情報を更新することができる。
【0023】
ユーザ18が特定の成果に達する(例えば、相互作用から十分なポイントを積み重ね、又は一定の相互作用を完了する)と、コンピュータシステム14は、この成果を処理して、ユーザ18が特別なアイテム又は体験を得られるようにすることができる。1つの実施形態では、相互作用システム8が、ユーザ18が一定の成果に達した後にのみアクセスできる隔離された部屋又はエリアを含むことができる。例えば、この隔離された部屋又はエリアの扉をコンピュータシステム14と通信可能に結合し、ユーザ18が一定の成果に達した後にのみ、コンピュータシステム14がドアを開く信号を供給することができる。1つの実施形態では、一定の成果に達した結果として、コンピュータシステム14が(例えば、ユーザ18の印刷装置又はモバイル装置を介して)専用商品のクーポンを提供することができる。なお、コンピュータシステム14は、データベース22からデータを受け取って分析し、一定の成果が達成されたと判定してこのような動作を実行することができると理解されたい。
【0024】
図3は、
図1に示す相互作用システム8の実施形態の概略図である。
図3には、RFIDリーダ10、センサシステム12、及びコンピュータシステム14を示す。さらに、
図3には、それぞれのRFIDタグ50A、50B、50Cを支持するそれぞれのウェアラブル装置16A、16B及び16Cをそれぞれが有する複数のユーザ18A、18B及び18Cも示す。
図3では、ユーザ18が相互作用システム8内に位置して、ウェアラブル装置16AがRFIDリーダ10に最も近く、ウェアラブル装置16Cが最も離れており、ウェアラブル装置16Bが中間に存在する。上述したように、それぞれのウェアラブル装置16上に位置するそれぞれのRFIDタグ50は、RFIDリーダ10にそれぞれの後方散乱を送信し、後方散乱の検出及び/又は強度は、RFIDリーダ10に対するRFIDタグ50の位置に基づく。例えば、
図3では、RFIDリーダ10が受け取る後方散乱は、RFIDタグ50Bと比べてRFIDタグ50Aからの方が強くなる。さらに、RFIDリーダ10は、それぞれの後方散乱の強度を示す情報を含む信号をコンピュータシステム14に送信する。この結果、コンピュータシステム14は、ユーザ18Aの位置の方がユーザ18BよりもRFIDリーダ10に近いと判定する。さらに、RFIDタグ50Cは、RFIDリーダ10の受信範囲外に存在する可能性があり、従ってRFIDリーダ10は、ユーザ18Cを検出することも、ユーザ18Cの存在をコンピュータシステム14に示すこともしない場合がある。他のRFIDリーダ10を併用して、三角測量などを介してさらに詳細に位置情報を識別することもできる。
【0025】
センサシステム12は、相互作用要素20との各相互作用を検出し、これらの相互作用を示す信号を生成することができる。例えば、
図3を参照すると、ユーザ18Aが第1の相互作用要素20Aと相互作用した場合、センサシステム12は、第1の相互作用要素20Aとの相互作用を検出し、この相互作用を示す信号を生成する。同様に、ユーザ18Bが第2の相互作用要素20Bと相互作用した場合、センサシステム12は、第2の相互作用要素20Bとの相互作用を検出し、この相互作用を示す信号を生成する。1つの実施形態では、第1及び第2の相互作用要素20A、20Bが、センサシステム12に通信可能に結合されたタッチ画面上に位置することができる。ユーザ18A、18Bがそれぞれの第1及び第2の相互作用要素20A、20Bに触れると、タッチ画面は相互作用を検出することができる。この結果、センサシステム12は、それぞれの相互作用を示す信号をコンピュータシステム14に送信する。コンピュータシステム14は、第1及び第2の相互作用要素20A、20Bとのそれぞれの相互作用を示すセンサシステム12からの信号と、ユーザ18A、18Bの位置を示すRFIDリーダ10からの信号とを受け取って処理し、第1の相互作用要素20Aとの相互作用をユーザ18Aに、そして第2の相互作用要素20Bとの相互作用をユーザ18Bに合致させる(例えば、割り当てる)。例えば、コンピュータシステム14は、これらの信号に基づいて、第1の相互作用要素20Aとの相互作用時にユーザ18Aが第1の相互作用要素20Aの最も近くに存在していたと判定し、従ってユーザ18Aを第1の相互作用要素20Aとの相互作用に合致させる。1つの実施形態では、コンピュータシステム14が、受け取った信号及び合致した相互作用に基づいて、データベース22内のユーザ18A、18Bのための対応する情報を更新することができる。
【0026】
1つの実施形態では、コンピュータシステム14が、受け取った信号に基づいて相互作用要素20を更新するための信号を送信することができる。例えば、コンピュータシステム14は、1又は2以上のデータベース22のモデルデータベースからの1つの新たな画像をユーザ18Aの付近のディスプレイ21上に表示するためにレンダリングし、モデルデータベースからの異なる新たな画像をユーザ18Bの付近のディスプレイ21上に表示するためにレンダリングすることができる。新たな画像及び異なる新たな画像は、データベース22内のユーザ18A、18Cに関連するRFIDタグ50A、50Bのための対応する情報に少なくとも部分的に基づいてレンダリングすることができる。このようにして、相互作用システム8は、各ユーザ18の実績を追跡し、及び/又は各ユーザ18のために個人化された体験を提供することができる。これに加えて、又はこれとは別に、コンピュータシステム14は、モデルデータベースからの異なる新たな画像をユーザ18の情報とは無関係に局所的にレンダリングすることもできる。例えば、画像をターゲットとすることができ、これらの画像に相互作用が行われると、どのユーザが相互作用を完了したかにかかわらずターゲットが消滅し、及び/又は別の特定の画像(例えば、同じ画像)に置き換わることができる。この場合、相互作用は、ユーザ18に関連する情報に影響を与えることも与えないことも、或いはこのような情報を変更することもしないこともできる。
【0027】
図4は、センサシステム12の実施形態の正面図である。
図4には、相互作用要素20との相互作用を検出できる複数のセンサ要素を示す。1つの実施形態では、センサシステム12が、光を放出できる1又は2以上の光エミッタ100(例えば、発光ダイオード[LED]、レーザー)と、対応する光学検出器102(例えば、光検出器)とを含む。図示のように、1つの実施形態では、光エミッタ100及び光学検出器102をディスプレイ21の周辺に配置することができる。1つの実施形態では、各光エミッタ100が、対応する光学検出器102に向けて光を放出するように、対応する光学検出器102に向かい合う(例えば、光学検出器102の真向かいに整列する)。1つの実施形態では、光学検出器102と光エミッタ100との間に物体が存在しない限り、光エミッタ100によって放出された光を光学検出器102が検出する。しかしながら、光エミッタ100から放出された光に物体が干渉し、又は光学検出器102に到達するのを妨げる(例えば、ユーザ18がディスプレイ21上の相互作用要素20と相互作用するために手を伸ばす)と、光学検出器102は、放出された光を検出せず、従って放出された光を検出しなかったことを示す信号をコンピュータシステム14に送信する。図示のようにディスプレイ21の周辺に光エミッタ100及び光学検出器102を配置すると、コンピュータシステム14は、光学検出器102からの信号を処理して、相互作用要素20及び/又はディスプレイ21に対する(例えば、X軸及びY軸に沿った)相互作用の位置を特定することができる。
【0028】
1つの実施形態では、光エミッタ100及び光学検出器102を共通のハウジング内に配置し、或いは光学検出器102が反射光を検出できるように配置することができる。いくつかのこのような例では、光エミッタ100によって放出された光を物体(例えば、ユーザ18の手)が光学検出器102に向けて反射することができ、光学検出器102は、反射光を検出して、放出された光を検出したことを示す信号をコンピュータシステム14に供給することができる。このようにして、センサシステム12は、相互作用要素20との相互作用の発生を示す信号を供給することができる。
【0029】
これに加えて、又はこれとは別に、センサシステム12は、NFCリーダ104又はその他の様々なリーダのいずれか(例えば、UHFリーダ)などの、相互作用要素20との相互作用を検出する複数のRFIDリーダ10を含むこともできる。1つの実施形態では、NFCリーダ104をディスプレイ21の後方側(すなわち、ユーザ18に見えるディスプレイ21の前方側の反対側)に配置することができる。1つの実施形態では、NFCリーダ104が格子状に(例えば、一連の行列で)配置される。従って、ユーザ18が相互作用要素20と相互作用するために前方に手を伸ばすと、NFCリーダ104は、ウェアラブル装置16上に位置するNFC RFIDタグを読み取ることができる。
図1~
図3に関して上述したように、RFIDタグ50は、NFC RFIDタグを含むことができる。1つの実施形態では、NFCリーダ104が、NFC RFIDタグからアイデンティティ情報を受け取って、相互作用とユーザ18との合致を容易にするためにコンピュータシステム14に提供することができる。
【0030】
これに加えて、又はこれとは別に、センサシステム12は、光検出及び測距(LIDAR)システムを含むこともできる。LIDARシステムは、ディスプレイ21に近接して配置された少なくとも1つのLIDARセンサ106を含むことができる。動作中、LIDARセンサ106は、ディスプレイ21を光(例えば、レーザー光)の層で覆うように連続的に光を送信する。放出された光は、その経路内の物体にぶつかるとLIDARセンサ106に逆反射し、従ってLIDARセンサ106は、物体がどれほど離れているかを判断することができる。例えば、ユーザ18がディスプレイ21上の相互作用要素20と相互作用するために手を伸ばすと、ユーザの手がLIDARセンサ106によって放出された光に干渉し、この干渉をLIDARセンサ106が検出して干渉の位置を特定する。その後、LIDARセンサ106は、さらなる処理のために、干渉の位置を示す信号をコンピュータシステム14に送信することができる。
【0031】
これに加えて、又はこれとは別に、センサシステム12は、抵抗式タッチ画面パネル、容量式タッチ画面パネル、表面音響波パネル、又はこれらのいずれかの組み合わせなどのタッチ画面を含むこともできる。タッチ画面は、ディスプレイ21上で行われた相互作用を(例えば、接触力又は電荷によって)感知することができ、感知された相互作用の位置に基づいて相互作用の位置を特定することができる。その後、タッチ画面は、感知された相互作用の位置を示す信号をコンピュータシステム14に送信することができる。なお、ディスプレイ21は、相互作用要素20を表示して相互作用要素20との相互作用を検出できる1又は2以上のタッチ画面ディスプレイとすることができ、或いはこのようなタッチ画面ディスプレイを含むことができると理解されたい。
【0032】
これに加えて、又はこれとは別に、センサシステム12は、圧力パッド、スイッチ又はカメラなどの、相互作用を検出できる他の要素を含むこともできると理解されたい。また、センサシステム12は、相互作用及びその位置の感知に使用するための、上述した要素又は上述していない他のいずれかの好適な要素のいずれかの組み合わせを含むこともできると理解されたい。
【0033】
図5に、相互作用のさらなる特性(例えば、Z軸に沿った深さ)を検出できるセンサシステム12の実施形態を示す。
図5に示すセンサシステム12は、層状LIDARシステムを含む。しかしながら、センサシステム12は、
図4と同様にディスプレイ21の周囲に配置された(例えば、Z軸に沿った)複数層の光エミッタ100及び光学検出器102を含むこともできると理解されたい。
図5には、2つのLIDARセンサ106A及び106Bが存在する。図示のように、LIDARセンサ106Aは、LIDARセンサ106Bよりも前方に(すなわち、ユーザ18の方に)位置することにより、LIDARセンサ106Bによってディスプレイ21の前に形成される光層150Bよりもユーザ18に近い光層150Aを形成する。このようにすると、LIDARセンサ106Bが干渉物(例えば、ユーザの手)を検出することなく、LIDARセンサ106Aが干渉物を検出することができる。コンピュータシステム14は、LIDARセンサ106A(106B)によって送信された信号を処理して、相互作用のおおよその深さを特定することができる。例えば、両LIDARセンサ106A、106Bが物体を検出した場合、コンピュータシステム14は、ユーザ18がディスプレイ21上の相互作用要素20と完全に又は正常に相互作用した(例えば、接触した又は触れた)と判定することができる。しかしながら、一方のLIDARセンサ106Aのみが物体を検出した場合、コンピュータシステム14は、ユーザ18が相互作用要素20と完全に相互作用しなかったと判定することができる。さらに、
図5には2つのLIDARセンサ106A、106Bを示しているが、相互作用の深さ感知を可能にするためにあらゆる好適な数のLIDARシステム及び対応する光層が存在することもできる。
【0034】
1つの実施形態では、センサシステム12を使用してユーザ18の位置を検出することができる。例えば、さらなるLIDARセンサ106を配置して、相互作用システム8内のユーザ18の位置(例えば、室内又はエリア内の位置)を検出することができる。すなわち、ユーザ18の存在が、LIDARセンサ106のうちの1つ又は2つ以上の放出された光に干渉することができる。その後、1又は2以上のLIDARセンサ106は、この干渉に関する情報をコンピュータシステム14に送信してユーザ18の位置を特定することができる。その後、LIDARセンサ106から受け取られた信号をRFIDリーダ10から受け取られた信号と組み合わせてユーザ18のアイデンティティを特定することができる。
【0035】
さらに、1つの実施形態では、センサシステム12を、ユーザ18の骨格の動き及びジェスチャを検出するように構成することができる。例えば、センサシステム12は、複数の撮像装置(例えば、カメラ)を含むことができ、これらの撮像装置によって取得された画像を(例えば、コンピュータシステム14が画像処理アルゴリズムを使用して)処理して、ユーザ18の骨格の動き及びジェスチャ(例えば、手を振ったこと、ジャンプ、ダンス、相互作用要素20に向けて手を伸ばしたこと)を特定することができる。1つの実施形態では、ユーザ18が相互作用要素20に向けて手を伸ばしている様子をカメラが検出できるようにディスプレイ21に対して撮像装置を配置することによって、相互作用の発生及び/又は相互作用の深さの判定を可能にすることができる。撮像装置によって取得された画像が、ユーザ18が相互作用要素20と一定の深さで相互作用した(例えば、実質的にディスプレイ21に近接する領域に腕を伸ばした)ことを示す場合、コンピュータシステム14は、相互作用が発生したと判定し、これに対応してユーザ18及び/又は相互作用要素20のプロファイルを更新することができる。しかしながら、撮像装置によって取得された画像が、ユーザ18が相互作用要素20と適切に相互作用しなかった(例えば、相互作用が適切な深さでない)ことを示す場合、コンピュータシステム14は、ユーザ18及び/又は相互作用要素20のプロファイルを更新しないことができる。従って、センサシステム12は、例えば相互作用、相互作用の深さ、ユーザの位置及び/又はユーザによって行われたジェスチャを検出するように構成された様々な要素(例えば、光エミッタ100、光学検出器102、LIDARセンサ106、カメラ)のうちのいずれかを含むことができる。
【0036】
なお、センサシステム12などの相互作用システム8の様々な特徴は、コンピュータシステム14に無線で結合することができると理解されたい。例えば、センサシステム12を部屋又はエリアに制限し、或いはこれらの中に固定しないこともできる。1つの実施形態では、センサシステム12を移動車両(例えば、遊園地乗物)上に配置することができる。センサシステム12は、ユーザ18が乗物に乗っているかどうかを検出し、乗り物の最中に(例えば、乗物車両が経路に沿って進む際に)行われた相互作用を検出し、これに応じてデータベース22及び/又は相互作用要素20を更新することができる。1つの実施形態では、センサシステム12を人物又はアニメキャラクタ上に配置して、これらの人物又はアニメキャラクタとの相互作用を検出することができる。このように、センサシステム12は、遊園地内のあらゆる場所に配置することができ、静止物に固定しなくてもよい。
【0037】
図6は、ユーザ18の実績を追跡し、データベース22内のデータを更新し、及び/又は相互作用要素20更新して、ユーザ18に独自の個人化された体験をもたらすためにプロセッサ26が実行できる方法138のフローチャートである。本明細書に開示する方法138は、ブロックによって表す様々なステップを含む。なお、方法138の少なくともいくつかのステップは、相互作用システム8などのシステムによる自動手順として実行することができる。このフローチャートにはステップを特定の順序で示しているが、これらのステップはあらゆる好適な順序で実行することができ、適切な場合にはいくつかのステップを同時に実行することもできると理解されたい。また、方法138に対してステップを追加又は省略することもできる。さらに、方法138のいくつかのステップ又は部分を別の装置によって実行することもできる。例えば、方法138の第1の部分をコンピュータシステム14のプロセッサ26が実行し、方法138の第2の部分を別の処理装置が実行することもできる。また、本明細書に開示する方法138のステップを受信信号に適用する場合、受信信号は、未加工の信号又は処理済み信号とすることができると理解されたい。すなわち、方法138は、受信信号の出力に適用することができる。
【0038】
ブロック140において、プロセッサ26がRFIDリーダ10から信号を受け取る。この信号は、ユーザ18に対応するRFIDタグ50から読み取られた情報を提供し、この情報をプロセッサ26が使用してRFIDタグ50の識別を特定し、及び/又はデータベース22の対応するデータにアクセスする。プロセッサ26は、RFIDリーダ10から受け取られた信号を使用して、RFIDリーダ10、相互作用要素20、及び/又はディスプレイ21に対するRFIDタグ50の位置を特定することもできる。
【0039】
ブロック142において、プロセッサ26は、相互作用要素20との相互作用の発生を示す信号をセンサシステム12から受け取る。この信号は、相互作用要素20に対する相互作用の位置を示すことができる。ブロック144において、プロセッサ26は、相互作用の位置及びRFIDタグ50の位置に少なくとも部分的に基づいて、この相互作用を対応するRFIDタグ50に、従って対応するユーザ18に合致させることができる。
【0040】
ブロック146において、プロセッサ26は、ユーザ18による相互作用に基づいてデータベース22を更新する。例えば、プロセッサ26は、追加ポイントを含めること、又は相互作用を完了として記録することなどを行うようにデータベース22を更新することができる。ブロック148において、プロセッサ26は、対応するRFIDタグ50に、従って関連するユーザ18に相互作用を合致させた結果として相互作用要素20を更新することができる。相互作用要素20は、例えばRFIDタグ50及びユーザ18に固有の対応する情報に基づいて次の相互作用要素20が選択されてユーザ18に提示されるように、ユーザに特化した形で更新することができる。方法138は、あらゆる数のユーザ18によるあらゆる数の相互作用に応答して実行することができる。さらに、複数のユーザ18が複数の相互作用要素20と同時に相互作用する場合、プロセッサ26は、方法138を同時に複数回実行することができる。
【0041】
上述したように、本開示の実施形態は、RFIDリーダ、センサシステム及びコンピュータシステムを使用してRFIDタグの位置及び識別を特定する相互作用システムについて説明したものである。さらに、システムは、RFIDタグに関連するユーザによって実行された相互作用を検出する。相互作用システムは、RFIDタグに関連する情報を1又は2以上のデータベースに記憶し、この情報は、ユーザの相互作用、基本設定、実績、又はこれらのいずれかの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて動的に変化する。コンピュータシステムは、これらの情報を反映して各ユーザの体験を強化するように相互作用システムの要素を更新する。
【0042】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の正確な趣旨に従う全てのこのような修正及び変更を含むように意図されていると理解されたい。
【符号の説明】
【0043】
8 相互作用システム
10 RFIDリーダ
12 センサシステム
14 コンピュータシステム
16 ウェアラブル装置
18 ユーザ
20 相互作用要素
21 ディスプレイ
22 データベース
24 メモリ
26 プロセッサ
50 RFIDタグ